JPH05287324A - 燒結材の接合前処理方法及びエンジンのシリンダヘッド構造 - Google Patents
燒結材の接合前処理方法及びエンジンのシリンダヘッド構造Info
- Publication number
- JPH05287324A JPH05287324A JP11422092A JP11422092A JPH05287324A JP H05287324 A JPH05287324 A JP H05287324A JP 11422092 A JP11422092 A JP 11422092A JP 11422092 A JP11422092 A JP 11422092A JP H05287324 A JPH05287324 A JP H05287324A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sintered material
- cylinder head
- valve seat
- sintered
- joining
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼結材の接合性を高めることができる接合前
処理方法を提供すること。又、特に、多バルブエンジン
用シリンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に、バルブシ
ートを、シリンダヘッドの割れ等を起こすことなく、接
合することができるシリンダヘッド構造を提供するこ
と。 【構成】 溶浸処理によって焼結材1の空孔3に、電気
伝導率が高くて焼結材1に含浸し易いCu,Al等の金
属4を充填する(接合前処理方法)。焼結材1全体の電
気伝導率が高められるため、例えば抵抗溶接による場
合、該焼結材1の内部発熱量が減少し、その代わりに接
合界面での局部的な発熱量が増え、この結果、焼結材1
の他部材への接合が可能となる。従って、焼結材から成
るバルブシートに前記接合前処理を施せば、該バルブシ
ートは、従来の圧入方式によらなくても、シリンダヘッ
ドに溶接によって接合されるため、特にポート間距離の
短いシリンダヘッドに割れ等の問題が発生することがな
い。
処理方法を提供すること。又、特に、多バルブエンジン
用シリンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に、バルブシ
ートを、シリンダヘッドの割れ等を起こすことなく、接
合することができるシリンダヘッド構造を提供するこ
と。 【構成】 溶浸処理によって焼結材1の空孔3に、電気
伝導率が高くて焼結材1に含浸し易いCu,Al等の金
属4を充填する(接合前処理方法)。焼結材1全体の電
気伝導率が高められるため、例えば抵抗溶接による場
合、該焼結材1の内部発熱量が減少し、その代わりに接
合界面での局部的な発熱量が増え、この結果、焼結材1
の他部材への接合が可能となる。従って、焼結材から成
るバルブシートに前記接合前処理を施せば、該バルブシ
ートは、従来の圧入方式によらなくても、シリンダヘッ
ドに溶接によって接合されるため、特にポート間距離の
短いシリンダヘッドに割れ等の問題が発生することがな
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結材の接合前処理方
法及び該接合前処理方法が施された焼結材から成るバル
ブシートを接合して構成されるエンジンのシリンダヘッ
ド構造に関する。
法及び該接合前処理方法が施された焼結材から成るバル
ブシートを接合して構成されるエンジンのシリンダヘッ
ド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】所謂粉末治金法によって得られる焼結材
は、高い材料歩留、高精度等が期待されることから自動
車部品等に多用されている。
は、高い材料歩留、高精度等が期待されることから自動
車部品等に多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、斯かる焼結
材は、圧粉体を焼結して得られるものである故に他部材
への接合が非常に難しい材料である。例えば、抵抗溶接
による場合には、焼結材自体の電気抵抗が大きいため、
該焼結材は内部で発熱が起きて加圧力を受けると塑性変
形が生じるだけであって、所望する接合界面での発熱、
溶融、接合は起こらない。
材は、圧粉体を焼結して得られるものである故に他部材
への接合が非常に難しい材料である。例えば、抵抗溶接
による場合には、焼結材自体の電気抵抗が大きいため、
該焼結材は内部で発熱が起きて加圧力を受けると塑性変
形が生じるだけであって、所望する接合界面での発熱、
溶融、接合は起こらない。
【0004】又、ビーム溶接による場合には、焼結材に
空孔が存在する状態のままで溶接すると、空孔内のガス
