JPH08269139A - アクリル系溶剤型粘着剤の製造方法 - Google Patents
アクリル系溶剤型粘着剤の製造方法Info
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Abstract
クリル酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル酸アル
キルエステルと共重合可能なビニル系モノマーからなる
数平均分子量1万〜50万のアクリル系ポリマーを含有
とするアクリル系溶剤型粘着剤を溶液重合にて製造する
にあたり、重合温度を重合溶液の沸点以上に設定するこ
とを特徴とするアクリル系溶剤型粘着剤の製造方法。 【効果】 重合時における反応率を高めて、残存モノマ
ーによる臭気の改善をはかる。また、アクリル系ポリマ
ーの数平均分子量を規定することにより得られるアクリ
ル系溶剤型粘着剤の粘着力を保持する。
Description
着加工品に用いられるアクリル系溶剤型粘着剤の製造方
法に関する。
衝材、隙間テープ等の用途に、両面テープ、フォームテ
ープ等として表面を粘着で加工した粘着テープ、粘着シ
ート等の粘着加工品が広く用いられている。
は、耐候性、耐久性、耐熱性、耐寒性、耐水性等に優れ
ることから、アクリル共重合体を主体とする溶剤系粘着
剤が用いられている。このようなアクリル溶剤系粘着剤
は、粘着加工品の用途拡大に伴い、残存アクリルモノマ
ーによる粘着加工品の臭気改善、及び粘着剤製造におけ
る作業場の改善の要望が高まっている。
記アクリル系溶剤型粘着剤の製造方法として、残存モノ
マーを低減すべく反応率を上げるために触媒量を多くし
たり、重合反応の時間を長くする等の方法を行ってき
た。
には、重合が実質的に完了した後にスキャベンジャーモ
ノマーを添加し、残存モノマーを低減する方法が開示さ
れている。しかしながら、この方法ではスキャベンジャ
ーモノマーが実質反応せずに残存し、臭気の改善は十分
とはいえない。また、触媒量を多くする手段はコストの
増加をもたらし、重合反応の時間の延長は作業性の低下
に問題があった。
み、粘着力を保持しつつ、低臭気性を満足させるため溶
液重合時の反応率を高めることを可能にしたアクリル系
溶剤型粘着剤の製造方法を提供することを目的とする。
型粘着剤の製造方法は、アルキル基の炭素数が2〜12
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと共重合可能なビニル系モノ
マーからなる数平均分子量1万〜10万のアクリル系ポ
リマーを含有とするアクリル系溶剤型粘着剤を溶液重合
にて製造するにあたり、重合温度を重合溶液の沸点以上
に設定することを特徴としている。
は、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルと共重合可能なビニル系モノマーとを共重合させ
てなるものである。
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リルが挙げられる。使用される(メタ)アクリル酸アル
キルエステルのアルキル基の炭素数が1のとき、もしく
は12を越えると、得られるアクリル系溶剤型粘着剤の
粘着力がでない。尚、上記「(メタ)アクリル酸」なる
記載は、メタクリル酸及びアクリル酸を指す。
と共重合可能なビニル系モノマーとしては、特に限定さ
れず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モ
ノマー;その他、(メタ)アクリル酸メチル、酢酸ビニ
ル、スチレン、フッ素アクリレート、イソボニル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリル
ニトリル、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル酸アクリルエ
ステルの割合としては、60重量%以上が好ましい。6
0重量%を下回ると、適切な粘着力が得られない。
ノマー中には、硬化剤と架橋させるために、上記水酸基
含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーが0.0
1〜10重量%含有されていることが好ましい。また、
さらに好ましくは水酸基含有モノマーが0.01〜3重
量%、カルボキシル基含有モノマーが1〜10重量%で
ある。水酸基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノ
マーの割合が多いと、得られるアクリル系溶剤型粘着剤
の粘着力が悪くなり、少ないと高温の弾性率が低くなり
定荷重剥離力が悪くなる。
50万に限定され、好ましくは10万〜50万である。
アクリル系ポリマーの分子量は1万未満だと、得られる
アクリル系溶剤型粘着剤の耐熱性が悪くなり、10万を
越えると、粘度が高くなりすぎる。
法は、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマーと溶
剤を重合反応器内に投入後もしくは投入前に重合反応器
内に窒素ガスをパージして器内の残存空気を排出し、さ
らに重合溶液の沸点下で約30分間還流を行って余剰酸
素を排出した後、必要に応じて重合開始剤を添加して溶
液重合反応を進行させる。
の沸点以上に設定される。ここでいう重合溶液とは、溶
液重合する際に重合反応器内に投入されている溶液のこ
とをいう。重合開始時の温度は、重合溶液の沸点以上も
しくは沸点以下のいずれでも良い。重合温度が重合溶液
の沸点以上に設定されないと、満足のいく反応率が得ら
れず、低臭気効果が得られない。
方法としては、重合反応器内を加圧状態にする方法が挙
げられる。その際、重合反応器内は密閉された状態とな
るため、重合温度は重合溶液の(常圧下での)沸点以上
とすることが可能となる。重合温度が重合溶液の(常圧
下での)沸点以上となったときには、重合反応器内の液
相部と気相部との平衡状態が成立しており、逆に重合温
度が重合溶液の(常圧下での)沸点以下となったときに
は、一部溶剤蒸気が発生した状態が成立している。
例えば、メタノール、イソプロピルアルコール等のアル
コール系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メ
チルチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、
等の芳香族系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、等のセロソルブ系溶剤、シクロヘキサン、n−ヘキ
サン、トルエン、ベンゼン等の炭化水素系溶剤等の有機
溶剤を単独又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
しては、パーオキシカーボネート、ケトンパーオキサイ
ド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジ
アルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パ
ーオキシエステル(ラウロリルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイドなど)等の有機過酸化物、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物などが挙げられ、
これらは重合温度により選択され、単独または2種以上
を組み合わせて用いられる。併用して用いられる。
リル系ポリマーを構成するモノマー100重量部に対し
