JPH08270499A - 接合型バルブシート - Google Patents
接合型バルブシートInfo
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- JPH08270499A JPH08270499A JP7076623A JP7662395A JPH08270499A JP H08270499 A JPH08270499 A JP H08270499A JP 7076623 A JP7076623 A JP 7076623A JP 7662395 A JP7662395 A JP 7662395A JP H08270499 A JPH08270499 A JP H08270499A
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- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/24—Cylinder heads
- F02F1/26—Cylinder heads having cooling means
- F02F1/36—Cylinder heads having cooling means for liquid cooling
- F02F1/38—Cylinder heads having cooling means for liquid cooling the cylinder heads being of overhead valve type
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 必要十分な強度で接合され得る接合型バルブ
シートを提供すること。 【構成】 被接合材料(Al合金鋳物)との間で双方の
材料の元素又は主成分元素の融点よりも低い融点の共晶
合金を形成する材料(Cu)による被膜4を母材表面に
形成して接合型バルブシート3を構成する。本発明によ
れば、被膜4のCuと被接合材料であるAl合金鋳物の
主成分元素であるAlがそれぞれの融点(1083℃,
660℃)よりも低い融点(548℃)の共晶合金を形
成し、やがて被膜4が溶融するとともに、Al材が接合
界面において塑性流れを生じ、バルブシート3の母材と
被接合材料との界面で固相拡散が生じてバルブシート3
がシリンダヘッド1に強固に接合される。
シートを提供すること。 【構成】 被接合材料(Al合金鋳物)との間で双方の
材料の元素又は主成分元素の融点よりも低い融点の共晶
合金を形成する材料(Cu)による被膜4を母材表面に
形成して接合型バルブシート3を構成する。本発明によ
れば、被膜4のCuと被接合材料であるAl合金鋳物の
主成分元素であるAlがそれぞれの融点(1083℃,
660℃)よりも低い融点(548℃)の共晶合金を形
成し、やがて被膜4が溶融するとともに、Al材が接合
界面において塑性流れを生じ、バルブシート3の母材と
被接合材料との界面で固相拡散が生じてバルブシート3
がシリンダヘッド1に強固に接合される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗熱接合法によって
内燃エンジンのシリンダヘッドに接合される接合型バル
ブシートに関する。
内燃エンジンのシリンダヘッドに接合される接合型バル
ブシートに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃エンジンの分野においては、近年、
高速化の一環として多バルブ化が進んでおり、シリンダ
ヘッドの各気筒には複数の吸・排気ポートが近接して配
置されるため、各ポートの間隔が狭くなりつつあり、斯
かる状況下でバルブシートを吸・排気ポートの周縁に従
来通り圧入すると、シリンダヘッドのポート間に割れが
発生する等の問題が生ずる。
高速化の一環として多バルブ化が進んでおり、シリンダ
ヘッドの各気筒には複数の吸・排気ポートが近接して配
置されるため、各ポートの間隔が狭くなりつつあり、斯
かる状況下でバルブシートを吸・排気ポートの周縁に従
来通り圧入すると、シリンダヘッドのポート間に割れが
発生する等の問題が生ずる。
【0003】そこで、バルブシートをFe系燒結材で構
成し、これを抵抗熱溶接法等によってシリンダヘッドの
