JP2001003025A - アクリル系粘着剤の製造方法及びアクリル系粘着剤並びに粘着加工製品 - Google Patents

アクリル系粘着剤の製造方法及びアクリル系粘着剤並びに粘着加工製品

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JP2001003025A
JP2001003025A JP11125956A JP12595699A JP2001003025A JP 2001003025 A JP2001003025 A JP 2001003025A JP 11125956 A JP11125956 A JP 11125956A JP 12595699 A JP12595699 A JP 12595699A JP 2001003025 A JP2001003025 A JP 2001003025A
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acrylic pressure
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pressure
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Tomomoto Toda
智基 戸田
Yuichi Shimosako
雄一 下迫
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた耐剥離性を有し、高い温度条件下で使
用される用途に用いられた場合でも容易に剥離を起こさ
ず、且つ、初期粘着力や耐熱性等にも優れるアクリル系
粘着剤の製造方法。 【解決手段】 下記(a)成分75〜99.8重量%、
下記(b)成分0.1〜20重量%及び下記(c)成分
0.01〜5重量%が含有されてなる混合モノマー10
0重量部に対し、酢酸ビニルモノマー0.5〜10重量
部を共存させ、ジアシルパーオキサイド及び/又はパー
オキシエステルをラジカル重合開始剤として、上記混合
モノマー及び酢酸ビニルモノマーをラジカル重合させる
ことを特徴とするアクリル系粘着剤の固形分100重量
部に対し、イソシアネート系架橋剤0.1〜5重量部が
添加されたアクリル系粘着剤。 (a)成分:(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノ
マー (b)成分:共重合可能なカルボキシル基含有モノマー (c)成分:共重合可能な水酸基含有モノマー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐剥離性に優れる
アクリル系粘着剤の製造方法及びアクリル系粘着剤並び
にそれらを用いた粘着加工製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着テープ、粘着シート、粘着ラ
ベル等の粘着加工製品は、文具、包装、建材、家電製品
等の各種用途に幅広く用いられている。近年、粘着剤や
粘着加工製品に対するニーズの多様化や高度化に伴い、
貼り付け後、剥離応力がかかっても容易に剥離しない耐
剥離性に優れる粘着剤や粘着加工製品が強く求められて
いる。
【0003】このような粘着剤の一例として、例えば、
特開平3−281587号公報では、「アクリル系重合
体及び粘着付与樹脂を主成分として含有するアクリル系
感圧接着剤組成物において、該粘着付与樹脂が、樹脂酸
及び多価アルコールを反応せしめて得られる樹脂酸エス
テルであり、且つ、樹脂酸エステルの水酸基価が50〜
100であることを特徴とするアクリル系感圧接着剤組
成物」が開示されている。
【0004】しかし、上記開示にあるようなアクリル系
粘着剤(アクリル系感圧接着剤)は、耐剥離性が未だ十
分とは言えず、大きな剥離応力がかかる用途や温度が高
い条件下で使用される用途等においては、耐剥離性が不
十分なことによる剥離が発生し易いという問題点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、優れた耐剥離性を有し、例えば
自動車内装用途等のような大きな剥離応力がかかったり
高い温度条件下で使用される用途に用いられた場合でも
容易に剥離を起こさず、且つ、初期粘着力や耐熱性等に
も優れるアクリル系粘着剤の製造方法及びアクリル系粘
着剤並びにそれらの粘着剤を用いて製せられた粘着加工
製品を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)によるアクリル系粘着剤
の製造方法は、下記(a)成分75〜99.8重量%、
下記(b)成分0.1〜20重量%及び下記(c)成分
0.01〜5重量%が含有されてなる混合モノマー10
0重量部に対し、酢酸ビニルモノマー0.5〜10重量
部を共存させ、下記一般式(1)で表されるジアシルパ
ーオキサイド及び/又は下記一般式(2)で表されるパ
ーオキシエステルをラジカル重合開始剤として、上記混
合モノマー及び酢酸ビニルモノマーをラジカル重合させ
ることを特徴とする。 (a)成分:(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノ
マー (b)成分:上記(a)成分と共重合可能なカルボキシ
ル基含有モノマー (c)成分:上記(a)成分と共重合可能な水酸基含有
モノマー
【化3】 (式中、R1 及びR2 はアルキル基又はシクロアルキル
基を示す)
【化4】 (式中、R1 及びR2 はアルキル基又はシクロアルキル
基を示す)
