JPH08246946A - シリンダヘッド - Google Patents

シリンダヘッド

Info

Publication number
JPH08246946A
JPH08246946A JP7932795A JP7932795A JPH08246946A JP H08246946 A JPH08246946 A JP H08246946A JP 7932795 A JP7932795 A JP 7932795A JP 7932795 A JP7932795 A JP 7932795A JP H08246946 A JPH08246946 A JP H08246946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder head
head body
valve seat
layer
joining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7932795A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuhei Adachi
修平 安達
Junichi Inami
純一 稲波
Masaaki Yoshikawa
雅明 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP7932795A priority Critical patent/JPH08246946A/ja
Publication of JPH08246946A publication Critical patent/JPH08246946A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブシートをシリンダヘッド本体に対して
溶融反応層を残存させることなく金属学的に接合したシ
リンダヘッドにおいて、接合界面近傍のシリンダヘッド
本体側でバルブシートの剥離が起きるのを防止する。 【構成】 鋳造アルミニウム合金製のシリンダヘッド本
体1に対して、シリンダヘッド本体1とは異種材料のバ
ルブシート2が、溶融反応層を残存させることなく金属
学的に接合されているシリンダヘッドにおいて、シリン
ダヘッド本体1とバルブシート2の接合界面12の近傍
で、シリンダヘッド本体1側の初晶のデンドライト・ア
ーム・スペーシングを60μm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用のシリンダ
ヘッドに関し、特に、バルブシートをシリンダヘッド本
体に対して溶融反応層を残存させることなく金属学的に
接合したシリンダヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のシリンダヘッドでは、軽量な
アルミニウム合金製シリンダヘッドのバルブシート部分
を耐磨耗性および高温強度に優れたものとして、バルブ
フェース面とポート間の気密性を確保するために、アル
ミニウム合金材料からなるシリンダヘッド本体の吸・排
気ポートの各開口周縁部にリセス(凹部)を形成し、リ
セス内に鉄系焼結合金材料等からなるリング状のシート
リング材を圧入してから、当該部分を仕上げ研削加工す
ることにより、シリンダヘッド本体に対して異種材料の
バルブシートを一体的に形成するということが従来から
一般的に行われている。
【0003】ところが、シリンダヘッド本体に異種材料
のバルブシートが圧入されているシリンダヘッドでは、
運転時にシリンダヘッドが高温になっても圧入されたバ
ルブシートが脱落しないように、バルブシートの圧入代
と圧入高さをある程度以上の大きさとすることが必要と
されるため、例えば、隣接する各ポート間の壁の厚さが
ある程度以上必要となって、各ポート間の間隔を狭める
ことができないというように、バルブシートの断面積の
大きさがシリンダヘッドのポート周りを設計するときの
大きな制約要因となっている。
【0004】また、バルブシートの材料となる鉄系焼結
材の熱伝導率がアルミニウム合金鋳造物によるシリンダ
ヘッド本体の熱伝導率と比べて低いため、圧入されたバ
ルブシートの断面積が大きいことによって、バルブフェ
ースや排気からのシリンダヘッド本体への熱の伝達がバ
ルブシートによって阻害される傾向にあり、その結果、
シリンダヘッドの冷却性能が低下して異常燃焼を引き起
