JPH05232722A - 正負両極性に感度を有する電子写真用感光体 - Google Patents
正負両極性に感度を有する電子写真用感光体Info
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- JPH05232722A JPH05232722A JP7043492A JP7043492A JPH05232722A JP H05232722 A JPH05232722 A JP H05232722A JP 7043492 A JP7043492 A JP 7043492A JP 7043492 A JP7043492 A JP 7043492A JP H05232722 A JPH05232722 A JP H05232722A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 正負両帯電で良好な感度を示し、かつ、機械
的強度の優れた電子写真用感光体を提供すること。 【構成】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷移動
質を含んでなる電子写真感光体において、電荷移動物質
として、下記一般式(I)で示される4'-ニトロスチル
ベン化合物を使用すること。感光体層構成は単層型、積
層型いづれでもよい。 【化1】 …………(I) (式中、R はアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコ
キシ基、アルキル基、フェニル基を示し、n は1または
2の整数である)
的強度の優れた電子写真用感光体を提供すること。 【構成】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷移動
質を含んでなる電子写真感光体において、電荷移動物質
として、下記一般式(I)で示される4'-ニトロスチル
ベン化合物を使用すること。感光体層構成は単層型、積
層型いづれでもよい。 【化1】 …………(I) (式中、R はアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコ
キシ基、アルキル基、フェニル基を示し、n は1または
2の整数である)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、プリンター等に
使用される電子写真用感光体に関し、詳しくは特定の構
造式を有する電荷移動物質を含有する正負両極性に感度
を有する電子写真用感光体に関するものである。
使用される電子写真用感光体に関し、詳しくは特定の構
造式を有する電荷移動物質を含有する正負両極性に感度
を有する電子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体としては、セレ
ン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、
酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられていた。
一方、近年、有機光導電性物質の研究が進み、製造性、
安全性、汎色性等の点で無機光導電性物質に比べて有利
なため、有機光導電性物質を用いた電子写真用感光体
(以下OPCとする)が複写機、プリンター等に多数使
用されており、無機系感光体を凌駕する勢いである。
ン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、
酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられていた。
一方、近年、有機光導電性物質の研究が進み、製造性、
安全性、汎色性等の点で無機光導電性物質に比べて有利
なため、有機光導電性物質を用いた電子写真用感光体
(以下OPCとする)が複写機、プリンター等に多数使
用されており、無機系感光体を凌駕する勢いである。
【0003】OPCは一般的には光吸収により伝導キャ
リアを発生する電荷発生物質及び電界の作用により伝導
キャリアを移動させる電荷移動物質を主成分とする感光
層からなるが、感光体の構成として、導電性物質から成
る導電層上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、
電荷移動物質を主成分とする電荷移動層とを順次積層し
た(逆構成も可)積層型及び電荷移動物質を主成分とす
る層中に電荷発生物質を分散もしくは溶解させた単層型
の2つの型がある。
リアを発生する電荷発生物質及び電界の作用により伝導
キャリアを移動させる電荷移動物質を主成分とする感光
層からなるが、感光体の構成として、導電性物質から成
る導電層上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層、
電荷移動物質を主成分とする電荷移動層とを順次積層し
た(逆構成も可)積層型及び電荷移動物質を主成分とす
る層中に電荷発生物質を分散もしくは溶解させた単層型
の2つの型がある。
【0004】一般的には、OPCを使用する場合の帯電
極性は電荷移動物質が正孔移動型か、あるいは電子移動
型かで決まり任意に選ぶことは出来ない。
極性は電荷移動物質が正孔移動型か、あるいは電子移動
型かで決まり任意に選ぶことは出来ない。
【0005】正孔及び電子を移動させることが出来る、
すなわち正負両帯電で光感度を有する電子写真用感光体
としては唯一ピリリウム塩系色素、ビスフェノールA−
ポリカーボネート及びトリフェニルメタン系低分子ドナ
ーとから成る共晶錯体の例がある(特公昭50-38430号公
報、J. Appl. Phys. 49 5543)。しかし、この例での共
晶錯体はポリカーボネートが凝集した状態となってお
り、機械的強度が弱く、摩耗しやすく、さらに共晶錯体
を形成する材料の選択幅が狭く、汎色性が悪いという欠
