JP3287916B2 - バルブシートの接合構造 - Google Patents
バルブシートの接合構造Info
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- Japan
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- valve seat
- cylinder head
- head body
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- intermetallic compound
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L3/00—Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
- F01L3/22—Valve-seats not provided for in preceding subgroups of this group; Fixing of valve-seats
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のシリンダヘ
ッドにおけるシリンダヘッド本体とバルブシート材との
接合構造に関する。
ッドにおけるシリンダヘッド本体とバルブシート材との
接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関においては、軽量なアル
ミニウム合金からなるシリンダヘッド本体の吸気ポート
や排気ポートの開口部周縁に、耐衝撃性、耐磨耗性およ
び高温強度に優れた鉄系焼結材からなるバルブシート材
を圧入等により一体的に接合することによって、シリン
ダヘッドのバルブシート部分を本体とは別の材料により
形成するということが行われている。
ミニウム合金からなるシリンダヘッド本体の吸気ポート
や排気ポートの開口部周縁に、耐衝撃性、耐磨耗性およ
び高温強度に優れた鉄系焼結材からなるバルブシート材
を圧入等により一体的に接合することによって、シリン
ダヘッドのバルブシート部分を本体とは別の材料により
形成するということが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミニウ
ム合金のシリンダヘッド本体に鉄系焼結材のバルブシー
ト材を接合した従来のシリンダヘッドでは、内燃機関の
運転中にバルブシート材がその半径方向に割れを生じ、
バルブシートのシール機能を低下させるということが問
題となっている。
ム合金のシリンダヘッド本体に鉄系焼結材のバルブシー
ト材を接合した従来のシリンダヘッドでは、内燃機関の
運転中にバルブシート材がその半径方向に割れを生じ、
バルブシートのシール機能を低下させるということが問
題となっている。
【0004】これは、シリンダヘッド本体の材料である
アルミニウム合金の熱膨張係数がバルブシートの材料で
ある鉄系焼結材のそれよりもはるかに大きいため、内燃
機関の運転中にバルブシート円周方向に引張り応力が発
生することによるものと考えられる。
アルミニウム合金の熱膨張係数がバルブシートの材料で
ある鉄系焼結材のそれよりもはるかに大きいため、内燃
機関の運転中にバルブシート円周方向に引張り応力が発
生することによるものと考えられる。
【0005】そこで、このような割れを防止するため
に、構造上、接合技術上の様々な工夫が試みられている
が、何れも高い精度での制御が必要となって生産性を損
なう可能性が大きく、その実施が実質的には困難なもの
となっている。
に、構造上、接合技術上の様々な工夫が試みられている
が、何れも高い精度での制御が必要となって生産性を損
なう可能性が大きく、その実施が実質的には困難なもの
となっている。
【0006】本発明は、上記のような従来の内燃機関の
シリンダヘッドの持つ不都合を解消することを目的とし
ており、より具体的には、バルブシートの接合構造を工
夫することにより、従来と同様の溶接による接合によっ
ても、上記のような熱応力によるバルブシートの割れが
生じないようなものとすることを目的としている。
シリンダヘッドの持つ不都合を解消することを目的とし
ており、より具体的には、バルブシートの接合構造を工
夫することにより、従来と同様の溶接による接合によっ
