JPH0913919A - エンジン用シリンダヘッド - Google Patents

エンジン用シリンダヘッド

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JPH0913919A
JPH0913919A JP7162693A JP16269395A JPH0913919A JP H0913919 A JPH0913919 A JP H0913919A JP 7162693 A JP7162693 A JP 7162693A JP 16269395 A JP16269395 A JP 16269395A JP H0913919 A JPH0913919 A JP H0913919A
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修平 安達
Junichi Inami
純一 稲波
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尚久 高橋
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/22Valve-seats not provided for in preceding subgroups of this group; Fixing of valve-seats

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブシート部が高温になる運転条件下で長
時間エンジンを運転しても、接合部分の変形を防止する
ことができるエンジン用シリンダヘッドを提供する。 【構成】 内部に燃焼室を有するシリンダヘッド本体と
バルブシート19とを異種材料によって構成した。シリ
ンダヘッド本体をアルミニウム合金によって形成し、燃
焼室に連通するシリンダヘッド本体の開口部に、金属製
円環体からなるバルブシートの素材を加熱圧接して接合
した。さらに、バルブシート19の外径をDO、バルブ
シート19に当接するバルブ17,18の外径をDとし
たときに、 D<DO<D+5 なる関係を満足した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダヘッド本体
に吸気弁や排気弁のバルブフェース面が当接するバルブ
シートを接合したエンジン用シリンダヘッドの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのシリンダヘッド本体は
主にアルミニウム合金によって形成されており、このシ
リンダヘッド本体における吸気弁や排気弁のバルブフェ
ース面が当接する部位にはバルブシートが装着されてい
た。このバルブシートは、吸・排気弁が繰り返し当接す
るとともに高熱にさらされるために、耐摩耗性および高
温強度に優れた鉄系焼結合金などによって形成されてい
る。たとえば、図20に示すように、シリンダヘッドの
吸気ポート、排気ポートの燃焼室側開口部に形成した凹
部に圧入し、仕上げ研削加工を行うことによってシリン
ダヘッド本体に一体的に固定されていた。図20はバル
ブシートが圧入された従来のシリンダヘッドのバルブシ
ート圧入部を拡大して示す断面図で、同図において1は
シリンダヘッド本体、2は圧入型バルブシート、3はバ
ルブシート圧入用凹部を示す。
【0003】ところが、バルブシート2の材料となる鉄
系焼結材の熱伝導率はシリンダヘッド本体1の材料とな
るアルミニウム合金に較べて低く、しかも、このバルブ
シート2とシリンダヘッド本体1との間の界面には微小
隙間があることから、吸・排気弁のバルブフェースや排
気からシリンダヘッド本体1へ熱が伝達されるときの熱
抵抗が大きくなってしまう。このため、シリンダヘッド
の冷却性能が充分ではなくなって異常燃焼を引き起こし
たり、バルブの温度が過度に上昇してしまうということ
にもなりかねない。
【0004】そこで、上述したようなバルブシート2を
圧入することによる不具合を解消するため、シリンダヘ
ッド本体1のバルブシート装着部分に、耐熱性、耐摩耗
性、耐食性に優れたバルブシート材料の粉末レーザーを
熱源として加熱溶融させて肉盛り(クラッド)し、その
肉盛層を機械加工することによってバルブシートを形成
する手法が提案されている(例えば、特開昭62−15
0014号公報参照)。このレーザークラッド法によっ
て形成されたバルブシートを図21に示す。
【0005】図21はレーザークラッド法によりバルブ
シートが形成されたシリンダヘッドのバルブシート部を
拡大して示す断面図で、4はバルブシート部、5は前記
バルブシート部4との接合界面、6、7は前記接合界面
5の近傍に形成された溶融反応層である。さらに、この
ようなレーザークラッド法によってバルブシートを形成
するシリンダヘッドにおいて、肉盛り層とシリンダヘッ
ド本体との溶着率を高めるために、シリンダヘッド本体
の溶着面に圧延ロールなどによって予め塑性変形層を形
成してからレーザークラッドを行うということが提案さ
れている(例えば、特開平2−196117号公報参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このように
レーザークラッド法によってバルブシートを形成したと
しても、バルブシート材料の粉末溶融して肉盛りする関
係から接合強度に問題があった。これは、バルブシート
材料の粉末加熱、溶融するときにシリンダヘッド本体1
における接合界面7付近の部位が溶融するからであっ
