JPH08261268A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH08261268A
JPH08261268A JP9162695A JP9162695A JPH08261268A JP H08261268 A JPH08261268 A JP H08261268A JP 9162695 A JP9162695 A JP 9162695A JP 9162695 A JP9162695 A JP 9162695A JP H08261268 A JPH08261268 A JP H08261268A
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JP
Japan
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piston
valve
valve seat
retainer
groove
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JP9162695A
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Kimihiro Okura
公広 大倉
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工数を低減することによりコストの上昇
を抑えることができ、かつ、製品個々の間での減衰力特
性の均一化を図る。 【構成】 ピストン31に形成された環状の溝部32と
ピストンリテーナ34に形成された環状の突起部35と
の間にシール剤36を介在させて、ピストン31とピス
トンリテーナ34とを密着させる。これにより、ピスト
ン31とピストンリテーナ34との当接面に多少の凹凸
がある場合でも、この凹凸は溝部32と突起部35との
間に介在したシール剤36によって吸収され、ピストン
31とピストンリテーナ34との当接面を液密状態に密
着させることができる。この結果、ピストン31とピス
トンリテーナ34の当接面を平滑化するための仕上作業
等を不要とすることができるから、製造工数を大幅に削
減でき、製造コストの上昇を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌に装備
され、走行時の振動を緩衝するのに用いて好適な油圧緩
衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車輌に搭載されるサスペンショ
ン装置等には、車輌の走行時に路面の凹凸によって車体
が受ける振動や衝撃を緩衝するために、油液が封入され
たシリンダ内をピストンが摺動することによって油液の
流動を制御し、減衰力を発生する油圧緩衝器が装備され
ている。
【0003】そこで、図6ないし図9に従来技術による
油圧緩衝器として、ピストンに伸長側の減衰力発生機構
を設け、ボトムバルブに縮小側の減衰力発生機構を設け
た形式のものを例に挙げて説明する。
【0004】図において、1はシリンダ、2は該シリン
ダ1内に突出させて設けたピストンロッドを示し、該ピ
ストンロッド2の小径部2Aには、後述するピストン
3、ピストンリテーナ16、ディスクバルブ24等が挿
通され、ナット2Bを締込むことにより固定されてい
る。
【0005】3はピストンロッド2の小径部2Aに固定
され、シリンダ1内に摺動可能に挿嵌されたピストンを
示し、該ピストン3は燒結金属により形成されている。
このピストン3の外周側には樹脂材料からなるピストン
リング3Aが嵌着されており、該ピストンリング3Aを
介してシリンダ1内に挿嵌されたピストン3により、シ
リンダ1内に2つのシリンダ油室A,B(以下、単に油
室A,Bという)が画成されている。
【0006】4,4,…はピストン3の軸方向に穿設さ
れた複数の伸長側油通路を示し、該各伸長側油通路4は
シリンダ1内に画成された油室A,Bを連通させ、後述
するようにピストン3の伸長行程において油室Bから油
室Aへ油液を流通させるようになっている。
【0007】5,5,…は各伸長側油通路4の外周側に
位置してピストン3の軸方向に穿設された複数の縮小側
