JPH08270216A - 壁面開口型枠用の接合面木 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート壁に、周縁に面取りによる傾斜
面が形成された方形の開口部を能率よくかつ美しく形成
するためのコンクリート型枠材への接合面木を提供す
る。 【構成】 コンクリート型枠材Ａ，Ｂの開口端の外周の
各コーナー部を、断面が直角三角形状にして水平部分１
ａと垂直部分１ｂが一体的に連続したＬ型接合面木１で
もって囲むようにし、この各Ｌ型接合面木１の間に、断
面が直角三角形状にをなしたストレート接合面木３，３
を配することによって、コンクリート壁に周縁が面取り
による傾斜面が形成された方形の開口部ができるように
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築物あるいは土木構
造物の窓や点検口などの開口部を形成する際に、コンク
リート打設に先立ってコンクリート型枠材を開口部寸法
に合わせて方形状に組み合わせた状態で設置し、コンク
リート打設後型枠材を取り除いたときに、開口部周縁に
綺麗な傾斜面取り部分を同時に形成させることができる
壁面開口型枠用の接合面木に関するものであり、さらに
望ましくはコンクリート型枠材への上記接合面木の取り
付けが容易であり、コンクリート型枠材の除去時には取
り付けた接合面木を破損することもなく型枠の再利用も
可能となる壁面開口型枠用の接合面木に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築物あるいは土木構造物の窓や
点検口などの開口部を形成する場合、単板や合板を開口
部の寸法に合わせて切断して方形の筒形となし、このコ
ンクリート型枠材を所定位置に設置したのちコンクリー
トを打設し、型枠を除去することによってコンクリート
壁面に開口部空間を形成している。

【０００３】このようにして形成されるコンクリート壁
の開口部には、内面にサッシ枠体や点検口枠体を配設固
定するために、開口部の周縁に面取りされた傾斜面を形
成しておくことが要求され、この面取り傾斜面を形成す
るためにコンクリート型枠材の端部外面側に断面が三角
形状をなした金属製や木製の面取り部材が取り付けられ
たのち、コンクリートを打設している。

【０００４】即ち、図１３に示したように、上下のコン
クリート型枠材Ａ，Ａと左右のコンクリート型枠材Ｂ，
Ｂとを方形の筒状に組み合わせ、この組み合わされたコ
ンクリート型枠材の端部外周に、面取り傾斜面を形成す
るために端部外面側に断面が三角形状をなした金属製や
木製のストレートな面取り部材Ｅ，Ｅを取り付け、この
状態で所定位置に設置したのちコンクリートを打設し、
しかるのち型枠を除去することによってコンクリート壁
面に周囲に面取り傾斜面が形成された開口部空間を形成
している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ストレ
ートの面取り用の部材Ｅ，Ｅでもって型枠の開口端面に
額縁状の方形枠を形成すると、図１４に示しているよう
に、コーナー部において直交する一方の面取り部材Ｅの
端部Ｅ１が他方の面取り部材Ｅの斜面Ｅ２から突出し、
その端部Ｅ１を他方の面取り部材Ｅの斜面Ｅ２と同一面
になるように斜めに切断加工をしなければならず、作業
性が悪いとともにコーナー部の仕上がりが不体裁とな
る。

【０００６】本発明は、コンクリート型枠材の開口コー
ナー部にＬ字型の接合面木を使用することによって上記
課題を解決した。

【０００７】即ち本発明の接合面木は、壁面に方形状の
開口穴を形成するための方形状に組み合わされたコンク
リート型枠材の開口端外周辺に沿って接合させる壁面開
口型枠用の接合面木であって、開口型枠のコーナー部に
位置する接合面木が、断面が直角三角形状をなして水平
部分と垂直部分が連続したＬ字型に形成されていること
を特徴としているものである。

【０００８】そして最も好ましい本発明の接合面木は、
上記Ｌ字型の接合面木の水平部分または垂直部分の両方
またはいずれか一方の長さが、コンクリート型枠材の厚
さ寸法と略同等に形成されていることを特徴としている
ものである。