吸・排気ポートの周縁に接合する試みがなされている。
成し、これを抵抗熱溶接法等によってシリンダヘッドの
吸・排気ポートの周縁に接合する試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バルブ
シートの材料であるFe系焼結材は圧粉体を焼結して得
られるものである故にAl合金から成るシリンダヘッド
への接合が難しく、バルブシートの接合に必要十分な強
度を確保することは至難であった。
シートの材料であるFe系焼結材は圧粉体を焼結して得
られるものである故にAl合金から成るシリンダヘッド
への接合が難しく、バルブシートの接合に必要十分な強
度を確保することは至難であった。
【0005】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、必要十分な強度で接合され得
る接合型バルブシートを提供することにある。
で、その目的とする処は、必要十分な強度で接合され得
る接合型バルブシートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、接合型バルブシートの母材
表面に被膜を形成したことを特徴とする。
め、請求項1記載の発明は、接合型バルブシートの母材
表面に被膜を形成したことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記被膜を、被接合材料との間で双方の材
料の元素又は主成分元素の融点よりも低い融点の共晶合
金を形成する材料で構成したことを特徴とする。
明において、前記被膜を、被接合材料との間で双方の材
料の元素又は主成分元素の融点よりも低い融点の共晶合
金を形成する材料で構成したことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記被膜の厚さを0.1μm以上3
0μm以下としたことを特徴とする。
載の発明において、前記被膜の厚さを0.1μm以上3
0μm以下としたことを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記母材を、高熱伝導性及び自己潤滑性を
有する材料を空孔に含浸した燒結材料で構成したことを
特徴とする。
明において、前記母材を、高熱伝導性及び自己潤滑性を
有する材料を空孔に含浸した燒結材料で構成したことを
特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1又は2記載の発明によれば、接合型バ
ルブシートを抵抗熱接合法によって被接合材料に接合す
る場合、該バルブシートを被接合材料に対して加圧して
これに通電すれば、バルブシート表面にメッキ等の方法
でコーティングされた材料(被膜材料)と被接合材料の
間で一方又は双方の材料の構成元素の原子拡散が起こ
り、界面近傍の材料組成が双方の異なる元素から成る合
金組成となる結果、各純物質より低い温度にて液相を生
じ得る状態となる。抵抗熱による界面付近の温度上昇の
結果、合金層に液相を生じ得るようになると、拡散・融
解反応は一層促進され、液相の量は増加するが、このと
き、被接合材料の塑性変形が起こり、この塑性変形に乗
じて液相は外部へ排出される。そして、排出された液相
は、その部分にある未反応界面で上記と同様の反応を促
進させ、このようにして接合界面が形成されながら拡大
していく。通電と加圧が終わるまでこの一連の反応が繰
り返され、最後に合金組成の液相が界面外へ排出された
状態で接合型バルブシートが被接合材料に強固に接合さ
れる。
ルブシートを抵抗熱接合法によって被接合材料に接合す
る場合、該バルブシートを被接合材料に対して加圧して
これに通電すれば、バルブシート表面にメッキ等の方法
でコーティングされた材料(被膜材料)と被接合材料の
間で一方又は双方の材料の構成元素の原子拡散が起こ
り、界面近傍の材料組成が双方の異なる元素から成る合
金組成となる結果、各純物質より低い温度にて液相を生
じ得る状態となる。抵抗熱による界面付近の温度上昇の
結果、合金層に液相を生じ得るようになると、拡散・融
解反応は一層促進され、液相の量は増加するが、このと
き、被接合材料の塑性変形が起こり、この塑性変形に乗
じて液相は外部へ排出される。そして、排出された液相
は、その部分にある未反応界面で上記と同様の反応を促
