JPWO2005116044A1 - インドロピロロカルバゾール誘導体の製造法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、抗がん剤として有用なインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容される塩の工業的に好適な製造方法に関するものである。本発明の製造方法によれば、一般式(V):【化1】で表される化合物、その溶媒和物又はそれらの塩を、不活性溶媒中、塩基で処理し、続いて酸で処理し、得られた反応液を、不活性溶媒中、さらに塩基で処理し、続いて酸で処理し、ついで、得られた化合物とヒドラジンジオールの酸付加塩とを酸捕捉剤の存在下で反応させた後、得られた化合物の保護基を除去することにより式(I):【化2】で表されるインドロピロロカルバゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を製造することができる。

Description

本発明は医薬の分野で有用な発明である。更に詳しくは、本発明は、医薬の分野で有用なインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容される塩の、工業的に好適な製造方法並びにその製造に必要とされる新規な製造中間体及びその製造法に関するものである。
本発明の製造法により製造される式(I):
Figure 2005116044

で表されるインドロピロロカルバゾール誘導体は、抗ガン作用を有し、現在臨床試験中の化合物であることが、非特許文献1に開示されている。
また、インドロピロロカルバゾール誘導体(I)の製造方法に関しては、特許文献1に、以下の反応式で示される製造方法が開示されている。
Figure 2005116044
しかしながら、化合物(b)及び化合物(c)はその量が微量であっても、人体に接触すると好ましくない影響を及ぼす(例えば、皮膚の発赤など)。
当該製造方法には、このような人体に好ましくない高生理活性化合物を取り扱う工程(各化合物(b)及び(c)の製造工程)が介在している。そのため、以下の(A)〜(C)の点から、工業的に化合物(I)を製造するには好ましくないため、そのような工程を削減することが望まれた。
(A)特別に、当該高生理活性化合物を封じ込めるための空調設備を備えた部屋に、当該工程の製造設備を収納しなければならないこと。
(B)当該の部屋の建設費及び稼働コストは、高く、さらに当該製造工程から発生する廃棄物の処理にかかるコストも、当該高生理活性化合物を含むがゆえに高いものとなること。
(C)当該工程に携わる作業者は、全身を覆う保護服を着用し、呼気を供給されながら作業をしなければならないことから派生する、肉体的な負担が大きいため、その作業効率は、通常の2分の1に低下すること。
また、インドロピロロカルバゾール誘導体(I)の製造方法におけるグリコシル化工程については、特許文献2に、以下の反応式で示される製造方法が開示されている。
Figure 2005116044
なお、上記反応式における、Bnは、ベンジル基を示す。
特許文献1に開示された製造方法に関わる、当該工業的化合物(I)の製造にかかわる好ましくない点を解消した製造方法(高生理活性化合物を扱う2工程を削減)として、以下の反応式で示されるインドロピロロカルバゾール誘導体の製造方法が、特許文献3に開示されている。
Figure 2005116044
[式中、Xは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、X、X、X、X、X及びXは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示し、X及びXは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は水酸基の保護基を示し、Xは酸分子を示す。]
日本特許第3038921号 PCT国際公開WO02/36601パンフレット 日本特許第3388489号 ミツル オークボ(Mitsuru Ohkubo)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)、第9巻3307−3312頁(1999年)
本発明の目的は、特許文献2及び特許文献3に開示されているインドロピロロカルバゾール誘導体(I)の製造法を、工業的製造法としてさらに優れた製造法に改善することにある。
すなわち、本発明の目的は、以下の(イ)及び(ロ)である。
(イ) 化合物(IV’)及び化合物(V’)の収率を向上させること。
(ロ) 化合物(V’)から化合物(IV’)を製造する工程において、副生し、最終目的物であるインドロピロロカルバゾール誘導体(I)にまで含まれてしまう不純物の含量を下げること。
本発明者らは、インドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容できる塩の製造方法について検討を重ねた結果、以下の(1)〜(4)の点を見出して、工業的な製造方法として優れたインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容できる塩の製造方法にかかわる本発明を完成した。
(1) 最終目的物である化合物(I)又はその塩中の不純物を削減できること。
(2) 化合物(V’)又はその塩から化合物(IV’)又はその塩を製造する工程の改良により、化合物(IV’)又はその塩の収率を向上できること。
(3) 化合物(V’)又はその塩から化合物(IV’)又はその塩を製造する工程の改良により、化合物(IV’)又はその塩に含まれる不純物を削減できること。
なお、当該不純物は、それ以後の工程においても除かれず、最終目的物であるインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容される塩に混入するため、高品質な当該最終目的物を工業的に製造する上で、当該不純物の除去は非常に重要である。
(4) 化合物(V’)又はその塩の製造法において、化合物(V’)を溶媒和物(一般に、遊離型化合物に比べて、溶媒和物は結晶性がよいと考えられている。)の結晶として単離することにより、化合物(V’)又はその塩の収率及び純度を向上できること。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(14)に関するものである。
(1)式(I):
Figure 2005116044
で表されるインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
(i)一般式(V):
Figure 2005116044
[式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物、その溶媒和物又はそれらの塩を、不活性溶媒中、塩基で処理し、続いて酸で処理する工程;
(ii)前工程得られた反応液を、不活性溶媒中、さらに塩基で処理し、続いて酸で処理して、一般式(IV):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を得る工程;
