JPH0826915A - 殺菌方法及び殺菌剤の使用方法 - Google Patents
殺菌方法及び殺菌剤の使用方法Info
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- JPH0826915A JPH0826915A JP18986294A JP18986294A JPH0826915A JP H0826915 A JPH0826915 A JP H0826915A JP 18986294 A JP18986294 A JP 18986294A JP 18986294 A JP18986294 A JP 18986294A JP H0826915 A JPH0826915 A JP H0826915A
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Abstract
定に維持し、殺菌効率を高める。 【構成】 ビピリジン、テルピリジンなどの置換基を有
していてもよい複数個のピリジン環が単結合によって結
合したピリジン環集合型化合物又はその塩もしくは錯体
を含む殺菌剤により、被殺菌液をpH8程度以上のアル
カリ性条件下で殺菌処理する。前記ピリジン環集合型化
合物の塩にはハロゲン化水素酸塩等が、また、ピリジン
環集合型化合物の錯体には遷移金属錯体または遷移金属
−アミノ酸錯体等が含まれる。前記殺菌剤の添加量は
0.1〜30000ppm程度である。この方法は、水
溶性金属加工油、水性樹脂エマルジョン塗料、紙用塗工
液、セメント減水剤等の水性組成物の防腐、防黴に適用
できる。
Description
金属加工油、セメントなどの分野における水性組成物の
防腐および防黴のために有用な殺菌方法及び殺菌剤の使
用方法、並びに防菌または防黴処理された水性組成物に
関する。
いて、水性組成物の多様化に伴い、微生物の増殖による
災害やトラブルが広範に亘っている。例えば、製紙工業
において用いられる塗工液、金属加工の分野で使用され
る水溶性金属加工油、塗料や接着剤の分野で使用される
合成樹脂水性エマルジョンや水性ラテックス、生コンク
リートを製造する際に分散剤として用いられるセメント
減水剤などは、保存中に微生物により腐敗し、粘度変化
や着色だけでなく、悪臭を発生させる。また、澱粉糊な
どを含むサイズ剤に黴が発生すると、供給ノズルを詰ら
せて、連続運転が困難となる。このような水性組成物は
アルカリ性であることが多い。
環水系の利用が盛んに行われている。このような利用に
際し、微生物の増殖の制御及び抑制が重要な課題となっ
ている。例えば、製紙工程中のパルプスラリー循環冷却
水を供給するための導管、送液路などの内壁、特に澱む
箇所には、スライム(泥状微粒固形物)が付着し易く、
しばしばスライム障害を引き起こす。このスライムの発
生には細菌類、真菌類、藻類など、多種多様な生物群が
関与している。そして、スライムがパルプスラリーの異
物として混入すると、変色など製品の品質を低下させる
だけでなく紙切れを生じ、抄紙機の連続運転を阻害する
要因となり生産効率を大幅に低下させる。
去するための工業用殺菌剤として、イソチアゾロン系化
合物、ハロシアノアセトアミド系化合物、ブロモニトロ
アルコール系化合物などの各種化合物を含む殺菌剤が提
案されている(例えば、特公昭60−54281号公
報、特開昭60−84203号公報、特開昭61−83
105号公報、特開昭62−70301号公報、特開平
3−176407号公報、特開平5−201810号公
報など)。
未だ十分でない。また、これらの殺菌剤は、アルカリ性
又は高温条件下では分解しやすく、殺菌活性が大巾に低
下する。そのため、アルカリ性を示す水性組成物、特に
熱処理工程を経て製造される水性組成物の殺菌には使用
できない。
錯体に抗菌または殺菌作用のあることが知られている。
例えば、武田研究所年報、第26巻、第157頁(19
67年)には、2,2′−ビピリジンが、植物に発生す
る菌に対して抑制効果があることが記載されている。ま
た、ケミカルアブストラクト(Chemical Abstract )、
第93巻、(7):62289e;ケミカルアブストラ
クト(Chemical Abstract )、第113巻、(19):
168802pなどには、2,2′−ビピリジンの鉄錯
体などが抗菌活性を有することが記載されている。
又はその錯体を、通常用いられる中性条件下で使用して
も、十分な殺菌または抗菌効果が得られない。
は、少量であっても強い殺菌または抗菌効果が得られる
殺菌方法を提供することにある。
効果を効果的に発揮させる殺菌剤の使用方法を提供する
ことにある。
が著しく抑制された水性組成物を提供することにある。
を達成するため鋭意検討の結果、ビピリジンなどのピリ
ジン環集合型化合物を含む殺菌剤をアルカリ性条件下で
用いると、意外にも、殺菌又は抗菌活性が著しく向上す
ることを見出だし、本発明を完成した。
を有していてもよい複数個のピリジン環が単結合によっ
て直接結合したピリジン環集合型化合物又はその塩もし
くは錯体を含む殺菌剤により、被殺菌液をアルカリ性条
件下で殺菌処理する。
ン、テルピリジン等が含まれる。前記ピリジン環集合型
化合物の塩にはハロゲン化水素酸塩等が、ピリジン環集
合型化合物の錯体には遷移金属錯体または遷移金属−ア
ミノ酸錯体等が含まれる。
てもよい。殺菌剤の使用量は、前記ピリジン環集合型化
