JPH08262762A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH08262762A
JPH08262762A JP29908395A JP29908395A JPH08262762A JP H08262762 A JPH08262762 A JP H08262762A JP 29908395 A JP29908395 A JP 29908395A JP 29908395 A JP29908395 A JP 29908395A JP H08262762 A JPH08262762 A JP H08262762A
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JP
Japan
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electron transporting
photosensitive member
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layer
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JP29908395A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Shudo
美和 首藤
Masayuki Shiyoji
正幸 所司
Emi Kawahara
恵美 河原
Kaoru Tadokoro
薫 田所
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、帯電特性及び感度に優れた、特に
正帯電用として有用な電子写真感光体を提供することに
ある。 【解決手段】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電子
輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体にお
いて、電子輸送物質が、その分子の最低空軌道の固有ベ
クトル成分Cij{i:構成原子番号、j:2s,2p
x,2py,2pzまたはls(iを表す原子がHのと
き)}について次式 【数1】 (N:電子輸送物質構成原子数)を満たす有機電子輸送
物質であることを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機やレ
ーザービームプリンター等の電子写真法を利用した画像
形成装置に利用される電子写真感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カールソンプロセス等の電子写真法は、
コロナ放電により電子写真感光体の表面を均一に帯電さ
せる工程と、帯電した電子写真感光体の表面を露光して
感光体表面に静電潜像を形成する露光工程と、形成され
た静電潜像に現像剤を接触させてこの現像剤に含まれる
トナーにより静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程
と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写された
トナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、感光体
上に残留するトナーを除去するクリーニング工程とを含
んでいる。
【0003】このプロセスに用いられる電子写真感光体
には、暗所での良好な帯電と光照射による迅速な表面電
位の減衰とが必要となり、この特性は固体物性値である
暗抵抗の高さと良好な量子効率、高い電荷移動度等に依
存している。これらの物性値を満足する電子写真感光体
として、従来より、セレンのような無機材料を含有する
感光層を用いた無機電子写真感光体な有機材料を含有す
る感光層を用いた有機電子写真感光体が用いられてき
た。有機電子写真感光体は無機電子写真感光体に比べて
安価でしかも無公害であり、また分子構造が多様である
ことから機能設計の自由度が大きく、生産性が高い等多
くの利点を有しているので、近年広範な研究が進められ
ている。
【0004】このような有機電子写真感光体には、一般
に、光照射により電荷を発生させる電荷発生物質と、発
生した電荷を輸送す電荷輸送物質とを含む機能分離型の
感光層が多く使用されている。上記電荷輸送物質として
は、従来から種々の物質が研究され、ポリビニルカルバ
ゾール、オキサジアゾール系化合物、ピラゾリン系化合
物、ヒドラゾン系化合物、等の多くの物質が提案されて
いる。これらの電荷輸送物質は正孔輸送物質であるた
め、現在、有機電子写真感光体の主流になっている機能
分離型感光体の一つである、導電性基体上に電荷発生層
と電荷輸送層をこの順に積層した系の積層型有機電子写
真感光体は、負帯電プロセスに用いられている。しか
し、このような機能分離型電子写真感光体については新
たな問題を生じさせている。すなわち、負帯電型の有機
電子写真感光体では、オゾンの発生により環境を汚染し
たり、感光体が酸化されて劣化したりする怖れがあり、
これを防ぐため、オゾンを発生させないシステムや画像
形成装置内のオゾンを廃棄するシステムなどを必要と
し、プロセスやシステムが複雑化するという欠点があ
る。
【0005】これらの欠点を解消するために、正帯電型
の有機電子写真感光体の開発が進められている。一つの
方法として、既存の有機正孔輸送物質を用い、感光体構
成を変えて正帯電化をはかることが検討されているが、
耐久性、感度などの点で問題がある。一方、電荷輸送物
質として有機電子輸送物質を使用すれば現行の感光体構
成での正帯電化をはかることができ有利であり、有機電
子輸送物質を用いた正帯電型の電子写真感光体の開始が
進められている。このような有機電子輸送物質として
は、例えばジフェノキノン骨格を有する化合物が提案さ
れている(電子写真学会誌、Vo1.30(199
1)、No.3,、P266;特開平1−206349
号公報など)。ジフェノキノン骨格を有する化合物は、
非極在化したπ電子系を有する電子受容体であり、アニ
オンラジカル状態が関与する電子移動反応により電子を
輸送することができるとされており、同様な設計指針で
各種の有機電子輸送物質が提案されている(例えば、特
開平5−279582号公報、特開平5−148214
号公報、特開平5−306262号公報など)。
【0006】一般に電子受容性のπ共役骨格を持つ分子
は、電子写真感光体の感光層において、電荷発生物質と
電荷輸送物質とを結着させている有機高分子結着剤に対
し相溶性が悪い場合が多く、そのため主骨格に相溶性を
上げるためバルキーな(かさ高い)置換基を導入する等
の工夫が必要である。しかし、導入される置換基自身の
電子供与性、電子受容性により主骨格のπ共役のかたよ
りが変化し、また、置換基を導入したことによる立体障
害で主骨格にねじれ等の変化が生じると、これによって
も主骨格のπ共役の広がりは大きく変化する。更に、こ
れらの変化だけではなく、置換基の導入は分子軌道のエ
ネルギーレベルにも変化を与えるので分子の電子親和力
等も変化し、主骨格が同じでも置換基の種類によりその
電子移動度は大きく異なるため、種々の有機電子輸送物
質を感光層に用いた電子写真感光体、特に正帯電用の電
子写真感光体が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機電子輸送物
質を用いた電子写真感光体は、帯電電位が低いなど帯電
特性に劣り、特に感度が低いという問題を有している。
そこで本発明の課題はこのような問題を解決することに
ある。即ち、本発明の目的は、電子移動度の大きい有機
電子輸送物質を用いることにより帯電特性及び感度に優
れた、特に正帯電プロセス用として有用な電子写真感光
体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
は、導電性支持体上に電荷発生物質及び電子輸送物質を
含有する感光体を有する電子写真感光体において、電子
輸送物質が、その分子の最低空軌道の固有ベクトル成分
Cij{i:構成原子番号、j:2s,2px,2py,
2pzまたはls(iを表す原子がHのとき)}につい
て次式
【数1】 (N:電子輸送物質構成原子数)を満たす有機電子輸送
物質であることを特徴とするものである。本発明の第二
は、前記第一の発明において、有機電子輸送物質の最低
空軌道のエネルギーレベルが電荷発生物質の最低空軌道
のエネルギーレベルと同程度かそれ以下であることを特
徴とする電子写真感光体である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明者らは、有機電子輸送機構に電子輸送物質
分子のアニオンラジカル状態が関与していることに着目
し、該分子のアニオンラジカル化反応に直接関与してい
ると考えられる最低空分子軌道(LUMO)の形状及び
エネルギーレベルと、その有機電子輸送物質を用いた電
子写真感光体における静電特性とについて考察を行った
ところ、有機電子輸送物質分子における最低空軌道の電
子が各構成原子上に存在する確率の二乗和、すなわち、
その分子の最低空軌道の固有ベクトル成分Cij{i:構
成原子番号、j:2s,2px,2py,2pzまたは
ls(iを表す原子がHのとき)}について次式
【数1】 (N:電子輸送物質構成原子数)を満たす有機電子輸送
物質が、高い電子移動度を示し、この有機電子輸送物質
と電荷発生物質とを用いることによって、特に正帯電プ
ロセス用として帯電特性及び感度などに優れた電子写真
感光体が得られることを見出した。これは、有機電子輸
送物質の電子輸送機構には有機電子輸送物質分子のアニ
オンラジカル状態が関与しており、このアニオンラジカ
ル状態では中性分子の最低空分子軌道(LUMO)に電
子が一個入ると考えられるので、最低空分子軌道(LU
MO)が有機電子輸送物質分子の広範囲に広がっている
ほうが電子が飛込み易いからであると推測される。
【0010】更に、上記の電子写真感光体において、有
機電子輸送物質の最低空軌道のエネルギーレベルが電荷
発生物質の最低空軌道のエネルギーレベルと同程度かそ
れ以下となるように、有機電子輸送物質及び電荷発生物
質を用いた場合に、特に優れた感度が得られることを見
出した。これは次のような理由によるものと推察され
る。即ち、電荷発生物質でキャリアが発生し、有機電子
輸送物質に注入される仕組みは、電荷発生物質で光吸収
により励起された電子が有機電子輸送物質分子の最低空
軌道に入ると考えられ、このとき電荷発生物質分子の光
遷移は最高被占軌道(HOMO)−最低空軌道間で起こ
っていると考えられるので、電荷発生物質分子の最低空
軌道から有機電子輸送物質分子の最低空軌道へのスムー
ズな電子の注入が行なわれるためには、有機電子輸送物
質分子の最低空軌道のエネルギーレベルが電荷発生物質
分子の最低空軌道のエネルギーレベルと同程度かより低
いほうが有利であり、このような場合に、特に優れた感
度が得られるものと推測される。
【0011】有機電子輸送物質分子の最低空軌道(LU
MO)の固有ベクトル成分Cij{i:構成原子番号、
j:2s,2px,2py,2pzまたはls(iを表
す原子がHのとき)}、及び有機電子輸送物質分子又は
電荷発生物質分子の最低空軌道のエネルギーレベルは、
公知の分子軌道法を用いて容易に求められるが、算出精
度、実際的な算出時間の点から、半経験的分子軌道法を
用いることが望ましい。半経験的分子軌道法による算出
は、例えば、日本化学プログラム交換機構(JCPE)
等において入手できる汎用分子軌道計算プログラムパッ
ケージ MOPAC Ver.6.0に含まれるPM3
法等によって行うことができる。
【0012】本発明によれば、有機電子輸送物質分子及
び電荷発生物質分子について、その化学構造がわかれ
ば、有機電子輸送物質分子における最低空軌道の電子が
各構成原子上に存在する確率の二乗和や、有機電子輸送
物質分子及び電荷発生物質分子における最低空軌道のエ
ネルギーレベルが求められ、そりらは電子写真感光体に
おける適否が推定できるので、適切な有機電子輸送物質
及び電荷発生物質を使用して電子写真感光体の製造を容
易に行うことができる。
【0013】本発明の電子写真感光体の構成としては、
例えば図1に示すように導電性支持体1の上に電荷発生
物質と必要に応じてバインダー樹脂を含有する層(電荷
発生層)2を下層とし、有機電子輸送物質と必要に応じ
てバインダー樹脂を含有する層(電荷輸送層)3を上層
とする積層構成の感光層4を設けたもの、図2に示すよ
うに図1の感光層4の上に保護層5を設けたもの、及び
図3に示すように導電性支持体1の上に電荷発生物質と
有機電子輸送物質と必要に応じてバインダ樹脂を含有す
る単層構成の感光層6を設けたもの等が挙げられるが、
図3の単層構成の感光層6の上に保護層が設けられても
よく、また、導電性支持体と感光層の間に中間層が設け
られてもよい。
【0014】本発明における有機電子輸送物質の具体例
としては、例えば、下記のようなものが挙げられる。
【表1】
【0015】本発明で用いられる電荷発生物質として
は、可視光を吸収してフリー電荷を発生するものであれ
ばよく、無機物質及び有機物質のいずれをも用いること
ができる。例えば無定形セレン、三方晶系セレン、セレ
ン−砒素合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、
セレン化カドミウム、硫化セレン化カドミウム、硫化水
銀、酸化鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物
質、或いはモノアゾ系色素、ビスアゾ系色素、トリスア
ゾ系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、キ
ノン系色素、インジゴ系色素、キナクリドン系色素、ト
リアリールメタン系色素、チアジン系色素、オキサジン
系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、スチリル
系色素、ピリリウム系色素、ビスベンズイミダゾール系
色素、インダンスレン系色素、スクアリウム系色素、ア
ントラキノン系色素等の有機物質が挙げられる。
【0016】本発明で用いることができる結着剤として
は、スチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリ
ル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合
型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの
繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例え
ば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−
ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体を挙げること
ができる。
【0017】本発明で用いることができる導電性支持体
としては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等
の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸
化錫、酸化インジウム、ヨウ化銅の薄膜を蒸着したプラ
スチックフィルム、或いは導電性物質を塗布した紙、プ
ラスチック等のフィルム又はドラムを使用することがで
きる。
【0018】次に本発明の電子写真感光体の製造につい
て説明する。本発明にかかる電子写真感光体が電荷発生
層と電荷輸送層との積層構成、即ち、図1及び図2で示
す構成のものである場合、先ず導電性支持体1上に電荷
発生層2を形成する。電荷発生層2は電荷発生物質を導
電性支持体1上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に
単独もしくは適当なバインダー樹脂と共に溶解もしくは
分散せしめたものを導電性支持体1上に塗布、乾燥して
形成することができる。電荷発生物質を分散せしめて電
荷発生層2を形成する場合、その電荷発生物質は2μm
以下、好ましくは1μm以下の平均粒径の粉粒体とする
のが好ましい。即ち、電荷発生物質の粒径があまりに大
きいと電荷発生層2中への分散が悪くなると共に、粒子
が表面に一部突出して表面の平滑性が悪くなり、場合に
よっては粒子の突出部分で放電が生じたり或いはそこに
トナー粒子が付着してトナーフィルミング現象が生じや
すい。ただし、前記の粒径があまりに小さいと却って凝
集しやすく、電荷発生層2の抵抗が上昇したり、結晶欠
陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下したり、或いは
微細化する上で限界があるから、平均粒径の下限を0.
01μmとするのが好ましい。このような電荷発生層は
次の如き方法によって設けることができる。すなわち、
電荷発生物質をボールミル、ホモミキサー等によって分
散媒中で微細粒子とし、バインダー樹脂を加えて混合分
散して得られる分散液を塗布する方法である。この方法
において超音波の作用下に粒子を分散させると、均一分
散が可能である。また電荷発生層中、電荷発生物質がバ
インダ脂に含有される割合は、バインダー樹脂100重
量部に対して20〜200重量部が好ましい。以上のよ
うにして形成される電荷発生層2の膜厚は、好ましくは
0.01〜10μm、特に好ましくは0.1〜5μmで
ある。
【0019】電荷輸送層3は、本発明の有機電子輸送物
質を適当な溶媒に単独もしくは適当なバインダー樹脂と
共に溶解もしくは分散せしめたものを前記電荷発生層上
に塗布して乾燥させる方法により設ける。電荷輸送層3
に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホ
ルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼ
ン、1,2−ジクロルエタン、ジクロルメタン、1,
1,1−トリクロルエタン、1,1,2−トリクロルエ
チレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げるこ
とができる。この電荷輸送層中、有機電子輸送物質がバ
インダー樹脂に含有される割合は、バインーダ樹脂10
0重量部に対して有機電子輸送物質が20〜200重量
部とするのが好ましい。電荷輸送層2の膜厚は、好まし
くは5〜50μm、特に好ましくは5〜30μmであ
る。
【0020】次に本発明に係る電子写真感光体が単層構
成の感光層6を有するものでは、即ち図3で示す構成の
