JPH08268947A - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents
アルデヒド類の製造方法Info
- Publication number
- JPH08268947A JPH08268947A JP7079052A JP7905295A JPH08268947A JP H08268947 A JPH08268947 A JP H08268947A JP 7079052 A JP7079052 A JP 7079052A JP 7905295 A JP7905295 A JP 7905295A JP H08268947 A JPH08268947 A JP H08268947A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphite
- aldehyde
- group
- ligand
- rhodium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/49—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
- C07C45/50—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
成液から、アルデヒド生成物や高沸物等を分離する際
の、非環式ホスファイト配位子の分解を抑制できる効果
的な方法を提供する。 【構成】 非環式ホスファイト化合物を配位子として有
するロジウム−ホスファイト系錯体触媒の存在下、オレ
フィン化合物を一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化
反応させることにより得られる、錯体触媒及びアルデヒ
ド生成物を含む反応生成液から、分離操作によってアル
デヒド生成物や高沸点副生物等を分離するアルデヒド類
の製造方法において、少なくとも1つの分離操作におい
てアミンを存在させることを特徴とする。
Description
ト系錯体触媒の存在下に、オレフィン系不飽和化合物を
ヒドロホルミル化反応させてアルデヒド類を製造する方
法に関する。
ィン系不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応させる
ことによりアルデヒド類を製造するプロセスは広範に工
業化されている。このヒドロホルミル化反応における触
媒としては、ロジウム等の第8族金属を3価のリンの化
合物ような配位子で修飾した錯体触媒が用いられてお
り、ヒドロホルミル化反応の活性や選択性を向上させる
ために、種々の配位子についての研究がなされている。
トリアリールホスフィンやトリアリールホスファイト等
の3価リン配位子で修飾されたロジウム触媒が有効であ
ることが開示されている。中でも、ホスファイト配位子
で修飾された触媒は、ヒドロホルミル化反応において高
い活性と優れた選択性を示すことが知られている。しか
しながら、特開昭59−51229号に開示されている
ように、トリフェニルホスファイト等のホスファイト配
位子では、ヒドロホルミル化反応系中で配位子が比較的
速やかに分解し、それに伴い触媒活性が低下することが
知られており、ホスファイト配位子を連続的に補給する
ことが必要である。したがって、単に触媒の活性及び選
択性を改良するためだけでなく、ホスファイト配位子の
減損による触媒活性の低下を小さくするために、各種の
ホスファイト配位子が提案されている。
開昭59−51230号には橋頭部にリン原子を含有す
る環式ホスファイト配位子を用いる方法が開示されてい
る。また、特開昭57−123134号には、ベンゼン
環の特定部位に置換基を有するトリアリールホスファイ
ト配位子を用いる方法が、また、特開平4−28803
3号には、ナフチル環の特定部位に置換基を有するトリ
アリールホスファイト配位子を用いる方法が開示されて
いる。また、特表昭61−501268号には、分子内
にリン原子を含む環状構造を有するジオルガノホスファ
イト配位子を用いる方法が開示されている。
スファイト配位子の例として、特開昭62−11653
5号及び特開昭62−116587号にジオルガノホス
ファイト配位子を用いる方法が開示されており、特開平
4−290551号には環状構造を有するビスホスファ
イト配位子を用いる方法が開示されている。また、特開
平5−178779号には環状構造を有しないビスホス
ファイト配位子及びポリホスファイト配位子を用いる方
法が開示されている。
ト配位子は、ヒドロホルミル化反応において高い活性及
び優れた選択性を示すにもかかわらず、工業的に有利に
アルデヒド類を製造するためには、前述したようなホス
ファイト配位子自体の安定性が問題であり、このような
ホスファイト配位子の急速な分解は、単に触媒の活性や
安定性に悪影響を与えるのみならず、新たなホスファイ
ト配位子を連続的に追加しなければならないという問題
があった。
に、例えば特表昭61−501268号には、トリフェ
ニルホスファイトがロジウムの非存在下においても室温
下でアルデヒドと速やかに反応することが記載されてい
る。トリオルガノホスファイトを用いる際のこの欠点
は、ホスファイトがアルデヒドと反応する親和力が非常
に高いことによるものと考えられ、その反応により得ら
れる生成物は容易に加水分解して、対応するヒドロキシ
アルキルホスホン酸になることが示されている。
は、自己触媒プロセスにより生成し、特にホスファイト
配位子とアルデヒド生成物との接触が長期にわたる連続
的な触媒再循環プロセスにおいて生成しやすくなる。こ
のヒドロキシアルキルホスホン酸は、通常の液体ヒドロ
ホルミル化反応媒質に不溶性であるため、急速に蓄積さ
れてゼラチン状副生物が沈澱し、連続的なヒドロホルミ
ル化反応系の循環管路を閉塞又は汚染する恐れがある。
かかる沈澱物を任意の適当な方法、例えば重炭酸ナトリ
ウム等の弱塩基による酸の抽出等の方法によって除去す
るためには、定期的にプロセスの運転を停止又は休止す
ることが必要であった。
いるトリフェニルホスフィン等のホスフィン系配位子に
おいてはみられない、ホスファイト系配位子独自の特徴
といえる。一方、ロジウム錯体触媒を工業的に使用する
場合には、ロジウムが高価であるために、触媒を連続的
に再循環して使用することが不可欠である。触媒を再循
環するためには反応生成物と触媒液とを分離することが
必須であるが、この触媒分離方法としては、一般的には
蒸留が用いられる。例えば特開昭55−159841号
には、ロジウム−ホスフィン系錯体は、約20〜350
℃の蒸留温度範囲においてもなんら活性の低下を起こさ
ないことが開示されている。ところが、ロジウム−ホス
ファイト系錯体では、160℃のヒドロホルミル化反応
条件下においても分解することが知られている。
工程以降の分離工程では、更にホスファイト系配位子が
分解しやすいことも分かっている。このようにロジウム
−ホスファイト配位子系錯体触媒を連続的な再循環プロ
セスで使用する場合、反応後の分離工程において、ホス
ファイト配位子の安定性が低いことは、重大な問題であ
る。これらの安定性の問題に対する解決方法としては、