【0007】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)によるアクリル系粘着剤の製造方法は、
上記第1発明によるアクリル系粘着剤の製造方法におい
て、(c)成分の全量の20〜70重量%を重合初期に
添加し、重合反応開始1時間以降に(c)成分の残量を
重合反応途中で追加添加することを特徴とする。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明(以下、
「第3発明」と記す)によるアクリル系粘着剤は、前記
第1発明又は上記第2発明の製造方法により得られたア
クリル系粘着剤中の固形分100重量部に対し、イソシ
アネート系架橋剤0.1〜5重量部が添加され、上記ア
クリル系粘着剤の乾燥皮膜のゲル分率が45〜75重量
%となるように架橋されていることを特徴とする。
【0009】さらに又、請求項4に記載の発明(以下、
「第4発明」と記す)による粘着加工製品は、前記第1
発明又は第2発明の製造方法によるアクリル系粘着剤又
は上記第3発明によるアクリル系粘着剤が基材の少なく
とも片面に塗工されてなることを特徴とする。
【0010】第1発明又は第2発明によるアクリル系粘
着剤の製造方法で用いられる混合モノマーには、(a)
成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマ
ー75〜99.8重量%が含有されていることが必要で
ある。
【0011】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、通常のアクリル系粘着剤に一般的に
用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマ
ーであれば良く、特に限定されるものではないが、例え
ば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルモノマーが挙げられ、好適に
用いられるが、なかでもn−ブチルアクリレートや2−
エチルヘキシルアクリレート等がより好適に用いられ
る。尚、ここで言う(メタ)アクリルとは、アクリル又
はメタクリルを意味する。
【0012】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0013】混合モノマー中における上記(メタ)アク
リル酸アルキルエステルモノマーの含有量が75重量%
未満であると、得られるアクリル系粘着剤のタック(表
面粘着性)や粘着力が不十分となり、逆に混合モノマー
中における(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマ
ーの含有量が99.8重量%を超えると、得られるアク
リル系粘着剤の凝集力が低下し、粘着力や耐熱性が不十
分となる。
【0014】又、第1発明又は第2発明によるアクリル
系粘着剤の製造方法で用いられる混合モノマーには、
(b)成分として上記(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルモノマーと共重合可能なカルボキシル基含有モノマ
ー0.1〜20重量%が含有されていることが必要であ
り、好ましくは0.5〜15重量%である。
【0015】上記カルボキシル基含有モノマーとして
は、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等が
挙げられ、好適に用いられる。
【0016】上記カルボキシル基含有モノマーは、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0017】混合モノマー中における上記カルボキシル
基含有モノマーの含有量が0.1重量%未満であると、
得られるアクリル系粘着剤の凝集力が低下し、粘着力や
耐熱性が不十分となり、逆に混合モノマー中におけるカ
ルボキシル基含有モノマーの含有量が20重量%を超え
ると、得られるアクリル系粘着剤のタックや粘着力が低
下する。
【0018】さらに、第1発明又は第2発明によるアク
リル系粘着剤の製造方法で用いられる混合モノマーに
は、(c)成分として前記(メタ)アクリル酸アルキル
エステルモノマーと共重合可能な水酸基含有モノマー
0.01〜5重量%が含有されていることが必要であ
り、好ましくは0.03〜3重量%である。
【0019】上記水酸基含有モノマーとしては、特に限
定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、好適に用いられる。
【0020】上記水酸基含有モノマーは、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0021】混合モノマー中における上記水酸基含有モ
ノマーの含有量が0.01重量%未満であると、得られ
るアクリル系粘着剤の後述するイソシアネート系架橋剤
による架橋が不十分となって、耐剥離性が低下し、逆に
混合モノマー中における水酸基含有モノマーの含有量が
5重量%を超えると、得られるアクリル系粘着剤のイソ
シアネート系架橋剤による架橋が進み過ぎて、タックや
粘着力が低下する。
【0022】第1発明又は第2発明によるアクリル系粘
着剤の製造方法においては、上述した(a)成分、
(b)成分及び(c)成分の各特定量が含有されてなる
混合モノマー100重量部に対し、酢酸ビニルモノマー
0.5〜10重量部を共存させることが必要である。
【0023】混合モノマーの特定量に対し酢酸ビニルモ
ノマーの特定量を共存させることにより、得られるアク
リル系粘着剤の耐剥離性が著しく向上する。
【0024】混合モノマー100重量部に対する酢酸ビ
