JPH08267367A - ねじ締め装置及びクラッチ機構 - Google Patents

ねじ締め装置及びクラッチ機構

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JPH08267367A
JPH08267367A JP3898996A JP3898996A JPH08267367A JP H08267367 A JPH08267367 A JP H08267367A JP 3898996 A JP3898996 A JP 3898996A JP 3898996 A JP3898996 A JP 3898996A JP H08267367 A JPH08267367 A JP H08267367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ機構を有するねじ締め装置における
クラッチ接続時の騒音・衝撃をなくし、かつ初期押し付
け力を少なくして操作性の向上を図る。 【解決手段】 駆動軸部材5と出力軸部材7を連結する
クラッチ機構に駆動軸部材5と出力軸部材7に巻き付く
ことにより両者を一体的に回転させるコイルスプリング
16を用いることにより、クラッチ接続時の衝撃が極め
て少なく、かつコイルスプリングにて確実にトルクを伝
達する。コイルスプリングは正転時のみ用いて、逆転時
にはワンウェイクラッチ12を用いることができる。ま
た、単一のコイルスプリングを正転と逆転の双方に用い
ることも可能であり、更に正転用と逆転用の別個のコイ
ルスプリングを用いることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力を用いたねじ締め
装置(動力スクリュードライバ装置)に関し、特に所定
の締め付け深さでねじに加わるトルクを遮断し、締め付
け動作を確実に停止するねじ締め装置及びかかるねじ締
め装置に好適なクラッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電動スクリュードライバなどの
装置には、クラッチ機構を有するものがあり、ねじに加
わるトルクが所定値を超えるとクラッチが動作して、駆
動軸から出力軸への動力伝達が遮断されるようになって
いる。しかし、ねじを取り付ける相手方の対象部材(被
締結材という)が、例えば石膏ボードのように極めて軟
弱な材質のときは、トルク変化が緩やかかあるいはほと
んどなく、ねじに加わるトルクが所定値を超えるとクラ
ッチが動作する方式では、所望の位置でねじの駆動を停
止することができない。そこで、本体の一部に軸方向に
位置を調節可能なストッパを設け、ねじ締め動作中にス
トッパが被締結材に当接する位置まで本体が移動する
と、クラッチの遮断動作を行う電動スクリュードライバ
が用いられる。
【0003】かかるスクリュードライバ、すなわち、ね
じ送り距離によりクラッチを遮断状態とするものとして
は、例えば、特公平3−5952号公報に記載されてい
るものがある。この公報記載の電動スクリュードライバ
装置では、駆動部の爪クラッチとねじ締め用ビットを保
持する出力軸に設ける爪クラッチとの間に摺動自在な第
三の爪付き中間クラッチを設け、所定の位置で駆動部の
爪クラッチと爪付き中間クラッチが外れトルク伝達を遮
断している。また、トルク伝達の遮断後、両者の間の付
勢したばねにより中間クラッチと駆動部のクラッチ間を
一定の距離に保持し、爪クラッチの再衝突による打撃音
をなくすように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載の従来
の動力スクリュードライバ装置においては、3つのクラ
ッチがそれぞれ爪を有しており、駆動軸が無負荷で1分
間に5000回転という高速回転しているところに中間
クラッチの爪を噛み合わさなければならず、クラッチの
爪と爪が噛み合うまでに大きな騒音を発生するとともに
衝撃力が発生していた。またクラッチの爪は軸方向断面
が台形形状を有するので、衝撃力の分力が駆動軸の爪と
中間クラッチの爪との間に互いに引き離す力を発生さ
せ、これに負けないだけの大きな推力がねじ締め開始時
に必要となっていた。さらに被締結材にばね性がある場
合、出力軸が軸方向に上下動して、一度離れた爪が再度
駆動軸の爪に衝突し大きな騒音を生じていた。
【0005】したがって、本発明はねじ送り距離により
クラッチを遮断状態とする動力スクリュードライバ装置
におけるクラッチ接続時及び/又は遮断時の衝撃的な打
撃をなくし、必要な初期押し付け力(操作者が加える軸
方向の力)を低減させ、操作性の良いねじ締め装置及び
かかるねじ締め装置に好適なクラッチ機構を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、駆動軸と出力軸を接続したり遮断するクラ
ッチ機構に爪を用いることなく、両軸と同軸に配置され
たコイルスプリングがクラッチ接続時には駆動軸と出力
軸の双方に係合し、コイルスプリングの締め付け力によ
ってトルクを伝えるようにしている。
【0007】すなわち、本発明によれば駆動装置からの
動力を伝達する駆動軸部材と、ビットを保持し、軸方向
に移動可能に支持された出力軸部材と、前記出力軸部材
と前記駆動軸部材とを互いに離隔させるよう作用する圧
縮ばねと、前記出力軸部材に伝達される回転力を出力軸
の所定移動量で遮断するねじ締め装置において、前記駆
動軸部材と前記出力軸部材の同軸上に、各々の円筒面に
またがってクラッチスプリングがコイル状に配設されて
いるとともに、前記出力軸部材及び前記駆動軸部材のど
ちらか一方に前記クラッチスプリングの一部を固定し、
かつ他方の部材に前記クラッチスプリングの一部を前記
出力軸の移動に応じて係止可能な手段を設けたことを特
徴とするねじ締め装置が提供される。
【0008】また、本発明によれば駆動装置と、前記駆
動装置により回転せしめられる駆動軸部材と、ビットを
装着可能で、回転可能であり、軸方向に移動可能な出力
軸部材と、前記出力軸部材と前記駆動軸部材とを互いに
離隔させるよう作用する圧縮ばねと、前記駆動軸部材と
前記出力軸部材との間の回転トルクの伝達及び遮断を行
うクラッチ手段と、前記駆動装置、前記駆動軸部材、前
記出力軸部材、及び前記クラッチ手段を収納するハウジ
ングとを有する動力ねじ締め装置において、前記駆動軸
部材と前記出力軸部材が同軸で、それぞれスリーブを有
し、前記クラッチ手段が前記駆動軸部材と前記出力軸部
材の双方のスリーブの外周に係合可能なコイルスプリン
グと、前記コイルスプリングの一端を前記駆動軸部材と
前記出力軸部材のいずれか一方に固定する手段と、前記
ハウジングに推力が加えられ、前記駆動軸部材が前記圧
縮ばねの力に抗して前記出力軸部材に接近したときに前
記コイルスプリングの他端を前記駆動軸部材と前記出力
軸部材の他方に係止する係止手段とを有することを特徴
とするねじ締め装置が提供される。
【0009】さらに、本発明によればが駆動装置により
回転せしめられる第1スリーブを有する駆動軸部材と、
前記スリーブと同軸で回転可能であり、かつ軸方向に移
動可能な第2スリーブを有する出力軸部材と、前記出力
軸部材と前記駆動軸部材とを互いに離隔させるよう作用
する圧縮ばねと、前記第1スリーブと第2スリーブの外
周同士又は内周同士にまたがって配され、その一端が前
記第1スリーブ及び第2スリーブの一方に固定されたコ
イルスプリングと、前記駆動軸部材から前記出力軸部材
へ動力を伝達する際に、両部材を前記圧縮ばねに抗して
接近せしめる手段と、前記駆動軸部材と前記出力軸部材
の間の距離が所定値より少なくなると前記コイルスプリ
ングの他端を前記第1スリーブ及び第2スリーブの他方
に一時的に係止する係止手段と、を有するクラッチ機構
が提供される。
【0010】
【作用】上記のように構成された本発明のねじ締め装置
は、クラッチ接続時及び/又は遮断時に衝撃音が無くな
り、かつ初期押し付け力が小さくすむため、操作性がよ
く、常に一定のねじ締め深さ(ねじ送り距離)が得られ
るように動作する。
【0011】
【発明の実施の形態】
<第1実施例>以下、本発明の実施の形態を好ましい実
施例によって説明する。図1は本発明のねじ締め装置の
第1実施例を示す断面図である。ねじ締め装置1のハウ
ジング2の先端にストッパスリーブ3がねじ込みで取り
付けられている。ストッパスリーブ3を回転させること
により、ハウジング2との相対距離を調節でき、よって
後述するようにねじ送り距離(深さ)が調節可能とな
る。ハウジング2内では図示省略のモータの出力軸に取
り付けらけられたピニオン4が駆動軸部材5の外周に設
けられたギヤ6と噛み合っている。
【0012】駆動軸部材5のギヤ6より、図中下方、す
なわち出力軸部材7側の部分には環状のシュー8が設け
られている。このシュー8はその内壁面8aがテーパー
状に傾斜している。具体的には、この傾斜した内壁面8
aは駆動軸部材5の中心軸と同軸の円錐の外周面の一部
に一致する。角度θは上記中心軸に対する内壁面8aの
テーパー状傾斜を示すものである。シュー8の内側には
出力軸部材7側に伸長するスリーブ(円筒)S1があ
り、これら、駆動軸部材5、ギヤ6、シュー8、スリー
ブS1は一体の部材で作られている。スリーブS1は駆
動軸円筒外面10と駆動軸円筒内面11により画定され
ている。駆動軸円筒内面11により画定された内部空間
内にはローラ形ワンウェイクラッチ12が収納・固定さ
れている。駆動軸円筒外面10の出力軸部材7側の端部
近傍は先端にいく程、外径が小さくなるようなテーパー
部T1を有している。
【0013】出力軸部材7の先端部14はビット15が
着脱自在に取り付けられるよう構成されている。出力軸
部材7は出力軸円筒外面19と、出力軸円筒内面20及
びこれに連続する内面により画定される環状部分あるい
はスリーブS3を有する。出力軸部材7の駆動軸部材5
に面する部位(図中上方)の外周、すなわち出力軸円筒
外面19には図2に示されるように後述するクラッチス
プリング16の一端16bを常時係止するための軸方向
に伸長する溝18が設けられている。出力軸円筒内面2
0には駆動軸部材5に面する側からビット15の方向に
向って内径が小さくなる傾斜面、すなわちテーパー部T
2が設けられ、その傾斜角はスリーブS1のテーパー部
T1の傾斜角と一致している。
【0014】出力軸部材7のスリーブS3の内側には駆
動軸部材5方向に伸長する案内軸21があり、案内軸2
1の外周にスプライン22が設けられている。ワンウェ
イクラッチ12の内周には中空円筒状のスライダー23
が取り付けられている。スライダー23は案内軸21上
のスプライン22に結合するための案内スプライン17
を有し、かつ出力軸部材7から圧縮ばね24により駆動
軸部材5側に(図中上方に)押圧付勢されている。クラ
ッチスプリング16は全体がコイルスプリング状であ
り、これを構成するばね素線の断面は円形状である。
【0015】クラッチスプリング16は密着巻きで、そ
の素線巻き方向は左巻きで、駆動軸部材5の正転(右回
転、すなわち時計方向回転)によって巻き込まれる方向
(ばねがきつく巻き付く方向)にある。なお、図2に示
すようにクラッチスプリング16の一端(図1及び図2
では下方端部)16bは軸方向に伸長している。クラッ
チスプリング16の下方端部16bは出力軸部材7の溝
18に挿入されて固定・係止されるとともにクラッチス
プリング16の下方部分は出力軸円筒外面19に適当な
締め代を持って取り付けられる。一方、クラッチスプリ
ング16の図中上方部分は、駆動軸部材5の駆動軸円筒
外面10とは隙間を持って配されるとともにその端部は
図3に示すように一部外径を大きく成形される。なお、
図2に示されるようにクラッチスプリング16の下方端
部16bは軸方向に伸長しているが、上方端部16aは
図3にも示すように軸方向に伸長する部分を有していな
い。クラッチスプリング16の上方端部16aは図3の
平面図に示すように、外径が大きくなっている。
【0016】以上のように構成された第1実施例のねじ
締め装置1の動作を説明する。ビット15の先端にねじ
25を取り付け、図示省略のモータを回転させる。モー
タからの出力はピニオン4からギヤ6に伝達され、駆動
軸部材5が右回転する。この時点ではクラッチスプリン
グ16は駆動軸円筒外面10とは隙間を有しているの
で、トルクは出力軸部材7には伝達されていない。この
状態からねじ締め装置1の操作者が推力を加えて被締結
材にねじ25を押し付けると、出力軸部材7は相対的に
駆動軸部材5方向に圧縮ばね24に抗して移動し、図4
の状態になる。この時点では、ストッパスリーブ3の先
端3aは被締結材には接触していない。
【0017】このときクラッチスプリング16の上方端
部16aはシュー8の内壁面8aに当接する。この当接
により、クラッチスプリング16の上方端部16aはシ
ュー8の内壁面8aとの摩擦で、駆動軸部材5とともに
回転しようとし、またシュー8の内壁面8aのテーパー
形状における角度θの分力により駆動軸円筒外面10に
押し付けられ、シュー8の内壁面8aと駆動軸円筒外面
10に挟まれる。よって、クラッチスプリング16の上
方部分の内径がわずかに小さくなり、クラッチスプリン
グ16の上方部分は駆動軸円筒外面10に巻き付き、駆
動軸部材5とともに回転を開始し、よって出力軸部材7
にトルクを伝達する。このように負荷伝達時には駆動軸
部材5のテーパー部T1と出力軸部材7のテーパー部T
2は同軸で重なり合っている。
【0018】このとき駆動軸円筒外面10と出力軸円筒
外面19の境目にクラッチスプリング16がくい込もう
とするが、図4に示すように駆動軸円筒外面10と出力
軸円筒内面20のテーパ部T1、T2同士が重なってい
るため、くい込みは起きず塑性変形しない。出力軸部材
7が回転してねじ25の締め付けと送りが行われ、所定
のねじ深さに達し、ストッパスリーブ3が被締結材に突
き当たると同時に圧縮ばね24によりわずかに出力軸部
材7が図中下方へ押し出され、クラッチスプリング16
は推力から開放されるとともに駆動軸円筒外面10から
離れ、ねじ締めが完了する。再度クラッチスプリング1
6がシュー8の内壁面8aに接触したとしても摺り音し
か発せず静音化を図ることができる。
【0019】第1実施例のシュー8の内壁面8aの傾斜
角θは30度であり、この角度が小さいと初期推力が少
なくて済むが、ねじ締め完了時にシュー8の内壁面8a
からクラッチスプリング16の上方端部16aが外れに