例えば前記特表昭61−501268号には、弱塩基性
アニオン交換樹脂で処理することにより分解を最小限に
抑える方法が開示されている。特公平5−48215号
には、特定の極性官能基を有する有機重合体の存在下に
蒸留を行うことにより、ロジウムのメタル化が抑制され
ることが開示されており、また、ロジウム−ホスファイ
ト系錯体触媒を含有する生成物溶液からのアルデヒド生
成物の蒸留分離を150℃未満、好ましくは140℃未
満の温度で実施するのがよいことが開示されている。
環式ホスファイト配位子を含むヒドロホルミル化反応区
域に3級アミンを存在させて、配位子の安定化を図る方
法が開示されている。また、特開昭60−156636
号の明細書中には、3級アミンをトリフェニル亜リン酸
塩等の非環状の亜リン酸塩配位子を含むヒドロホルミル
化反応媒体に加えると、配位子の分解は止まらず、触媒
は数時間を超えると安定性が失われること、更に、実験
の結果、3級アミンの配位子安定化効果は環式亜リン酸
塩配位子の場合にだけ表れ、非環状の亜リン酸塩では効
果がないことが記載されている。
を含む環状構造を分子内に持たないホスファイト化合物
(以下、非環式ホスファイトという)を配位子として有
するロジウム−ホスファイト系錯体触媒を用いた再循環
プロセスの分離工程において、ホスファイト配位子の分
解を抑制する有効な方法は見出されていなかった。
系錯体を触媒とする液体再循環プロセスの分離工程にお
いて、リン原子を含む環状構造を分子内に持つホスファ
イト化合物(以下、環式ホスファイトという)に比べて
はるかに分解性の高い非環式ホスファイト配位子を使用
する際においても、ヒドロホルミル化反応により得られ
る反応生成液からアルデヒド生成物や高沸物等を、ホス
ファイト配位子の分解を抑制して分離することのできる
方法を提供するものである。
につき鋭意検討を重ねた結果、ヒドロホルミル化反応に
より得られる反応生成液からアルデヒド生成物や高沸点
物等を分離する分離工程において、アミンを存在させる
ことにより、従来非常に分解性が高いとされていた非環
式ホスファイト配位子であっても、そのの減損を抑制で
きることを見出した。そして、分離操作として水蒸気蒸
留を用いる際においても、アミンを存在させることによ
り、上記した非環式ホスファイト配位子の減損を効果的
に抑制し得ることを見出した。
構造を分子内に持たないホスファイト化合物を配位子と
して有するロジウム−ホスファイト系錯体触媒の存在
下、オレフィン系不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と
ヒドロホルミル化反応させることにより得られる、ロジ
ウム−ホスファイト系錯体触媒及びアルデヒド生成物を
含む反応生成液から、分離操作によって未反応オレフィ
ン系不飽和化合物、アルデヒド生成物、溶媒、中沸点副
生物及び高沸点副生物から選ばれる少なくとも1つの成
分を分離するアルデヒド類の製造方法において、該少な
くとも1つの成分の分離操作においてアミンを存在させ
ることを特徴とするアルデヒド類の製造方法、に存す
る。
は、ホスファイト化合物の中でも、特に、非環式ホスフ
ァイトを配位子として有するロジウム−ホスファイト系
錯体触媒の存在下で、オレフィン系不飽和化合物を一酸
化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させ、得られる
ロジウム−ホスファイト系錯体触媒及びアルデヒド生成
物を含む反応生成液から、分離操作によって未反応オレ
フィン系不飽和化合物、アルデヒド生成物、溶媒、中沸
点副生物及び高沸点副生物から選ばれる少なくとも1つ
の成分を分離してアルデヒド類を製造する方法であり、
該非環式ホスファイト配位子を含むロジウム触媒を連続
的に再循環して使用する液体触媒再循環プロセスに適用
可能である。 ヒドロホルミル化反応により得られる反
応生成液から未反応オレフィン系不飽和化合物、アルデ
ヒド生成物、溶媒、中沸点副生物及び高沸点副生物から
選ばれる少なくとも1つの成分を分離する分離操作と
は、慣用の液体触媒再循環プロセスで用いられるあらゆ
る分離操作を指し、具体的には、単蒸留、減圧蒸留、薄
膜蒸留、水蒸気蒸留等の蒸留操作の他、気液分離、蒸発
(エバポレーション)、ガスストリッピング、ガス吸収
及び抽出等の分離操作が挙げられる。各分離操作は、各
々独立の工程で行ってもよく、2つ以上の成分の分離を
同時に行ってもよい。
して蒸留と蒸発(エバポレーション)がある。まず、液
体触媒再循環プロセスにおける蒸留分離の例を説明す
る。一般に反応溶媒としては、アルデヒド生成物よりも
高沸点のものを用い、この溶媒に触媒と配位子を溶解さ
せて触媒液として使用する。この触媒液とオレフィン系
不飽和化合物(以下、単にオレフィンということもあ
る。)及びオキソガスを通常の連続反応器に供給し、所
定温度及び所定圧力でヒドロホルミル化反応させる。反
応器から取り出された反応生成液は、蒸留により未反応
オレフィン及びアルデヒド生成物と触媒液とに分離され
る。ホスファイト錯体を含む触媒液は反応器に再循環
(リサイクル)される。また、触媒液の一部は、失活触
媒と高沸副生物の蓄積を防ぐために廃触媒液として連続
的又は間欠的に反応系からパージされる。そして対応す
る量のフレッシュな触媒と配位子が反応系に供給され
る。
ドの回収はエバポレーションにより行われる。反応溶媒
としては、通常アルデヒド生成物の重合物や縮合物から
成る高沸点有機化合物が用いられ、この溶媒に触媒と配
位子を溶解させて触媒液として使用する。この触媒液が
入った反応器にオレフィン及びオキソガスを供給し所定
温度及び所定圧力でヒドロホルミル化反応を行う。生成
したアルデヒドは例えば、未反応オレフィン、一酸化炭
素及び水素を含む未反応ガスでストリッピングすること
により反応器より取り出される。同時に生成した高沸副
生物の一部も未反応ガスとともに反応器から取り出され
る。高沸副生物の全量が反応器から取り出されるのが好
ましく、その場合廃触媒とともに反応系からパージされ
る高沸副生物の量は生成する量とほぼ等しい。生成量よ
りはるかに多くの高沸副生物が未反応ガスとともに反応
器から取り出されるならば、取り出された高沸副生物の
一部は触媒液の量を一定に保つために反応器にリサイク
ルされる。
化反応器中の触媒液量は一定に保たれる。反応器から取
り出されたガス混合物中の液体物質(主としてアルデヒ
ド)は、冷却又は凝縮により未反応ガスと分離される。
未反応ガスの一部は、主としてパラフィンのような水添
副生物の蓄積を防ぐためにパージされ、残りは反応器に
リサイクルされる。また反応器内の触媒液の一部は失活
触媒と高沸副生物の蓄積を防ぐために廃触媒として連続
的又は間欠的にパージされ、それらのロスを補うのに必
要な量のフレッシュな触媒と配位子は反応系に供給され
る。
られる反応生成液から未反応オレフィン系不飽和化合
物、アルデヒド生成物、溶媒、中沸点副生物及び高沸点
副生物から選ばれる少なくとも1つの成分を分離する分
離操作において、アミンを存在させることを特徴とし、
その結果、非環式ホスファイト配位子の減損や副生物の
生成、反応活性の低下を再小限に抑制することができる
という効果を奏する。