ニルモノマーの共存量が0.5重量部未満であると、得
られるアクリル系粘着剤の耐剥離性向上効果が不十分と
なり、逆に混合モノマー100重量部に対する酢酸ビニ
ルモノマーの共存量が10重量部を超えると、もはや耐
剥離性はそれ以上向上しないにもかかわらず、タックや
粘着力が低下する。
【0025】第1発明又は第2発明によるアクリル系粘
着剤の製造方法においては、ラジカル重合開始剤とし
て、前記一般式(1)で表されるジアシルパーオキサイ
ド及び/又は前記一般式(2)で表されるパーオキシエ
ステルが用いられることが必要である。
【0026】ラジカル重合開始剤に限らず分子骨格中に
芳香環を有し且つ水素引き抜き性の高い化合物を用いる
と、得られるアクリル系粘着剤の耐剥離性が十分に向上
しなくなるが、上記ジアシルパーオキサイド及びパーオ
キシエステルは、いずれも分子骨格中に芳香環を有さず
且つ水素引き抜き性が低いので、これらをラジカル重合
開始剤として用いることにより、得られるアクリル系粘
着剤の耐剥離性がさらに向上する。
【0027】前記一般式(1)で表されるジアシルパー
オキサイドとしては、特に限定されるものではないが、
例えば、ステアロイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド等が挙げられ、好適に用いられる。
【0028】上記ジアシルパーオキサイドは、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】又、前記一般式(2)で表されるパーオキ
シエステルとしては、特に限定されるものではないが、
例えば、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキ
シルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−
ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパー
オキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレ
ート等が挙げられ、好適に用いられる。
【0030】上記パーオキシエステルは、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】又、上記ジアシルパーオキサイド及びパー
オキシエステルは、それぞれ単独で用いられても良い
し、両者が併用されても良い。
【0032】第1発明によるアクリル系粘着剤の製造方
法においては、前記(a)成分、(b)成分及び(c)
成分の各特定量が含有されてなる混合モノマー100重
量部に対し、酢酸ビニルモノマー0.5〜10重量部を
共存させ、上記ジアシルパーオキサイド及び/又はパー
オキシエステルをラジカル重合開始剤として、上記混合
モノマー及び酢酸ビニルモノマーをラジカル重合させる
ことが必要である。
【0033】上記ラジカル重合の方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、溶液重合法、乳化重
合法、懸濁重合法、塊状重合法、光重合法等が挙げら
れ、いずれの方法も好適に採用されるが、なかでも例え
ば酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、n−ヘ
キサン等の有機溶剤の1種もしくは2種以上を溶媒とし
て用いる溶液重合法が一般的であり簡便でもあるので、
より好適に採用される。
【0034】上記ラジカル重合の際、ラジカル重合開始
剤として用いられる前記ジアシルパーオキサイド及び/
又はパーオキシエステルは、重合反応開始時のみなら
ず、重合反応の途中で追加的に添加されても良い。
【0035】又、上記ラジカル重合の際、得られるアク
リル系共重合体の分子量を調整するために、例えばドデ
シルメルカプタンのような連鎖移動剤が用いられても良
い。
【0036】上記アクリル系共重合体の分子量は、特に
限定されるものではないが、重量平均分子量で30万〜
200万であることが好ましい。
【0037】アクリル系共重合体の重量平均分子量が3
0万未満であると、得られるアクリル系粘着剤の凝集力
が不十分となって、耐剥離性や耐熱性が低下することが
あり、逆にアクリル系共重合体の重量平均分子量が20
0万を超えると、得られるアクリル系粘着剤の凝集力が
高くなり過ぎて、タックや粘着力が低下することがあ
る。
【0038】次に、第2発明によるアクリル系粘着剤の
製造方法においては、上述した第1発明によるアクリル
系粘着剤の製造方法において、前記混合モノマー中に
0.01〜5重量%含有される前記(c)成分{(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合可能
な水酸基含有モノマー}の全量の20〜70重量%を重
合初期に添加し、重合反応開始後1時間以降に前記
(c)成分の残量を重合反応途中で追加添加することが
必要である。
【0039】ラジカル重合の際に、混合モノマー中に含
有される前記(c)成分を上記の如く分割添加すること
により、得られるアクリル系粘着剤の架橋点をより均一
に分布させることが可能となり、その結果、耐剥離性が
一段と向上する。
【0040】重合初期に添加される(c)成分の量が全
量の20重量%未満であっても、又、全量の70重量%
を超えても、得られるアクリル系粘着剤の架橋点分布の
均一性が十分に向上せず、従って耐剥離性の向上効果も
不十分となる。
【0041】又、(c)成分の残量、即ち(c)成分の
全量の30〜80重量%の添加時期が重合反応開始後1