こしたり、バルブの温度が上昇して破損に至るというこ
とがある。
【0005】さらには、バルブシートの材料よりもシリ
ンダヘッド本体の材料の方の熱膨張が大きいため、ある
程度以上の温度になるとバルブシートとシリンダヘッド
本体の間に隙間を生じることとなり、それによってシリ
ンダヘッド本体への熱の伝達が更に阻害されてバルブシ
ート自体が過熱し、その結果、バルブシートの耐磨耗性
等が低下して変形が生じ、磨耗や損傷を引き起こすこと
となる。
【0006】これに対して、上記のような圧入によるバ
ルブシートの問題を解決するために、シリンダヘッド本
体のバルブシート形成部分に、耐熱性,耐磨耗性,耐食
性に優れたバルブシート材料をレーザーによりクラッド
(肉盛)して、そのクラッド層(肉盛層)によってバル
ブシート部分を形成するということが従来公知となって
おり(特開昭62−150014号公報,特開昭62−
150014号公報等参照)、更には、そのようなレー
ザークラッド仕様によりバルブシートを形成するシリン
ダヘッドにおいて、クラッド層とシリンダヘッド本体の
溶着率を高めるために、シリンダヘッド本体の溶着面に
圧延ロールなどによって予め塑性変形層を形成してから
レーザークラッドを行うということも従来公知となって
いる(特開平2−196117号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のレーザークラッド仕様によりバルブシート
を形成したシリンダヘッドについては、何れもバルブシ
ート材料を溶融して肉盛りしたものであるため、シリン
ダヘッド本体のアルミニウム合金は接合界面付近で一旦
溶融後凝固しており、そのためガスの生成や凝固収縮な
どによって界面にブローホールや引け巣などの欠陥が出
やすく、アルミニウム合金材の鋳巣や介在物の影響を受
けやすいという問題があり、また、溶融凝固による接合
部分の強度が高温でのエンジンの長時間運転によって劣
化しやすいという問題がある。
【0008】そこで、上記のような従来の内燃機関のシ
リンダヘッドの持つ問題点を解決するために、銅メッキ
のような表面処理被膜を施したバルブシート材料とシリ
ンダヘッド本体を、シリンダヘッドのバルブシート部分
を最終形状に加工した状態で溶融反応層が残存していな
いように金属学的に接合し、その金属学的接合によっ
て、接合界面の少なくともシリンダヘッド本体側に塑性
変形層を形成したシリンダヘッドというものが、本出願
人により既に提案されている。
【0009】ところが、そのようなシリンダヘッドにお
いても、単体の促進耐久テストにおいて、熱応力および
バルブの着座衝撃に起因するバルブシートの剥離が発生
する場合があり、その場合の剥離の場所が接合界面近傍
のシリンダヘッド本体であることから、この剥離対策と
してシリンダヘッド本体側の強度の向上が必要となって
くる。
【0010】本発明は、上記のような本出願人による先
行技術の改良を目的としており、より具体的には、バル
ブシートをシリンダヘッド本体に対して溶融反応層を残
存させることなく金属学的に接合したシリンダヘッドに
おいて、接合界面近傍のシリンダヘッド本体側でバルブ
シートの剥離が起きるのを防止することができるシリン
ダヘッドを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決しかつ目的を達成するために、上記の請求項1に記
載したように、鋳造アルミニウム合金製のシリンダヘッ
ド本体に対して、シリンダヘッド本体とは異種材料のバ
ルブシートが、溶融反応層を残存させることなく金属学
的に接合されているシリンダヘッドにおいて、シリンダ
ヘッド本体とバルブシートの接合界面の近傍で、シリン
ダヘッド本体側の初晶のデンドライト・アーム・スペー
シングが60μm以下となっていることを特徴とするも
のである。
【0012】
【作 用】上記のような構成によれば、シリンダヘッド
本体の接合界面近傍の鋳造組織が微細化されて当該部分
が強度され、それにより接合強度が向上することとなっ
て、熱応力およびバルブの着座衝撃などに起因したバル
ブシートの剥離の発生が防止される。
【0013】
【実施例】以下、本発明のシリンダヘッドの実施例につ
いて図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、本発明のバルブシートが設けられ
ているシリンダヘッドの要部を示すもので、シリンダヘ