油通路で、該各縮小側油通路5はシリンダ1内に画成さ
れた油室A,Bを連通させ、後述するようにピストン3
の縮小行程において油室Aから油室Bへ油液を流通させ
るようになっている。
【0008】6はピストン3の油室A側に位置する端面
に形成された環状凹部、7は該環状凹部6の外周側に形
成された環状の大径凹部をそれぞれ示し、環状凹部6に
は各伸長側油通路4の一端側が開口し、大径凹部7には
各縮小側油通路5の一端側が開口している。そして、ピ
ストン3の端面における大径凹部7よりも内周側となる
部位は、後述するピストンリテーナ16が固着される平
坦な取付面8として形成されている。
【0009】9はピストン3の油室B側に位置する端面
に形成された環状凹部、10は該環状凹部9の外周側に
形成された環状の大径凹部をそれぞれ示し、環状凹部9
には各伸長側油通路4の他端側が開口し、大径凹部10
には各縮小側油通路5の他端側が開口している。そし
て、ピストン3の端面における環状凹部9よりも外周側
となる部位は、後述の弁板12が離着座する平坦な弁シ
ート部11として形成されている。
【0010】12はピストン3の油室B側に位置する端
面に配設された円板状の弁板で、該弁板12はばね座金
13,スペーサ14と共に逆止弁を構成している。そし
て、弁板12は、ばね座金13のばね力によりピストン
3の弁シート部11に圧接され、ピストン3に形成され
た大径凹部10を小さな開弁圧で閉塞し、後述するよう
にピストン3が縮小側に摺動変位するとき大径凹部10
を開放し、各縮小側油通路5を介して油室Aから油室B
へのみ油液が流通するのを許すようになっている。そし
て、弁板12における環状凹部9に対向する部位には複
数の透孔12A,12A,…が穿設されている。なお、
スペーサ14は弁板12とばね座金13との間に設けら
れ、弁板12の開弁時における変位を確保している。1
5はピストンロッド2と弁板12との間に設けられ、複
数の透孔15A,15A,…が形成された円板状の規制
板を示し、該規制板15は弁板12の開度を規制してい
る。
【0011】16はピストン3の油室A側に位置する端
面に当接して設けられた弁座部材としてのピストンリテ
ーナを示し、該ピストンリテーナ16もピストン3と同
様に燒結金属により形成されている。また、ピストンリ
テーナ16には、ピストン3の各伸長側油通路4に対応
する位置において軸方向に穿設された複数の油通路1
7,17,…と、ピストン3に対向する端面に設けられ
て環状凹部6との間で環状の油室を形成し、各油通路1
7の一端側が開口する環状凹部18と、油室A側の端面
に環状に設けられ、各油通路17の他端側が開口した小
径凹部19と、該小径凹部19よりも大径となった大径
凹部20とが形成されている。そして、ピストンリテー
ナ16におけるピストン3に対向する端面は平坦な取付
面21として形成され、該取付面21とピストン3の取
付面8とは液密状態に固着されている。
【0012】22はピストンリテーナ16の小径凹部1
9と大径凹部20との間に位置して環状に突設された小
径弁座部、23は大径凹部20の外周側に位置して環状
に突設された大径弁座部をそれぞれ示し、これら小径弁
座部22および大径弁座部23には、後述するディスク
バルブ24が離着座するようになっている。
【0013】24はピストン3に穿設された各伸長側油
通路4を開閉すべく、ピストンリテーナ16の小径弁座
部22および大径弁座部23に対して離着座するディス
クバルブを示し、該ディスクバルブ24は、例えばばね
性を有する多数の薄い金属板が積層されて構成され、小
径弁座部22に対して離着座する第1バルブ24Aと、
該第1バルブ24A上にスペーサ(図示せず)を介して
積層され、大径弁座部23に対して離着座する第2バル
ブ24Bと、該第2バルブ24B上に積層された第3バ
ルブ24Cとを有している。なお、第1バルブ24Aの
外周側における複数箇所には、該第1バルブ24Aが小
径弁座部22に着座した状態で小径凹部19と大径凹部
20とを連通させる第1のオリフィスが形成され、第2
バルブ24Bの外周側における複数箇所には、該第2バ
ルブ24Bが大径弁座部23に着座した状態で大径凹部
20と油室Aとを連通させる第2のオリフィスが形成さ
