JP2000239212A - アルデヒドの製造方法 - Google Patents

アルデヒドの製造方法

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JP2000239212A JP11351540A JP35154099A JP2000239212A JP 2000239212 A JP2000239212 A JP 2000239212A JP 11351540 A JP11351540 A JP 11351540A JP 35154099 A JP35154099 A JP 35154099A JP 2000239212 A JP2000239212 A JP 2000239212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ホスファイトを配位子とするロジウム錯
体触媒を用いてオレフィン性化合物にオキソガスを反応
させてアルデヒドを製造するに際し、触媒の活性低下を
阻止しながら触媒を長期間に亘って使用する。 【解決手段】 ロジウムに対し0.0001〜5倍モル
の有機ホスホネートを共存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ホスファイト
を配位子として含むロジウム錯体触媒を用いて、オレフ
ィン性化合物に水素及び一酸化炭素を反応させてアルデ
ヒドを製造する方法に関するものである。特に本発明
は、ロジウム錯体触媒を循環使用するに際して触媒の活
性が低下するのを阻止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロジウムはヒドロホルミル化反応の触媒
として広く用いられており、三価のリン化合物のような
配位子で修飾することによって、ヒドロホルミル化反応
の活性や選択性を向上させることができることは当業者
に周知である。そのため、配位子として用いる3価のリ
ン化合物について種々検討されている。中でも、高い反
応性と選択性を示す有機ホスファイトを配位子とするヒ
ドロホルミル化触媒について、近年多くの検討がなされ
ている。
【0003】例えば、特開昭57−123134には、
フェニル環の特定部位に置換基を有するトリアリールホ
スファイトを配位子として用いる方法が開示されてい
る。特開昭59−51228及び特開昭59−5123
0には、橋頭部にリン原子を含有する環式ホスファイト
を配位子として用いる方法が開示されている。特表昭6
1−501268には、環状構造を持つジオルガノホス
ファイトを配位子として用いる方法が開示されている。
特開昭62−116587には、2つのホスファイト基
のうちの1つが環状構造を有する二座ホスファイトが、
また、特開昭62−116535には、2つのホスファ
イト基が共に環状構造を有する二座ホスファトが開示さ
れている。特開平4−290551には、環状構造を有
するビスホスファイトを配位子として用いる方法が開示
されている。また、本出願人による特開平5−3392
07には、特定部位に置換基を有するビスホスファイト
又はポリホスファイトを配位子として用いる方法が開示
されている。
【0004】しかし、工業的に有機ホスファイトを配位
子として用いるには、その安定性を改善することが望ま
れている。すなわち、特開昭59−51229に開示さ
れているように、トリフェニルホスファイト等の開放型
の有機ホスファイトを配位子として用いると、ヒドロホ
ルミル化反応系中で有機ホスファイトが減損し、それに
ともない触媒活性が低下することが知られており、有機
ホスファイトの連続的な補給が必要である。
【0005】また、特表昭61−501268には、ト
リフェニルホスファイトはロジウムの非存在下において
も室温下でアルデヒドと速やかに反応することが述べら
れている。有機ホスファイトとアルデヒドとの反応生成
物は、容易に加水分解して対応するヒドロキシアルキル
ホスホン酸になることが示されている。そして、このヒ
ドロキシアルキルホスホン酸は有機ホスファイトの分解
を促進すること、及び弱塩基性イオン交換樹脂によりこ
れらの酸性成分を除くと、有機ホスファイトの分解を抑
制することが可能であることが開示されている。
【0006】特開平2−231497には、有機ホスフ
ァイトを合成する際にホスホン酸ジエステルが副生する
が、これは有機ホスファイトの安定性に悪影響を及ぼ
し、かつロジウム触媒と不溶性の錯体を形成することが
開示されている。そして同公報には、ホスホン酸ジエス
テルを含む液に水及びルイス塩基を添加して、ホスホン
酸ジエステルをモノエステルに転化し、有機ホスファイ
トと分離するのが望ましいことが開示されている。特開
平6−199728には、有機ビスホスファイトの分解
により生成する化合物が触媒のロジウムと結合し、触媒
活性を低下させることが開示されている。そして弱酸性
の化合物を添加することにより、触媒を被毒する化合物
を選択的に分解して触媒活性を維持する方法が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように有機ホ
スファイトを配位子とするロジウム錯体触媒は、有機ホ
スファイトが分解して触媒活性が低下しやすいので、そ
の対策が種々検討されているが、いずれも未だ満足すべ
きものではない。ロジウムは極めて高価なので、ロジウ
ム錯体触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行うに際し
ては、反応生成液からロジウム錯体触媒をその活性を極
力低下させずに回収して再使用することが極めて望まし
いが、触媒の循環使用は触媒活性を低下させるおそれの
ある成分の蓄積を招くおそれがある。従って本発明は、
ヒドロホルミル化反応に際して、ロジウム錯体触媒を極
力活性低下させずに循環使用する方法を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの検討によれ
ば、少くともロジウムと有機ホスファイトから成るロジ
ウム錯体触媒を循環使用してオレフィン性化合物のヒド
ロホルミル化反応を行うと、有機ホスファイトが分解し
て有機ホスホネートが生成し、反応系内に蓄積する。そ
して、この蓄積した有機ホスホネートは、大量になると
触媒を被毒し、かつこれから誘導される化合物が有機ホ
スファイトの分解を促進するようになる。しかし有機ホ
スホネートは、その存在量が少量であれば、意外にもロ
ジウム錯体触媒を安定化させる作用を奏する。すなわち
有機ホスホネートは、その存在量を一定範囲に制御すれ
ば、触媒の被毒を回避し、むしろ触媒を安定化させるこ
とができる。本発明は、このような知見に基づくもの
で、本発明によれば少くともロジウムと有機ホスファイ
トから成るロジウム錯体触媒の存在下にオレフィン性化
合物と水素及び一酸化炭素とを反応させてアルデヒドを
生成させるに際し、一般式(1)で表される有機ホスホ
ネートをロジウムに対し0.0001〜5倍モル共存さ
せることにより、触媒活性が低下するのを阻止すること
ができる。
【0009】
【化11】 HP(O)(OX1 )(OX2 ) ・・・(1) (式中、X1 は水素又は1価の有機基を表し、X2 は1
価の有機基を表す。但しX1 とX2 とが結合して2価の
有機基を形成していてもよい)
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】本発明方法によるヒドロホルミル化反応
は、ロジウムに対し0.0001〜5倍モルの有機ホス
ホネートを共存させる以外は、常法に従って行うことが
できる。反応に用いるロジウム錯体触媒は、公知のロジ
ウム−有機ホスファイト錯体触媒の調製法に従って調製
することができる。ロジウム錯体触媒は予じめ調製して
反応に用いてもよく、また反応系内でロジウム化合物と
有機ホスファイトとから生成させてもよい。触媒調製に
用いるロジウム化合物としては、例えば、塩化ロジウ
ム、硝酸ロジウム、酢酸ロジウム、ギ酸ロジウム、塩化
ロジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸カリウムのよう
なロジウムの無機又は有機酸塩、アルミナ、シリカ、活
性炭などの担体に担持されたロジウム金属、ロジウムジ
カルボニルアセチルアセトナート、ロジウム(1,5−
シクロオクタジエン)アセチルアセトナートのようなロ
ジウムのキレート性化合物、テトラロジウムドデカカル