時間未満の時間帯であっても、得られるアクリル系粘着
剤の架橋点分布の均一性が十分に向上せず、従って耐剥
離性の向上効果も不十分となる。
【0042】尚、上記(c)成分の残量(全量の30〜
80重量%)は、重合反応開始後1時間以降であれば、
重合反応途中で一括追加添加されても良いし、さらに分
割追加添加されても良い。
【0043】次に、第3発明によるアクリル系粘着剤
は、上述した第1発明又は第2発明の製造方法により得
られたアクリル系粘着剤の固形分100重量部に対し、
イソシアネート系架橋剤0.1〜5重量部が添加され、
上記アクリル系粘着剤の乾燥皮膜のゲル分率が45〜7
5重量%、好ましくは50〜70重量%となるように架
橋されていることが必要である。尚、ここで言うゲル分
率とは、アクリル系粘着剤の乾燥皮膜を酢酸エチルに浸
漬した時の不溶解分率(重量%)を意味し、下記計算式
で求められる。 ゲル分率(重量%)=(不溶解分の重量/浸漬した乾燥
皮膜の重量)×100
【0044】上記イソシアネート系架橋剤としては、分
子中にイソシアネート基を2個以上有するものであれば
良く、特に限定されるものではないが、例えば、トリメ
チロールプロパンやペンタエリスリトール等のポリオー
ル類と、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
のポリイソシアネート類とを、イソシアネート基過剰の
条件で反応させて得られるイソシアネートプレポリマー
類等が挙げられ、好適に用いられる。
【0045】上記イソシアネート系架橋剤は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0046】アクリル系粘着剤の固形分100重量部に
対する上記イソシアネート系架橋剤の添加量が0.1重
量部未満であると、アクリル系粘着剤の架橋が十分に進
行せず、耐剥離性や耐熱性が不十分となり、逆にアクリ
ル系粘着剤の固形分100重量部に対するイソシアネー
ト系架橋剤の添加量が5重量部を超えると、アクリル系
粘着剤の架橋が進み過ぎて、タックや粘着力が低下す
る。
【0047】又、アクリル系粘着剤の乾燥皮膜の前記ゲ
ル分率が45重量%未満であると、架橋の度合いが低過
ぎるため、アクリル系粘着剤の耐剥離性や耐熱性が不十
分となり、逆にアクリル系粘着剤の乾燥皮膜のゲル分率
が75重量%を超えると、架橋の度合いが高過ぎるた
め、アクリル系粘着剤のタックや粘着力が不十分とな
る。
【0048】第1発明又は第2発明の製造方法によるア
クリル系粘着剤及び第3発明によるアクリル系粘着剤に
は、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、粘着付与樹脂、増粘剤、チキソトロープ剤(揺変
剤)、増量剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の各種添
加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良い。
【0049】粘着付与樹脂としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、ロジンや不均化ロジンのような
ロジン系樹脂、ロジンエステルや水添ロジンエステルの
ような変成ロジン系樹脂、テルペン樹脂、変成テルペン
樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノー
ル樹脂、芳香族変成テルペン樹脂、C5系石油樹脂、C
9系石油樹脂、脂肪族炭化水素系樹脂、脂環族炭化水素
系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、クマロンインデン樹脂
等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に
用いられる。
【0050】増粘剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、イソプレンゴム、ブチルゴム等のエラストマー類が
挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用い
られる。
【0051】チキソトロープ剤(揺変剤)としては、特
に限定されるものではないが、例えば、コロイダルシリ
カ、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0052】増量剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレ
ー、タルク等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0053】充填剤としては、ガラスバルーン、アルミ
ナバルーン、セラミックバルーン等の無機中空体、塩化
ビニリデンバルーン、アクリルバルーン等の有機中空
体、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコーンビー
ズ等の有機球状体、ポリエステル、レーヨン、ナイロン
等の単繊維等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0054】次に、第4発明による粘着加工製品は、第
1発明又は第2発明の製造方法によるアクリル系粘着剤
又は第3発明によるアクリル系粘着剤が基材の少なくと
も片面に塗工されてなることが必要である。尚、ここで
言う粘着加工製品とは、特に限定されるものではなく、
粘着テープ、フォームテープ、粘着シート、粘着ラベ