点がある。
すなわち正負両帯電で光感度を有する電子写真用感光体
としては唯一ピリリウム塩系色素、ビスフェノールA−
ポリカーボネート及びトリフェニルメタン系低分子ドナ
ーとから成る共晶錯体の例がある(特公昭50-38430号公
報、J. Appl. Phys. 49 5543)。しかし、この例での共
晶錯体はポリカーボネートが凝集した状態となってお
り、機械的強度が弱く、摩耗しやすく、さらに共晶錯体
を形成する材料の選択幅が狭く、汎色性が悪いという欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
の電荷移動物質を用いることにより正負両帯電で良好な
感度を示し、かつ、機械的強度の優れた電子写真用感光
体を提供することにある。
の電荷移動物質を用いることにより正負両帯電で良好な
感度を示し、かつ、機械的強度の優れた電子写真用感光
体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ね、正孔及び電子の両方を移動させる機能を有する化
合物を見出し、本発明に至った。
重ね、正孔及び電子の両方を移動させる機能を有する化
合物を見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明によれば、導電性支持体上
に電荷発生物質及び電荷移動物質を含んでなる電子写真
用感光体において、電荷移動物質として、下記式(I)
で示される4'-ニトロスチルベン化合物を使用する電子
写真用感光体が提供される。
に電荷発生物質及び電荷移動物質を含んでなる電子写真
用感光体において、電荷移動物質として、下記式(I)
で示される4'-ニトロスチルベン化合物を使用する電子
写真用感光体が提供される。
【0009】
【化1】 …………(I) (式中、R はアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコ
キシ基、アルキル基、フェニル基を示し、n は1または
2の整数である)
キシ基、アルキル基、フェニル基を示し、n は1または
2の整数である)
【0010】本発明の電子写真用感光体は、電荷発生物
質と式(I)で示される電荷移動物質を単層内に存在さ
せた感光層を基体上に設けた単層型感光体であっても、
また基体上に電荷発生物質を含む電荷発生層、本発明の
式(I)で表される電荷移動物質を含む電荷移動層を順
に設けた、いわゆる、積層型感光体であってもよい。
質と式(I)で示される電荷移動物質を単層内に存在さ
せた感光層を基体上に設けた単層型感光体であっても、
また基体上に電荷発生物質を含む電荷発生層、本発明の
式(I)で表される電荷移動物質を含む電荷移動層を順
に設けた、いわゆる、積層型感光体であってもよい。
【0011】本発明の電荷移動物質として使用する4'-
ニトロスチルベン化合物は分子中に電子吸引性及び電子
供与性の置換基を有するため、正孔及び電子の移動が可
能になったと思われるが、詳細は不明である。
ニトロスチルベン化合物は分子中に電子吸引性及び電子
供与性の置換基を有するため、正孔及び電子の移動が可
能になったと思われるが、詳細は不明である。
【0012】次に本発明の感光体の構成を図面によって
説明する。感光体としては例えば図1に示すように支持
体1(導電性支持体またはシート上に導電層を設けたも
の)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダー樹脂を
含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷移動物質
と必要に応じてバインダー樹脂を含有する層(電荷移動
層)3を上層とする積層構成の感光体層4を設けたも
の、図2に示すように図1の感光体層4の上に保護層5
を設けたもの、及び図3に示すように支持体上に電荷発
生物質と電荷移動物質と必要に応じてバインダー樹脂を
含有する単層構成の感光体層6を設けたもの等が挙げら
れるが、図3の単層構成の感光体層6の上層に保護層が
設けられてもよく、また支持体と感光体層の間に中間層
が設けられてもよい。
説明する。感光体としては例えば図1に示すように支持
体1(導電性支持体またはシート上に導電層を設けたも
の)上に電荷発生物質と必要に応じてバインダー樹脂を
含有する層(電荷発生層)2を下層とし、電荷移動物質
と必要に応じてバインダー樹脂を含有する層(電荷移動
層)3を上層とする積層構成の感光体層4を設けたも
の、図2に示すように図1の感光体層4の上に保護層5
を設けたもの、及び図3に示すように支持体上に電荷発
生物質と電荷移動物質と必要に応じてバインダー樹脂を
含有する単層構成の感光体層6を設けたもの等が挙げら
れるが、図3の単層構成の感光体層6の上層に保護層が
設けられてもよく、また支持体と感光体層の間に中間層
が設けられてもよい。
【0013】本発明に使用する電荷発生物質としては、
光を吸収して伝導キャリアを発生するものであれば、無
機物質及び有機物質のいずれをも用いることができる。
例えば、無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−ヒ素
合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレン化
カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化水銀、酸化
鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物質、或い
はビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリールメタ
ン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キサン