ものである場合、電荷発生物質及び本発明の有機電子輸
送物質をバインダー樹脂と共に溶解もしくは分散せしめ
たものを導電性支持体上に塗布、乾燥させる方法により
形成することができる。電荷発生物質及び有機電子輸送
物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バインダ樹
脂100重量部に対して電荷発生物質は20〜200重
量部、有機電子輸送物質は20〜200重量部とするの
が好ましい。この単層構成の感光体の膜厚は7〜50μ
m、更に好ましくは10〜30μmである。
【0021】本発明においては、導電性支持体と感光層
の間に中間層を設けることができる。中間層は接着層又
はバリヤ層等として機能するもので、上記のバインダー
樹脂のほかに、例えばポリビニルアルコール、エチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体、カゼイン、N−アルコキシメチルナ
イロン等の樹脂をそのまま、又は酸化スズあるいはイン
ジウム等を分散させたもの、酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、或いは酸化ケイ素等の蒸着膜等が用いられる。中間
層の膜厚は1μm以下が望ましい。
【0022】また、感光層の上には保護層を設けても良
く、その材料としては、前述の樹脂をそのまま使用する
か、又は酸化スズや酸化インジウム等の低抵抗物質を分
散させたものが適当である。更には、有機プラズマ重合
膜も使用でき、その有機プラズマ重合膜は必要に応じて
適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期率表の第III族、第V
族原子を含んでもよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中の「部」は特に規定しな
いかぎり「重量部」である。
【0024】実施例1 下記化学式(I)(化1)で表わされるビスアゾ色素5
部、ブチラール樹脂(デンカブチラール樹脂#3000
−2:電気化学工業(株)社製)2.5部、及びテトラ
ヒドロフラン92.5部をボールミルにて12時間分散
させ、次にテトラヒドロフランを2重量%の分散液濃度
になるように加え、再分散させて塗布液を調製した。こ
の調製した分散液をアルミニウムを蒸着した約100μ
m厚のポリエステルフィルム上にドクターブレードにて
流延塗布し、乾燥後の膜厚が約1.0μmの電荷発生層
を形成した。
【化1】 このようにして得られた電荷発生層上に、前記表1の化
合物No.1の電荷輸送物質6部、ポリカーボネート樹
脂〔K−1300:帝人化成(株)社製〕10部、メチ
ルフェニールシリコン〔KF50−100cps:信越
化学工業(株)社製〕0.002部、及びテトラヒドロ
フラン94部からなる処方の塗布液を調製し、ドクター
ブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が約20.0μ
mの電荷輸送層を形成し、アルミニウム電極/電荷発生
層/電荷輸送層で構成される積層型電子写真感光体を作
製した。
【0025】実施例2 実施例1の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.2を用いること以外は実施例1と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0026】実施例3 実施例1の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.3を用いること以外は実施例1と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0027】実施例4 実施例1の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.4を用いること以外は実施例1と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0028】実施例5 実施例1の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.5を用いること以外は実施例1と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0029】比較例1 実施例1の化合物の代わりに下記の化合物(化合物N
o.6とする)を用いること以外は実施例1と同様の方
法で積層型電子写真感光体を作製した。
【化2】
【0030】比較例2 実施例1の化合物の代わりに下記化合物(化合物No.
7とする)を用いること以外は実施例1と同様の方法で
積層型電子写真感光体を作製した。
【化3】
【0031】実施例6 実施例1のビスアゾ色素の代わりに下記化学式(II)
(化4)で表わされるビスアゾ色素を用いること以外は
実施例1と同様の方法で電荷発生層を作製した。
【化4】 このようにして得られた電荷発生層上に、前記表1の化
合物No.1の電荷輸送物質6部、ポリカーボネート樹
脂〔K−1300:帝人化成(株)社製〕10部、メチ
ルフェニールシリコン〔KF50−100cps:信越
化学工業(株)社製〕0.002部、及びテトラヒドロ
フラン94部からなる塗布液を調製し、実施例1と同様
の方法で乾燥後の膜厚が約20.0μmの電荷輸送層を
形成し、アルミニウム電極/電荷発生層/電荷輸送層で
構成される積層型電子写真感光体を作製した。
【0032】実施例7 実施例6の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.2を用いること以外は実施例6と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0033】実施例8 実施例6の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.3を用いること以外は実施例6と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0034】実施例9 実施例6の化合物No.1の代わりに下記表1の化合物
No.4を用いること以外は実施例6と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0035】実施例10 実施例6の化合物No.1の代わりに前記表1の化合物
No.5を用いること以外は実施例6と同様の方法で積
層型電子写真感光体を作製した。
【0036】比較例3 実施例6の化合物の代わりに比較例1で用いた化合物
(化合物No.6)を用いること以外は実施例6と同様
の方法で積層型電子写真感光体を作製した。
【0037】比較例4 実施例6の化合物の代わりに比較例2で用いた化合物
(化合物No.7)を用いること以外は実施例6と同様
の方法で積層型電子写真感光体を作製した。
【0038】上記の化合物No.1〜7について、分子
軌道法により求めた最低空軌道(LUMO)のエネルギ
ーレベル(E LUMO)、及び分子軌道法により求めた最
低空軌道の固有ベクトル成分に基づき計算された電子が
各構成原子上に存在する確率の2乗和は表2、表3に示
すとおりである。また、ビスアゾ化合物(I)、(II)
の最低空軌道のエネルギーレベルを計算したところ下記
の値であった。 (I) −2.11(eV) (II) −1.87(eV) 続いて、実施例、比較例の電子写真感光体について、静
電複写紙試験装置(川口電気製作所製:SP−428)
を用いて下記のように特性評価を行なった。印加電圧+
6kVのコロナ放電を施して正帯電させた後、20秒間
暗所に放置し、その時の表面電位Voを測定し、次いで
タングステンランプを用いて表面の照度が20ルックス
になるように光照射し、そのときVoが半分になるのに
要した露光量E1/2(lux・sec)を測定した。
上記の結果も併せて表2、表3に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】上記の表2及び表3から明らかなように、
本発明の電子写真感光体は帯電電位及び感度が高く、特
に有機電子輸送物質分子の最低空軌道のエネルギーレベ
ルが電荷発生物質分子の最低空軌道のエネルギーレベル
以下の場合にはより高い感度を示している。
【0042】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体によれば、帯電
特性及び感度に優れた、特に正帯電プロセス用として有
用な電子写真感光体が得られる。有機電子輸送物質分子
の最低空軌道のエネルギーレベルが電荷発生物質分子の
最低空軌道のエネルギーレベルと同程度かそれ以下であ
る有機電子輸送物質を用いることにより、特に感度に優
れた電子写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す
断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の他の一例を模式的に
示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の更に他の一例を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷
輸送層 4 感光層(積層構成) 5 保護層 6 感光層(単
層構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田所 薫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電子
    輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体にお
    いて、該電子輸送物質がその分子の最低空軌道の固有ベ
    クトル成分Cij{i:構成原子番号、j:2s,2p
    x,2py,2pzまたはls(iを表す原子がHのと
    き)}について次式 【数1】 (N:電子輸送物質構成原子数)を満たす有機電子輸送
    物質であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記有機電子輸送物質の最低空軌道のエ
    ネルギーレベルが電荷発生物質の最低空軌道のエネルギ
    ーレベルと同程度かそれ以下であることを特徴とする請
    求項1記載の電子写真感光体。
JP29908395A 1995-01-26 1995-10-23 電子写真感光体 Pending JPH08262762A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10239874A (ja) * 1997-02-26 1998-09-11 Mita Ind Co Ltd 電子写真感光体
JP2009104126A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置及びカートリッジ
US8871413B2 (en) 2007-09-20 2014-10-28 Mitsubishi Chemical Corporation Toners for electrostatic-image development, cartridge employing toner for electrostatic-image development, and image-forming apparatus

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