が膨張して焼結材にブローホール等の欠陥や割れが発生
する。
空孔が存在する状態のままで溶接すると、空孔内のガス
が膨張して焼結材にブローホール等の欠陥や割れが発生
する。
【0005】更に、超音波溶接による場合、両部材(焼
結材と被接合部材)の硬度(強度)差が大きいと接合性
が著しく低下する。このため、焼結材に表面処理を施す
ことが必要となってくるが、空孔が存在する焼結材のま
まで例えば湿式メッキを行なえば、メッキ液が空孔内に
残存したままの状態でメッキ層に封印されてしまうた
め、メッキ処理及び接合後にメッキ層と焼結材との間で
剥離が生じてしまう。又、空孔上のメッキ層は焼結材と
結合していないため、メッキ層の密着強度が低く、メッ
キ層が剥れ易いという問題もある。
結材と被接合部材)の硬度(強度)差が大きいと接合性
が著しく低下する。このため、焼結材に表面処理を施す
ことが必要となってくるが、空孔が存在する焼結材のま
まで例えば湿式メッキを行なえば、メッキ液が空孔内に
残存したままの状態でメッキ層に封印されてしまうた
め、メッキ処理及び接合後にメッキ層と焼結材との間で
剥離が生じてしまう。又、空孔上のメッキ層は焼結材と
結合していないため、メッキ層の密着強度が低く、メッ
キ層が剥れ易いという問題もある。
【0006】他方、内燃エンジンの分野においては、近
年、多バルブ化が進み、シリンダヘッドの各気筒には複
数の吸・排気ポートが近接して配置されるため、各ポー
ト間の距離が短くなりつつあり、斯かる状況の下で焼結
材から成るバルブシートを吸・排気ポートの周縁に従来
通り圧入すると、シリンダヘッドのポート間に強度不足
のための割れが発生する等の問題が発生する。
年、多バルブ化が進み、シリンダヘッドの各気筒には複
数の吸・排気ポートが近接して配置されるため、各ポー
ト間の距離が短くなりつつあり、斯かる状況の下で焼結
材から成るバルブシートを吸・排気ポートの周縁に従来
通り圧入すると、シリンダヘッドのポート間に強度不足
のための割れが発生する等の問題が発生する。
【0007】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、焼結材の接合性を高めること
ができる焼結材の接合前処理方法を提供することにあ
る。
で、その目的とする処は、焼結材の接合性を高めること
ができる焼結材の接合前処理方法を提供することにあ
る。
【0008】又、本発明は、特に多バルブエンジン用シ
リンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に、焼結材から成
るバルブシートを、シリンダヘッドの割れ等を起こすこ
となく、接合することができるシリンダヘッド構造を提
供することにある。
リンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に、焼結材から成
るバルブシートを、シリンダヘッドの割れ等を起こすこ
となく、接合することができるシリンダヘッド構造を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明方法は、焼結材の空孔に、電気伝導率が高くて焼結
材に含浸し易い金属を溶浸処理によって充填することを
特徴とする。尚、必要に応じて、前記溶浸処理の後、焼
結材に表面処理を施す。
発明方法は、焼結材の空孔に、電気伝導率が高くて焼結
材に含浸し易い金属を溶浸処理によって充填することを
特徴とする。尚、必要に応じて、前記溶浸処理の後、焼
結材に表面処理を施す。
【0010】又、本発明は、溶浸処理によって空孔に金
属を充填された焼結材から成るバルブシートをシリンダ
ヘッドの吸・排気ポート部周縁に接合することをその特
徴とする。
属を充填された焼結材から成るバルブシートをシリンダ
ヘッドの吸・排気ポート部周縁に接合することをその特
徴とする。
【0011】
【作用】本発明方法において、Cu,Al等の電気伝導
率が高くて焼結材に含浸し易い金属を焼結材の空孔に充
填すると、焼結材全体の電気伝導率が高められるため、
抵抗溶接による場合、該焼結材の内部発熱量が減少し、
その代わりに接合界面での発熱量が増え、この結果、当
該焼結材が接合可能となる。又、焼結材の空孔が金属で
充填されると、該焼結材をビーム溶接によって接合して
も、空孔内に残存するガスの膨張に伴うブローホール等
の欠陥や割れの問題が発生しない。
率が高くて焼結材に含浸し易い金属を焼結材の空孔に充
填すると、焼結材全体の電気伝導率が高められるため、
抵抗溶接による場合、該焼結材の内部発熱量が減少し、
その代わりに接合界面での発熱量が増え、この結果、当
該焼結材が接合可能となる。又、焼結材の空孔が金属で
充填されると、該焼結材をビーム溶接によって接合して
も、空孔内に残存するガスの膨張に伴うブローホール等
の欠陥や割れの問題が発生しない。
【0012】更に、超音波溶接による場合、焼結材を溶
