JPH011761A - 剛直芳香族ポリマ−の分子複合材の製造方法 - Google Patents

剛直芳香族ポリマ−の分子複合材の製造方法

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JPH011761A
JPH011761A JP62-158632A JP15863287A JPH011761A JP H011761 A JPH011761 A JP H011761A JP 15863287 A JP15863287 A JP 15863287A JP H011761 A JPH011761 A JP H011761A
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熊田 正隆
英雄 西野
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本田技研工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は剛直な芳香族ポリマーとマ)IJフックスリマ
ーとの分子複合材を製造する方法に関し、特に航空機や
自動車の構造材料として使用するのに適する分子複合材
の製造方法に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
従来からガラス繊維、炭素繊維等で補強されたプラスチ
ック複合材が知られており、広く実用に供されている。
これらの複合材の強度は補強繊維自身の強度の他に繊維
とプラスチックとの界面強度により大きく影響される。
この界面強度は繊維とプラスチックとの接触面積に比例
するので、接触面積を大きくするために繊維のアスペク
ト比(長さと直径との比)を大きくする必要がある。
しかしながらこれらの繊維の細径化には限界かあ・るの
で、アスペクト比増大による強化には限界があった。ま
たm維を織成することによる強化も行われているが、製
造工程が複雑になるという問題があった。
近年剛直ポリマーとして芳香族ポリアミド、いわゆるア
ラミドが開発され、強化繊維として使用されるようにな
った。しかしながら、芳香族ポリアミド自身は他の樹脂
との接着性が悪いので、複合材とするときには芳香族ポ
リアミド繊維の接着性を向上する必要があった。
特開昭57−195136号は、オレフィン系アイオノ
マー重合体40〜99.9重量部と、一般式−NH−^
r、NH−CD−Ar2−Co−及び/又は−NH−A
r3−Co−により表わされる繰返し単位(Ar、、 
Ar21 Ar3はそれぞれ二価のパラ配向的芳香族基
)よりなるパラ配向的全芳香族ポリアミド繊維であって
、その表面がN−置換変性された繊維60〜0.1重量
部とからなる芳香族ポリアミド繊維強化アイオノマー樹
脂組成物を開示している。N−置換基はアルキル基、ア
ラルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボン酸塩基等
である。これらの置換基の導入により、全芳香族ポリア
ミド繊維はアイオノマー樹脂に対して分散性が改良され
たり、接着性が改良されたりしている。しかしながら、
これらの置換基の導入により全芳香族ポリアミド繊維の
強度が低下するとい−〇− う問題がある。その上強化材は繊維状であるので、上述
したようにアスペクト比を余り大きくすることができず
、強化には限界があるという問題があった。
以上の技術的背景において、最近芳香族ポリアミド等の
いわゆる剛直ポリマーを柔軟性を有するマトリックスポ
リマー中に分子レベルにまで微細に分散させることによ
り、いわゆる相互侵入型構造を有するポリマーブレンド
系複合材(分子複合材)を製造しようという試みが提案
された。このような分子複合材は剛直高分子の分子鎖を
一方向に配向させることにより強度を出す方式をとって
いないので、異方性が少なく、機械的強度、耐熱性及び
耐溶媒性等の物性に優れている。
特開昭61−5500号は実質的に2種以上の高分子物
質からなる複合体であって、構成高分子鎖の主要な部分
が少なくともポリ (p−フェニレンテレフタルアミド
)、これらの一部を2.6−ナフタレンあるいはp、 