れている。
【0014】そして、ディスクバルブ24は、後述する
スペーサ25、ワッシャ26と共にピストンロッド2の
小径部2Aに挿通され、ナット2Bを螺着することによ
り、ピストンリテーナ16の小径弁座部22および大径
弁座部23に圧接され、第1バルブ24Aによって小径
凹部19を、第2バルブ24Bによって大径凹部20
を、それぞれ所定の圧力をもって閉塞(閉弁)する。そ
して、後述するようにピストン3が伸長側に摺動変位す
るとき、ピストン3の各伸長側油通路4、ピストンリテ
ーナ16の各油通路17等を介して作用する油室B内の
圧力に応じて第1バルブ24Aから順次開弁し、その開
度に応じて油液の通路面積を変化させることにより、油
室Bから油室Aへの油液の流れによって発生する減衰力
を変化させるようになっている。
【0015】25はディスクバルブ24とナット2Bと
の間に介在した円板状のスペーサを示し、該スペーサ2
5はディスクバルブ24の開弁時における変位を確保す
るためのものである。26はスペーサ25とナット2B
との間に設けられた円板状のワッシャで、該ワッシャ2
6により、ディスクバルブ24の開度を規制するように
なっている。
【0016】従来技術による油圧緩衝器は上述の如き構
成を有するもので、次にその作用について説明する。
【0017】まず、ピストン3がピストンロッド2を伴
って伸長側(矢印X方向)に摺動変位すると、油室B内
の圧力が油室A内に比して高圧となり、該油室B内の圧
力は、ピストン3の各伸長側油通路4、ピストンリテー
ナ16の各油通路17等を介してディスクバルブ24に
作用する。ここで、ピストン3が低速で変位し、ディス
クバルブ24に作用する油室B内の圧力がディスクバル
ブ24のばね圧よりも低い場合には、ディスクバルブ2
4の第1バルブ24Aはピストンリテーナ16の小径弁
座部22に着座する状態を保持する。これにより、油室
B内の油液は、ディスクバルブ24の第1バルブ24A
および第2バルブ24Bに設けられた各オリフィスを通
過して油室A内に流入し、このとき、比較的小さな減衰
力が発生する。
【0018】そして、ピストン3の変位速度が若干増大
し、ディスクバルブ24に作用する油室B内の圧力が第
1バルブ24Aのばね圧よりも高くなる場合には、第1
バルブ24Aがピストンリテーナ16の小径弁座部22
から離座することにより、油室Bから油室Aに流れる油
液の流路面積が若干増大し、当該油液の流動により発生
する減衰力も若干増大する。
【0019】また、ピストン3が高速で変位し、ディス
クバルブ24に作用する油室B内の圧力が第2バルブ2
4Bのばね圧よりも高くなる場合には、第2バルブ24
Bがピストンリテーナ16の大径弁座部23から離座す
ることにより、油室Bから油室Aに流れる油液の流路面
積が増大し、当該油液の流動により発生する減衰力も増
大する。
【0020】次いで、ピストン3がさらに高速で変位
し、ディスクバルブ24に作用する油室B内の圧力が第
3バルブ24Cのばね圧よりも高くなる場合には、第3
バルブ24Cの外周縁部が変位することにより、第1バ
ルブ24Aおよび第2バルブ24Bの開度がさらに増大
し、油室Bから油室Aに流れる油液の流動により発生す
る減衰力もさらに増大する。
【0021】このように、ピストン3の伸長行程時に
は、油室B内に発生する圧力の大きさに応じてディスク
バルブ24の開度が変化することにより、複数段階の減
衰力特性が得られるようになっている。
【0022】一方、ピストン3がピストンロッド2を伴
って縮小側(矢印Y方向)に摺動変位すると、油室B内
に比して高圧となった油室A内の圧力は、ピストン3の
各縮小側油通路5を介して弁板12に作用する。ここ
で、弁板12をピストン3の弁弁座部11に押圧する圧
力(ばね座金13のばね力)は小さく設定されているか
ら、油室A内の油液が弁板12を開弁させて油室Bに流
入するときの減衰力は殆ど発生しないようになってい
る。なお、ピストン3の縮小行程においては、図示しな
いボトムバルブに設けた減衰力発生機構(図示せず)等
によって所望の減衰力が得られるようになっており、こ
のような油圧緩衝器を車輌に搭載することにより、車輌
の走行時における路面の凹凸によって車体が受ける振動