進させ、このようにして接合界面が形成されながら拡大
していく。通電と加圧が終わるまでこの一連の反応が繰
り返され、最後に合金組成の液相が界面外へ排出された
状態で接合型バルブシートが被接合材料に強固に接合さ
れる。
【0011】ところで、本発明者の実験によれば、バル
ブシートの接合強度はバルブシート表面に形成される被
膜の厚さによって変化し、被膜の厚さが0.1μm以上
30μm以下であれば、必要十分な接合強度が得られる
ことが確認された。
ブシートの接合強度はバルブシート表面に形成される被
膜の厚さによって変化し、被膜の厚さが0.1μm以上
30μm以下であれば、必要十分な接合強度が得られる
ことが確認された。
【0012】従って、請求項3記載の発明によれば、バ
ルブシートに必要十分な接合強度を確保することができ
る。
ルブシートに必要十分な接合強度を確保することができ
る。
【0013】又、請求項4記載の発明によれば、接合型
バルブシートの母材である燒結材料全体の熱伝導率が高
められるため、接合型バルブシートを抵抗熱接合法によ
って接合する場合、該燒結材の内部発熱量が減少し、そ
の代わりに接合界面での発熱量が増え、この結果、接合
型バルブシートの前記接合メカニズムによる接合がより
確実に行われる。
バルブシートの母材である燒結材料全体の熱伝導率が高
められるため、接合型バルブシートを抵抗熱接合法によ
って接合する場合、該燒結材の内部発熱量が減少し、そ
の代わりに接合界面での発熱量が増え、この結果、接合
型バルブシートの前記接合メカニズムによる接合がより
確実に行われる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
て説明する。
【0015】図1乃至図6は本発明に係る接合型バルブ
シートの接合プロセスを説明するための半裁断面図、図
7は図2のA部拡大詳細図、図8は図3のB部拡大詳細
図、図9は接合型バルブシートの断面形状を示す図、図
10はバルブシートの接合強度と被膜厚さとの関係を示
す図、図11はAl−Cu合金の状態図である。
シートの接合プロセスを説明するための半裁断面図、図
7は図2のA部拡大詳細図、図8は図3のB部拡大詳細
図、図9は接合型バルブシートの断面形状を示す図、図
10はバルブシートの接合強度と被膜厚さとの関係を示
す図、図11はAl−Cu合金の状態図である。
【0016】図1において、1は軽量なAl合金鋳物で
構成されるシリンダヘッドであって、これのポート2の
周縁には上方に向かって拡径するリング状のテーパ面2
a,2b,2cが形成されている。
構成されるシリンダヘッドであって、これのポート2の
周縁には上方に向かって拡径するリング状のテーパ面2
a,2b,2cが形成されている。
【0017】又、図1において、3は本発明に係る接合
型バルブシートであって、これは耐衝撃性、耐摩耗性及
び高温強度に優れたFe系燒結材によってリング状に成
形された母材の表面に被膜4(図7参照)を0.1μm
以上30μm以下の厚さに形成して構成されている。
尚、該接合型バルブシート3の母材であるFe系燒結材
の空孔には、高熱伝導性及び自己潤滑性を有するCu等
の金属が溶浸処理によって充填されている。
型バルブシートであって、これは耐衝撃性、耐摩耗性及
び高温強度に優れたFe系燒結材によってリング状に成
形された母材の表面に被膜4(図7参照)を0.1μm
以上30μm以下の厚さに形成して構成されている。
尚、該接合型バルブシート3の母材であるFe系燒結材
の空孔には、高熱伝導性及び自己潤滑性を有するCu等
の金属が溶浸処理によって充填されている。
【0018】ここで、上記接合型バルブシート3の断面
形状の詳細を図9に示すが、該接合型バルブシート3の
内周部には角度α1 =45°のテーパ面3aが形成さ
れ、外周部には角度α2 =α3 =15°のテーパ面3
b,3cが形成され、両テーパ面3b,3cが交わる突
起部3dはR1(半径1mm)の円弧加工が施されてい
る。
形状の詳細を図9に示すが、該接合型バルブシート3の
内周部には角度α1 =45°のテーパ面3aが形成さ
れ、外周部には角度α2 =α3 =15°のテーパ面3
b,3cが形成され、両テーパ面3b,3cが交わる突
起部3dはR1(半径1mm)の円弧加工が施されてい
る。
【0019】ところで、上記被膜4の材料としては、シ