ボニル、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル、μ,
μ′−ジクロロロジウムテトラカルボニル、[Rh(O
Ac)(COD)]2 (CODは1,5−シクロオクタ
ジエンを表わす。)、[Rh(μ−S−t−Bu)(C
O)2 2 のようなロジウムのカルボニル錯化合物が挙
げられる。
【0012】配位子の有機ホスファイトとしては、トリ
アリールホスファイト、トリアルキルホスファイト、ア
ルキルアリールホスファイトなど、任意の有機ホスファ
イトを用いることができる。また、これらのホスファト
構造を同一分子内に複数個有する、ビスホスファイト、
トリスホスファイトなどのポリホスファイトも用いるこ
とができる。これらの有機ホスファイトのうち、モノホ
スファイトは、リン原子を含む環状構造を有していない
ものと、このような構造を有するものとに大別すること
ができる。前者は下記の一般式(2)で表される。
【0013】
【化12】 P(OR1 )(OR2 )(OR3 ) ・・・(2)
【0014】式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立して、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基など炭素数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜3
0のヘテロ芳香族炭化水素基を表し、これらにはヒドロ
ホルミル化反応を阻害しない置換基が結合していてもよ
い。このような置換基としてはハロゲン原子や、炭素原
子1〜20個を有するアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル
基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基などが挙
げられる。
【0015】一般式(2)で表される有機ホスファイト
のうちではR1 〜R3 のうちの少くとも1つが、下記一
般式(3)で表される置換アリール基であるのが好まし
い。
【0016】
【化13】
【0017】式中、R4 はヒドロホルミル化反応を阻害
しない置換基を有していてもよいアリール基を表すか、
又は−CR9 1011を表す。ここでR9 〜R11は、そ
れぞれ独立して、水素原子又はフッ素化されていてもよ
い炭化水素基を示す。R4 としては、イソプロピル基や
t−ブチル基のような、1−位に分岐を有していて、立
体障害の大きいものが好ましい。R5 〜R8 は、それぞ
れ独立して、水素原子又はヒドロホルミル化反応を阻害
しない有機基を表す。なおR5 〜R8 のうちの隣接する
ものが互いに結合して縮合芳香環又は縮合複素環を形成
していてもよい。
【0018】このような有機ホスファイトのいくつかを
例示すると、ジフェニル(2,4−ジタ−シャリ−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、ジフェニル(2−イソプロ
ピルフェニル)ホスファイト、ビス(2−タ−シャリ−
ブチル−4−メチルフェニル)フェニルホスファイト、
ジフェニル(3,6−ジタ−シャリ−ブチル−2−ナフ
チル)ホスファイト、ビス(2−ナフチル)(3,6−
ジタ−シャリ−ブチル−2−ナフチル)ホスファイト、
ビス(3,6,8−トリタ−シャリ−ブチル−2−ナフ
チル)フェニルホスファイト、ビス(3,6,8−トリ
タ−シャリ−ブチル−2−ナフチル)(2−ナフチル)
ホスファイト等が挙げられる。
【0019】一般式(2)で表される有機ホスファイト
として特に好ましいのは、R1 〜R 3 のすべてが一般式
(3)で表される置換アリール基であるものである。こ
のような有機ホスファイトのいくつかを例示すると、ト
リス(2,4−ジタ−シャリ−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2−タ−シャリ−ブチル−4−メチル
フェニル)ホスファイト、トリス(2−タ−シャリ−ブ
チル−4−メトキシフェニル)ホスファイト、トリス
(o−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(o−
メチルフェニル)ホスファイト、ビス(3,6−ジタ−
シャリ−ブチル−2−ナフチル)(2,4−ジタ−シャ
リ−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(3,6−ジ
タ−シャリ−ブチル−2−ナフチル)(2−タ−シャリ
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(3,6−ジ
タ−シャリ−ブチル−2−ナフチル)ホスファイト、ト
リス(3,6−ジタ−シャリ−アミル−2−ナフチル)
ホスファイト等が挙げられる。モノホスファイトのうち
リン原子を含む環状構造を有するものは、下記の一般式
(4)で表される。
【0020】
【化14】
【0021】式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んで
いてもよく、かつヒドロホルミル化反応を阻害しない置
換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表し、Yは
ヒドロホルミル化反応を阻害しない置換基を有していて
もよい炭化水素基又はヘテロ芳香族炭化水素基を表す。
一般式(4)において、Yは前述の一般式(3)で表さ
れる置換アリール基であるのが好ましい。またZは、炭
素鎖中に酸素、窒素又は硫黄原子のようなヘテロ原子を
含んでいてもよいアルキレン基、アリーレン基又は両者
の混成基であるのが好ましい。このような2価の炭化水
素基としては、アルキレン基、アルキレンオキシアルキ
レン基、窒素原子にアルキル基が結合していてもよいア
ルキレンアミノアルキレン基、アルキレンチオアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ビアリーレ
ン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン
アリーレン基、アリーレンオキシアリーレン基、アリー
レンオキシアルキレン基、アリーレンチオアリーレン
基、アリーレンチオアルキレン基、又は窒素原子にアル
キル基が結合していてもよいアリーレンアミノアリーレ
ン基もしくはアリーレンアミノアルキレン基などが挙げ
られる。一般式(4)で表される有機ホスファイトの好
ましい1例は、下記の一般式(5)で表されるものであ
る。
【0022】
【化15】
【0023】式中、R12及びR13は、それぞれ独立し
て、水素原子又はヒドロホルミル化反応を阻害しない置
換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基
もしくはアリール基を表し、nは0ないし4の整数を表
わす。Yは一般式(4)におけると同義であり、好まし
くは前述の一般式(3)で表される置換アリール基を表
す。一般式(5)において、R12及びR13の代表的なも
のとしては、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル
基、ベンジル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、ヒ
ドロキシエチル基、トリフルオロメチル基などが挙げら
れる。一般式(4)で表される有機ホスファイトの好ま
しい他の1例は、下記の一般式(6)で表されるもので
ある。
【0024】
【化16】
【0025】式中、R14はアルキル基、シクロアルキル
基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、又はヒ
ドロホルミル化反応を阻害しない置換基を有していても
よいアリール基であり、その結合基はo−、m−、p−
位のいずれであってもよい。またR14は、その結合して
いるベンゼン環と縮合して、ナフタレン環などの縮合芳
香環を形成していてもよい。Yは一般式(4)における
と同義であり、好ましくは前述の一般式(3)で表され
る置換アリール基を表す。一般式(4)で表される有機
ホスファイトの好ましい他の別の1例は、下記の一般式
(7)で表されるものである。
【0026】
【化17】
【0027】式中、Arはヒドロホルミル化反応を阻害
しない置換基を有していてもよいアリール基であり、互
いに異なっていてもよい。Qは−CR1516−、−O