ても、上記のような熱応力によるバルブシートの割れが
生じないようなものとすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決しかつ目的を達成するために、バルブシート部分が
別材料により形成されているシリンダヘッドにおいて、
バルブシートの接合構造を、バルブシート材とシリンダ
ヘッド本体とをインサート材を介して溶接すると共に、
バルブシート材とインサート材の間およびシリンダヘッ
ド本体とインサート材の間に、その成分が徐々に変化す
るように析出させた金属間化合物もしくは固溶体の中間
層をそれぞれ形成することを特徴とするものである。
解決しかつ目的を達成するために、バルブシート部分が
別材料により形成されているシリンダヘッドにおいて、
バルブシートの接合構造を、バルブシート材とシリンダ
ヘッド本体とをインサート材を介して溶接すると共に、
バルブシート材とインサート材の間およびシリンダヘッ
ド本体とインサート材の間に、その成分が徐々に変化す
るように析出させた金属間化合物もしくは固溶体の中間
層をそれぞれ形成することを特徴とするものである。
【0008】
【作 用】上記のような構成によれば、シリンダヘッド
本体とバルブシート材との間に介在する物質の熱膨張係
数が段階的に徐々に変化しているため、内燃機関の運転
中にアルミニウム合金からなるシリンダヘッド本体側が
大きく熱膨張しても、それが大きな内部応力になること
がなく、その結果、接合界面の変形、破損やバルブシー
トの割れが発生することはない。
本体とバルブシート材との間に介在する物質の熱膨張係
数が段階的に徐々に変化しているため、内燃機関の運転
中にアルミニウム合金からなるシリンダヘッド本体側が
大きく熱膨張しても、それが大きな内部応力になること
がなく、その結果、接合界面の変形、破損やバルブシー
トの割れが発生することはない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0010】図1は、シリンダヘッドの吸気ポート付近
におけるバルブシート接合前の状態を示すもので、バル
ブシート材1を接合するために、アルミニウム合金の鋳
物からなるシリンダヘッド本体2の吸気ポート21の開
口部周縁には、リング状のテーパ面21aが形成されて
いる。
におけるバルブシート接合前の状態を示すもので、バル
ブシート材1を接合するために、アルミニウム合金の鋳
物からなるシリンダヘッド本体2の吸気ポート21の開
口部周縁には、リング状のテーパ面21aが形成されて
いる。
【0011】バルブシート材1は、耐磨耗性と耐酸化性
を兼ね備えた材料である鉄系焼結合金、銅系鋳造合金等
からなるもので、図示されているように、その表面に表
面処理材がコーティングされていたり、あるいは、必要
に応じてその一部にバックアップ材が付着されたりする
ものである。
を兼ね備えた材料である鉄系焼結合金、銅系鋳造合金等
からなるもので、図示されているように、その表面に表
面処理材がコーティングされていたり、あるいは、必要
に応じてその一部にバックアップ材が付着されたりする
ものである。
【0012】なお、鉄系焼結合金からなるバルブシート
材1では、Cu,Alのように電気伝導率が高く且つ焼
結材の空孔に含浸させ易い金属が溶浸処理により含浸さ
れていて、全体の電気伝導率が高められており、通電し
た場合、バルブシート材の内部発熱量が減少し、接合界
面での発熱量が増えて、シリンダヘッド本体2との抵抗
溶接を行うのに適したものとされている。
材1では、Cu,Alのように電気伝導率が高く且つ焼
結材の空孔に含浸させ易い金属が溶浸処理により含浸さ
れていて、全体の電気伝導率が高められており、通電し
た場合、バルブシート材の内部発熱量が減少し、接合界
面での発熱量が増えて、シリンダヘッド本体2との抵抗
溶接を行うのに適したものとされている。
【0013】図2は、シリンダヘッドの吸気ポート付近
におけるバルブシート接合後の完成された状態を示すも
ので、シリンダヘッド本体2に接合されているバルブシ
ート材1は、溶接後の開口部周縁のカットによる加工仕
上げによって、リング状のテーパ面を有するバルブシー
ト部22として形成されている。
におけるバルブシート接合後の完成された状態を示すも
ので、シリンダヘッド本体2に接合されているバルブシ
ート材1は、溶接後の開口部周縁のカットによる加工仕
上げによって、リング状のテーパ面を有するバルブシー