リンダヘッド1の材料であるAl合金鋳物の主成分元素
であるAlと当該材料の元素又は主成分元素との間で、
Al及び当該材料の元素又は主成分元素の融点よりも低
い融点の共晶合金を形成する材料が選定され、斯かる材
料として本実施例ではCuを用いた。尚、本実施例で
は、電気メッキによってCuの被膜4を形成したが、そ
の他、無電解メッキや溶射によって被膜4を形成しても
良い。
リンダヘッド1の材料であるAl合金鋳物の主成分元素
であるAlと当該材料の元素又は主成分元素との間で、
Al及び当該材料の元素又は主成分元素の融点よりも低
い融点の共晶合金を形成する材料が選定され、斯かる材
料として本実施例ではCuを用いた。尚、本実施例で
は、電気メッキによってCuの被膜4を形成したが、そ
の他、無電解メッキや溶射によって被膜4を形成しても
良い。
【0020】而して、図11のAl−Cu合金の状態図
に示すように、Al,Cu単体の融点はそれぞれ660
℃,1083℃であるのに対し、Al−Cu合金の共晶
点eの温度T1 はAl,Cuの融点(660℃,108
3℃)よりも低い548℃であり、従って、被膜4の材
料の元素Cuは、シリンダヘッド1の主成分元素Alと
の間に、Al,Cu単体の融点(660℃,1083
℃)よりも低い融点(548℃)の共晶合金を形成す
る。
に示すように、Al,Cu単体の融点はそれぞれ660
℃,1083℃であるのに対し、Al−Cu合金の共晶
点eの温度T1 はAl,Cuの融点(660℃,108
3℃)よりも低い548℃であり、従って、被膜4の材
料の元素Cuは、シリンダヘッド1の主成分元素Alと
の間に、Al,Cu単体の融点(660℃,1083
℃)よりも低い融点(548℃)の共晶合金を形成す
る。
【0021】次に、本発明に係る接合型バルブシート3
をシリンダヘッド1に接合するプロセスを図1乃至図8
に従って説明する。
をシリンダヘッド1に接合するプロセスを図1乃至図8
に従って説明する。
【0022】先ず、図1に示すように、接合型バルブシ
ート3はその外周の突起部3dがシリンダヘッド1のポ
ート2の周縁の突起部2dに当接する状態でセットされ
る。
ート3はその外周の突起部3dがシリンダヘッド1のポ
ート2の周縁の突起部2dに当接する状態でセットされ
る。
【0023】次に、図2に示すようにガイドバー5に沿
って上下動する抵抗溶接機の電極6が接合型バルブシー
ト3の内周テーパ面3aに嵌合され、接合型バルブシー
ト3が電極6によって所定の力Fで加圧されてシリンダ
ヘッド1に押圧される。このとき、シリンダヘッド1の
材料であるAl合金と被膜4の材料であるCuがそれぞ
れ固相状態で接触・押圧される。このときのバルブシー
ト3とシリンダヘッド1との接触部の状態を図7に示
す。
って上下動する抵抗溶接機の電極6が接合型バルブシー
ト3の内周テーパ面3aに嵌合され、接合型バルブシー
ト3が電極6によって所定の力Fで加圧されてシリンダ
ヘッド1に押圧される。このとき、シリンダヘッド1の
材料であるAl合金と被膜4の材料であるCuがそれぞ
れ固相状態で接触・押圧される。このときのバルブシー
ト3とシリンダヘッド1との接触部の状態を図7に示
す。
【0024】そして、図2に示す加圧状態から電極6に
よってバルブシート3に通電がなされると(図3参
照)、該バルブシート3からシリンダヘッド1へと電流
が流れ、両者の接触部及びその周辺が加熱される。この
とき、温度上昇によって活発になった原子運動の結果、
両者の接触部ではCu及びAl原子の相互拡散が起き、
Cu−Al合金組成を有する拡散層が生じる。
よってバルブシート3に通電がなされると(図3参
照)、該バルブシート3からシリンダヘッド1へと電流
が流れ、両者の接触部及びその周辺が加熱される。この
とき、温度上昇によって活発になった原子運動の結果、
両者の接触部ではCu及びAl原子の相互拡散が起き、
Cu−Al合金組成を有する拡散層が生じる。
【0025】而して、加熱温度がCu−Al合金の液相
を生じるに十分な温度に達すると、バルブシート3とシ
リンダヘッド1との接触部に融解が始まり、この融解は
時間の経過と共に進行し、図8に詳細に示すように、バ
ルブシート3の母材であるFe系燒結材とシリンダヘッ
ド1とが直接接触する。このとき、シリンダヘッド1の