(iii)前工程で得られた一般式(IV)で表される化合物と、一般式(III):
Figure 2005116044
[式中、Xは、存在しないか又は酸分子を、R及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は水酸基の保護基を示す]で表されるヒドラジンジオール又はその酸付加塩とを、酸捕捉剤の存在下で反応させることにより、一般式(II):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を表し、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水素原子又は水酸基の保護基を表す。]で表される化合物又はその塩を得る工程;及び
(iv)得られた一般式(II)で表される化合物の保護基を除去する工程、
を含むことを特徴とする前記製造方法。
(2)一般式(V)で表される化合物の溶媒和物又はその塩が、
(i)一般式(VIII):
Figure 2005116044
[式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、一般式(VII):
Figure 2005116044
[式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物と、塩基及び相間移動触媒の存在下で反応させる工程;及び
(ii)前工程で得られた化合物を、溶媒和物又はその塩として結晶化させる工程、
により得られる、一般式(VI):
Figure 2005116044
[式中、Xは、溶媒分子を示し、Y、R、R、R、R、R及びRは、前記の意味を示す]で表される化合物又はその塩である、ことをさらに特徴とする(1)項記載の製造方法。
(3)一般式(V)で表される化合物の溶媒和物が、一般式(VI):
Figure 2005116044
[式中、Xは、溶媒分子を示し、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物である、(1)項記載の製造方法。
(4)R、R、R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、(1)項ないし(3)項のいずれか1項記載の製造方法。
(5)Xが、1/2シュウ酸である、(1)項ないし(4)項のいずれか1項記載の製造方法。
(6)Yが、メチル基である、(1)項ないし(5)項のいずれか1項記載の製造方法。
(7)溶媒和物である一般式(VI):
Figure 2005116044
[式中、Xは、溶媒分子を示し、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物、又はその塩。
(8)溶媒和物である一般式(VI)で表される化合物が、一般式(VIa):
Figure 2005116044
[式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、そして、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物である、(7)項記載の化合物又はその塩。
(9)Yが、メチル基であり、R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、(7)項又は(8)項記載の化合物又はその塩。
(10)溶媒和物である一般式(VI):
Figure 2005116044
[式中、Xは、溶媒分子を示し、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩の製造方法であって、
(i)一般式(VIII):
Figure 2005116044
[式中、Yは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、一般式(VII):
Figure 2005116044
[式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物と、相間移動触媒の存在下で反応させる工程;及び
(ii)前工程で得られた反応性生物を、溶媒和物又はその塩として結晶化させる工程、
を含むことを特徴とする前記製造方法。
(11)溶媒和物である一般式(VI)で表される化合物が、一般式(VIa):
Figure 2005116044
[式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよい水酸基の保護基を示す]で表される化合物である、(10)項記載の製造方法。
(12)Yが、メチル基であり、かつ、R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、(10)項又は(11)項記載の製造方法。
(13)一般式(IV):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩の製造方法であって、
(i)一般式(V):
Figure 2005116044
[式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、不活性溶媒中、塩基で処理し、続いて酸で処理する工程;及び
(ii)前工程で得られた反応液を、不活性溶媒中、さらに塩基で処理して、続いて酸で処理する工程、
を含むことを特徴とする製造方法。
(14)R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、(13)項記載の製造方法。
本発明の製造方法により、化合物(V)、その塩、又はその溶媒和物の収率及び純度の向上、並びに化合物(IV)又はその塩の収率及び純度の向上を実現でき、その結果、医薬の分野でがん治療剤として有用なインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容される塩を、より効率よく工業的に製造できる。
本発明について、具体的且つ詳細に説明する。
本明細書で使用する用語について説明する。
「炭素数1〜4個のアルキル基」とは、炭素数1〜4個の直鎖状又は分岐状のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt−ブチル基等の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基である。
「アラルキル基」とは、フェニル基、ナフチル基などのアリール基で置換された上記の「炭素数1〜4個低級アルキル基」を意味し、例えばベンジル基、1−ナフチルメチル基又は2−ナフチルメチル基等の炭素数7〜12個のアラルキル基等が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
「酸分子」とは、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、メチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、クエン酸又はプロピオン酸等のプロトン酸を意味し、好ましくは1/2シュウ酸である。