いが、具体的には、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン等の1級アミン、ジエチルアミン、ジプロピ
ルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン、トリエチル
アミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン
等の3級アミン、スチレンアミン、ジフェニルアミン等
の芳香族アミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等のジアミ
ン類、エタノールアミン、ジエタノールアミン、グリコ
ールアミン等のアルカノールアミン類、ピリジン等の複
素環式アミン等が挙げられる。
く、好ましい3級アミンの例としては、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、トリオクチルアミン、ト
リデシルアミン、トリドデシルアミン、ジメチルラウリ
ルアミン、N,N−ジ−n−ブチル−2−エチルヘキシ
ルアミン、N,N−ジイソブチル−2−エチルヘキシル
アミン、N−プロピル−N−ブチル−n−ブチルアミ
ン、N−プロピル−N−ブチル−2−エチルヘキシルア
ミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルドデシルアミ
ン、ジメチルテトラデシルアミン等が挙げられる。
いては、アルデヒド生成物と触媒との分離は通常蒸留に
より行われることが多いため、そのような場合添加した
アミンがアルデヒド生成物側に留出するよりも触媒液側
に分離されるほうが好ましい。従って、用いるアミンと
してはアルデヒド生成物よりも高沸点物であるのが好ま
しく、比較的炭素数の大きいアミンが好ましい。
ロジウムのモル数に対して0.1〜100倍モル比の範
囲内であり、好ましくは1〜20倍モル比の範囲内で存
在させるのがよい。また、アミンは各分離操作の間の工
程やヒドロホルミル化反応工程に添加してもよいが、本
発明では上記分離操作において上記した量のアミンを存
在させている状態に維持すればよい。本発明において
は、特に上記分離操作の際にアミンを添加するのが、ホ
スファイト配位子の分解の抑制に効果的であるという点
で好ましい。
成するホスファイト配位子及び遊離ホスファイト配位子
は、リン原子を含む環状構造を分子内に持たないホスフ
ァイト化合物、即ち非環式ホスファイトである。一方、
前述したようにトリフェニルホスファイト等の化合物
は、室温でもアルデヒド化合物と容易に反応し、配位子
の減損が見られる。従って、ホスファイト化合物のう
ち、本発明の目的のため好ましい化合物としては、分子
構造中の立体障害等によりアルデヒドや水との反応が抑
制され、安定性を向上させたホスファイト化合物が挙げ
られる。例えば、ホスファイト化合物の少なくとも1つ
のアルコール成分が、芳香環に直接結合する水酸基を有
し、該水酸基の結合する炭素原子の隣接炭素原子に炭化
水素置換基を有する芳香族アルコールであるものを用い
るのが好ましい。
るホスファイト化合物等が挙げられる。
わし、その少なくと1つは、下記一般式(2)
(R11)で表わされる基又は置換基を有していてもよい
アリール基を表し、R9,R10及びR11は互いに異なっ
ていてもよく、それぞれ水素原子、炭化水素基又はフッ
素化炭化水素基を表し、R5,R6,R7及びR8は互いに
異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は有機基を表
す。)で表される置換フェニル基を表す。]
してイソプロピル基以上の嵩高さを持つものがよい。こ
れらの化合物の具体例としては、ジフェニル(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニル
(2−イソプロピルフェニル)ホスファイト、ビス(2
−t−ブチル−4−メチルフェニル)フェニルホスファ
イト等が挙げられる。
及びR3のすべてが一般式(2)で表される置換フェニ
ル基である化合物が更に好ましい。これらの化合物の具
体例としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−
4−メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(o−フ
ェニルフェニル)ホスファイト、トリス(o−メチルフ
ェニル)ホスファイト等が挙げられる。
持たないホスファイト化合物の好ましい別の例として
は、次の一般式(1’)のホスファイト化合物等が挙げ
られる。
表わし、その少なくとも1つは、下記一般式(3)
(R11)で表わされる基又は置換基を有していてもよい
アリール基を表し、R9,R10及びR11は互いに異なっ
ていてもよく、それぞれ水素原子、炭化水素基又はフッ
素化炭化水素基を表し、R12,R 13,R14,R15,及び
R16は互いに異なっていてもよく、それぞれ水素原子又
は有機基を表す。)で表される置換−2−ナフチル基を
表す。] 好ましくは、一般式(3)中のR4が全体としてイソプ
ロピル基以上の嵩高さをもつものがよい。これらの化合
物の具体例としては、ジフェニル(3,6−ジ−t−ブ
チル−2−ナフチル)ホスファイト等が挙げられる。
R2及びR3が互いに異なっていてもよく、それぞれ置換
されていてもよい2−ナフチル基であり、且つ、R1,
R2及びR3のうち少なくとも1つの2−ナフチル基の置
換基R4が上記一般式(3)で定義したものである化合
物がより好ましい。これらの化合物の具体例としては、
ビス(2−ナフチル)(3,6−ジ−t−ブチル−2−
ナフチル)ホスファイト等が挙げられる。
R1,R2及びR3の少なくとも1つが一般式(3)で表
される置換−2−ナフチル基であって、他の置換基が一
般式(2)で表される置換フェニル基であるものが更に
好ましい。これらの化合物の具体例としては、ビス
(3,6−ジ−t−ブチル−2−ナフチル)(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(3,6
−ジ−t−ブチル−2−ナフチル)(2−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト等が挙げられる。
R2及びR3のすべてが一般式(3)で表される置換−2
−ナフチル基である化合物が最も好ましい。これらの化
合物の具体例としては、トリス(3,6−ジ−t−ブチ
ル−2−ナフチル)ホスファイト、トリス(3,6−ジ
−t−アミル−2−ナフチル)ホスファイト等が挙げら
れる。
一般式(1’)においてR1及びR2がそれぞれ少なくと
もその3位、6位および8位が互いに異なっていてもよ
い炭化水素基で置換されており、且つ、他に置換基を有
していてもよい2−ナフチル基を示し、R3がアルキル
基、シクロアルキル基またはm位および/またはp位に
のみ置換基を有していてもよいフェニル基であるホスフ
ァイト化合物がある。
(3,6,8−トリ−t−ブチル−2−ナフチル)フェ
ニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ−t−ブチ