ッド本体1には、その下面にドーム状の燃焼室部分3が
形成され、燃焼室部分3に開口する吸気ポート4と排気
ポート5がそれぞれ形成されていて、それぞれのポート
4,5の燃焼室側の開口周縁部には、吸気バルブ6もし
くは排気バルブ7が閉弁時に密に当接する部分に、シリ
ンダヘッド本体2とは異種の材料からなるリング状のバ
ルブシート2が、シリンダヘッドの一部としてシリンダ
ヘッド本体1と一体化されて形成されている。
【0015】図2は、そのようなシリンダヘッドのバル
ブシート2付近の断面を一部拡大して示すもので、シリ
ンダヘッド本体1はアルミニウム合金材料からなる鋳造
組織であり、バルブシート2は鉄系焼結合金材料からな
るものであって、シリンダヘッド本体1とバルブシート
2の接合界面12は金属学的に接合されており、シリン
ダヘッド本体1の接合界面12に沿った部分にアルミニ
ウム合金の塑性変形層11が形成されている。
【0016】上記のようなシリンダヘッドにおける鋳造
アルミニウム合金製のシリンダヘッド本体1と鉄系焼結
合金材料からなるバルブシート2の接合については、例
えば、図3(A)〜(F)によって以下に説明するよう
な方法によって行うことができる。
【0017】すなわち、まず、図3(A)に示すよう
に、バルブシート2の原材となるシートリング材21を
シリンダヘッド本体1に対してセットしてから、シート
リング材21を、図3(B)〜(D)に示すように、ガ
イドバー8に沿って下方に移動する電極9により、シー
トリング材21の内側テーパー面21bを下方外方に押
圧して、シートリング材21をシリンダヘッド本体1に
斜め下方向で押し付けるように加圧しながら通電する。
【0018】そうすると、図3(C),(D)に示すよ
うに、シートリング材21よりも変形抵抗の小さなシリ
ンダヘッド本体1を塑性変形させながらシートリング材
21がシリンダヘッド本体1の開口周縁部に沈み込んで
接合され、シリンダヘッド本体1側には、シートリング
材21との接合界面に沿った塑性変形層11が形成され
る。
【0019】その際、シートリング材21の表面には銅
メッキの被膜が施されており、この銅メッキの被膜が、
シリンダヘッド本体1の材料であるアルミニウム合金と
反応して、局部的に溶融した液相を形成し、アルミニウ
ム合金の表面の酸化被膜の破壊を促進するが、その状態
で形成される液相は、シリンダヘッド本体1を塑性変形
させる押圧力によって接合部分の外部に押し出されるた
め、結果的には当該金属接合部分に溶融層が残存するこ
とはない。
【0020】そして、図3(E)に示すように、シート
リング材21が金属学的に接合されたシリンダヘッド本
体1に対して、冷却後に仕上げの切削加工を施すことに
より、図3(F)に示すように、シリンダヘッド本体1
に対して異種材料からなるバルブシート2が、塑性変形
層11を介して一体的に形成される。
【0021】このようにして形成されるシリンダヘッド
本体1とバルブシート2の間の金属学的接合は、圧入の
場合のように原子の拡散を伴わず材料としては不連続な
状態となっている機械的結合とは本質的に異なるもので
あると共に、界面での接触抵抗による発熱を利用して双
方の材料を局部的に溶融させ合金溶液とした後、通電を
中止することで冷却凝固させる抵抗熱溶着のような金属
学的接合とも異なるものである。
【0022】すなわち、上記の金属学的接合について
は、異種材料の間に溶融反応層を残存することなく行わ
れるものであり、加工後の界面での原子の相互拡散を通
じて連続的な構造を創成するものであって、仕上げ加工
後の界面に溶融(溶解),凝固のような相変態の結果生
じる微細組織を伴わないものである。
【0023】なお、このような溶融,凝固反応を伴わな
い金属学的接合を行うためには、特別の改造を施した溶
接機を必要とするものではなく、通常の抵抗溶接機を使
用して、機械の持つ能力の範囲で、例えば、図4に示す
ように、加圧力と電流のかけ方の条件設定を行うことに
より形成されるものである。
【0024】金属学的に接合された接合界面に沿ってシ
リンダヘッド本体1の側に形成された塑性変形層11に
ついては、鋳造組織の特徴である樹枝状晶や柱状晶が変
形し湾曲していて、共晶シリコン粒のアスペクト比が大
きく、変形によって導入された転位のため転位密度が大
きく、加工硬化のため硬度が高くなっている。これに対
して、バルブシート2側では、硬度分布や微細組織に特
