JPH0826079B2 - 抗体及びそれを有効成分とするう蝕予防組成物 - Google Patents
抗体及びそれを有効成分とするう蝕予防組成物Info
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- JPH0826079B2 JPH0826079B2 JP2083085A JP8308590A JPH0826079B2 JP H0826079 B2 JPH0826079 B2 JP H0826079B2 JP 2083085 A JP2083085 A JP 2083085A JP 8308590 A JP8308590 A JP 8308590A JP H0826079 B2 JPH0826079 B2 JP H0826079B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、う蝕を誘発する病原菌であるストレプトコ
ッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)の各種
血清型に対して、広範囲に交差反応性を有する抗体及び
それを有効成分とするう蝕予防組成物に関する。
ッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)の各種
血清型に対して、広範囲に交差反応性を有する抗体及び
それを有効成分とするう蝕予防組成物に関する。
[従来の技術] う蝕の発生において、S.mutansの歯面への付着過程が
重要な役割を果していることは既に知られている。
重要な役割を果していることは既に知られている。
即ち、う蝕の発生は歯面にスクロースの存在下、S.mu
tansが付着し、プラークを形成し、プラーク内で酸が合
成され、これにより歯のエナメル質がとけ出すことによ
ると考えられている。
tansが付着し、プラークを形成し、プラーク内で酸が合
成され、これにより歯のエナメル質がとけ出すことによ
ると考えられている。
そのためう蝕を防止するには、S.mutansの歯面への付
着を防止することが重要であり、S.mutansに対する特異
的抗体を用いた各種の方法が試みられている。
着を防止することが重要であり、S.mutansに対する特異
的抗体を用いた各種の方法が試みられている。
例えば、S.mutansには血清型がa〜hまでの8種類が
知られているが(う蝕と歯周病−研究の進歩vol.3:p69,
1985年)、抗原として血清型a,b,c,dのS.mutansの菌体
を用いた混合抗原で免疫した牛の母乳から得られた抗体
でう蝕を予防する方法(特公昭63−15247)、S.mutans
の細胞壁等の画分を哺乳動物に免疫して得た抗血清及び
/又は乳と種々のシネルギストと組み合せたう蝕の予防
剤(特開昭60−38327号)、また血清型c,e,fのS.mutans
が分泌する水溶性グルカン合成酵素あるいは血清型a,d,
gのS.mutansが分泌する非水溶性グルカン合成酵素で免
疫した鶏が産生する卵より調製した抗体を含むう蝕予防
剤(特開平1−233229、特開平1−242534)等が知られ
ている。
知られているが(う蝕と歯周病−研究の進歩vol.3:p69,
1985年)、抗原として血清型a,b,c,dのS.mutansの菌体
を用いた混合抗原で免疫した牛の母乳から得られた抗体
でう蝕を予防する方法(特公昭63−15247)、S.mutans
の細胞壁等の画分を哺乳動物に免疫して得た抗血清及び
/又は乳と種々のシネルギストと組み合せたう蝕の予防
剤(特開昭60−38327号)、また血清型c,e,fのS.mutans
が分泌する水溶性グルカン合成酵素あるいは血清型a,d,
gのS.mutansが分泌する非水溶性グルカン合成酵素で免
疫した鶏が産生する卵より調製した抗体を含むう蝕予防
剤(特開平1−233229、特開平1−242534)等が知られ
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のS.mutansに免疫活性を有する抗
体は、前記の如く、菌体自体であるいはグルカン合成酵
素(グルコシルトランスフェラーゼ:GTaseと略す)等で
免疫することにより得られたものを用いているが、う蝕
を予防するには、これらの抗体では充分な効果が得られ
ず、かつ実用的ではなかった。
体は、前記の如く、菌体自体であるいはグルカン合成酵
素(グルコシルトランスフェラーゼ:GTaseと略す)等で
免疫することにより得られたものを用いているが、う蝕
を予防するには、これらの抗体では充分な効果が得られ
ず、かつ実用的ではなかった。
即ち、菌体自体のみでの免疫では、むし歯の約70%は
血清型cにより発生し、残りは他の血清型によることが