ル−2−ナフチル)(p−トリル)ホスファイト等が挙
げられる。また、本発明で使用しうるホスファイト化合
物のうち、リン原子を含む環状構造を分子内に持たない
ホスファイト化合物の中で、好ましい化合物の別の例と
しては、次の一般式(4)で示されるビスホスファイト
化合物及びポリホスファイト化合物等が挙げられる。
族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基の少なくとも
1つは、酸素原子に結合する炭素原子の隣接炭素原子に
炭化水素基を有し、A1は、それぞれ置換基を有してい
てもよい脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素又は芳香族炭
化水素の部分構造を含有するn価の有機基を表す。ま
た、各[−O−P(OR17)(OR18)]基は互いに異
なっていてもよく、nは2〜4の整数を表す。)
又はR18の少なくとも1つが、前記一般式(2)で表さ
れる置換フェニル基、又は前記一般式(3)で表される
置換−2−ナフチル基であるホスファイト化合物を用い
るのがよい。
びR18のいずれもが前記一般式(2)で表される置換フ
ェニル基であるホスファイト化合物を用いるのが更に好
ましい。これらの化合物の具体例としては、以下の式に
示すような化合物が挙げられる。
を存在させることに加えて、分離操作における操作条
件、特に温度と滞留時間とを特定の関係式の範囲内で操
作することにより、非環式ホスファイト配位子の減損や
副生物の生成、反応活性の低下を更に抑制することがで
きる。
留条件として50〜130℃の範囲が好ましいことが特
公平5−48215号に記載されているが、本発明者ら
の検討によると、上記のような温度範囲においても蒸留
工程に長時間を費やせば副生物の生成やホスファイト配
位子の実質的な分解が観察されることが分かった。また
逆に、150℃を超える温度においても極めて短時間で
蒸留を行えば、ホスファイト配位子の減損がなんら観察
されないことが明らかになった。これらのことは、ホス
ファイトの損失が起こらない分離条件が単に温度だけで
決定されるのではなく、少なくとも温度と滞留時間とが
関与することを示している。
触媒濃度及び低いアルデヒド濃度における操作は、ホス
ファイト配位子とアルデヒドからの副生物の生成やホス
ファイトの分解を抑制する。このうち、本発明者らの検
討によると、非環式ホスファイト配位子を含むロジウム
−ホスファイト触媒系においては、温度Tと滞留時間θ
Tが他の因子に比べてはるかに大きな影響を及ぼすこと
が分かった。従って、上記した温度Tと滞留時間θTの
両因子は組み合わされて非環式ホスファイト配位子の安
定性に関係し、またそれらの相関関係から非環式ホスフ
ァイトの安定性を予想することができる。ホスファイト
の減損、副生物の生成及び活性の低下を最小限に抑制す
る相関関係は次の式(5)で算出されるP値が1以下と
なるような範囲から選定することが好ましい。
あり、θT1は該分離操作における液の滞留時間(分)
を示す。) また、該分離操作における温度と滞留時間とを下記式
(6)で算出されるP値が1以下となるような範囲内か
ら選定することが更に好ましい。
あり、θT1は該分離操作における液の滞留時間(分)
を示す。)
ましくは30〜160℃、更に好ましくは110℃以
下、最も好ましくは90℃以下の範囲内から選定するの
がよく、滞留時間θT1を0.01秒〜180分、P値
を1.0×10-7〜1の範囲内から選定するのがよい。
操作、例えば薄膜蒸発器を使用する場合においても、上
記関係式の範囲内で条件をコントロールするならば、安
定して触媒をリサイクルすることが可能である。そし
て、前述した分離操作のうち、特に未反応オレフィン系
不飽和化合物又はアルデヒド生成物を蒸留により分離す
る操作において、上記関係式の範囲内で条件をコントロ
ールすることが好ましい。
的高沸点のアルデヒドを蒸留により回収する場合には、
蒸留釜の温度を下げる目的で通常水蒸気蒸留が用いられ
るが、通常の蒸留を行う場合にくらべはるかに激しいホ
スファイトの減損が観察された。これは、前記したヒド
ロキシアルキルスルホン酸が生成する副反応が水蒸気に
より促進されるためと考えられる。本発明は、この現象
に対しても水蒸気蒸留操作においてアミンを存在させる
ことで、非環式ホスファイトの分解を最小限に抑制又は
防止することが可能となる。
トの加水分解反応がおこるため、温度Tと滞留時間θT
以外に水蒸気分率Xがホスファイトの安定性に大きな影
響を及ぼし、これら3つの因子を相関させた特定関係式
に従って非環式ホスファイト配位子の安定性を予想する
ことができることを見出した。つまり、水蒸気蒸留にお
いて非環式ホスファイトの減損、副生物の生成及び活性
の低下を最小限に抑制する相関関係は次の式(3)で算
出されるP値が1以下となるような範囲から選定するの
が好ましい。
蒸留釜における液の滞留時間(分)、Xは水蒸気量/
(フィード量+水蒸気量)で定義される水蒸気分率であ
る。)
と滞留時間と水蒸気分率とを下記式(8)で算出される
P値が1以下となるような範囲内から選定することが更
に好ましい。
蒸留釜における液の滞留時間(分)、Xは水蒸気量/
(フィード量+水蒸気量)で定義される水蒸気分率であ
る。)
2(℃)を好ましくは40〜180℃、更に好ましくは
110℃以下、最も好ましくは90℃以下の範囲内から
選定するのがよく、滞留時間θT2を0.01秒〜18
0分、水蒸気分率Xを0.1〜0.9、P値を1.0×
10-7〜1の範囲内から選定するのがよい。
セス中に存在する遊離ホスファイト配位子はどんな過剰
量存在していてもよく、例えば反応媒体中に存在するロ
ジウム1モル当たり少なくとも1モルであり、100モ
ルまで或いはそれより多くすることができる。一般に、
反応媒体中に存在するロジウムに結合(錯形成)したホ
スファイトの量と遊離(非錯形成)のホスファイトの量
との和は、ロジウム1モル当たり約4〜約500モルあ
れば大部分の用途に適する。また、反応媒体中に所定量
の遊離配位子を維持するために、任意の態様で反応媒体
中に補給用ホスファイト配位子を供給してもよい。ま
た、ロジウム−ホスファイト系錯体触媒の非環式ホスフ
ァイト配位子と遊離ホスファイト配位子とは通常同じ種
類の配位子を用いるが、必要によりそれぞれ別のホスフ
ァイト配位子を使用してもよく、また、2種以上の異な
るホスファイト配位子の混合物を使用することもでき
る。
のロジウム源としては、ロジウムアセチルアセトナー
ト、[Rh(COD)(OAc)]2等のロジウム錯
体、酢酸ロジウム等の有機塩、硝酸ロジウム等の無機
塩、酸化ロジウム等の酸化物等が用いられる。(ここ
で、CODはシクロオクタジエンを、Acはアセチル基
をそれぞれ表す。)
に供給して、錯体触媒をヒドロホルミル化反応系内で形
成させてもよいが、反応器外で一酸化炭素、水素及びホ
スファイト化合物と共に、溶媒中で高い温度・圧力の条
件下で反応させて、あらかじめロジウム錯体触媒を調製
しておくこともできる。触媒調製の際に使用する溶媒
は、通常後述する反応溶媒の中から選ばれるが、必ずし
も反応溶媒と同一の溶媒でなくてもよい。調製条件は通