テン系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ系色素、ペ
リレン系色素、多環キノン系色素、ビスベンズイミダゾ
ール系色素、インダンスロン系色素、スクアリリウム系
色素、アントラキノン系色素、及びフタロシアニン系色
素等の有機物質があげられる。
光を吸収して伝導キャリアを発生するものであれば、無
機物質及び有機物質のいずれをも用いることができる。
例えば、無定形セレン、三方晶系セレン、セレン−ヒ素
合金、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、セレン化
カドミウム、硫セレン化カドミウム、硫化水銀、酸化
鉛、硫化鉛、アモルファスシリコン等の無機物質、或い
はビスアゾ系色素、ポリアゾ系色素、トリアリールメタ
ン系色素、チアジン系色素、オキサジン系色素、キサン
テン系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系色素、キナクリドン系色素、インジゴ系色素、ペ
リレン系色素、多環キノン系色素、ビスベンズイミダゾ
ール系色素、インダンスロン系色素、スクアリリウム系
色素、アントラキノン系色素、及びフタロシアニン系色
素等の有機物質があげられる。
【0014】本発明において感光体層に使用可能なバイ
ンダー樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、
並びにこれらの樹脂の繰返し単位のうち2つ以上を含む
共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体
樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等の高分子有機半導体が挙げられる。
ンダー樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹
脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、
並びにこれらの樹脂の繰返し単位のうち2つ以上を含む
共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体
樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0015】次に前記感光体層を支持する導電性支持体
としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属
ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸化イン
ジウムを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性物
質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまたはド
ラムを使用することができる。
としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板、金属
ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、酸化イン
ジウムを蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性物
質を塗布した紙、プラスチックなどのフィルムまたはド
ラムを使用することができる。
【0016】本発明に係る感光体を電荷発生層と電荷移
動層の積層構成で形成する場合、すなわち前述の図1及
び図2の場合、本発明の電荷移動物質は、適当な溶媒に
単独もしくは適当なバインダー樹脂とともに溶解もしく
は分散せしめたものを塗布して乾燥させる方法により設
ける。電荷輸送層に用いられる溶媒としては、例えば
N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、
モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタン、ジクロ
ルメタン、1,1,1,−トリクロルエタン、1,1,
2−トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等を挙げることができる。この電荷輸送層中、電荷
輸送物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バイン
ダー樹脂100重量部にたいして電荷輸送物質が20〜
200重量部とされる。この時の電荷輸送層の膜厚は、
好ましくは5〜50μm、特に好ましくは5〜30μmで
ある。
動層の積層構成で形成する場合、すなわち前述の図1及
び図2の場合、本発明の電荷移動物質は、適当な溶媒に
単独もしくは適当なバインダー樹脂とともに溶解もしく
は分散せしめたものを塗布して乾燥させる方法により設
ける。電荷輸送層に用いられる溶媒としては、例えば
N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、
モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタン、ジクロ
ルメタン、1,1,1,−トリクロルエタン、1,1,
2−トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等を挙げることができる。この電荷輸送層中、電荷
輸送物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バイン
ダー樹脂100重量部にたいして電荷輸送物質が20〜
200重量部とされる。この時の電荷輸送層の膜厚は、
好ましくは5〜50μm、特に好ましくは5〜30μmで
ある。
【0017】電荷発生層は電荷発生物質と導電性支持体