合物として0.1〜30000ppm程度であってもよ
い。
有していてもよい複数個のピリジン環が単結合によって
直接結合したピリジン環集合型化合物又はその塩もしく
は錯体を含む殺菌剤を、アルカリ性の水性組成物の防菌
又は防黴に用いる。前記アルカリ性の水性組成物には、
熱処理工程を経て得られる水性組成物が含まれる。
していてもよい複数個のピリジン環が単結合によって直
接結合したピリジン環集合型化合物又はその塩もしくは
錯体を含む殺菌剤により、アルカリ性条件下で防菌また
は防黴処理されている。
リジン環集合型化合物として1〜20000ppmの条
件で防菌又は防黴処理されていてもよい。また、前記水
性組成物はpH8以上の条件で防菌又は防黴処理されて
いてもよい。前記水性組成物には、水溶性金属加工油、
水性樹脂エマルジョン塗料、紙用塗工液、セメント減水
剤等が含まれる。
は、下記式で表すことができる。
において、ピリジン環の数(n+1)は2以上であれば
よいが、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜3程
度である。
ビピリジン、テルピリジン、クアテルピリジン、キンク
エピリジン、セキシピリジン等が挙げられる。これらの
化合物のなかでも、2,2′−ビピリジン、2,3′−
ビピリジン、2,4′−ビピリジン、3,3′−ビピリ
ジン、3,4′−ビピリジン、4,4′−ビピリジンな
どのビピリジン、2,2′:6′,2″−テルピリジン
などのテルピリジン等が好ましい。
リジン環は置換基を有していてもよい。前記置換基とし
ては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなど
の低級アルキル基(例えばC1-4 アルキル基など);メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基などの低級
アルコキシ基(例えばC1-4 アルコキシ基など);フェ
ニル、ナフチルなどのアリール基;フッ素、塩素、臭素
およびヨウ素のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;ヒ
ドロキシル基;カルボキシル基;置換または無置換アミ
ノ基;N−オキシ基などが例示できる。これらの置換基
は1又は2以上、好ましくは1〜4個、さらに好ましく
は1〜2個程度であり、置換基を複数個有する場合に
は、それらの置換基は同一又は異なっていてもよい。
して、例えば、4,4′−ジメチル−2,2′−ビピリ
ジン、4,4′−ジクロロ−2,2′−ビピリジン、
4,4′−ビピリジル−N,N′−ジオキシド、2,
2′−ビピリジルアミン等が例示できる。
るピリジン環は当該ピリジン環を結合する単結合と共に
縮合環を形成してもよい。このような縮合環を形成した
化合物には、1,10−フェナントロリン、5−メチル
−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ−1,10
−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フ
ェナントロリン・1/2水和物、4,7−ジフェニル−
1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−
2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリンなどの
1,10−フェナントロリン化合物などが含まれる。
臭化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝
酸、リン酸、ホウ酸などとの無機酸塩;ギ酸、酢酸、シ
ュウ酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸などとの有機
酸塩;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エ
チル、臭化プロピル、臭化ヘプチル、塩化オクチルなど
のハロゲン化アルキル(例えばハロゲン化C1-12アルキ
ルなど)とから形成されるピリジニウム塩等が含まれ
る。
て、塩酸、臭化水素酸塩などとのハロゲン化水素酸塩、
特に塩酸塩;および塩化メチルなどのハロゲン化C1-12
アルキルとから形成されるピリジニウム塩等が挙げられ
る。前記ピリジニウム塩の具体例として、例えば、1,
1′−ジメチル−4,4′−ビピリジニウムジクロリド
水和物、1,1′−ジヘプチル−4,4′−ビピリジニ
ウムジブロミド水和物などの1,1′−ジ−C1-12アル
キルビピリジニウムジハライドなどが例示できる。
ピリジン環集合型化合物から形成される錯体であれば特
に限定されず、例えば、遷移金属錯体、遷移金属−アミ
ノ酸錯体等が挙げられる。遷移金属には、チタン、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウ
ム、カドミウムなどの周期表2〜12族の金属が含まれ
る。前記アミノ酸には、グリシン、アラニン、フェニル
アラニン等のα−アミノ酸等が含まれる。
して、例えば、ビピリジンと、硫酸第一鉄や塩化第二鉄
などの鉄塩、塩化コバルトや硝酸コバルトなどのコバル
ト塩、硫酸ニッケルなどのニッケル塩、塩化第一銅や塩
化第二銅などの銅塩、塩化ルテニウムなどのルテニウム