「酸」とは、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、メチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、クエン酸又はプロピオン酸等のプロトン酸を意味し、好ましくはクエン酸である。
「水酸基の保護基」としては、例えばベンジル基、トリチル基、p−メトキシベンジル基又はベンジルオキシメチル基等の水酸基の保護基が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
「塩基」としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウム t−ブトキシド又はカリウム t−ブトキシド等の塩基が挙げられ、中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はナトリウムメトキシド等が好適である。
「溶媒和物」とは、製造工程において目的物質が結晶化する場合において、その製造工程で使用される溶媒分子(特に不活性有機溶媒分子)が、その結晶格子中に取り込まれて結晶となったものを意味する。「溶媒分子」としては、例えばトルエン、キシレン類、ヘプタン又はヘキサン等の炭化水素、例えばt−ブチルメチルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル類、例えば、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、例えばメチルイソブチルケトン又はアセトン等のケトン類、又は例えばN,N−ジメチルホルムアミド又は1−メチル−2−ピロリジノン等の非イオン性溶媒が挙げられ、好ましくはt−ブチルメチルエーテルが挙げられる。
「塩」とは、具体的には酸との塩であって、薬学的に許容される塩であればどのようなものでもよく、例えば塩酸、硫酸等の無機酸との塩、例えば酢酸、メチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。薬学的に許容される塩として好ましくは、塩酸、硫酸、クエン酸又は酢酸等との塩が挙げられる。
次に、本発明の製造方法について、具体的に説明する。
最初に、一般式(VIII):
Figure 2005116044
[式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なっていてもよい水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、一般式(VII):
Figure 2005116044
[式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩と、塩基及び相間移動触媒の存在下で反応させて、一般式(V):
Figure 2005116044
[式中、Yは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を製造する工程は、特許文献2に開示されているように、
一般式(VIIa):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水酸基の保護基を示す]で表されるグルコース誘導体を、不活性溶媒中で、酸ハライド、スルホニルクロリド、ヨウ素−トリフェニルホスフィン又はヨウ素−トリフェニルホスフィンなどのハロゲン化剤と、約−50℃〜約200℃、好ましくは約−10℃〜30℃で反応させることにより、一般式(VII):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示し、Xは、例えば塩素、臭素などのハロゲン原子を示す]で表される活性化グルコース誘導体を製造し、ついで、得られた一般式(VII)で表される活性化グルコース誘導体を、一般式(VIII):
Figure 2005116044
[式中、R、R及びYは前記の意味を示す]で表される化合物又はその塩と、塩基及び相間移動触媒を用いて、好ましくは水性溶媒中塩基及び不活性有機溶媒中相間移動触媒からなる2相系を用いて、約−50℃〜200℃、好ましくは約0℃〜40℃でカップリングさせることにより、実施することができる。
活性化グルコース誘導体を製造する工程で使用される酸ハライドとしては、例えばSOCl、POCl、SOBr、POBr、PBr又はシュウ酸クロリド等が挙げられ、好ましくはSOCl又はシュウ酸クロリドであり、最も好ましくはSOClである。
活性化グルコース誘導体を製造する工程で使用される、不活性溶媒としては、例えばトルエン、キシレン類、ヘプタン又はヘキサン等の炭化水素、例えばアセトニトリル等のニトリル類、例えばt−ブチルメチルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル類、例えば、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、又は例えばメチルイソブチルケトン又はアセトン等のケトン類が挙げられ、好ましくはt−ブチルメチルエーテルである。
なお、一般式(VIIa)で表されるグルコース誘導体は、市販品を利用することもできる。
活性化グルコース誘導体と一般式(VIII)で表される化合物とをカップリングさせる工程で使用される水性溶媒は、例えば水である。
活性化グルコース誘導体と一般式(VIII)で表される化合物とをカップリングさせる工程で使用される、塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウム等の水酸化アルカリが挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。水性溶媒中の塩基の濃度は、約5重量パーセント〜約95重量パーセント、好ましくは45重量パーセント〜約50重量パーセントである。
活性化グルコース誘導体と一般式(VIII)で表される化合物とをカップリングさせる工程で使用される、不活性有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン類、ヘプタン又はヘキサン等の炭化水素、例えばアセトニトリル等のニトリル類、例えばt−ブチルメチルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル類、例えば、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム又はジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、例えばメチルイソブチルケトン又はアセトン等のケトン類、又は例えばN,N−ジメチルホルムアミド又は1−メチル−2−ピロリジノン等の非イオン性溶媒が挙げられ、好ましくはt−ブチルメチルエーテルである。
活性化グルコース誘導体と一般式(VIII)で表される化合物とをカップリングさせる工程で使用される相間移動触媒としては、たとえば、一般式(IX):
Figure 2005116044