浸処理した後に表面処理し、焼結材に形成される表面処
理層と被接合部材の硬度差を小さくすれば、当該焼結材
の接合性が高められる。この場合、焼結材の空孔は金属
(表面処理層との馴染みの良い金属)で充填されている
ため、表面処理層の焼結材への密着強度が高く保たれ、
該表面処理層が剥離する等の問題が発生しない。
浸処理した後に表面処理し、焼結材に形成される表面処
理層と被接合部材の硬度差を小さくすれば、当該焼結材
の接合性が高められる。この場合、焼結材の空孔は金属
(表面処理層との馴染みの良い金属)で充填されている
ため、表面処理層の焼結材への密着強度が高く保たれ、
該表面処理層が剥離する等の問題が発生しない。
【0013】他方、本発明に係る接合前処理が施された
バルブシートは、従来の圧入方式によらなくても、シリ
ンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に溶接によって接合
されるため、特にポート間距離の短い多バルブエンジン
用シリンダヘッドに割れ等の問題が発生することはな
い。
バルブシートは、従来の圧入方式によらなくても、シリ
ンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に溶接によって接合
されるため、特にポート間距離の短い多バルブエンジン
用シリンダヘッドに割れ等の問題が発生することはな
い。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0015】図1(a),(b)は本発明の第1実施例
に係る接合前処理方法をその工程順に示す説明図、図2
は抵抗溶接の説明図、図3はレーザービーム溶接の説明
図である。
に係る接合前処理方法をその工程順に示す説明図、図2
は抵抗溶接の説明図、図3はレーザービーム溶接の説明
図である。
【0016】図1(a)に示す焼結材1は所謂粉末治金
法によって得られるものであって、これはFeを主体と
する多数の粉体粒子2の結合体であり、粉体粒子2の間
には多数の空孔3が形成されている。
法によって得られるものであって、これはFeを主体と
する多数の粉体粒子2の結合体であり、粉体粒子2の間
には多数の空孔3が形成されている。
【0017】而して、本発明方法においては、焼結材1
に溶浸処理を施し、図1(b)に示すように、電気伝導
率が高くて焼結材1に含浸し易いCu等の金属4を焼結
材1の空孔3に充填する。尚、焼結材1がCuを主体と
する粉体粒子の結合体である場合には、これの空孔3に
充填する金属4としてはAlが選ばれる。
に溶浸処理を施し、図1(b)に示すように、電気伝導
率が高くて焼結材1に含浸し易いCu等の金属4を焼結
材1の空孔3に充填する。尚、焼結材1がCuを主体と
する粉体粒子の結合体である場合には、これの空孔3に
充填する金属4としてはAlが選ばれる。
【0018】以上の接合前処理が施された焼結材1を図
2に示すように部材5に抵抗溶接によって接合する場
合、焼結材1と部材5を上下の電極6,7によって挟ん
で圧力を加え、続いて通電する。そして、焼結材1と部
材5との接合面及びその付近(溶接部)が溶融温度又は
これに近い温度まで加熱されると、通電を遮断し、焼結
材1と部材5に強圧を加えて両者を接合する。
2に示すように部材5に抵抗溶接によって接合する場
合、焼結材1と部材5を上下の電極6,7によって挟ん
で圧力を加え、続いて通電する。そして、焼結材1と部
材5との接合面及びその付近(溶接部)が溶融温度又は
これに近い温度まで加熱されると、通電を遮断し、焼結
材1と部材5に強圧を加えて両者を接合する。
【0019】而して、上記抵抗溶接においては、焼結材
1の空孔3には前述の接合前処理によって熱伝導率の高
い金属4が充填されているため、焼結材1全体の電気伝
導率が高められ、該焼結材1の内部発熱量が減少し、そ
の代りに焼結材1と部材5の接合界面での局部的な発熱
量が増え、この結果、焼結材1の抵抗溶接による接合が
可能となる。
1の空孔3には前述の接合前処理によって熱伝導率の高
い金属4が充填されているため、焼結材1全体の電気伝
導率が高められ、該焼結材1の内部発熱量が減少し、そ
の代りに焼結材1と部材5の接合界面での局部的な発熱
量が増え、この結果、焼結材1の抵抗溶接による接合が
可能となる。
【0020】又、同焼結材1を図3に示すように部材8
にレーザービーム溶接によって接合する場合、焼結材1
と部材8の接合部にレーザービームLが照射される。こ
のレーザービーム溶接においても、焼結材1の空孔3は
金属4によって充填され、空孔3にガスが残存しないた
め、従来のような空孔3内に残存するガスの膨張に伴う
ブローホール等の欠陥や割れの問題が発生することがな
く、当該焼結材1はレーザービーム溶接によっても部材
8に強固に接合される。
にレーザービーム溶接によって接合する場合、焼結材1
