JP5112667B2 - 印刷機の温度を調節する方法 - Google Patents

Description

本発明は、印刷機の温度を調節する方法に関する。

特許文献１には、スクリーンローラとインキ着けローラが温度調節される印刷機が記載されている。

特許文献２には、スクリーンローラが、予め選択可能な温度に温度調節される印刷機が記載されている。

特許文献３には、アニロックスインキ装置を備えるオフセット印刷ユニットを含む印刷機が記載されている。
独国特許出願公開第１９７３６３３９号明細書 独国実用新案出願公開第８５３３００４号明細書 欧州特許出願公開第０８７０６０９号明細書

上述の従来技術では、あまりにも多くの影響要因によるインキ制御への影響の問題はまだ解決されていない。

したがって、本発明の目的は、インキ制御が簡単になる温度調節方法を提供することにある。

上述の目的は、請求項１の特徴を備える方法によって達成される。インキ着けローラとスクリーンローラを含む印刷機の温度を調節する、本発明による方法では、スクリーンローラは様々な温度に温度調節され、インキ着けローラは一定の温度に温度調節される。

すなわち、本発明による方法では、スクリーンローラの温度調節の設定温度は可変であり、インキ着けローラの温度調節の設定温度は一定である。それによって、適切なインキ制御を行うのに決定的な要因を、単一のローラ間隔、すなわち、スクリーンローラとインキ着けローラによって形成されるローラ間隔に集中させることができる。スクリーンローラによってインキ着けローラに移されるインキの量を適切に変化させるために、このローラ間隔に対して効果的な、スクリーンローラの温度とインキ着けローラの温度との間の温度差を、スクリーンローラの温度を変化させることによって変化させることができる。これは、非常に正確に行うことができ、かつ、非常に速い反応を得ることができ、また、インキ着けローラと版胴によって形成されるローラ間隔でのインキ転写を熱的に損なうことがない。

下位の請求項には、本発明による方法の好ましい他の態様が記載されている。

他の一態様では、スクリーンローラは印刷ユニット毎に様々に温度調節される。

他の一態様では、インキ着けローラは各印刷ユニット間で同じ一定の温度に温度調節される。

他の一態様では、印刷機は他のインキ着けローラと他のスクリーンローラを含んでおり、スクリーンローラは、他のスクリーンローラとは異なる温度に温度調節される。

他の一態様では、インキ着けローラは、他のインキ着けローラと同じ温度に温度調節される。

他の一態様では、両スクリーンローラは、別個の温度調節手段および循環路を用いて温度調節される。

他の一態様では、両インキ着けローラは、共通の温度調節手段および循環路を用いて温度調節される。

本発明による、または複数の他の態様の１つに対応する方法を実行するように構成された温度調節装置を含む印刷機も本発明に含まれる。

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。

図１は、４色印刷用の少なくとも４つの印刷ユニット２を備える印刷機１を示している。印刷機１は、枚葉紙印刷機であり、タンデム型に構成されている。印刷機１の枚葉紙給紙装置と枚葉紙排紙装置は、図を簡単にするために図示されていない。印刷ユニット２は、平版オフセット印刷ユニットであり、版胴３、ゴムブランケット胴４、湿し装置５、およびインキ装置６をそれぞれ含んでいる。さらに、各印刷ユニット２は圧胴を含んでいるが、圧胴は、図を簡単にするために図示されていない。

インキ装置６は、アニロックスインキ装置であり、インキ着けローラ７、スクリーンローラ８、およびスクリーンローラ８に当接しているインキ供給装置９を含んでいる。各印刷ユニット２のインキ着けローラ７とスクリーンローラ８は、ぶれリング(Schmitzring)無しで互いに当接しており、すなわち、両ローラは一種のぶれリングを備えていない。単一のインキ着けローラ７のみが、各スクリーンローラ８に当接しており、また、印刷動作時に各版胴３に当接する。インキ着けローラ７は、版胴３と同じ直径を有している。インキ供給装置９は、上方に向かって開き単一のドクターブレードを備えたインキ容器である。

複数の印刷ユニット１には温度調節装置１０も付属しており、温度調節装置１０は、複数のスクリーンローラ８の温度調節のための別個の複数の循環路１１と、複数のインキ着けローラ７の温度調節のための共通の循環路１２を含んでいる。したがって、各スクリーンローラ８は別個の循環路１１の１つに組み込まれており、全てのインキ着けローラは、並列接続されて、単一で共通の循環路１２に組み込まれている。別個の循環路１１と共通の循環路１２は、温度調節媒体（特に水）を、各循環路およびそれに組み込まれているローラを通すように送るポンプ１３をそれぞれ含んでいる。さらに、別個の循環路１１と共通の循環路１２は、循環している温度調節媒体を加熱する加熱装置１４と、温度調節媒体の温度を測定する測定装置１５をそれぞれ含んでいる。図１では、循環路１１，１２内を循環させられている温度調節媒体の流れ方向が矢印記号によって示されている。

温度調節装置１０には、ゴムブランケット胴４および湿し装置５も接続されているが、温度調節装置１０の、このために設けられている循環路は、図を簡単にするために図示されていない。湿し装置５の温度調節は、版胴３の温度を一定に保つための、版胴３の、湿し装置５から版胴３に塗られる湿し水を介した間接的な温度調節の役に立つ。

図示するシステムは以下のように機能する。

共通の循環路１２の加熱装置１４と測定装置１５は、閉じた制御系に一緒に接続されており、この制御系によって、共通の循環路１２の温度調節媒体の温度、したがって、インキ着けローラ７の温度が約３０℃の値に一定に保持される。インキ着けローラ７の、この約３０℃の温度には印刷ユニット２毎に差はない。別個の複数の循環路１１の各々の加熱装置１４と測定装置１５は、閉じた制御系に一緒に接続されており、この制御系によって、別個の複数の循環路１１の各々の温度調節媒体とスクリーンローラ８の温度が、操作者が印刷機１の操作盤で設定可能な値に一定に保持される。別個の循環路１１の、操作者が２０℃から４５℃の温度範囲内で予め選択することができる温度は印刷ユニット２毎に様々である。スクリーンローラ８の、各印刷ユニット２に対して個別に調節可能な温度は、操作者が印刷機の調整時、および被印刷媒体への本刷り時に測定する視覚的な色濃度値に応じて選択される。

別個の循環路１１内の温度調節媒体の循環温度を迅速に下げる必要がある場合、これは、冷たい温度媒体を該当する別個の循環路１１内に適切に注入することによって行われる。このために設けられている、別個の循環路１１に接続された冷水注入部と温水排出部は、図を簡単にするために図示されていない。

例えば、視覚的な色濃度を、ある印刷ユニット２において高くし、残りの印刷ユニット２においては変化させないままとする必要がある場合、所定の印刷ユニット２の別個の循環路１１の加熱装置１４の出力を高めることによって色濃度が高められ、この際、残りの別個の循環路１１の加熱装置１４の設定は変えないままにされる。

４色印刷用の少なくとも４つの印刷ユニットを備える印刷機を示す図である。

符号の説明

１ 印刷機
２ 印刷ユニット
３ 版胴
４ ゴムブランケット胴
５ 湿し装置
６ インキ装置
７ インキ着けローラ
８ スクリーンローラ
９ インキ供給装置
１０ 温度調節装置
１１，１２ 循環路
１３ ポンプ
１４ 加熱装置
１５ 測定装置

Claims (5)

1. インキ着けローラ（７）と、前記インキ着けローラ（７）に対応するスクリーンローラ（８）と、他のインキ着けローラ（７）と、前記他のインキ着けローラ（７）に対応する他のスクリーンローラ（８）と、を含む印刷機（１）の温度を調節する方法であって、
   両方の前記スクリーンローラ（８）を様々な温度に温度調節することと、両方の前記インキ着けローラ（７）を一定の温度に温度調節することと、各々の前記スクリーンローラ（７）の温度を変化させることによって、各スクリーンローラ（７）の温度とこれに対応するインキ着けローラ（８）の温度との温度差を変化させて、各々のスクリーンローラ（７）から対応する前記インキ着けローラ（８）に移されるインキの量を変化させることと、を含み、
   前記スクリーンローラ（８）と前記他のスクリーンローラ（８）とは別個の温度調節媒体用循環路（１１）を用いて異なる温度に温度調節され、
   前記インキ着けローラ（７）と前記他のインキ着けローラ（７）とは同じ温度に温度調節され、
   両方の前記スクリーンローラを温度調整するための別個の温度調節媒体用循環路（１１）の各々が、温度調節媒体を送るための別個のポンプ（１３）と、循環する前記温度調節媒体を加熱する別個の加熱装置（１４）と、を含んでいる、印刷機の温度を調節する方法。
2. 両方の前記スクリーンローラ（８）を印刷ジョブ毎に様々な温度に温度調節する、請求項１に記載の方法。
3. 両方の前記インキ着けローラ（７）を各印刷ジョブ間で同じ一定の温度に温度調節する、請求項１または２に記載の方法。
4. 両方の前記インキ着けローラ（７）を、共通の温度調節媒体用循環路（１２）を用いて温度調節する、請求項１から３のいずれか１項に記載の方法。
5. 請求項１から４のいずれか１項に記載の方法を実行するように構成された温度調節装置（１０）を備える印刷機。

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