Al材はバルブシート3との接合界面において図8の矢
印方向の塑性流れを生じ、前記反応で生じた液相を外部
へ排出するとともに、接触界面においてはFe原子とA
l原子の固相相互拡散によってバルブシート3がシリン
ダヘッド1のポート2の周縁に強固に接合される。
を生じるに十分な温度に達すると、バルブシート3とシ
リンダヘッド1との接触部に融解が始まり、この融解は
時間の経過と共に進行し、図8に詳細に示すように、バ
ルブシート3の母材であるFe系燒結材とシリンダヘッ
ド1とが直接接触する。このとき、シリンダヘッド1の
Al材はバルブシート3との接合界面において図8の矢
印方向の塑性流れを生じ、前記反応で生じた液相を外部
へ排出するとともに、接触界面においてはFe原子とA
l原子の固相相互拡散によってバルブシート3がシリン
ダヘッド1のポート2の周縁に強固に接合される。
【0026】上述のメカニズムによってバルブシート3
がシリンダヘッド1に強固に接合されると、通電を遮断
する。すると、図4に示すようにバルブシート3とシリ
ンダヘッド1の接合界面にはAlの塑性変形層7が形成
され、界面端部には排出された液相が凝固した部分が形
成される。
がシリンダヘッド1に強固に接合されると、通電を遮断
する。すると、図4に示すようにバルブシート3とシリ
ンダヘッド1の接合界面にはAlの塑性変形層7が形成
され、界面端部には排出された液相が凝固した部分が形
成される。
【0027】次に、図5に示すように、電極6を取り除
いてバルブシート3への加圧を解除し、最後に図6に示
すようにバルブシート3を機械加工によって所定の形状
に仕上加工すれば、バルブシート3のシリンダヘッド1
への接合作業が完了し、バルブシート3はシリンダヘッ
ド1のポート2の周縁に強固に接合一体化される。
いてバルブシート3への加圧を解除し、最後に図6に示
すようにバルブシート3を機械加工によって所定の形状
に仕上加工すれば、バルブシート3のシリンダヘッド1
への接合作業が完了し、バルブシート3はシリンダヘッ
ド1のポート2の周縁に強固に接合一体化される。
【0028】ここで、本発明者が被膜4の厚さを変えて
バルブシート1の接合強度を実測した結果を図10に示
す。
バルブシート1の接合強度を実測した結果を図10に示
す。
【0029】図10に示す結果から、バルブシート1の
接合強度は被膜4の厚さが0.1μm〜3μmであると
きに高い値を示すことが分かり、実用的に十分な接合強
度を得るには、被膜4の厚さとしては0.1μm以上3
0μm以下が適当であることが確認された。
接合強度は被膜4の厚さが0.1μm〜3μmであると
きに高い値を示すことが分かり、実用的に十分な接合強
度を得るには、被膜4の厚さとしては0.1μm以上3
0μm以下が適当であることが確認された。
【0030】尚、バルブシートの表面に形成される被膜
の材料としては、Cu以外にZn,Sn,Ag,Si等
を用いることができ、図12、図13、図14、図15
にAl−Zn合金、Al−Sn合金、Ag−Al合金、
Al−Si合金の状態図をそれぞれ示す。
の材料としては、Cu以外にZn,Sn,Ag,Si等
を用いることができ、図12、図13、図14、図15
にAl−Zn合金、Al−Sn合金、Ag−Al合金、
Al−Si合金の状態図をそれぞれ示す。
【0031】図12に示すAl−Zn合金の状態図によ
れば、Al,Zn単体の融点がそれぞれ660℃、41
9℃であるのに対し、Al−Zn合金の共晶点eの温度
T1は382℃であって、Al,Zn単体の融点よりも
低い値を示す。
れば、Al,Zn単体の融点がそれぞれ660℃、41
9℃であるのに対し、Al−Zn合金の共晶点eの温度
T1は382℃であって、Al,Zn単体の融点よりも
低い値を示す。
【0032】又、図13に示すAl−Sn合金の状態図
によれば、Al,Sn単体の融点がそれぞれ660℃、
232℃であるのに対し、Al−Sn合金の共晶点eの
温度T1 は228.3℃であって、Al,Sn単体の融
点よりも低い値を示す。
によれば、Al,Sn単体の融点がそれぞれ660℃、
232℃であるのに対し、Al−Sn合金の共晶点eの
温度T1 は228.3℃であって、Al,Sn単体の融
点よりも低い値を示す。
【0033】更に、図14に示すAg−Al合金の状態
図によれば、Ag,Al単体の融点がそれぞれ950.
