JPH0826219B2 - 剛直芳香族ポリマ−の分子複合材の製造方法 - Google Patents

剛直芳香族ポリマ−の分子複合材の製造方法

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JPH0826219B2
JPH0826219B2 JP62158631A JP15863187A JPH0826219B2 JP H0826219 B2 JPH0826219 B2 JP H0826219B2 JP 62158631 A JP62158631 A JP 62158631A JP 15863187 A JP15863187 A JP 15863187A JP H0826219 B2 JPH0826219 B2 JP H0826219B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は剛直な芳香族ポリマーとマトリックスポリマ
ーとの分子複合材を製造する方法に関し、特に航空機や
自動車の構造材料として使用するのに適する分子複合材
の製造方法に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
従来からガラス繊維、炭素繊維等で補強されたプラス
チック複合材が知られており、広く実用に供されてい
る。これらの複合材の強度は補強繊維自身の強度の他に
繊維とプラスチックとの界面強度により大きく影響され
る。この界面強度は繊維とプラスチックとの接触面積に
比例するので、接触面積を大きくするために繊維のアス
ペクト比(長さと直径との比)を大きくする必要があ
る。しかしながらこれらの繊維の細径化には限界がある
ので、アスペクト比増大による強化には限界があった。
また繊維を織成することによる強化も行われているが、
製造工程が複雑になるという問題があった。
最近剛直ポリマーとして芳香族ポリアミド、いわゆる
アラミドが開発され、強化繊維として使用されるように
なった。しかしながら、芳香族ポリアミド自身は他の樹
脂との接着性が悪いので、複合材とするときには芳香族
ポリアミド繊維の接着性を向上する必要があった。
特開昭57−195136号は、オレフィン系アイオノマー重
合体40〜99.9重量部と、一般式−NH−Ar1NH−CO−Ar2
Co−及び/又は−NH−Ar3−Co−により表わされる繰り
返し単位(Ar1,Ar2,Ar3はそれぞれ二価のパラ配向的芳
香族基)よりなるパラ配向的全芳香族ポリアミド繊維で
あって、その表面がN−置換変性された繊維60〜0.1重
量部とからなる芳香族ポリアミド繊維強化アイオノマー
樹脂組成物を開示している。N−置換基はアルキル基、
アラルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボン酸塩基
等である。これらの置換基の導入により、全芳香族ポリ
アミド繊維はアイオノマー樹脂に対して分散性が改良さ
れたり、接着性が改良されたりしている。しかしなが
ら、これらの置換基の導入により全芳香族ポリアミド繊
維の強度が低下するという問題がある。その上強化材は
繊維状であるので、上述したようにアスペクト比を余り
大きくすることができず、強化には限界があるという問
題があった。
以上の技術的背景において、最近芳香族ポリアミド等
のいわゆる剛直ポリマーを柔軟性を有するマトリックス
ポリマー中に分子レベルにまで微細に分散させることに
より、いわゆる相互侵入型構造を有するポリマーブレン
ド系複合材(分子複合材)を製造しようという試みが提
案された。このような分子複合材は剛直高分子の分子鎖
を一方向に配向させることにより強度を出す方式をとっ
ていないので、異方性が少なく、機械的強度、耐熱性及
び耐溶媒性等の物性に優れている。
特開昭61−5500号は実質的に2種以上の高分子物質か
らなる複合体であって、構成高分子鎖の主要な部分が少
なくともポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、こ
れらの一部を2,6−ナフタレンあるいはp,p′−ビフェニ
ル等の芳香族残基に置換した共重合体、ポリ(テレフタ
ロイル−p−アミノベンゾイルヒドラジド)等の芳香族
ポリアミド類およびその誘導体よりなる剛直な高分子鎖
よりなり、かつその剛直性部分の高分子鎖の実質上の長
さが平均50Å以上である剛直な第1の高分子物質と、ナ
イロン6,66,610,12等のポリアミド類及びその誘導体よ
りなる実質的に屈曲性高分子鎖によって構成される第2
の高分子物質からなり、かつ第2の高分子物質中で第1