ル、表面保護フィルムもしくはシート等の各種粘着加工
製品を包含する。
【0055】上記粘着加工製品は、片面粘着テープのよ
うに基材の片面のみにアクリル系粘着剤が塗工された片
面粘着加工製品であっても良いし、両面粘着テープのよ
うに基材の両面にアクリル系粘着剤が塗工された両面粘
着加工製品であっても良い。
【0056】又、剥離紙や剥離性フィルムのような離型
性を有する基材の離型面にアクリル系粘着剤を塗工した
後、最終的には離型性を有する基材を除去して得られ
る、所謂、ノンサポートタイプの片面もしくは両面粘着
加工製品であっても良い。
【0057】さらに、上記いずれの場合でも、1種類の
アクリル系粘着剤が単層もしくは複数層塗工された粘着
加工製品であっても良いし、2種類以上のアクリル系粘
着剤が複数層塗工された粘着加工製品であっても良い。
【0058】さらに又、両面粘着加工製品の場合、それ
ぞれの面に塗工されるアクリル系粘着剤は、同一の組成
のものであっても良いし、異なる組成のものであっても
良い。
【0059】第4発明で用いられる基材の種類として
は、特に限定されるものではないが、例えば、セロハ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リスチレン等の各種フィルム;レーヨン系、セルロース
系等の各種不織布;ポリエチレン発泡体、ポリプロピレ
ン発泡体、ポリウレタン発泡体等の各種プラスチック系
発泡体;天然ゴム発泡体、スチレン−ブタジエンゴム発
泡体、クロロプレンゴム発泡体、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム発泡体等の各種ゴム系発泡体等が挙げら
れ、好適に用いられる。又、ノンサポートタイプの粘着
加工製品を作製する場合には、剥離紙や剥離性フィルム
のような片面もしくは両面に離型性を有する基材が好適
に用いられる。
【0060】上記基材を用いて粘着加工製品を作製する
場合、アクリル系粘着剤の基材に対する密着性をより高
めるために、アクリル系粘着剤を塗工すべき基材面(塗
工面)に予めコロナ放電処理やプライマー塗工等の表面
処理を施しておいても良いし、又、アクリル系粘着剤を
塗工しない基材面(非塗工面)からのアクリル系粘着剤
の離型性(展開性)を高めるために、基材の非塗工面に
予め離型処理を施しておいても良い。
【0061】上記基材にアクリル系粘着剤を塗工する方
法は、特別なものではなく、例えば、ロールコーター、
バーコーター、フローコーター、スプレーコーター、ド
クターブレード等の通常用いられる塗工装置を用いて行
えば良い。
【0062】又、基材面に対するアクリル系粘着剤の塗
工厚みは、粘着加工製品の用途や使用目的等に応じて適
宜設定されれば良く、特に限定されるものではないが、
一般的には、基材の片面につきアクリル系粘着剤の乾燥
後の膜厚で10〜200μm程度であることが好まし
い。
【0063】
【作用】第1発明の製造方法によれば、特定の組成を有
する混合モノマーの特定量に対し、特定量の酢酸ビニル
モノマーを共存させ、且つ、分子骨格中に芳香環を有さ
ず且つ水素引き抜き性の低い特定のラジカル重合開始剤
を用いて、上記混合モノマー及び酢酸ビニルモノマーを
ラジカル重合させるので、優れた耐剥離性を有し、大き
な剥離応力がかかったり高い温度条件下で使用される用
途に用いられた場合でも容易に剥離を起こさず、且つ、
初期粘着力や耐熱性等にも優れるアクリル系粘着剤を得
ることが出来る。
【0064】又、第2発明の製造方法によれば、上記第
1発明の製造方法において、混合モノマー中に(c)成
分として含有される水酸基含有モノマーの特定量を重合
初期に添加し、残量を重合反応開始後の特定の時間以降
に重合反応途中で追加添加するので、即ち(c)成分を
分割添加するので、得られるアクリル系粘着剤の架橋点
はより均一に分布したものとなり、その結果、耐剥離性
が一段と向上する。
【0065】さらに、第3発明によるアクリル系粘着剤
は、上記第1発明又は第2発明の製造方法により得られ
たアクリル系粘着剤の特定量に対し、特定量のイソシア
ネート系架橋剤が添加され、乾燥皮膜のゲル分率が特定
の範囲となるように適度に架橋されているので、一段と
優れたバランスの耐剥離性、初期粘着力及び耐熱性等を
発揮する。
【0066】さらに又、第4発明による粘着加工製品
は、上記第1発明又は第2発明の製造方法により得られ
たアクリル系粘着剤又は第3発明によるアクリル系粘着
剤を用いて製せられるので、優れた耐剥離性を有し、大
きな剥離応力がかかったり高い温度条件下で使用される
用途に用いられた場合でも容易に剥離を起こさず、且
つ、初期粘着力や耐熱性等にも優れる。
【0067】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は、特に記載の無い限り、
「重量%」を意味する。
【0068】(実施例1)
【0069】(1)アクリル系共重合体の重合 攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロートを備えた4口
フラスコに、(a)成分としてn−ブチルアクリレート
50部、同じく(a)成分として2−エチルヘキシルア
クリレート45部、(b)成分としてアクリル酸4.9
部、(c)成分として2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート0.1部、酢酸ビニルモノマー3部及び溶剤として
酢酸エチル81.8部を仕込み、昇温させて30分間還
流させた後、ラジカル重合開始剤として所定量のラウロ
イルパーオキサイドを添加して3時間反応させた。次い