徴的な不均一性はない。
【0025】この塑性変形層11では、その中に含まれ
ている特定の化学成分(本実施例では、アルミニウム合
金中のFe,Cu,Ni等)が、図5に示すように、接
合界面から10μm以内の領域に入るまでは、その母材
(材料A)と成分範囲が殆ど変わらないものとなってい
る。
【0026】そのため、塑性変形層11の接合界面近傍
におけるの特定の化学成分の拡散層の広がりが抑えられ
て、エンジンが高温で長時間運転されても、図6に示す
ように、材料Aの塑性変形層(シリンダヘッド本体1側
の塑性変形層)と材料B(シートリング材22)の間に
形成される金属間化合物層の厚さは10μm以内に抑え
られる。
【0027】そして、そのような金属間化合物層の厚さ
と接合強度の関係については、図7に示すような実験結
果により、金属間化合物層の厚さが10μm以内であれ
ば一定の接合強度が保たれることが確認されている。
【0028】この点に関して、従来のレーザークラッド
法による接合界面では、双方の材料が溶融状態で混合さ
れた結果生じた合金層が、幅約200μmにわたり形成
されており、高温で運転中に、この合金層内に広い範囲
で金属間化合物が生成されるため、それによって接合強
度が劣化する危険がある。
【0029】なお、上記のシリンダヘッドでは、シリン
ダヘッド本体1側にのみ塑性変形層11が形成されてい
るが、シートリング材の材質によってはバルブシートの
側にも塑性変形層が形成される場合もあり、その場合に
は、図8に示すように、材料Aの塑性変形層(シリンダ
ヘッド本体側の塑性変形層)だけでなく、材料Bの塑性
変形層(シートリング材側の塑性変形層)についても、
その中に含まれる特定の化学成分が、接合界面から10
μm以内の領域に入るまでは、その母材(材料B)と成
分範囲が殆ど変わらないものとなる。
【0030】上記のようにシリンダヘッド本体に対して
バルブシートを溶融反応層を残存させることなく金属学
的に接合したシリンダヘッドでは、圧入によりバルブシ
ートを形成したものと比べて、バルブシート2の断面積
を小さくすることができて、シリンダヘッドのポート周
りの設計の自由度が大きくなり、また、バルブフェース
や排気からの熱をシリンダヘッド本体1に伝達する際の
バルブシート2での熱伝達の阻害を減少させることがで
きて、それに起因する異常燃焼やバルブおよびバルブシ
ートの熱劣化による磨耗,損傷等を防止することができ
る。
【0031】そして、レーザークラッド仕様によりバル
ブシートを形成したものと比べて、シリンダヘッド本体
1の接合界面付近に溶融反応層が残存していないため、
シリンダヘッド本体1とバルブシート2の接合界面付近
にブローホールや引け巣のような欠陥が出ることはな
く、しかも、シリンダヘッド本体1側の変形が充分大き
く、アルミニウム合金材表面の酸化被膜が完全に破壊さ
れて、界面全域にわたって原子の相互拡散が起こってい
るため、大きな接合強度が得られて運転の途中でバルブ
シート2が脱落するようなことが少なくなる。
【0032】また、シリンダヘッド本体1側に形成され
ている塑性変形層11において、その中の特定の化学成
分(Fe,Cu,Ni等)が、接合界面の近くに至るま
で、その母材と同等に、一定の範囲内とされていて、特
定の化学成分の拡散層の広がりが抑えられているため、
高温での長時間運転によっても、それにより生成される
金属間化合物層の厚さが10μmを越えないものとな
り、接合部の強度に悪影響を与えない信頼性の高い接合
が保証される。
【0033】ところで、上記のようなシリンダヘッドに
おいても、単体の促進耐久テストにおいて、熱応力およ
びバルブの着座衝撃に起因するバルブシート2の剥離が
発生する場合があり、その場合の剥離の場所が接合界面
12近傍のシリンダヘッド本体1側であることから、こ
の剥離対策としてシリンダヘッド本体1の強度の向上が
必要となってくる。
【0034】そこで、本実施例のシリンダヘッドでは、
上記のようなバルブシート2の剥離の問題を解決すべ
く、鋳造アルミニウム合金製のシリンダヘッド本体1に
おいて、そのバルブシート2との接合界面12の近傍付
近の鋳造組織を、初晶のデンドライト・アーム・スペー
シング(組織の微細の程度を定量的に表すパラメーター
で、各アームの略中心部同士の間の距離によって示す。
以下DASと記す。)が60μm以下となるように、シ
リンダヘッド本体1を予め成形している。
