JP3416829B2 - シリンダヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

シリンダヘッドおよびその製造方法

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JP3416829B2
JP3416829B2 JP02730095A JP2730095A JP3416829B2 JP 3416829 B2 JP3416829 B2 JP 3416829B2 JP 02730095 A JP02730095 A JP 02730095A JP 2730095 A JP2730095 A JP 2730095A JP 3416829 B2 JP3416829 B2 JP 3416829B2
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    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
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  • Combustion & Propulsion (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用のシリンダ
ヘッドに関し、特に、バルブシート部がシリンダヘッド
本体とは異種材料により形成されているシリンダヘッ
ド、および、そのようなシリンダヘッドの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のシリンダヘッドでは、軽量な
アルミニウム合金製シリンダヘッドのバルブシート部を
耐磨耗性および高温強度に優れたものとして、バルブフ
ェース面とポート間の気密性を確保するために、アルミ
ニウム合金材料からなるシリンダヘッド本体の吸・排気
ポートの各開口周縁部にリセス(凹部)を形成し、リセ
ス内に鉄系焼結合金材料等からなるリング状のシートリ
ング材を圧入してから、当該部分を仕上げ研削加工する
ことにより、シリンダヘッド本体に対して異種材料のバ
ルブシート部を一体的に形成するということが従来から
一般的に行われている。
【0003】ところが、シリンダヘッド本体に異種材料
のバルブシート部が圧入されているシリンダヘッドで
は、運転時にシリンダヘッドが高温になっても圧入され
たバルブシート部が脱落しないように、バルブシート部
の圧入代と圧入高さをある程度以上の大きさとすること
が必要とされるため、例えば、隣接する各ポート間の壁
の厚さがある程度以上必要となって、各ポート間の間隔
を狭めることができないというように、バルブシート部
の断面積の大きさがシリンダヘッドのポート周りを設計
するときの大きな制約要因となっている。
【0004】また、バルブシートの材料となる鉄系焼結
材の熱伝導率がアルミニウム合金鋳造物によるシリンダ
ヘッド本体の熱伝導率と比べて低いため、圧入されたバ
ルブシート部の断面積が大きいことによって、バルブフ
ェースや排気からのシリンダヘッド本体への熱の伝達が
バルブシート部によって阻害される傾向にあり、その結
果、シリンダヘッドの冷却性能が低下して異常燃焼を引
き起こしたり、バルブの温度が上昇して破損に至るとい
うことがある。
【0005】さらには、バルブシートの材料よりもシリ
ンダヘッド本体の材料の方の熱膨張が大きいため、ある
程度以上の温度になるとバルブシート部とシリンダヘッ
ド本体の間に隙間を生じることとなり、それによってシ
リンダヘッド本体への熱の伝達が更に阻害されてバルブ
シート部自体が過熱し、その結果、バルブシートの耐磨
耗性等が低下して変形が生じ、磨耗や損傷を引き起こす
こととなる。
【0006】そこで、上記のような圧入によるバルブシ
ートの問題を解決するために、シリンダヘッド本体のバ
ルブシート形成部分に、耐熱性,耐磨耗性,耐食性に優
れたバルブシート材料をレーザーによりクラッド(肉
盛)して、そのクラッド層(肉盛層)によってバルブシ
ート部を形成するということが従来から提案されており
(特開昭62−150014号公報,特開昭62−15
0014号公報等参照)、更には、そのようなレーザー
クラッド仕様によりバルブシート部を形成するシリンダ
ヘッドにおいて、クラッド層とシリンダヘッド本体の溶
着率を高めるために、シリンダヘッド本体の溶着面に圧
延ロールなどによって予め塑性変形層を形成してからレ
ーザークラッドを行うということが提案されている(特
開平2−196117号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来のレーザークラッド仕様によりバルブシート部を