[式中、Y、Y、Y及びYは、同一又は異なっていてもよく、水素原子、ベンジル基又は炭素数1〜18個の炭化水素基を示し、Mは窒素原子又はリン原子を示し、Aは、水酸基、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、シアノ基、HSO、CHSO、アセチル基又はPhCHCOOを示す]で表される化合物又はトリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミンが挙げられ、好ましくはトリカプリルメチルアンモニウム クロリド、トリス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、ベンジルトリエチルアンモニウム クロリド又はトリブチルアンモニウム水素スルファート、さらに好ましくは、トリカプリルメチルアンモニウム クロリドである。
ついで、前記の活性化グルコース誘導体(VII)を導入する工程で得られた反応生成物(V)又はその塩を、溶媒和物として結晶化させて、一般式(VI):
Figure 2005116044
[式中、Xは、溶媒分子を示し、Y、R、R、R、R、R及びRは、前記の意味を示す]で表される化合物又はその塩を製造する工程は、活性化グルコース誘導体と一般式(VIII)で表される化合物とをカップリングさせる工程で得られた反応液から、有機層を分液し、当該有機層を水で2〜3回洗浄後、0℃〜50℃、好ましくは20℃〜30℃で、減圧下で液量が半量となるまで濃縮し、ついで、得られた濃縮液に、室温下で、たとえば6N塩酸/メタノール等を滴下して、2時間〜5時間、好ましくは3時間〜4時間かけて、pH2.0〜pH4.0、好ましくはpH2.5〜pH3.5とする。その後、室温下で10時間〜30時間、好ましくは15時間〜25時間エージングする。ついで、得られた懸濁液をろ過し、得られた結晶を0℃〜30℃、好ましくは10℃〜25℃で、減圧下で乾燥することにより、実施することができる。
次に、前工程で得られた一般式(VI):
Figure 2005116044
[式中、X、Y、R、R、R、R、R及びRは、前記の意味を示す]で表される化合物又はその塩、或いは一般式(V):
Figure 2005116044
[式中、Yは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、不活性溶媒中、塩基で処理し、続いて酸で処理する工程、及び
得られた反応液を、不活性溶媒中、さらに塩基で処理し、続いて酸で処理して、一般式(IV):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R及びRは前記の意味を示す]で表される化合物を製造する工程は、通常、一般式(V)又は(VI)で表される化合物又はその塩1モルに対して、塩基50〜100モル、好ましくは50〜70モルを用いて、反応に悪影響を及ぼさない不活性溶媒中で、塩基で処理した後、酸で処理する工程を2回にわたり同一反応条件で繰り返すことにより実施することができる。
この2回にわたる塩基処理又は酸処理のそれぞれの反応条件は、同一であってもよいし、異なってもよいが、同一であるのが好ましい。さらに、この不活性溶媒中における塩基処理、それに続く酸処理の一連の工程を3回以上繰り返してもよい。
本発明者らは、上記のようにして不活性溶媒中における塩基処理、それに続く酸処理の一連の工程を2回行うことにより、予想外にも副生成物の生成が減少し、その結果として、高純度の目的とする化合物(IV)を高収率で製造できることを見出した。
当該化合物(V)又は化合物(VI)から化合物(IV)を製造する工程で使用される、反応に悪影響を及ぼさない不活性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール若しくはt−ブタノール等のアルコール類、ジメチルスルホキサイド、トルエン又はそれらの混合溶媒等が挙げられ、特にメタノール、エタノール、トルエン又はそれらの混合溶媒等が好ましい。
当該化合物(V)又は化合物(VI)から化合物(IV)を製造する工程で使用される、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウム メトキサイド、ナトリウムメトキサイド、ナトリウム t−ブトキサイド又はカリウム t−ブトキサイド等の塩基が挙げられ、中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はナトリウムメトキサイド等が好適である。
当該化合物(V)又は化合物(VI)から化合物(IV)を製造する工程で使用される、酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、メチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、クエン酸又はプロピオン酸等のプロトン酸を意味し、好ましくはクエン酸である。
当該化合物(V)又は化合物(VI)から化合物(IV)を製造する工程における、塩基処理の工程の場合、反応温度は、通常、約0℃〜40℃、好ましくは約20℃〜30℃であり、反応時間は、通常、1時間〜1日間、好ましくは1時間〜10時間である。
当該化合物(V)又は化合物(VI)から化合物(IV)を製造する工程における、酸処理の工程の場合、反応温度は、通常、約−10℃〜70℃、好ましくは約20℃〜50℃であり、反応時間は、通常、1時間〜1日間、好ましくは1時間〜10時間である。
ついで、前工程で得られた一般式(IV):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩と、一般式(III):
Figure 2005116044
[式中、Xは、存在しないか又は酸分子を示し、R及びRは、同一又は異なってよく、水素原子又は水酸基の保護基を示す]で表されるヒドラジンジオール又はその酸付加塩と、酸捕捉剤の存在下で反応させることにより、一般式(II):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、前記の意味を示す]で表される化合物又はその塩を製造する工程は、次のように実施することができる。即ち、通常、一般式(IV)で表される化合物1モルに対して、一般式(III)で表される化合物等モル〜1.5モル、好ましくは1.2〜1.3モルを用いて、酸捕捉剤の存在下、反応に悪影響を及ぼさない不活性溶媒中で実施することができる。
当該化合物(IV)から化合物(II)を製造する工程で使用される、反応に悪影響を及ぼさない不活性溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン又はそれらの混合溶媒等が挙げられ、特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリドン等が好ましい。
当該化合物(IV)から化合物(II)を製造する工程における、反応温度は、通常、室温〜約60℃、好ましくは約30℃〜50℃であり、反応時間は、通常、1時間〜1日間、好ましくは1時間〜3時間である。
当該化合物(IV)から化合物(II)を製造する工程で使用される、酸捕捉剤としては、例えばトリエチルアミン又は4−ジメチルアミノピリジンが挙げられ、好ましくはトリエチルアミンである。