上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に単独もしくは
適当なバインダー樹脂と共に溶解もしくは分散せしめた
ものを塗布、乾燥して電荷輸送層と同様に形成すること
ができる。
上に真空蒸着するか、或いは適当な溶媒に単独もしくは
適当なバインダー樹脂と共に溶解もしくは分散せしめた
ものを塗布、乾燥して電荷輸送層と同様に形成すること
ができる。
【0018】上記電荷発生物質を分散せしめて電荷発生
層を形成する場合、その電荷発生物質は2μm以下、好
ましくは1μm以下の平均粒径の粉粒体とされるのが好
ましい。すなわち、粒径が余り大きいと層中への分散が
悪くなると共に、粒子が表面に一部突出して表面の平滑
性が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放電が
生じたり或いはそこにトナー粒子が付着してトナーフィ
ルミング現像が生じやすい。ただし、上記の粒径があま
りに小さいと却って凝集しやすく、層の抵抗が上昇した
り、結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下した
り、あるいは微細化する上で限界があるから、平均粒径
の下限を0.01μmとするのが好ましい。
層を形成する場合、その電荷発生物質は2μm以下、好
ましくは1μm以下の平均粒径の粉粒体とされるのが好
ましい。すなわち、粒径が余り大きいと層中への分散が
悪くなると共に、粒子が表面に一部突出して表面の平滑
性が悪くなり、場合によっては粒子の突出部分で放電が
生じたり或いはそこにトナー粒子が付着してトナーフィ
ルミング現像が生じやすい。ただし、上記の粒径があま
りに小さいと却って凝集しやすく、層の抵抗が上昇した
り、結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下した
り、あるいは微細化する上で限界があるから、平均粒径
の下限を0.01μmとするのが好ましい。
【0019】電荷発生物層は、次の如き方法によって設
けることができる。すなわち、電荷発生物質はボールミ
ル、ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒子とし、
バインダー樹脂を加えて混合分散して得られる分散液を
塗布する方法である。この方法において超音波の作用下
に粒子を分散させると、均一分散が可能である。また電
荷発生層中、電荷発生物質がバインダー樹脂に含有させ
る割合は、バインダー樹脂100重量部にたいして20
〜200重量部とされる。以上のようにして形成される
電荷発生層の膜厚は、好ましくは0.1〜10μm、特に
好ましくは0.5〜5μmである。
けることができる。すなわち、電荷発生物質はボールミ
ル、ホモミキサー等によって分散媒中で微細粒子とし、
バインダー樹脂を加えて混合分散して得られる分散液を
塗布する方法である。この方法において超音波の作用下
に粒子を分散させると、均一分散が可能である。また電
荷発生層中、電荷発生物質がバインダー樹脂に含有させ
る割合は、バインダー樹脂100重量部にたいして20
〜200重量部とされる。以上のようにして形成される
電荷発生層の膜厚は、好ましくは0.1〜10μm、特に
好ましくは0.5〜5μmである。
【0020】次の本発明の感光体を単層構成で形成する
場合、すなわち、図3の場合、電荷発生物質及び電荷輸
送物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バインダ
ー樹脂100重量部にたいして電荷発生物質は20〜2
00重量部、電荷輸送物質は20〜200重量部とされ
る。この単層構成の感光体の膜厚は7〜50μm、さら
に好ましくは10〜30μmである。また、前記中間層
は接着層またはバリヤ層等として機能するもので、上記
のバインダー樹脂のほかに、例えばポリビニルアルコー
ル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、N−アルコ
キシメチルナイロン等の樹脂をそのまま、または酸化ス
ズあるいはインジュウムなどを分散させたもの、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、或いは酸化ケイ素などの蒸着膜
等が用いられる。中間層の膜厚は、1μm以下が望まし
い。
場合、すなわち、図3の場合、電荷発生物質及び電荷輸
送物質がバインダー樹脂に含有される割合は、バインダ
ー樹脂100重量部にたいして電荷発生物質は20〜2
00重量部、電荷輸送物質は20〜200重量部とされ
る。この単層構成の感光体の膜厚は7〜50μm、さら
に好ましくは10〜30μmである。また、前記中間層
は接着層またはバリヤ層等として機能するもので、上記
のバインダー樹脂のほかに、例えばポリビニルアルコー
ル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、N−アルコ
キシメチルナイロン等の樹脂をそのまま、または酸化ス
ズあるいはインジュウムなどを分散させたもの、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、或いは酸化ケイ素などの蒸着膜
等が用いられる。中間層の膜厚は、1μm以下が望まし
い。
【0021】また、前記保護層に用いられる材料として
は、前記の樹脂をそのまま使用するか、または酸化スズ
や酸化インジュウムなどの低抵抗物質を分散させたもの
が適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用でき、
その有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸素、窒
素、ハロゲン、周期率表の第III族、第V族原子も含ん
でよい。