た。
【0007】すなわち、シリンダヘッド本体1の一部が
一旦溶融した後に凝固するため、ガスが生成されてそれ
が接合界面近傍の溶融反応層7中にブローホールとして
残存したり、溶融したアルミニウム合金が凝固するとき
に凝固収縮を起こすことによって前記溶融反応層7中に
引け巣が生じることがある。さらに、このレーザークラ
ッド法はアルミニウム合金材中の鋳巣や介在物の影響を
受け易いという不具合があった。また、材料が溶融・凝
固してなる接合部分では、シリンダヘッドの素材に予め
施されていた時効処理による強度向上効果が消失してい
るから、バルブシート部が高温となるような運転条件で
エンジンを長時間運転すると変形を生じ易い。
【0008】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、バルブシート部の熱抵抗を小さくし
て過度な加熱を防止することができるのは勿論のこと、
バルブシート部が高温になる運転条件下で長時間エンジ
ンを運転しても、接合部分の強度を維持することができ
るとともに、バルブシート近傍の変形を最小限に抑える
ことができるシリンダヘッドを得ることを目的とする。
【0009】請求項1に記載のエンジン用シリンダヘッ
ドは、内部に燃焼室を有するシリンダヘッド本体とバル
ブシートとを異種材料によって構成したエンジン用シリ
ンダヘッドにおいて、上記シリンダヘッド本体をアルミ
ニウム合金によって形成し、上記燃焼室に連通する上記
シリンダヘッド本体の開口部に、金属製円環体からなる
上記バルブシートの素材を加熱圧接して接合し、さら
に、上記バルブシートの外径をDO、上記バルブシート
に当接するバルブの外径をDとしたときに、 D<DO<D+5 なる関係を満足することを特徴としている。
【0010】請求項2に記載のエンジン用シリンダヘッ
ドは、内部に燃焼室を有するとともに上記燃焼室に連通
する吸気口と排気口とを有するシリンダヘッド本体とバ
ルブシートとを異種材料によって構成したエンジン用シ
リンダヘッドにおいて、上記シリンダヘッド本体をアル
ミニウム合金によって形成し、吸気口および排気口に、
金属製円環体からなる上記バルブシートの素材を加熱圧
接して接合し、上記吸気口のバルブシートよりも上記排
気口の上記バルブシートの方が以下の寸法のうち少なく
とも1において上回っていることを特徴としている。 上記バルブシートの着座面とほぼ直交する方向から見
たときのバルブシートの幅 上記バルブシートの素材を加熱圧接する際の沈込み長
さ 上記バルブシートの着座面とほぼ直交する方向の厚さ
【0011】請求項3に記載のエンジン用シリンダヘッ
ドは、内部に燃焼室を有するシリンダヘッド本体とバル
ブシートとを異種材料によって構成したエンジン用シリ
ンダヘッドにおいて、上記シリンダヘッド本体をアルミ
ニウム合金によって形成し、上記燃焼室に連通する上記
シリンダヘッド本体の開口部に、金属製円環体からなる
上記バルブシートの素材を加熱圧接して接合し、上記バ
ルブシートの内径を構成する内輪円と外径を構成する外
輪円との中心をずらすことにより、同バルブシートの平
面視における厚さを変化させたことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明者等は、アルミニウム合金からなるシリ
ンダヘッド本体の開口部に、鉄系焼結合金製円環体から
なるバルブシートの素材を加熱圧接して接合する技術を
先に提案した(特開平5ー287324号)。この技術
によれば、通電加熱により容易に塑性流動を生じるアル
ミニウム合金によりシリンダヘッド本体を構成している
ため、加熱圧接によってバルブシート素材がシリンダヘ
ッド本体に埋没する。そして、その際に両者の圧接部の
界面の原子が相互に拡散し、両者が隙間なく強固に固定
される。この場合、バルブシート素材もシリンダヘッド
本体も殆ど溶融しないため、上記したような材料欠陥の
発生が防止される。
【0013】請求項1に記載のエンジン用シリンダヘッ
ドは、先の提案に係る技術をさらに改良しためので、シ
リンダヘッド本体の変形を防止したものである。すなわ
ち、一般に、アルミニウム合金は時効温度以上において
極めて小さな応力で変形するのみならず、クリープ強度
も低いことが知られており、シリンダヘッド本体の変形
を防止する必要がある。請求項1では、バルブシートの
外径をDO、上記バルブシートに当接するバルブの外径
をDとしたときに、 D<DO<D+5 なる関係を満足することにより、バルブが高温下でバル
ブシートに繰り返し当接することによるバルブシートの
変形ないし破損や、シリンダヘッド本体への沈み込みを
防止することができる。
【0014】以下、上記数値限定の根拠を説明する。図
12(A)に示すように、バルブシート素材を加熱圧接
する際の沈込み量dの増加とともに、バルブシートの外
周部の位置が外側へ移動し、これに伴ってバルブ軸方向
から見たバルブシートの投影面積は増加する(図12
(B)参照)。次に、バルブの着座加重等からバルブシ
ートが受ける繰り返し最大荷重を一定とすると、バルブ
シートの投影面積とバルブシート及びシリンダヘッドの
界面に作用する面圧は図13(A)に示す関係となる。
また、同面圧とバルブシート外径DOとの関係は同図
(B)に示すようになることが確認されている。ここ
で、図13(B)において、水平な破線はアルミニウム
系(CH)合金で構成されたシリンダヘッドの圧縮限界
強度を示し、このレベルを越えると使用上支障を来す変