前工程で得られた一般式(II):
Figure 2005116044
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、前記の意味を示す]で表される化合物の保護基を除去することにより、式(I):
Figure 2005116044
で表されるインドロピロロカルバゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を製造する工程は、例えば接触還元反応により実施でき、例えば水素ガス雰囲気下に、例えばパラジウム−炭素等の接触還元反応に使用される触媒の存在下で実施することができる。
当該化合物(II)から化合物(I)を製造する工程で使用される、接触還元反応における水素ガス圧は、通常、常圧〜2気圧が好ましく、また当該接触還元反応に使用される触媒の使用量は、原料の化合物(II)の重量に対して、通常、1/100〜1倍、好ましくは1/100〜1/10倍の量である。
当該化合物(II)から化合物(I)を製造する工程で使用される、反応溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール等のアルコール系溶媒とテトラヒドロフランとの混合溶媒が挙げられ、イソプロパノール/テトラヒドロフラン(60/40)の混合溶媒が好ましい。
当該化合物(II)から化合物(I)を製造する工程における、反応温度は、通常、約−30℃〜60℃、好ましくは約0℃〜50℃であり、反応時間は、通常、10分〜7日間である。
以上の各製造工程で得られる目的化合物は、それ自体既知の方法、例えば溶媒抽出又は再結晶・再沈澱等の常用の分離精製法を、必要に応じて、単独で又は組み合わせて用いることにより精製・単離することができる。
以上の工程で得られたインドロピロロカルバゾール誘導体(I)又はその薬学的に許容される塩は、副生成物が殆ど含まれていない。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例1
12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6−メチル−5,7(6H)−ジオン 0.4t−ブチルメチルエーテル和物の製造
Figure 2005116044
上記反応式において、Bnはベンジル基である。
メカニカルスターラー、温度計、N導入管をつけた1Lの三口フラスコに、t−ブチルメチルエーテル(61mL)と上記化合物(1)(10.2g,18.5mmol,1当量)とを入れた。t−ブチルメチルエーテル(31mL)を用いて内壁を洗いこんだ。この懸濁液を20−25℃で10分撹拌した後、1−クロロ−2,3,4,6−O−テトラベンジル−D−グルコピラノースのt−ブチルメチルエーテル溶液[特許文献2の開示に従い調製](70mL)を加えた。移液時洗い込みのために、t−ブチルメチルエーテル(14mL)を使用した。この混合物(黄色懸濁液)を室温で30分撹拌した後、48重量%KOH水溶液(75g(水酸化カリウムとして36g含有),640mmol,35当量)を室温下5分かけて加え、二層系混合物を得る。これを室温で30分撹拌した後、Aliquat 336[トリカプリルメチルアンモニウム クロライドの商標名(Aldrich Chemical Co., Inc.)](10.5g,25.9mmol,1.4当量)のt−ブチルメチルエーテル(51mL)溶液を15秒かけて加えた。得られた濃赤色の二層系混合物を室温下(20−25℃)で4時間撹拌した。
撹拌を止め、水層を除去し、有機層(濃赤色溶液)を、水(2×50mL)で洗浄した。得られた有機層の水分を測定した。(t−ブチルメチルエーテル層:253mL,KF 1.78%)
この濃赤色溶液を室温で一夜(12時間)放置した後、減圧下、30℃(浴温)で132.5mLまで濃縮した。この濃縮液に6N−塩酸(1.23mL,7.38mmol)/メタノール(10.2mL)混液を室温下3分かけて滴下し、混合物を5分撹拌した後、目的とする生成物の種晶(100mg)をt−ブチルメチルエーテル(1.0mL)の懸濁液として加え、室温で1時間撹拌した。結晶成長が確認され、懸濁液を得た。続いて、この混合物のpHが2.5−3.5になるまで、6N−塩酸(2.17mL,13.0mmol)/メタノール(140mL)混液を2.5時間かけて加えた。通常、120mL前後の混液を要する。添加後、混合物を室温下21時間エージングした後、結晶をろ取し、t−ブチルメチルエーテル−メタノール(1:4,v/v)(2×20mL)で洗浄後、25℃、約2.5mmHgで11.5時間乾燥することにより、12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6−メチル−5,7(6H)−ジオン・0.4t−ブチルメチルエーテル和物(12.704g,収率:93%)を黄色結晶として得た。
H−NMR(500.13MHz,CDCl)δ(ppm):10.64(1H,s),9.22−9.24(1H、m),9.11−9.13(1H,m),7.47−7.48(2H,m),7.42−7.44(2H,m),7.38−7.41(2H,m),7.32−7.37(6H,m),7.24−7.30(8H,m),7.18−7.21(5H,m),7.14−7.16(2H,m),7.09−7.11(2H,m),6.99−7.02(1H,m),6.87−6.88(2H,m),6.20(2H,dd,J=1.1,8.2),5.83(1H,d,J=9.0),5.17(1H,d,J=11.4Hz),5.16,5.19(1H each,ABd,J=11.4Hz),5.08(1H,d,J=11.7Hz),4.97(1H,d,J=10.6Hz),4.85,4.88(1H each,ABd,J=10.9Hz),4.56(1H,d,J=13.1Hz),4.32(1H,t,J=9.5Hz),4.02(1H,t,J=9.1Hz),4.00(1H,d,J=3.0Hz),3.91(2H,m),3.86(1H,d、J=5.4Hz),3.79(1H,dd,J=2.5,10.2Hz),3.31(3H,s),3.21(3Hx0.4,s),3.01(1H,d,J=9.8Hz),1.19(9Hx0.4,s).
13C−NMR(125.77MHz,CDCl)δ(ppm):23.74,26.99,49.45,66.76,70.40,70.67,72.79,73.96,74.88,75.42,75.88,75.99,77.36,80.37,84.77,85.71,96.35,96.68,116.72,116.87,118.27,118.95,119.32,120.12,126.48,126.74,127.34,127.60,127.70,127.76,127.84,127.93,127.97,128.03,128.09,128.13,128.19,128.26,128.35,128.48,128.56,128.62,128.73,130.50,136.11,136.70,136.88,136.95,137.66,137.97,142.93,143.18,159.36,170.25.