知られているので(小児歯科学雑誌、第26巻、3号、56
1ページ、1988年)、充分な予防効果を達成するには、
各種血清型に対する特異的抗体を各々調製するか、各種
血清型の菌体混合物で免疫する必要がある。しかし、こ
の方法では各種血清型菌体混合抗原の調製が煩雑であ
り、また混合菌体による免疫においては、免疫動物へ接
種する総菌体抗原量中に占めるそれぞれの血清型の菌体
抗原量が実質的に希釈される為、それぞれの血清型に特
異的な抗体が効率的に産生され難い。また、S.mutans菌
の全菌体を抗原として得られる特異的抗体は、哺乳類の
心筋との交差性を有するとの報告もあり(J.J.Ferrett
i,et al,Infect.Immun.30:69−73,1980)、実用性の面
から種々の問題が指摘されている。
血清型cにより発生し、残りは他の血清型によることが
知られているので(小児歯科学雑誌、第26巻、3号、56
1ページ、1988年)、充分な予防効果を達成するには、
各種血清型に対する特異的抗体を各々調製するか、各種
血清型の菌体混合物で免疫する必要がある。しかし、こ
の方法では各種血清型菌体混合抗原の調製が煩雑であ
り、また混合菌体による免疫においては、免疫動物へ接
種する総菌体抗原量中に占めるそれぞれの血清型の菌体
抗原量が実質的に希釈される為、それぞれの血清型に特
異的な抗体が効率的に産生され難い。また、S.mutans菌
の全菌体を抗原として得られる特異的抗体は、哺乳類の
心筋との交差性を有するとの報告もあり(J.J.Ferrett
i,et al,Infect.Immun.30:69−73,1980)、実用性の面
から種々の問題が指摘されている。
S.mutansの血清型抗原の特異性は、菌体細胞壁の多糖
成分の免疫学的な特異性の差によるとされており、a,d,
g,h型間、c,e,f型間では、交差反応性がみられることが
多いとの報告もなされているが(う蝕と歯周病−研究の
進歩vol.3:p69,1985年)、菌体成分から両型間に及ぶ広
範囲な交差反応性を有する共通抗原は見出されていな
い。一方、GTase等で免疫する方法については、抗原と
してのGTaseの精製が容易でなく、例えば、50lの培地か
らわずか数10mg程度しか精製できないこと(う蝕と歯周
病−研究の進歩vol.1:p60,1982年)、またGTaseにはそ
の血清型により、c/e/f型とa/d/g型に大別されるが(う
蝕と歯周病−研究の進歩vol.3:p134,1985年)、充分な
予防効果を達成するには少なくともこれら2種のGTase
の精製が必要となり、量産性やコスト面などからも実用
性に問題が指摘されている。
成分の免疫学的な特異性の差によるとされており、a,d,
g,h型間、c,e,f型間では、交差反応性がみられることが
多いとの報告もなされているが(う蝕と歯周病−研究の
進歩vol.3:p69,1985年)、菌体成分から両型間に及ぶ広
範囲な交差反応性を有する共通抗原は見出されていな
い。一方、GTase等で免疫する方法については、抗原と
してのGTaseの精製が容易でなく、例えば、50lの培地か
らわずか数10mg程度しか精製できないこと(う蝕と歯周
病−研究の進歩vol.1:p60,1982年)、またGTaseにはそ
の血清型により、c/e/f型とa/d/g型に大別されるが(う
蝕と歯周病−研究の進歩vol.3:p134,1985年)、充分な
予防効果を達成するには少なくともこれら2種のGTase
の精製が必要となり、量産性やコスト面などからも実用
性に問題が指摘されている。
このように従来のS.mutansに対する特異的抗体を用い
たう蝕の予防には、多くの欠点がみられ、これらを改良
することが、当該技術分野で強く要請され、これまで種
々の試みがなされているが、未だ実用上総合的に満足す
るものは見出されていない。
たう蝕の予防には、多くの欠点がみられ、これらを改良
することが、当該技術分野で強く要請され、これまで種
々の試みがなされているが、未だ実用上総合的に満足す
るものは見出されていない。
本発明の目的は、まさにこの点にあり、かかる問題点
を克服した抗体として、S.mutansの血清型をこえて広範
囲に交差反応性を有する抗体を提供することにある。
を克服した抗体として、S.mutansの血清型をこえて広範
囲に交差反応性を有する抗体を提供することにある。
本発明の他の目的は、その抗体を有効成分として含有
するう蝕予防組成物を提供することにある。
するう蝕予防組成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく種々研究を重ね
た結果、スクロースの存在下で培養したS.mutansが分泌