形成するシリンダヘッドについては、何れもバルブシー
ト材料を溶融して肉盛りするものであるため、シリンダ
ヘッド本体のアルミニウム合金は接合界面付近で一旦溶
融後凝固しており、そのためガスの生成や凝固収縮など
によって界面にブローホールや引け巣などの欠陥が出や
すく、アルミニウム合金材の鋳巣や介在物の影響を受け
やすいという問題があり、また、溶融凝固による接合部
分の強度が高温でのエンジンの長時間運転によって劣化
しやすいという問題がある。
【0008】本発明は、上記のような従来の内燃機関の
シリンダヘッドの持つ不都合を解消することを目的とし
ており、より具体的には、バルブシート部の断面積を小
さくすることができて、シリンダヘッドのポート周りの
設計の自由度を大きくし、シリンダヘッド本体への熱伝
達の阻害を少なくすることができると共に、シリンダヘ
ッド本体とバルブシート部の接合界面近傍での欠陥を少
なくして、高い接合強度でバルブシート部をシリンダヘ
ッド本体に接合することができ、しかも、高温での長時
間運転により当該接合部分の強度が著しく劣化するよう
なことのないシリンダヘッドを提供することを目的とし
ており、また、そのようなシリンダヘッドを製造するの
に適した製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決しかつ目的を達成するために、上記の請求項1に記
載したように、シリンダヘッド本体に異種材料のシート
リング材を接合してから仕上げ加工をすることでバルブ
シート部が形成されているシリンダヘッドにおいて、バ
ルブシート部とシリンダヘッド本体が、溶融反応層を形
成することなく、双方の材料の固相状態を保ったまま、
界面での原子の相互拡散を通じて連続的な構造を創成す
るような金属学的接合によって接合されており、それに
よって、接合界面の少なくともシリンダヘッド本体側
に、異種材料間の接合界面に沿って塑性変形層が形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0010】
【0011】また、そのようなシリンダヘッドを製造す
るための方法において、上記の請求項2に記載したよう
に、シートリング材をシリンダヘッド本体に接合するに
当たって、シリンダヘッド本体側の接合面を、シートリ
ング材に対して凸形状としておくことを特徴とするもの
である。
【0012】
【作 用】上記のようなシリンダヘッドの構造により、
圧入によるバルブシート部を有するものと比べてバルブ
シート部の断面積を小さくすることができるため、シリ
ンダヘッドのポート周りの設計の自由度が大きくなると
共に、バルブフェースや排気からの熱をシリンダヘッド
本体に伝達する際のバルブシート部での熱伝達の阻害が
減少されて、それに起因する異常燃焼やバルブおよびバ
ルブシートの熱劣化による磨耗,損傷等が防止される。
【0013】そして、シリンダヘッド本体の接合界面付
近に溶融反応層が形成されないため、ガスの生成や凝固
収縮などによるブローホールや引け巣などの欠陥がシリ
ンダヘッド本体の接合界面付近に出ておらず、さらに、
シリンダヘッド本体側が大きく塑性変形されて、アルミ
ニウム合金材表面の酸化被膜が完全に破壊され、界面全
域にわたって原子の相互拡散が起こっているため、大き
な接合強度が得られて運転中にバルブシート部が脱落す
るようなことはない。
【0014】また、異種材料同士の接合界面近傍では、
高温での長時間運転により、両材料の特定の化学成分が
拡散,反応して、金属間化合物層が生成され、該化合物
層が靱性に乏しく僅かな歪みによっても亀裂を生じるも
のであることから、その領域の機械的性質が著しく劣化
される場合もあるが、上記のようなシリンダヘッドの構
造によれば、特定の化学成分の拡散層の幅を狭く抑える
ことにより、記の金属間化合物層の厚さを10μmを
越えないものとすることができて、高温での長時間運転
によっても一定の接合強度を保つことができるような
頼性の高い接合が保証される。
【0015】さらに、上記のようなシリンダヘッドの製
造方法によれば、シリンダヘッド本体にシートリング材
を接合する時に、接合界面に沿ったシリンダヘッド本体
の変形が大きなものとなって、シリンダヘッド本体側に
充分な塑性変形層が形成されることとなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明のシリンダヘッドおよびその製
造方法の実施例について図面に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明のシリンダヘッドの一実施
例についてその要部を示すもので、シリンダヘッド本体