熱質量分析法(TG法)
測定条件:
窒素ガス流速:100mL/分
昇温速度:10℃/分にて、500℃まで上げる。
減量%:3.003%(22.93℃−105.18℃)
粉末X線回折データ:
Figure 2005116044
粉末X線回折データの測定条件:
Figure 2005116044
比較例1
ステップ1:
2,3,4,6−O−テトラベンジル−D−グルコピラノース(17.41kg,27.2モル)を20℃でジメチルホルムアミド(DMF、58.8L)と混合した後、−0.5℃に冷却した。塩化チオニル(3.71kg,31.2モル)を15分間かけてゆっくり添加した。溶液を約25℃に加温し、2時間熟成した。次いで、溶液にt−ブチルメチルエーテル(66L)を加えた。溶液を0℃に冷却し、0.5N NaOH(210L)を添加した。この間温度は5℃を超えなかった。溶液を22℃に加温した後、30分間攪拌した。水層を分離し、次いで、有機層を水(2×38L)及び25重量%食塩水(38L)で洗浄した。溶液を未精製のまま次ステップで使用した。
ステップ2:
上記化合物(1)(10.0kg,18.13モル)をt−ブチルメチルエーテル(100L)に懸濁し、23℃で15分間撹拌した。次いで、上記ステップ1で製造した化合物の溶液を添加し、30分後48%(w/w) KOH水溶液(50L)を添加した。更に10分後、26%(w/w)Aliquat(登録商標)336(MTBE 129.6kg中10.26kg)を6分間かけて添加した。Aliquat(登録商標)336はウィスコンシン州ミルウォーキーに所在のAldrich Chemical Co.,Inc.から販売されているトリカプリルメチルアンモニウムクロリドの商品名である。溶液を23℃で3時間熟成した後、水層を分離した。有機層を水(50L)で洗浄した。溶液を5℃に冷却し、1N 塩酸水(20kg)を添加した。溶液を22℃に加温した後、さらに1N 塩酸水(2.5kg)を添加した。溶液を30分間攪拌した後、水層を分離した。次いで、有機層を5重量%食塩水(50L)及び25重量%食塩水(50L)で洗浄した。溶液を減圧下140Lまで濃縮した。溶液を23℃に調整し、メタノール(20L)をゆっくり添加した。目的とする生成物の種晶(5g)を加え、22℃で2時間撹拌した。結晶成長が確認され、懸濁液を得た。続いてメタノール(80L)を1時間かけてゆっくり添加した。室温下一夜攪拌した後、結晶をろ取し、t−ブチルメチルエーテル−メタノール(1:4,v/v)(3×50L)で洗浄後、25℃、減圧下21時間乾燥することにより、12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6−メチル−5,7(6H)−ジオン(16.19kg,収率:83%)を黄色結晶として得た。
目的物質の収率:
実施例1の場合:93%
比較例1の場合:83%
実施例2
12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]カルバゾール−5,6−ジカルボン酸無水物の製造
Figure 2005116044
50L容フラスコに攪拌機、温度計をセットし、48重量%水酸化カリウム水溶液(2.7L)を入れた。攪拌しながら、実施例1で得られた12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6−メチル−5,7(6H)−ジオン・0.4t−ブチルメチルエーテル和物(1.5kg、1.35mol)を入れ、続けてトルエン(5.4L)を入れ、室温で30分間攪拌した。同温度でエタノール(13.5L)を30分かけて滴下し、室温で一夜攪拌した。得られた赤褐色溶液を−5℃以下に冷却した後、10重量%クエン酸水溶液(29L)を30分かけて滴下し、pH6.3とし、室温で2時間攪拌した。この黄色溶液にt−ブチルメチルエーテル(12L)を加え10分間攪拌した。水層(下層)を分離し、有機層を3重量%食塩水(3L×2回)、精製水(3L)で順次洗浄した。減圧で溶媒を留去した後、トルエン(5.4L×2回)を加え、減圧で溶媒を留去しトルエンへ溶媒置換した。黄色油状残査の目的化合物である12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]カルバゾール−5,6−ジカルボン酸無水物の粗製トルエン溶液を得た。粗生成物トルエン溶液に48重量%水酸化カリウム水溶液(2.7L)を入れた。攪拌しながら室温でエタノール(13.5L)を30分かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。得られた赤褐色溶液を−5℃以下に冷却した後、10重量%クエン酸水溶液(28.5L)を30分かけて滴下し、pH6.3とした。この黄色溶液を60℃に加温し同温度で2時間攪拌した後、室温まで冷却しt−ブチルメチルエーテル(12L)を加え10分間攪拌した。水層(下層)を分離し、有機層を3重量%食塩水(3L×2回)で順次洗浄した。減圧で溶媒を留去した後、アセトニトリル(15L×2回)を加え、減圧で溶媒を留去しアセトニトリルへ溶媒置換した後、さらにアセトニトリル(22.5L)を加えた。この黄色溶液を室温に調整しメタノール(7L)をゆっくり加えた。つづいて種晶を加え同温度で1時間攪拌した。さらに精製水(7.5L)を2時間かけて滴下した。4時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、結晶をアセトニトリル・メタノール混合液で洗浄し減圧で乾燥し、目的化合物である12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]カルバゾール−5,6−ジカルボン酸無水物の黄色結晶物質(1.3kg;収率92%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl),δ(ppm):10.79(1H,br.s),9.04(1H,d,J=9.2Hz),8.95(1H,d,J=9.6Hz),7.26(32H,m),6.17(2H,d,J=7.3Hz),5.85(1H,d,J=8.2Hz),4.89(10H,m),4.32(1H,t,J=8.9Hz),3.96(6H,m),3.13(1H,d,J=10.2Hz)
比較例2
12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]カルバゾール−5,6−ジカルボン酸無水物の製造
Figure 2005116044
300mL容4径フラスコに攪拌機、温度計をセットし、エタノール36mLを入れた。攪拌しながら12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6−メチル−5,7(6H)−ジオン(670mg,0.62mmol)を入れ室温で1時間攪拌した。同温度で5N−水酸化カリウム水溶液(8mL)を20分かけて滴下した。内温を60℃にし4時間攪拌した後室温で一夜攪拌した。得られた褐色溶液にトルエン(20mL)を加え、同温度で1.0N−塩酸(62mL)を30分かけて滴下し、pH2.6とした。この黄色溶液にテトラハイドロフラン(10mL)を加え6時間攪拌した。水層(下層)を分離し、有機層を精製水(10mL×2回)、飽和食塩水(10mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム(5g)で乾燥し、濾過した。減圧で溶媒を留去した後、黄色油状残査の目的化合物である12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]カルバゾール−5,6−ジカルボン酸無水物(0.63g;収率85%)を得た。
目的物質の収率:
実施例2で得られた目的物質の収率:93%
比較例2で得られた目的物質の収率:85%
不純物含量:
Figure 2005116044
実施例3