【0035】すなわち、DASは、鋳造時の冷却速度に
依存し、log d=Klog R+m(d:DAS、R:冷却
速度、K,m:定数)の関係にあることから、鋳物の表
面に近い部分ほど速く冷却されてDASが小さくなり、
鋳物の表面から離れるほどゆっくり冷却されてDASが
大きくなる。
【0036】そこで、シリンダヘッド本体1のバルブシ
ート被接合部を形成するために、従来は、金型によって
形成された鋳物の当該部分を大きく切削加工して被接合
部の接合前形状を形成していたのに対して、本実施例で
は、金型の当該部分を被接合部の接合前形状に近い形に
形成し、金型によって形成された鋳物の加工代を少なく
(表面をできるだけ薄く均一に切削加工)してバルブシ
ート被接合部の接合前形状を形成しすることにより、成
形加工された被接合部付近でDASが60μm以下の微
細な鋳造組織となるようにしている。
【0037】なお、図9は、本実施例の上記の点に関し
て、シリンダヘッド本体1のバルブシート部分の最終形
状(バルブシート2が形成されたもの)に対して、金型
によって形成された当初の鋳物形状と、鋳物を加工した
後のバルブシート被接合部の接合前形状とを、ポートの
仮想中心線Aからの切削加工の程度も含めて示すもので
ある。
【0038】このような本実施例のシリンダヘッド本体
1では、図11(A)に示すように、シリンダヘッド本
体1の吸気ポート4,4の間をA−A線で切断した部分
について見ると、図11(B)に示すように、燃焼室の
表面からの距離がB部,C部,D部と離れるに従って、
図12に示すように、微細なB部組織から荒いD部組織
にと鋳造組織が変化している。
【0039】そして、シリンダヘッド本体1のバルブシ
ート2との接合界面12の近傍付近であるB部の鋳造組
織のDASが接合強度に及ぼす影響については、図10
に示すような、接合当初の状態(接合まま)のものと、
接合後300°Cで24時間を経た後の状態(加熱保持
後)のものの両方について、各種のDASについてそれ
ぞれ試験した結果から見て、DASが60μm以下のも
のでは必要な接合強度を確保することができることが明
らかである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したような本発明のシリンダヘ
ッドによれば、バルブシートをシリンダヘッド本体に対
して溶融反応層を残存させることなく金属学的に接合し
たシリンダヘッドにおいて、接合界面近傍のシリンダヘ
ッド本体側でバルブシートの剥離が起きるのを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるシリンダヘッドの一例を示
す要部断面図。
【図2】図1に示したシリンダヘッドのバルブシート付
近の一部拡大断面図。
【図3】シリンダヘッド本体に対してバルブシートを溶
融反応層を残存させることなく金属学的に接合するため
の方法の一例についての各工程を示す説明図。
【図4】抵抗溶接機によりシリンダヘッド本体に対して
バルブシートを溶融反応層を残存させることなく金属学
的に接合する場合の電流パターンと加圧力パターンの典
型例を示す説明図。
【図5】シリンダヘッド本体に対してバルブシートが溶
融反応層を残存させることなく金属学的に接合されてい
るシリンダヘッドにおける接合界面近傍の構造の一例を
示す説明図。
【図6】シリンダヘッド本体に対してバルブシートが溶
融反応層を残存させることなく金属学的に接合されてい
るシリンダヘッドにおける金属間化合物層の厚さを示す
断面模式図。
【図7】接合強度と金属間化合物層の厚さの関係を示す
グラフ。
【図8】シリンダヘッド本体に対してバルブシートが溶
融反応層を残存させることなく金属学的に接合されてい
るシリンダヘッドにおける接合界面近傍の構造の他の例
を示す説明図。
【図9】本発明のシリンダヘッドにおけるシリンダヘッ
ド本体の鋳造時の形状と、バルブシート接合前の形状
と、バルブシートが形成された最終形状とを示す比較説
明図。
【図10】デンドライト・アーム・スペーシング(DA
S)と接合強度との関係を示すグラフ。
【図11】シリンダヘッド本体の燃焼室表面からの距離
の違いによる組織の変化を示すための、(A)シリンダ
ヘッド本体における切断個所を示す燃焼室天壁を下から
見た状態の説明図、および、(B)図12の各組織の位
置を示すために図11(A)のA−A線で切断したシリ