て、0.0001〜5重量部が好ましい。
系溶剤型粘着剤を、テープ又は、シート等に塗工するこ
とにより、両面テープ、粘着テープ、フォームテープ、
粘着シート等の粘着加工品を製造することができる。こ
のような両面テープ、粘着シート等の基材としては特に
限定されず、例えば、レーヨン系、セルロース系等の各
種不織布;ポリエチレン、ポリエステル等の各種フィル
ム;セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリエステル等を基材とする各種フィルム;発
泡ポリエチレン、ウレタンフォーム、ネオプレン等各種
ゴム発泡体等が挙げられる。
タ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なビニル
系モノマーを溶液重合する際に、重合温度を重合溶液の
沸点以上に設定することにより、反応率が高くなり、重
合時間が短縮される。また、重合開始剤を使用する際に
は、重合温度を重合溶液の沸点以上に設定することによ
り、重合開始剤の量を低減することができる。さらにア
クリル系ポリマーの分子量を規定することにより得られ
るアクリル系溶剤型粘着剤の粘着力を保持することがで
きる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
素ガス導入管、加熱ジャケット及び冷却ジャケットより
構成された耐圧構造を有する密閉重合反応器を用いた。
まず、開放状態の重合反応器内に表1に記載のとおりの
モノマー及び溶剤を投入し、窒素置換を行いながら30
rpmにて攪拌し、昇温を開始した。その後、重合溶液
の沸点下で約30分間還流を行って余剰酸素を排出した
後、表2に記載の重合開始温度まで冷却し、重合反応器
内を密閉状態にした後、重合開始剤としてベンゾイルパ
ーオキサイドを添加して重合を開始した。ベンゾイルパ
ーオキサイドの添加は、重合初期に全量の10%、1時
間後に20%、2時間後に20%、3時間後に50%を
4分割にて添加した。反応経過時間における反応温
度、圧力、溶液の沸点温度を表2に示す。最終反応
率は、ガスクロマトグラフィーにて測定し、その%を表
2に示す。また、得られたアクリル系ポリマーの分子量
も表2に示す。
度まで冷却した後、重合反応器内を開放状態にしたこと
以外は上記実施例で用いたのと同様にして重合を行っ
た。反応経過時間における反応温度、圧力、溶液
の沸点温度、及び最終反応率及び得られたアクリル系ポ
リマーの分子量を表3に示す。
して、EAはアクリル酸エチル、BAはアクリル酸ブチ
ル、2EHAはアクリル酸2エチルヘキシル、AACは
アクリル酸、Etacは酢酸エチルをそれぞれ表す。
方法は、上述のとおりであり、(メタ)アクリル酸アル
キルエステルと該(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合可能なビニル系モノマーからなる数平均分子量
1万〜50万のアクリル系ポリマーを含有とするアクリ
ル溶剤系粘着剤を溶液重合にて製造するにあたり、重合
温度を重合溶液の沸点以上に設定しているので、重合反
応率が高まり、残存モノマーによる臭気の改善ができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルキル基の炭素数が2〜12の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル
酸アルキルエステルと共重合可能なビニル系モノマーか
らなる数平均分子量1万〜50万のアクリル系ポリマー
を含有するアクリル系溶剤型粘着剤を溶液重合にて製造
するにあたり、重合温度を重合溶液の沸点以上に設定す
ることを特徴とするアクリル系溶剤型粘着剤の製造方
法。
Priority Applications (9)
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---|---|---|---|
JP07598395A JP3633990B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | アクリル系溶剤型粘着剤の製造方法 |
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EP96906957A EP0818470B1 (en) | 1995-03-31 | 1996-03-26 | Process for preparing solvent-type acrylic pressure-sensitive adhesives and medical pressure-sensitive adhesive |
CN96192950A CN1101825C (zh) | 1995-03-31 | 1996-03-26 | 制备溶剂型丙烯酸压敏粘合剂和医用压敏粘合剂的方法 |
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DE69622851T DE69622851T2 (de) | 1995-03-31 | 1996-03-26 | Verfahren zur herstellung von acrylhaltigen druckempfindlichen klebstoffen vom lösungstyp und medizinischer druckempfindlicher klebstoff |
KR1019970706894A KR100333508B1 (ko) | 1995-03-31 | 1996-03-26 | 아크릴계용제형점착제의제조방법및의료용점착제 |
AT96906957T ATE221899T1 (de) | 1995-03-31 | 1996-03-26 | Verfahren zur herstellung von acrylhaltigen druckempfindlichen klebstoffen vom lösungstyp und medizinischer druckempfindlicher klebstoff |
US08/913,475 US5886122A (en) | 1995-03-31 | 1996-03-26 | Process for preparing solvent-type acrylic pressure-sensitive adhesives and medical pressure-sensitive adhesive |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP07598395A Expired - Fee Related JP3633990B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | アクリル系溶剤型粘着剤の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013056994A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Soken Chem & Eng Co Ltd | 導電膜用粘着シートおよび導電膜用粘着シートの製造方法 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP07598395A patent/JP3633990B2/ja not_active Expired - Fee Related
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