の剛直性高分子物質は、1μm以下の微視的領域におい
て一様に分散された状態にあることを特徴とする剛直性
高分子含有高分子複合体を開示している。しかしなが
ら、この高分子複合体は剛直性高分子の濃硫酸溶液にナ
イロン6等のマトリックス樹脂を溶解し、乾燥、成形す
ることにより形成されるもので、最終製品中に硫酸が残
留している。このため、この残留硫酸により高分子複合
体の物性が低下したり、実用に供したときに接触する金
属部品等を腐食するという問題がある。
また特開昭61−51016号は実質的に2種以上の高分子
物質からなる複合体であって、構成高分子鎖の主要な部
分が、少なくともポリ(テレフタロイル−p−アミノベ
ンゾイルヒドラジド)等の芳香族ポリアミド類およびそ
の誘導体よりなる剛直な高分子鎖よりなり、かつその剛
直性部分の高分子類の実質上の長さが平均50Å以上であ
る剛直な第1の高分子物質と、ポリアクリロニトリルお
よびその共重合体、誘導体、ポリメチルメタクリレート
類、アクリル酸エステル共重合弾性体類、ポリスチレン
類、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニト
リルスチレンブタジエン系共重合体等のポリスチレンお
よびその共重合体類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニール
ホルマール、ポリビニールアルコール類、スチレンブタ
ジエンブロック共重合体類よりなる実質的に屈曲性高分
子鎖によって構成される第2の高分子物質からなり、か
つ第2の高分子物質中で第1の剛直性高分子物質は、1
μm以下の微視的領域において一様に分散された状態に
あることを特徴とする剛直性高分子含有高分子複合体を
開示している。しかしながら、この高分子複合体におい
ては剛直性高分子がポリアクリロニトリル等と共重合し
たものであるので、剛直性高分子としての優れた機械的
強度が損われている。
さらに特開昭61−51053号は実質的に2種以上の高分
子物質からなる複合体であって、構成高分子類の主要な
部分が、少なくともハロゲン化ハイドロキノン、あるい
はメチルハイドロキノン類とテレフタル酸からのポリエ
ステル、および2,6−ジハイドロオキシナフタレンとの
共重合体等の芳香族ポリエステル、ポリ(p−フェニレ
ン)等のポリ芳香族よりなる剛直な高分子鎖よりなり、
かつその剛直性部分の高分子鎖の実質上の長さが平均50
Å以上である剛直な第1の高分子物質と、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート−ブチレンテレフタレートブロッ
ク共重合体、ポリエチレンテレフタレートポリテトラメ
チレングリコールブロック共重合体、ポリエチレンテレ
フタレートポリエチレングリコールブロック共重合体等
のポリエステル類ないしその誘導体よりなる実質的に屈
曲性高分子鎖によって構成される第2の高分子物質から
なり、かつ第2の高分子物質中で第1の剛直性高分子物
質は、1μm以下の微視的領域において一様に分散され
た状態にあることを特徴とする剛直性高分子含有高分子
複合体を開示している。しかしこの高分子複合体におい
ても剛直性高分子は共重合体であり、本来の機械的強度
を保有していない。
さらに米国特許第4,207,407号は下記の柔軟なコイル
状複素環式ポリマーと剛直な芳香族複素環式ポリマーと
からなるポリマーアロイを開示している。
コイル状複素環式ポリマー: 剛直な芳香族複素環式ポリマー: しかしながらコイル状複素環式ポリマーといえども剛
直性が高いので、得られるポリマーアロイは極めて硬く
柔軟性に乏しいものとなり、自動車等の構造材として用
いる場合に耐衝撃性が十分でない。
その上従来のいずれの分子複合体も剛直ポリマーの溶
液にマトリックスポリマーを配合する方法により形成さ
れているので、剛直ポリマー分子とマトリックスポリマ
ー分子との相互侵入がまだ十分でないという問題があ
る。
さらに溶媒として濃硫酸を使用する場合、複合材の劣
化や金属部品の腐食という問題がある。
従って、本発明の目的は上記問題点のない剛直芳香族
ポリマーの分子複合材を製造する方法を提供することに
ある。具体的には剛直芳香族ポリマー分子とマトリック
スポリマー分子とが十分に相互侵入し合い、良好に分散
している分子複合材を製造する方法を提供することであ
る。
さらに本発明の目的は、剛直芳香族ポリマーの濃硫酸
中での液晶性を利用することなく、有機溶媒を用いて剛
直芳香族ポリマーの分子複合体を製造する方法を提供す