1には、その下面にドーム状の燃焼室部分3が形成さ
れ、燃焼室部分3に開口する吸気ポート4と排気ポート
5がそれぞれ形成されていて、それぞれのポート4,5
の燃焼室側の開口周縁部には、吸気バルブ6もしくは排
気バルブ7が閉弁時に密に当接する部分に、シリンダヘ
ッド本体2とは異種の材料からなるリング状のバルブシ
ート部2が、シリンダヘッドの一部としてシリンダヘッ
ド本体1と一体化されて形成されている。
【0018】図2は、そのようなシリンダヘッドのバル
ブシート部2付近の断面を一部拡大して示すもので、シ
リンダヘッド本体1はアルミニウム合金材料からなる鋳
造組織であり、バルブシート部2は鉄系焼結合金材料か
らなるものであって、シリンダヘッド本体1とバルブシ
ート部2の接合界面12は金属学的に接合されており、
シリンダヘッド本体1の接合界面12に沿った部分がア
ルミニウム合金の塑性変形層11となっている。
【0019】このシリンダヘッドの本体1側の塑性変形
層11については、鋳造組織の特徴である樹枝状晶や柱
状晶が変形し湾曲していて、共晶シリコン粒のアスペク
ト比が大きく、変形によって導入された転位のため転位
密度が大きく、加工硬化のため硬度が高くなっている。
【0020】また、バルブシート部2側については、硬
度分布や微細組織に特徴的な不均一性はなく、バルブシ
ート部2の原材となるシートリング材がその表面に表面
処理材(例えばCu等)をコーティングしたものである
場合には、図10に示すように、接合界面に表面処理材
のCu等が中間層21として残存することとなる。
【0021】上記のようなバルブシートの接合構造を有
するシリンダヘッドにおいて、シリンダヘッド本体1に
バルブシート部2を一体的に形成するための製造方法の
一実施例について以下に説明する。
【0022】まず、図3に示すように、バルブシート部
2の原材となるシートリング材22をシリンダヘッド本
体1に対してセットするが、本実施例では、セットされ
るシリンダヘッド本体1には、シートリング材22と対
向して接合面となる部分に凸状部1aが形成されている
一方、シートリング材22の接合面となる部分は、アー
ル形状の凸面22aとして形成されている。
【0023】ついで、凸面22aを凸状部1aに対向さ
せた状態でシリンダヘッド本体1に対してセットしたシ
ートリング材22を、図6(A)〜(C)に示すよう
に、ガイドバー8に沿って移動する電極9により、例え
ば、図13に示すような条件設定に従って、シリンダヘ
ッド本体1に電極9を押し付けるように加圧しながら通
電する。
【0024】そうすると、図6(B),(C)に示すよ
うに、シートリング材22よりも変形抵抗の小さなシリ
ンダヘッド本体1を塑性変形させながらシートリング材
22がシリンダヘッド本体1の開口周縁部に沈み込んで
接合され、シリンダヘッド本体1側には、シートリング
材22との接合界面12に沿った塑性変形層11が形成
される。
【0025】そして、図4に示すように、シートリング
材22が金属学的に接合されたシリンダヘッド本体1に
対して、冷却後に仕上げの切削加工を施すことにより、
図5に示すように、シリンダヘッド本体1に対して異種
材料からなるバルブシート部2が、接合界面12と塑性
変形層11を介して一体的に形成される。
【0026】なお、上記の実施例に示した製造方法で
は、接合するためにセットするシリンダヘッド本体1の
接合面となる部分には凸状部1aが形成され、シートリ
ング材22の接合面となる部分はアール形状の凸面22
aとされていて、シリンダヘッド本体1側に塑性変形層
11を形成するのに好適なものとなっているが、塑性変
形層11が形成されるのであれば必ずしもそのようなも
のに限られるものではなく、シリンダヘッド本体1とシ
ートリング材22の形状を、例えば、図7〜図9に示す
ようなものとして実施することも可能である。
【0027】ところで、上記のように製造されたシリン
ダヘッドにおけるシリンダヘッド本体1のアルミニウム
合金材料とシートリング材22の鉄系焼結合金材料との
間の金属学的接合については、原子の拡散を伴わず材料
としては不連続な状態となっている機械的結合とは本質
的に異なるものであると共に、界面での接触抵抗による
発熱を利用して双方の材料を局部的に溶融させ合金溶液
とした後、通電を中止することで冷却凝固させる抵抗熱
溶着のような金属学的接合とも異なるものである。
【0028】すなわち、本実施例のシリンダヘッドにお
ける金属学的接合は、異種材料の間に溶融反応層を形成
することなく行われるものであり、双方の材料の固相状
態を保ったまま、界面での原子の相互拡散を通じて連続
的な構造を創成するというものであって、溶融(溶
解),凝固のような相変態を伴わないことを特徴とする