形が生じる。よって、バルブシートの外径DOは、シリ
ンダヘッドの界面の面圧が圧縮限界強度を下回るように
する必要がある。本発明者等の数々の実験から、バルブ
シートの外径DOの最小値は、バルブの外径に等しいこ
とが確認された。よって、バルブの外径D<バルブシー
トの外径DOとした。
【0015】次に、図14(A)は排気口(または吸気
口)を示す断面図であり、この図に示すように、排気口
の内径Dcとバルブの外径Dとの間の空間は排ガスの流
出口(または混合ガスの流入口)となっており、バルブ
の外径Dを一定とすると、図14(B)に示すように、
排気又は吸気口の内径Dcが大きい程通気抵抗が小さく
なる。したがって、排気又は吸気口の内径Dcは可能な
限り大きくすべきであるが、隣接する排気口や吸気口と
のスペースの関係でその大きさにも限界がある。図2に
示すように、排気又は吸気口の内径Dcを漸次大きくし
てゆくと、Dcが(D+5mm)となるあたりからは、
cが増加しても通気抵抗はさほど減少しないことが実
験によって確認された。したがって、排気又は吸気口の
内径Dcは(D+5mm)あれば充分であり、このこと
から、バルブシートの外径DOは、排気又は吸気口の内
径Dcよりも小さい(D+5mm)未満とした。
【0016】次に、請求項2の作用について説明する。
本発明者等は、エンジン用シリンダヘッドでは、吸気口
よりも排気口の方がより高温になることに着目し、排気
口側のみを強化した。これにより、バルブシート近傍の
シリンダヘッド素材の変形を最小限に抑えることがで
き、しかも、シリンダヘッドの製造コストを低減するこ
とができる。具体的には、バルブシートの着座面とほぼ
直交する方向から見たときのバルブシートの幅を大きく
することにより、シリンダヘッド素材の面圧を小さくし
てその塑性流動を抑制することができる。また、バルブ
シートの素材を加熱圧接する際の沈込み長さを長くする
ことにより、形成後のバルブシートの投影面積が大きく
なる(図9および図10参照)。さらに、バルブシート
の着座面とほぼ直交する方向の厚さを厚くすることによ
り、バルブシート19の剛性が確保され、バルブシート
の変形や破損を防止することができる。
【0017】次に、シリンダヘッド本体の開口部周囲の
温度は、吸・排気ポートの配列などの諸条件によって不
均一となる。請求項3に記載のエンジン用シリンダヘッ
ドにおいては、バルブシートの内径を構成する内輪円と
外径を構成する外輪円との中心をずらすことにより、バ
ルブシートの平面視における厚さを変化させているか
ら、より高温になる位置にバルブシートの肉厚の厚い部
分を位置させることができる。これにより、必要な個所
のバルブシートの投影面積が確保され、シリンダヘッド
本体に負荷される圧縮力の面圧を小さくすることができ
る。
【0018】
【実施例】
A.第1実施例 以下、本発明の一実施例を図1ないし図10によって詳
細に説明する。 (1)シリンダヘッドの全体構成 図1は本発明に係るシリンダヘッドのバルブシート部の
断面図、図2はバルブシート母材をポート開口部に重ね
た状態を示す断面図で、同図はシリンダヘッド本体およ
びバルブシート母材の一部のみを拡大して描いてある。
これらの図において、11は4サイクルエンジンのシリ
ンダヘッド本体で、このシリンダヘッド本体11は、ア
ルミニウム合金を材料として鋳造することによって形成
しており、ドーム状の燃焼室形成用凹部12を下面に開
口するように形成するとともに、この凹部12に一端が
開口する吸気ポート13および排気ポート14を形成し
ている。
【0019】シリンダヘッド本体11を形成するアルミ
ニウム合金は、JISにAC4Cとして規定されるAl
−Sl−Mg系アルミニウム合金を採用した。この材料
を選択した理由は、他のアルミニウム合金を使用したと
きに較べて後述するバルブシートを最も強固に接合でき
たからである。前記吸気ポート13および排気ポート1
4の上壁部分にバルブガイド15、16を介して吸気弁
17および排気弁18をそれぞれ装着し、両ポート1
3、14の開口部に後述するバルブシート19をそれぞ
れ接合している。なお、前記バルブガイド15、16
は、シリンダヘッド本体11に穿設したバルブガイド穴
11aに圧入し固定している。このバルブガイド穴11
aはその軸線Cが吸気ポート13および排気ポート14
の開口部13a、14aの軸線と一致するように形成し
ている。
【0020】図1に示したバルブシート19は、円環状
に形成したバルブシート母材を前記ポート開口部13
a、14aに加熱状況下において圧接させることによっ
て接合し、仕上げ加工を施した後のものである。前記バ
ルブシート母材を図2中に符号20によって示す。バル
ブシート母材20は、鉄系焼結合金製円環体21の表面
を銅皮膜22によって覆うことによって形成している。
前記円環体21の材料としては、本実施例では、鉄系焼
結合金材料に後述する通電時に内部で抵抗熱が生じ難い
ようにする観点から銅を溶浸させたものを採用してい
る。また、前記銅皮膜22は、膜厚が0.1μm〜30
μmとなるように円環体21に電気めっきを施すことに
よって形成している。
【0021】バルブシート母材20は、図2に示すよう
に、吸気ポート13や排気ポート14の開口部13a、
14aに重ねた状態で外周面の一部がこの開口部13
a、14a内に臨む形状に形成している。なお、図2で
はシリンダヘッド本体11の下面(燃焼室形成用凹部1
2が開口する面)を上方に向けている。詳述すると、バ
ルブシート母材20の外周面をシリンダヘッド本体11