 p’−ビフェニル等の芳香族残基に置換した共重合体
、ポリ (テレフタロイル−p−アミノベンゾイルヒド
ラジド)等の芳香族ポリアミド類およびその誘導体より
なる剛直な高分子鎖よりなり、かつその剛直性部分の高
分子鎖の実質上の長さが平均50A以上である剛直な第
1の高分子物質と、ナイロン6、66、610.12等
のポリアミド類及びその誘導体よりなる実質的に屈曲性
高分子鎖によって構成される第2の高分子物質からなり
、かつ第2の高分子物質中で第1の剛直性高分子物質は
、1μm以下の微視的領域において一様に分散された状
態にあることを特徴とする剛直性高分子含有高分子複合
体を開示している。
しかしながら、この高分子複合体は剛直性高分子の濃硫
酸溶液にナイロン6等のマトリックス樹脂を溶解し、乾
燥、成形することにより形成されるもので、最終製品中
に硫酸が残留している。このため、この残留硫酸により
高分子複合体の物性が低下したり、実用に供したときに
接触する金属部品等を腐食するという問題がある。
また特開昭61−51016号は実質的に2種以上の高
分子物質からなる複合体であって、構成高分子鎖の主要
な部分が、少なくともポリ (テレフタロイル−p−ア
ミノベンゾイルヒドラジド)等の芳香族ポリアミド類お
よびその誘導体よりなる剛直な高分子鎖よりなり、かつ
その剛直性部分の高分子類の実質上の長さが平均50Å
以上である剛直な第1の高分子物質と、ポリアクリロニ
トリルおよびその共重合体、誘導体、ポリメチルメタク
リレート類、アクリル酸エステル共重合弾性体類、ポリ
スチレン類、アクリロニトリルスチレン共重合体、アク
リロニトリルスチレンブタジェン系共重合体等のポリス
チレンおよびその共重合体類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ
ビニールホルマール、ポリビニールアルコール類、スチ
レンブタジェンブロック共重合体類よりなる実質的に屈
曲性高分子鎖によって構成される第2の高分子物質から
なり、かつ第2の高分子物質中で第1の剛直性高分子物
質は、1μm以下の微視的領域において一様に分散され
た状態にあることを特徴とする剛直性高分子含有高分子
複合体を開示している。しかしながら、この高分子複合
体においては剛直性高分子がポリアクリロニトリル等と
共重合したものであるので、剛直性高分子としての優れ
た機械的強度が損われている。
さらに特開昭61−51053号は実質的に2種以上の
高分子物質からなる複合体であって、構成高分子類の主
要な部分が、少なくともハロゲン化ハイドロキノン、あ
るいはメチルハイドロキノン類とテレフタル酸からのポ
リエステル類および2,6−ジハイドロオキシナフタレ
ンとの共重合体等の芳香族ポリエステノペポリ (p−
フェニレン)等のポリ芳香族よりなる剛直な高分子鎖よ
りなり、かつその剛直性部分の高分子鎖の実質上の長さ
が平均50A以上である剛直な第1の高分子物質と、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート−ブチレンテレフタレ
ートブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレートポ
リテトラメチレングリコールブロック共重合体、ポリエ
チレンテレフタレートポリエチレングリコールブロノク
共重合体等のポリエステル類ないしその誘導体よりなる
実質的に屈曲性高分子鎖によって構成される第2の高分
子物質からなり、かつ第2の高分子物質中で第1の剛直
性高分子物質は、1μm以下の微視的領域において一様
に分散された状態にあることを特徴とする剛直性高分子
含有高分子複合体を開示している。しかしこの高分子複
合体においても剛直性高分子は共重合体であり、本来の
機械的強度を保有していない。
さらに米国特許第4.207.407号は下記の柔軟な
コイル状複素環式ポリマーと剛直な芳香族複素環式ポリ
マーとからなるポリマーアロイを開示している。
コイル状複素環式ポリマー: 剛直な芳香族複素環式ポリマー: しかしながらコイル状複素環式ポリマーといえども剛直
性が高いので、得られるポリマーアロイは極めて硬く柔