12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−6−N−(1−ベンジルオキシメチル−2−ベンジルオキシエチルアミノ)−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオンの製造
Figure 2005116044
実施例2で得られた12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]カルバゾール−5,6−ジカルボン酸無水物(1.00g,0.94mmol)、N−(1−ベンジルオキシメチル−2−ベンジルオキシエチル)ヒドラジン 1/2シュウ酸塩(398mg,1.20mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(9.2mL)の混合物を脱気し、窒素置換後に62℃まで加熱した。この溶液にトリエチルアミン(0.17mL,1.20mmol)を滴下後、この温度で3時間攪拌し、室温に冷却してt−ブチルメチルエーテル(20mL)と水(4.7mL)を加えた。1N−塩酸水溶液を用いて、水層をpH4とした後、20分攪拌した。有機層を分液して水(6mL)で5回洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。最後に濾液を減圧濃縮して粗製の目的化合物(1.29g)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl,δppm):10.63(1H,br.s),9.24(1H,br.d,J=9.6Hz),9.16(1H,br.d,J=9.6Hz),7.50−6.84(42H,m),6.20(2H,br.d,J=7.6Hz),5.84(1H,d,J=8.6Hz),5.33(1H,br.d,J=3.0Hz),5.21(1H,d,J=12.2Hz),5.19(1H,d,J=11.9Hz),5.16(1H,d,J=12.2Hz),5.08(1H,d,J=11.9Hz),5.08(1H,d,J=10.9Hz),4.96(1H,d,J=10.9Hz),4.89(1H,d,J=10.9Hz),4.85(1H,d,J=10.9Hz),4.72(1H,d,J=12.9Hz),4.68(1H,d,J=12.9Hz),4.62−4.48(4H,m),4.33(1H,dd,J=9.6,9.6Hz),4.06−3.77(7H,m),3.72(4H,d,J=5.6Hz),3.04(1H,d,J=9.9Hz)
13C−NMR(68MHz,CDCl,δppm):168.8,168.7,159.4,159.3,143.2,142.9,138.0,137.9,137.6,136.9,136.8,136.6,136.0,130.2,128.7,128.6,128.5,128.4,128.3,128.2,128.2,128.1,128.0,127.9,127.8,127.7,127.6,127.5,127.4,127.3,126.9,126.6,119.4,119.1,118.0,116.9,116.7,116.1,110.4,96.7,96.3,85.8,84.7,80.9,77.4,77.2,76.0,75.9,75.4,74.9,73.9,73.3,73.2,70.7,70.4,69.9,69.8,66.7,58.7,49,4,30.9,27.0
実施例4
12,13−ジヒドロ−2,10−ジヒドロオキシ−6−N−(1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシエチルアミノ)−13−(β−D−グルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオンの製造
Figure 2005116044
10重量%炭素上Pd(50%含水、112g)を5ガロンのオートクレーブに充填し、次いで12,13−ジヒドロ−2,10−ジべンジルオキシ−6−N−(1−ベンジルオキシメチル−2−ベンジルオキシエチルアミノ)−13−(β−D−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコピラノシル)−5H−インドロ[2,3−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−5,7(6H)−ジオンのテトラヒドロフラン(THF)溶液(175g/L溶液、6.4L、1.12アッセイkg)、イソプロピルアルコール(IPA、7.9L)及び3N HCl(224mL)を加えた。内容物を急速攪拌しながら40℃/40psiで4時間から14時間水素化し、その期間中に理論量の110重量%の水素が吸収された。内容物を25℃に冷却し、ソルカフロック床を通して反応混合物をろ過し、3/2のIPA/THF(1×3L)で洗浄した。IPA中1Mトリエチルアミン(約600mL)を用いて、ろ液を2.5のpHに調整し、次いで水(4.0L)を加えた。バッチを大気圧で7.5Lレベルに濃縮した。4/1IPA/水(6.5L)を供給しながら一定バッチ容量で蒸留を続けた。バッチ容量を7.5Lに維持しながら容器にIPA(約9L)を供給して水分含量を20%(w/v)に低下させた。内容物を70℃に冷却し、結晶種(5.0g)をIPAスラリー(50mL)として加えた。バッチを70℃に1時間保持したあと、90分間にわたってIPA(5.0L)を加えた。バッチを70℃で9時間から24時間エージングさせ、その間に生成物のバルクが結晶化した。IPA(17L)を供給する一定容蒸留を実施し、水分含量を3%(w/v)に低下させた。スラリーを70℃で3時間から6時間エージングさせ、次いで22℃に冷却し、1時間エージングさせた。スラリーをろ過し、ケークをIPA(2.5L)、次いでメタノール(1.5L)で洗って、その後真空中38℃で6時間乾燥し、化合物(I)を99面積%以上の純度と80%以上の収率で橙色固体として得た。
NMRデータ(結合定数(J)をヘルツで記載する):
主要回転異性体δに関するH NMR(400.13MHz、DMSO−d)−データδ11.23(s,1H),9.80(s,1H),9.77(s,1H),8.90(d,J=8.4,1H),8.82(d,J=8.4,1H),7.21(br s,1H),7.01(br s,1H),6.84(m(オーバーラップ),2H),6.00(d,J 8.0,1H),5.88(t,J=3.6,1H),5.57(d,J=2.4,1H),5.34(d,J=4.4,1H),5.13(d,J=4.4,1H),4.94(d,J=4.4,1H),4.56(t,J=5.6,2H),4.04(dd,J=11.2,3.2,1H),3.95(m(オーバーラップ),2H),3.81(dd,J=10.4,4.0,1H),3.53(m(オーバーラップ),6H);
主要回転異性体δに関する13C NMR(100.64 MHz,DMSO−d)−データδ169.03,168.94,157.79,157.63,144.38,143.12,129.46,127.92,125.19(2C),118.91,117.57,115.94,114.32,114.23,113.92,110.30,110.24,97.54,97.49,84.49,78.39,76.77,72.88,67.53,62.59,60.47(2C),58.33.21
高速液体クロマトグラフイー(HPLC)の測定条件:
Figure 2005116044
比較例3
比較例2で得られた目的物質を使用して、実施例3及び実施例4と同様に処理して、実施例4の目的物質を得た。
不純物含量:
実施例4で得られた目的物質中の不純物含量:0.2面積%
比較例3で得られた目的物質中の不純物含量:0.5〜1.0面積%
高速液体クロマトグラフイー(HPLC)の測定条件:
Figure 2005116044
本発明の製造方法により、医薬の分野でガン治療剤として有用な化合物及びその製造中間体を、高品質かつ効率よく製造することができる。