塩、塩化亜鉛などの亜鉛塩、硫酸カドミウムなどのカド
ミウム塩、塩化マンガンなどのマンガン塩等の遷移金属
塩との錯体等が挙げられる。また、ピリジン環集合型化
合物の遷移金属−アミノ酸錯体として、例えば、ビピリ
ジンと、グリシンなどの前記α−アミノ酸と、塩化銅な
どの前記遷移金属塩との錯体等が例示できる。
集合型化合物又はその塩もしくは錯体を有効成分または
その前駆体として含む限り、その形態は特に制限され
ず、例えば、粉剤、粒剤、微粉剤、ペースト剤、噴霧剤
などであってもよいが、通常、乳剤、水和剤、水溶剤、
懸濁剤などの液剤、特に溶液状水性液剤として使用する
場合が多い。
ば、カオリン、ベントナイト、酸性白土などのクレー
類、タルク類、シリカ類、アルミナ、活性炭などが挙げ
られ、これらの固体担体は一種又は二種以上使用でき
る。
前記の有効成分を溶解又は分散可能な種々の溶媒、例え
ば、水及び/又は有機溶媒が使用できる。溶媒は水単独
であってもよいが、有機溶媒と併用する場合が多い。
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール
類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭素水素類;ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ルなどの極性溶媒;エチレングリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、グリセリンなどの多
価アルコールとその誘導体などが挙げられる。多価アル
コールの誘導体には、グリコール系溶媒、例えば、エチ
レングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソル
ブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチル
セロルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル
(ブチルセロソルブ)などのセロソルブ類;ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテルなどのカルビトール類、トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどが含まれる。こ
れらの溶媒は一種又は二種以上混合して使用できる。
価アルコール類とその誘導体などの親水性有機溶媒(特
に水溶性有機溶媒)が挙げられる。好ましい多価アルコ
ールとその誘導体には、例えば、グリコール類(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコールなど)、セ
ロソルブ類(例えば、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルな
ど)、カルビトール類(例えば、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルなど)が含まれる。
溶媒との割合は、前記ピリジン環集合型化合物等の活性
および安定性を損わない範囲で選択でき、例えば、水/
有機溶媒=95/5〜5/95(重量比)、好ましくは
10/90〜90/10(重量比)、さらに好ましくは
25/75〜75/25(重量比)程度である。
はその塩もしくは錯体の含有量は、殺菌又は抗菌活性を
損わない範囲で取扱性などを考慮して選択でき、例えば
0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%程
度である。
じて、種々の添加剤、例えば、界面活性剤、酸化防止
剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸とその
塩、ポリビニルアルコールなどの安定剤、防錆剤などの
助剤、ベントナイト、植物油、他の殺菌剤や殺虫剤、香
料などを添加してもよい。
界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤、両イオン系界面活性剤、高分子系界面活性剤など
を使用できる。これらの界面活性剤は一種または二種以
上併用できる。好ましい界面活性剤には、ノニオン系界
面活性剤、アニオン系界面活性剤が含まれる。
ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、脂肪酸多価ア
ルコールエステル、脂肪酸多価アルコールポリオキシエ
チレンエーテル、脂肪酸ショ糖エステル、酸化エチレン
と酸化プロピレンとのブロック共重合体などが挙げられ
る。
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリカルボ
ン酸とその塩、2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリ
オキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェ
ート塩、リグニンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩
などが挙げられる。前記塩としては、例えば、アンモニ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩が挙げられる。