軟性に乏しいものとなり、自動車等の構造材として用い
る場合に耐衝撃性が十分でない。
その上従来のいずれの分子複合体も剛直ポリマーの溶液
にマトリックスポリマーを配合する方法により形成され
ているので、剛直ポリマー分子とマトリックスポリマー
分子との相互侵入がまだ十分でないという問題がある。
さらに溶媒として濃硫酸を使用する場合、複合材の劣化
や金属部品の腐食という問題がある。
従って、本発明の目的は上記問題点のない剛直芳香族ポ
リマーの分子複合材を製造する方法を提供することであ
る。具体的には剛直芳香族ポリマー分子とマトリックス
ポリマー分子とが十分に相互侵入し合い、良好に分散し
ている分子複合材を製造する方法を提供することである
さらに本発明の目的は、剛直芳香族ポリマーの濃硫酸中
での液晶性を利用することなく、有機溶媒を用いて剛直
芳香族ポリマーの分子複合体を製造する方法を提供する
ことである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的に温み鋭意研究の結果、本発明者は剛直芳香族
ポリマーの前駆体ポリマー及びマトリックスポリマーの
前駆体となるナイロン塩等が有機溶媒に可溶であること
に注目し、前駆体ポリマーとマトリックスポリマー前駆
体とを有機溶媒に均一に溶解し、得られた均一混合物を
加熱すると前駆体ポリマーの環化(縮合)反応とマトリ
ックスポリマー前駆体の重合反応が同時に起こり、剛直
ポリマーがマトリックスポリマー中に良好に分散した分
子複合材が得られることを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の剛直芳香族ポリマーとマトリックス
ポリマーとの分子複合材の製造方法は、剛直芳香族ポリ
マーの前駆体ポリマーとマトリックスポリマーの前駆体
とを有機溶媒の均一溶液とし、前記有機溶媒を除去した
後高真空下又は不活性ガス雰囲気中で加熱することによ
り、均一に分散した状態で前記前駆体ポリマーを剛直芳
香族ポリマーとするとともに、前記マトリックスポリマ
ー前駆体を重合することを特徴とする。
本発明において分子複合体を構成する剛直芳香族ポリマ
ーは、主鎖に芳香族環を有するとともに、芳香族環の一
方の側又は両側に縮合環を有するものである。縮合環は
炭素原子の池に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を単独
で又は組合せて含有する。このような剛直芳香族ポリマ
ーの具体例として、以下のものが挙げられる。
(1)ポリベンゾイミダゾベンゾピロロン(2)ポリベ
ンゾイミダゾール (3)ポリベンズイミダゾールベンゾフェナントロリン (4)  ポリベンゾイミゾール (5)ポリベンゾイミダゾール (6)ポリベンゾオキサゾール (7)ポリベンゾチアゾール (8)ポリベンゾオキサゾール (9)ポリベンゾイミダゾール  ゛ これらの剛直芳香族ポリマーは以下に例示するように前
駆体ポリマーを経て生成される。なお剛直芳香族ポリマ
ーの種類によっては前駆体ポリマーからプレラダーポリ
マーを経て剛直芳香族ポリマー(ラダーポリマー)に環
化される。
(1)ポリベンゾイミダゾベンゾピロロンの合成例 −45; (前駆体ポリマー) 一 (ラダー) (2)ポリビベンズイミダゾールの合成例(前駆体ポリ
マー) (3)ポリベンズイミダゾールベンゾフェナント(前駆
体ポリマー) (プレラダー) (ラダー) (4)ポリビベンゾチアゾールの合成例(前駆体ポリマ
ー) (5)ポリビベンゾオキサゾールの合成例(前駆体ポリ
マー) (6)ポリベンゾオキサゾールの合成例(前駆体ポ+j
マー) (7)ポリベンゾチアゾールの合成例 (前駆体ポリマー) (ステップポリマー) (8)ポリベンゾオキサゾールの合成例(前駆体ポリマ
ー) (9)ポリベンゾイミダソールの合成例(前駆体ポリマ
ー) (ステップポリマー) マトリックスポリマーは上記剛直芳香族ポリマーとの相
溶性が良いことが必要である。このため剛直芳香族ポリ
マーと類似の部位を有するナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン612等のポ族アミドや、こ