ト部22として形成されている。
【0014】図3は、図1に示すようなバルブシート材
1とシリンダヘッド本体2を接合して、図2に示すよう
なシリンダヘッドのバルブシート部22を形成するため
の製造工程の概略を示すものである。
1とシリンダヘッド本体2を接合して、図2に示すよう
なシリンダヘッドのバルブシート部22を形成するため
の製造工程の概略を示すものである。
【0015】まず、図3(A)に示すように、電極5と
シリンダヘッド本体2との間に、シリンダヘッド本体2
の吸気ポート21の開口部周縁に形成されたテーパ面2
1aに当接する状態で、表面処理材をコーティングした
リング状のバルブシート材1を設置する。
シリンダヘッド本体2との間に、シリンダヘッド本体2
の吸気ポート21の開口部周縁に形成されたテーパ面2
1aに当接する状態で、表面処理材をコーティングした
リング状のバルブシート材1を設置する。
【0016】ついで、電極5により加圧しながらバルブ
シート材1に通電することにより、図3(B)に示すよ
うに、バルブシート材1より変形抵抗の小さなシリンダ
ヘッド本体2を塑性変形させて、バルブシート材1をシ
リンダヘッド本体2の開口部周縁のテーパ面21aに埋
め込むように接合する。
シート材1に通電することにより、図3(B)に示すよ
うに、バルブシート材1より変形抵抗の小さなシリンダ
ヘッド本体2を塑性変形させて、バルブシート材1をシ
リンダヘッド本体2の開口部周縁のテーパ面21aに埋
め込むように接合する。
【0017】その後、冷却された当該部分を、図3
(C)に鎖線で示すようにカットして除去する機械加工
を施し、図3(D)に示すように、バルブシート材1を
リング状のテーパ面を有するバルブシート部22として
仕上げる。
(C)に鎖線で示すようにカットして除去する機械加工
を施し、図3(D)に示すように、バルブシート材1を
リング状のテーパ面を有するバルブシート部22として
仕上げる。
【0018】上記のようなバルブシート部22が別材料
により形成されているシリンダヘッドにおいて適用され
る本発明のバルブシートの接合構造について、各実施例
によって以下に説明する。
により形成されているシリンダヘッドにおいて適用され
る本発明のバルブシートの接合構造について、各実施例
によって以下に説明する。
【0019】図4および図5は、本発明のバルブシート
の接合構造の一実施例を示すものである。
の接合構造の一実施例を示すものである。
【0020】図4に示すように、バルブシート材1(C
uを含浸させた鉄系焼結合金)は、その表面にインサー
ト材を構成するための表面処理材3a(Cu)がコーテ
ィングされていて、上記のような抵抗溶接による接合工
程を経て、図5に示すように、インサート材を構成する
表面処理材3aとその両側に析出させた金属間化合物も
しくは固溶体の中間層とからなる接合部を介して、シリ
ンダヘッド本体2と接合される。
uを含浸させた鉄系焼結合金)は、その表面にインサー
ト材を構成するための表面処理材3a(Cu)がコーテ
ィングされていて、上記のような抵抗溶接による接合工
程を経て、図5に示すように、インサート材を構成する
表面処理材3aとその両側に析出させた金属間化合物も
しくは固溶体の中間層とからなる接合部を介して、シリ
ンダヘッド本体2と接合される。
【0021】上記の接合部において、表面処理材3aの
両側に析出される金属間化合物の各中間層31,32
は、図6に模式的に示すように、インサート材(Cu)
とバルブシート材(鉄系焼結合金)の反応層31では、
インサート材に近づく程Cu成分が多い金属間化合物が
析出され、バルブシート材に近づく程Fe成分が多い金
属間化合物が析出されており、インサート材(Cu)と
シリンダヘッド本体(アルミニウム合金)の反応層32
では、インサート材に近づく程Cu成分が多い金属間化
合物が析出され、シリンダヘッド本体に近づく程Al成
分が多い金属間化合物もしくは固溶体が析出されてい
る。
両側に析出される金属間化合物の各中間層31,32
は、図6に模式的に示すように、インサート材(Cu)
とバルブシート材(鉄系焼結合金)の反応層31では、
インサート材に近づく程Cu成分が多い金属間化合物が
析出され、バルブシート材に近づく程Fe成分が多い金
属間化合物が析出されており、インサート材(Cu)と
シリンダヘッド本体(アルミニウム合金)の反応層32