チル−4−メチルフェノール、2,2′−メチレンビス
[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェ
ノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン、N,
N′−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどの
アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
は、例えば液剤の場合、それぞれ、0.01〜10重量
%、好ましくは0.1〜5重量%程度である場合が多
い。
応じて界面活性剤や他の添加剤とともに、前記成分と溶
媒とを撹拌手段により撹拌混合することにより調製でき
る。
合物又はその塩もしくは錯体を含む殺菌剤により、被殺
菌液をアルカリ性条件下で殺菌処理する点にある。
しくは錯体は、酸性又は中性条件下では、殺菌又は抗菌
活性を示すものの、活性の程度はさほど大きくない。し
かし、前記ピリジン環集合型化合物等をアルカリ性条件
下で用いると、殺菌又は抗菌活性が著しく増大する。し
かも、例えばイソチアゾロン系殺菌剤などの従来の殺菌
剤とは異なり、前記化合物を添加した被殺菌液(被処理
液)を、高温(例えば100℃以上)で処理しても、殺
菌または抗菌活性が低下せず、広い抗菌スペクトルが維
持される。そのため、細菌、黴、酵母など広範囲の微生
物に対する強い防菌、防黴効果を安定して得ることがで
きる。
リ性であればよいが、通常pH8以上(例えばpH8〜
14程度)、好ましくはpH8.5以上(例えばpH
8.5〜14、なかでもpH8.5〜12程度)であ
る。pH9以上の高pH条件下(例えばpH9〜14程
度)であっても高い殺菌又は抗菌効果が維持される。
ま前記殺菌剤を添加することができる。被殺菌液が酸性
又は中性である場合には、塩基性物質を添加して液性を
アルカリ性に変化させて、前記殺菌剤により殺菌処理す
る。この場合、前記殺菌剤の添加時期は、アルカリ性へ
の液性変換の前後の何れであってもよい。
性を損なわず、被殺菌液に悪影響を与えない範囲で選択
でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸
化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;
炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金
属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムな
どのアルカリ金属の炭酸水素塩;リン酸ナトリウム、リ
ン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリ
ウムなどのアルカリ金属のリン酸塩;酢酸ナトリウム、
酢酸カリウムなどのアルカリ金属の有機酸塩;アンモニ
ア;水酸化テトラブチルアンモニウムなどの四級アンモ
ニウムヒドロキシド;ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;メチル
アミン、エチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン
類;ピリジンなどの塩基性含窒素複素環化合物等が挙げ
られる。
被殺菌液(被処理液)の種類に応じて、前記ピリジン環
集合型化合物として、例えば0.1〜30000pp
m、好ましくは1〜20000ppm、さらに好ましく
は50〜10000ppm(なかでも500〜8000
ppm程度)、特に好ましくは2000〜6000pp
m程度の範囲から適当に選択できる。
リジン環集合型化合物又はその塩もしくは錯体の抗菌活
性が著しく増大する。しかも、高温(例えば100℃以
上)条件下、さらには還元性物質や求核性物質の共存下
にあっても、その活性を安定に維持できる。従って、本
発明の方法は、広範な水性組成物等の殺菌、防菌、防黴
などに適用できる。例えば、製紙パルプ工場、冷却水循
環工程などの産業用水のスライムコントロール、殺菌洗
浄等に利用できると共に、切削油などの金属加工用油
剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、紙用塗工液、表面サイ
ズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷イン
キ、セメント混和剤等における防腐、防黴などに適用で
きる。また、殺菌剤を、例えば製造工程の適当な段階で
添加することにより、スレートなどのアルカリ性の固形
物の防菌、防黴に適用することもできる。
菌又は抗菌効果が低下しないので、熱処理工程を経て得
られる水性組成物の防菌、防黴に特に有用である。熱処
理工程には、例えば50℃以上(50〜300℃程
度)、特に60〜250℃程度の温度で処理する工程が
含まれる。この場合、前記殺菌剤を、熱処理工程の前に
添加することができる。また、例えば、殺菌剤を均一に
添加することが困難な被殺菌液に対しては、被殺菌液の
原材料、中間原料等に殺菌剤を添加することにより、殺
菌処理を効率よく行うことができる。
リ性の場合には、何ら塩基性物質を加えることなく高い