常、圧力が常圧〜100kg/cm2G、温度が常温〜
150℃で行われる。
媒体中に存在するロジウム−ホスファイト系錯体触媒の
量は、使用すべき所定のロジウム濃度をもたらすのに必
要な最低量あればよく、少なくとも触媒量のロジウムに
関する基準を満たす量であればよい。ヒドロホルミル化
反応媒体中のロジウム濃度は、一般に金属ロジウムとし
て計算して、1ppm〜1000ppmの範囲で十分で
あり、10〜500ppmを用いることが好ましく、2
5〜350ppmがより好ましい。
合物は、単品でも混合物としても用いることができ、直
鎖状、分岐鎖状又は環状構造でもよい。好適なオレフィ
ン系不飽和化合物は炭素数2〜20のオレフィンであ
り、2個以上のエチレン性不飽和基を含んでいてもよ
い。ヒドロホルミル化反応に実質的に悪影響を与えない
カルボニル基、カルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、オ
キシカルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリ
ール基、アルキル基、ハロアルキル基等を含有していて
もよい。
α−オレフィン、内部オレフィン、アルケン酸アルキ
ル、アルカン酸アルケニル、アルケニルアルキルエーテ
ル、アルケノール等が挙げられ、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテ
ン、ノネン、デセン、ドデセン、オクタデセン、シクロ
ヘキセン、プロピレン二量体混合物、プロピレン三量体
混合物、プロピレン四量体混合物、ブテン二量体混合
物、ブテン三量体混合物、スチレン、3−フェニル−1
−プロペン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジ
エン、3−シクロヘキシル−1−ブテン、アリルアルコ
ール、1−ヘキセン−4−オール、1−オクテン−4−
オール、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸−3−ブテニ
ル、プロピオン酸アリル、酢酸アリル、メタクリル酸メ
チル、酢酸−3−ブテニル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プロ
ピル−7−オクテノエート、3−ブテンニトリル、5−
ヘキセンアミド等が挙げられる。
料オレフィン自体を用いてもよく、2種以上の混合物を
用いることもできる。一般に、アルデヒド生成物及び/
又は反応系中で形成される高沸点のアルデヒド液体縮合
副生物を用いることが好ましい。例えば、連続プロセス
の開始時には任意の一次溶剤を用いた場合でも、連続プ
ロセスという性質上、一次溶剤は通常最終的には、アル
デヒド生成物と高沸点のアルデヒド液体縮合副生物とか
らなる。所望により、このアルデヒド縮合副生物は予備
形成させてもよい。溶剤の使用量は本発明にとって重要
な問題でなく、所定プロセスに望まれる特定のロジウム
濃度を維持し、且つ反応媒体としての役割を果たすのに
十分な量であればよい。一般に、溶剤量は、反応媒体の
総重量に対し約5重量%〜約95重量%が用いられる。
素、一酸化炭素及びオレフィン系不飽和化合物の総気体
圧力が500kg/cm2G未満でヒドロホルミル化プ
ロセスを作動させることが好ましく、200kg/cm
2G未満がより好ましい。最低限の総気体圧力は、反応
の初期速度を達成するのに必要な反応体量により限定さ
れる。更に、本発明のヒドロホルミル化反応における一
酸化炭素分圧は、好ましくは0.1〜100kg/cm
2、より好ましくは1〜7kg/cm2であり、た水素分
圧は好ましくは0.1〜100kg/cm2、より好まし
くは1〜8kg/cm2である。一般に、水素と一酸化
炭素ガスのモル比(H2:CO)は1:10〜100:
1であり、より好ましくは1:1〜10:1である。
実施でき、反応温度50℃〜120℃の範囲内が多くの
オレフィン出発原料に対して好ましい。120℃を大幅
に上回る反応温度では、実質的な利益は観察されず、ま
た、特表昭61−501268号に開示されているよう
に、触媒活性の減退が見込まれるために一般に好ましく
ない。
常連続式の反応器に原料であるオレフィン系不飽和化合
物、オキソガス及び触媒液を連続的に供給し、上記ヒド
ロホルミル化反応条件下にて実施される。上記ヒドロホ
ルミル化反応で副生する中沸点の副生物は、本発明で配
位子として使用するホスファイト化合物よりも沸点の低
い化合物を意味し、主としてヒドロホルミル化反応で生
成するアルデヒドの2次的副反応により生成するもので
ある。例えば、プロピレンのヒドロホルミル化反応にお
いては、直鎖状のn−ブチルアルデヒドと分岐鎖状のイ
ソブチルアルデヒドとが生成するが、これらのアルデヒ
ド生成物は反応性に富み、それ自体、触媒の不存在下
で、しかも比較的低温においてもゆっくりと重合反応又
は縮合反応を起こし、中沸点の重縮合生成物を生成す
る。
n−ブチルアルデヒドについては、その自己重合物であ
る二量体及び三量体、縮合二量体である2−エチルヘキ
セナール、その水素化物である2−エチルヘキサナール
及び2−エチルヘキサノール、n−ブチルアルデヒドの
水素化物であるn−ブタノール、あるいはn−ブチルア
ルデヒドのジブチルアセタール等が挙げられる。また、
イソブチルアルデヒドからもn−ブチルアルデヒドと同
様な反応で自己縮合物である二量体、三量体が生成し、
さらにn−ブチルアルデヒドとイソブチルアルデヒドと
の交互重合生成物である二量体、三量体及びそれらの誘
導体も生成する。
上記した中沸点副生物以外にも、本発明で配位子として
使用するホスファイト化合物よりも沸点の高い高沸点副
生物も副生する。
詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り
以下の実施例によって限定されるものではない。本発明
者らは、ロジウム−ホスファイト系錯体触媒を使用する
連続的液体再循環ヒドロホルミル化プロセスにおいて、
ホスファイトの分解を最低限に抑制するのにアルデヒド
生成物等の分離条件が影響を及ぼすことを立証する促成
ホスファイト減損テスト法を利用した。この方法は、極
めて短時間で有為な結果を得るべく、実際のプロセスに
おいてアルデヒド生成物等の分離の際に経験されるより
はるかに過酷な条件下にロジウム−ホスファイト系錯体
触媒溶液を存在させることから成る。例えば、ホスファ
イト配位子の減損速度は通常1日当たり数%程度なの
で、標準的アルデヒド分離法では定量に何日もかかる
が、上記の促成ホスファイト減損テスト法は、一酸化炭
素及び水素(オキソガス)を共存させずに触媒溶液をア
ルデヒド分離温度に連続保持させることによって数時間
で完了しうる。以下の実施例の一部において、この促成
ホスファイト減損テスト法が触媒の安定性を評価するの
に用いられた。
ファイト(以下DBNOとする。)で錯化されたロジウ
ムより本質的になるロジウム錯体触媒及び遊離ホスファ
イトの存在下に、ブテンの二量化により得られたオクテ
ン混合物(以下、混合オクテンという)を一酸化炭素及
び水素と反応させて炭素数9のアルデヒド(以下、ノニ
ルアルデヒドという)を生成する連続的ヒドロホルミル