と部材8の接合部にレーザービームLが照射される。こ
のレーザービーム溶接においても、焼結材1の空孔3は
金属4によって充填され、空孔3にガスが残存しないた
め、従来のような空孔3内に残存するガスの膨張に伴う
ブローホール等の欠陥や割れの問題が発生することがな
く、当該焼結材1はレーザービーム溶接によっても部材
8に強固に接合される。
【0021】次に、本発明方法の第2実施例を図4
(a),(b),(c)及び図5に基づいて説明する。
尚、図4(a),(b),(c)は本実施例方法をその
工程順に示す説明図、図5は超音波溶接の説明図であ
る。
(a),(b),(c)及び図5に基づいて説明する。
尚、図4(a),(b),(c)は本実施例方法をその
工程順に示す説明図、図5は超音波溶接の説明図であ
る。
【0022】本実施例に係る方法は前記第1実施例にお
ける溶浸処理の後に表面処理を施すする方法であって、
溶浸処理までの方法は前記第1実施例と同じである。即
ち、図4(a)に示す焼結材1の空孔3には溶浸処理に
よって図4(b)に示すようにCu,Al等の金属4が
充填される。
ける溶浸処理の後に表面処理を施すする方法であって、
溶浸処理までの方法は前記第1実施例と同じである。即
ち、図4(a)に示す焼結材1の空孔3には溶浸処理に
よって図4(b)に示すようにCu,Al等の金属4が
充填される。
【0023】而して、本実施例方法においては、溶浸処
理が施された図4(b)に示す焼結材1に表面処理(メ
ッキ処理)を施して図4(c)に示すように焼結材1の
表面に表面処理層(メッキ層)9を形成する。尚、前記
金属4としては、表面処理層9との馴染みの良いものが
選定される。
理が施された図4(b)に示す焼結材1に表面処理(メ
ッキ処理)を施して図4(c)に示すように焼結材1の
表面に表面処理層(メッキ層)9を形成する。尚、前記
金属4としては、表面処理層9との馴染みの良いものが
選定される。
【0024】以上の接合前処理が施された図4(c)に
示す焼結材1を図5に示すように部材10に超音波溶接
によって接合する場合、焼結材1と部材10を振動加圧
極11と受圧極12によって挟んで加圧し、焼結材1に
超音波を与える。すると、焼結材1と部材10との接合
部に超音波による振動エネルギーが加えられて両者が接
合される。
示す焼結材1を図5に示すように部材10に超音波溶接
によって接合する場合、焼結材1と部材10を振動加圧
極11と受圧極12によって挟んで加圧し、焼結材1に
超音波を与える。すると、焼結材1と部材10との接合
部に超音波による振動エネルギーが加えられて両者が接
合される。
【0025】而して、この超音波溶接においては、焼結
材1と部材10との硬度差が大きい場合であっても、表
面処理層9と部材10の硬度差を小さくしておけば(つ
まり、表面処理層9として部材10との硬度差の小さい
ものを選定すれば)、焼結材1の部材10への接合性を
高く保つことができる。
材1と部材10との硬度差が大きい場合であっても、表
面処理層9と部材10の硬度差を小さくしておけば(つ
まり、表面処理層9として部材10との硬度差の小さい
ものを選定すれば)、焼結材1の部材10への接合性を
高く保つことができる。
【0026】又、焼結材1の空孔3は金属4で充填され
ているため(図4(b),(c)参照)、表面処理層9
の焼結材1への密着強度が高く、該表面処理層9が焼結
材1から剥離する等の問題が発生することがない。
ているため(図4(b),(c)参照)、表面処理層9
の焼結材1への密着強度が高く、該表面処理層9が焼結
材1から剥離する等の問題が発生することがない。
【0027】次に、本発明方法の内燃エンジンへの具体
的な適用例を図6及び図7に基づいて説明する。尚、図
6、図7はそれぞれバルブシート接合前、後の状態を示
すシリンダヘッドの吸気ポート部の断面図である。
的な適用例を図6及び図7に基づいて説明する。尚、図
6、図7はそれぞれバルブシート接合前、後の状態を示
すシリンダヘッドの吸気ポート部の断面図である。
【0028】シリンダヘッド20は軽量なAl合金鋳物
で構成され、これの吸気ポート21周縁にはリング状の
段凹部21aが機械加工によって形成されている。
で構成され、これの吸気ポート21周縁にはリング状の
段凹部21aが機械加工によって形成されている。
【0029】一方、22は耐衝撃性、耐摩耗性及び高温
強度に優れた焼結材で構成されるバルブシートであっ
て、これには本発明に係る前記接合前処理が施されてい
る。
強度に優れた焼結材で構成されるバルブシートであっ
て、これには本発明に係る前記接合前処理が施されてい
る。
【0030】而して、バルブシート22を例えば抵抗溶
接によってシリンダヘッド20の吸気ポート21周縁に
接合する場合、図6に示すように、バルブシート22と
シリンダヘッド20の段凹部21aとの間に薄いCu