や衝撃を緩衝することができる。
【0023】ここで、上述した従来技術の油圧緩衝器に
おいては、ピストン3とディスクバルブ24との間にピ
ストンリテーナ16を介在させることにより、ディスク
バルブ24が離着座する弁座部を拡径し、ディスクバル
ブ24の外径寸法を可及的に大きく設定することによ
り、ディスクバルブ24の弾性変形を容易ならしめ、ピ
ストン3が変位する速度の変化に応じて減衰力を鋭敏に
変化させることができるようになっている。
【0024】そして、ピストンリテーナ16は、プレス
成形等によりピストン3とは別体に形成され、ピストン
リテーナ16の取付面21とピストン3の取付面8と
は、ナット2Bを締込むことにより液密状態に密着する
ようになっている。また、図7中に示すように、ピスト
ンリテーナ16に形成された大径弁座部23の取付面2
1からの軸方向寸法t1 は、小径弁座部22の取付面2
1からの軸方向寸法t2よりもΔtだけ大きく設定さ
れ、このΔtの段差により、ナット2Bを締込むとディ
スクバルブ24の第2バルブ24Bが軸方向に撓んだ状
態で大径弁座部23に着座するようになっている。即
ち、小径弁座部22と大径弁座部23との間の段差Δt
により、大径弁座部23に対するディスクバルブ24の
ばね力(初期荷重)が設定され、ディスクバルブ24が
開弁したときに得られる減衰力特性が決定されるように
なっている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
技術の油圧緩衝器においては、ピストンリテーナ16の
製造時における精度誤差等により、ピストンリテーナ1
6の取付面21が平坦面とならず、例えば図8に示すよ
うに、環状凹部6よりも外周側となる部位がピストン3
の取付面8側に若干突出した場合には、ナット2Bを締
込むことによりピストンリテーナ16が撓みを生じ、ピ
ストンリテーナ16の取付面21から大径弁座部23ま
での軸方向寸法が適正値t1 よりも大きいt1 ′とな
り、取付面21から小径弁座部22までの軸方向寸法が
適正値t2 よりも大きいt2 ′となってしまう。この場
合、ピストンリテーナ16の撓みは外周側程大きくなる
から、小径弁座部22と大径弁座部23との間の段差が
適正値Δtよりも大きいΔt′(Δt′>Δt)とな
り、大径弁座部23に対するディスクバルブ24のばね
力(初期荷重)が増大してしまい、所望の減衰力特性が
得られなくなるという問題が生じる。
【0026】また、例えば図9に示すように、ピストン
リテーナ16の取付面21における環状凹部6よりも外
周側となる部位が若干凹み、環状凹部6よりも内周側と
なる部位との間に隙間Cが生じた場合には、油室Aと油
室Bとの間で該隙間Cを介して油液が漏洩することによ
り、減衰力が低下してしまうという問題が生じる。
【0027】このため、ピストンリテーナ16の製造時
においては、取付面21、小径弁座部22および大径弁
座部23等の表面を平滑化すべく、ラッピングや複数回
の仕圧等の仕上作業を行う必要があり、さらに、面精度
等を検査する必要も生じるから、製造工数が増大してコ
ストの上昇を招くという問題がある。
【0028】また、ピストン3とピストンリテーナ16
とはそれぞれ別体として形成されるから、これらピスト
ン3およびピストンリテーナ16の出来具合やその組合
わせによって、ピストン3に対するピストンリテーナ1
6の取付位置が必ずしも一定せず、製品として得られる
個々の油圧緩衝器間で減衰力特性のばらつきが生じてし
まうという問題がある。
【0029】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みて
なされたもので、製造工数を低減することによりコスト
の上昇を抑えることができ、かつ、製品個々の間での減
衰力特性を均一化することができる油圧緩衝器を提供す
ることを目的としている。
【0030】
【問題点を解決するための手段】上述した課題を解決す
るために、本発明は、シリンダと、該シリンダ内に摺動
可能に挿嵌され、該シリンダ内を2つの油室に画成する
ピストンと、該ピストンの軸方向両端面のうちの少なく
とも一方に当接して設けられた弁座部材と、前記2つの
油室を連通するために前記ピストンと該弁座部材とを貫