化反応を行った。ヒドロホルミル化条件は、Rh濃度5
0mg/L,ホスファイト/Rh(モル比)=10、反
応温度130℃、反応圧力50kg/cm2Gであっ
た。このヒドロホルミル化反応生成液を凝縮器を備え真
空ポンプに連結された500mlの蒸留フラスコに仕込
んだ後、フラスコ内の圧力を約40mmHgに徐々に下
げた。次いで、熱を加えて反応生成液を約90℃の温度
で連続的に蒸留し、未反応オクテンと大部分のノニルア
ルデヒドを留去した。そして、蒸留残渣に表−1に示し
た添加物を加えて得られた反応液の水蒸気蒸留を行い、
ノニルアルデヒドを留去した後の蒸留残渣を液体クロマ
トグラフィーにより分析し、配位子の定量を行った。水
蒸気蒸留の蒸留条件は、蒸留釜温度90℃、滞留時間
1.0hr、水蒸気分率0.5であり、前述した式
(7)のP値を算出すると0.129であった。添加物
の種類と添加量及び配位子の分解率(%)を表−1に示
した。
以下の実験を行った。[Rh(COD)(OAc)]2
をロジウム濃度で250mg/Lとなるようにトルエン
に溶解し、更に次式(A)で表されるホスファイト化合
物をロジウムに対して4倍モル加えて触媒液を調製し
た。この触媒液を用いてプロピレンのヒドロホルミル化
反応をオキソガス圧3kg/cm2G、反応温度90℃
で3時間実施した。このヒドロホルミル化反応生成液を
20段のオールダーショウ型蒸留塔を用いて、圧力25
0mmHg、蒸留釜温度80℃で連続的に蒸留し、アル
デヒド生成物と触媒とを分離した。この触媒液を誘導攪
拌式オートクレーブに仕込み、密閉下、90℃で8時間
処理した。この熱処理液を更に常温、窒素下で2カ月保
存した。2カ月後に触媒液を分析したところ、触媒液中
のホスファイト配位子(A)はすべて分解していた。こ
の触媒液にヒドロホルミル化反応に用いたのと同じホス
ファイト配位子(A)をロジウムに対して4倍モル添加
し(この時、液中のロジウム濃度は250mg/Lであ
った)、更に、表−2に示した添加物を加えた液を誘導
攪拌式オートクレーブに仕込み、密閉下、90℃で2時
間処理を行った。その後、液を抜き出して液体クロマト
グラフィーにより配位子の定量を行った。添加物の種類
と添加量及び配位子の分解率(%)を表−2に示した。
とにより、特に非環式ホスファイト配位子の減損や高沸
物等の副生物の生成を最低限に抑制することができ、高
い活性と優れた選択性を示す非環式ホスファイト配位子
を使用する液体再循環プロセスにおいて、工業的に有利
にアルデヒド類を製造することができる。
Claims (16)
- 【請求項1】 リン原子を含む環状構造を分子内に持た
ないホスファイト化合物を配位子として有するロジウム
−ホスファイト系錯体触媒の存在下、オレフィン系不飽
和化合物を一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応
させることにより得られる、ロジウム−ホスファイト系
錯体触媒及びアルデヒド生成物を含む反応生成液から、
分離操作によって未反応オレフィン系不飽和化合物、ア
ルデヒド生成物、溶媒、中沸点副生物及び高沸点副生物
から選ばれる少なくとも1つの成分を分離するアルデヒ
ド類の製造方法において、該少なくとも1つの成分の分
離操作においてアミンを存在させることを特徴とするア
ルデヒド類の製造方法。 - 【請求項2】 ホスファイト化合物の少なくとも1つの
アルコール成分が、酸素原子に結合する炭素原子の隣接
炭素原子に炭化水素置換基を有する芳香族アルコールで
ある請求項1に記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項3】 ロジウム−ホスファイト系錯体触媒の配
位子が、下記一般式(1)で表されるホスファイト化合
物からなる請求項2に記載のアルデヒド類の製造方法。 【化1】 P(OR1)(OR2)(OR3) ・・・(1) [式中、R1,R2及びR3は互いに独立して有機基を表
わし、その少なくとも1つは、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R4は一般式C(R9)(R10)(R11)で表わ
される基又は置換基を有していてもよいアリール基を表
し、R9,R10及びR11は互いに異なっていてもよく、
それぞれ水素原子、炭化水素基又はフッ素化炭化水素基
を表し、R5,R6,R7及びR8は互いに異なっていても
よく、それぞれ水素原子又は有機基を表す。)で表され
る置換フェニル基を表す。] - 【請求項4】 ロジウム−ホスファイト系錯体触媒の配
位子が、下記一般式(1’)で表されるホスファイト化
合物からなる請求項2に記載のアルデヒド類の製造方
法。 【化3】 P(OR1)(OR2)(OR3) ・・・(1’) [式中、R1,R2及びR3は、互いに独立して有機基を
表わし、その少なくとも1つは、下記一般式(3) 【化4】 (式中、R4は一般式C(R9)(R10)(R11)で表わ
される基又は置換基を有していてもよいアリール基を表
し、R9,R10及びR11は互いに異なっていてもよく、
それぞれ水素原子、炭化水素基又はフッ素化炭化水素基
を表し、R12,R 13,R14,R15,及びR16は互いに異
なっていてもよく、それぞれ水素原子又は有機基を表
す。)で表される置換−2−ナフチル基を表す。] - 【請求項5】 ロジウム−ホスファイト系錯体触媒の配
位子が、下記一般式(4)で表されるホスファイト化合
物からなる請求項2に記載のアルデヒド類の製造方法。 【化5】 A1[−O−P(OR17)(OR18)]n ・・・(4) (式中、R17及びR18は互いに異なっていてもよい芳香
族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基の少なくとも
1つは、酸素原子に結合する炭素原子の隣接炭素原子に
炭化水素基を有し、A1は、それぞれ置換基を有してい
てもよい脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素又は芳香族炭
化水素の部分構造を含有するn価の有機基を表す。ま
た、各[−O−P(OR17)(OR18)]基は互いに異
なっていてもよく、nは2〜4の整数を表す。) - 【請求項6】 分離操作における温度と滞留時間とを下
記式(5)で算出されるP値が1以下となるような範囲
内から選定する請求項1〜5のいずれかに記載のアルデ
ヒド類の製造方法。 【数1】 P=5.0×103×exp[−5000/(T1+273)]×θT1 ・・・(5) (式中、T1は該分離操作における最高の温度(℃)で
あり、θT1は該分離操作における液の滞留時間(分)
を示す。) - 【請求項7】 分離操作が未反応オレフィン系不飽和化
合物又はアルデヒド生成物を蒸留により分離する操作で
ある請求項1〜6のいずれかに記載のアルデヒド類の製
造方法。 - 【請求項8】 分離操作が水蒸気蒸留である請求項1〜
5のいずれかに記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項9】 分離操作における水蒸気蒸留温度と滞留
時間と水蒸気分率とを下記式(7)で算出されるP値が
1以下となるような範囲内から選定する請求項8に記載
のアルデヒド類の製造方法。 【数2】 P=6.5×104×exp[−6000/(T2+273)]×θT2×X ・・・(7) (式中、T2は水蒸気蒸留塔の塔底温度(℃)、θT2は
蒸留釜における液の滞留時間(分)、Xは水蒸気量/
(フィード量+水蒸気量)で定義される水蒸気分率であ
る。) - 【請求項10】 分離操作における水蒸気蒸留温度と滞
留時間と水蒸気分率とを下記式(8)で算出されるP値
が1以下となるような範囲内から選定する請求項8に記
載のアルデヒド類の製造方法。 【数3】 P=4.5×105×exp[−6000/(T2+273)]×θT2×X ・・・(8) (式中、T2は水蒸気蒸留塔の塔底温度(℃)、θT2は
蒸留釜における液の滞留時間(分)、Xは水蒸気量/
(フィード量+水蒸気量)で定義される水蒸気分率であ
る。) - 【請求項11】 分離操作がアルデヒド生成物を分離す
る操作である請求項8〜10のいずれかに記載のアルデ
ヒド類の製造方法。 - 【請求項12】 分離操作における温度T2(℃)を1
80℃以下の範囲内から選定する請求項8〜11の何れ
かに記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項13】 アミンがアルデヒド生成物よりも高沸
点物である請求項1〜12のいずれかに記載のアルデヒ
ド類の製造方法。 - 【請求項14】 アミンが3級アミンである請求項1〜
13のいずれかに記載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項15】 アミンの存在量が、ロジウム1モル当
たり1〜20モルである請求項1〜14のいずれかに記
載のアルデヒド類の製造方法。 - 【請求項16】 オレフィン系不飽和化合物が、プロピ
レン、ブテン類、オクテン類又はノネン類から選ばれた
ものである請求項1〜15のいずれかに記載のアルデヒ
ド類の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07905295A JP3551532B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | アルデヒド類の製造方法 |
US08/568,970 US5672766A (en) | 1994-12-12 | 1995-12-07 | Method for producing aldehydes |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07905295A JP3551532B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | アルデヒド類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08268947A true JPH08268947A (ja) | 1996-10-15 |
JP3551532B2 JP3551532B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=13679132
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07905295A Expired - Lifetime JP3551532B2 (ja) | 1994-12-12 | 1995-04-04 | アルデヒド類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3551532B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08259578A (ja) * | 1995-01-24 | 1996-10-08 | Mitsubishi Chem Corp | ビスホスファイト化合物およびそれを用いるアルデヒド類の製造方法 |
JPH0987292A (ja) * | 1995-09-28 | 1997-03-31 | Mitsubishi Chem Corp | 新規ビスホスファイトロジウム錯体及び該錯体を用いたアルデヒド類の製造方法 |
JP2000239212A (ja) * | 1998-12-14 | 2000-09-05 | Mitsubishi Chemicals Corp | アルデヒドの製造方法 |
JP2000351748A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-19 | Mitsubishi Chemicals Corp | アルデヒド類の製造方法 |
JP2000351746A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-19 | Mitsubishi Chemicals Corp | アルデヒド類の製造法 |
JP2010018621A (ja) * | 2009-09-18 | 2010-01-28 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | ジオールの製造方法 |
JP2011521991A (ja) * | 2008-06-03 | 2011-07-28 | エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 高いn−ペンタナール含有量を有するC5−アルデヒド混合物の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60156636A (ja) * | 1983-12-23 | 1985-08-16 | デイビー マツキー(ロンドン)リミテツド | ヒドロホルミル化工程 |
JPS649947A (en) * | 1987-07-01 | 1989-01-13 | Mitsui Toatsu Chemicals | Production of 2-chloropropionaldehyde |
JPH01190646A (ja) * | 1987-12-12 | 1989-07-31 | Hoechst Ag | 1分子中に2〜12個の炭素原子を有するアルデヒドの安定化方法 |
JPH0242040A (ja) * | 1988-08-02 | 1990-02-13 | Mitsubishi Kasei Corp | ヒドロホルミル化方法 |
JPH05178779A (ja) * | 1991-06-11 | 1993-07-20 | Mitsubishi Kasei Corp | ヒドロホルミル化法およびビスホスファイト化合物 |
JPH05320087A (ja) * | 1992-05-21 | 1993-12-03 | Tosoh Corp | ヒドロキシブチルアルデヒド類の製法 |
-
1995
- 1995-04-04 JP JP07905295A patent/JP3551532B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60156636A (ja) * | 1983-12-23 | 1985-08-16 | デイビー マツキー(ロンドン)リミテツド | ヒドロホルミル化工程 |