くくなり、角度θを大きくすると外れやすくなるものの
大きな推力が必要となる。傾斜角θの好適な範囲は5度
から70度である。
【0020】一方逆転時(左回転、すなわち反時計方向
回転時)はワンウェイクラッチ12の働きによりモータ
が回転すると、ただちに駆動軸部材5の回転力はスライ
ダー23、案内軸21を介し出力軸部材7に伝達され、
ねじ緩め作業が行われる。このため、従来の爪クラッチ
を用いる場合、爪と爪を噛み合せるためねじ緩め作業の
たびにストッパスリーブ3を上げて、ビット15の先端
と締め付けたねじの頭を噛ませていたが、その必要がな
く作業効率を上げることができる。クラッチスプリング
16の素線の断面形状は角形、楕円形等であってもよい
し、シュー8と接触する端部形状は外形を大きくしてあ
るが、特にその形状は駆動軸円筒外面10への押し付け
力が小さくできるならばどのような形でもよい。スプラ
インの代わりにキー、ボールスプライン等であってもよ
い。
【0021】<第2実施例>図5は本発明のねじ締め装
置の第2実施例を示す断面図ある。第1実施例と異なる
点のみを説明する。第2実施例では第1実施例のワンウ
ェイクラッチ12の代わりに逆転シュー26、逆転クラ
ッチスプリング27を設けている。すなわち、駆動軸部
材5と出力軸部材7は共に同軸二重構造となっていて、
第1実施例同様のクラッチスプリング16の他に逆転ク
ラッチスプリング27が同軸に設けられている。したが
って、第2実施例の駆動軸部材及び出力軸部材は第1実
施例のものと形状に共通点があるとともに差異もある
が、便宜上同じ参照番号を用いている。なお、以下の各
実施例についても同様である。
【0022】第2実施例の駆動軸部材5のギヤ6の下方
に第1実施例同様の正転用のシュー8及び駆動軸円筒外
面10がある。駆動軸円筒外面10の半径方向内側に
は、これと同軸の駆動軸円筒内面11があり、駆動軸円
筒外面10と駆動軸円筒内面11によって囲まれた部分
は環状壁、すなわち外側のスリーブS1を構成してい
る。駆動軸円筒内面11の図中上方に半径方向内側に逆
転用の逆転シュー26が設けられ、さらに逆転時に逆転
クラッチスプリング27を巻き付かせるための、逆転用
駆動軸円筒外面(内側のスリーブS2の外面)28が設
けられている。一方、出力軸部材7には正転用のクラッ
チスプリング16の下方端部16bを常時係止する溝1
8が設けられているとともに、出力軸円筒外面19と出
力軸円筒内面20が第1実施例同様に設けられている。
さらに、出力軸部材7には出力軸円筒内面20側に逆転
クラッチスプリング27を逆転時に巻き付かせる逆転用
出力軸円筒外面(内側のスリーブS4の外面)29があ
り、また逆転クラッチスプリング27の下方端部27b
を常時係止する溝30が設けられている。
【0023】逆転クラッチスプリング27の巻き方向は
正転用のクラッチスプリング16とは逆、すなわち右巻
である。クラッチスプリング27の上方端部27aは図
6に示すように、半径外方に突出している。このように
構成されたねじ締め装置は正転時、ビット15にねじ2
5を取り付けてモータを回転させ、被締結材に押し付け
ることにより第1実施例同様クラッチスプリング16
は、シュー8により駆動軸円筒外面10に巻き付き回転
力を出力軸部材7に伝達する。このとき逆転クラッチス
プリング27も逆転シュー26の面に当たり、シュー2
6のテーパー形状部の傾斜角度βの分力により、逆転用
駆動軸円筒外面28側に押し付けられるが、図6に示す
ように素線の巻き方向が右で回転が右回転のため、逆転
クラッチスプリング27の内径が拡がる方向へ力を受け
る。よって駆動軸部材5の正転時には逆転クラッチスプ
リング27はトルクを伝達せず、ねじ締めに影響はな
い。
【0024】一方、駆動軸部材5の逆転時は逆転クラッ
チスプリング27の上方端部27aは逆転用駆動軸円筒
外面28に巻き付くが、同様の理由で正転用のクラッチ
スプリング16とシュー8との間ではトルク伝達がなさ
れず、よって逆転時のねじ緩め作業に影響はない。傾斜
角βの好適な範囲も傾斜角θ同様に5度から70度の範
囲にある。逆転クラッチスプリング27の素線の断面形
状も角形、楕円形等の形状でもよい。
【0025】<第3実施例>図7は本発明のねじ締め装
置の第3実施例を示す断面図である。駆動軸部材5のギ
ヤ6より図中下方には出力軸部材7方向へ伸長するスリ
ーブS1が設けられ、スリーブS1の外周、すなわち駆
動軸円筒外面31は出力軸部材7方向に外径が小さくな
る緩やかなテーパ部T1を有する。スリーブS1の内
面、すなわち駆動軸円筒内面32にはローラ形ワンウェ
イクラッチ12が取り付けられている。駆動軸円筒外面
31の図中上端部にはクラッチスプリング33の上方の
軸方向に伸長する端部33aを常時係止する溝18が設
けられている。出力軸部材7はフランジ34を有し、フ
ランジ34の駆動軸部材5側の面上に突起35が設けら
れている。出力軸部材7は駆動軸部材5方向へ伸びる案
内軸36を有し、案内軸36の外周にスプライン22が
設けられている。
【0026】動力伝達部材37は案内軸36とワンウェ
イクラッチ12の間に収納されるスリーブS5と、その
外方にスリーブS5と同軸のスリーブS3を有してい
る。スリーブS5はその内周面が案内軸36とスプライ
ン結合され、外周面がワンウェイクラッチ12の中心孔
に係合している。動力伝達部材37のスリーブS3の外
径は図8に示すように、駆動軸部材5のスリーブS1の
外径よりわずかに小さく、スリーブS3の内側の面には
駆動軸部材5のスリーブS1に設けられたテーパー部T
1の傾斜と同様の傾斜のテーパー部T2が設けられてい
る。
【0027】動力伝達部材37はばね定数の低い圧縮ば
ね38により常に駆動軸部材5方向に付勢され、駆動軸
円筒外面31の有するテーパ部T1と動力伝達部材37
のテーパ部T2が常に同軸で重なり合っている。駆動軸
円筒外面31と動力伝達部材37のスリーブS3の外面
39は図8に示すように径方向にH、軸方向に長さLの
段差がつくよう設計されている。軸方向の長さLとして
は、クラッチスプリング33の素線の軸方向寸法Jより
大きいことが好ましく、径方向の深さHとしては、クラ
ッチスプリング33が塑性変形しない範囲とし、さらに
クラッチスプリング33の素線の板厚Kの3分の1より
大きいことが好ましい。クラッチスプリング33の素線
は断面が角形形状で密着で左巻に形成されている。クラ
ッチスプリング33の上方端部は溝18に係止され、ま
たクラッチスプリング33の上方部分は駆動軸円筒外面
31に対しては、きついはめ合いとなっている。一方、
スリーブS3の外径とスリーブS1の外径の差によって
クラッチスプリング33の下方部分はスリーブS3の外
面39に対して隙間を有している。またクラッチスプリ
ング33の下方の端部33bは、半径外方向に伸長して
いて、ハウジング2に設けたストッパ40と近接して配
されている。ストッパ40は環状の板状部材で、その内
径は出力軸部材7の中心軸からクラッチスプリング33
の下方の端部33bの半径外方端までの距離より短く設
定されている。また駆動軸部材5と出力軸部材7を非押
圧時に一定の距離に保つ圧縮ばね24が案内軸36と駆
動軸部材5の間に配されている。
【0028】以上のように構成されたねじ締め装置にお
いて、ビット15にねじ25を取り付け、図示しないモ
ータが回転することにより駆動軸部材5が回転する。ね
じ締め装置のハウジング2を被締結材に押し付けると、
出力軸部材7は圧縮ばね24に抗して図7の上方に相対
的に移動し、突起35とクラッチスプリング33の下方
端部33bが係合し、スリーブS3の外面39を締め付
け、駆動軸部材5からの回転力をスリーブS5から案内
軸36を介してねじ25に伝える。ねじ25が所定の位
置に到達し、ストッパスリーブ3が被締結材に突き当た
ると圧縮ばね24により出力軸部材7は図の下方向に押
されるが、突起35とクラッチスプリング33の間に摩
擦力が働いており、両者は係合したまま図の下方向に移
動しようとする。
【0029】このときクラッチスプリング33は駆動軸
円筒外面31と動力伝達部材37のスリーブS3の外面
39との間で外径の差による段差ができているため、こ
の間で浮いた状態となっている。このためクラッチスプ
リング33は軸方向に弱い引張ばねの特性を有し、突起
35と共に下方向に移動するとき、クラッチスプリング
33の下方端部33bがストッパ40に当接する。この
当接によって、クラッチスプリング33の下方端部33
bは、それ以上下方へ移動することを阻止されるので、
出力軸部材7との係合が解かれ、出力軸部材7だけが図
の下方へ移動することとなる。クラッチスプリング33
はスリーブS3への巻き付きが外れ、ねじ締めが完了す
るとともに、伸びていたクラッチスプリング33は元の
長さに戻る。かかる動作によりクラッチ接続時の静音化
が図られるとともに、より一定のねじ締め精度が得られ
る。突起35とクラッチスプリング33の摩擦力を小さ
くするため突起35をテーパ形状などの形にしてもよい
し、ボールを埋めこんでもよい。
【0030】<第4実施例>図9は本発明のねじ締め装
置の第4実施例を示す断面図である。駆動軸部材5は同
軸の2つのスリーブS1、S2を有し、この2つのスリ
ーブS1、S2の間に画定される環状の駆動軸溝42が
ある。この駆動軸溝42の内部には、正転と逆転の両方
の回転駆動に兼用される正逆クラッチスプリング41の
上方部分が収納されている。駆動軸溝42は外側のスリ
ーブS2の内面すなわち駆動軸第1円筒内面44と、内
側のスリーブS1の外面すなわち駆動軸第2円筒外面4
3により画定され、両スリーブS1、S2の出力軸部材
7に対する端面部はそれぞれテーパー部T1、T2とな
っている。駆動軸溝42の底面(図中上方)には係止溝
45が穿設され、正逆クラッチスプリング41の上方端
部41aが常時係止される。駆動軸溝42の半径方向の
幅は正逆クラッチスプリング41の素線の太さよりわず
かに大きい。正逆クラッチスプリング41の素線断面は
角型であり、全体形状は後述の図17に示すものと同様
である。
【0031】一方、出力軸部材7にも駆動軸溝42に相
対する環状の出力軸溝53が設けられ、正逆クラッチス
プリング41の下方部分を同様にわずかな隙間をもって
収納している。すなわち出力軸溝53は同軸の2つのス
リーブS3、S4を有し、この2つのスリーブS3、S
4の間、具体的にはスリーブS4の内面すなわち出力軸
部材第1円筒内面47と、スリーブS3の外面すなわち
出力軸部材第2円筒外面46により画定される。両スリ
ーブS3、S4の駆動軸部材5に対する端面部はそれぞ
れテーパー部T3、T4となっている。出力軸溝53の
底面にはひっかけ溝48が穿設されている。
【0032】出力軸部材7の中心にある案内軸36は駆
動軸部材5の中心孔60に軸方向に摺動可能に係合し、
駆動軸部材5と出力軸部材7間には案内軸36の周囲に
圧縮ばね24が配される。以上のように構成された第4
実施例のねじ締め装置はねじ締め作業とねじ緩め作業を
一本の正逆クラッチスプリング41で行うものである。
ねじ締め作業時、駆動軸部材5及び正逆クラッチスプリ
ング41が一体に回転し、ねじ(図示省略)を被締結材
に押し付けることにより駆動軸部材5のテーパー部T
1、T2がそれぞれ出力軸部材7のテーパー部T3、T
4に重なり合う。また、正逆クラッチスプリング41の
下方端部41bがひっかけ溝48に係止され、よって、
正逆クラッチスプリング41は各円筒内面43、46に
巻き付き、出力軸部材7にトルクを伝達する。
【0033】ねじ25が下方へ送られ、先の各実施例同
様所定の位置に達すると、出力軸部材7は圧縮ばね24
により図の下方へ押し出される。このとき正逆クラッチ
スプリング41は軸方向へひっぱりばねとしても作用
し、ひっかけ溝48との摩擦力が働き、出力軸部材7側
へわずかに引っ張られ、伸びながらひっかけ溝48との
係合が解かれる。その後、正逆クラッチスプリング41
は元の長さに戻り、係合溝48との距離を保つので、ク
ラッチの接続時と遮断時に静音化が図れるとともにクラ
ッチ機構を安価でコンパクトに形成することができる。
正逆クラッチスプリング41の素線の断面形状は円形、
楕円形状であってもよい。正逆クラッチスプリング41
の端部とひっかけ溝48の係合を外れやすくするため、
ひっかけ溝48をテーパ形状にしたり、あるいはボール
を埋め込んだりしてもよい。
【0034】次に第4実施例における逆転駆動、すなわ
ちねじ緩め動作について説明する。駆動軸部材5と正逆
クラッチスプリング41が逆方向(左方向あるいは反時
計方向)に回転しながら出力軸部材7方向に移動し、ひ
っかけ溝48に正逆クラッチスプリング41の下方端部
がひっかかる。よって、正逆クラッチスプリング41は
ねじ締め時とは逆方向の力、すなわち巻きが緩められる
方向の力を受けて、外径が大きくなり、駆動軸部材5の
スリーブS2の内周(駆動軸第1円筒内面44)と、ス
リーブS4の内周(出力軸部材第1円筒内面47)に押
圧(圧接)され、回転力を伝える。
【0035】ねじ25が緩められ、出力軸部材7が所定
の位置まで上昇すると、正逆クラッチスプリング41に
引張り力がかかり、正逆クラッチスプリング41の下方
端部41bがひっかけ溝48からはずれ、クラッチが遮
断される。よって、クラッチ遮断時の静音化が図られ
る。
【0036】<第5実施例>図10は本発明のねじ締め
装置の第5実施例を示す断面図である。第5実施例は図
9の第4実施例の変形例で、駆動軸部材5は第4実施例
と同様であり、出力軸部材7のスリーブS3の代わりに
出力軸部材7に対して軸方向に摺動可能な摺動スリーブ
49を設けている。すなわち出力軸部材7にスプライン
51を設け摺動スリーブ49の摺動スプライン52と噛
み合わせるようにしている。摺動スリーブ49の外周上
方部には駆動軸部材5のテーパー部T1と重なり合うテ
ーパー部T3が設けられている。スリーブ49は、その
底部49Bと出力軸部材7の間で、かつ案内軸36の周
囲に配される圧縮ばね24により駆動軸部材5方向に付
勢されている。この付勢力により、スリーブ49のテー
パー部T3が駆動軸部材5のテーパー部T1に当接す
る。
【0037】以上のように構成された第5実施例のねじ
締め装置の動作について説明する。ねじ締め時には駆動
軸部材5と正逆クラッチスプリング41が正方向(右方
向あるいは時計方向)に回転しながら出力軸部材7方向
に移動し、ひっかけ溝48に正逆クラッチスプリング4
1の下方端部がひっかかる。よって、正逆クラッチスプ
リング41は駆動軸部材5のスリーブS1の外周(駆動
軸第2円筒外面43)と、スリーブ49の外周50に巻
き付き、回転力を伝える。スリーブ49は出力軸部材7
とスプライン51、52で結合されているので、スリー
ブ49の回転と共に出力軸部材7が回転する。
【0038】出力軸部材7が所定の位置まで被締結材方
向に移動すると、第4実施例同様に、正逆クラッチスプ
リング41に引張り力がかかる。出力軸部材7はスプラ
イン51、52により図面下方へ移動しやすく、ひっか
け溝48から正逆クラッチスプリング41の下端部が外
れやすくなっている。スプラインの代わりにキー、ボー
ルスプラインななどを用いてもよい。また図8で説明し
た第3実施例の段差を摺動スリーブ49と駆動軸第2円
筒外面43間に設け、より確実に静音化を図ることも可
能である。第5実施例における逆転駆動、すなわちねじ
緩め動作も上記第4実施例と同様であり、クラッチ遮断
時の静音化が図られる。
【0039】<第6実施例>次に本発明のねじ締め装置
の第6乃至第9実施例について説明する。これらの実施
例は上記第1乃至第5実施例と異なり、コイル状のクラ
ッチスプリングの一端を係止させ、かつその係止を解除
するのに、スリーブに設けられた半径方向に移動可能な
ボールを用いている。以下各実施例について説明する。
【0040】図11は本発明のねじ締め装置の第6実施
例を示す断面図で、図12は部分拡大断面図である。第
6実施例は図1の第1実施例の変形例ともいうべきもの
で、同一番号は同一あるいは対応する素子、部材を示し
ている。第1実施例ではシュー8によりクラッチスプリ
ング16の上端を摩擦で係止していたが、第6実施例で
は駆動軸部材5が具備するスチールボール(単にボール
という)62を用いている。駆動軸部材5はスリーブS
1を有し、その内部空間にはワンウェイクラッチ12が
設けられ、出力軸部材7もスリーブS3を有し両スリー
ブS1、S3は図1同様のテーパー部T1、T2を有し
てしる。なお、第6実施例で用いるクラッチスプリング
64は図17に示すように、左巻きで、上方端部64a
と下方端部64bが軸方向に伸長している。なお、以下
の実施例でも図17のクラッチスプリング64が用いら
れる。出力軸部材7の外方にはハウジング2に配設され
たメタル部材70がある。
【0041】図11において、ストッパスリーブ3はハ
ウジング2の頭部(図中下方部分)に螺合していて、そ
の回転によりハウジング2に対して軸方向に移動可能で
ある。ストッパスリーブ3の図中上方には回転不能であ
り、かつ軸方向に移動可能なロック部材54が設けら
れ、ロック部材54は圧縮ばね58によりストッパスリ
ーブ3の方向へ付勢されている。ストッパスリーブ3と
ロック部材54の当接部には両者に対して互いに噛み合
う凹凸状の爪部56が設けられている。したがって、ス
トッパスリーブ3は爪部56と噛み合っているときは、
回転不能であり、その軸方向位置が固定される。なお、
ねじの締めこみ深さ(送り距離)を変えるためには、操
作者がロック部材54を圧縮ばね58に抗して図中上方
移動させ、ストッパスリーブ3との噛み合いを外した状
態で、ストッパスリーブ3を回転させる。
【0042】ボール62はスリーブS1に設けられた半
径方向の貫通孔66内にあり、半径方向に移動可能であ
り、その一部がスリーブS1の外周から外部に突出しな
い第1位置と外部に突出する第2位置の間で移動可能で
ある。スリーブS1の内部には、傘状部材68が軸方向
に移動可能に設けられている。傘状部材68の出力軸部
材7側の面は出力軸部材7に当接可能である。出力軸部
材7のスリーブS3には第1実施例同様クラッチスプリ
ング64の下方端部64bを常時係止する溝18が設け
られている。
【0043】図13は第6実施例の動作を示す4つの断
面図である。ねじ締め時には駆動軸部材5が出力軸部材
7に対して相対的に移動すると、傘状部材68の傾斜面
であるテーパー部T5によりボール62が図13の
(a)に示すように半径外方向へ押し出される。このね
じ締め開始時点での出力軸部材7の所定部分ととメタル
部材70の駆動軸部材5側の端部との間の距離をMとす
る。ボール62がスリーブS1の外周から外方に突出す
ると、クラッチスプリング64の上方端部64aがボー
ル62に係止する。その後は第1実施例と同様にクラッ
チスプリング64がスリーブS1、S3に巻き付いてト
ルク伝達が行われる。スリーブS3の外径がスリーブS
1の外径よりわずかに大きいので、クラッチスプリング
64のほぼ中央部には非巻付部が形成される。クラッチ
スプリング64の非巻付部の軸方向長さをPとする。ね
じ締めが進み、図13の(b)に示すようにストッパス
リーブ3が被締結材72に到達すると、ストッパスリー
ブ3が被締結材72に当接する。このとき、ねじ25の
頭部は被締結材72の表面から距離Mだけ浮いている状
態である。
【0044】ねじ締め装置に加えられた推力に対する被
締結材72からの反力はストッパスリーブ3で受け止め
られ、その後、図13の(c)に示すように出力軸部材
7は更に被締結材72の方向に移動し、メタル部材70
の端面まで移動する。この時点で、ねじ25の頭部は被
締結材72の表面と面一となる。図13の(b)の状態
から同図の(c)の状態になると、出力軸部材7が被締
結材72の方向に距離Mだけ移動するので、クラッチス
プリング64の非巻付部の軸方向長さはP+Mとなる。
ねじ締め付けが完了すると、図13の(d)に示すよう
に圧縮ばね74により傘状部材68が被締結材72の方
向へ押され、ボール62はクラッチスプリング64の上
方端部64aによって半径内方向の力を受けて、スリー
ブS1の外周より内部に入り込む。この瞬間にクラッチ
スプリング64の上方端部64aは、ボール62による
係止を解かれて、クラッチスプリング64はスリーブS
1、S3への巻き付きから開放される。よってクラッチ
スプリング64は自分自身の復元力により、ねじ締め開
始前の状態(図11、図12参照)に戻る。なお、この
状態ではクラッチスプリング64の上方端部64aとボ
ール62との間には完全な隙間84ができている。
【0045】ボール62は、駆動軸部材5内に収納され
ているため、駆動軸部材5が回転しているときはボール
62の自重に関連した遠心力がボール62にかかる。し
たがって、駆動軸部材5が回転しているときは、基本的
には、遠心力によりボール62はその一部がスリーブS
1の外周から外部に突出した状態となる。この状態、す
なわち、駆動軸部材5の回転による遠心力でボール62
の一部がスリーブS1の外周から外部に突出した状態に
おいて、出力軸部材7を被締結材に押圧しないときは、
ボール62とクラッチスプリング64の上方端部64a
との間には、間隙84があるため、クラッチスプリング
64が駆動軸部材5に巻き付かず、回転の伝達は行われ
ない。出力軸部材7を被締結材に押圧すると、出力軸部
材7と駆動軸部材5とは相対的に、この間隙の軸方向の
長さより長い距離を移動し、ボール62とクラッチスプ
リング64の上方端部64aとが係合し、クラッチスプ
リング64が駆動軸部材5に巻き付いて、回転の伝達が
行われる。
【0046】回転の伝達が行われている状態における、
ボール62とクラッチスプリング64の上方端部64a
との係合は、ボール62の軸平行方向中心線よりもクラ
ッチスプリング64の上方端部64aの中心が半径方向
外側(スリーブS1の外周より外部側)に位置する。こ
れにより、ボール62とクラッチスプリング64の上方
端部64aとの係合部分において、ボール62はクラッ
チスプリング64の上方端部64aよって半径内方向の
分力を受けることとなる。なお、駆動軸部材5の回転数
が高い場合、ボール62に作用する遠心力は相当大きく
なるが、ボール62の表面は曲面であるため、クラッチ
遮断時にボール62がわずかに半径内方向に移動しよう
とする変位により、クラッチスプリング64の上方端部
64aはこの曲面上を滑って移動し、係合が解かれるこ
ととなる。
【0047】図12に示した第6実施例では、図1の第
1実施例と異なってワンウェイクラッチ12の内周が直
接出力軸部材7の外周に軸方向に移動可能なように入れ
子式に係合している。一方図1の場合は、ワンウェイク
ラッチ12の内周により画定される内部空間に中空円筒
状のスライダー23が設けられ、スライダー23の案内
スプライン17を介して出力軸部材7の案内軸21のス
プラインと結合している。図1の構成は図12の構成に
較べて構造は複雑であるが、摺動性がよく、摩擦が少な
いので装置の長寿命化に貢献する。さらに、軸方向のす
べりがよいので、操作者がハウジング2に加えるべき押
圧力が少なくて済むという特長もある。よって、図12
の第6実施例にも図1同様のスライダーを用いることは
好ましい態様である。
【0048】<第7実施例>次に本発明の第7実施例に
ついて図14の断面図とともに説明する。第7実施例は
図9の第4実施例の変形例ともいえる。すなわち、クラ
ッチスプリング64は第4実施例同様、正転と逆転の駆
動に用いられ、よって、第6実施例で用いたワンウェイ
クラッチ12は不要である。ワンウェイクラッチ12が
不要なため、図11、12の第6実施例で用いられてい
る傘状部材68はなく、圧縮ばね74が直接出力軸部材
7の上端に当接している。また、傘状部材68のテーパ
ー部T5の代りとして、出力軸部材7の上端円周部にテ
ーパー部T6が設けられ、ボール62に当接可能となっ
ている。第7実施例における第4実施例あるいは第6実
施例と同一参照符号の素子は同様な構成であり、その説
明は省略する。
【0049】<第8実施例>次に本発明の第8実施例に
ついて図15の断面図とともに説明する。第8実施例は
図5の第2実施例の変形例ともいえる。すなわち、正転
用クラッチスプリング64と逆転用クラッチスプリング
78が同軸に設けられている。正転用クラッチスプリン
グ64は第6実施例同様、スリーブS1、S3への巻き
付きにより正転時のみトルク伝達に用いられる。一方、
逆転用クラッチスプリング78は図18に示すように右
巻きの密着コイルスプリングで、逆転時にスリーブS
2、S4への巻き付きにより逆転時のみトルク伝達に用
いられる。逆転用クラッチスプリング78の下方端部7
8bは出力軸部材のスリーブS4の溝30に常時係止さ
れている。また上方端部78aは半径方向に移動可能な
ボール76が外方に突出すると係止される。
【0050】出力軸部材7にはボール76を半径外方へ
押出すためのテーパー部T7がテーパー部T6と同軸に
設けられている。なお、図5の第2実施例では正転用ク
ラッチスプリング16が逆転用クラッチスプリング27
の外側に設けられているが、図15の第8実施例では逆
となっている。第8実施例における第2実施例あるいは
第6実施例と同一参照符号の素子は同様な構成であり、
その説明は省略する。
【0051】<第9実施例>次に本発明の第9実施例に
ついて図16の断面図とともに説明する。第9実施例は
図15の第8実施例の変形例ともいえる。すなわち、正
転用クラッチスプリング64と逆転用クラッチスプリン
グ78が同軸に設けられている点は第8実施例と同様で
あるが、逆転用クラッチスプリング78の係止部分が第
8実施例とは逆である。すなわち、逆転用クラッチスプ
リング78の上方端部78aは、駆動軸部材5に設けら
れた溝80に常時係止され、下方端部78bを係止する
ボール82が出力軸部材7のスリーブS4の半径方向に
移動可能に設けられている。
【0052】スリーブS2、S4の形状、寸法は第8実
施例と逆の関係にある。スリーブS4の被締結材側には
駆動軸部材5に連結され、ボール82に当接可能なテー
パー部T8を有するスリーブS6がある。したがって、
駆動軸部材5が出力軸部材7方向に移動するとテーパー
部T8がボール82を半径外方向へ押し出すこととな
る。第9実施例における第8実施例と同一参照符号の素
子は同様な構成であり、その説明は省略する。第8実施
例と第9実施例からわかるように、各クラッチスプリン
グ64、78は駆動軸部材5側で固定係止してもよい
し、出力軸部材7側で固定係止してもよいことがわか
る。
【0053】上記第6実施例乃至第9実施例では、クラ
ッチスプリングの一端の一時的係合のために、ボールを
用いているが、この部材は必ずしも球状でなくてもよ
い。すなわち、例えばスリーブの半径外方へ突出する部
分が曲面を有する、全体としては棒状の部材であって、
その長手方向がスリーブの半径方向に移動可能に配され
たものであってもよい。上記各実施例ではコイル状のク
ラッチスプリングをスリーブの外周に巻き付かせたり、
あるいは緩めてその半径外方にあるスリーブの内周への
圧接によって、トルクの伝達を行っているが、外周に巻
き付ける態様では必ずしも中空円筒状のスリーブを用い
る必要はなく、中実のシリンダを用いてもよい。よっ
て、内周への圧接による場合は除いて、スリーブとは中
実のシリンダである円柱状部材をも含むものとする。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ねじ締め
装置のクラッチ機構に駆動軸部材と出力軸部材とを連結
するコイルスプリングを用い、クラッチ接続時には駆動
軸部材と出力軸部材に巻き付くことによりトルクを伝達
するようにしているので、クラッチ接続時の衝撃的な打
撃がなくなり低騒音化及び初期押し付け力の低減を図る
ことができる。また、クラッチ遮断時には、コイルスプ
リングによる巻き付けを解除するようにしているので、
クラッチ遮断時においても衝撃的な打撃がなくなり低騒
音化を図ることができる。さらに、ねじ緩め時、すなわ
ち逆転時におけるトルク伝達においても、コイルスプリ
ングの巻き付き、あるいは緩みによる外方の部材への圧
接を用いてトルクを伝達することにより正転時と同様の
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のねじ締め装置の第1実施例を示す一部
省略断面図である。
【図2】第1実施例に用いられるクラッチスプリングを
示す正面図である。
【図3】第1実施例に用いられるクラッチスプリングの
上端を示す平面図である。
【図4】第1実施例のねじ締め時の動作状態を示す部分
断面図である。
【図5】本発明のねじ締め装置の第2実施例を示す部分
断面図である。
【図6】第2実施例に用いられる逆転クラッチスプリン
グの上端を示す平面図である。
【図7】本発明のねじ締め装置の第3実施例を示す部分
断面図である。
【図8】第3実施例を一部を示す部分拡大断面図であ
る。
【図9】本発明のねじ締め装置の第4実施例を示す部分
断面図である。
【図10】本発明のねじ締め装置の第5実施例を示す部
分断面図である。
【図11】本発明のねじ締め装置の第6実施例を示す一
部省略断面図である。
【図12】第6実施例を示す部分拡大断面図である。
【図13】第6実施例の動作を説明する模式的一部省略
断面図である。
【図14】本発明のねじ締め装置の第7実施例を示す部
分断面図である。
【図15】本発明のねじ締め装置の第8実施例を示す部
分断面図である。
【図16】本発明のねじ締め装置の第9実施例を示す部
分断面図である。
【図17】本発明の第6乃至第9実施例に用いられる左
巻きクラッチスプリングの正面図である。
【図18】本発明の第8及び第9実施例に用いられる右
巻きクラッチスプリングの正面図である。
【符号の説明】
1 ねじ締め装置 2 ハウジング 3 ストッパスリーブ 4 ピニオン 5 駆動軸部材 6 ギヤ 7 出力軸部材 8 シュー 12 ワンウェイクラッチ 15 ビット 16、27、33、41、64、78 クラッチスプリ
ング(コイルスプリング) 18、80 溝 21、36 案内軸 24、38、58、74 圧縮ばね 25 ねじ 26 逆転シュー 34 フランジ 35 突起 37 動力伝達部材 40 ストッパ 49 摺動スリーブ 54 ロック部材 62、76、82 ボール 68 傘状部材 70 メタル部材 72 被締結材 84 間隙 S1、S2、S3、S4、S5、S6 スリーブ T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8 テ
ーパー部

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動装置からの動力を伝達する駆動軸部
    材と、ビットを保持し、軸方向に移動可能に支持された
    出力軸部材と、前記出力軸部材と前記駆動軸部材間とを
    互いに離隔させるよう作用する圧縮ばねと、前記出力軸
    部材に伝達される回転力を出力軸の所定移動量で遮断す
    るねじ締め装置において、前記駆動軸部材と前記出力軸
    部材の同軸上に、各々の円筒面にまたがってクラッチス
    プリングがコイル状に配設されているとともに、前記出
    力軸部材及び前記駆動軸部材のどちらか一方に前記クラ
    ッチスプリングの一部を固定し、かつ他方の部材に前記
    クラッチスプリングの一部を前記出力軸の移動に応じて
    係止可能な手段を設けたことを特徴とするねじ締め装
    置。
  2. 【請求項2】 少なくとも負荷伝達時、前記駆動軸部材
    の一部が前記出力軸の一部に同軸で重なりあうことを特
    徴とする請求項1記載のねじ締め装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動軸部材及び前記出力軸部材の各
    々の前記円筒面のうち少なくともどちらか1つの前記円
    筒外面が前記クラッチスプリングの内径より小さいこと
    を特徴とする請求項1又は2記載のねじ締め装置。
  4. 【請求項4】 前記クラッチスプリングを前記出力軸の
    移動に応じて係止する手段として、前記駆動軸部材及び
    前記出力軸部材の前記他方の部材に内面が円錐の外周面
    の一部の形状のシューを設けたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3記載のねじ締め装置。
  5. 【請求項5】 前記シューの内面が前記駆動軸部材の中
    心軸に対して5度から70度の範囲内の角度で傾斜して
    いることを特徴とする請求項4記載のねじ締め装置。
  6. 【請求項6】 前記ビットの逆転作業時に作動するよ
    う、前記駆動軸部材及び前記出力軸部材のどちらか一方
    にワンウエイクラッチを装着し、かつ他方の部材の案内
    軸はワンウエイクラッチ内周部に支持されることを特徴
    とする請求項5記載のねじ締め装置。
  7. 【請求項7】 前記ワンウエイクラッチ内周部と前記案
    内軸はスライダーを介して連結されており、前記案内軸
    及び前記スライダーは回転方向に一体回転し、かつ軸方
    向には摺動自在に結合されることを特徴とする請求項6
    記載のねじ締め装置。
  8. 【請求項8】 前記ビットの逆転作業時に作動する前記
    クラッチスプリングと巻き方向が逆の逆転クラッチスプ
    リングを有するとともに、前記駆動軸部材及び前記出力
    軸部材の同一軸上に前記円筒面とは別に逆転用円筒面を
    有し、前記逆転用円筒面にまたがって前記逆転クラッチ
    スプリングをコイル状に配設したことを特徴とする請求
    項4乃至7のいずれか1つに記載のねじ締め装置。
  9. 【請求項9】 前記クラッチスプリングを介して前記出
    力軸部材に回転出力を伝達するため前記駆動軸部材ある
    いは前記出力軸部材のどちらか一方の案内軸と一体回転
    し、軸方向には摺動自在な動力伝達部材を設けるととも
    に、前記動力伝達部材の円筒面、他方の前記軸部材の前
    記円筒面に同軸でまたがってコイル状に前記クラッチス
    プリングが配設されることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1つに記載のねじ締め装置。
  10. 【請求項10】 前記出力軸部材に前記係止部を設けた
    場合において、前記駆動軸部材、前記出力軸部材、前記
    圧縮ばね及び前記クラッチスプリングを収納するハウジ
    ングに前記係止部と前記クラッチスプリングの係合を外
    すためのストッパを設けたことを特徴とする請求項9記
    載のねじ締め装置。
  11. 【請求項11】 前記動力伝達部材は、ばねにより常に
    前記駆動軸部材あるいは前記出力軸部材側に付勢される
    ことを特徴とする請求項9又は10記載のねじ締め装
    置。
  12. 【請求項12】 前記ビットの逆転作業時に作動するよ
    うに前記駆動軸部材あるいは前記出力軸部材の前記円筒
    外面の内部にワンウエイクラッチを収納固定し、前記ワ
    ンウエイクラッチの内周部に前記動力伝達部材のスリー
    ブが支持されることを特徴とする請求項11記載のねじ
    締め装置。
  13. 【請求項13】 前記動力伝達部材の前記円筒面と前記
    駆動軸部材及び前記出力軸部材の前記他方の軸部材の前
    記円筒面の外径が異なり同軸で重なった状態で、両円筒
    面の接合部に段差ができることを特徴とする請求項12
    記載のねじ締め装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動軸部材は、前記円筒面の周囲
    に同軸に伸長する円筒内面を有し、両円筒面間に前記コ
    イル状のクラッチスプリングの一方の端部をわずかな間
    隙を介して受け入れる環状溝を画定し、前記出力軸部材
    は、前記円筒面の周囲に同軸に伸張する円筒内面を有
    し、両円筒面間に前記コイル状のクラッチスプリングの
    他方の端部をわずかな間隙を介して受け入れる環状溝を
    画定し、前記駆動軸部材が一方向に回転するとき前記コ
    イル状クラッチスプリングは半径方向に収縮し、前記駆
    動軸部材と出力軸部材の前記円筒面に巻付き、回転力の
    前記伝達を行い、前記駆動軸部材が反対方向に回転する
    とき前記コイル状クラッチスプリングは半径方向に膨張
    し、前記駆動軸部材と出力軸部材の前記円筒内面に圧接
    され、回転力の前記伝達を行うことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1つに記載のねじ締め装置。
  15. 【請求項15】 前記出力軸部材及び前記駆動軸部材の
    どちらか一方の軸は案内軸と、前記案内軸とともに回転
    可能で、かつ前記案内軸に対して軸方向に摺動可能なス
    リーブとを有し、前記スリーブは前記一軸部材の前記円
    筒面を形成する外周面を有していることを特徴とする請
    求項14記載のねじ締め装置。
  16. 【請求項16】 前記クラッチスプリングを前記出力軸
    の移動に応じて係止する手段として、前記駆動軸部材及
    び前記出力軸部材のどちらか一方のスリーブに設けられ
    た半径方向の貫通孔内に半径方向に移動可能で、かつ前
    記スリーブの外面から外方へ突出可能なボールと、前記
    出力軸の移動に応じて前記ボールを前記スリーブの外面
    から外方へ突出させる手段を設けたことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1つに記載のねじ締め装置。
  17. 【請求項17】 前記駆動軸部材がら前記出力軸部材へ
    の回転の伝達が行われていないときは、前記クラッチス
    プリングの一部で前記ボールに係合可能な部分が、前記
    ボールとの間に間隙を有するよう配されていることを特
    徴とする請求項16記載のねじ締め装置。
  18. 【請求項18】 駆動装置と、 前記駆動装置により回転せしめられる駆動軸部材と、 ビットを装着可能で、回転可能であり、ねじ込み深さに
    応じて軸方向に移動可能な出力軸部材と、 前記出力軸部材と前記駆動軸部材とを互いに離隔させる
    よう作用する圧縮ばねと、 前記駆動軸部材と前記出力軸部材との間の回転トルクの
    伝達及び遮断を行うクラッチ手段と、 前記駆動装置、前記駆動軸部材、前記出力軸部材、前記
    圧縮ばね及び前記クラッチ手段を収納するハウジングと
    を有する動力ねじ締め装置において、 前記駆動軸部材と前記出力軸部材が同軸で、それぞれス
    リーブを有し、前記クラッチ手段が前記駆動軸部材と前
    記出力軸部材の双方のスリーブの外周に係合可能なコイ
    ルスプリングと、前記コイルスプリングの一端を前記駆
    動軸部材と前記出力軸部材のいずれか一方に固定する手
    段と、前記ハウジングに推力が加えられ、前記駆動軸部
    材が前記圧縮ばねの力に抗して前記出力軸部材に接近し
    たときに前記コイルスプリングの他端を前記駆動軸部材
    と前記出力軸部材の他方に係止する係止手段とを有する
    ことを特徴とするねじ締め装置。
  19. 【請求項19】 前記駆動軸部材と前記出力軸部材が前
    記スリーブと同軸でその外側に配設された第2のスリー
    ブを有し、単一の前記コイルスプリングが前記駆動軸部
    材の正転時には前記駆動軸部材と前記出力軸部材の各々
    の前記スリーブの外周に巻き付き、逆転時には前記駆動
    軸部材と前記出力軸部材の各々の前記第2のスリーブの
    内周に圧接されるよう構成されている請求項18記載の
    ねじ締め装置。
  20. 【請求項20】 前記駆動軸部材と前記出力軸部材がそ
    れぞれの前記スリーブに同軸な第2のスリーブをそれぞ
    れ有し、前記クラッチ手段が前記駆動軸部材と前記出力
    軸部材の双方の前記第2のスリーブの外周に係合可能で
    前記コイルスプリングとは逆巻の第2のコイルスプリン
    グと、前記第2のコイルスプリングの一端を前記駆動軸
    部材と前記出力軸部材のいずれか一方に常時係止する手
    段と、前記ハウジングに推力が加えられ、前記駆動軸部
    材が前記出力軸部材に接近したときに前記第2のコイル
    スプリングの他端を前記駆動軸部材と前記出力軸部材の
    他方に係止する手段とを更に有することを特徴とする請
    求項18記載のねじ締め装置。
  21. 【請求項21】 前記係止手段が、前記他方の軸部材の
    前記スリーブに設けられた半径方向の貫通孔内に半径方
    向に移動可能で、かつ前記スリーブの外面から外方へ突
    出可能なボールと、前記出力軸の移動に応じて前記ボー
    ルを前記スリーブの外面から外方へ突出させる手段とを
    有することを特徴とする請求項18乃至20のいずれか
    1つに記載のねじ締め装置。
  22. 【請求項22】 前記駆動軸部材から前記出力軸部材へ
    の回転の伝達が行われていないときは、前記クラッチス
    プリングの前記他端が、前記ボールとの間に間隙を有す
    るよう配されていることを特徴とする請求項21記載の
    ねじ締め装置。
  23. 【請求項23】 前記ボールを前記スリーブの外面から
    外方へ突出させる手段が前記出力軸部材の前記駆動軸部
    材方向への移動によって前記ボールを押し出すためのテ
    ーパー部を有する押出し部材である請求項21又は22
    に記載のねじ締め装置。
  24. 【請求項24】 前記ハウジングに対して軸方向に移動
    可能で被締結材に接触可能なストッパ手段を有し、前記
    ストッパ手段が前記被締結材に当接すると前記圧縮ばね
    の力で前記押出し部材を前記駆動軸部材から遠ざける方
    向に移動せしめるよう構成されている請求項23記載の
    ねじ締め装置。
  25. 【請求項25】 駆動装置により回転せしめられる第1
    スリーブを有する駆動軸部材と、 前記スリーブと同軸で回転可能であり、かつ軸方向に移
    動可能な第2スリーブを有する出力軸部材と、 前記出力軸部材と前記駆動軸部材とを互いに離隔させる
    よう作用する圧縮ばねと、 前記第1スリーブと第2スリーブの外周同士又は内周同
    士にまたがって配され、その一端が前記第1スリーブ及
    び第2スリーブの一方に固定されたコイルスプリング
    と、 前記駆動軸部材と前記出力軸部材の間の距離が所定値よ
    り少なくなると前記コイルスプリングの他端を前記第1
    スリーブ及び第2スリーブの他方に一時的に係止する係
    止手段とを、 有するクラッチ機構。
  26. 【請求項26】 前記出力軸部材が前記駆動軸部材から
    離隔する方向に所定距離移動したとき、前記係止手段に
    よる前記コイルスプリングの他端の係止を解除する手段
    を更に有する請求項25記載のクラッチ機構。
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