では、インサート材に近づく程Cu成分が多い金属間化
合物が析出され、シリンダヘッド本体に近づく程Al成
分が多い金属間化合物もしくは固溶体が析出されてい
る。
【0022】図7および図8は、本発明のバルブシート
の接合構造の他の実施例を示すものである。
の接合構造の他の実施例を示すものである。
【0023】図7に示すように、バルブシート材1は、
そのシリンダヘッド本体2への接合面にインサート材を
構成するためのバックアップ材3bが付設されていて、
上記のような抵抗溶接による接合工程を経て、図8に示
すように、インサート材を構成するバックアップ材3b
とその両側に析出される金属間化合物の中間層33,3
4,35とからなる接合部を介して、シリンダヘッド本
体2と接合される。
そのシリンダヘッド本体2への接合面にインサート材を
構成するためのバックアップ材3bが付設されていて、
上記のような抵抗溶接による接合工程を経て、図8に示
すように、インサート材を構成するバックアップ材3b
とその両側に析出される金属間化合物の中間層33,3
4,35とからなる接合部を介して、シリンダヘッド本
体2と接合される。
【0024】なお、本実施例では、バルブシート材1と
しては、鉄系焼結合金(Cu等を含浸させた)或いは銅
系鋳造合金が使用されており、バックアップ材3bとし
ては、焼結や鋳造の熱に耐えることができ、バルブシー
ト材1とある程度冶金学的反応をし、且つシリンダヘッ
ド本体2と良好な接合ができるものとして、オーステナ
イト鋼(SUS304、SUH3)が使用されている。
しては、鉄系焼結合金(Cu等を含浸させた)或いは銅
系鋳造合金が使用されており、バックアップ材3bとし
ては、焼結や鋳造の熱に耐えることができ、バルブシー
ト材1とある程度冶金学的反応をし、且つシリンダヘッ
ド本体2と良好な接合ができるものとして、オーステナ
イト鋼(SUS304、SUH3)が使用されている。
【0025】上記の接合部において、中間層33はバル
ブシート材1とバックアップ材3bの相互拡散層であ
り、中間層34はバックアップ材3bとシリンダヘッド
本体2(アルミニウム合金)との相互拡散層であり、中
間層35はシリンダヘッド本体2(アルミニウム合金)
へのバックアップ材3bの拡散層であって、各中間層3
3,34,35のそれぞれについては、図6に示したの
と同様に、その両側の層の金属成分に対してその成分が
徐々に変化するように析出された金属間化合物からなる
ものである。
ブシート材1とバックアップ材3bの相互拡散層であ
り、中間層34はバックアップ材3bとシリンダヘッド
本体2(アルミニウム合金)との相互拡散層であり、中
間層35はシリンダヘッド本体2(アルミニウム合金)
へのバックアップ材3bの拡散層であって、各中間層3
3,34,35のそれぞれについては、図6に示したの
と同様に、その両側の層の金属成分に対してその成分が
徐々に変化するように析出された金属間化合物からなる
ものである。
【0026】図9および図10は、本発明のバルブシー
トの接合構造の更に他の実施例を示すものである。
トの接合構造の更に他の実施例を示すものである。
【0027】図9に示すように、バルブシート材1は、
シリンダヘッド本体2への接合面にインサート材を構成
するためのバックアップ材3bが付着されていると共
に、バックアップ材3bを含む全体の表面にインサート
材を構成するための表面処理材3aが更にコーティング
されているものであって、単にバックアップ材3bだけ
が設けられたものと比べて、シリンダヘッド本体2のア
ルミニウム合金に対するバルブシート材1の接合性が高
められている。
シリンダヘッド本体2への接合面にインサート材を構成
するためのバックアップ材3bが付着されていると共
に、バックアップ材3bを含む全体の表面にインサート
材を構成するための表面処理材3aが更にコーティング
されているものであって、単にバックアップ材3bだけ
が設けられたものと比べて、シリンダヘッド本体2のア
ルミニウム合金に対するバルブシート材1の接合性が高
められている。
【0028】このインサート材が二重に設けられている
バルブシート材1は、図10に示すように、表面処理材
3aおよびバックアップ材3bと、バルブシート材1と
バックアップ材3bとの間に析出される金属間化合物の
中間層33、バックアップ材3bと表面処理材3aとの
間に析出される金属間化合物の中間層36、表面処理材