箔、Al箔等のインサート23を介在させて図2に示し
た要領で抵抗溶接を実施する。すると、図7に示すよう
にバルブシート22は前述の理由でシリンダヘッド20
の吸気ポート21周縁の段凹部21aに嵌合、密着し、
従来のように圧入方式によらないでバルブシート22を
溶接によって接合することができる。
接によってシリンダヘッド20の吸気ポート21周縁に
接合する場合、図6に示すように、バルブシート22と
シリンダヘッド20の段凹部21aとの間に薄いCu
箔、Al箔等のインサート23を介在させて図2に示し
た要領で抵抗溶接を実施する。すると、図7に示すよう
にバルブシート22は前述の理由でシリンダヘッド20
の吸気ポート21周縁の段凹部21aに嵌合、密着し、
従来のように圧入方式によらないでバルブシート22を
溶接によって接合することができる。
【0031】従って、シリンダヘッド20が特に多バル
ブエンジン(例えば、5バルブエンジン)用であって、
隣接する吸気ポート21間の距離が極めて短いような場
合であっても、吸気ポート21間の狭い部分に圧入によ
る過大な力が加わることがなく、該部分に割れが発生す
る等の不具合が生じない。
ブエンジン(例えば、5バルブエンジン)用であって、
隣接する吸気ポート21間の距離が極めて短いような場
合であっても、吸気ポート21間の狭い部分に圧入によ
る過大な力が加わることがなく、該部分に割れが発生す
る等の不具合が生じない。
【0032】又、バルブシート22を構成する焼結材に
は電気伝導率の高い金属が含浸されるため、バルブシー
ト22の電気伝導率が高くなって放熱し易くなり、エン
ジンの燃焼室内の温度上昇が抑えられてノッキングの発
生が防がれるという効果も得られる。
は電気伝導率の高い金属が含浸されるため、バルブシー
ト22の電気伝導率が高くなって放熱し易くなり、エン
ジンの燃焼室内の温度上昇が抑えられてノッキングの発
生が防がれるという効果も得られる。
【0033】尚、以上はバルブシートの吸気ポート側へ
の接合のみについて述べたが、排気ポート側への接合も
同様に行なうことができる。又、バルブシートは抵抗溶
接に限らず、ビーム溶接、超音波溶接によっても接合す
ることができることは勿論である。
の接合のみについて述べたが、排気ポート側への接合も
同様に行なうことができる。又、バルブシートは抵抗溶
接に限らず、ビーム溶接、超音波溶接によっても接合す
ることができることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、焼結材に溶浸処理を施すことによって、該焼結材
の空孔に、電気伝導率が高くて焼結材との馴染みの良い
金属を充填し、斯かる処理が施された焼結材から成るバ
ルブシートをシリンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に
接合するようにしたため、焼結材の接合性を高めること
ができるとともに、特に多バルブエンジン用シリンダヘ
ッドの吸・排気ポート部周縁に、焼結材から成るバルブ
シートを、シリンダヘッドの割れ等を起こすことなく、
接合することができるという効果が得られる。
れば、焼結材に溶浸処理を施すことによって、該焼結材
の空孔に、電気伝導率が高くて焼結材との馴染みの良い
金属を充填し、斯かる処理が施された焼結材から成るバ
ルブシートをシリンダヘッドの吸・排気ポート部周縁に
接合するようにしたため、焼結材の接合性を高めること
ができるとともに、特に多バルブエンジン用シリンダヘ
ッドの吸・排気ポート部周縁に、焼結材から成るバルブ
シートを、シリンダヘッドの割れ等を起こすことなく、
接合することができるという効果が得られる。
【図1】(a),(b)は本発明の第1実施例に係る接
合前処理方法をその工程順に示す説明図である。
合前処理方法をその工程順に示す説明図である。
【図2】抵抗溶接の説明図である。
【図3】レーザービーム溶接の説明図である。
【図4】(a),(b),(c)は本発明の第2実施例
に係る接合前処理方法をその工程順に示す説明図であ
る。
に係る接合前処理方法をその工程順に示す説明図であ
る。
【図5】超音波溶接の説明図である。
【図6】バルブシート接合前の状態を示すシリンダヘッ
ドの吸気ポート部の断面図である。
ドの吸気ポート部の断面図である。
【図7】バルブシート接合後の状態を示すシリンダヘッ
ドの吸気ポート部の断面図である。
ドの吸気ポート部の断面図である。
1 焼結材 3 空孔 4 金属 9 表面処理層 20 シリンダヘッド 21 吸気ポート 22 バルブシート
Claims (3)
- 【請求項1】 焼結材の空孔に、電気伝導率が高くて焼
結材に含浸し易い金属を溶浸処理によって充填すること
を特徴とする焼結材の接合前処理方法。 - 【請求項2】 前記溶浸処理の後、焼結材に表面処理を
施すことを特徴とする請求項1記載の焼結材の接合前処