する非水溶性グルカン複合物質あるいは、S.mutansの培
養上清にスクロースを添加し、得られる非水溶性グルカ
ン複合物質を主要抗原の1つとして含有する抗原標品を
用いて鶏を免疫し、その鶏が産生した卵から得た抗体に
血清型をこえて広範囲な交差反応性がみられることを見
出し、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
た結果、スクロースの存在下で培養したS.mutansが分泌
する非水溶性グルカン複合物質あるいは、S.mutansの培
養上清にスクロースを添加し、得られる非水溶性グルカ
ン複合物質を主要抗原の1つとして含有する抗原標品を
用いて鶏を免疫し、その鶏が産生した卵から得た抗体に
血清型をこえて広範囲な交差反応性がみられることを見
出し、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は血清型がa,c,d,e,f,g及びhのS.mutan
sに対して交差反応性を有する抗体及びその抗体を有効
成分とするう蝕予防組成物に関する。
sに対して交差反応性を有する抗体及びその抗体を有効
成分とするう蝕予防組成物に関する。
本発明における抗原は、スクロースの存在下でS.muta
nsを培養することにより調整される。あるいは、S.muta
nsの培養上清にスクロースを添加することによっても得
られる。
nsを培養することにより調整される。あるいは、S.muta
nsの培養上清にスクロースを添加することによっても得
られる。
培地としては、通常、BHI培地(Brain Heart Infusio
n)、TTY培地(Trypticase、Tryptose、Teast extract
の複合培地)等、S.mutansの増殖に用いられる培地であ
ればよく、好ましくはBHI培地が用いられる。
n)、TTY培地(Trypticase、Tryptose、Teast extract
の複合培地)等、S.mutansの増殖に用いられる培地であ
ればよく、好ましくはBHI培地が用いられる。
抗原の調製は、上記培地にスクロースを添加しS.muta
nsを培養するか、あるいは、上記培地でS.mutansを培養
した後、遠心分離等により菌体を除去し、その培養上清
にスクロースを添加し調製される。
nsを培養するか、あるいは、上記培地でS.mutansを培養
した後、遠心分離等により菌体を除去し、その培養上清
にスクロースを添加し調製される。
スクロースの添加量は、非水溶性グルカンの充分量が
産生される程度であれば良く、通常0.5〜10%であり、
3〜7%が特に好ましい。
産生される程度であれば良く、通常0.5〜10%であり、
3〜7%が特に好ましい。
培養温度は、菌体の増殖が得られ、かつ非水溶性グル
カンの産生に適した範囲内であれば良く、通常37℃程度
とするとよい。培養時間は、培養温度、培地の種類等の
培養条件によっても異なるが、非水溶性グルカンの充分
量が産生されるに適した時間を選択して決定すれば良
く、通常24〜72時間程度とすれば良い。
カンの産生に適した範囲内であれば良く、通常37℃程度
とするとよい。培養時間は、培養温度、培地の種類等の
培養条件によっても異なるが、非水溶性グルカンの充分
量が産生されるに適した時間を選択して決定すれば良
く、通常24〜72時間程度とすれば良い。
ここで用いるS.mutansは、いずれの血清型でもよい
が、c型菌又はg型菌、あるいは、両者の混合菌を用い
るのが好ましい。c型菌としては、S.mutansMT8148株、
Ingbritt株、10449株、JC−2株等、g型菌としては、
S.mutans MT3791株、OMZ65株、6715株等の公知で容易に
入手できる菌を用いることができる。
が、c型菌又はg型菌、あるいは、両者の混合菌を用い
るのが好ましい。c型菌としては、S.mutansMT8148株、
Ingbritt株、10449株、JC−2株等、g型菌としては、
S.mutans MT3791株、OMZ65株、6715株等の公知で容易に
入手できる菌を用いることができる。
S.mutansの培養後は、培養液を加熱処理するか、ある
いは培養液にホルマリンを加え、菌体の不活性処理を行
い、遠心分離と、生理食塩水による洗浄後、ホモミキサ
ーにより均質化した抗原標品を調製することができる。
あるいは、S.mutans培養上清にスクロースを添加し、37
℃で放置し、培養上清中に含まれる非水溶性グルカン合
成酵素を利用し、スクロースから非水溶性グルカンを生
成させ、生じる不溶物を遠心分離で集め、生理食塩水で
洗浄した後ホモミキサーにより均質化した抗原標品を調
製することができる。調製後は、免疫まで凍結保存ある
いは凍結乾燥して保存すると良い。