ものである。
【0029】このような溶融,凝固反応を伴わない金属
学的接合については、特別の改造を施した溶接機を必要
とするものではなく、通常の抵抗溶接機を使用して、機
械の持つ能力の範囲で、例えば、図13に示すように、
加圧力と電流のかけ方の条件設定を行うことにより形成
されるものである。
【0030】そして、そのような金属学的接合により接
合界面に沿ってシリンダヘッド本体1側に形成された塑
性変形層11においては、その中に含まれている特定の
化学成分(本実施例では、アルミニウム合金中のFe,
Cu,Ni等)が、図14および図15に示すように、
接合界面から10μm以内の領域に入るまでは、その母
材(材料A)と成分範囲が殆ど変わらないものとなって
いる。
【0031】そのため、塑性変形層11の接合界面近傍
におけるの特定の化学成分の拡散層の広がりが抑えられ
て、エンジンが高温で長時間運転されても、図17に示
すように、材料Aの塑性変形層(シリンダヘッド本体1
側の塑性変形層)と材料B(シートリング材22)の間
に形成される金属間化合物層の厚さは10μm以内に抑
えられる。
【0032】そして、そのような金属間化合物層の厚さ
と接合強度の関係については、図16に示すような実験
結果により、金属間化合物層の厚さが10μm以内であ
れば一定の接合強度が保たれることが確認されている。
【0033】なお、この点に関して、従来のレーザーク
ラッド法による接合界面では、双方の材料が溶融状態で
混合された結果生じた合金層が、幅約200μmにわた
り形成されており、高温で運転中に、この合金層内に広
い範囲で金属間化合物が生成されるため、それによって
接合強度が劣化される危険がある。
【0034】なお、本実施例では、シリンダヘッド本体
1側にのみ塑性変形層11が形成されているが、シート
リング材の材質によってはバルブシート部の側にも塑性
変形層が形成される場合もあり、その場合には、図18
および図19に示すように、材料Aの塑性変形層(シリ
ンダヘッド本体側の塑性変形層)だけでなく、材料Bの
塑性変形層(シートリング材側の塑性変形層)について
も、その中に含まれる特定の化学成分が、接合界面から
10μm以内の領域に入るまでは、その母材(材料B)
と成分範囲が殆ど変わらないものとなっている。
【0035】以上に説明したような本実施例のシリンダ
ヘッドによれば、図11に示すような圧入によりバルブ
シート部を形成したものと比べて、バルブシート部2の
断面積を小さくすることができて、シリンダヘッドのポ
ート周りの設計の自由度が大きくなり、また、バルブフ
ェースや排気からの熱をシリンダヘッド本体1に伝達す
る際のバルブシート部2での熱伝達の阻害を減少させる
ことができて、それに起因する異常燃焼やバルブおよび
バルブシートの熱劣化による磨耗,損傷等を防止するこ
とができる。
【0036】そして、図12に示すようなレーザークラ
ッド仕様によりバルブシート部を形成したものと比べ
て、シリンダヘッド本体1の接合界面付近に溶融反応層
23が形成されていないため、シリンダヘッド本体1と
バルブシート部2の接合界面12付近にブローホールや
引け巣のような欠陥が出ることはなく、しかも、シリン
ダヘッド本体1側の変形が充分大きく、アルミニウム合
金材表面の酸化被膜が完全に破壊されて、界面全域にわ
たって原子の相互拡散が起こっているため、大きな接合
強度が得られて運転の途中でバルブシート部2が脱落す
るようなことはない。
【0037】また、シリンダヘッド本体1側に形成され
ている塑性変形層11において、その中の特定の化学成
分(Fe,Cu,Ni等)が、接合界面の近くに至るま
で、その母材と同等に、一定の範囲内とされていて、特
定の化学成分の拡散層の広がりが抑えられているため、
高温での長時間運転によっても、それにより生成される
金属間化合物層の厚さが10μmを越えないものとな
り、接合部の強度に悪影響を与えない信頼性の高い接合
が保証される。
【0038】さらに、図3に示すように、シリンダヘッ
ド本体1の接合面となる部分に凸状部1aを形成し、シ
ートリング材22の接合面となる部分をアール形状の凸
面22aとしておくようなシリンダヘッドの製造方法に
よれば、シリンダヘッド本体1にシートリング材22を
押圧して接合する時に、接合界面12に沿ったシリンダ
ヘッド本体1の変形が大きなものとなって、シリンダヘ
ッド本体1側に充分な塑性変形層11を形成することが
できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したような本発明のシリンダヘ
ッドによれば、バルブシート部の断面積を小さくするこ
とにより、シリンダヘッドのポート周りの設計の自由度