通して設けられた油通路と、該油通路を開閉すべく該弁
座部材に対して離着座するディスクバルブとからなる油
圧緩衝器に適用される。
【0031】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
前記ピストンと前記弁座部材との当接面のうちの一方の
当接面には環状の突起部を設けると共に、前記ピストン
と前記弁座部材との当接面のうちの他方の当接面には環
状の溝部を設け、該溝部と前記突起部との間にシール剤
を介在させて、前記溝部と前記突起部とを嵌合させたこ
とにある。
【0032】
【作用】上記構成によれば、弁座部材をピストンの端面
に当接させて設けるに際して、ピストンと弁座部材との
当接面のうちの一方の当接面に設けた環状の突起部と、
他方の当接面に設けた環状の溝部との間にシール剤を介
在させて、該溝部と前記突起部とを嵌合させることによ
り、ピストンと弁座部材との当接面に多少の凹凸がある
場合でも、当該凹凸は突起部と溝部との間に介在したシ
ール剤によって吸収されるから、ピストンと弁座部材と
の当接面を液密状態に密着させることができる。従っ
て、ピストンと弁座部材との当接面を平滑化するために
行う複数回の仕上作業を不要とすることができ、かつ、
ピストンと弁座部材のそれぞれの出来具合や組合わせ等
にかかわらず、個々の油圧緩衝器間の減衰力特性を均一
化することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5に基
づいて説明する。なお、実施例では上述した従来技術と
同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0034】まず、図1ないし図4は本発明の第1の実
施例を示している。
【0035】図において、31は本実施例によるピスト
ンを示し、該ピストン31は従来技術によるピストン3
と略同様に、ピストンリング3A、複数の伸長側油通路
4、複数の縮小側油通路5、環状凹部6、大径凹部7等
を有しているものの、油室A側の端面に設けられた取付
面8に、後述する溝部32が形成されている点で従来技
術とは異なっている。
【0036】32はピストン31の環状凹部6よりも外
周側に位置して取付面8の頂部に形成された溝部を示
し、該溝部32は図2および図3に示すように、環状凹
部6の外周側に位置して取付面8の頂部に全周に亘って
形成され、該取付面8を内側取付面8Aと外側取付面8
Bとに区画している。そして、該溝部32内には、後述
するピストンリテーナ34に形成された突起部35が嵌
合するようになっている。
【0037】33,33,…は環状凹部6と溝部32と
の間に位置して内側取付面8Aに形成された複数のシー
ル剤逃げ溝で、該各シール剤逃げ溝33は互いに等間隔
となる複数箇所に放射状に配設され、図3に示すように
環状凹部6と溝部32とを連通させている。
【0038】34は本実施例による弁座部材としてのピ
ストンリテーナを示し、該ピストンリテーナ34は従来
技術によるピストンリテーナ16と略同様に、複数の油
通路17、環状凹部18、小径凹部19、大径凹部2
0、小径弁座部22、大径弁座部23等を有しているも
のの、ピストン31に対向する端面に後述する突起部3
5が形成されている点で従来技術とは異なっている。
【0039】35はピストンリテーナ34におけるピス
トン31に対向する端面に形成された環状の突起部で、
該突起部35は環状凹部18の外周側に位置して溝部3
2に対向するように突設されている。そして、該突起部
35は図4に示すように、後述のシール剤36を介して
ピストン31の溝部32に嵌合し、これにより、ピスト
ン31にピストンリテーナ34が当接して設けられてい
る。
【0040】36はピストン31の溝部32とピストン
リテーナ34の突起部35との間に介在したシール剤を
示し、該シール剤36としては液状の接着剤が適用され
る。
【0041】そして、ピストンロッド2の小径部2Aに
ピストン31を挿通した後、該ピストン31の溝部32
内に適量のシール剤36を塗布し、溝部32と突起部3
5とを嵌合させつつピストン3にピストンリテーナ34
を組付け、さらにディスクバルブ24、スペーサ25、
ワッシャ26を組付けた状態でナット2Bを締込む。こ
れにより、ピストン31の溝部32とピストンリテーナ
34の突起部35との嵌合部に軸方向の力(軸力)が作
用し、シール剤36が溝部32と突起部35との嵌合部
にその全周に亘って隙間なく充填された状態で硬化す
る。このようにして、溝部32と突起部35とがシール
剤36を介して嵌合し、該シール剤36が硬化すること
により溝部32と突起部35とが液密状態に密着する。
【0042】このとき、例えばピストン31の溝部32
内に過剰にシール剤36が塗布された場合には、余剰の
シール剤36は各シール剤逃げ溝33を介してピストン
31の環状凹部6側に排出される。これにより、余剰の
シール剤36が溝部32内に滞留したまま硬化すること
により、ピストン31に対するピストンリテーナ34の
取付位置が軸方向にずれてしまうのを防止し、ピストン
3に対するピストンリテーナ34の取付位置が一定に保
たれるようになっている。
【0043】上述した如く、本実施例によれば、ピスト
ン31とピストンリテーナ34とを組付けるに際して、
ピストン31に形成された環状の溝部32とピストンリ
テーナ34に形成された環状の突起部35とを、シール
剤36を介して嵌合するように構成したから、ピストン
31とピストンリテーナ34との当接面に多少の凹凸が
ある場合でも、当該凹凸は溝部32と突起部35との間
に介在したシール剤36によって吸収され、ピストン3
1とピストンリテーナ34との当接面を液密状態に密着
させることができる。
【0044】従って、ピストン31とピストンリテーナ
34の当接面を平滑化するための仕上作業を不要とする
ことができる上に、当該当接面の面精度の検査等を不要
とすることができるから、製造工数を大幅に削減でき、
製造コストの上昇を抑えることができる。
【0045】また、ピストン3の溝部32とピストンリ
テーナ34の突起部35との間に介在するシール剤36
により、溝部32と突起部35との嵌合部が確実にシー
ルされるから、ピストン31とピストンリテーナ34と
の取付部分から油液が漏洩することによる減衰力の低下
を確実に防止できる。
【0046】さらに、ピストン31の環状凹部6と溝部
32とを連通させるシール剤逃げ溝33を形成すること
により、溝部32と突起部35との間に過剰なシール剤
36が塗布された場合でも、余剰のシール剤36が各シ
ール剤逃げ溝33を介して環状凹部6側に排出されるよ
うに構成したから、ピストン31に対するピストンリテ
ーナ34の取付位置を略一定に保つことができる。従っ
て、ピストン31とピストンリテーナ34のそれぞれの
出来具合や組合わせ等にかかわらず、ピストン31に対
するピストンリテーナ34の取付位置を略一定に保つこ
とができ、製品として得られる個々の油圧緩衝器間の減
衰力特性を均一化することができる。
【0047】次に、図5は本発明の第2の実施例を示し
ている。なお、本実施例において図1ないし図4に示す
第1の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付し、
その説明を省略する。
【0048】図において、41は本実施例によるピスト
ンを示し、該ピストン41における環状凹部6と大径凹
部7との間に位置する部位には、後述のピストンリテー
ナ43側に突出する環状の突起部42が形成されてい
る。
【0049】43は本実施例による弁座部材としてのピ
ストンリテーナで、該ピストンリテーナ43のピストン
41に対向する端面には、環状凹部18の外周側に位置
して環状の溝部44が形成されている。そして、該溝部
44内にはピストン41に形成された突起部42が嵌合
し、当該溝部44と突起部42とはシール剤36を介し
て液密状態に密着している。
【0050】45,45,…は溝部44の内周側に位置
してピストンリテーナ43の取付面21に放射状に形成
された複数のシール剤逃げ溝を示し、該各シール剤逃げ
溝45は、ピストン41の突起部42とピストンリテー
ナ43の溝部44との間に過剰にシール剤36が塗布さ
れた場合に、余剰のシール剤36を環状凹部18等に排
出することにより、ピストン41に対するピストンリテ
ーナ43の取付位置が軸方向にずれてしまうのを防止す
るものである。
【0051】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、本実施例においても上述した第1の実施例と同様の
作用効果を得ることができる。
【0052】なお、前記各実施例では、ピストンリテー
ナ34(43)をピストン31(41)の油室A側の端
面に配設した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこ
れに限ることはなく、例えばピストン31(41)の油
室B側の端面に配設してもよく、また、油室A側および
油室B側の両端面にそれぞれ配設してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば、ピ
ストンと弁座部材とを組付けるに際して、ピストンと弁
座部材との当接面のうちの一方の当接面に設けた環状の
溝部と、他方の当接面に設けた環状の突起部との間にシ
ール剤を介在させて、溝部と突起部とを嵌合させるよう
に構成したから、ピストンと弁座部材との当接面に多少
の凹凸がある場合でも、当該凹凸は溝部と突起部との間
に介在したシール剤によって吸収され、ピストンと弁座
部材との当接面を液密状態に密着させることができる。
これにより、ピストンと弁座部材との当接面を平滑化す
るための仕上作業や、当該当接面の面精度等の検査を不
要とすることができるから、製造工数を大幅に削減で
き、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0054】また、溝部と突起部との間に介在するシー
ル剤により、溝部と突起部との間が確実にシールされる
から、ピストンと弁座部材との取付部分から油液が漏洩
することによる減衰力の低下を確実に防止できる。さら
に、ピストンと弁座部材のそれぞれの出来具合や組合わ
せ等にかかわらず、ピストンに対する弁座部材の取付位
置を略一定に保つことができるから、製品として得られ
る個々の油圧緩衝器間の減衰力特性を均一化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の要部を示す縦断面
図である。
【図2】図1中のピストンを示す平面図である。
【図3】図2中の溝部およびシール剤逃げ溝等を拡大し
て示す斜視図である。
【図4】図1中の溝部と突起部との嵌合部分を拡大して
示す縦断面図である。
【図5】本発明による第2の実施例の要部を示す図1と
同様位置の縦断面図である。
【図6】従来技術による油圧緩衝器の要部を示す縦断面
図である。
【図7】図6中のピストンおよびピストンリテーナ等を
拡大して示す縦断面図である。
【図8】ピストンとピストンリテーナとの取付部に生じ
る問題を示す図7と同様位置の縦断面図である。
【図9】ピストンとピストンリテーナとの取付部に生じ
る他の問題を示す図7と同様位置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 4 伸長側油通路 17 油通路 24 ディスクバルブ 31,41 ピストン 32,44 溝部 34,43 ピストンリテーナ(弁座部材) 35,42 突起部 36 シール剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に
    挿嵌され、該シリンダ内を2つの油室に画成するピスト
    ンと、該ピストンの軸方向両端面のうちの少なくとも一
    方に当接して設けられた弁座部材と、前記2つの油室を
    連通するために前記ピストンと該弁座部材とを貫通して
    設けられた油通路と、該油通路を開閉すべく前記弁座部
    材に対して離着座するディスクバルブとからなる油圧緩
    衝器において、 前記ピストンと前記弁座部材との当接面のうちの一方の
    当接面には環状の突起部を設けると共に、前記ピストン
    と前記弁座部材との当接面のうちの他方の当接面には環
    状の溝部を設け、該溝部と前記突起部との間にシール剤
    を介在させて、前記溝部と前記突起部とを嵌合させたこ
    とを特徴とする油圧緩衝器。
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