側に向かうにしたがって次第にこのバルブシート母材2
0の外径が細くなるように傾斜させ、かつ底面20bを
このバルブシート部材10の軸心へ向かうにしたがって
次第にシリンダヘッド本体11側に偏在するように傾斜
させ、これら外周面20aと底面20bとが互いに連な
る外面を凸曲面となるように形成している。図2におい
てはこの凸曲面に符号20cを付した。
【0022】一方、前記開口部13a、14aにおける
前記凸曲面20cと対向する部位には、吸・排気ポート
13、14の内径が部分的に細くなるように凸状部23
を形成している。すなわち、このバルブシート母材20
を前記開口部13a、14aに図2に示したように重ね
ることによって、その凸曲面20cがシリンダヘッド本
体11の凸状部23に当接するように構成している。な
お、バルブシート母材20の内周面は、シリンダヘッド
本体11側に向かうにしたがってこのバルブシート母材
20の内径が小さくなるように傾斜した傾斜面20d
と、この傾斜面20dの内周側端部から軸方向と平行に
延在する軸方向延在面20eとから形成している。
【0023】(2)バルブシートの接合方法 このように構成したバルブシート母材20をシリンダヘ
ッド本体11の前記開口部13a、14aに接合するに
は、図3および図4に示すプレス装置24を使用して行
う。このプレス装置24は、基台25の下部に下部プラ
テン26を固定し、この下部プラテン26の上方に、こ
の下部プラテン26に対して接離するように上部プラテ
ン27を昇降自在に配設している。この上部プラテン2
7は、基台上部に軸線が上下方向を向くよう取付けたシ
リンダ装置28の作用端となるロッド28aの下端を固
定している。
【0024】前記下部プラテン26および上部プラテン
27はそれぞれ導電部材26a、27aを介して図示し
ていない給電装置から給電される構造になっている。な
お、上部プラテン27に接続した導電部材27aは、上
部プラテン27の昇降動作に合わせて変形あるいは昇降
するように構成している。また、本実施例では、上部プ
ラテン27が陽極となり下部プラテン26が陰極となる
ように構成している。前記シリンダ装置28を支持する
基台上部には、上部プラテン27の前部に固定した反射
部材29にレーザー光を反射させてこの反射部材29と
の距離から上部プラテン27の変位量を測定するレーザ
ー変位計30が取り付けてある。
【0025】プレス装置24を使用してバルブシート母
材20を接合するには、先ず、前記下部プラテン26上
に下側電極31を固定し、この下側電極31上にシリン
ダヘッド本体11を載置固定して行う。このとき、シリ
ンダヘッド本体11は、燃焼室形成用凹部12側を上方
に向け、かつバルブシート母材20を接合するポートの
開口部での軸線が前記シリンダ装置28のロッド28a
の軸線と一致するように位置決めしておく。
【0026】次に、図5に示すように、バルブシート母
材20を接合するポートのバルブガイド穴11aにガイ
ド棒32を燃焼室形成用凹部12側から嵌挿する。この
ガイド棒32は、金属製丸棒32aの外周面にアルミナ
などの絶縁材32bを被覆させて形成しており、バルブ
ガイド穴11aに嵌挿させストッパー32cによって位
置決め保持させた状態で、シリンダヘッド本体11の燃
焼室側端面より上方に突出する長さに形成している。前
記絶縁材32bの形成方法は、本実施例ではアルミナな
どのセラミック材を丸棒32aに溶射し、その後、研磨
仕上げする手法を採っている。
【0027】その後、バルブシート母材20をポート開
口部に重ね、このバルブシート母材20に上側電極33
を載せる。この上側電極33は、金属製円柱体の軸心部
に前記ガイド棒32が嵌合する透孔33aを穿設してお
り、その下端部に、バルブシート母材20の前記傾斜面
20d(図2)に密接するテーパー面33bと、軸方向
延在面20eに全周にわたり密接する位置決め用周面3
3cとを形成している。また、この上側電極33の下端
部には、バルブシート母材20を磁気吸着させるための
磁性体33dが固着させてある。
【0028】すなわち、前記透孔33aに前記ガイド棒
32を嵌合させることにより、この上側電極33がシリ
ンダヘッド本体11のポート開口部と同軸上に位置づけ
られ、前記テーパー面33bおよび周面33cをバルブ
シート母材20に密接させることにより、このバルブシ
ート母材20が嵌合によってポート開口部と同軸となる
ように位置決めされる。
【0029】このようにバルブシート母材20に上側電
極33を載せた後、上側電極33を回転させてバルブシ
ート母材20が確実に嵌合しているか否かを検査する。
しかる後、シリンダ装置28を駆動して上部プラテン2
7を下降させ、前記上側電極33に密着させる。このと
き、上部プラテン27の下面と上側電極33の上面とが
互いに平行になるようにする。次に、前記シリンダ装置
28を駆動して上部プラテン27を下降させ、上側電極
33を介して前記バルブシート母材20を一定な押圧力
をもってシリンダヘッド本体11に押し付ける。このと
きにバルブシート母材20に加えられる押圧力の方向
は、上側電極33がガイド棒32によって移動方向が規
制されている関係から、ポート開口部13a、14aの
軸線方向と一致する。このため、バルブシート母材20
はポート開口部13a、14aに軸線を一致させた状態
でこの軸線に沿って押し付けられる。この押圧力は、図
6中に実線で示す押圧力パターンに基づいて変化させ