ることである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は剛直芳香
族ポリマーの前駆体ポリマーが有機溶媒に可溶であるこ
とに注目し、前駆体ポリマーとマトリックスポリマーと
を有機溶媒に均一に溶解し、得られた均一混合物を加熱
すると前駆体ポリマーがマトリックスポリマー中で剛直
ポリマーとなり、もって良好に分散した分子複合材が得
られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、剛直芳香族ポリマーとポリアミドからなる
マトリックスポリマーとの分子複合材を製造する本発明
の方法は、剛直芳香族ポリマーの前駆体ポリマーとマト
リックスポリマーとを有機溶媒の均一溶液とし、前記有
機溶媒を除去した後高真空下又は不活性ガス雰囲気中で
加熱することにより、前記マトリックスポリマー中で前
記前駆体ポリマーを剛直芳香族ポリマーとすることを特
徴とする。
本発明において分子複合体を構成する剛直芳香族ポリ
マーは、主鎖に芳香族環を有するとともに、芳香族環の
一方の側又は両側に縮合環を有するものである。縮合環
は炭素原子の他に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を単
独で又は組合せて含有する。このような剛直芳香族ポリ
マーの具体例として、以下のものが挙げられる。
(1) ホリベンゾイミダゾベンゾピロロン (2) ポリビベンゾイミダゾール (3) ポリベンズイミダゾールベンゾフェナントロリ
(4) ポリビベンゾチアゾール (5) ポリビベンゾオキサゾール (6) ポリビベンゾオキサジノン (7) ポリベンゾチアゾール (8) ポリベンゾオキサゾール (9) ポリベンゾイミダゾール これらの剛直芳香族ポリマーは以下に例示するように
前駆体ポリマーを経て生成される。なお剛直芳香族ポリ
マーの種類によっては前駆体ポリマーからプレラダーポ
リマーを経て剛直芳香族ポリマー(ラダーポリマー)に
環化される。
(1) ポリベンゾイミダゾベンゾピロロンの合成例 (2) ポリビベンズイミダゾールの合成例 (3) ポリベンズイミダゾールベンゾフェナントロリ
ンの合成例 (4) ポリビベンゾチアゾールの合成例 (5) ポリビベンゾオキサゾールの合成例 (6) ポリビベンゾオキサジノンの合成例 (7) ポリベンドチアゾールの合成例 (8) ポリベンゾオキサゾールの合成例 (9) ポリベンゾイミダゾールの合成例 マトリックスポリマーは上記剛直芳香族ポリマーとの
相溶性が良いことが必要である。このため剛直芳香族ポ
リマーと類似の部位を有するナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン612等のポリアミドや、これらの
ポリアミドの分子中に構造単位としてイミダゾール、オ
キサゾール、チアゾール環等が入ったコポリアミドが好
ましい。コポリアミドの場合、上記縮合環からなる構造
単位の割合は全体の80%程度以内であるのが強度上好ま
しい。
剛直芳香族ポリマーとマトリックスポリマーとの配合
比は重量で5:95〜80:20の範囲が好ましい。剛直芳香族
ポリマーの配合比が5:95未満であると、分子複合体にし
たことによる効果が不十分であり、一方80:20を超える
と得られる分子複合体の機械的強度はかえって低下する
ようになる。より好ましい配合比は10:90〜80:20であ
る。
剛直芳香族ポリマーの前駆体ポリマーとマトリックス
ポリマーを溶解するのに用いる有機溶媒は両者に対して
良溶媒である必要があるが、それぞれに対して溶解力の
大きい溶媒からなる混合溶媒とすることができる。混合
溶媒の場合、各溶媒の沸点差が小さい必要がある。とい
うのは、沸点差が大きいために一方の溶媒だけ残留する
と相分離が起るからである。従って共沸混合物となるよ
うな溶媒の組合せが最も好ましい。前駆体ポリマーに対
する良溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルフォスフォリッ
ク等のアミド類、ジメチルスルフォキシド等がある。ま
たマトリックスポリマーに対する良溶媒としてはm−ク
レゾール、フェノール等がある。
なお前駆体ポリマーの溶液中に、前駆体ポリマーを安
定化する試薬としてLiCl,CaCl2等を5〜10重量%添加し
てもよい。
前駆体ポリマー及びマトリックスポリマーの溶解は均
一溶液となる限りいかなる方法で行うこともできる。し
かし、均一溶液を生成する手法として、前駆体ポリマー
及びマトリックスポリマーのそれぞれの溶液をまず調製