理方法。 - 【請求項3】 溶浸処理によって空孔に金属を充填され
た焼結材から成るバルブシートをシリンダヘッドの吸・
排気ポート部周縁に接合して構成されることを特徴とす
るエンジンのシリンダヘッド構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11422092A JP3270937B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | エンジンのシリンダヘッド構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11422092A JP3270937B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | エンジンのシリンダヘッド構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287324A true JPH05287324A (ja) | 1993-11-02 |
JP3270937B2 JP3270937B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=14632240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11422092A Expired - Fee Related JP3270937B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | エンジンのシリンダヘッド構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3270937B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0705846A1 (de) | 1994-10-04 | 1996-04-10 | Immuno Ag | Hochmolekulare und niedermolekulare Fraktionen des von Willebrand-Faktors |
JPH08270499A (ja) * | 1995-03-31 | 1996-10-15 | Yamaha Motor Co Ltd | 接合型バルブシート |
US5687685A (en) * | 1995-03-31 | 1997-11-18 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Valve seat and method |
US5768779A (en) * | 1995-09-14 | 1998-06-23 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing cylinder head for engine |
US5778531A (en) * | 1995-09-14 | 1998-07-14 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing cylinder head for engine |
US5802716A (en) * | 1994-09-30 | 1998-09-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method for bonding a valve seat with a cylinder head |
WO2005075704A1 (de) * | 2004-02-06 | 2005-08-18 | Daimlerchrysler Ag | Verfahren zur herstellung einer lokalen verstärkung für ein bauteil einer brennkraftmaschine |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP11422092A patent/JP3270937B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5802716A (en) * | 1994-09-30 | 1998-09-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method for bonding a valve seat with a cylinder head |
EP0705846A1 (de) | 1994-10-04 | 1996-04-10 | Immuno Ag | Hochmolekulare und niedermolekulare Fraktionen des von Willebrand-Faktors |