は、前記の樹脂をそのまま使用するか、または酸化スズ
や酸化インジュウムなどの低抵抗物質を分散させたもの
が適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用でき、
その有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸素、窒
素、ハロゲン、周期率表の第III族、第V族原子も含ん
でよい。
【0022】以下本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明の実施の態様が限定されるものではな
い。
れにより本発明の実施の態様が限定されるものではな
い。
【0023】本発明に用いる4'-ニトロスチルベン化合
物の具体的な合成例を挙げる。 〔合成例〕 〔4−(N,N-ジエチルアミノ)-4'−ニトロスチルベンの
合成法〕市販の p-(N,N-ジエチルアミノ)ベンズアル
デヒド 3.55g (0.02mol) とジエトキシ(p-ニトロベン
ジル)ホスホネート 5.47g (0.02mol)をN,N-ジメチルホ
ルムアミド 200ml に溶解させ、ナトリウムメチラート
5.79g (0.03mol) を少量ずつ滴下し、室温で3時間反応
させる。反応終了後、この中に氷水 200ml及びトルエン
200mlを加えよく撹拌し、分離したトルエン層を中性に
なるまでよく水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。トルエンを溜去し、残渣に対してトルエンを展開溶
媒としたシルカゲルカラムクロマトグラフィー処理を行
い、得られた粗製の目的物をトルエンとヘキサンの混合
溶媒から再結晶して純粋な目的物 4.10gを得た。
物の具体的な合成例を挙げる。 〔合成例〕 〔4−(N,N-ジエチルアミノ)-4'−ニトロスチルベンの
合成法〕市販の p-(N,N-ジエチルアミノ)ベンズアル
デヒド 3.55g (0.02mol) とジエトキシ(p-ニトロベン
ジル)ホスホネート 5.47g (0.02mol)をN,N-ジメチルホ
ルムアミド 200ml に溶解させ、ナトリウムメチラート
5.79g (0.03mol) を少量ずつ滴下し、室温で3時間反応
させる。反応終了後、この中に氷水 200ml及びトルエン
200mlを加えよく撹拌し、分離したトルエン層を中性に
なるまでよく水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。トルエンを溜去し、残渣に対してトルエンを展開溶
媒としたシルカゲルカラムクロマトグラフィー処理を行
い、得られた粗製の目的物をトルエンとヘキサンの混合
溶媒から再結晶して純粋な目的物 4.10gを得た。
【0024】〔実施例1〕アルミニウムを蒸着した75
μm厚のポリエステルフィルム上に下記処方の電荷発生
層塗布工液をドクターブレードにて塗布し、乾燥後の厚
さ0.5μmの電荷発生層を形成した。
μm厚のポリエステルフィルム上に下記処方の電荷発生
層塗布工液をドクターブレードにて塗布し、乾燥後の厚
さ0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0025】 〔電荷発生層塗布工液の処方〕 下記式(II)のジスアゾ顔料 1重量部
【化2】 …………(II) ポリビニルブチラール樹脂 (エスレック BL−2;積水化学社製) 0.5重量部 テトラヒドロフラン 98.5重量部
【0026】次に以下の処方で調整した電荷移動層塗布
液を電荷発生層上にドクターブレードにて塗布し、乾燥
後の厚さが15μmの電荷移動層を形成し、積層型の電
子写真用感光体を作製した。
液を電荷発生層上にドクターブレードにて塗布し、乾燥
後の厚さが15μmの電荷移動層を形成し、積層型の電
子写真用感光体を作製した。
【0027】 〔電荷移動層塗布液の処方〕 4-(N,N-ジエチルアミノ)-4'-ニトロスチルベン 4重量部 ポリカーボネートZ(帝人化成社製) 6重量部 メチルフェニルシリコーン 0.001重量部 (KF50 100CPS;信越化学社製) テトラヒドロフラン 40重量部
【0028】このようにして得られた電子写真用感光体
を静電複写紙試験装置(川口電機製作所製;SP428
型)を用い、まず+6kVのコロナ放電を20秒間行っ
て帯電せしめた後、20秒間暗減衰させ、その時の表面
電位V0(ボルト)を測定し、ついでタングステンラン
プによって表面の照度が20ルックスになるように30
秒間露光し、その時の表面電位の減衰と時間をレコーダ
ーで記録し、V0が1/2、1/5にそれぞれ減衰するのに要
する露光量E1/2(ルックス・秒)、E1/5(ルックス・
秒)及び露光30秒後の表面電位V30を測定した。次に
同一の電子写真用感光体サンプルを使用し、−6kVの
コロナ放電を20秒間行い、正帯電の場合と同様の測定
を行ない、V0、E1/2、E1/5、V30を測定した。測定
結果を以下の表1に示す。
を静電複写紙試験装置(川口電機製作所製;SP428
型)を用い、まず+6kVのコロナ放電を20秒間行っ
て帯電せしめた後、20秒間暗減衰させ、その時の表面
電位V0(ボルト)を測定し、ついでタングステンラン
プによって表面の照度が20ルックスになるように30
秒間露光し、その時の表面電位の減衰と時間をレコーダ
ーで記録し、V0が1/2、1/5にそれぞれ減衰するのに要
する露光量E1/2(ルックス・秒)、E1/5(ルックス・
秒)及び露光30秒後の表面電位V30を測定した。次に
同一の電子写真用感光体サンプルを使用し、−6kVの
コロナ放電を20秒間行い、正帯電の場合と同様の測定
を行ない、V0、E1/2、E1/5、V30を測定した。測定
結果を以下の表1に示す。
【0029】
【表1】 正負両帯電ともに良好な感度を示すことが判る。
【0030】次に同一のサンプルを用いて発明者らが製
