JPH08267720A - ローラー上のインキ膜厚制御装置 - Google Patents

ローラー上のインキ膜厚制御装置

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JPH08267720A
JPH08267720A JP7073574A JP7357495A JPH08267720A JP H08267720 A JPH08267720 A JP H08267720A JP 7073574 A JP7073574 A JP 7073574A JP 7357495 A JP7357495 A JP 7357495A JP H08267720 A JPH08267720 A JP H08267720A
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JP
Japan
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ink
roller
temperature
surface temperature
film thickness
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Application number
JP7073574A
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English (en)
Inventor
Toru Sudo
亨 須藤
Kazuhiko Mine
一彦 嶺
Masaaki Minagawa
正明 皆川
Masahiro Harada
昌弘 原田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】インキ元ローラーとインキ壷のインキ供給量を
調節するインキ供給ブレードによって形成された隙間に
合致したインキ供給量を安定的に供給でき、より精度の
良いインキ供給量の制御をするローラー上のインキ膜厚
制御装置を提供する。 【構成】インキ元ローラー中に液体を流し、該インキ元
ローラーの表面温度及び版胴に近い金属ローラーのイン
キ膜厚とを測定する手段により得られた測定値を制御部
に送り、そのデータと設定値を比較し、前記液体の流量
を制御して、インキ元ローラー表面温度を制御しローラ
ー上のインキ膜厚を制御するローラー上のインキ膜厚制
御装置である。また、前記インキ元ローラーの表面温度
の代わりに液体の液温を測定することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット印刷機に於け
るインキ元ローラーとこれに対して微少すき間を有する
インキキーからなるインキ壷に於いて、予め必要とする
インキ供給量はインキキー開度とインキ元ローラー回転
速度及び、インキ呼出し回数等を設定することにより求
められ、この算出したインキ供給量に必要な濃度値にな
るように補正を加え(オペレータがインキキー開度、イ
ンキ元ローラー回転数に手を加える)適正なインキ供給
量を確保する。
【0002】その後、連続印刷中のインキ供給量を安定
するためには、何らかの要因等で変動してしまうインキ
供給状態の変化を金属ローラー上のインキ膜厚の変化を
観察することにより間接的に求め、インキ元ローラー表
面温度へフィードバックすることによりインキ供給量を
補正して常に安定したインキ供給量を確保する装置に関
する。
【0003】
【従来の技術】従来のオフセット印刷機のインキ供給機
構は、〔図3〕に示すようにインキ壷に貯えられたイン
キを、印刷機械の印刷速度とほぼ同一速度で回転してい
る(ローラー表面の周速度が同じ)インキ受け渡しロー
ラーへ、印刷速度の1/50〜1/100程度の低速度
で回転しているインキ元ローラーから供給している。
【0004】低速度で回転しているインキ元ローラーと
インキ壷のインキ供給量を調節するインキ供給ブレード
によって形成される隙間の大小によってインキ元ローラ
ー表面に着肉するインキ量(インキ膜厚)が決まる。
【0005】このインキ元ローラー表面に着肉したイン
キは、低速度で回転しているインキ元ローラーから印刷
速度とほぼ同一速度で回転しているインキローラー群内
のインキ受け渡しローラーへ転移する。このローラー間
の速度差を補うこととインキ供給量を調節するために、
インキ呼出しローラーを設けている。
【0006】インキ呼出しローラーは、インキ元ローラ
ーとインキ受け渡しローラーの間を往復運動している。
インキ元ローラーとインキ呼出しローラーが接触してい
る間だけインキ元ローラー表面に着肉したインキはイン
キ呼出しローラーに転移する。次にインキ呼出しローラ
ーはインキ元ローラーから離れて、インキ受け渡しロー
ラーに接触してインキ呼出しローラー表面に着肉したイ
ンキをインキ受け渡しローラーへ転移する。このインキ
呼出ローラーが、2つのローラーを往復運動することに
より間欠的にインキ元ローラーからインキ受け渡しロー
ラーへインキを受け渡すことができる。
【0007】この往復するインキ呼出ローラーは、回転
に関してフリー状態になっている(動力源がない)。つ
まり接触するローラーと同周速度で回転するようにな
る。通常インキ呼出しローラーは、インキローラー群内
のインキ受け渡しローラーと接触しているため、印刷速
度と同じ周速度で回転している。インキをインキ元ロー
ラーから受け取るために、インキ受け渡しローラーから
離れる。
【0008】この時インキ呼出しローラーはフリー状態
にあるので、印刷速度と同じ周速度で回転した状態で、
インキ元ローラーに接触する。インキ元ローラーの回転
数は印刷速度より低速度で回転しているために、インキ
呼出ローラーは接触した瞬間ブレーキが掛かった状態
(スリップ)になり衝撃を生じる。
【0009】また、インキ元ローラーから離れて、イン
キ受け渡しローラーにインキ呼出しローラーが接触する
ときは、反対に低速度で回転しているインキ呼出ローラ
ーが高速度で回っているローラーに接触することになる
ので同様にスリップし衝撃を生じる。
【0010】この様にインキ呼出しローラーが異なるロ
ーラーに接触する度に衝撃と摩擦熱を発するために、接
触するローラー(インキ元ローラーとインキ受け渡しロ
ーラー)側にも同じような現象が現れる。特に、インキ
供給量を調節するインキ元ローラーについては、ローラ
ー表面温度が上昇してしまう。
【0011】印刷速度が高速になるに従って、インキ元
ローラーとインキ受け渡しローラー間の速度差は大きく
なる傾向にある。従って、益々ローラー表面温度を上昇
させる方向に作用することになる。
【0012】インキ元ローラーとインキ壷のインキ供給
量を調節するインキ供給ブレードによって形成された隙
間は非常に小さいために、この隙間付近にあるインキは
インキ元ローラー表面の温度の影響を受け易い構造にな
っている。
【0013】従来は、これらの影響について水有り印刷
方式では、湿し水による冷却効果が有ることと、湿し水
とインキの乳化現象等が複雑に絡み合って、こちらの影
響が大きいと考えられていたために、あまり問題視され
ていなかった。今日では水無し印刷方式や、印刷速度の
高速化により無視できなくなって来ている。
【0014】特に、毎分1000回転を越える様な高速
印刷機に於いては、この衝撃を軽減する対策を施さない
と安定した印刷品質を確保することが困難と言われてい
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】インキ呼出しローラー
が異なるローラーに接触する度に衝撃と摩擦熱を発する
ために、接触するローラー(インキ元ローラーとインキ
受け渡しローラー)側にも同じような現象が現れる。特
に、インキ供給量を調節するインキ元ローラーについて
は、ローラー表面温度が上昇してしまう。
【0016】その結果、印刷を始める前のインキ供給量
をプリセットする作業では、刷版上の各ゾーン毎の絵柄
面積率量を測定してインキ供給量を設定して実際に必要
なインキ供給量に近い値を出すことができる様になる。
【0017】しかし、今回のようにインキ元ローラーの
表面温度が上昇することにより、インキの温度も上昇し
てインキ粘度が変化して、結果として設定したインキ供
給量を保持できなくなってしまう。
【0018】つまり、インキ元ローラー表面温度が上昇
すると、隙間は一定であってもインキ粘度、その他の要
因が変化することによってインキ供給量は大きくなって
しまい、結果として見かけ上の隙間が大きくなったよう
になってしまう。
【0019】本発明は前記問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、インキ元ローラーとイ
ンキ壷のインキ供給量を調節するインキ供給ブレードに
よって形成された隙間に合致したインキ供給量を安定的
に供給でき、より精度の良いインキ供給量の制御をする
ためにローラー上のインキ膜厚制御装置を提供するもの
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明が提供する手段を次に述べる。オフセット
印刷において、インキローラー上のインキ膜厚を制御す
る装置において、次の手段、すなわち(イ)版胴に近傍
したローラーで、刷り始め側に位置する金属ローラー上
の予め決めた任意の位置のインキ膜厚を測定する手段、
(ロ)インキ元ローラーの表面温度を測定する手段、
(ハ)インキ元ローラーが1乃至複数に区切られた中空
管になっていて、この中空管にローラー表面温度を調節
する液体を流す手段、(ニ)前記中空管に流れる液体の
温度を、予め決めた液温に制御する手段、(ホ)インキ
元ローラーの表面温度を、予め決めた閾値レベル温度と
比較して、判断結果から(ハ)の中空管に送る液量を調
節することによりインキ元ロ−ラ−の表面温度を調節す
る手段、(ヘ)版胴に近傍したローラーで刷り始め側に
位置する金属ローラー上の予め決めた任意の位置のイン
キ膜厚を、予め決めた閾値レベルインキ膜厚と比較し
て、判断結果から(ハ)の中空管に送る液量を調節する
ことによりインキ元ローラー表面温度を調節する手段、
(ト)インキ元ローラー表面温度情報と、版胴に近傍し
たローラーで刷り始め側に位置する金属ローラー上の予
め決めた任意の位置のインキ膜厚情報の経時的変化を観
察して、(ハ)の中空管に送る液量を調節することによ
りインキ元ローラー表面温度を微調整する手段、以上、
少なくとも(イ)乃至(ト)を具備するローラー上のイ
ンキ膜厚制御装置である。
【0021】また、前記インキ元ローラーの表面温度を
測定する手段が、(ハ)の中空管を流れる液体の温度を
測定する手段であり、また(ホ)も同様に中空管を流れ
る液体の温度に対して、予め決めた閾値レベル温度と比
較して、判断結果から(ハ)の中空管に送る液量を調節
することによりインキ元ローラーの表面温度を調節する
手段であり、かつ、前記インキ元ローラー表面温度情報
が、(ハ)の中空管を流れる液体の温度情報であって、
その温度情報と版胴に近傍したローラーで刷り始め側に
位置する金属ローラー上の予め決めた任意の位置のイン
キ膜厚情報の経時的変化を観察して、(ハ)の中空管に
送る液量を調節することによりインキ元ローラー表面温
度を微調整する手段、を具備する上記のローラー上のイ
ンキ膜厚制御装置である。
【0022】さらに、前記中空管に流れる液体の温度を
制御する手段、を具備することを特徴とする上記のロー
ラー上のインキ膜厚制御装置である。
【0023】そして、版胴に近傍したローラーで、刷り
終わり側(均しローラー側)に位置する金属ローラー上
の予め決めた任意の位置のインキ膜厚を測定する手段、
を具備する上記のいずれか一つのローラー上のインキ膜
厚制御装置である。
【0024】
【作用】本発明のローラー上の膜厚制御装置は、版胴に
近傍した金属ローラー上のインキ膜厚を測定し、かつ、
インキ元ローラー表面温度を測定し、前記測定結果の単
独又は両者の関連において、インキ元ローラーの表面温
度を調整するので、より正確なローラー上のインキ膜厚
の制御を可能にする。また、前記インキ元ローラーの温
度制御はインキ元ローラーの中に液体を流すことにより
行い、その流量制御と液体の温度を制御して行なうので
より迅速にインキもとローラーの温度が制御でき、より
正確にローラー上のインキ膜厚の制御を可能にする。
【0025】
【実施例】
<実施例1>本発明に係わるローラー上のインキ膜厚制
御装置の一実施例を、図面にもとづいて以下に説明す
る。
【0026】〔図1〕は、代表的なオフセット印刷機内
のインキローラーの配列を示したものである。インキ元
ローラー11には、ローラー表面の温度を一定に保つよ
うに、一定温度に冷却した液体を流すための管が設けて
ある。インキ元ローラー11を通過する液体は、予め決
めた水温に冷却する恒温装置16内の水槽17から行き
水用配管20を通って、インキ元ローラー11内の管に
流れる。インキ元ローラー11で充分冷却した液体は、
戻り水用配管21を通って恒温装置16内の水槽17に
戻る。この様に液体は、インキ元ローラー11と恒温装
置16を循環している。
【0027】本実施例では、インキ元ローラー11の表
面温度を一定に保つために、インキ壷10付近で作業す
る妨げにならない所に非接触型の温度測定装置(放射温
度計)23を設ける。この放射温度計23で、インキ元
ローラー11表面の温度を測定して、データーを制御部
24へ取り込む。
【0028】制御部24では、予め設定した温度とイン
キ元ローラー11表面温度を比較して、インキ元ローラ
ー11の表面温度が上昇傾向にある場合には、流量調節
弁22を駆動して水量を増やす処置を取る。反対に下降
傾向にある場合には、流量調節弁22を駆動して水量を
減らす処置を取る。
【0029】この時の液温は、インキ元ローラー11の
表面温度を何度に設定するかによって異なるが、設定温
度より大きくかけ離れていない液温を用いた方が、急激
な温度変化を防止できる。ゆっくり修正する処置を取っ
た方が、他の要素への影響が少なくて済む。
【0030】次に、インキ元ローラー11の表面温度が
予め設定した温度で安定した後、印刷をしていく中で、
インキ元ローラー11の表面温度が安定しているにも係
わらず、色々な外部要因等によってインキ供給量が安定
しないために、印刷紙上のベタ濃度が変動してしまうこ
とが考えられる。
【0031】そこで、版胴により近いインキローラー1
5上のインキ膜厚を連続的に測定して、経時的インキ膜
厚の変化を観察する。このローラー15のインキ膜厚が
薄くなれば紙へ転移するインキ膜厚も薄くなりベタ濃度
が低くなっていることを示し、反対にローラー15のイ
ンキ膜厚が厚くなれば紙へ転移するインキ膜厚も厚くな
りベタ濃度が高くなっていることを示すことになる。
【0032】つまり、インキローラー15上のインキ膜
厚の変化を観察することによって、間接的ながら印刷紙
のベタ濃度変化を把握することができる。インキ膜厚が
薄くなる傾向にある時は、インキ壷10からのインキ供
給量が不足していることになり、インキ膜厚が厚くなる
傾向にある時は、インキ壷10からのインキ供給が過剰
になっていることになる。
【0033】今回は、特にローラー上のインキ膜厚を測
定する方法について詳細に触れていないが測定方法の条
件としては、インキローラーは数十μmの偏心をしなが
ら回転をしており、ローラー上のインキ膜厚は数μmで
あることから測定対象となるインキ膜厚よりベースにな
るローラー面の上下振動の方が大きい測定環境を考慮し
なければならない。このベースになるローラーの上下振
動の影響を受けないで、数μmのインキ膜厚を測定する
手段は、赤外波長領域(特に3400〜3500nm)
を使用したIR膜厚計等が有効である。
【0034】このように、予め設定したベタ濃度にする
ために必要なインキ供給量が確保されているときのイン
キローラー15上のインキ膜厚を基準値として、測定し
たインキ膜厚が薄くなっている場合には、流量調節弁2
2を駆動して水量を減らす処置を取りインキ元ローラー
11表面温度を上昇させる。反対に測定したインキ膜厚
が厚くなっている場合には、流量調節弁22を駆動して
水量を増やす処置を取りインキ元ローラー11表面温度
を下降させる。
【0035】インキ元ローラー11の表面温度を上下さ
せることにより、インキ壷10からのインキ供給量の微
調整を行い印刷紙面上の微妙なベタ濃度の変化を調節す
る。
【0036】制御部24では、インキ元ローラー11の
表面温度を一定に保ちながら、インキ供給量の安定化を
はかり、他方で微妙なインキの供給と消費のバランスを
制御するために、インキ元ローラー11の表面温度とイ
ンキローラー15上のインキ膜厚値の経時変化を観察し
たがら、基準温度に補正を加える形のフィードバックを
流量調節弁22に行う。
【0037】〔図1〕では、インキ膜厚計26は刷り始
め側の金属ローラーに設置してあるが、刷り終わり側
(均しローラー側)の金属ローラーに設置しても、上記
の様な効果が期待できる。
【0038】<実施例2>〔図2〕も〔図1〕と同様
に、代表的なオフセット印刷機内のインキローラーの配
列を示したものである。インキ元ローラー11には、ロ
ーラー表面の温度を一定に保つように、一定温度に冷却
した液体を流すための管が設けてある。インキ元ローラ
ー11を通過する液体は、予め決めた水温に冷却する恒
温装置16内の水槽17から行き水用配管20を通っ
て、インキ元ローラー11内の管に流れる。インキ元ロ
ーラー11で十分冷却した液体は、戻り水用配管21を
通って恒温装置16内の水槽17に戻る。このように液
体は、インキ元ローラー11と恒温装置16を循環して
いる。
【0039】本実施例では、インキ元ローラー11の表
面温度を一定に保つために、インキ壷10付近で作業す
る妨げにならない配慮と取り付けスペ−ス等を考慮し
て、直接インキ元ローラー11の表面温度を測定するの
ではなく、インキ元ローラー11を通過した直後の液温
を温度計25を配管内に設置することにより間接測定す
ることにした。この液温データーを制御部24へ取り込
む。
【0040】制御部24では、予め設定した温度とイン
キ元ローラー11通過後の液温を比較して、液温が上昇
傾向にある場合には、流量調節弁22を駆動して水量を
増やす処置を取る。反対に下降傾向にある場合には、流
量調節弁22を駆動して水量を減らす処置を取る。
【0041】この時の液温は、インキ元ローラー11の
表面温度を何度に設定するかによって異なるが、設定温
度より大きくかけ離れていない液温を用いた方が、急激
な温度変化を防止できる。ゆっくり修正する処置を取っ
た方が、他の要素への影響が少なくて済む。
【0042】次に、インキ元ローラー11の表面温度が
予め設定した温度で安定した後、印刷をしていく中で、
インキ元ローラー11の表面温度が安定しているにも係
わらず、色々な外部要因等によってインキ供給量が安定
しないために、印刷紙上のベタ濃度が変動してしまうこ
とが考えられる。
【0043】そこで、版胴により近いインキローラー1
5上のインキ膜厚を連続的に測定して、経時的インキ膜
厚の変化を観察する。このローラー15のインキ膜厚が
薄くなれば紙へ転移するインキ膜厚も薄くなりベタ濃度
が低くなっていることを示し、反対にローラー15のイ
ンキ膜厚が厚くなれば紙へ転移するインキ膜厚も厚くな
りベタ濃度が高くなっていることを示すことになる。
【0044】つまり、インキローラー15上のインキ膜
厚の変化を観察することによって、間接的ながら印刷紙
のベタ濃度変化を把握することができる。インキ膜厚が
薄くなる傾向にある時は、インキ壷10からのインキ供
給量が不足していることになり、インキ膜厚が厚くなる
傾向にある時は、インキ壷10からのインキ供給が過剰
になっていることになる。
【0045】このように、予め設定したベタ濃度にする
ために必要なインキ供給量が確保されているときのイン
キローラー15上のインキ膜厚を基準値として、測定し
たインキ膜厚が薄くなっている場合には、流量調節弁2
2を駆動して水量を減らす処置を取りインキ元ローラー
11表面温度を上昇させる。反対に測定したインキ膜厚
が厚くなっている場合には、流量調節弁22を駆動して
水量を増やす処置を取りインキ元ローラー11表面温度
を下降させる。
【0046】インキ元ローラー11の表面温度を上下さ
せることにより、インキ壷10からのインキ供給量の微
調整を行い印刷紙面上の微妙なベタ濃度の変化を調節す
る。
【0047】制御部24では、配管内の液温を測定して
流量を調節しながらインキ元ローラー11の表面温度を
一定に保ちながらインキ供給量の安定化をはかり、他方
で微妙なインキの供給と消費のバランスを制御するため
に、配管内の液温とインキローラー15上のインキ膜厚
値の経時変化を観察しながら、基準温度に補正を加える
形のフィードバックを流量調節弁22に行う。
【0048】〔図2〕では、インキ膜厚計26は刷り始
め側の金属ローラーに設置してあるが、刷り終わり側
(均しローラー側)の金属ローラーに設置しても、上記
の様な効果が期待できる。
【0049】この方法は、インキ元ローラー11表面温
度を直接測定する方法に比べて、間接的測定方法なので
インキ元ローラー11の表面温度の小さな変動等を見極
めることは困難である。しかし、ノイズ的温度変動が無
視できるので大きなうねり変動を捉え易く、大きな変動
を抑えるのに適してる。
【0050】その他に、特に今回は図示しないが配管に
は常に一定の流量の液体を流して、流す液体の液温を変
えることによりインキ元ローラー11の表面温度を制御
するものである。制御部24からの制御信号は恒温装置
16内の冷却部を温冷装置に変えた温調部に入力して、
水槽17内の液温を目的の温度にする。
【0051】
【発明の効果】本発明に係わるローラー上のインキ膜厚
制御装置によると、印刷を始める前のインキ供給量をプ
リセットする作業で刷版上の各ゾーン毎の絵柄面積率量
を測定してインキ供給量を設定した値が実際に必要なイ
ンキ供給量に近い値を出すことができる様になり、また
印刷中のインキ供給量の修正回数も少なくなり、安定し
た印刷状態を維持することが出来る。
【0052】更に、印刷中の微妙な濃度変化等をローラ
ー上のインキ膜厚を観察してインキ元ローラー表面温度
にフィードバックして修正を加えることにより、安定し
たベタ濃度の印刷物を得ることができる。
【0053】従来は、実際のインキ量より多くインキが
出てしまう傾向にあったので、インキ使用量の削減効果
とインキ供給量の変動による損紙の減少効果が期待でき
る。また、インキ供給の変動によるトラブルが減少する
ことによって、オペレーターへのスキル及び精神的負担
も軽減される。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるローラー上のインキ膜厚制御装
置の一実施例について、インキ元ローラー表面温度を直
接測定する方法を示す概略図である。
【図2】本発明に係わるローラー上のインキ膜厚制御装
置の一実施例について、インキ元ローラー中を循環する
液温を測定する間接的測定方法を示す概略図である。
【図3】本発明に係わるローラー上のインキ膜厚制御装
置の一実施例について、インキ元ローラー付近の構成を
示す概略図である。
【符号の説明】
10…インキ壷 11…インキ元ローラー 12…インキ供給ブレード 13…呼出ローラー 14…受け渡しローラー 15…振りローラー 16…恒温装置 17…水槽 18…冷却部 19…ポンプ 20…行き水用配管 21…戻り水用配管 22…流量調節弁 23…放射温度計 24…制御部 25…温度計(熱電対) 26…膜厚計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 昌弘 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オフセット印刷における、インキローラー
    上のインキ膜厚を制御する装置において、次の手段、す
    なわち(イ)版胴に近傍したローラーで、刷り始め側に
    位置する金属ローラー上の予め決めた任意の位置のイン
    キ膜厚を測定する手段、(ロ)インキ元ローラーの表面
    温度を測定する手段、(ハ)インキ元ローラーが1乃至
    複数に区切られた中空管になっていて、この中空管にロ
    ーラー表面温度を調節する液体を流す手段、(ニ)前記
    中空管に流れる液体の温度を、予め決めた液温に制御す
    る手段、(ホ)インキ元ローラーの表面温度を、予め決
    めた閾値レベル温度と比較して、判断結果から(ハ)の
    中空管に送る液量を調節することによりインキ元ローラ
    ーの表面温度を調節する手段、(ヘ)版胴に近傍したロ
    ーラーで刷り始め側に位置する金属ローラー上の予め決
    めた任意の位置のインキ膜厚を、予め決めた閾値レベル
    インキ膜厚と比較して、判断結果から(ハ)の中空管に
    送る液量を調節することによりインキ元ローラー表面温
    度を調節する手段、(ト)インキ元ローラー表面温度情
    報と、版胴に近傍したロ−ラ−で刷り始め側に位置する
    金属ローラー上の予め決めた任意の位置のインキ膜厚情
    報の経時的変化を観察して、(ハ)の中空管に送る液量
    を調節することによりインキ元ローラー表面温度を微調
    整する手段、 以上、少なくとも(イ)乃至(ト)を具備することを特
    徴とするローラー上のインキ膜厚制御装置。
  2. 【請求項2】前記インキ元ローラーの表面温度を測定す
    る手段が、(ハ)の中空管を流れる液体の温度を測定す
    る手段であり、また(ホ)も同様に中空管を流れる液体
    の温度に対して、予め決めた閾値レベル温度と比較し
    て、判断結果から(ハ)の中空管に送る液量を調節する
    ことによりインキ元ローラーの表面温度を調節する手段
    であり、かつ、前記インキ元ローラー表面温度情報が、
    (ハ)の中空管を流れる液体の温度情報であって、その
    温度情報と版胴に近傍したローラーで刷り始め側に位置
    する金属ローラー上の予め決めた任意の位置のインキ膜
    厚情報の経時的変化を観察して、(ハ)の中空管に送る
    液量を調節することによりインキ元ローラー表面温度を
    微調整する手段、を具備することを特徴とする請求項1
    記載のローラー上のインキ膜厚制御装置。
  3. 【請求項3】前記中空管に流れる液体の温度を制御する
    手段、を具備することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載のローラー上のインキ膜厚制御装置。
  4. 【請求項4】版胴に近傍したローラーで、刷り終わり側
    (均しローラー側)に位置する金属ローラー上の予め決
    めた任意の位置のインキ膜厚を測定する手段、を具備す
    ることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれか一つ
    のローラー上のインキ膜厚制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1329193C (zh) * 2003-07-16 2007-08-01 利优比株式会社 印刷机的油墨供应方法

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CN1329193C (zh) * 2003-07-16 2007-08-01 利优比株式会社 印刷机的油墨供应方法

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