を大きくすることができると共に、シリンダヘッド本体
への熱伝達の阻害を少なくすることができて、異常燃焼
やバルブシートの熱劣化による磨耗,損傷等を防止する
ことができる。
【0040】そして、シリンダヘッド本体とバルブシー
ト部の接合界面近傍での欠陥がきわめて少なくなり、高
い接合強度でバルブシート部をシリンダヘッド本体に接
合することができると共に、高温でのエンジンの長時間
運転によっても、当該接合部分の強度が著しく劣化する
ようなことはない。
【0041】また、本発明のシリンダヘッドの製造方法
によれば、接合界面に沿ったシリンダヘッド本体の変形
を大きくすることができて、シリンダヘッド本体側に充
分な塑性変形層を生成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダヘッドの一実施例を示す要部
断面図。
【図2】図1に示したシリンダヘッドのバルブシート部
付近の一部拡大断面図。
【図3】本発明のシリンダヘッドの製造方法におけるシ
リンダヘッド本体とシートリング材(バルブシートの原
材)の接合前の状態を示す一部拡大断面図。
【図4】本発明のシリンダヘッドの製造方法におけるシ
リンダヘッド本体とシートリング材の接合後の状態を示
す一部拡大断面図。
【図5】本発明のシリンダヘッドの製造方法における仕
上げ切削加工後の状態を示す一部拡大断面図。
【図6】本発明のシリンダヘッドの製造方法におけるシ
リンダヘッド本体とシートリング材の接合過程(A),
(B),(C)を示す一部拡大断面図。
【図7】本発明のシリンダヘッドを製造するために使用
するシリンダヘッド本体とシートリング材の他の例を示
す一部拡大断面図。
【図8】本発明のシリンダヘッドを製造するために使用
するシリンダヘッド本体とシートリング材の更に他の例
を示す一部拡大断面図。
【図9】本発明のシリンダヘッドを製造するために使用
するシリンダヘッド本体とシートリング材の更に他の例
を示す一部拡大断面図。
【図10】本発明のシリンダヘッドの他の実施例を示す
一部拡大断面図。
【図11】圧入によりバルブシート部が形成された従来
のシリンダヘッドを示す一部拡大断面図。
【図12】レーザークラッド仕様によりバルブシート部
が形成された従来のシリンダヘッドを示す一部拡大断面
図。
【図13】本発明のシリンダヘッドにおける金属的接合
を抵抗溶接機によって行う場合の電流パターンと加圧力
パターンの典型例を示す説明図。
【図14】本発明のシリンダヘッドの一実施例における
シリンダヘッド本体とバルブシート部の接合界面近傍の
構造を示す説明図。
【図15】図14に示した接合界面近傍の構造の一部を
拡大した説明図。
【図16】接合強度と金属間化合物層の厚さの関係を示
すグラフ。
【図17】本発明のシリンダヘッドの一実施例における
金属間化合物層の厚さを示す断面模式図。
【図18】本発明のシリンダヘッドの他の実施例におけ
るシリンダヘッド本体とバルブシート部の接合界面近傍
の構造を示す説明図。
【図19】図18に示した接合界面近傍の構造の一部を
拡大した説明図。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド本体 2 バルブシート部 11 塑性変形層 12 接合界面 22 シートリング材 23 溶融反応層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/24 F01L 3/02 F01L 3/22 B23K 11/00 B23K 20/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド本体に異種材料のシート
    リング材を接合してから仕上げ加工をすることでバルブ
    シート部が形成されているシリンダヘッドにおいて、バ
    ルブシート部とシリンダヘッド本体が、溶融反応層を形
    成することなく、双方の材料の固相状態を保ったまま、
    界面での原子の相互拡散を通じて連続的な構造を創成す
    るような金属学的接合によって接合されており、それに
    よって、接合界面の少なくともシリンダヘッド本体側
    に、異種材料間の接合界面に沿って塑性変形層が形成さ
    れていることを特徴とするシリンダヘッド。
  2. 【請求項2】 上記の請求項1に記載したシリンダヘッ
    ドを製造するための方法において、シートリング材をシ
    リンダヘッド本体に接合するに当たって、シリンダヘッ
    ド本体側の接合面を、シートリング材に対して凸形状と
    しておくことを特徴とするシリンダヘッドの製造方法。
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