Claims (14)

  1. 式(I):
    Figure 2005116044
    で表されるインドロピロロカルバゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩の製造方法であって、
    (i)一般式(V):
    Figure 2005116044
    [式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物、その溶媒和物又はそれらの塩を、不活性溶媒中、塩基で処理し、続いて酸で処理する工程;
    (ii)得られた反応液を、不活性溶媒中、さらに塩基で処理し、続いて酸で処理して、一般式(IV):
    Figure 2005116044
    [式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を得る工程;
    (iii)得られた一般式(IV)で表される化合物と、一般式(III):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、存在しないか又は酸分子を、R及びRは同一又は異なっていてもよく、水素原子又は水酸基の保護基を示す]で表されるヒドラジンジオール又はその酸付加塩とを、酸捕捉剤の存在下で反応させることにより、一般式(II):
    Figure 2005116044
    [式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を表し、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水素原子又は水酸基の保護基を表す。]で表される化合物又はその塩を得る工程;及び
    (iv)得られた一般式(II)で表される化合物の保護基を除去する工程、
    を含むことを特徴とする前記製造方法。
  2. 一般式(V)で表される化合物の溶媒和物又はその塩が、
    (i)一般式(VIII):
    Figure 2005116044
    [式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、一般式(VII):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物と、塩基及び相間移動触媒の存在下で反応させる工程;及び
    (ii)前工程で得られた反応生成物を、溶媒和物又はその塩として結晶化させる工程、
    により得られる、一般式(VI):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、溶媒分子を示し、Y、R、R、R、R、R及びRは、前記の意味を示す]で表される化合物又はその塩である、ことをさらに特徴とする請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 一般式(V)で表される化合物の溶媒和物が、一般式(VI):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、溶媒分子を示し、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物である、請求の範囲第1項記載の製造方法。
  4. 、R、R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項記載の製造方法。
  5. が、1/2シュウ酸である、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項記載の製造方法。
  6. が、メチル基である、請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかの1項記載の製造方法。
  7. 溶媒和物である一般式(VI):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、溶媒分子を示し、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なってもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物、又はその塩。
  8. 溶媒和物である一般式(VI)で表される化合物が、一般式(VIa):
    Figure 2005116044
    [式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、そして、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物である、請求の範囲第7項記載の化合物又はその塩。
  9. が、メチル基であり、R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、請求の範囲第7項又は第8項記載の化合物又はその塩。
  10. 溶媒和物である一般式(VI):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、溶媒分子を示し、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩の製造方法であって、
    (i)一般式(VIII):
    Figure 2005116044
    [式中、Yは水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、一般式(VII):
    Figure 2005116044
    [式中、Xは、ハロゲン原子を示し、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物と、塩基及び相間移動触媒の存在下で反応させる工程;及び
    (ii)前工程得られた反応生成物を、溶媒和物又はその塩として結晶化させる工程、
    を含むことを特徴とする前記製造方法。
  11. 溶媒和物である一般式(VI)で表される化合物が、一般式(VIa):
    Figure 2005116044
    [式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよい水酸基の保護基を示す]で表される化合物である、請求の範囲第10項記載の製造方法。
  12. が、メチル基であり、かつ、R、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、請求の範囲第10項又は第11項記載の製造方法。
  13. 一般式(IV):
    Figure 2005116044
    [式中、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩の製造方法であって、
    (i)一般式(V):
    Figure 2005116044
    [式中、Yは、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、フェニル基、ベンジルオキシメチル基又はアラルキル基を示し、R、R、R、R、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水酸基の保護基を示す]で表される化合物又はその塩を、不活性溶媒中、塩基で処理し、続いて酸で処理する工程;及び
    (ii)前工程で得られた反応液を、不活性溶媒中、さらに塩基で処理して、続いて酸で処理する工程、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  14. 、R、R、R、R及びRが、ベンジル基である、請求の範囲第13項記載の製造方法。
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