−、−S−、−NR17−、−SiR1819−、−CO−
などの2価の架橋基である。こ1らの架橋基において、
15及びR16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数
1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基又はアニ
シル基を表し、R17〜R 19は、それぞれ独立して、水素
原子又はメチル基を表す。nは、それぞれ独立して、0
又は1を表す。Yは一般式(4)におけると同義であ
る。Yの好ましい例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペン
チル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、t−ヘキシル基、シクロヘキシル基、イソオクチ
ル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、オクタデシル
基などの炭素数1〜20のアルキル基やシクロアルキル
基、及びヒドロホルミル化反応を阻害しない置換基を有
していてもよいフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフ
チル基などのアリール基が挙げられる。アリール基の置
換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、シクロア
ルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、
アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基などやハロ
ゲン原子が挙げられる。一般式(7)の有機ホスファイ
トのうちでも特に好ましいのは、下記の一般式(8)又
は(9)で表されるものである。
【0028】
【化18】
【0029】これらの式において、Q、Y及びnは前記
(7)式と同一であり、R20〜R25は、それぞれ独立し
て、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、
アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオ
キシ基もしくはアルコキシカルボニル基、又はハロゲン
原子を表す。上記したリン原子を含む環状構造を有する
有機ホスファイトのいくつかを下記の表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】本発明で配位子として用いる、分子内に2
個以上のホスファイト構造を有するポリホスファイト
は、下記の一般式(10)で表される。
【0033】
【化19】
【0034】式中、Zは(4)式におけると同義であ
り、R26及びR27は、それぞれ独立して、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭
素数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜30のヘテロ
芳香族炭化水素基を表し、これらにはヒドロホルミル化
反応を阻害しない置換基が結合していてもよい。このよ
うな置換基としては、ハロゲン原子や炭素原子1〜20
個を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ
る。
【0035】R26及びR27の具体例をいくつか例示する
と、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−
ペンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数1〜20個の直
鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロヘ
キシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基のような
炭素数3〜20個のシクロアルキル基;フェニル基、α
−ナフチル基、β−ナフチル基、メトキシフェニル基、
ジメトキシフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェ
ニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ペン
タフルオロフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェ
ニル基、ジメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェ
ニル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル基、クロ
ロナフチル基、ニトロナフチル基、テトラヒドロナフチ
ル基等の置換基を有していてもよいアリール基;ベンジ
ル基等のアラルキル基;ピリジル基、メチルピリジル
基、ニトロピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ベ
ンゾフリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンズイ
ミダゾリル基、インドリル基等のヘテロ芳香族基等が挙
げられる。
【0036】Wは炭素鎖中に酸素、窒素、硫黄原子のよ
うなヘテロ原子を含んでいてもよく、かつヒドロホルミ
ル化反応を阻害しない置換基を有していてもよい(m1
+m 2 )価の炭化水素基を表す。m1 及びm2 は、それ
ぞれ0〜6の数を表し、m1+m2 は2〜6の整数を表
す。なお、m1 又はm2 が2以上の数を表す場合には、
複数のZ、R26及びR27はそれぞれ異っていてもよい。
【0037】好ましくはZは前記した(5)〜(9)式
で表されるものであり、R26及びR 27はヒドロホルミル
化反応を阻害しない置換基で置換されていてもよいアリ
ール基である。このようなアリール基のいくつかを例示
すると、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチ
ルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチ
ルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−
ジメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メ
トキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,4−
ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル
基、2,6−ジメトキシフェニル基、α−ナフチル基、
3−メチル−α−ナフチル基、3,6−ジメチル−α−
ナフチル基、β−ナフチル基、1−メチル−β−ナフチ
ル基、3−メチル−β−ナフチル基等が挙げられる。
【0038】Wは好ましくはアルキレン基、又は一般式
(7)における−Ar−(CH2 )n −(Q)n −(C
2 )n −Ar−で表される2価の基である。このよう
な2価基の例としては1,2−エチレン基、1,3−プ
ロピレン基、1,3−ジメチル−1,3−プロピレン
基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン、1,6
−ヘキシレン基、1,8−オクチレン基、1,2−フェ
ニレン基、1,3−フェニレン基、2,3−ナフチレン
基、1,8−ナフチレン基、1,1′−ビフェニル−
2,2′−ジイル基、1,1′−ビナフチル−7,7′
−ジイル基、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル
基、2,2′−ビナフチル−1,1′−ジイル基、2,
2′−ビナフチル−3,3′−ジイル基等が挙げられ
る。
【0039】一般式(10)で表されるポリオルガノホ
スファイトのより好ましい例は、Zが一般式(7)にお
ける−Ar−(CH2 )n−Qn−(CH2 )n−Ar
−で表される2価の基であり、m1 が少くとも1であ
り、かつWが下記の一般式(11)で表されるものであ
る。
【0040】
【化20】
【0041】式中、Q及びnは一般式(7)におけると