し、次にそれらを混合して均一溶液とするのが好まし
い。この場合、前駆体ポリマー溶液の濃度は3〜20重量
%程度であり、マトリックスポリマー溶液の濃度は3〜
60重量%程度である。
前駆体ポリマー溶液及びマトリックスポリマーの溶液
の調製及び混合は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガ
ス雰囲気中又は真空中で行う必要がある。均一溶液を調
製後、溶媒を蒸発させて乾燥する。
次に前駆体ポリマーとマトリックスポリマーとの複合
体を加熱し、前駆体ポリマーの縮合反応を起させる。縮
合反応には1段で最終的な縮合環を形成するものと、プ
レラダーの段階を経て2段で最終的な縮合環を形成する
ものがある。1段反応の場合、加熱温度は130〜300℃で
加熱時間は2〜8時間程度であるのが好ましい。また2
段反応の場合、プレラダーポリマーへの加熱は130〜200
℃で2〜8時間行い、プレラダーポリマーからラダーポ
リマーへの加熱は250〜300℃で2〜5時間行うのが好ま
しい。
このように剛直芳香族ポリマーはマトリックスポリマ
ー中に分子レベルで均一に分散した前駆体ポリマーから
縮合反応により得られるので、剛直芳香族ポリマーとマ
トリックスポリマーとは分子レベルで極めて良好に相溶
している。従って剛直芳香族ポリマー分子とマトリック
スポリマー分子との界面における接着力不足に基づく機
械的強度の低下という問題は解消された。
本発明の方法により得られる分子複合材は優れた機械
的強度とともに耐熱性等に優れており、かつ異方性が少
ないので、航空機や自動車等の構造材として使用するの
に適する。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 市販のナイロン66(「レオナ1700」、旭化成工業
(株)製)3gをm−クレゾール140mlとN,N−ジメチルア
セトアミド100mlとの混合溶媒にアルゴン気流下で溶解
し、十分に攪拌した。これに、ポリベンゾイミダゾベン
ゾピロロンの前駆体ポリマーであるポリアミドアミノ酸
(ηinh=14.2dlg-1)の20重量%N,N−ジメチルアミド
溶液10mlを加え、十分に攪拌して均一溶液とした。高真
空下で溶媒を蒸発させ、黄色のペースト状フィルム状物
を得た。これを高真空下において160℃で8時間加熱し
てプレラダーポリマーとし、次いで300℃で3時間加熱
してラダーポリマー(ポリベンゾイミダゾベンゾピロロ
ン)とした。得られた分子複合材フィルムは0.3mmの厚
さを有し、ほぼ透明であった。
このフィルムの融点、引張強さ、伸度、引張弾性率及
び蟻酸に対する耐溶媒性を試験した。ナイロン66(レオ
ナ1700)に対する試験結果とともに、結果を第1表に示
す。
以上の結果から、本発明の分子複合材はナイロン66に
比較して優れた機械的強度、耐熱性及び耐溶媒性を有す
ることがわかる。
実施例2 実施例1の共通溶媒としてm−クレゾール140mlとN
−メチル−2−ピロリドン100mlとの混合溶媒を使用し
た以外は実施例1と同様にして、分子複合材フィルムを
作成した。試験結果を第2表に示す。
実施例3 市販のナイロン66(「レオナ1700」、旭化成工業
(株)製)3gを、m−クレゾール140mlとN−メチル−
2−ピロリドン100mlとの混合溶媒にアルゴン気流下で
溶解し、十分に攪拌した。これに、ポリベンゾイミダゾ
ベンゾフェナントロリンの前駆体ポリマーであるポリア
ミドアミノ酸の20重量%N−メチル−2−ピロリドン溶
液(5重量%のLiCl含有)10mlを加え、十分に攪拌して
均一溶液とした。高真空下で溶媒を蒸発させ、黄色のペ
ースト状フィルム状物を得た。これを高真空下において
160℃で8時間加熱してプレラダーポリマーとし、次い
で300℃で3時間加熱してラダーポリマー(ポリベンゾ
イミダゾベンゾピロロン)とした。得られた分子複合材
フィルムは0.3mmの厚さを有し、ほぼ透明であった。
このフィルムの融点、引張強さ、伸度、引張弾性率及
び蟻酸に対する耐溶媒性を試験した。結果を第2表に示
す。
比較例1 ポリベンゾイミダゾベンゾピロロンの20重量%N,N−
ジメチルアセトアミド溶液10mlに、実施例1と同じナイ
ロン66溶液320mlをアルゴンガス雰囲気中で混合攪拌し
た。真空下で溶媒を除去することにより厚さ0.3mmの複
合材フィルムを得たが、海島構造が認められた。これに
より相分離が起っていることがわかる。
本発明を以上の実施例により説明したが、本発明はそ
れらに限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種