れらのポリアミドの分子中に構造単位としてイミダゾー
ノペオキサゾーノペチアゾリル環等が入ったコポリアミ
ドが好ましい。
コポリマミドの場合、上記縮合環からなる構造単位の割
合は全体の80%程度以内であるのが強度上好ましい。
剛直芳香族ポリマーとマトリックスポリマーとの最終的
な配合比は重量で5:95〜80:20の範囲が好まし
い。剛直芳香族ポリマーの配合比が5:95未満である
と、分子複合体にしたことによる効果が不十分であり、
一方80:20を超えると得られる分子複合体の機械的
強度はかえって低下するようになる。より好ましい配合
比は10:90〜80:20である。
剛直芳香族ポリマーの前駆体ポリマーとマ) IJ、ク
スポリマーの前駆体を溶解するのに用いる有機溶媒は両
者に対して良溶媒である必要があるが、それぞれに対し
て溶解力の大きい溶媒からなる混合溶媒とすることもで
きる。混合溶媒の場合、各溶媒の沸点差が小さい必要が
ある。というのは、沸点差が大きいために一方の溶媒だ
け残留すると相分離が起るからである。従って共沸混合
物となるような溶媒の組合せが最も好ましい。前駆体ポ
リマーに対する良溶媒としてはN、  N−ジメチルア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルフォ
スフォリツクトリアミド等のアミド類、メチルイソプロ
ピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチル
スルフォキサイド等がある。
またマトリックスポリマー前駆体に対する良溶媒として
はm−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン、メチ
ルイソプロピルケトン等がある。
なお前駆体ポリマーの溶液中に、前駆体ポリマーを安定
化する試薬としてLiCβ、CaCβ2等を5〜10重
量%添加してもよい。
前駆体ポリマー及びマトリックスポリマー前駆体の溶解
は均一溶液となる限りいかなる方法で行うこともできる
。しかし、均一溶液を生成する手法として、前駆体ポリ
マー及びマトリックスポリマー前駆体のそれぞれの溶液
をまず調製し、次にそれらを混合して均一溶液とするの
が好ましい。
この場合、前駆体ポリマー溶液の濃度は5〜80重量%
程度であり、マトリックスポリマー溶液の濃度は20〜
80重量%程度である。
前駆体ポリマー溶液及びマトリックスポリマーの溶液の
調製及び混合は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス
雲囲気中又は真空中で行う必要がある。均一溶液を調製
後、溶媒を蒸発させて乾燥する。
次に前駆体ポリマーとマトリックスポリマー前駆体との
複合体を加熱し、前駆体ポリマーの縮合反応とともにマ
トリックスポリマー前駆体の重合反応を起させる。縮合
反応には1段で最終的な縮合環を形成するものと、プレ
ラダーの段階を経て2段で最終的な縮合環を形成するも
のがある。1段反応の場合、加熱温度は130〜300
℃で加熱時間は2〜8時間程度であるのが好ましい。ま
た2段反応の場合、プレラダーポリマーへの加熱は13
0〜200で2〜8時間行い、プレラダーポリマーから
ラダーポリマーへの加熱は250〜300℃で2〜5時
間行うのが好ましい。またマトリックスポリマー前駆体
の重合反応は、例えばナイロン塩の場合170〜250
℃で2〜5時間行うのが好ましい。以上の通りであるの
で、前駆体ポリ・7−の縮−4テ 合反応とマトリックスポリマー前駆体の重合反応とを同
時に行う加熱工程は、130〜200℃で2〜8時間の
第1段と200〜300℃で2〜5時間の第2段からな
るかく前駆体ポリマーからラダーポリマーへ1段で反応
が進む場合)、130〜200℃で2〜8時間の第1段
と、170〜250℃で2〜5時間の第2段と、250
〜300℃で2〜5時間の第3段からなる(プレラダー
を経てラダーポリマーになる場合)かのいずれかである
このように剛直芳香族ポリマーはマトリックスポリマー
中に分子レベルで均一に分散した前駆体ポリマーから縮
合反応により得られるので、剛直芳香族ポリマーとマト