同義であり、R32及びR33は、それぞれ独立して、炭素
数1〜12個のアルキル基、シクロアルキル基、アルコ
キシ基、シリル基若しくはシロキシ基、又はハロゲン原
子若しくは水素原子を表す。そのいくつかを例示する
と、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子等が挙げられる。また、R28〜R 31は、
それぞれ独立して、炭素数1〜20個のアルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、シリル基若しくはシロ
キシ基、又はハロゲン原子若しくは水素原子であり、そ
れらの例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ネ
オペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、ノニル基、
デシル基、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基等
が挙げられる。また、R30とR32又はR31とR33とが互
いに結合して、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイ
ル基などのような、縮合環を形成していてもよい。
【0042】一般式(11)において、R28及びR29
好ましくは炭素数3〜20個の1−位で分岐したアルキ
ル基である。またR30及びR31は、炭素数1〜20個の
アルキル基若しくはアルコキシ基であるか、又はR30
32、R31とR33とが結合してアルキル基若しくはアル
コキシ基を置換基として有していてもよいナフタレン環
の一部を形成しているのが好ましい。一般式(11)で
表されるWのいくつかを例示すると、3,3′−ジ−t
−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル
基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,
1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ
−t−ブチル−6,6′−ジ−t−ブトキシ−1,1′
−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t
−ペンチル−1,1−ビナフチル−2,2′−ジイル
基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ペンチル−1,
1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ
−t−ブチル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェ
ニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テト
ラ−t−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジ
イル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−
1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′
−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−1,1′−
ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−
ブチル−5,5′,6,6′−テトラメチル−1,1′
−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,
5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−1,
1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,
5,5′−テトラ−t−ペンチル−6,6′−ジメチル
−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,
3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−6,
6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジ
イル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−
6,6′−ジクロロ−1,1′−ビフェニル−2,2′
−ジイル基等が挙げられる。
【0043】一般式(11)で表されるWのうちで最も
好ましいものの一つは、R32及びR 33が、それぞれ独立
して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、
イソプロポキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子等の、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキ
シ基又はハロゲン原子であるものである。このようなW
の例としては、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′,
6,6′−テトラメチル−1,1′−ビフェニル−2,
2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブ
チル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−
2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t
−ブチル−6,6′−ジエチル−1,1′−ビフェニル
−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−
t−ブチル−6,6′−ジメトキシ−1,1′−ビフェ
ニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル
−5,5′−ジメトキシ−6,6′−ジクロロ−1,
1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,
5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジフルオロ
−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基等が挙げ
られる。一般式(9)で表されるポリホスファイトのい
くつかを表−2に例示する。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
【表13】
【0055】
【表14】
【0056】
【表15】
【0057】
【表16】
【0058】
【表17】
【0059】
【表18】
【0060】
【表19】
【0061】
【表20】
【0062】
【表21】
【0063】
【表22】
【0064】
【表23】
【0065】本発明ではロジウムに対しモル比で0.0
001〜5倍の有機ホスホネートを共存させる。有機ホ
スホネートは反応系内で有機ホスファイトから生成する
ので、触媒の循環使用中は通常は外部から添加する必要
は無い。すなわち、反応系内で有機ホスファイトが加水
分解して置換基の一つが失われると、亜リン酸ジエステ
ルが生成するが、このものは互変異性により有機ホスホ
ネートとなる。例えば有機ホスファイトが一般式(2)
で表されるものである場合には、有機ホスホネートの生
成反応は次式で示される。
【0066】
【化21】
【0067】同様に、有機ホスファイトが一般式(4)
で表されるものであるものである場合には、次式により
有機ホスホネートが生成する。
【0068】
【化22】
【0069】有機ホスファイトが一般式(10)で表さ
れるものである場合には、次のいずれかの有機ホスホネ
ートが生成する。
【0070】
【化23】
【0071】また、次のような有機ホスホネートも生成
すると考えられる。このものは一般式(10)の有機ホ
スファイトの単純な加水分解では生成しないが、有機ホ
スファイトのP−O結合の切断及び再結合により生成す
ると考えられる。
【0072】
【化24】
【0073】表−2に記載の有機ホスファイトから生成
すると考えられる有機ホスホネートのいくつかを表−3
に示す。
【0074】
【表24】
【0075】
【表25】
【0076】有機ホスホネートがロジウム錯体触媒を被
毒する要因については明らかではないが、有機ホスホネ
ートのP−H結合がロジウム金属に酸化的付加をするこ
とにより触媒としてのロジウムを失活させるか、また
は、有機ホスホネートの互変異性体として存在する3価
のリン化合物である亜リン酸モノ又はジエステルがロジ
ウム金属に配位する結果、ヒドロホルミル化反応に触媒
作用を示さない錯体に変換され、ロジウムを失活させる
ようである。また、有機ホスホネートがロジウム触媒を
被毒する程度は、有機ホスホネートの構造により異な
る。傾向としては、立体障害の大きい有機ホスホネート
の方がロジウム錯体触媒の被毒への影響が小さいようで
ある。これは、有機ホスホネートと、ヒドロホルミル化
反応系内に存在する遊離の有機ホスファイトや一酸化炭
素等の他の配位性の化合物との間に配位平衡が存在する
結果、有機ホスホネートが配位してヒドロホルミル化に
不活性な錯体が生成する割合が、有機ホスホネートの構
造によって変化するためと考えられる。
【0077】有機ホスホネートは、上記したように触媒
活性を低下させ、また有機ホスファイトの分解を促進す
る成分の中間体となるので、大量に存在することは望ま
しくない。しかし、一方で有機ホスホネートは少量であ
れば意外にもロジウムの安定性を向上させる効果がある
ことが明らかとなった。この安定化効果は、共存する有
機ホスファイトの存在量が低下した場合、例えば、有機
ホスファイト中のP/Ph比が0.1〜10、好ましく
は0.5〜5となるような条件下の場合により効果的で
ある。すなわち有機ホスファイトとロジウムから成る錯
体触媒を用いたヒドロホルミル化反応では、微量ながら
不溶性のロジウム化合物の生成が認められる場合があ
る。この不溶性のロジウム化合物の形態については明ら
かではないが、このものは有機ホスファイトその他の配
位子により安定化されていないロジウム種を経由して生
成すると考えられる。そして有機ホスホネートがこれら
の配位不飽和なロジウム種にも配位する結果、安定性を
向上させているのではないかと推定される。即ち、有機
ホスホネートは、その存在量を一定範囲に制御すれば、
触媒の被毒を回避し、むしろ安定化させることができ
る。したがって、有機ホスホネートの構造によって、ロ
ジウムの安定化効果の高いものや、微量でも被毒効果の
高いものが存在し得る。
【0078】従ってロジウムと共存させる有機ホスホネ
ートの量は、有機ホスホネートの構造により変化する
が、通常は、ロジウム金属に対して0.0001から5
倍モルである。好ましくは、0.001から3倍モル、
特に0.01から1.5倍モルである。なかでも0.0
5から1倍モルの範囲が最も好ましいと考えられる。ま
た、有機ホスホネートの構造によっても好ましい存在量
の範囲は変化する。一般には、立体障害の大きくない有
機ホスホネートは被毒効果が大きく、一般式(1)や
(13)で表される有機ホスホネート、一般式(12)
におけるWおよび一般式(15)におけるZにおいてリ
ン原子と結合する酸素原子が結合している炭素に隣接す
る炭素上に置換基を持たない有機ホスホネートは被毒効
果が大きいと考えられる。そしてこのような有機ホスホ
ネートの場合には、ロジウム金属に対して0.001か
ら2倍、特に0.001から1倍モルにするのが望まし
い。なお、本明細書において、有機ホスホネートの量
は、遊離状態で存在するものだけでなく、ロジウム金属
に結合して錯体を形成しているものをも含む。すなわち
有機ホスホナート量は、遊離状態のものと結合状態のも
のとの合計量である。有機ホスホネートは、一般的な高
速液体クロマトグラフィー、NMRスペクトルにより定
量する事が可能である。
【0079】有機ホスホネートは反応系内で有機ホスフ
ァイトから生成するので、ヒドロホルミル化反応の生成
液から生成したアルデヒドを分離した後に残存する、ロ
ジウム錯体触媒を含む溶液を触媒液として循環使用して
いると、有機ホスホネートが漸次系内に蓄積して触媒を
被毒するようになる。反応系内から有機ホスホネートを
除去して系内のロジウムに対するホスホネートの量を所
定の値に維持するには、最も簡単には反応系に循環する
触媒液の一部を系外に排出し、排出された触媒液中のロ
ジウム及び有機ホスファイトに見合う量のロジウムと有
機ホスファイトを新たに反応系に供給すればよい。ま
た、別法として触媒液を反応系に循環する途中で、抽出
や吸着等により有機ホスホネートを除去したり、他のも
のと反応させて有機ホスホネートを無害化してもよい。
場合によっては他のものと反応させたのち抽出や吸着な
どに供することもできる。
【0080】本発明ではロジウムに対し所定量の有機ホ
スホネートを存在させる以外は、有機ホスファイトを配
位子とするロジウム錯体触媒を用いる常法に従ってヒド
ロホルミル化反応を行うことができる。反応は原料のオ
レフィン性化合物そのものを主要な溶媒として行うこと
もできるが、通常は反応に不活性な溶媒を用いるのが好
ましい。このような溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトン、
ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エ
チル、ジ−n−オクチルフタレート等のエステル類、及
び、アルデヒド縮合体等のヒドロホルミル化反応時に副
生する高沸点成分混合物、更には反応生成物であるアル
デヒド自体等が挙げられる。なかでも、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素もしくは反応で副生する高沸点
成分混合物、又はこれらを併用するのが好ましい。
【0081】反応帯域におけるロジウム錯体触媒の濃度
は、液相1リットル中にロジウム金属として通常0.0
5〜5000mgである。0.5〜1000mg、特に
10〜500mgであるのが好ましい。有機ホスファイ
トはロジウムに対し通常約0.1〜500倍モルとなる
ように用いられる。ロジウムに対し0.1〜100倍モ
ル、特に1〜30倍モルとなるように用いるのが好まし
い。なお有機ホスファイトはいくつかの種類を混合して
用いてもよい。
【0082】原料のオレフィン性化合物としては、分子
内にオレフィン性二重結合を少くとも1個有するもので
あれば、任意のものを用いることができる。オレフィン
性二重結合は、分子鎖の末端にあっても内部にあっても
よい。また分子を構成する炭素鎖は直鎖状、分岐鎖状又
は環状のいずれであってもよい。また分子中には反応に
実質上ヒドロホルミル化反応に不活性なカルボニル基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子などを含
有していてもよい。オレフィン性不飽和化合物の代表的
なものは、α−オレフィン、内部オレフィン、アルケン
酸アルキル、アルカン酸アルケニル、アルケニルアルキ
ルエーテル、アルケノールなどである。オレフィン性不
飽和化合物のいくつかを例示すると、エチレン、プロピ
レン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、ヘキセン、ヘキ
サジエン、オクテン、オクタジエン、ノネン、デセン、
ヘキサデセン、オクタデセン、エイコセン、ドコセン、
スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキセン、およ
び、プロピレン〜ブテン混合物、1−ブテン〜2−ブテ
ン〜イソブチレン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イ
ソブチレン〜ブタジエン混合物等の低級オレフィン混合
物、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等の低級オ
レフィンの二量体〜四量体のようなオレフィンオリゴマ
ー異性体混合物等のオレフィン類、3−フェニル−1−
プロペン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエ
ン、3−シクロヘキシル−1−ブテン等の炭化水素オレ
フィン、アクリロニトリル、アリルアルコール、1−ヒ
ドロキシ−2,7−オクタジエン、3−ヒドロキシ−
1,7−オクタジエン、オレイルアルコール、1−メト
キシ−2,7−オクタジエン、アクリル酸メチル、メタ
アクリル酸メチル、オレイン酸メチル、オクタ−1−エ
ン−4−オール、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸3−ブ
テニル、プロピオン酸アリル、ビニルエチルエーテル、
ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プ
ロピル−7−オクテノエート、3−ブテンニトリル、5
−ヘキセンアミド等の極性基置換オレフィン類等が挙げ
られる。好ましくは、分子内にオレフィン性二重結合を
1つだけ有するモノオレフィン系不飽和化合物が用いら
れる。特に好ましいのは炭素数2から20のオレフィ
ン、なかでもプロピレン、又は、1−ブテン、2−ブテ
ン、イソブテン、及びその混合物、1−オクテン、混合
オクテンである。
【0083】ヒドロホルミル化反応の反応温度は通常1
5〜150℃であるが、30〜130℃、特に50〜1
10℃の範囲が好ましい。反応圧力は通常の常圧〜20
0kg/cm2 Gであるが、1〜100kg/cm
2 G、特に3〜50kg/cm2Gが好ましい。反応帯
域に供給するオキソガスの水素と一酸化炭素とのモル比
(H2 /CO)は通常10/1〜1/10であるが、1
/1〜6/1の範囲が好ましい。
【0084】反応は連続方式及び回分方式のいずれでも
行い得るが、通常は連続方式で行われる。反応様式とし
ては、常用されているロジウム錯体触媒を含む液相が収
容されている反応帯域に、原料のオレフィン性化合物及
びオキソガスを連続的に供給し、生成したアルデヒドを
未反応のオキソガスと一緒に反応帯域から流出させるス
トリッピング方式、及び反応帯域に触媒を含む反応溶
媒、原料のオレフィン性化合物及びオキソガスを連続的
に供給し、反応帯域から生成したアルデヒドを含む反応
生成液を連続的に抜出し、これから少くとも生成したア
ルデヒドを分離したのち残存する触媒を含む反応溶媒を
反応帯域に循環する液循環方式のいずれでも行うことが
できる。液循環方式における生成アルデヒドの分離は、
蒸留、抽出、晶析、吸収、吸着など任意の方法で行えば
よいが、通常は蒸留により行われる。反応生成液からの
アルデヒドの分離工程では、ロジウムに配位する一酸化
炭素や水素が系内に存在しないので、一般にロジウム錯
体が配位不飽和な形態となって分解しやすくなり、その
結果、ロジウム錯体触媒が失活しやすい。特に本発明の
ように有機ホスファイトを配位子とするロジウム錯体触
媒は活性が高いので、ヒドロホルミル化反応は前述のよ
うに比較的低温で行われることが多く、分離工程を蒸留
で行う場合には、蒸留温度の方が高温となる場合があ
り、この場合にはロジウム錯体触媒の失活は、主として
この蒸留工程で生起しているものと考えられる。しかし
ながら、本発明方法により触媒に対し限定された量の有
機ホスホネートを共存させると、この生成物分離工程、
特には蒸留工程における触媒の失活を低減させることが
できる。
【0085】しかしながら高温下ではロジウム錯体触媒
の分解は避けられないので、蒸留温度は150℃以下、
特に130℃以下とするのが好ましい。50〜120℃
で蒸留するのが最も好ましい。従ってアルデヒドの沸点
が高い場合には、減圧蒸留するのが好ましく、通常75
5mmHg〜1mmHg、好ましくは750mmHg〜
5mmHgの範囲である。なお、蒸留によりアルデヒド
を分離して得られたロジウム錯体触媒を含む反応溶媒
は、前述の如く反応帯域に循環するに先立ち、その一部
を系外に排出したり、または抽出、洗浄、晶析、吸着な
ど適宜の手段により反応溶媒中に存在している有機ホス
ホネートを除去することにより、ロジウムに対する有機
ホスホネートの比率を所定の値に維持することができ
る。
【0086】本発明によれば長期間、通常は少くとも1
ケ月間は触媒を更新することなく、反応を実施すること
ができる。経済的見地からして触媒はできるだけ長期間
に亘り使用するのが好ましいが、本発明によれば6ケ月
間以上の長期間に亘って触媒を連続使用することがで
き、所望ならば1年間以上の連続使用も可能である。本
発明の方法により得られたアルデヒド類は、公知の方
法、例えばUSP5550302やUSP566764
4に従って、そのまま水添反応に供するか、又は二量化
した後に水添反応に供することによりノルマルブタノー
ル、2−エチルヘキサノール、ノニルアルコール等の可
塑剤用に好適なアルコールを製造することが可能とな
る。
【0087】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0088】参考例1 ホスホネート(I)の合成 三塩化リン4.22g(30.7mmol)を溶解した
約300mLのトルエン溶液に、3,3′,5,5′−
テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−2,2′−
ヒドロキシビフェニル12.37g(28.2mmo
l)及びトリエチルアミン9.62g(95.1mmo
l)を溶解したトルエン溶液約250mLを、窒素雰囲
気下、0℃で1.5時間かけて撹拌しつつ滴下した。次
いで70℃に昇温して1時間撹拌したのち室温まで冷却
し、濾過して析出しているトリエチルアミン塩酸塩を除
去した。濾液に水100mLを添加し、70℃に昇温し
て1時間撹拌した。分液してトルエン相を取得し、これ
を水で3回、引続いて飽和食塩水で3回洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで処理して脱水したのち溶媒を留去し
た。残渣に少量のトルエンと約50mLのアセトニトリ
ルを加え、懸濁状態で撹拌したのち濾過した。得られた
固体を減圧乾燥して、下記式で表される0,0′−3,
3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメ
チル−2,2′−ジイルホスホネート7.15g(収率
52%)を得た。これをホスホネート(I)とする。
【0089】
【化25】
【0090】参考例2 ホスホネート(II)の合成 三塩化リン3.74g(27.2mmol)を溶解した
約1000mLのトルエン溶液に、α−ナフトール5.
50g(38.2mmol)及びピリジン3.47g
(43.9mmol)を溶解したトルエン溶液約200
mLを、窒素雰囲気下、0℃で約2時間かけて撹拌しつ
つ滴下した。次いで40℃に昇温して0.5時間撹拌し
たのち室温まで冷却し、水300mLを添加して0.5
時間撹拌した。分液してトルエン相を取得し、これを水
で2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで処理して脱水
したのち、トルエンを留去した。残渣にアセトニトリル
を添加したのち再度溶媒を留去することにより、トルエ
ンを十分に除去した。残渣を減圧下に乾燥して、水飴状
の生成物2.5gを得た。このものはNMR分析の結
果、ホスホン酸−ジ−α−ナフチル72.1重量%を含
んでおり、他にホスホン酸−モノ−α−ナフチル及び原
料のα−ナフトールを含んでいた。これをホスホネート
(II)とする。
【0091】参考例3 ロジウム−ホスホネート錯体の
合成 J.Chem.Soc.,Dalton Trans.
4357(1996)に記載のFaraoneらの方法
に従って上記の錯体を合成した。ロジウムジカルボニル
アセチルアセトナト錯体532.5mg(2.06mm
ol)と、ホスホネート(I)2.00g(4.13m
mol)を、乾燥トルエン250mLに溶解した。窒素
雰囲気下、室温で25時間撹拌したのち、トルエンを減
圧下に留去した。残渣をヘキサン100mLに溶解した
のち、濾過して不溶物を除去した、濾液を減圧下に留去
したのち、残渣にアセトニトリルを加え、懸濁状態とし
て撹拌した。濾過して黄色粉末状の固体を取得した。こ
のものは下記の構造を有すると推定される。
【0092】
【化26】
【0093】31P−NMRによる分析の結果、主たる生
成物の純度は82%であり、他に構造不明のホスホネー
ト錯体が生成していた。主生成物のスペクトルデータは
次の通りであった。31 P−NMR(162MHz,CDCl3 );δ11
1.2d J=197Hz(燐酸トリフェニル基準のケ
ミカルシフト値)1 H−NMR(400MHz,CDCl3 ,23℃);
δ1.39(18H,s),1.40(18H,s),
1.44(18H,s)1.51(18H,s),1.
94(6H,s),2.03(6H,s),7.40
(2H,s),7.42(2H,s) IR(CDCl3 )2098 2057cm-1
【0094】実施例1〜4及び比較例1 内容積200mLのステンレススチール製上下撹拌式オ
ートクレーブに、ジ−μ−アセタト−ビス(1,5−シ
クロオクタジエン)二ロジウム(〔Rh(C812
(μ−CH3 CO2 )〕2 )錯体19.7mg(0.0
36mmol)、下記式で示されるホスファイト31
2.5mg(0.292mmol)、及びホスホネート
をトルエン60mLに溶解した溶液を、窒素雰囲気下で
仕込み、続いてプロピレン4.53gを仕込んだ。オー
トクレーブを70℃に昇温したのち、水素:一酸化炭素
=1:1(モル比)の混合ガスを9.3kg/cm2
まで圧入して反応を開始させた。反応中は蓄圧器内の水
素:一酸化炭素=1:1(モル比)の混合ガスを、圧力
調節器を経て供給して圧力を一定に維持した。蓄圧器内
の圧力の減少により反応の進行を観察した。圧力の低下
が認められなくなった時点でオートクレーブを室温まで
冷却した。オートクレーブ内のガス及び液をガスクロマ
トグラフィーにより測定した。結果を表−4に示す。
【0095】
【化27】
【0096】
【表26】
【0097】実施例5 実施例1において、ロジウム錯体及びホスホネートの代
りに参考例3で合成したロジウム−ホスホネート錯体8
2.1mgを用い、かつホスファイトの量を311.9
mg(0.291mmol)とした以外は、実施例1と
同様にして反応を行った。その結果、反応時間は4.5
時間で、プロピレンの転化率は96.9%、n/iは7
2.1、プロピレン半減期は85.7分であった。
【0098】実施例6〜13及び比較例2〜3 内容積200mLのステンレススチール製上下撹拌式オ
ートクレーブに、ブテンの二量化により得られた混合オ
クテン90mL、メタキシレン10mL、ロジウムジカ
ルボニルアセチルアセトナート12.6mg(0.04
9mmol)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト632mg(0.98mmol)、及
びホスホナートを窒素雰囲気下で仕込んだ。オートクレ
ーブを窒素で置換したのち、撹拌下に130℃まで昇温
した。水素:一酸化炭素=1:1(モル比)の混合ガス
を50kg/cm2 Gまで圧入し、130℃、50kg
/cm2 Gで30分間反応を行った。結果を表−5に示
す。
【0099】
【表27】
【0100】参考例4 ホスファイトからのホスホネー
トの生成 内容積100mLのステンレススチール製オートクレー
ブに、ジ−μ−アセタト−ビス(1.5−シクロオクタ
ジエン)二ロジウム錯体16.2mg、及び実施例1で
用いたのと同じホスファイト260.1mgをトルエン
50mLに溶解した溶液を仕込んだ。これに水素:一酸
化炭素=1:1(モル比)の混合ガスを9kg/cm2
Gまで圧入し、室温で15分間撹拌することにより触媒
の活性化を行ったのち、オートクレーブを開放してガス
を放出した。次いでオートクレーブを窒素ガスで置換し
たのち、130℃で136時間加熱した。オートクレー
ブを冷却し、溶液を高速液体クロマトグラフィーにより
分析した結果、仕込んだホスファイトの61%が分解し
ていた。また、下記のホスホネートがホスファイトに対
し16モル%生成していた。
【0101】
【化28】
【0102】実施例14 内容積200mLのステンレススチール製上下撹拌式オ
ートクレーブに、ブテンの二量化により得られた混合オ
クテン90mL、メタキシレン10mL、ロジウムジカ
ルボニルアセチルアセトナート12.6mg(0.04
9mmol)、及び下記式で表されるホスホネート(表
3 No.1)を44.7mg(0.098mmol)
を窒素雰囲気下で仕込んだ。オートクレーブを窒素で置
換したのち、撹拌下に130℃まで昇温した。水素:一
酸化炭素=1:1(モル比)の混合ガスを50kg/c
2 Gまで圧入し、130℃、50kg/cm2 Gで5
時間間反応を行った結果、原料の転化率は50.2%で
あった。また、反応後の反応液は均一のままであった。
【0103】
【化29】
【0104】実施例15 内容積200mLのステンレススチール製上下撹拌式オ
ートクレーブに、ブテンの二量化により得られた混合オ
クテン90mL、メタキシレン10mL、下記の構造の
ロジウム−ホスホネート錯体52.7mg(0.049
mmol)を窒素雰囲気下で仕込んだ。オートクレーブ
を窒素で置換したのち、撹拌下に130℃まで昇温し
た。水素:一酸化炭素=1:1(モル比)の混合ガスを
50kg/cm2 Gまで圧入し、130℃、50kg/
cm2 Gで5時間反応を行った結果、原料の転化率は5
2.2%であった。また、反応後の反応液は均一のまま
であった。
【0105】
【化30】
【0106】比較例4 ホスホネートを加えなかった以外は、実施例14と同様
に反応を行った。その結果、原料の転化率は34.5%
であった。また、反応後の反応液には黒色のロジウムメ
タルの沈殿物が認められた。
【0107】実施例16 内容積200mLのステンレススチール製上下撹拌式オ
ートクレーブに、ブテンの二量化により得られた混合オ
クテン90mL、メタキシレン10mL、ロジウムジカ
ルボニルアセチルアセトナート12.6mg(0.04
9mmol)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト31.9mg(0.049mmo
l)、及び実施例14で使用したのと同じホスホネート
(表3 No.1)を22.5mg(0.049mmo
l)を窒素雰囲気下で仕込んだ。オートクレーブを窒素
で置換したのち、撹拌下に130℃まで昇温した。水
素:一酸化炭素=1:1(モル比)の混合ガスを50k
g/cm2 Gまで圧入し、130℃、50kg/cm2
Gで5時間反応を行った結果、原料の転化率は67.3
%であった。また、反応後の反応液は均一のままであっ
た。
【0108】実施例17 内容積200mLのステンレススチール製上下撹拌式オ
ートクレーブに、ブテンの二量化により得られた混合オ
クテン90mL、メタキシレン10mL、実施例15で
使用したのと同じロジウム−ホスホネート錯体52.7
mg(0.049mmol)、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト32.0mg(0.0
49mmol)を窒素雰囲気下で仕込んだ。オートクレ
ーブを窒素で置換したのち、撹拌下に130℃まで昇温
した。水素:一酸化炭素=1:1(モル比)の混合ガス
を50kg/cm2 Gまで圧入し、130℃、50kg
/cm2 Gで5時間反応を行った結果、原料の転化率は
80.8%であった。また、反応後の反応液は均一のま
まであった。
【0109】比較例5 ホスホネートを加えなかった以外は、実施例16と同様
に反応を行った。その、結果、原料の転化率は40.9
%であった。また、反応後の反応液には黒色のロジウム
メタルの沈殿物が認められた。実施例14〜17及び比
較例4〜5の結果を表−6に示す。
【0110】
【表28】
フロントページの続き (72)発明者 浦田 尚男 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 田中 善幸 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くともロジウムと有機ホスファイトか
    ら成るロジウム錯体触媒の存在下に、オレフィン性化合
    物と水素及び一酸化炭素とを反応させてアルデヒドを生
    成させるアルデヒドの製造方法において、一般式(1)
    で表される有機ホスホネートをロジウムに対し0.00
    01〜5倍モル共存させることを特徴とする方法。 【化1】 HP(O)(OX1 )(OX2 ) ・・・(1) (式中、X1 は水素又は1価の有機基を表し、X2 は1
    価の有機基を表す。但しX1 とX2 とが結合して2価の
    有機基を形成していてもよい)
  2. 【請求項2】 反応帯域において、少くともロジウムと
    有機ホスファイトから成るロジウム錯体触媒の存在下
    に、オレフィン性化合物と水素及び一酸化炭素とを反応
    させてアルデヒドを生成させる反応工程、反応帯域から
    取出した反応生成液からアルデヒドを分離してロジウム
    錯体触媒を含む触媒液を取得する分離工程、及び触媒液
    を反応帯域に循環する循環工程の各工程を含むアルデヒ
    ドの製造方法において、触媒液中のロジウムに対し一般
    式(1)で表される有機ホスホネートを0.0001〜
    5倍モル共存させることを特徴とする方法。 【化2】 HP(O)(OX1 )(OX2 ) ・・・(1) (式中、X1 は水素又は1価の有機基を表し、X2 は1
    価の有機基を表す。但しX1 とX2 とが結合して2価の
    有機基を形成していてもよい)
  3. 【請求項3】 触媒を6ケ月以上に亘り循環使用するこ
    とを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ロジウム錯体触媒を構成する有機ホスフ
    ァイトが一般式(2)で表されるものであることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。 【化3】 P(OR1 )(OR2 )(OR3 ) ・・・(2) (式中、R1 ないしR3 は、それぞれ独立して、置換基
    を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は炭
    素数5〜30のヘテロ芳香族炭化水素基を表す)
  5. 【請求項5】 一般式(2)において、R1 ないしR3
    が、それぞれ独立して、一般式(3)で表される置換ア
    リール基であることを特徴とする請求項4記載の方法。 【化4】 (式中、R4 は−CR9 1011(R6 、R10及び
    11)は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素化さ
    れていてもよい炭化水素基を示す)又は置換基を有して
    いてもよいアリール基を表す。R5 ないしR8 は、それ
    ぞれ独立して、水素原子又は有機基を表す。なお、R5
    ないしR8 のうちの隣接するものが互いに結合して縮合
    芳香環又は縮合複素環を形成していてもよい)
  6. 【請求項6】 ロジウム錯体触媒を構成する有機ホスフ
    ァイトが一般式(4)で表されるものであることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。 【化5】 (式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよ
    く、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を
    表し、Yは置換基を有していてもよい炭化水素基又はヘ
    テロ芳香族炭化水素基を表す。)
  7. 【請求項7】 ロジウム錯体触媒を構成する有機ホスフ
    ァイトが一般式(10)で表されるものであることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。 【化6】 (式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよ
    く、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を
    表す。R26及びR27は、それぞれ独立して、置換基を有
    していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は炭素数
    5〜30のヘテロ芳香族炭化水素基を表す。Wは炭素鎖
    中にヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ置換基を有し
    ていてもよいm1 +m2 価の炭化水素基を表す。m1
    びm2 は、それぞれ0ないし6の整数を表し、m1 +m
    2 =2〜6である)
  8. 【請求項8】 一般式(10)において、R26及びR27
    がそれぞれ独立して置換基を有していてもよいアリール
    基であり、かつWが一般式(11)で表されるものであ
    ることを特徴とする請求項7記載の方法。 【化7】 (式中、R28及びR29は、それぞれ独立して、炭素数3
    〜20の分岐アルキル基である。R30及びR31は、それ
    ぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基又はアルコ
    キシ基である。R32及びR33は、それぞれ独立して、水
    素原子、ハロゲン原子、シリル基、シロキシ基、又は炭
    素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基若しくは
    アルコキシ基を表す。Qは−CR1516−、−O−、−
    S−、−NR17−、−SiR1919−又は−CO−であ
    る架橋基である。この架橋基において、R15及びR
    16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12の
    アルキル基、フェニル基、トリル基又はアニシル基を表
    し、R17〜R19は、それぞれ独立して水素原子又はメチ
    ル基を表す。nは0又は1を表す。)
  9. 【請求項9】 有機ホスホネートが反応系内で有機ホス
    ファイトから生成したものであることを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 有機ホスホネートが、一般式(12)
    又は(13)で表されるものであることを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれかに記載の方法。 【化8】 (式中、Wは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよ
    く、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を
    表し、m1 +m2 は2〜6の整数を表す) 【化9】 (式中、R26及びR27は、それぞれ独立して、置換基を
    有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は炭素
    数5〜30のヘテロ芳香族炭化水素基を表す)
  11. 【請求項11】 有機ホスホネートが一般式(14)で
    表されるものであることを特徴とする請求項1ないし9
    のいずれかに記載の方法。 【化10】 (式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んでいてもよ
    く、かつ置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を
    表す)
  12. 【請求項12】 有機ホスホネートをロジウムに対し
    0.01〜1.5倍モル共存させることを特徴とする請
    求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 オレフィン性化合物が、プロピレン、
    1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、混合ブテン、1
    −オクテン及び混合オクテンよりなる群から選ばれるも
    のであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれ
    かに記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかの方法によ
    り得られたアルデヒドを直接水添反応するか、又は二量
    化した後水添することによりアルコールを製造する方
    法。
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