JPH08270499A (ja) * | 1995-03-31 | 1996-10-15 | Yamaha Motor Co Ltd | 接合型バルブシート |
US5687685A (en) * | 1995-03-31 | 1997-11-18 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Valve seat and method |
US5768779A (en) * | 1995-09-14 | 1998-06-23 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing cylinder head for engine |
US5778531A (en) * | 1995-09-14 | 1998-07-14 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing cylinder head for engine |
WO2005075704A1 (de) * | 2004-02-06 | 2005-08-18 | Daimlerchrysler Ag | Verfahren zur herstellung einer lokalen verstärkung für ein bauteil einer brennkraftmaschine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3270937B2 (ja) | 2002-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3287916B2 (ja) | バルブシートの接合構造 | |
EP0261726B1 (en) | Pistons | |
US20020121259A1 (en) | Bonding structure of valve seat and method of making the same | |
US5787853A (en) | Valve seat-bonding area structures and valve seat-bonded cylinder head with the structures | |
US5768779A (en) | Method of manufacturing cylinder head for engine | |
JPH08246821A (ja) | バルブシート | |
US5765520A (en) | Cylinder head for engine | |
JPH08312800A (ja) | 接合型バルブシート | |
JPH05287324A (ja) | 燒結材の接合前処理方法及びエンジンのシリンダヘッド構造 | |
JPH0454825B2 (ja) | ||
US5778531A (en) | Method of manufacturing cylinder head for engine | |
JP3393227B2 (ja) | バルブシート | |
US5848579A (en) | Cylinder head for engine | |
US5970614A (en) | Method for forming valve seats | |
JP2002035955A (ja) | 通電接合によるアルミニウム合金複合部材の製造方法 | |
JP3335036B2 (ja) | 接合型バルブシート | |
WO1988000288A1 (en) | Insulation material and method of applying the same to a component in a combustion engine | |
JPH10208771A (ja) | ナトリウム−硫黄電池 | |
JPS58180751A (ja) | 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 | |
JP7095334B2 (ja) | シリンダヘッド | |
WO2019065186A1 (ja) | シリンダヘッド、内燃機関およびシリンダヘッドの製造方法 | |
JPH09268304A (ja) | 傾斜組成型断熱層を有する金属製部材及びその製造方法 | |
JPH063171B2 (ja) | セラミックスー金属の摩擦圧接体およびそれから成るセラミックス鋳ぐるみピストン | |
JP4013297B2 (ja) | 金属部材の接合方法 | |
JP3427622B2 (ja) | アルミニウムの接合方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |