JP3536416B2 - インキ転移量安定化装置 - Google Patents

インキ転移量安定化装置

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JP3536416B2
JP3536416B2 JP08391095A JP8391095A JP3536416B2 JP 3536416 B2 JP3536416 B2 JP 3536416B2 JP 08391095 A JP08391095 A JP 08391095A JP 8391095 A JP8391095 A JP 8391095A JP 3536416 B2 JP3536416 B2 JP 3536416B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B12/00Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area
    • B05B12/08Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area responsive to condition of liquid or other fluent material to be discharged, of ambient medium or of target ; responsive to condition of spray devices or of supply means, e.g. pipes, pumps or their drive means
    • B05B12/084Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area responsive to condition of liquid or other fluent material to be discharged, of ambient medium or of target ; responsive to condition of spray devices or of supply means, e.g. pipes, pumps or their drive means responsive to condition of liquid or other fluent material already sprayed on the target, e.g. coating thickness, weight or pattern

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット印刷機に於け
るインキ元ローラーとこれに対して微少すき間を有する
インキキーからなるインキ壷に於いて、予め必要とする
インキ供給量はインキキー開度とインキ元ローラー回転
速度及び、インキ呼出し回数等を設定することにより求
められ、この算出したインキ供給量に必要な濃度値にな
るように補正を加え(オペレータがインキキー開度、イ
ンキ元ローラー回転数に手を加える)適正なインキ供給
量を確保する。
【0002】その後、連続印刷中のインキ供給量を安定
するためには、何らかの要因等で変動してしまうインキ
供給状態の変化を金属ローラー上のインキ膜厚の変化を
観察することにより間接的に求め、さらに刷り始め側と
刷り終わり側のインキ膜厚の差を求めインキングローラ
ーから刷版へ転移する量(インキ消費量)の変化を把握
し、インキ元ローラー表面温度へフィードバックするこ
とによりインキローラー群内のインキ余り現象等の予兆
を見極め回避して安定したインキ転移の流れを保つため
にインキ供給量を補正して常に適正量にコントロールす
る装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来のオフセット印刷機のインキ供給機
構は、〔図4〕に示すようにインキ壷に貯えられたイン
キを、印刷機械の印刷速度とほぼ同一速度で回転してい
る(ローラー表面の周速度が同じ)インキ受け渡しロー
ラーへ、印刷速度の1/50〜1/100程度の低速度
で回転しているインキ元ローラーから供給している。
【0004】低速度で回転しているインキ元ローラーと
インキ壷のインキ供給量を調節するインキ供給ブレード
によって形成される隙間の大小によってインキ元ローラ
ー表面に着肉するインキ量(インキ膜厚)が決まる。
【0005】このインキ元ローラー表面に着肉したイン
キは、低速度で回転しているインキ元ローラーから印刷
速度とほぼ同一速度で回転しているインキローラー群内
のインキ受け渡しローラーへ転移する。このローラー間
の速度差を補うこととインキ供給量を調節するために、
インキ呼出しローラーを設けている。
【0006】インキ呼出しローラーは、インキ元ローラ
ーとインキ受け渡しローラーの間を往復運動している。
インキ元ローラーとインキ呼出しローラーが接触してい
る間だけインキ元ローラー表面に着肉したインキはイン
キ呼出しローラーに転移する。次にインキ呼出しローラ
ーはインキ元ローラーから離れて、インキ受け渡しロー
ラーに接触してインキ呼出しローラー表面に着肉したイ
ンキをインキ受け渡しローラーへ転移する。このインキ
呼出ローラーが、2つのローラーを往復運動することに
より間欠的にインキ元ローラーからインキ受け渡しロー
ラーへインキを受け渡すことができる。
【0007】この往復するインキ呼出ローラーは、回転
に関してフリー状態になっている(動力源がない)。つ
まり接触するローラーと同周速度で回転するようにな
る。通常インキ呼出しローラーは、インキローラー群内
のインキ受け渡しローラーと接触しているため、印刷速
度と同じ周速度で回転している。インキをインキ元ロー
ラーから受け取るために、インキ受け渡しローラーから
離れる。
【0008】この時インキ呼出しローラーはフリー状態
にあるので、印刷速度と同じ周速度で回転した状態で、
インキ元ローラーに接触する。インキ元ローラーの回転
数は印刷速度より低速度で回転しているために、インキ
呼出ローラーは接触した瞬間ブレーキが掛かった状態
(スリップ)になり衝撃を生じる。
【0009】また、インキ元ローラーから離れて、イン
キ受け渡しローラーにインキ呼出しローラーが接触する
ときは、反対に低速度で回転しているインキ呼出ローラ
ーが高速度で回っているローラーに接触することになる
ので同様にスリップし衝撃を生じる。
【0010】この様にインキ呼出しローラーが異なるロ
ーラーに接触する度に衝撃と摩擦熱を発するために、接
触するローラー(インキ元ローラーとインキ受け渡しロ
ーラー)側にも同じような現象が現れる。特に、インキ
供給量を調節するインキ元ローラーについては、ローラ
ー表面温度が上昇してしまう。
【0011】印刷速度が高速になるに従って、インキ元
ローラーとインキ受け渡しローラー間の速度差は大きく
なる傾向にある。従って、益々ローラー表面温度を上昇
させる方向に作用することになる。
【0012】インキ元ローラーとインキ壷のインキ供給
量を調節するインキ供給ブレードによって形成された隙
間は非常に小さいために、この隙間付近にあるインキは
インキ元ローラー表面の温度の影響を受け易い構造にな
っている。
【0013】従来は、これらの影響について水有り印刷
方式では、湿し水による冷却効果が有ることと、湿し水
とインキの乳化現象等が複雑に絡み合って、こちらの影
響が大きいと考えられていたために、あまり問題視され
ていなかった。今日では水無し印刷方式や、印刷速度の
高速化により無視できなくなって来ている。
【0014】特に、毎分1000回転を越える様な高速
印刷機に於いては、この衝撃を軽減する対策を施さない
と安定した印刷品質を確保することが困難と言われてい
る。
【0015】印刷する版胴及びブランケットの周速度、
印刷紙の移動速度は印刷機の高速化に伴って、高速度
(巻き取り紙輪転印刷機で約10m/s以上なども開発
されている)になる。
【0016】印刷機はインキをローラー間を転移させな
がら最終的に紙に必要なインキ量を着肉させる。ところ
が印刷機の高速化(周速度の高速化)によって、インキ
の転移率は低下する傾向にあるため、最終的に必要なイ
ンキ量は同じであるからインキ供給量を増やしてインキ
ローラー群内のインキを余り状態傾向にすることによ
り、紙に着肉するインキ量を確保する。 例 : ローラー上のインキ量 →(転移率)→ 必要なインキ量 低速回転 400 25% 100 高速回転 555 18% 100
【0017】紙に着肉するインキ量を一定にするために
は、故意にインキローラー群内にインキ余り状態を創る
必要がある。しかし、このインキ余り状態が過度に進行
すると、印刷品質の劣化、インキパイリング等のトラブ
ルの発生につながり、印刷機を停止して適切な処置を施
さなければならない場合も生じる。
【0018】これらのトラブルが頻繁に発生すると、損
紙の増加、ブランケット洗浄回数の増加等の問題を併発
し、印刷機稼働率の低下につながるため重大な損害を被
ることになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】インキ呼出しローラー
が異なるローラーに接触する度に衝撃と摩擦熱を発する
ために、接触するローラー(インキ元ローラーとインキ
受け渡しローラー)側にも同じような現象が現れる。特
に、インキ供給量を調節するインキ元ローラーについて
は、ローラー表面温度が上昇してしまう。
【0020】印刷を始める前のインキ供給量をプリセッ
トする作業では、刷版上の各ゾ−ン毎の絵柄面積率量を
測定してインキ供給量を設定して実際に必要なインキ供
給量に近い値を出すことができるようになっている。
【0021】しかし、今回のようにインキ元ローラーの
表面温度が上昇することにより、インキの温度も上昇し
てインキ粘土が変化して、結果として設定したインキ供
給量を保持できなくなってしまう。
【0022】つまり、インキ元ローラー表面温度が上昇
すると、隙間は一定であってもインキ粘度、その他の要
因が変化することによってインキ供給量は大きくなって
しまい、結果として見かけ上の隙間が大きくなったよう
になってしまう。
【0023】本発明は前記問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、隙間に合致したインキ
供給量を安定的に供給できるようにインキ元ローラーの
表面温度の上昇をおさえ一定にすると共に、インキ供給
量の経時的変動を補正するために、金属ローラー上のイ
ンキ膜厚を測定してインキ元ローラー表面温度の微調整
をすることで、より精度の良いインキ供給量の制御を行
う装置を提供するものである。
【0024】さらに、印刷機の高速化に伴う問題とし
て、インキ転移率の低下によるインキローラー群内のイ
ンキ余り状態を最小限に止め、インキ余りの進行によっ
て発生するトラブル等を事前に回避し、常に適正なイン
キ量(必要最小限)を供給する装置を提供するものであ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明が提供する手段を次に述べる。オフセット
印刷において、インキングローラーから刷版上に転移す
るインキ量を常に適正量にコントロールする装置におい
て、次の手段、すなわち(イ)版胴に近傍したローラー
で、刷り始め側に位置する金属ローラー上の予め決めた
任意の位置のインキ膜厚を測定する手段、(ロ)版胴に
近傍したローラーで、刷り終わり側に位置する金属ロー
ラー上の予め決めた任意の位置のインキ膜厚を測定する
手段、(ハ)インキ元ローラーの表面温度を測定する手
段、(ニ)インキ元ローラーが1乃至複数に区切られた
中空管になっていて、この中空管にローラー表面温度を
調節する液体を流す手段、(ホ)インキ元ローラーの表
面温度を、予め決めた閾値レベルと比較して、判断結果
から(ニ)の中空管に送る液量を調節することによりイ
ンキ元ローラーの表面温度を調節する手段、(ヘ)版胴
に近傍したローラーで刷り始め側に位置する金属ローラ
ー上の予め決めた任意の位置のインキ膜厚情報、及び版
胴に近傍したローラーで刷り終わり側に位置する金属ロ
ーラー上の予め決めた任意の位置のインキ膜厚情報から
刷り始め側のインキ膜厚と刷り終わり側のインキ膜厚の
差を求める手段、(ト)上記刷り始め側のインキ膜厚、
刷り終わり側のインキ膜厚、インキ膜厚の差、インキ元
ローラー表面温度の各測定値の経時的変動推移から判断
して、(ニ)の中空管に送る液量を調節することにより
インキ元ローラー表面温度を調節する手段、以上、少な
くとも(イ)乃至(ト)を具備するインキ転移量安定化
装置である。
【0026】また、前記インキ元ローラーの表面温度を
測定する手段が、(ニ)の中空管を流れる液体の温度を
測定する手段であり、また(ホ)も同様に中空管を流れ
る液体の温度に対して、予め決めた閾値レベルと比較し
て、判断結果から(ニ)の中空管に送る液量を調節する
ことによりインキ元ローラーの表面温度を調節する手段
であり、前記(ニ)の中空管を流れる液体の温度と上記
刷り始め側のインキ膜厚、刷り終わり側のインキ膜厚、
インキ膜厚の差の各測定値の経時的変動推移から判断し
て、(ニ)の中空管に送る液量を調節することによりイ
ンキ元ローラー表面温度を調節する手段、を具備する上
記のインキ転移量安定化装置である。
【0027】さらに、前記(ニ)の中空管に流れる液体
の温度を制御する手段、を具備する上記したいずれかの
インキ転移量安定化装置である。
【0028】さらにまた、インキングローラーにインキ
を供給するブリッチローラーを着脱して、ローラー上の
インキ余りを解消する手段、を具備する上記のいずれか
一つに記載のインキ転移量安定化装置である。
【0029】
【作用】本発明のインキ転移量安定化装置は、インキ元
ローラー11の表面温度を一定に保ちながら、インキ供
給量の安定化をはかり、他方で微妙なインキの供給と消
費のバランスを制御するために、インキ元ローラー11
の表面温度と刷り始め側のインキローラーと刷り終わり
側インキローラーの2つのインキ膜厚データーの経時変
化を観察し、基準温度に補正を加える形のフィ−ドバッ
クを行なうので、トラブルの予兆を捉えてトラブルの発
生する前に自動的に適正状態に制御可能である。また、
請求項2の方法で行うと、インキ壺付近の取り付けスペ
ースが不要になり、作業の妨げにならない。この方法は
インキ元ローラーの表面温度を間接的に測定することに
なり、ノイズ的温度変動を無視し大きなうねり変動を捉
え易くする。さらに、請求項3に示すインキ元ローラー
内の中空管に流れる液体の温度を最適な温度に制御する
ことにより迅速に安定化可能となる。そして、請求項4
のブリッチローラーを着脱してローラー上のインキ余り
を解消する手段を設けることにより、インキ元ローラー
を冷却しても解消出来ない場合や、回復するのに長時間
を要する場合でも、ローラー上のインキ余りを速やかに
解消することができる。
【0030】
【実施例】
<実施例1>本発明に係わるインキ転移量安定化装置の
一実施例を、図面にもとづいて以下に説明する。
【0031】〔図1〕は、代表的なオフセット印刷機内
のインキローラーの配列を示したものである。インキ元
ローラー11には、ローラー表面の温度を一定に保つよ
うに、一定温度に冷却した液体を流すための管が設けて
ある。インキ元ローラー11を通過する液体は、予め決
めた水温に冷却する恒温装置16内の水槽17から行き
水用配管20を通って、インキ元ローラー11内の管に
流れる。インキ元ローラー11で充分冷却した液体は、
戻り水用配管21を通って恒温装置16内の水槽17に
戻る。この様に液体は、インキ元ローラー11と恒温装
置16を循環している。
【0032】本実施例では、インキ元ローラー11の表
面温度を一定に保つために、インキ壷10付近で作業す
る妨げにならない所に非接触型の温度測定装置(放射温
度計)23を設ける。この放射温度計23で、インキ元
ローラー11表面の温度を測定して、データーを制御部
24へ取り込む。
【0033】制御部24では、予め設定した温度とイン
キ元ローラー11の表面温度を比較して、インキ元ロー
ラー11の表面温度が上昇傾向にある場合には、流量調
節弁22を駆動して水量を増やす処置を取る。反対に下
降傾向にある場合には、流量調節弁22を駆動して水量
を減らす処置を取る。
【0034】この時の液温は、インキ元ローラー11の
表面温度を何度に設定するかによって異なるが、設定温
度より大きくかけ離れていない液温を用いた方が、急激
な温度変化を防止できる。ゆっくり修正する処置を取っ
た方が、他の要素への影響が少なくて済む。
【0035】次に、インキ元ローラー11の表面温度が
予め設定した温度で安定した後、印刷をしていく中で、
インキ元ローラー11の表面温度が比較的に安定してい
るにも係わらず、色々な外部要因等によってインキ供給
量が安定しないために、印刷紙上のベタ濃度が変動して
しまうことが考えられる。
【0036】そこで、版胴により近いインキローラー3
0,31上のインキ膜厚を連続的に測定して、経時的イ
ンキ膜厚の変化を観察する。このローラー30,31の
インキ膜厚が薄くなれば紙へ転移するインキ膜厚も薄く
なりベタ濃度が低くなっていることを示し、反対にロー
ラー30,31のインキ膜厚が厚くなれば紙へ転移する
インキ膜厚も厚くなりベタ濃度が高くなっていることを
示すことになる。
【0037】つまり、インキローラー30,31上のイ
ンキ膜厚の変化を観察することによって、間接的ながら
印刷紙のベタ濃度変化を把握することができる。インキ
膜厚が薄くなる傾向にある時は、インキ壷10からのイ
ンキ供給量が不足していることになり、インキ膜厚が厚
くなる傾向にある時は、インキ壷10からのインキ供給
が過剰になっていることになる。
【0038】このように、予め設定したベタ濃度にする
ために必要なインキ供給量が確保されているときのイン
キローラー30,31上のインキ膜厚を基準値として、
測定したインキ膜厚が薄くなっている場合には、流量調
節弁22を駆動して水量を減らす処置を取りインキ元ロ
ーラー11の表面温度を上昇させる。反対に測定したイ
ンキ膜厚が厚くなっている場合には、流量調節弁22を
駆動して水量を増やす処置を取りインキ元ローラー11
の表面温度を下降させる。
【0039】インキ元ローラー11の表面温度を上下さ
せることにより、インキ壷10からのインキ供給量の微
調整を行い印刷紙面上の微妙なベタ濃度の変化を調節す
る。
【0040】さらに、今回は印刷を連続的に刷り続ける
過程で、インキの供給と紙に着肉する消費の関係に於い
ては、予め決めた濃度の印刷物を生産することが義務付
けられている限り、常にインキの消費量と供給量が同じ
であるか、供給量が上回っていないと決めた濃度の印刷
物を生産し続けることはできない。
【0041】近年の印刷機の高速化によってインキの転
移率は小さくなる傾向にあるため(インキの物性によ
り)、低速時の印刷機上のインキローラー群内のインキ
転移環境より許容範囲が狭くなる。つまり、最終出力す
る印刷物の濃度は、印刷機の速度に関係なく同じ物でな
ければならない。高速化に伴いインキローラー群内のイ
ンキ保持量が増えることになる。インキローラー群内の
インキ余り状態を故意に創ることになり、トラブル発生
要因との間で微妙なインキ供給装置のコントロールが要
求される。
【0042】理想的なインキング環境としては、インキ
消費量と供給量が一致した状態を保ちながら印刷をする
ことにある。しかし、現実問題として、この微妙な挙動
変化を連続的に監視することはオペレーターに大きな負
荷(熟練と心理的負担)となり困難である。そこで、イ
ンキの消費量の変化を把握する手段としてインキングロ
ーラーの刷り始め側の第1次ローラー30は、印刷紙に
インキが消費された直後の刷版にインキを供給するロー
ラーであり、刷り終わり側の最終ローラー31は刷版に
着肉したインキを均す役割とインキが余り気味のときは
回収する役割をしている。つまり、ローラー30と31
のインキ膜厚には膜厚差が生じる。
【0043】仮に、インキが過剰状態になるとローラー
30上のインキ膜厚は厚くなり、均しローラー31まで
到達するまでに刷版には十分なインキが供給されるの
で、ローラー31上のインキ膜厚も厚くなる。
【0044】このとき、インキの余り現象の推移は、消
費される所つまり紙、ブランケット、刷版、均しローラ
ー31とインキ供給する順番と反対の方向から生じる傾
向にある。ローラー30と31では、均しローラー31
側からインキ膜厚の増加が生じた後にローラー30にイ
ンキ膜厚の増加が生じる傾向にある。
【0045】反対に、インキが不足すると、刷版には十
分なインキが供給されなくなるので、インキ供給元に近
いローラーから順番にインキ不足現象が推移するため
に、ローラー30側からインキ膜厚の減少が生じた後に
ローラー31にインキ膜厚の減少が生じる傾向にある。
【0046】これらのことを踏まえて、刷り始め側のロ
ーラー30上のインキ膜厚と刷り終わり側のローラー3
1上のインキ膜厚、そして2つのローラー30と31の
インキ膜厚差を制御部24に取り込む。
【0047】制御部24では、インキ元ローラー11の
表面温度を一定に保ちながら、インキ供給量の安定化を
はかり、他方で微妙なインキの供給と消費のバランスを
制御するために、インキ元ローラー11の表面温度と2
つのインキ膜厚データーの経時変化を観察しながら、基
準温度に補正を加える形のフィ−ドバックを流量調節弁
22に行う。
【0048】<実施例2>〔図2〕も〔図1〕と同様
に、代表的なオフセット印刷機内のインキローラーの配
列を示したものである。インキ元ローラー11には、ロ
ーラー表面の温度を一定に保つように、一定温度に冷却
した液体を流すための管が設けてある。インキ元ローラ
ー11を通過する液体は、予め決めた水温に冷却する恒
温装置16内の水槽17から行き水用配管20を通っ
て、インキ元ローラー11内の管に流れる。インキ元ロ
ーラー11で十分冷却した液体は、戻り水用配管21を
通って恒温装置16内の水槽17に戻る。このように液
体は、インキ元ローラー11と恒温装置16を循環して
いる。
【0049】本実施例では、インキ元ローラー11の表
面温度を一定に保つために、インキ壷10付近で作業す
る妨げにならない配慮と取り付けスペース等を考慮し
て、直接インキ元ローラー11の表面温度を測定するの
ではなく、インキ元ローラー11を通過した直後の液温
を温度計25を配管内に設置することにより間接測定す
ることにした。この液温データーを制御部24へ取り込
む。
【0050】制御部24では、予め設定した温度とイン
キ元ローラー11通過後の液温を比較して、液温が上昇
傾向にある場合には、流量調節弁22を駆動して水量を
増やす処置を取る。反対に下降傾向にある場合には、流
量調節弁22を駆動して水量を減らす処置を取る。
【0051】この時の液温は、インキ元ローラー11の
表面温度を何度に設定するかによって異なるが、設定温
度より大きくかけ離れていない液温を用いた方が、急激
な温度変化を防止できる。ゆっくり修正する処置を取っ
た方が、他の要素への影響が少なくて済む。
【0052】制御方法については、実施例1と同様なの
で省略する。この方法は、インキ元ローラー11の表面
温度を直接測定する方法に比べて、間接的測定方法なの
でインキ元ローラー11の表面温度の小さな変動等を見
極めることは困難である。しかし、ノイズ的温度変動が
無視できるので大きなうねり変動を捉え易く、大きな変
動を抑えるのに適してる。
【0053】<実施例3>インキローラー群内のローラ
ーに過度に進行したインキ余り状態が出来てしまうと、
上記に示したインキ元ローラーを冷却しても解消出来な
い場合や、回復するのに長時間を要する場合、インキキ
ー開度を閉めたり、元ローラー回転数を減速してインキ
供給元の調節を行っても解決出来ない場合には、〔図
3〕に示すようにインキ余り状態になり易い局所に近い
インキングローラーにインキを供給するブリッチローラ
ー32を着脱して、ローラー上のインキ余りを速やかに
解消する。
【0054】その他に、特に今回は図示しないが配管に
は常に一定の流量の液体を流して、流す液体の液温を変
えることによりインキ元ローラー11の表面温度を制御
するものもある。制御部24からの制御信号は恒温装置
16内の冷却部を温冷装置に変えた温調部に入力して、
水槽17内の液温を目的の温度にする。
【0055】今回は特にローラー上のインキ膜厚を測定
する方法について詳細に触れていないが測定方法の条件
としては、インキローラーは数十μmの偏心をしながら
回転をしており、ローラー上のインキ膜厚は数μmであ
ることから測定対象となるインキ膜厚よりベースになる
ローラー面の上下振動の方が大きい測定環境を考慮しな
ければならない。
【0056】このベースになるローラーの上下振動の影
響を受けないで、数μmのインキ膜厚を測定する手段と
しては、赤外波長領域(特に3400〜3500nm)
を使用したIR膜厚計等が有効である。
【0057】
【発明の効果】本発明に係わる装置の特徴は、従来のイ
ンキ供給量のコントロール方法にあるインキキー開度、
インキ元ローラー回転数、インキ呼出しローラーの呼出
し回数の変更では対応できないような場合で、トラブル
の予兆を捉えて負荷の掛からないようにゆっくり適正状
態に戻すときなどに最適である。特に水無し印刷方式を
用いた印刷には効果が大きい。
【0058】本発明のインキ転移量安定化装置による
と、印刷を始める前のインキ供給量をプリセットする作
業で刷版上の各ゾーン毎の絵柄面積率量を測定してイン
キ供給量を設定した値が実際に必要なインキ供給量に近
い値を出すことができる様になり、また印刷中のインキ
供給量の修正回数も少なくなり、安定した印刷状態を維
持することが出来る。
【0059】更に、印刷中の微妙な濃度変化等をローラ
ー上のインキ膜厚を観察してインキ元ローラー表面温度
にフィ−ドバックして修正を加えることにより、安定し
たベタ濃度の印刷物を得ることができる。また、インキ
ングローラーに2つのインキ膜厚計を設置して、インキ
膜厚の管理のみだけでなく、インキ消費量の変化を観察
するようにしているので、インキ余り現象等によるトラ
ブルの前兆を捉え回避することが出来る。
【0060】従来は、実際のインキ量より多くインキが
出てしまう傾向にあったので、インキ使用量の削減効果
とインキ供給量の変動による損紙の減少効果が期待でき
る。また、インキ供給の変動によるトラブルが減少する
ことによって、オペレーターへのスキル及び精神的負担
も軽減される。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるインキ転移量安定化装置の一実
施例について、インキ元ローラー表面温度を直接測定す
る方法を示す概略図である。
【図2】本発明に係わるインキ転移量安定化装置の一実
施例について、インキ元ローラー中を循環する液温を測
定する間接的測定方法を示す概略図である。
【図3】本発明に係わるインキ転移量安定化装置の一実
施例について、インキローラー群内のインキ余り状態を
解消するときに着脱するローラーの様子を示した概略図
である。
【図4】本発明に係わるインキ転移量安定化装置の一実
施例について、インキ元ローラー付近の構成を示す概略
図である。
【符号の説明】