3aとシリンダヘッド本体2との間に析出される金属間
化合物の中間層32a,32bの各中間層とからなる接
合部を介して、シリンダヘッド本体2と接合される。
バルブシート材1は、図10に示すように、表面処理材
3aおよびバックアップ材3bと、バルブシート材1と
バックアップ材3bとの間に析出される金属間化合物の
中間層33、バックアップ材3bと表面処理材3aとの
間に析出される金属間化合物の中間層36、表面処理材
3aとシリンダヘッド本体2との間に析出される金属間
化合物の中間層32a,32bの各中間層とからなる接
合部を介して、シリンダヘッド本体2と接合される。
【0029】上記の接合部において、中間層33はバル
ブシート材1とバックアップ材3bの相互拡散層であ
り、中間層36はバックアップ材3bと表面処理材3a
の相互拡散層であり、中間層32aは表面処理材3aと
シリンダヘッド本体2(アルミニウム合金)の相互拡散
層であり、中間層32bはシリンダヘッド本体2(アル
ミニウム合金)への表面処理材3aの拡散層であって、
上記の各実施例と同様、図6に示すように、その両側の
層の金属成分に対してその成分が徐々に変化するように
析出させた金属間化合物もしくは固溶体からなるもので
ある。
ブシート材1とバックアップ材3bの相互拡散層であ
り、中間層36はバックアップ材3bと表面処理材3a
の相互拡散層であり、中間層32aは表面処理材3aと
シリンダヘッド本体2(アルミニウム合金)の相互拡散
層であり、中間層32bはシリンダヘッド本体2(アル
ミニウム合金)への表面処理材3aの拡散層であって、
上記の各実施例と同様、図6に示すように、その両側の
層の金属成分に対してその成分が徐々に変化するように
析出させた金属間化合物もしくは固溶体からなるもので
ある。
【0030】以上説明した各実施例においては、何れ
も、バルブシート材1とシリンダヘッド本体2の間にお
いてインサート材の両側に析出された中間層が、その成
分が徐々に変化するように析出させた金属間化合物もし
くは固溶体であるため、シリンダヘッド本体2とバルブ
シート材1との間に介在する接合構造において熱膨張係
数が段階的に徐々に変化しており、シリンダヘッド本体
2側が大きく熱膨張しても、それが大きな内部応力とな
ってバルブシート材1に割れを発生させるようなことが
ない。
も、バルブシート材1とシリンダヘッド本体2の間にお
いてインサート材の両側に析出された中間層が、その成
分が徐々に変化するように析出させた金属間化合物もし
くは固溶体であるため、シリンダヘッド本体2とバルブ
シート材1との間に介在する接合構造において熱膨張係
数が段階的に徐々に変化しており、シリンダヘッド本体
2側が大きく熱膨張しても、それが大きな内部応力とな
ってバルブシート材1に割れを発生させるようなことが
ない。
【0031】以上、本発明のバルブシートの接合構造を
実施例によって説明したが、例えば、上記の実施例にお
いては、アルミニウム合金のシリンダヘッド本体と鉄系
焼結合金のバルブシート材に対し、インサート材を構成
するための表面処理材としてCu(熱膨張係数17×1
0-6/deg)を使用しているが、これに代えて、アル
ミニウム合金の熱膨張係数(23×10-6/deg)と
鉄系焼結合金の熱膨張係数(12×10-6/deg)の
中間の熱膨張係数をもつ材料の中から適当なものを選ん
で使用することができ、Al−5%Si(熱膨張係数2
0×10-6/deg),Cu−Zn,Cu−Sn,Cu
−Ni−Si等が使用可能である等、本発明が上記各実
施例に示した具体的な構成にのみ限定されるものでない
ことはいうまでもない。
実施例によって説明したが、例えば、上記の実施例にお
いては、アルミニウム合金のシリンダヘッド本体と鉄系
焼結合金のバルブシート材に対し、インサート材を構成
するための表面処理材としてCu(熱膨張係数17×1
0-6/deg)を使用しているが、これに代えて、アル
ミニウム合金の熱膨張係数(23×10-6/deg)と
鉄系焼結合金の熱膨張係数(12×10-6/deg)の
中間の熱膨張係数をもつ材料の中から適当なものを選ん
で使用することができ、Al−5%Si(熱膨張係数2
0×10-6/deg),Cu−Zn,Cu−Sn,Cu
−Ni−Si等が使用可能である等、本発明が上記各実
施例に示した具体的な構成にのみ限定されるものでない