リックスポリマーとは分子レベルで極めて良好に相溶し
ている。従って剛直芳香族ポリマー分子とマトリックス
ポリマー分子との界面における接着力不足に基づく機械
的強度の低下という問題は解消された。
本発明の方法により得られる分子複合材は優れた機械的
強度とともに耐熱性等に優れており、かつ異方性が少な
いので、航空機や自動車等の構造材として使用するのに
適する。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 公知の方法で合成したナイロン66塩0.025 gを
N。
N−ジメチルアセトアミド4dにアルゴン気流下で溶解
し、十分に撹拌した。これに、ポリベンゾイミダゾベン
ゾピロロンの前駆体ポリマーであるポリアミドアミノ酸
(ηinh =14.2 dlg−’)の10重量%N
、N−ジメチルアセトアミド溶液10m1を加え、十分
に撹拌して均一溶液とした。減圧蒸留により溶媒を留去
し、黄白色のペースト状フィルム状物を得た。これをア
ルゴン3囲気中において160℃で8時間加熱してプレ
ラダーポリマーとし、次いで220℃で1時間加熱して
ナイロン66合成をし、最後に300℃で3時間加熱し
てラダーポリマー(ポリベンゾイミダゾベンゾピロロン
)を形成した。得られた分子複合材フィルムは0.4m
mの厚さを有し、こげ茶色で透明であった。
このフィルムの融点、引張強さ、伸度、引張弾性率及び
蟻酸に対する耐溶媒性を試験した。ナイロン66に対す
る試験結果とともに、結果を第1表に示す。
第  1  表 注二(1)示差走査熱量計(理学813188)により
測定。
(2)島原DSS−5000により測定。
(3)〃     により測定。
(4)25℃の蟻酸中に72時間浸漬することにより測
定。本実施例の場合、薄茶色への変色のみが起こり、膨
張していない。
以上の結果から、本発明の分子複合材はナイロン66に
比較して優れた機械的強度、耐熱性及び耐溶媒性を有す
ることがわかる。
実施例2 実施例1のナイロン66塩0.025gをN−メチル−
2−ピロリドン4−にアルゴン気流中で溶解し、十分に
撹拌した。これに剛直芳香族ポリマーの前駆体ポリマー
として分子量が約1300 (?7inh = 10.
2d1g−’)と低いポリーP−フェニレンベンズイミ
ダゾールの10重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶
液(LiCβ5%含有)を加え、アルゴン雰囲気中で十
分に撹拌した。減圧蒸留により溶媒を除去した後、アル
ゴン雰囲気中で170℃で4.5時間加熱し、次いで2
20 ℃で24時間加熱した。このようにして、ポリー
P−フェニレンベンズイミダゾールとナイロン66とが
良好に分散相溶した分子複合材フィルムを作成した。得
られたフィルムは非常に透明度が良好であった。実施例
1と同じ試験を行い、試験結果を第2表に示す。
実施例3 実施例1のナイロン66塩0.025gを水を10重量
%含有するメチルエチルケトン10m1にアルゴン気流
下で溶解し、十分に撹拌した。これに、ポリベンゾイミ
ダゾベンゾピロロンの前駆体ポリマーであるポリアミド
アミノ酸の10重量%メチルエチルケトン溶液(10重
最中の水含有’) lQmlを加え、十分に撹拌して均
一溶液とした。高真空下で溶媒を蒸発させ、黄白色のペ
ースト状フィルム状物を得た。
これをオートクレーブ中において220℃で12時間加
熱し、圧力を下げて水及び溶媒を放出した後、アルゴン
中で280℃で3時間加熱してラダーポリマー(ポリベ
ンゾイミダゾベンゾピロロン)とした。得られた分子複
合材フィルノ・は0.5++++oの厚さを有し、透明
であった。
このフィルムの融点、引張強さ、伸度、引張弾性率及び
蟻酸に対する耐溶媒性を試験した。結果を第2表に示す
第2表 注:(1)〜(4)実施例1と同一条件で測定。
(5)  400℃までの測定で溶融せず。
比較例1 ポリベンゾイミダゾベンゾピロロンの20量%ジメチル
スルフオキシド溶液IQmlに、実施例1と同じナイロ
ン66塩の溶液IQmlをアルゴンガス雰囲気中で混合
撹拌した。真空下で溶媒を除去することにより厚さ0.