る。すなわち、相対的に低い一定の第1押圧力P1を接
合工程初期に加え、その後は下降終了まで相対的に高い
一定の第2押圧力P2を加える。
【0030】第1押圧力P1による加圧を開始した後、
上部プラテン27が安定したときに、前記レーザー変位
計30によりこれと反射部材29までの距離を測定し、
この距離を上部プラテン27の下降開始位置として記録
する。また、第1押圧力P1による加圧開始から図6に
示すように時間T1が経過した後、前記上記プラテン2
7および下部プラテン26に電圧を印加し、これら両プ
ラテンの間、すなわち上側電極33、バルブシート母材
20、シリンダヘッド本体11および下側電極31に電
流を流す。このとき、電流は上側電極33からシリンダ
ヘッド本体11へ向けて流れる。このときの電流値も図
6中に波線で示す電流値パターンに基づいて変化させ
る。すなわち、電流値が増大した後に一度電流値を0付
近まで低下させ、その後さらに電流値を増大させて接合
終期において前記押圧力を加えている途中で電流値を0
とする。
【0031】このとき、バルブシート母材20は図2に
示すように凸曲面20cがシリンダヘッド本体11の凸
状部23に当接しており、これら両者どうしが接触する
部分の面積がきわめて小さいことから、上述したように
通電されると電気抵抗が大きくなってこの接触部が発熱
するようになる。この熱はバルブシート母材20とシリ
ンダヘッド本体11との接触界面の全体に伝導する。こ
のようにバルブシート母材20とシリンダヘッド本体1
1との接触界面の温度が上昇すると、固相状態で互いに
圧接し合う材料金属(銅皮膜22の銅およびシリンダヘ
ッド本体11のアルミニウム合金)の原子が活発に運動
するようになり、これらの原子どうしが相互に拡散す
る。
【0032】上述したように原子の相互拡散が起こるこ
とにより、界面付近の組成は、銅皮膜22を構成する銅
と、シリンダヘッド本体11のアルミニウム合金との共
晶合金になり、純銅より低い温度で固相から液層に変わ
ることができる状態になる。このときの界面付近の状態
を図7に模式的に示す。図7においては、原子の相互拡
散が起こり前記共晶合金層が生成されている部位を符号
Aで示す。
【0033】前記界面付近の温度がさらに上昇し、前記
共晶合金層の一部が液相に変化するようになると原子の
拡散現象は一層活発となり、この共晶合金層が成長して
これに伴なって固相と液相との界面が拡大する。この共
晶合金層の液相化が進行する一方、共晶合金層に隣接す
るシリンダヘッド本体11のアルミニウム合金は、バル
ブシート母材20が押し付けられていることと前記抵抗
熱により昇温されていることとによって、塑性流動(塑
性変形)を起こす。この塑性流動は最初の接触部を中心
にして図7において上下方向に略対称となるように生じ
るため、液相化した前記共晶合金は前記塑性流動に乗じ
て図8に示すように接触部の外に排除される。図8にお
いて共晶合金の排除された部分を符号Bで示す。また、
このときには、バルブシート母材20の銅皮膜22の一
部が共晶合金化されて接触部から排除されることによ
り、円環体21の一部がアルミニウム合金に触れるよう
になってこれらの間でも原子の拡散現象が起こる。この
拡散現象が生じている部位を図8中に符号Cで示す。
【0034】このように共晶合金層の一部が接触部から
排除されることと、アルミニウム合金が塑性流動を起こ
すこととにより、図6中にT2で示すときにバルブシー
ト母材20がシリンダヘッド本体11内に沈む込み始め
る。このようにバルブシート母材20が沈み込み始めて
から図6中に示す時間T3に達したときに、押圧力を増
大させて前記第2押圧力P2とする。押圧力が増大する
ことによりアルミニウム合金の塑性流動量が増大し、こ
れに伴って共晶合金の排除量が増量される。この結果、
接触部の未反応部分において新たに銅−アルミニウム合
金からなる共晶合金が生成され、上述した現象が繰り返
されてこの共晶合金層が液相化しさらに排除される。こ
れとともに、円環体21の材料である鉄系焼結合金とア
ルミニウム合金との界面で原子が相互に拡散する領域も
拡がる。
【0035】第2押圧力P2による押圧を開始してから
図6に示す時間T4に達したときに、電流値を一度0付
近まで低下させ、さらに元の値まで上昇させる。電流値
を低下させることにより発熱が一時抑えられることにな
り、共晶合金の排除並びに塑性流動が抑えられて図6に
示すようにバルブシート母材20の沈み込み量の増加割
合が一時低下する。このように電流値を一時的に低下さ
せるのは、アルミニウム合金が熱により溶融してしまう
のを防ぐためである。
【0036】電流値を上述したように元の値まで上昇さ
せた後、時間T5に達してから時間T6に達するまでの
間に徐々に低下させて0とする。電流が流れている間は
勿論、通電が断たれた後も反応不能温度まで温度が低下
するまでは前記反応が進行し、共晶合金層の生成→液層
化→塑性流動に伴なう排除、という現象と、鉄系焼結合
金とアルミニウム合金との原子相互拡散という現象が同
時に起こりながらバルブシート母材20が沈み込み続
け、図9に示すようにその外周面の略全域がシリンダヘ
ッド本体11内に埋没するようになる。
【0037】この沈み込み量が図6に示すように略増加
しなくなったとき(時間T7で示すとき)にシリンダ装
置28による押圧を停止し、レーザー変位計30によっ
てこれと反射部材29との距離から上部プラテン27の
最終位置を求めた後に上部プラテン27を上昇させ、シ
リンダヘッド本体11をプレス装置24から取外す。な
お、平均電流値や総通電時間も全工程が終了するまでの
間に求めておく。次に、上部プラテン27の下降開始位
置から最終位置までの高低差を算出することによりバル
ブシート母材20の総沈み量を求める。この値が予め定
めた許容値D(図6参照)の範囲内でないときには接合
不良とみなす。前記許容値Dとしては、本実施例では
0.5mm〜2.5mmとした。なお、許容値Dはシリンダ
ヘッド本体11の材料によっても異なるが、約1mm〜
1.5mmとすることが好ましい。
【0038】シリンダヘッドの最終仕上げ加工は、図9
に示すようにバルブシート母材20が接合されたシリン
ダヘッド本体11から不要部分を図10に示すように例
えば研削によって除去することによって行う。この最終
仕上げ加工を行うことにより円環体21の不要部および
銅皮膜22が除去され、図10中に符号Cで示す原子の
拡散領域を介してシリンダヘッド本体11に接合された
バルブシート19が得られる。ここで、バルブシート1
9の外径をDO、吸気弁17または排気弁18の外径を
Dとしたときに、D<DO<D+5なる関係を満たすよ
うに形成されている。
【0039】(3)実施例の効果 上記構成のシリンダヘッドにおいては、バルブシート1
9とシリンダヘッド本体11とが原子拡散によって隙間
なく強固に固定されている。したがって、両者の熱抵抗
が小さくシリンダヘッドの冷却性能を向上させることが
できる。また、上記のように、製造過程においてシリン
ダヘッド本体11は溶融しないため、凝固時のブローホ
ールや引け巣の発生も生じない。特に、本発明では、バ
ルブシート19の投影面積を上記数値限定により確保し
ているから、吸・排気弁17,18が高温下でバルブシ
ート19に繰り返し当接することによるバルブシートの
変形ないし破損や、シリンダヘッド本体11への沈み込
みを防止することができる。また、バルブシート母材2
0をシリンダヘッド本体11に加熱圧接する際の押込み
力を抑制することができる。
【0040】B.第2実施例 次に、図11を参照して本発明の第2実施例について説
明する。図11は吸気ポート13および排気ポート14
を燃焼室側から見た図であり、図中符号8は点火プラグ
の取付孔、10は冷媒を循環させるための孔、11はシ
リンダヘッド本体Aをエンジン本体(図示略)に取り付
けるための孔である。図に示すように、排気ポート14
の周囲は、図にハッチングで示すようにより高温となる
が、排気ポート14は吸気ポート13よりも内径が小さ
い。よって、排気ポート14,14どうしの離間距離
は、吸気ポート13,13どうしの離間距離よりも大き
くすることができ、これにより、排気ポート14側を強
化するための以下の構成の少なくともいずれか1つが採
用されている。
【0041】排気ポート14のバルブシート19の着
座面とほぼ直交する方向から見たときのバルブシート1
9の幅W(図14(A)および(C)参照)は、吸気ポ
ート13のバルブシート19の幅よりも広い。これによ
り、バルブシート19がシリンダヘッド本体11を加圧
するときの面圧が小さくなり、シリンダヘッド本体11
の素材の塑性流動を抑制することができる。
【0042】排気ポート14のバルブシート母材20
をシリンダヘッド本体11に加熱圧接する際の沈込み長
さは、吸気ポート13のバルブシート母材20の沈込み
長さよりも長い。これにより、形成後のバルブシート1
9の投影面積が大きくなる(図9および図10参照)。
【0043】排気ポート14のバルブシート19の着
座面とほぼ直交する方向の厚さT(図14(A)参照)
は、吸気ポート13のバルブシート19の厚さよりも厚
い。これにより、バルブシート19の剛性が確保され、
バルブシート19の変形や破損を防止することができ
る。
【0044】C.第3実施例 次に、図15を参照して本発明の第3実施例について説
明する。図15(A)および(B)に示すシリンダヘッ
ドは、バルブシート19の外周面20aと底面20bと
がなすテーパ角θを120゜以上に設定したもので、こ
れにより、バルブシート19を介してシリンダヘッド本
体11に伝えられる最大応力を抑制したものである。具
体的には、同図(A)に示すものは、ポート開口部13
aまたは14aの軸線と直交する平面に対して、バルブ
シート19の底面20bのなす角度αが30゜、バルブ
シート19の外周面20aが上記平面の法線となす角度
βが15゜に設定され、これにより、テーパ角θは13
5゜とされている。また、同図(B)に示すものは、角
度αが30゜、角度βが30゜に設定され、これによ
り、テーパ角θは150゜とされている。
【0045】図15(C)に示すものでは、バルブシー
ト19の底面20bは、ポート開口部13aまたは14
aの軸線と直交し、角度αは0゜とされている。これに
より、軸線と直交する接合部においては圧縮力のみが作
用するから、接合部におけるせん断加重が低減され、ア
ルミニウム合金の塑性流動が抑制される。なお、この例
では、角度βは15゜、角度θは105゜とされてい
る。
【0046】D.第4実施例 次に、図16および図17を参照して本発明の第4実施
例について説明する。第4実施例は、バルブシート19
の内径を構成する内輪円19aと外径を構成する外輪円
19bとの中心軸Oa,Obをずらしたことを特徴として
いる。図16に示すように、吸・排気ポート13,14
どうしが接近して配置されていると、バルブシート19
およびその周囲の温度は、相手方のポート(13または
14)側において高くなる。そこで、バルブシート19
のうち相手方のポート(13または14)側の部分の投
影面積を大きくすることにより、シリンダヘッド本体に
負荷される圧縮力の面圧を小さくしている。すなわち、
より高温となる部分の面圧を小さくしているから、シリ
ンダヘッド本体11の変形が防止される。内輪円19a
と外輪円19bとの中心軸Oa,Obをずらす方法とし
て、両者を互いに平行に離間させる方法(図17(A)
参照)と、中心軸Oa,Obどうしを傾斜させる方法(図
17(B)参照)がある。
【0047】F.第6実施例 図18は本発明の第6実施例を示すものである。この実
施例におけるバルブシート19は、その底面20bや外
周面20aに凸条19cを形成したことを特徴としてい
る。凸条19cは、バルブシート19の円周方向の全体
にわたって延在させられているが、円周方向の複数箇所
に突起を設けるようにしてもよい。図18(A)〜
(C)は、凸条19cの位置を種々設定した例を示し、
同図(D)および(E)は、凸条19cを複数形成した
例を示す。この実施例によれば、アルミニウム合金の接
合部におけるせん断方向への塑性流動が凸条19cによ
って阻止されるので、バルブシート19の沈み込みを防
止することができる。
【0048】G.第7実施例 図19(A)〜(F)は、バルブシート19とシリンダ
ヘッド本体11との間に、強化組織を介在させた例を示
す。前記第1実施例では、バルブシート母材20には、
銅が溶浸されるとともに銅皮膜22が設けられている。
このうち銅皮膜22は、シリンダヘッド本体11のアル
ミニウム合金とで純銅よりも低い融点の共晶合金を構成
し、この共晶合金は前記抵抗加熱により液相に変態す
る。そして、液相化した共晶合金は、シリンダヘッド本
体11を構成するアルミニウム合金の塑性流動に伴って
接触部から排出されていた。
【0049】図19(A)に示す実施例は、抵抗加熱の
方法を工夫して、上記共晶合金を排出せずに接合部に残
留させることを特徴としている。このように構成するこ
とにより、シリンダヘッド本体11を構成するアルミニ
ウム合金よりも強度が高く、かつ、バルブシート19よ
りも投影面積の大きな座50が形成され、バルブシート
19の変形抵抗およびクリープ強度を増加させることが
できる。なお、銅皮膜22に代えてZn、Sn、Ag、
Al−Si合金などをメッキすることもできる。
【0050】図19(C)は、バルブシート母材20に
含浸させた金属や表面にメッキした金属(以下、これら
をインサート材と称する)をシリンダヘッド本体11の
アルミニウム合金中に拡散させた例を示す。この例にお
いても、接合部の周囲に硬化した固溶体組織層51が形
成されるので、上記と同様の効果を奏する。また、図1
9(B)に示すように、インサート材の拡散深度を不均
一にした固溶体組織層52を形成することもできる。さ
らに、図19(B)および(C)に示す例において、バ
ルブシート19とシリンダヘッド本体11との接合部
に、インサート材とアルミニウム合金との金属間化合物
を形成してもよい。これにより、アルミニウム合金の接
合部におけるせん断方向への塑性流動が抑制される。
【0051】図19(D)は、バルブシート19とシリ
ンダヘッド本体11との接合部の周囲の組織を微細化し
た微細化組織層53を形成した例、同図(E)は、組織
に化合物を析出および分散させ、あるいはFe、Ni等
のイオンを注入して金属拡散して硬化した析出強化組織
層54を形成した例、同図(F)は、組織に金属粒子や
繊維を分散させて複合組織層55を形成した例を示す。
また、化合物を析出させるに際しては、結晶粒界に析出
させることによって組織の粒界すべりを抑制するように
することもできる。
【0052】H.第8実施例 図19(G)〜(I)は本発明の第6実施例を示すもの
であり、バルブシート19の縁部にフランジ部60,6
1を形成した3つの例を示している。これらの例におけ
るフランジ部60,61はバルブシート19の全周にわ
たって形成されている。そして、フランジ部60,61
を設けたことによりバルブシート19の投影面積が増加
し、これにより、シリンダヘッド本体11に伝わる圧縮
力の面圧を小さくすることができるとともに、高温の排
ガスからシリンダヘッド本体11をカバーして受熱を抑
制することができる。
【0053】I.変更例 本発明は前記実施例に限定されるものではなく以下のよ
うに種々の変更が可能である。 第1実施例において、バルブシート19の接合部側の
面の面粗度をRa10以上とすることにより、接合部近
傍のアルミニウム合金の塑性流動を抑制することができ
る。 シリンダヘッド本体11を鋳造によって形成する際
に、改良処理材としてストロンチウムを使用することが
できる。これにより、アルミニウム合金の変形抵抗およ
びクリープ強度を高めることができる。 本発明は、自動車のエンジンは勿論のこと、オートバ
イのエンジンなどあらゆるエンジンに適用することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バルブシートの投影面積を確保しているので、バルブが
バルブシートに当接する際にシリンダヘッド本体に負荷
される圧縮力の面圧を小さくすることができる。(請求
項1)。
【0055】より高温にさらされる排気口側のみを強化
しているので、接合部におけるアルミニウム合金の塑性
流動をコストアップを抑制しつつ達成することができ
る。また、バルブシートの剛性が確保されてその変形や
破損の発生が防止される(請求項2)。