殺菌又は抗菌効果が得られるので、本発明の方法は、特
に、以下に示すようなアルカリ性の水性組成物の防菌、
防黴に好適に適用できる。
水で10〜100倍程度に希釈して使用するため経済的
であり、しかも安全性が高いので、近年需要が増加して
いる。しかし、水溶性金属加工油は、水、界面活性剤、
極圧添加剤などを含んでいるので、微生物が増殖しやす
い環境となっている。そのため、徐々に腐敗が進行し
て、悪臭が発生したり、油剤が分離したりする。前記水
溶性金属加工油のpHは、通常、防錆上8.5〜10程
度である場合が多い。このような水溶性金属加工油に、
アルカリ性条件下、前記ピリジン環集合型化合物等を含
む殺菌剤を添加することにより、油の腐敗、黴の発生を
防止することができる。前記殺菌剤の添加量は、ピリジ
ン型集合型化合物として、水で希釈前の油剤原液に対し
ては、0.05〜30重量%、好ましくは0.2〜10
重量%程度、水で希釈後の水溶性金属加工油に対して
は、5〜30000ppm、好ましくは20〜1000
0ppm、さらに好ましくは50〜10000ppm
(特に、500〜8000ppm程度)である。
生物が増殖して、変質したり腐敗したりする。また、塗
料を塗布対象に塗装後、乾燥固化した塗膜表面に、黴が
付着し発育する場合もある。前記水性樹脂エマルジョン
塗料、特に、アクリル系エマルジョン(アクリルエマル
ジョン、アクリル/スチレンエマルジョンなど)、合成
ゴムラテックスはアルカリ性であることが多く、pH
は、通常8以上(例えば8〜9程度)である。なお、前
記水性エマルジョン塗料は、製造工程の途中において酸
性であっても、最終的にアルカリ性となる場合が多い。
このようなアルカリ性の水性エマルジョン塗料に、前記
殺菌剤を含有させることにより、防菌、防黴を効果的に
行うことができる。前記殺菌剤は、水性エマルジョン塗
料の製造工程のどの段階で添加してもよい。前記殺菌剤
の添加量は、ピリジン型集合型化合物として、例えば最
終製品に対しては50〜10000ppm、好ましくは
500〜8000ppm、さらに好ましくは2000〜
6000ppm程度である。
性を向上させるため、紙の表面に顔料を塗工する場合が
ある。この際用いる塗工液には、バインダーの一部とし
てカゼイン、澱粉などが含まれているため、微生物によ
り腐敗が生じやすい。また、前記塗工液では、カゼイン
などのバインダーを可溶化させるために水酸化ナトリウ
ムなどのアルカリを添加するため、pHは9〜10程度
である場合が多い。このような塗工液の腐敗を防止する
ため、前記殺菌剤を、アルカリ性条件の下、ピリジン型
集合型化合物として、例えば50〜10000ppm、
好ましくは500〜8000ppm、さらに好ましくは
2000〜6000ppm程度含有させることができ
る。
分散剤として使用されるセメント減水剤はリグニンスル
ホン酸ソーダ又はカルシウム塩を含んでおり、微生物に
より腐敗したり黴が発生しやすい。また、このセメント
減水剤の液性は、通常アルカリ性であって、高いpH値
(例えばpH9〜10程度)を有する場合が多い。前記
アルカリ性のセメント減水剤に対して、前記殺菌剤をピ
リジン型集合型化合物として、例えば50〜10000
ppm、好ましくは500〜8000ppm、さらに好
ましくは2000〜6000ppm程度含有させること
により、防腐、防黴処理を行うことができる。
件下で防菌又は防腐処理された水性組成物では、前記ピ
リジン環集合型化合物等の強い殺菌又は抗菌力により、
細菌、黴、酵母などの微生物の発生や増殖が顕著に抑制
される。
含む殺菌剤により、被殺菌液をアルカリ性条件下で用い
るため、少量の殺菌剤により効率的に殺菌処理すること
ができる。また、高温処理によっても、強い殺菌または
抗菌活性が安定に維持されるので、広範な被処理液に対
して殺菌処理を効率よく行うことができる。
剤をアルカリ性の水性組成物に用いるため、強い殺菌ま
たは抗菌効果が得られる。
含む殺菌剤により、アルカリ性条件下で防菌又は防黴処
理されているので、微生物の増殖が著しく抑制される。
に説明するが、本発明は、実施例により何ら限定される
ものではない。
す。
us aureus ) Es:エシェリアヒア・コリ(Escheriachia coli ) As:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger ) Pe:ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrin
um) Cl:クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Clad
osporium cladosporioides) Mu:ムコール・スピネッセンス(Mucor spinescens) Rh:ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra ) Sa:サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyce
s cerevisiae) 実施例1 各pHの緩衝溶液を含み、所定量の2,2′−ビピリジ
ンを添加したグルコース寒天培地に、上記の試験菌を植
菌し、細菌については33℃で18時間、黴及び酵母に
ついては28℃で3日間培養した。倍数希釈法により、