々の変更をし得るものである。
〔発明の効果〕
以上に詳述した通り、本発明の剛直芳香族ポリマーの
分子複合材の製造方法は、剛直芳香族ポリマーの前駆体
ポリマーをマトリックスポリマーと有機溶媒の均一溶液
として均一に混合しているので、得られた分子複合材中
の剛直芳香族ポリマーは極めて良好に分散している。こ
れにより剛直芳香族ポリマーとマトリックスポリマーと
の界面強度が向上し、分子複合材の機械的強度が向上す
るのみならず、物性が著しく等方性となった。また本発
明の方法においては有機溶媒を使用しているので、濃硫
酸を使用する従来法のように分子複合材の物性の劣化や
接触する金属部品の腐食等の問題が生じない。
本発明の方法により得られる分子複合材は機械的強度
に優れているとともに、加工性、耐熱性及び耐溶媒性等
にも優れているので、航空機や自動車等の軽量かつ高強
度の構造材として使用するのに適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/04 LRA 81/00 LRF

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剛直芳香族ポリマーと、ポリアミドからな
    るマトリックスポリマーとの分子複合材の製造方法にお
    いて、前記剛直芳香族ポリマーの前駆体ポリマーと前記
    マトリックスポリマーとの有機溶媒の均一溶液を調製
    し、前記有機溶媒を除去した後高真空下又は不活性ガス
    雰囲気中で加熱することにより、前記マトリックスポリ
    マー中で前記前駆体ポリマーを剛直芳香族ポリマーとす
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、前記剛直芳香族ポリマーは主鎖に芳香族環及び縮合
    環を有することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項に記載の方法におい
    て、前記縮合環がイミダゾール環、オキサゾール環、チ
    アゾール環及びオキサジノン環の少なくとも1種である
    ことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かに記載の方法において、前記剛直芳香族ポリマーと前
    記マトリックスポリマーとの重量比が5:95〜80:20であ
    ることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれ
    かに記載の方法において、前記前駆体ポリマーの溶液と
    前記マトリックスポリマーの溶液とをあらかじめ調製
    し、次いで混合することにより均一溶液とすることを特
    徴とする方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれ
    かに記載の方法において、前記有機溶媒が前記前駆体ポ
    リマーに対する良溶媒と前記マトリックスポリマーに対
    する良溶媒とからなる混合溶媒であることを特徴とする
    方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第6項に記載の方法におい
    て、前記混合溶媒がm−クレゾールとN,N−ジメチルア
    セトアミド及び/又はN−メチルピロリドンとからなる
    ことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれ
    かに記載の方法において、前記前駆体ポリマー溶液と前
    記マトリックスポリマー溶液との混合を遮光状態におい
    て120℃以下で行うことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項乃至第8項のいずれ
    かに記載の方法において、前記前駆体ポリマーと前記マ
    トリックスポリマーとの混合物の加熱を130〜300℃で2
    〜8時間行うことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第1項乃至第8項のいず
    れかに記載の方法において、前記前駆体ポリマーと前記
    マトリックスポリマーとの混合物の加熱を130〜200℃で
    2〜8時間行い、次いで250〜300℃で2〜5時間行うこ
    とを特徴とする方法。
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