JPS649947A (en) * | 1987-07-01 | 1989-01-13 | Mitsui Toatsu Chemicals | Production of 2-chloropropionaldehyde |
JPH01190646A (ja) * | 1987-12-12 | 1989-07-31 | Hoechst Ag | 1分子中に2〜12個の炭素原子を有するアルデヒドの安定化方法 |
JPH0242040A (ja) * | 1988-08-02 | 1990-02-13 | Mitsubishi Kasei Corp | ヒドロホルミル化方法 |
JPH05178779A (ja) * | 1991-06-11 | 1993-07-20 | Mitsubishi Kasei Corp | ヒドロホルミル化法およびビスホスファイト化合物 |
JPH05320087A (ja) * | 1992-05-21 | 1993-12-03 | Tosoh Corp | ヒドロキシブチルアルデヒド類の製法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08259578A (ja) * | 1995-01-24 | 1996-10-08 | Mitsubishi Chem Corp | ビスホスファイト化合物およびそれを用いるアルデヒド類の製造方法 |
JPH0987292A (ja) * | 1995-09-28 | 1997-03-31 | Mitsubishi Chem Corp | 新規ビスホスファイトロジウム錯体及び該錯体を用いたアルデヒド類の製造方法 |
JP2000239212A (ja) * | 1998-12-14 | 2000-09-05 | Mitsubishi Chemicals Corp | アルデヒドの製造方法 |
JP2000351748A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-19 | Mitsubishi Chemicals Corp | アルデヒド類の製造方法 |
JP2000351746A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-19 | Mitsubishi Chemicals Corp | アルデヒド類の製造法 |
JP2011521991A (ja) * | 2008-06-03 | 2011-07-28 | エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 高いn−ペンタナール含有量を有するC5−アルデヒド混合物の製造方法 |
JP2010018621A (ja) * | 2009-09-18 | 2010-01-28 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | ジオールの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3551532B2 (ja) | 2004-08-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4717775A (en) | Transition metal complex catalyzed reactions | |
US4599206A (en) | Transition metal complex catalyzed reactions | |
AU722459B2 (en) | Improved metal-ligand complex catalyzed processes | |
KR101629043B1 (ko) | 재순환 촉매 스트림 중의 중질물 제어 방법 | |
RU2336261C2 (ru) | Способ каталитического гидроформилирования высших олефинов в присутствии циклических эфиров угольной кислоты | |
AU720249B2 (en) | Improved metal-ligand complex catalyzed processes | |
JPH06199728A (ja) | 改良されたヒドロホルミル化方法 | |
PL152601B1 (en) | Transition metal complex catalyzed processes | |
US5648554A (en) | Method for producing aldehydes | |
EP2699350B1 (en) | Methods to store transition metal organophosphorous ligand based catalysts | |
JP3551509B2 (ja) | アルデヒド類の製造方法 | |
US4789753A (en) | Phosphite ligands | |
EP2855016A1 (en) | Hydroformylation process | |
US5672766A (en) | Method for producing aldehydes | |
JPH11130718A (ja) | アルデヒド類の製造方法及びこれに用いるビスホスファイト | |
JP3551532B2 (ja) | アルデヒド類の製造方法 | |
ZA200305924B (en) | Process for producing aldehyde. | |
KR102098429B1 (ko) | 하이드로포밀화 방법 | |
JPH08337550A (ja) | アルデヒド類の製造方法 | |
JP2001163821A (ja) | アルデヒドの製造方法 | |
JP3291421B2 (ja) | ヒドロホルミル化方法におけるホスフィットリガンドの安定化 | |
JP2000351746A (ja) | アルデヒド類の製造法 | |
RU2440325C2 (ru) | Способ карбонилирования с добавлением пространственно-затрудненных вторичных аминов | |
JP2000351748A (ja) | アルデヒド類の製造方法 | |
CZ175098A3 (cs) | Zlepšený způsob katalýzy komplexem kov-ligand |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20031215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040304 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040419 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |