JP2002349216A - バルブシートの接合方法 - Google Patents

バルブシートの接合方法

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JP2002349216A
JP2002349216A JP2001159901A JP2001159901A JP2002349216A JP 2002349216 A JP2002349216 A JP 2002349216A JP 2001159901 A JP2001159901 A JP 2001159901A JP 2001159901 A JP2001159901 A JP 2001159901A JP 2002349216 A JP2002349216 A JP 2002349216A
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solid
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cylinder head
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JP2001159901A
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Nobuo Mizutani
伸郎 水谷
Shigenori Matsui
重範 松井
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブシートがヘッドに対して物理的に保持
される接合形状を摩擦接触により簡単に実現できるバル
ブシートの接合方法を提供する。 【解決手段】 ヘッド1の開口11周りに固相流動体を
生じさせ、この固相流動体でバルブシート2の抜け止め
を行うに際して、前記固相流動体をバルブシート2の外
周21を超えて延在する押圧体3を開口11周りに摩擦
接触させて生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの機関弁
などにおけるバルブシートをヘッドの開口に接合する方
法に関し、特に摩擦接触を用いてバルブシートの抜け止
めを行うバルブシートの接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にエンジンの機関弁におけるバルブ
シートの接合は、鉄系焼結合金などにより形成されたリ
ング状のバルブシートを、アルミニウム合金製のシリン
ダヘッドの吸気ポート及び排気ポートの開口周囲の凹部
に、加熱圧入することにより行われていた。
【0003】この加熱圧入方式では、焼きばめ等の内部
応力に耐えるために、リング状のバルブシートを比較的
厚肉とする必要がある。そのため、内部応力が少ない溶
接等によりバルブシートを接合し、バルブシートの薄肉
化を図る試みがなされている。特開平11−50823
号公報に、超音波振動を印加して行う摩擦圧接を用いる
方法が提案されている。また、特開平8−296417
号公報や特開2000−263241号公報に、電気抵
抗溶接を用いる圧接方法が提案されている。
【0004】いずれの方法でも、アルミニウム合金のシ
リンダヘッドと鉄系焼結合金のバルブシートとの異材質
間の接合であるため、接合境界部に形成される脆弱な金
属間化合物や酸化皮膜により、接合強度が確保できな
い。そのため、バルブシート自体に、アルミニウム合金
に対して拡散性を有する拡散材料を固着又は含浸させた
り、ろう材を介在させたりして接合強度を確保すること
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した摩擦圧接や電
気抵抗溶接によるバルブシートの接合では、比較的厚み
を薄くできるなどの設計上の自由度が確保できるもの
の、抜け落ちを完全に防止する接合強度が確保できず、
未だ実用化に至っていない。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、バルブシートがヘッドに対し
て物理的に保持される接合形状を摩擦接触により簡単に
実現できるバルブシートの接合方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する請
求項1に記載のバルブシートの接合方法は、ヘッドの開
口にリング状のバルブシートを接合するバルブシートの
接合方法であって、前記ヘッドの開口周りに固相流動体
を生じさせ、この固相流動体で前記バルブシートの抜け
止めを行うものであり、前記固相流動体を前記バルブシ
ートの外周を超えて延在する押圧体を前記開口周りに摩
擦接触させて生じさせることを特徴とするものである。
この請求項1の構成によれば、ヘッド側に生じる固相流
動体がバルブシートの外周を超えて延在する押圧体の開
口周りへの摩擦接触により生じるため、バルブシートの
抜け止めのための固相流動体を十分に生じさせることが
できるとともに、バルブシートの形状を最終形状に近い
ものにすることができる。
【0008】請求項2に記載のバルブシートの接合方法
は、請求項1において、前記押圧体は、前記バルブシー
トを保持するものである。この請求項2の構成によれ
ば、押圧体にバルブシートが保持されているため、押圧
体で位置決めされたバルブシートがヘッドの所定位置に
接合される。
【0009】請求項3に記載のバルブシートの接合方法
は、請求項2において、前記バルブシートは、その外周
に前記開口に向かって縮径する縮径部を有し、この縮径
部に流れ込む前記固相流動体により抜け止めされる。こ
の請求項3の構成によれば、縮径部に流れ込んだ固相流
動体が例えば楔状となってバルブシートに対する物理的
な抜け止めとなる。
【0010】請求項4に記載のバルブシートの接合方法
は、請求項3に記載の発明において、前記開口は、前記
バルブシートが挿入される段付き穴を有し、前記バルブ
シートの外周と前記段付き穴の内周との間に隙間が形成
されている。この請求項4の構成によれば、縮径部に流
れ込む固相流動体によって押し出されようとする空気が
バルブシートの外周と段付き穴の内周との間の隙間から
外部に流れ出て、固相流動体に対する空気の巻き込みが
少なくなる。
【0011】請求項5に記載のバルブシートの接合方法
は、請求項1に記載の発明において、前記バルブシート
が前記開口の側に予め保持されている。この請求項5の
構成によれば、バルブシートをヘッド側に予め保持され
ているため、押圧体はヘッド側との摩擦接触で固相流動
体を生じさせる単純形状のものであればよい。
【0012】請求項6に記載のバルブシートの接合方法
は、請求項5に記載の発明において、前記バルブシート
は、その外周に前記開口に向かって縮径する縮径部を有
し、この縮径部に流れ込む前記固相流動体により抜け止
めされる請求項5に記載のバルブシートの接合方法。こ
の請求項6の構成によれば、縮径部に流れ込んだ固相流
動体が例えば楔状となってバルブシートに対する物理的
な抜け止めとなる。
【0013】請求項7に記載のバルブシートの接合方法
は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前
記固相流動体は、前記押圧体を回転させながら前記ヘッ
ドに向けて加圧することにより形成されたものである。
この請求項7の構成によれば、バルブシートのヘッドへ
の物理的接合に十分な固相流動体が形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。 〔第1実施形態〕図1及び図2は、本発明の第1実施形
態のバルブシートの接合方法を示す図である。図1は第
1実施形態の接合方法の接合前状態を示す図であり、図
2は接合手順を示す図である。
【0015】図1において、1はヘッドの一例であるシ
リンダヘッドであり、2はバルブシートであり、3は押
圧体である。
【0016】シリンダヘッド1は、アルミニウム合金
(例えばAl−Si系)の様な軟質金属で形成されてお
り、通路となる開口11を有する。この開口11の端面
11aの周囲に、大径部12と底部13とからなる段付
き穴14が形成されている。
【0017】バルブシート2は、鉄系の合金又はそれら
合金の焼結体の様な硬質金属で形成されており、外周部
21と、内周部22と、内側側面23と、外側側面24
とを有するリング状である。外周部21は、開口11の
外側(燃焼室側)に向かう方向に傾斜する縮径部となっ
ており、その最大外径部21aはシリンダヘッド1の大
径部12の内径より小さくなっており、両者の間には隙
間δが存在する。内周部22は、シリンダヘッド1の開
口11の内径より僅かに小さな内径と、バルブシートの
座面22aとを有し、後述する押圧体3の小径軸部32
に嵌入される。内側側面23は、段付き穴14の底部1
3に対する当接面となっている。外側側面24は、後述
する押圧体3の作用面33に対する当接面となってい
る。
【0018】押圧体としての押圧体3は、回転可能且つ
押圧可能な工作機械の駆動軸に取り付けられた工具であ
り、大径軸部31と、小径軸部32と、中心軸に垂直な
作用面33とを有する。小径軸部32は、バルブシート
2を共に回転するように保持する。回転確保のため、押
圧体3とバルブシート2の間に図示されないキー嵌合等
の係止手段が設けられている。作用面33の中間軸側
は、バルブシート2の外側側面24が当接する。作用面
33の外周側は、バルブシート2の外周を超えて延在
し、シリンダヘッド1の開口11の周りの端面11aに
対する接触面となる。この接触面の作用範囲は、大径軸
部31の外径で決まるようになっている。
【0019】つぎに、図1及び図2により、接合手順を
説明する。図1のように、バルブシート2を保持する押
圧体3の回転軸と、シリンダヘッド1の開口11及び大
径部12の中心軸とを一致させる。図2(a)のよう
に、押圧体3を、シリンダヘッド1に向けて回転させな
がら押し込む。押圧体3の作用面33がシリンダヘッド
1の端面11aに当たり、端面11aの軟質金属が固相
流動を起こす。端面11aに生じた固相流動体4が、バ
ルブシート2の外周部21とシリンダヘッド1の大径部
12との間を外側から順に埋めていき、空間にある空気
は内側(反燃焼室側)に向かって流れ開口11へと押し
出される。なお、本明細書おいて、固相流動体とは、温
度上昇により軟化し、固相状態のまま流動可能な状態に
なったものを言う。
【0020】図2(b)のように、押圧体3の回転押し
込みが続くと、バルブシート2の外周部21とシリンダ
ヘッド1の大径部12の間が隙間なく固相流動体4で埋
められる。また、バルブシート2の内側側面23がシリ
ンダヘッド1の底部13に接触され、底部13にも点線
で示される固相流動体4が生じ、内側側面23が底部1
3にも接合される。外側に向かって縮径方向に傾斜する
外周部21の周りの固相流動体4は、楔状となってシリ
ンダヘッド1と一体となり、バルブシート2の物理的な
抜け止め作用を果たす。
【0021】図2(c)のように、シリンダヘッド1か
ら押圧体3を引き抜くと、バルブシート2はシリンダヘ
ッド1の側に残り、押圧体3の作用面33がシリンダヘ
ッド1の端面11a及び固相流動体4から引き剥がされ
る。
【0022】押圧体3の作用面33と固相流動体4の剥
離性を良くする為に、押圧体3の少なくとも作用面33
は、シリンダヘッド1の材質と比較して高融点で硬質で
ある金属又はセラミックで形成するか、シリンダヘッド
1の材質と比較して高融点で硬質の金属又はセラミック
の溶射層を有するものにすることが好ましい。
【0023】また、押圧体3の大径軸部31の外径とシ
リンダヘッド1の大径部21の内径との径差、及び、押
圧体3の作用面33のシリンダヘッド1の端面11aへ
の押し込み代εを適正に選定することによって、バルブ
シート2の外周に向かう固相流動体4の量を制御するこ
とができる。
【0024】以上説明した接合方法により形成されたバ
ルブシート2の接合構造を、図3により説明する。図3
において、バルブシートの接合構造Aは、シリンダヘッ
ド1と、バルブシート2とから構成される。シリンダヘ
ッド1の開口11の端に段付き穴14が形成され、この
段付き穴14内にリング状のバルブシート2が嵌入状態
で接合されている。バルブシート2の外周に外側に向か
って縮径する外周部21が形成され、この外周部21の
回りに楔状になった固相流動体4が充填され固化してい
る。バルブシート2の外側(燃焼室側)の内周が45°
に加工され座面22aが形成されている。このようなバ
ルブシートの接合構造Aに於いて、弁体7が、バルブシ
ート2の座面22aに対して昇降自在に配置されること
により、エンジンの機関弁Bが構成される。
【0025】〔第2実施形態〕図4及び図5は、本発明
の第2実施形態のバルブシートの接合方法を示す図であ
る。図4は第2実施形態の接合方法の接合前状態を示す
図であり、図5は接合手順を示す図である。
【0026】図4において、図1のものと異なる点は、
バルブシート2がヘッドシリンダ1の側に予め挿入され
保持されている点である。次の相違点は、バルブシート
2の挿入状態を安定させるため、バルブシート2の最大
外径部21aとシリンダヘッド1の大径部12との間に
隙間がない点である。更に次の相違点は、押圧体3は、
バルブシート2に対する位置決め用の突起35を有する
点である。この突起35は、バルブシート2の座面22
aと係合して位置決めされる。その他の点については、
図1で説明したものと同様であるため、同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0027】つぎに、図4及び図5により、接合手順を
説明する。図4のように、バルブシート2を保持する押
圧体3の回転軸と、シリンダヘッド1の開口11及び大
径部12の中心軸とを一致させる。図5(a)のよう
に、押圧体3を、シリンダヘッド1に向けて回転させな
がら押し込む。押圧体3の作用面33がシリンダヘッド
1の端面11aに当たり、端面11aの軟質金属が固相
流動を起こす。端面11aに生じた固相流動体4が、バ
ルブシート2の外周部21とシリンダヘッド1の大径部
12との間を外側から順に埋めていき、空間にある空気
は内側(反燃焼室側)に向かって流れ開口11へと押し
出される。
【0028】図5(b)のように、押圧体3の回転押し
込みが続くと、バルブシート2の外周部21とシリンダ
ヘッド1の大径部12の間が隙間なく固相流動体4で埋
められる。また、バルブシート2の座面22aが突起3
5に当たり、バルブシート2の接合位置が位置決めされ
る。バルブシート2を押圧体3とともに、回転させても
よく、また回転させなくてもよいが、回転させると、シ
リンダヘッド1の底部13にも固相流動体4が生じる。
外側に向かって縮径方向に傾斜する外周部21の周りの
固相流動体4は、楔状となってシリンダヘッド1と一体
となり、バルブシート2の物理的な抜け止め作用を果た
す。
【0029】図5(c)のように、シリンダヘッド1か
ら押圧体3から離すと、押圧体3の作用面33がシリン
ダヘッド1の端面11a及び固相流動体4から引き剥が
される。
【0030】以上説明した第1実施形態及び第2実施形
態は、以下に説明する効果を奏する。 (1)第1実施形態及び第2実施形態において、バルブ
シート2の外周に固相流動体4を直接流し込むことがで
きるため、バルブシート2の外周に十分な固相流動体4
を形成し、バルブシート2をシリンダヘッド1の側に確
実に固定することができる。また、バルブシートの外周
を縮径部にすると、バルブシート2の外周に固相流動体
4を楔状に流し込んで強固に固定することができる。さ
ちに、シリンダヘッド1の側に生じさせる固相流動体4
の範囲も最小限にでき、押圧体3の押圧力をそれほど高
める必要もなくなる。
【0031】(2)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、バルブシート2を固定する固相流動体4を、主と
して押圧体3とシリンダヘッド1の摩擦接触により生じ
させ、バルブシート2とシリンダヘッド1の摩擦接触だ
けにより生じさせるものでないため、バルブシート2の
形状を最終形状に近いものにすることができる。バルブ
シート2は硬質金属で形成されており、後加工の手間が
係る為、バルブシート2を最終形状に近いものにして、
加工を最小限にすることは、コスト低減に有利である。
また、バルブシート2の座面22aを予め最終形状に加
工しておくと、接合後のバルブシート2の加工を省くこ
とも可能になる。
【0032】(3)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、バルブシート2の外周に流れ込む固相流動体4が
外側から内側に向かうため、バルブシート2の外周の空
間にあった空気が開口11の側に逃げ、固相流動体4に
空気が混入しにくく、固相流動体4による接合を確実な
ものとすることができる。
【0033】(4)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、押圧体3が退出した後に、バルブシート2の外周
に流れ込んだ固相流動体4が外側に露出しているため、
固相流動体4によるバルブシート2の固定を外観検査で
確認できる。そのため、全数の検査が簡単にでき、確実
に接合されたものだけを製品とすることができる。
【0034】(5)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、いずれも押圧体をシリンダヘッドに摩擦接触させ
ること摩擦接合により固相流動体を形成しており、電気
抵抗溶接の電流管理に比較して、回転数、圧力、押し込
み量等の管理しやすい因子であるため、再現性が高く、
品質が安定し、生産設備も簡素な機構で済む。
【0035】(6)第1実施形態において、バルブシー
ト2は、押圧体3に共回転可能に保持されているため、
バルブシート2のシリンダヘッド1への接合位置が押圧
体3のシリンダヘッド1への押し付け精度で決まり、バ
ルブシート2をシリンダヘッド1に正確に固定すること
ができる。また、バルブシート2は押圧体3と共に回転
するため、バルブシート2の最大外径部21aとシリン
ダヘッド1の大径部12の間に隙間δを設け、この隙間
δからの空気の逃げを確保することができる。
【0036】(7)第2実施形態において、バルブシー
ト2はシリンダヘッド1の側に予め保持されているた
め、シリンダヘッド1に対する押圧体3の形状を簡単に
することができ、押圧体3にバルブシート2を保持する
手間が省ける。
【0037】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように変更して実施してもよ
い。 (1)第1実施形態及び第2実施形態において、バルブ
シート2の形状は、その外周が外側(燃焼室側)に向か
って傾斜して縮径するものに限らず、図6に示すよう
に、バルブシート2の外向きに開口する段部25であっ
てもよい。また、バルブシート2の外周の半円断面のリ
ング状溝であってもよい。要は、バルブシート2にシリ
ンダヘッド1から流れ込む固相流動体が抜け止めになる
ような形状を外周に有するもので良い。
【0038】(2)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、押圧体3の作用面33の形状は中心軸に垂直な面
に限らず、シリンダヘッド1に対して少ない押圧力で固
相流動体を形成せしめるように突起を設けてもよい。例
えば、図6のように、押圧体3の大径軸部31の外周先
端36を鋭角にし、皿状のくぼみ37を形成したものに
してもよい。この場合、外周先端36がシリンダヘッド
1に当たり、少ない押圧力でシリンダヘッド1側に固相
流動体を生じせしめる。また、生じた固相流動体を押圧
体3の皿状くぼみ37に沿わせて流し、バルブシート2
の段部25に向かわせることができる。
【0039】(3)第1実施形態において、シリンダヘ
ッド1とバルブシート2との間の隙間δはあることが望
ましいが、隙間がなく、バルブシート2の内側側面とシ
リンダヘッド1との間の摩擦接触によっても、固相流動
体を生じさせ、ヘッド3のシリンダヘッド1との間の摩
擦接触によって生じる固相流動体との共同によって、バ
ルブシート2を固定するものであってもよい。
【0040】(4)第2実施形態において、シリンダヘ
ッド1に対するバルブシート2の保持は、大径部12と
外周部21との間で行うものに限らず、シリンダヘッド
1の開口11に嵌入される、バルブシート2の内側側面
23の突起により行うものであってもよい。
【0041】(5)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、シリンダヘッドに固相流動体を生じさせる摩擦接
触として、押圧回転式のものを用いる場合を説明した
が、超音波振動体を押圧する方式の摩擦接触を用いるこ
ともできる。この場合、バルブシートに超音波振動する
ホーンを押しつけることにより、加圧しながら振動させ
る。
【0042】(6)第1実施形態において、シリンダヘ
ッドがアルミニウム合金の軟質金属、バルブシートが焼
結合金の硬質金属で形成されている場合を説明したが、
シリンダヘッドが鍛造又は鋳造の鉄であって、バルブシ
ートがタングステンカーバイトを含む硬質金属の組み合
わせであってよい。シリンダヘッドとバルブシートとの
間に軟質及び硬質の差があり、硬質金属の圧接時に軟質
金属側に固相流動が生じるような組み合わせであればよ
い。
【0043】(7)第2実施形態において、バルブシー
トが予めシリンダヘッドに保持され、バルブシートを接
合する固相流動体がシリンダヘッドに対する押圧体の摩
擦接触により生じるため、バルブシートの材質は任意の
ものとすることができる。例えば、バルブシートとシリ
ンダヘッドとを同一の材質にしても良い。
【0044】(8)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、好ましい適用例として、エンジンの機関弁への適
用例を説明したが、開閉を繰り返す弁であって、バルブ
シートをヘッドの開口に別途取り付けるタイプの弁であ
れば、本実施形態のバルブシートの接合構造を採用する
ことができる。
【0045】(9)第1実施形態及び第2実施形態にお
いて、バルブシートは物理的に保持されるため、異種金
属間の接合強度をそれほど必要としないが、異種金属間
の接合状態を良好にし、熱伝達係数を上昇させるなどの
ために、焼結合金製のバルブシートに銅、亜鉛、錫、マ
グネシウム又はこれらの合金からなる拡散材料を含浸又
は/及び被覆しておくこともできる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、バルブシートの抜け止めになる固相流動体
をバルブシートの外周を超えて延在する押圧体で生じさ
せる為、バルブシートの形状を最終形状に近いものにで
き、接合後のバルブシートに対する加工を最小限にする
ことができるとともに、固相流動体に対するバルブシー
トの固定を確実なものとすることができる。
【0047】請求項2に記載の発明によれば、押圧体の
側にバルブシートを保持し、精度良くバルブシートをヘ
ッド側に固定することができる。また、請求項3に記載
の発明によれば、バルブシートの縮径部に充填された固
相流動体によって抜け止めを確実なものとすることがで
きる。また、請求項4に記載の発明によれば、固相流動
体への空気の巻き込みを最小限にすることができる。
【0048】請求項5に記載の発明によれば、ヘッド側
に予めバルブシートを保持しておくため、押圧体の形状
を簡単にすることができるとともに、押圧体による固相
流動体の形成も容易にできる。また、請求項6に記載の
発明によると、バルブシートの縮径部に充填された固相
流動体によって抜け止めを確実なものとすることができ
る。
【0049】請求項7に記載の発明によると、回転加圧
により生成される固相流動体により、バルブシートをヘ
ッドに確実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の接合方法の接合前状態を示す図
である。
【図2】接合手順を示す図である。
【図3】第1実施形態の接合方法により形成されたバル
ブシートの接合構造を示す断面図である。
【図4】第2実施形態の接合方法の接合前状態を示す図
である。
【図5】接合手順を示す図である。
【図6】バルブシートの他の形状及びシリンダヘッドの
作用面の他の形状を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド(ヘッド) 2 バルブシート 3 押圧体 4 固相流動体 11 開口 11a 端面 12 大径部 14 段付き穴 21 外周部(縮径部) 21a 最大外径部 33 作用面 δ 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G024 AA14 FA01 FA14 GA32 HA01 HA07 4E067 AA02 AA05 BG00 DA13 DC10 EB00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドの開口にリング状のバルブシート
    を接合するバルブシートの接合方法であって、前記ヘッ
    ドの開口周りに固相流動体を生じさせ、この固相流動体
    で前記バルブシートの抜け止めを行うものであり、前記
    固相流動体を前記バルブシートの外周を超えて延在する
    押圧体を前記開口周りに摩擦接触させて生じさせること
    を特徴とするバルブシートの接合方法。
  2. 【請求項2】 前記押圧体は、前記バルブシートを保持
    する請求項1に記載のバルブシートの接合方法。
  3. 【請求項3】 前記バルブシートは、その外周に前記開
    口に向かって縮径する縮径部を有し、この縮径部に流れ
    込む前記固相流動体により抜け止めされる請求項2に記
    載のバルブシートの接合方法。
  4. 【請求項4】 前記開口は、前記バルブシートが挿入さ
    れる段付き穴を有し、前記バルブシートの外周と前記段
    付き穴の内周との間に隙間が形成されている請求項3に
    記載のバルブシートの接合方法。
  5. 【請求項5】 前記バルブシートが前記開口の側に予め
    保持されている請求項1に記載のバルブシートの接合方
    法。
  6. 【請求項6】 前記バルブシートは、その外周に前記開
    口に向かって縮径する縮径部を有し、この縮径部に流れ
    込む前記固相流動体により抜け止めされる請求項5に記
    載のバルブシートの接合方法。
  7. 【請求項7】 前記固相流動体は、前記押圧体を回転さ
    せながら前記ヘッドに向けて加圧することにより形成さ
    れたものである請求項1〜6のいずれかに記載のバルブ
    シートの接合方法。
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