【０００９】また、壁面に方形状の開口穴を形成するた
めの方形状に組み合わされたコンクリート型枠材の開口
端外周辺に沿って接合させる壁面開口型枠用の本発明の
接合面木は、接合面木の断面が直角三角形状をなし、開
口型枠のコーナー部に位置するＬ字型の接合面木と、こ
のＬ字型の接合面木間に配されるストレート面木とから
構成されていることを特徴としているものである。

【００１０】上記した本発明の接合面木は、硬質で軽量
な発泡プラスチックで形成することが経済性の点で好ま
しく、また型枠への取り付けを容易にするために、断面
が三角形の接合面木の斜面から型枠の端面へ当接される
底面に向かって貫通する細孔を間隔をおいて配設してお
くとよい。

【００１１】

【作用】壁面に方形状の開口穴を形成するための方形状
に組み合わされたコンクリート型枠材の開口端外周辺の
各コーナー部に、まず本発明のコーナー用のＬ字型の接
合面木を止着し、しかるのち断面が同形のストレート接
合面木を止着した各Ｌ字型の接合面木の間の寸法に切断
してコンクリート型枠材の開口端外周辺の直線部に止着
するという作業によって、迅速にかつ美しく型枠材の開
口端外周辺を接合面木で囲むことができ、型枠および接
合面木の除去後のコンクリート壁の開口部に、面取りさ
れた傾斜面を形成することができる。

【００１２】そして殊に、上記Ｌ字型の接合面木の水平
部分および垂直部分の長さが、コンクリート型枠材の厚
さ寸法と略同等に形成されている接合面木、水平部分ま
たは垂直部分のいずれか一方の長さが、コンクリート型
枠材の厚さ寸法と略同等に形成されている接合面木をコ
ンクリート型枠材の各コーナー部に取り付けて使用すれ
ば、Ｌ型コーナー接合面木の少なくとも一方の接合面木
部分がコンクリート型枠材の丁度端面に位置し、上下及
び左右のＬ字型の接合面木の間に配されるストレートな
接合面木の端面と一致し、また使用後には各接合面木を
破損することなく方形状に組み合わされたコンクリート
型枠材を解体することもでき、コンクリート型枠材およ
び接合面木の再利用を可能にする。

【００１３】

【実施例】以下、本発明をその実施例を示している図に
もとづいて説明する。図において１は硬質発泡プラスチ
ックでもって形成された断面が直角三角形のコーナー用
のＬ型接合面木、１ａはその水平部分、１ｂは垂直部
分、ＡおよびＢは上下および左右のコンクリート型枠
材、２は接合面木１の取り付け用の細孔、そして３はＬ
型のコーナー用接合面木１，１間に配される硬質発泡プ
ラスチックでもって形成された断面三角形のストレート
接合面木である。

【００１４】「実施例１」 図１および図２に示してい
るように、断面が直角三角形状をなし、水平部分１ａお
よび垂直部部１ｂの長さがそれぞれ８ｃｍのＬ型接合面
木１を使用し、この接合面木１を、壁面に方形状の開口
穴を形成するための方形状に組み合わされたコンクリー
ト型枠材Ａ，Ｂの開口端外周辺の上下および左右の各コ
ーナー部にその細孔２を利用して釘打ち４して固定し、
固定した各Ｌ型接合面木１，１間に、断面がＬ型接合面
木１と同形のストレート接合面木３を釘打ち固定してコ
ンクリート壁面開口部用の型枠とした。

【００１５】この型枠を使用してコンクリート型枠Ｃ，
Ｃ間にコンクリートＤを打設して壁面開口部を形成した
ところ、図３および図４に示しているように、開口部１
０の外側周縁には美しく面取りされた傾斜面１１を形成
することができた。

【００１６】「実施例２」 図５，６および図７，８に
示しているように、断面が直角三角形状をなし、水平部
分１ａの長さが１０ｃｍ、垂直部部１ｂの長さがコンク
リート型枠材Ａ，Ｂの厚さと略同じ１２ｍｍのＬ型接合
面木１を製作し、この接合面木１を、壁面に方形状の開
口穴を形成するための方形状に組み合わされたコンクリ
ート型枠材Ａ，Ｂの開口端外周辺の右上と左下のコーナ
ー部に図５に示したＬ型接合面木１を、そして左上と右
下のコーナー部に図７に示したＬ型接合面木１をそれぞ
れその細孔２，２を利用して釘打ち固定し、上記実施例
１と同様にして固定した各Ｌ型接合面木１，１間に、図
９に示したように、断面がＬ型接合面木１と同形のスト
レート接合面木３を釘打ち固定し、図１０に示したごと
きコンクリート壁面開口部用の型枠となした。