【0056】バルブシートの内径を構成する内輪円と外
径を構成する外輪円との中心をずらすことにより、バル
ブシートの平面視における厚さを変化させているから、
より高温になる位置にバルブシートの肉厚の厚い部分を
位置させることができ、これにより、必要な個所のバル
ブシートの投影面積が確保され、シリンダヘッド本体に
負荷される圧縮力の面圧を小さくすることができる(請
求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のバルブシートを示す側断
面図である。
【図2】バルブシート母材をポート開口部に重ねた状態
を示す側断面図である。
【図3】バルブシートをシリンダヘッドのポート開口部
に接合するためのプレス装置を示す平面図である。
【図4】バルブシートをシリンダヘッドのポート開口部
に接合するためのプレス装置を示す側面図である。
【図5】バルブシート母材に電極を当接させた状態を示
す側断面図である。
【図6】加圧パターン、電流値パターンおよび沈み込み
量を示す線図である。
【図7】バルブシート母材の皮膜の金属材料とシリンダ
ヘッド本体の材料金属からなる合金層が生成されている
状態を示す側断面図である。
【図8】シリンダヘッド本体の材料金属が塑性流動を起
こしている状態を示す側断面図である。
【図9】バルブシート母材がシリンダヘッド本体に埋没
した状態を示す側断面図である。
【図10】バルブシートを仕上げ加工した状態を示す側
断面図である。
【図11】本発明の第2実施例を示し、吸排気ポートを
燃焼室側から見た図である。
【図12】本発明の作用を説明するための図であって、
(A)はバルブシートの断面図、(B)はバルブシート
を加熱圧接する際の沈込み量とバルブシートの投影面積
との関係を示す線図である。
【図13】本発明の作用を説明するための図であって、
(A)はバルブシートの投影面積とバルブシートとシリ
ンダヘッド本体との界面に作用する圧縮力の面圧との関
係を示す線図、(B)はバルブシートの外径とバルブシ
ートの界面における面圧との関係を示す線図である。
【図14】本発明の作用を説明するための図であって、
(A)はバルブシートの断面図、(B)は排気口の内径
と通気抵抗との関係を示す線図、(C)は吸排気ポート
を燃焼室側から見た図である。
【図15】(A)〜(C)は本発明の第3実施例をそれ
ぞれ示す側断面図である。
【図16】本発明の第4実施例を示す平面図である。
【図17】本発明の第5実施例を示す側断面図である。
【図18】(A)〜(E)は本発明の第6実施例をそれ
ぞれ示す側断面図である。
【図19】(A)〜(F)は本発明の第7実施例をそれ
ぞれ示す側断面図、(G)〜(I)は本発明の第8実施
例をそれぞれ示す側断面図である。
【図20】従来のバルブシートを示す側断面図である。
【図21】従来のバルブシートの他の例を示す側断面図
である。
【符号の説明】
11 シリンダヘッド本体 13 吸気ポート(吸気口) 14 排気ポート(排気口) 17 吸気弁(バルブ) 18 排気弁(バルブ) 19 バルブシート 20 バルブシート母材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に燃焼室を有するシリンダヘッド本
    体とバルブシートとを異種材料によって構成したエンジ
    ン用シリンダヘッドにおいて、上記シリンダヘッド本体
    をアルミニウム合金によって形成し、上記燃焼室に連通
    する上記シリンダヘッド本体の開口部に、金属製円環体
    からなる上記バルブシートの素材を加熱圧接して接合
    し、さらに、上記バルブシートの外径をDO、上記バル
    ブシートに当接するバルブの外径をDとしたときに、 D<DO<D+5 なる関係を満足することを特徴とするエンジン用シリン
    ダヘッド。
  2. 【請求項2】 内部に燃焼室を有するとともに上記燃焼
    室に連通する吸気口と排気口とを有するシリンダヘッド
    本体とバルブシートとを異種材料によって構成したエン
    ジン用シリンダヘッドにおいて、上記シリンダヘッド本
    体をアルミニウム合金によって形成し、吸気口および排
    気口に、金属製円環体からなる上記バルブシートの素材
    を加熱圧接して接合し、上記吸気口のバルブシートより
    も上記排気口の上記バルブシートの方が以下の寸法のう
    ち少なくとも1において上回っていることを特徴とする
    エンジン用シリンダヘッド。 上記バルブシートの着座面とほぼ直交する方向から見
    たときのバルブシートの幅 上記バルブシートの素材を加熱圧接する際の沈込み長
    さ 上記バルブシートの着座面とほぼ直交する方向の厚さ
  3. 【請求項3】 内部に燃焼室を有するシリンダヘッド本
    体とバルブシートとを異種材料によって構成したエンジ
    ン用シリンダヘッドにおいて、上記シリンダヘッド本体
    をアルミニウム合金によって形成し、上記燃焼室に連通
    する上記シリンダヘッド本体の開口部に、金属製円環体
    からなる上記バルブシートの素材を加熱圧接して接合
    し、上記バルブシートの内径を構成する内輪円と外径を
    構成する外輪円との中心をずらすことにより、同バルブ
    シートの平面視における厚さを変化させたことを特徴と
    するエンジン用バルブシート。
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