3mmの複合材フィルムを得たが、海島構造が認められ
た。これにより相分離が起っていることがわかる。
本発明を以上の実施例により説明したが、本発明はそれ
らに限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々
の変更をし得るものである。
〔発明の効果〕
以上に詳述した通り、本発明の剛直芳香族ポリマーの分
子複合材の製造方法は、剛直芳香族ポリマーの前駆体ポ
リマーをマトリックスポリマーの前駆体と有機溶媒の均
一溶液として均一に混合しているので、得られた分子複
合材中の剛直芳香族ポリマーは極めて良好に分散してい
る。これにより剛直芳香族ポリマーとマトリックスポリ
マーとの界面強度が向上し、分子複合材の機械的強度が
向上するのみならず、物性が著しく等方性となった。ま
た本発明の方法においては有機溶媒を使用しているので
、濃硫酸を使用する従来法のように分子複合材の物性の
劣化や接触する金属部品の腐食等の問題が生じない。
本発明の方法により得られる分子複合材は機械的強度に
優れているとともに、加工性、耐熱性及び耐溶媒性等に
も優れているので、航空機や自動車等の軽量かつ高強度
の構造材として使用するのに適している。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)剛直芳香族ポリマーとマトリックスポリマーとの
    分子複合材の製造方法において、前記剛直芳香族ポリマ
    ーの前駆体ポリマーと前記マトリックスポリマーの前駆
    体との均一な有機溶媒溶液を調製し、前記有機溶媒を除
    去した後高真空下又は不活性ガス雰囲気中で加熱するこ
    とにより、均一に分散した状態で前記前駆体ポリマーを
    剛直芳香族ポリマーとするとともに前記マトリックスポ
    リマー前駆体を重合することを特徴とする方法。
  2. (2)特許請求の範囲第1項に記載の方法において、前
    記剛直芳香族ポリマーは主鎖に芳香族環及び縮合環を有
    することを特徴とする方法。
  3. (3)特許請求の範囲第2項に記載の方法において、前
    記縮合環がイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾー
    ル環及びオキサジノン環の少なくとも1種であることを
    特徴とする方法。
  4. (4)特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記
    載の方法において、前記マトリックスポリマーがポリア
    ミド又はコポリアミドであることを特徴とする方法。
  5. (5)特許請求の範囲第4項に記載の方法において、前
    記コポリアミドがイミダゾール環、オキサゾール環又は
    チアゾール環を有するコポリマーであることを特徴とす
    る方法。
  6. (6)特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記
    載の方法において、前記マトリックスポリマー前駆体が
    ナイロン塩であることを特徴とする方法。
  7. (7)特許請求の範囲第1項及至第6項のいずれかに記
    載の方法において、前記剛直芳香族ポリマーと前記マト
    リックスポリマーとの重量比が5:95〜80:20と
    なるように前記前駆体ポリマーと前記マトリックス前駆
    体とを混合することを特徴とする方法。
  8. (8)特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記
    載の方法において、前記前駆体ポリマーの溶液と前記マ
    トリックスポリマー前駆体の溶液とをそれぞれあらかじ
    め調製し、次いで混合することにより均一溶液とするこ
    とを特徴とする方法。
  9. (9)特許請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかに記
    載の方法において、前記有機溶媒が前記前駆体ポリマー
    と前記マトリックスポリマー前駆体に対する良溶媒であ
    ることを特徴とする方法。
  10. (10)特許請求の範囲第9項に記載の方法において、
    前記有機溶媒がN,N−ジメチルアセトアミド、N,N
    −ジメチルフォルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
    ン及びヘキサメチルフォスフォリックトリアミドの1種
    又は2種以上からなることを特徴とする方法。
  11. (11)特許請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかに
    記載の方法において、前記有機溶媒が前記前駆体ポリマ
    ーに対する良溶媒と前記マトリックスポリマー前駆体に
    対する良溶媒とからなる混合溶媒であることを特徴とす
    る方法。
  12. (12)特許請求の範囲第11項に記載の方法において
    、前記混合溶媒がクレゾールと、N,N−ジメチルアセ
    トアミド、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチ
    ルピロリドン及びヘキサメチルフォスフォリックトリア
    ミドの1種または2種以上とからなることを特徴とする
    方法。
  13. (13)特許請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか
    に記載の方法において、前記前駆体ポリマー溶液と前記
    マトリックスポリマー前駆体溶液との混合を遮光状態で
    行うことを特徴とする方法。
  14. (14)特許請求の範囲第1項乃至第13項のいずれか
    に記載の方法において、前記前駆体ポリマーと前記マト
    リックスポリマー前駆体との混合物の加熱を150〜3
    00℃で1〜24時間行うことを特徴とする方法。
  15. (15)特許請求の範囲第1項乃至第13項のいずれか
    に記載の方法において、前記前駆体ポリマーと前記マト
    リックスポリマー前駆体との混合物の加熱を150〜2
    30℃で1〜8時間の第1段と、230〜300℃で3
    〜24時間の第2段とにより行うことを特徴とする方法
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