10…インキ壷 11…インキ元ローラー 12…インキ供給ブレード 13…呼出ローラー 14…受け渡しローラー 15…振りローラー 16…恒温装置 17…水槽 18…冷却部 19…ポンプ 20…行き水用配管 21…戻り水用配管 22…流量調節弁 23…放射温度計 24…制御部 25…温度計(熱電対) 26…インキ膜厚計(刷り始め側) 27…インキ膜厚計(刷り終わり側) 30…刷り始め側ローラー 31…刷り終わり側ローラー(均しローラー) 32…ブリッチローラー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−163859(JP,A) 特開 昭62−227749(JP,A) 特開 平1−182048(JP,A) 特開 平6−344538(JP,A) 特開 平4−90352(JP,A) 特開 平3−211056(JP,A) 特開 平5−193115(JP,A) 特開 昭62−170345(JP,A) 特開 昭63−27259(JP,A) 特開 昭61−104855(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 31/02 B41F 31/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オフセット印刷において、インキングロー
    ラーから刷版上に転移するインキ量を常に適正量にコン
    トロールする装置において、次の手段、すなわち、
    (イ)版胴に近傍したローラーで、刷り始め側に位置す
    る金属ローラー上の予め決めた任意の位置のインキ膜厚
    を測定する手段、(ロ)版胴に近傍したローラーで、刷
    り終わり側に位置する金属ローラー上の予め決めた任意
    の位置のインキ膜厚を測定する手段、(ハ)インキ元ロ
    ーラーの表面温度を測定する手段、(ニ)インキ元ロー
    ラーが1乃至複数に区切られた中空管になっていて、こ
    の中空管にローラー表面温度を調節する液体を流す手
    段、(ホ)インキ元ローラーの表面温度を、予め決めた
    閾値レベルと比較して、判断結果から(ニ)の中空管に
    送る液量を調節することによりインキ元ローラーの表面
    温度を調節する手段、(ヘ)版胴に近傍したローラーで
    刷り始め側に位置する金属ローラー上の予め決めた任意
    の位置のインキ膜厚情報、及び版胴に近傍したローラー
    で刷り終わり側に位置する金属ローラー上の予め決めた
    任意の位置のインキ膜厚情報から刷り始め側のインキ膜
    厚と刷り終わり側のインキ膜厚の差を求める手段、
    (ト)上記刷り始め側のインキ膜厚、刷り終わり側のイ
    ンキ膜厚、インキ膜厚の差、インキ元ローラー表面温度
    の各測定値の経時的変動推移から判断して、(ニ)の中
    空管に送る液量を調節することによりインキ元ローラー
    表面温度を調節する手段、 以上、少なくとも(イ)乃至(ト)を具備することを特
    徴とするインキ転移量安定化装置。
  2. 【請求項2】前記インキ元ローラーの表面温度を測定す
    る手段が、(ニ)の中空管を流れる液体の温度を測定す
    る手段であり、また(ホ)も同様に中空管を流れる液体
    の温度に対して、予め決めた閾値レベルと比較して、判
    断結果から(ニ)の中空管に送る液量を調節することに
    よりインキ元ローラーの表面温度を調節する手段であ
    り、前記(ニ)の中空管を流れる液体の温度と上記刷り
    始め側のインキ膜厚、刷り終わり側のインキ膜厚、イン
    キ膜厚の差の各測定値の経時的変動推移から判断して、
    (ニ)の中空管に送る液量を調節することによりインキ
    元ローラー表面温度を調節する手段、を具備することを
    特徴とする請求項1記載のインキ転移量安定化装置。
  3. 【請求項3】前記(ニ)の中空管に流れる液体の温度を
    制御する手段、を具備することを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のインキ転移量安定化装置。
  4. 【請求項4】インキングローラーにインキを供給するブ
    リッチローラーを着脱して、ローラー上のインキ余りを
    解消する手段、を具備することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1つに記載のインキ転移量安定化装置。
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