最小発育阻止濃度[MIC(μg/ml)]を求めた。
また、120℃で2時間加熱処理した2,2′−ビピリ
ジンについても、同様にして、最小発育阻止濃度を求め
た。結果を表1に示す。
2′−ビピリジンの抗菌活性は、pH5及び7の条件の
場合と比較して大巾に向上する。また、その活性は、熱
処理を施しても低下しない。
7000[武田薬品工業(株)製、2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン0.3重量%及び5−クロロ−
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン3.0重量
%含む水溶液]を用いた以外は、実施例1と同様の操作
により、最小発育阻止濃度を求めた。結果を表2に示
す。
菌活性は、pH5の条件下においてもさほど高くなく、
しかも、pH7及びpH9の条件では、抗菌活性が著し
く低下する。また、前記殺菌剤に加熱処理を施すことに
より、抗菌活性は大巾に低下する。
−テルピリジンを用いた以外は、実施例1と同様の操作
により、最小発育阻止濃度を求めた。結果を表3に示
す。
2′:6′,2″−テルピリジンの抗菌活性は、pH7
の条件の場合と比較して大巾に増大する。また、前記抗
菌活性は、熱処理を施しても低下しない。
Claims (13)
- 【請求項1】 置換基を有していてもよい複数個のピリ
ジン環が単結合によって直接結合したピリジン環集合型
化合物又はその塩もしくは錯体を含む殺菌剤により、被
殺菌液をアルカリ性条件下で殺菌処理する殺菌方法。 - 【請求項2】 ピリジン環集合型化合物が、ビピリジン
またはテルピリジンである請求項1記載の殺菌方法。 - 【請求項3】 ピリジン環集合型化合物が、2,2′−
ビピリジン、2,3′−ビピリジン、2,4′−ビピリ
ジン、3,3′−ビピリジン、3,4′−ビピリジン、
4,4′−ビピリジン及び2,2′:6′,2″−テル
ピリジンからなる群から選択された少なくとも1つの化
合物である請求項1記載の殺菌方法。 - 【請求項4】 ピリジン環集合型化合物の塩がハロゲン
化水素酸塩である請求項1記載の殺菌方法。 - 【請求項5】 ピリジン環集合型化合物の錯体が、遷移
金属錯体または遷移金属−アミノ酸錯体である請求項1
記載の殺菌方法。 - 【請求項6】 被殺菌液をpH8以上の条件下で殺菌処
理する請求項1記載の殺菌方法。 - 【請求項7】 殺菌剤をピリジン環集合型化合物として
0.1〜30000ppm含有させて殺菌処理する請求
項1記載の殺菌方法。 - 【請求項8】 置換基を有していてもよい複数個のピリ
ジン環が単結合によって直接結合したピリジン環集合型
化合物又はその塩もしくは錯体を含む殺菌剤を、アルカ
リ性の水性組成物の防菌または防黴に用いる殺菌剤の使
用方法。 - 【請求項9】 熱処理工程を経て得られるアルカリ性の
水性組成物の防菌または防黴に用いる請求項8記載の殺
菌剤の使用方法。 - 【請求項10】 置換基を有していてもよい複数個のピ
リジン環が単結合によって直接結合したピリジン環集合
型化合物又はその塩もしくは錯体を含む殺菌剤により、
アルカリ性条件下で防菌または防黴処理された水性組成
物。 - 【請求項11】 殺菌剤の濃度がピリジン環集合型化合
物として1〜20000ppmの条件で防菌又は防黴処
理された請求項10記載の水性組成物。 - 【請求項12】 pH8以上の条件下で防菌又は防黴処
理された請求項10記載の水性組成物。 - 【請求項13】 水性組成物が水溶性金属加工油、水性
樹脂エマルジョン塗料、紙用塗工液又はセメント減水剤
である請求項10記載の水性組成物。
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---|---|---|---|
JP18986294A JP3595576B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 殺菌方法及び殺菌剤の使用方法 |
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JP18986294A JP3595576B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 殺菌方法及び殺菌剤の使用方法 |
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JPH0826915A true JPH0826915A (ja) | 1996-01-30 |
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Cited By (1)
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CN114956572A (zh) * | 2022-06-08 | 2022-08-30 | 潮州市华中陶瓷实业有限公司 | 一种具有优良抗菌功能的陶瓷釉料及其制备方法 |
-
1994
- 1994-07-19 JP JP18986294A patent/JP3595576B2/ja not_active Expired - Fee Related
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