で、5倍量のラウロイルパーオキサイドを追加添加して
3時間反応させ、さらに10倍量のラウロイルパーオキ
サイドを追加添加して4時間反応させた。ラウロイルパ
ーオキサイドの合計添加量は0.1部であった。尚、反
応開始後4時間目、5時間目及び7時間目に酢酸エチル
を各20部添加して途中希釈を行った。次いで、トルエ
ン80部を添加した後、冷却して、固形分31.7%の
アクリル系共重合体溶液を得た。
【0070】(2)アクリル系粘着剤の調製 上記で得られたアクリル系共重合体溶液の固形分100
部に対し、イソシアネート系架橋剤として商品名「コロ
ネートL−45」(固形分45%、日本ポリウレタン工
業社製)の固形分2部を添加し、均一に攪拌混合してア
クリル系粘着剤を得た。
【0071】(3)粘着テープの作製 上記で得られたアクリル系粘着剤を厚さ38μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の膜厚が5
0μmとなるように塗工した後、80℃のオーブン中で
3分間乾燥させた。次いで、離型紙を貼り合わせ、20
℃−65%RHの雰囲気下で1週間養生した後、幅25
mmに裁断して、粘着テープを得た。
【0072】(4)ゲル分率の測定 (3)で得られた粘着テープからアクリル系粘着剤を採
取し、その約0.5gを精秤した後、酢酸エチル約10
0g中に浸漬し、20℃の雰囲気下で2日間振盪した。
次いで、100メッシュのステンレス金網で不溶解分を
濾別し、乾燥させた後、不溶解分の重量を精秤し、下記
計算式によりゲル分率(%)を求めたところ、ゲル分率
は55%であった。尚、測定は20℃−65%RHの雰
囲気下で行った。
【0073】(5)粘着テープの性能評価 (3)で得られた粘着テープの性能{初期粘着力(対
SUS粘着力)、耐剥離性}を以下の方法で評価し
た。その結果は表1に示すとおりであった。尚、評価
は、特に記載の無い限り、20℃−65%RHの雰囲気
下で行った。
【0074】初期粘着力(対SUS粘着力) JIS Z−0237「粘着テープ・粘着シート試験方
法」に準拠して、厚さ1.5mmのステンレススチール
板(SUS板)に粘着テープを貼り合わせ、20℃の雰
囲気下で30分間養生した後、引張速度300mm/分
で180度角剥離強度(g/25mm)を測定した。
【0075】耐剥離性 粘着テープをSUS板(厚さ1.5mm)に貼り合わ
せ、20℃の雰囲気下で30分間養生した後、剥離角度
が90度となるように、80gの荷重をかけて、60℃
の雰囲気下で1時間放置した後の粘着テープの剥離長さ
(mm)を測定した。
【0076】(実施例2〜4、及び、比較例1〜5)ア
クリル系共重合体の重合組成を表1に示す組成とし、イ
ソシアネート系架橋剤「コロネートL−45」の固形分
の添加量を表1に示す量としたこと以外は実施例1の場
合と同様にして、8種類のアクリル系共重合体溶液、ア
クリル系粘着剤及び粘着テープを得た。
【0077】上記で得られた8種類のアクリル系粘着剤
の乾燥皮膜のゲル分率の測定、及び、8種類の粘着テー
プの性能{初期粘着力(対SUS粘着力)、耐剥離
性}を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果
は表1に示すとおりであった。
【0078】
【表1】
【0079】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜4の粘着テープは、初期粘着力(対SUS粘着
力)及び耐剥離性のいずれについても優れていた。
【0080】これに対し、アクリル系共重合体の重合時
に酢酸ビニルモノマーを共存させなかった比較例1の粘
着テープ、アクリル系共重合体の重合時にジアシルパー
オキサイド及び/又はパーオキシエステル以外のラジカ
ル重合開始剤を用いた比較例3(ラジカル重合開始剤:
ベンゾイルパーオキサイド)及び比較例5(ラジカル重
合開始剤:アゾビスイソブチロニトリル)の粘着テープ
は、いずれも耐剥離性が悪かった。
【0081】又、アクリル系共重合体の重合組成におい
て、混合モノマー100重量部に対する酢酸ビニルモノ
マーの共存量が10重量部を超えていた比較例2の粘着
テープは、耐剥離性は優れていたものの、初期粘着力
(対SUS粘着力)が悪かった。
【0082】さらに、アクリル系共重合体溶液の固形分
100重量部に対するイソシアネート系架橋剤(コロネ
ートL−45)の固形分の添加量が5重量部を超えてお
り、且つ、アクリル系粘着剤の乾燥皮膜のゲル分率が7
5重量%を超えていた比較例4の粘着テープは、初期粘
着力(対SUS粘着力)及び耐剥離性のいずれもが悪か
った。
【0083】(実施例5)攪拌機、還流冷却管、温度
計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、(a)成分と
してn−ブチルアクリレート50部、同じく(a)成分
として2−エチルヘキシルアクリレート45部、(b)
成分としてアクリル酸4.9部、(c)成分として2−
ヒドロキシエチルメタクリレート0.05部、酢酸ビニ
ルモノマー3部及び溶剤として酢酸エチル81.8部を
仕込み、昇温させて30分間還流させた後、ラジカル重
合開始剤として所定量のラウロイルパーオキサイドを添
加して重合反応させた。重合反応開始後3時間目に、
(c)成分として2−ヒドロキシエチルメタクリレート
0.05部と5倍量のラウロイルパーオキサイドとを追
加添加して3時間反応させ、さらに10倍量のラウロイ
ルパーオキサイドを追加添加して4時間反応させた。2
−ヒドロキシエチルメタクリレートの合計添加量は0.