ンダヘッド本体の部分切断面図。
【図12】図11(B)に示したシリンダヘッド本体切
断面の各位置での組織の状態を示す切断面拡大図。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド本体 2 バルブシート 12 接合界面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造アルミニウム合金製のシリンダヘッ
    ド本体に対して、シリンダヘッド本体とは異種材料のバ
    ルブシートが、溶融反応層を残存させることなく金属学
    的に接合されているシリンダヘッドにおいて、シリンダ
    ヘッド本体とバルブシートの接合界面の近傍で、シリン
    ダヘッド本体側の初晶のデンドライト・アーム・スペー
    シングが60μm以下となっていることを特徴とするシ
    リンダヘッド。
JP7932795A 1995-03-13 1995-03-13 シリンダヘッド Pending JPH08246946A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7932795A JPH08246946A (ja) 1995-03-13 1995-03-13 シリンダヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7932795A JPH08246946A (ja) 1995-03-13 1995-03-13 シリンダヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08246946A true JPH08246946A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13686800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7932795A Pending JPH08246946A (ja) 1995-03-13 1995-03-13 シリンダヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08246946A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3752830B2 (ja) 接合金属部材及び該部材の接合方法
JPH08246821A (ja) バルブシート
JP3740858B2 (ja) 接合金属部材及び該部材の接合方法
US20030150092A1 (en) System and method for repairing cast articles
US5742020A (en) Valve seat-bonded cylinder head and method for producing same
JPH0979014A (ja) エンジン用シリンダヘッドの製造方法
JPH0913919A (ja) エンジン用シリンダヘッド
JPH09239566A (ja) 異種金属材料の接合方法
JP3752866B2 (ja) 接合金属部材の接合方法
JPH08246946A (ja) シリンダヘッド
JP3416829B2 (ja) シリンダヘッドおよびその製造方法
EP0819836B1 (en) a cylinder head and a method for producing a valve seat
JPH10121921A (ja) 内燃機関のバルブシート
JP3752834B2 (ja) 金属部材の接合方法
JP4178568B2 (ja) 金属部材の接合方法
JP3752833B2 (ja) 金属部材の接合方法
JP4013297B2 (ja) 金属部材の接合方法
JPH1190620A (ja) 金属部材の接合方法及び接合装置
JP3752831B2 (ja) 金属部材の接合方法
JP2001355416A (ja) 内燃機関のバルブシートの接合方法
JP3752832B2 (ja) 金属部材の接合方法及び接合装置
JP3769912B2 (ja) アルミ系鋳物の鋳造方法
JPH1190619A (ja) 金属部材の接合方法及び接合装置
JPH10286684A (ja) レーザビームによる肉盛り方法
JPS5923838A (ja) Al合金製ピストン