作した分光感度測定装置にて+800V、−800Vに帯電さ
せ、20nm間隔で1μW/cm2の照度の単色光を照射さ
せ、それぞれの帯電極性で分光感度を測定したところ、
正帯電、負帯電ともに電荷発生層の吸収スペクトルにほ
ぼ対応した分光感度が得られ、実施例で使用した4'-ニ
トロスチルベン化合物が電子及び正孔を移動させる機能
を有していることを裏付けた。
作した分光感度測定装置にて+800V、−800Vに帯電さ
せ、20nm間隔で1μW/cm2の照度の単色光を照射さ
せ、それぞれの帯電極性で分光感度を測定したところ、
正帯電、負帯電ともに電荷発生層の吸収スペクトルにほ
ぼ対応した分光感度が得られ、実施例で使用した4'-ニ
トロスチルベン化合物が電子及び正孔を移動させる機能
を有していることを裏付けた。
【0031】
【発明の効果】本発明による電子写真用感光体は正、負
両帯電で良好な感度を有し、従来のOPCと同様の層構
成が可能であり、機械的強度に優れ、電荷発生物質の選
択範囲が広く、種々の電子写真プロセスへの応用が可能
である。
両帯電で良好な感度を有し、従来のOPCと同様の層構
成が可能であり、機械的強度に優れ、電荷発生物質の選
択範囲が広く、種々の電子写真プロセスへの応用が可能
である。
【0032】
図1は支持体上に電荷発生層、電荷移動層を順に設けた
積層型電子写真感光体の模式図である。図2は図1の感
光体層上に保護層を設けた電子写真用感光体の模式断面
図である。図3は支持体上に単一層の感光体層を設けた
電子写真用感光体の模式断面図である。
積層型電子写真感光体の模式図である。図2は図1の感
光体層上に保護層を設けた電子写真用感光体の模式断面
図である。図3は支持体上に単一層の感光体層を設けた
電子写真用感光体の模式断面図である。
【0033】
1…支持体 2…電荷発生層 3…電荷輸送層 4…感光体層(積層構成) 5…保護層 6…感光体層(単層構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 明夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 吉川 雅夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内
Claims (3)
- 【請求項1】 電荷移動物質として下記式(I)で示さ
れる4'-ニトロスチルベン化合物を使用することを特徴
とする電子写真用感光体。 …………(I) (式中、R はアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコ
キシ基、アルキル基、フェニル基を示し、n は1または
2の整数である) - 【請求項2】 導電性基板上に光吸収により伝導キャリ
アを発生する電荷発生物質を主成分とする電荷発生層を
設け、さらに該電荷発生層上に電界の作用により伝導キ
ャリアを注入されて移動する電荷移動層を設けた積層型
電子写真用感光体において、該電荷移動層が前記式
(I)の4'-ニトロスチルベン化合物を含有することを
特徴とする請求項1に記載の正負両極性に光感度を有す
る電子写真用感光体。 - 【請求項3】 導電性基板上に光吸収により伝導キャリ
アを発生する電荷発生物質及び電界の作用により伝導キ
ャリアを移動させる電荷移動物質を主成分とする感光層
を設けた単層型電子写真用感光体において、該電荷移動
物質が前記式(I)の4'-ニトロスチルベン化合物を含
有することを特徴とする請求項1に記載の正負両極性に
光感度を有する電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7043492A JPH05232722A (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 正負両極性に感度を有する電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7043492A JPH05232722A (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 正負両極性に感度を有する電子写真用感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05232722A true JPH05232722A (ja) | 1993-09-10 |
Family
ID=13431375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7043492A Pending JPH05232722A (ja) | 1992-02-20 | 1992-02-20 | 正負両極性に感度を有する電子写真用感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05232722A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6187493B1 (en) * | 1995-04-18 | 2001-02-13 | Kyocera Mita Corporation | Electrophotosensitive material |
-
1992
- 1992-02-20 JP JP7043492A patent/JPH05232722A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6187493B1 (en) * | 1995-04-18 | 2001-02-13 | Kyocera Mita Corporation | Electrophotosensitive material |
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