【００１７】この型枠を使用してコンクリートを打設し
て壁面開口部を形成したところ、コンクリート型枠材
Ａ，Ｂとともに各接合面木１，３が破損することなく型
枠の解体除去ができ、また実施例１と同様に開口部１０
の外側周縁には美しく面取りされた傾斜面１１を形成す
ることができた。

【００１８】「実施例３」 図１１および図１２に示し
ているように、断面が直角三角形状をなし、水平部分１
ａおよび垂直部部１ｂの長さがそれぞれコンクリート型
枠材Ａ，Ｂの厚さと略同じ１２ｍｍのＬ型接合面木１を
製作し、この接合面木１を、壁面に方形状の開口穴を形
成するための方形状に組み合わされたコンクリート型枠
材Ａ，Ｂの開口端外周辺の右上と左下のコーナー部にそ
れぞれその細孔２，２を利用して釘打ち固定し、上記実
施例１と同様にして固定した各Ｌ型接合面木１，１間
に、断面がＬ型接合面木１と同形のストレート接合面木
３を釘打ち固定してコンクリート壁面開口部用の型枠と
なした。

【００１９】この型枠を使用してコンクリートを打設し
て壁面開口部を形成したところ、コンクリート型枠材
Ａ，Ｂとともに各接合面木１，３が破損することなく型
枠の解体除去ができ、また実施例１と同様に開口部の１
０外側周縁には美しく面取りされた傾斜面１１を形成す
ることができた。そしてこの実施例３による型枠コーナ
ー部用のＬ型接合面木１は、小型でありコーナー部の上
下左右に関係なく使用でき、接合面木の固定作業上好都
合であった。

【００２０】なお上記実施例における三角形断面のＬ型
のコーナー接合面木１の斜面から型枠の端面への当接さ
れる底面に向かって貫通する細孔２，２が設けられ、こ
の細孔２，２を利用して釘やビスによってコンクリート
型枠材Ａに止着固定されるようになっている。しかしな
がらこの釘やビスによる固定手段に代えて接着剤による
固定手段を用いてもよい。またストレート接合面木３
は、後記するようにコンクリート型枠材Ａ，Ｂの上下お
よび左右のコーナー部にＬ型接合面木１，１を固定した
のち、各Ｌ型の接合面木１，１の間隔寸法に合わせて切
断し、Ｌ型の接合面木１，１と同様にして固定するとよ
い。

【００２１】なお、上記実施例のＬ字型接合面木１は発
泡プラスチック、特に硬質の発泡プラスチックを使用す
ると軽量でかつ量産が可能である。

【００２２】

【発明の効果】このように本発明の壁面開口型枠用の接
合面木は、壁面に方形状の開口穴を形成するための方形
状に組み合わされたコンクリート型枠材の開口端外周辺
に沿って接合させる壁面開口型枠用の接合面木であっ
て、開口型枠のコーナー部に位置する接合面木が、断面
が直角三角形状をなして水平部分と垂直部分が連続した
Ｌ型に形成されているから、壁面に方形状の開口穴を形
成するための方形状に組み合わされたコンクリート型枠
材の開口端外周辺の各コーナー部に、まず本発明のＬ型
接合面木を止着し、しかるのち断面が同形のストレート
接合面木を止着した各Ｌ型の接合面木の間の寸法に切断
してコンクリート型枠材の開口端外周辺の直線部に止着
するという作業によって、迅速にかつ美しく型枠材の開
口端外周辺を接合面木で囲むことができ、型枠および接
合面木の除去後のコンクリート壁の開口部に、面取りさ
れた傾斜面を形成することができる。

【００２３】また請求項２および請求項３に記載のよう
に、上記Ｌ字型の接合面木の水平部分または垂直部分の
いずれか一方、または両方の長さが、コンクリート型枠
材の厚さ寸法と略同等に形成されたコーナー用の接合面
木を使用すれば、図１０，図１２に示しているように上
記Ｌ字型の接合面木の短辺側屈曲接合面木の先端面がコ
ンクリート型枠材の木口端面に一致するようになり、コ
ンクリート型枠材の除去作業時においてＬ型接合面木が
切断破壊されることなく型枠材を分割することもでき、
接合面木の再利用が可能となるという効果を発揮する。

【００２４】各請求項記載のＬ字型接合面木およびスト
レート接合面木を硬質の発泡プラスチックで作成すると
軽量でかつ量産が可能である。

【００２５】さらにまた請求項６に記載のように、断面
が三角形の接合面木の斜面から型枠の端面への当接され
る底面に向かって貫通する細孔を設けておくと、釘やビ
スによる止着固定が容易となるとともに、止着固定時の
接合面木の割れが防止され、能率よく接合面木の止着固
定作業を遂行することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のＬ型接合面木を示した斜視図である。

【図２】図１のＬ型接合面木の取り付け状態を示した部
分断面斜視図である。

【図３】壁面開口型枠を本発明の接合面木を用いたコン
クリート型枠材によるコンクリートの打設状態を示した
断面図である。

【図４】コンクリートの打設により形成した壁面開口部
の断面図である。

【図５】本発明のＬ型接合面木の他の実施例を示した斜
視図である。

【図６】図５のＬ型接合面木を裏面から見た斜視図であ
る。

【図７】図５のＬ型接合面木と対称形のＬ型接合面木を
示した斜視図である。

【図８】図７のＬ型接合面木を裏面から見た斜視図であ
る。

【図９】ストレート接合面木の斜視図である。

【図１０】図５〜図９の接合面木をコンクリート型枠材
に取り付けた状態の部分破断斜視図である。

【図１１】本発明のＬ型接合面木の他の実施例を示した
斜視図である。

【図１２】図１１のＬ型接合面木の取り付け状態を示し
た部分断面斜視図である。

【図１３】従来の接合面木の取り付け状態を示した斜視
図である。

【図１４】従来のストレート接合面木を使用した場合の
コーナー部の背面斜視図である。

【符号の説明】

１．Ｌ型接合面木 1a．Ｌ型接合面木の水平部分 1b．Ｌ型接合面木の垂直部分 ２．細孔 ３．ストレート接合面木 ４．釘打ち Ａ．コンクリート型枠材 Ｂ．コンクリート型枠材 10．開口部 11．傾斜面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面に方形状の開口穴を形成するための
   方形状に組み合わされたコンクリート型枠材の開口端外
   周辺に沿って接合させる壁面開口型枠用の接合面木であ
   って、開口型枠のコーナー部に位置する接合面木が、断
   面が直角三角形状をなして水平部分と垂直部分が連続し
   たＬ字型に形成されていることを特徴とする壁面開口型
   枠用の接合面木。
2. 【請求項２】 上記Ｌ字型の接合面木の水平部分または
   垂直部分のいずれか一方の長さが、コンクリート型枠材
   の厚さ寸法と略同等に形成されていることを特徴とする
   請求項１記載の壁面開口型枠用の接合面木。
3. 【請求項３】 上記Ｌ字型の接合面木の水平部分および
   垂直部分の長さが、コンクリート型枠材の厚さ寸法と略
   同等に形成されていることを特徴とする請求項１記載の
   壁面開口型枠用の接合面木。
4. 【請求項４】 壁面に方形状の開口穴を形成するための
   方形状に組み合わされたコンクリート型枠材の開口端外
   周辺に沿って接合させる壁面開口型枠用の接合面木であ
   って、接合面木は断面が直角三角形状をなし、開口型枠
   のコーナー部に位置するＬ字型の接合面木と、このＬ字
   型の接合面木間に配されるストレート面木とからなるこ
   とを特徴とする壁面開口型枠用の接合面木。
5. 【請求項５】 接合面木が、発泡プラスチックで形成さ
   れていることを特徴とする請求項１または請求項３記載
   の壁面開口型枠用の接合面木。
6. 【請求項６】 断面が三角形の接合面木の斜面から型枠
   の端面への当接される底面に向かって貫通する細孔が設
   けられていることを特徴とする請求項１または請求項３
   記載の壁面開口型枠用の接合面木。