1部であり、ラウロイルパーオキサイドの合計添加量は
0.1部であった。尚、反応開始後4時間目、5時間目
及び7時間目に酢酸エチル各20部を添加して途中希釈
を行った。次いで、トルエン80部を添加した後、冷却
して、固形分31.7%のアクリル系共重合体溶液を得
た。
【0084】上記で得られたアクリル系共重合体溶液の
固形分100部に対し、イソシアネート系架橋剤「コロ
ネートL」(固形分45%)の固形分2部を添加し、均
一に攪拌混合してアクリル系粘着剤を得た。
【0085】上記で得られたアクリル系粘着剤を厚さ3
8μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥
後の膜厚が50μmとなるように塗工した後、80℃の
オーブン中で3分間乾燥させた。次いで、離型紙を貼り
合わせ、20℃−65%RHの雰囲気下で1週間養生し
た後、幅25mmに裁断して、粘着テープを得た。
【0086】(実施例6)アクリル系共重合体の重合組
成を表2に示す組成とし、(c)成分である2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートの全量0.2部の内、重合初
期に0.06部を添加し、重合反応開始後2時間目に残
量の0.14部を追加添加したこと以外は実施例5の場
合と同様にして、アクリル系共重合体溶液を得た。又、
上記で得られたアクリル系共重合体溶液の固形分100
部に対するイソシアネート系架橋剤「コロネートL」の
固形分の添加量を1部としたこと以外は実施例5の場合
と同様にして、アクリル系粘着剤及び粘着テープを得
た。
【0087】(実施例7)アクリル系共重合体の重合組
成を表2に示す組成とし、(c)成分である2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートの全量0.1部の内、重合初
期に0.06部を添加し、重合反応開始後4時間目に残
量の0.04部を追加添加したこと以外は実施例5の場
合と同様にして、アクリル系共重合体溶液を得た。又、
上記で得られたアクリル系共重合体溶液の固形分100
部に対するイソシアネート系架橋剤「コロネートL」の
固形分の添加量を1.5部としたこと以外は実施例5の
場合と同様にして、アクリル系粘着剤及び粘着テープを
得た。
【0088】(比較例6)表2に示すように、アクリル
系共重合体の重合において、(c)成分である2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートの全量0.1部を重合初期
に一括添加したこと以外は実施例5の場合と同様にし
て、アクリル系共重合体溶液、アクリル系粘着剤及び粘
着テープを得た。
【0089】(比較例7)表2に示すように、アクリル
系共重合体の重合において、(c)成分である2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートの全量0.1部の内、重合
初期に0.09部を添加し、重合反応開始後3時間目に
残量の0.01部を添加したこと以外は実施例5の場合
と同様にして、アクリル系共重合体溶液、アクリル系粘
着剤及び粘着テープを得た。
【0090】(比較例8)表2に示すように、アクリル
系共重合体の重合において、(c)成分である2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートの全量0.1部の内、重合
初期に0.01部を添加し、重合反応開始後3時間目に
残量の0.09部を添加したこと以外は実施例5の場合
と同様にして、アクリル系共重合体溶液、アクリル系粘
着剤及び粘着テープを得た。
【0091】(比較例9)表2に示すように、アクリル
系共重合体の重合において、(c)成分である2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートの全量0.2部を重合初期
に一括添加したこと以外は実施例6の場合と同様にし
て、アクリル系共重合体溶液、アクリル系粘着剤及び粘
着テープを得た。
【0092】(比較例10)表2に示すように、アクリ
ル系共重合体の重合において、(c)成分である2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートの全量0.1部を重合初
期に一括添加したこと以外は実施例7の場合と同様にし
て、アクリル系共重合体溶液、アクリル系粘着剤及び粘
着テープを得た。
【0093】実施例5〜7、及び、比較例6〜10で得
られた8種類のアクリル系粘着剤の乾燥皮膜のゲル分
率、及び、8種類の粘着テープの性能{初期粘着力
(対SUS粘着力)、耐剥離性}を実施例1の場合と
同様にして評価した。その結果は表2に示すとおりであ
った。但し、耐剥離性の評価は、80gの荷重をかけ
て、60℃の雰囲気下で1時間放置した場合と80℃の
雰囲気下で1時間放置した場合との二つの条件について
行った。
【0094】
【表2】
【0095】表2から明らかなように、本発明による実
施例5〜7の粘着テープは、初期粘着力(対SUS粘着
力)に優れていた。又、60℃で1時間放置した場合及
び80℃で1時間放置した場合のいずれについても耐剥
離性に優れていた。
【0096】これに対し、アクリル系共重合体の重合時
に、(c)成分(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)の全量を重合初期に一括添加した比較例6、比較例