ことはいうまでもない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したような本発明のバルブシー
トの接合構造によれば、シリンダヘッド本体とバルブシ
ートとの間に介在する物質の熱膨張係数が段階的に徐々
に変化しているため、内燃機関の運転中にアルミニウム
合金からなるシリンダヘッド本体側が大きく熱膨張して
も、それが大きな内部応力になることがなく、その結
果、接合界面の変形、破損やバルブシートの割れが発生
することはない。
トの接合構造によれば、シリンダヘッド本体とバルブシ
ートとの間に介在する物質の熱膨張係数が段階的に徐々
に変化しているため、内燃機関の運転中にアルミニウム
合金からなるシリンダヘッド本体側が大きく熱膨張して
も、それが大きな内部応力になることがなく、その結
果、接合界面の変形、破損やバルブシートの割れが発生
することはない。
【図1】シリンダヘッド本体の吸・排気ポート開口部付
近におけるバルブシート材接合前の状態を示す一部断面
斜視図。
近におけるバルブシート材接合前の状態を示す一部断面
斜視図。
【図2】バルブシート部分が別材料により形成されてい
るシリンダヘッドの吸・排気ポート開口部付近を示す一
部断面斜視図。
るシリンダヘッドの吸・排気ポート開口部付近を示す一
部断面斜視図。
【図3】シリンダヘッド本体に別材料からなるバルブシ
ート部分を形成するための工程を示す説明図。
ート部分を形成するための工程を示す説明図。
【図4】本発明の一実施例に対する、シリンダヘッド本
体にバルブシート材を接合する前の状態を示す断面図。
体にバルブシート材を接合する前の状態を示す断面図。
【図5】本発明の一実施例を示す断面図および要部拡大
断面図。
断面図。
【図6】本発明において金属間化合物の中間層の成分が
徐々に変化するように析出されている状態を模式的に示
す説明図。
徐々に変化するように析出されている状態を模式的に示
す説明図。
【図7】本発明の他の実施例に対する、シリンダヘッド
本体にバルブシート材を接合する前の状態を示す断面
図。
本体にバルブシート材を接合する前の状態を示す断面
図。
【図8】本発明の他の実施例を示す断面図および要部拡
大断面図。
大断面図。
【図9】本発明の更に他の実施例に対する、シリンダヘ
ッド本体にバルブシート材を接合する前の状態を示す断
面図。
ッド本体にバルブシート材を接合する前の状態を示す断
面図。
【図10】本発明の更に他の実施例を示す断面図および
要部拡大断面図。
要部拡大断面図。
1 バルブシート材 2 シリンダヘッド本体 3a インサート材(表面処理材) 3b インサート材(バックアップ材) 31 金属間化合物の中間層 32 金属間化合物の中間層 32a 金属間化合物の中間層 32b 金属間化合物の中間層 33 金属間化合物の中間層 34 金属間化合物の中間層 35 金属間化合物の中間層 36 金属間化合物の中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−150014(JP,A) 特開 昭62−164803(JP,A) 特開 昭57−183508(JP,A) 特開 平4−251676(JP,A) 特開 平4−288983(JP,A) 特開 昭62−156081(JP,A) 実開 平1−125839(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/24 B23K 11/20 F01L 3/02
Claims (1)
- 【請求項1】 バルブシート部分が別材料により形成さ
れているシリンダヘッドにおいて、バルブシート材とシ
リンダヘッド本体とがインサート材を介して溶接されて
いると共に、バルブシート材とインサート材の間および
シリンダヘッド本体とインサート材の間に、その成分が
徐々に変化するように析出させた金属間化合物もしくは
固溶体の中間層がそれぞれ形成されていることを特徴と
する、バルブシートの接合構造。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20032593A JP3287916B2 (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | バルブシートの接合構造 |
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