5℃、660℃であるのに対し、Ag−Al合金の共晶
点eの温度T1 は566℃であって、Ag,Al単体の
融点よりも低い値を示す。
図によれば、Ag,Al単体の融点がそれぞれ950.
5℃、660℃であるのに対し、Ag−Al合金の共晶
点eの温度T1 は566℃であって、Ag,Al単体の
融点よりも低い値を示す。
【0034】同様に図15に示すAl−Si合金の状態
図によれば、Al,Si単体の融点がそれぞれ660
℃、1430℃であるのに対し、Al−Si合金の共晶
点eの温度T1 は577℃であって、Al,Si単体の
融点よりも低い値を示す。
図によれば、Al,Si単体の融点がそれぞれ660
℃、1430℃であるのに対し、Al−Si合金の共晶
点eの温度T1 は577℃であって、Al,Si単体の
融点よりも低い値を示す。
【0035】従って、被膜の材料としてはZn,Sn,
Ag,Si又はこれらを主成分元素とする合金を用いる
ことができる。
Ag,Si又はこれらを主成分元素とする合金を用いる
ことができる。
【0036】又、バルブシートの表面に被膜を形成する
方法としては、前記電気メッキ、無電解メッキ、溶射等
の他、溶融メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法、塗布
等の方法を用いることができる。
方法としては、前記電気メッキ、無電解メッキ、溶射等
の他、溶融メッキ、物理的蒸着法、化学的蒸着法、塗布
等の方法を用いることができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、被接合材料との間で双方の材料の元素又は主成
分元素の融点よりも低い融点の共晶合金を形成する材料
による被膜を母材表面に形成して接合型バルブシートを
構成したため、該接合型バルブシートを必要十分な強度
で接合することができるという効果が得られる。
よれば、被接合材料との間で双方の材料の元素又は主成
分元素の融点よりも低い融点の共晶合金を形成する材料
による被膜を母材表面に形成して接合型バルブシートを
構成したため、該接合型バルブシートを必要十分な強度
で接合することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接合型バルブシートの接合プロセ
スを説明するための半裁断面図である。
スを説明するための半裁断面図である。
【図2】本発明に係る接合型バルブシートの接合プロセ
スを説明するための半裁断面図である。
スを説明するための半裁断面図である。
【図3】本発明に係る接合型バルブシートの接合プロセ
スを説明するための半裁断面図である。
スを説明するための半裁断面図である。
【図4】本発明に係る接合型バルブシートの接合プロセ
スを説明するための半裁断面図である。
スを説明するための半裁断面図である。
【図5】本発明に係る接合型バルブシートの接合プロセ
スを説明するための半裁断面図である。
スを説明するための半裁断面図である。
【図6】本発明に係る接合型バルブシートの接合プロセ
スを説明するための半裁断面図である。
スを説明するための半裁断面図である。
【図7】図2のA部拡大詳細図である。
【図8】図3のB部拡大詳細図である。
【図9】本発明に係る接合型バルブシートの断面形状を
示す図である。
示す図である。
【図10】バルブシートの接合強度と被膜厚さとの関係
を示す図である。
を示す図である。
【図11】Al−Cu合金の状態図である。
【図12】Al−Zn合金の状態図である。
【図13】Al−Sn合金の状態図である。
【図14】Ag−Al合金の状態図である。
【図15】Al−Si合金の状態図である。
1 シリンダヘッド(被接合材料) 3 接合型バルブシート 4 被膜
Claims (4)
- 【請求項1】 母材表面に被膜を形成して成ることを特
徴とする接合型バルブシート。 - 【請求項2】 前記被膜は、被接合材料との間で双方の
材料の元素又は主成分元素の融点よりも低い融点の共晶
合金を形成する材料で構成されることを特徴とする請求
項1記載の接合型バルブシート。 - 【請求項3】 前記被膜の厚さは、0.1μm以上30
μm以下とされることを特徴とする請求項1又は2記載
の接合型バルブシート。 - 【請求項4】 前記母材は、高熱伝導性及び自己潤滑性
を有する材料を空孔に含浸した燒結材料で構成されるこ
とを特徴とする請求項1記載の接合型バルブシート。
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