9及び比較例10の粘着テープは、耐剥離性、特に80
℃で1時間放置した場合の耐剥離性が極めて悪かった。
【0097】又、アクリル系共重合の重合時に、(c)
成分(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)の全量の
70重量%を超える量(90重量%)を重合初期に添加
した比較例7の粘着テープ、及び、(c)成分(2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)の全量の20重量%未
満の量(10重量%)を重合初期に添加した比較例8の
粘着テープは、耐剥離性、特に80℃で1時間放置した
場合の耐剥離性が悪かった。
【0098】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明又は第2発
明の製造方法によれば、優れた耐剥離性を有し、大きな
剥離応力がかかったり高い温度条件下で使用される用途
に用いられた場合でも容易に剥離を起こさず、且つ、初
期粘着力や耐熱性等にも優れるアクリル系粘着剤を容易
に得ることが出来る。
【0099】又、第3発明によるアクリル系粘着剤は、
上記第1発明又は第2発明の製造方法で得られたアクリ
ル系粘着剤をイソシアネート系架橋剤で適度に架橋させ
ているので、一段と優れたバランスの耐剥離性、初期粘
着力及び耐熱性等を発揮する。
【0100】さらに、第4発明による粘着加工製品は、
第1発明又は第2発明の製造方法で得られたアクリル系
粘着剤又は第3発明によるアクリル系粘着剤を用いて製
せられるので、優れたバランスの耐剥離性、初期粘着力
及び耐熱性等を有する。従って、文具、包装、建材、家
電製品等の一般的な用途は勿論のこと、例えば自動車内
装用途等のような過酷な条件下で使用される用途にも好
適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/62 C08G 18/62 (C08F 220/10 220:04 220:26 218:08) Fターム(参考) 4J004 AA10 AA14 AB01 BA02 CA02 CA04 CA06 CB01 CB04 CC02 EA05 FA01 GA01 4J011 BA03 BB01 BB07 4J034 CA03 CA05 DA01 DB03 DB08 DP03 DP18 FA02 HA01 HA02 HA07 HC03 HC12 HC64 HC67 HC71 JA41 4J040 DF041 DL121 EF181 EF191 GA05 GA07 HB41 JA09 JB09 KA11 LA06 LA08 NA16 QA01 4J100 AG04S AJ01Q AJ02Q AJ09Q AL03P AL04P AL09R CA06 DA01 FA03 FA04 FA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)成分75〜99.8重量%、
    下記(b)成分0.1〜20重量%及び下記(c)成分
    0.01〜5重量%が含有されてなる混合モノマー10
    0重量部に対し、酢酸ビニルモノマー0.5〜10重量
    部を共存させ、下記一般式(1)で表されるジアシルパ
    ーオキサイド及び/又は下記一般式(2)で表されるパ
    ーオキシエステルをラジカル重合開始剤として、上記混
    合モノマー及び酢酸ビニルモノマーをラジカル重合させ
    ることを特徴とするアクリル系粘着剤の製造方法。 (a)成分:(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノ
    マー (b)成分:上記(a)成分と共重合可能なカルボキシ
    ル基含有モノマー (c)成分:上記(a)成分と共重合可能な水酸基含有
    モノマー 【化1】 (式中、R1 及びR2 はアルキル基又はシクロアルキル
    基を示す) 【化2】 (式中、R1 及びR2 はアルキル基又はシクロアルキル
    基を示す)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアクリル系粘着剤の製
    造方法において、前記(c)成分の全量の20〜70重
    量%を重合初期に添加し、重合反応開始後1時間以降に
    前記(c)成分の残量を重合反応途中で追加添加するこ
    とを特徴とするアクリル系粘着剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の製造方法
    により得られたアクリル系粘着剤の固形分100重量部
    に対し、イソシアネート系架橋剤0.1〜5重量部が添
    加され、上記アクリル系粘着剤の乾燥皮膜のゲル分率が
    45〜75重量%となるように架橋されていることを特
    徴とするアクリル系粘着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の製造方法
    によるアクリル系粘着剤又は請求項3に記載のアクリル
    系粘着剤が基材の少なくとも片面に塗工されてなること
    を特徴とする粘着加工製品。
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