いは培養液にホルマリンを加え、菌体の不活性処理を行
い、遠心分離と、生理食塩水による洗浄後、ホモミキサ
ーにより均質化した抗原標品を調製することができる。
あるいは、S.mutans培養上清にスクロースを添加し、37
℃で放置し、培養上清中に含まれる非水溶性グルカン合
成酵素を利用し、スクロースから非水溶性グルカンを生
成させ、生じる不溶物を遠心分離で集め、生理食塩水で
洗浄した後ホモミキサーにより均質化した抗原標品を調
製することができる。調製後は、免疫まで凍結保存ある
いは凍結乾燥して保存すると良い。
以上の操作で得られた抗原標品には、多量の非水溶性
グルカンを中心として、GT−ase、非水溶性グルカンとG
Taseの結合物、場合によっては菌体成分等(以下、非水
溶性グルカン複合物質と略す)が含まれている。抗原標
品中の非水溶性グルカンを糖含量として検出したとき、
乾物重量当り通常10〜20%であり(フェノール硫酸法で
測定)、スクロースを添加しない通常の培地で同様の条
件により培養して得られた抗原標品では、せいぜい3〜
5%であるのと大いに異なる。
グルカンを中心として、GT−ase、非水溶性グルカンとG
Taseの結合物、場合によっては菌体成分等(以下、非水
溶性グルカン複合物質と略す)が含まれている。抗原標
品中の非水溶性グルカンを糖含量として検出したとき、
乾物重量当り通常10〜20%であり(フェノール硫酸法で
測定)、スクロースを添加しない通常の培地で同様の条
件により培養して得られた抗原標品では、せいぜい3〜
5%であるのと大いに異なる。
即ち、本発明の抗体を得るための抗原標品としては、
スクロースの存在下でS.mutansを培養することにより、
あるいは、S.mutans培養上清にスクロースを添加するこ
とにより、非水溶性グルカンを中心とする非水溶性グル
カン複合物質を多量に含有することに特徴を有するもの
である。
スクロースの存在下でS.mutansを培養することにより、
あるいは、S.mutans培養上清にスクロースを添加するこ
とにより、非水溶性グルカンを中心とする非水溶性グル
カン複合物質を多量に含有することに特徴を有するもの
である。
次に、本発明の抗体の調製方法について詳述する。
本発明の抗体は、前記の非水溶性グルカン複合物質を
多量に含有する抗原標品で動物を免疫することによって
得られる。例えば、牛などの哺乳動物に免疫し、乳やそ
の抗血清からの調製や、鶏に免疫し、その卵からの調製
などが挙げられるが、量産性、生産コスト、安全性等の
観点から、鶏に免疫するのが特に好ましい。
多量に含有する抗原標品で動物を免疫することによって
得られる。例えば、牛などの哺乳動物に免疫し、乳やそ
の抗血清からの調製や、鶏に免疫し、その卵からの調製
などが挙げられるが、量産性、生産コスト、安全性等の
観点から、鶏に免疫するのが特に好ましい。
免疫される鶏としては、特に制限はないが、抗体の量
産性などの点からは、白色レグホン系、ロードアイラン
ドレッド系、横斑プリマスロック系、ニューハンプシャ
ー系等の卵用種を用いるのが特に好ましい。
産性などの点からは、白色レグホン系、ロードアイラン
ドレッド系、横斑プリマスロック系、ニューハンプシャ
ー系等の卵用種を用いるのが特に好ましい。
免疫方法としては、皮下注射、筋肉注射、腹腔内投与
等、鶏などの動物を免疫することのできる方法であれば
特に制限はない。
等、鶏などの動物を免疫することのできる方法であれば
特に制限はない。
抗原の投与量は所望の抗体価が得られ、かつ鶏などの
動物に対して悪影響を与えない程度の量を適宜選択すれ
ばよい。
動物に対して悪影響を与えない程度の量を適宜選択すれ
ばよい。
通常、初回免疫後、毎週1回で3〜5回程度くり返し
投与すると、本発明の抗原に特異的に反応する抗体が鶏
卵中等に得られる。
投与すると、本発明の抗原に特異的に反応する抗体が鶏
卵中等に得られる。
その後、抗体価の維持を目的として1〜4月毎に追加
免疫すると良い。
免疫すると良い。
また、必要に応じてFCA(フロイント完全アジュバン
ト)、FIA(フロイント不完全アジュバント)等のアジ
ュバントを併用して免疫しても良い。
ト)、FIA(フロイント不完全アジュバント)等のアジ
ュバントを併用して免疫しても良い。
このようにして通常、初回免疫から1カ月以上経過す
ると、鶏卵中等から十分な抗体価を有する抗体を調製す
ることができる。
ると、鶏卵中等から十分な抗体価を有する抗体を調製す
ることができる。
鶏卵中等の特異的抗体価は、酵素免疫吸着法(ELIS
A)、ラジオイムノアッセイ,マイクロタイター法等を
用いて測定をすることができ、免疫後に2週程度の間隔
で抗体価を測定することにより抗体価の推移を追跡する
ことができる。
A)、ラジオイムノアッセイ,マイクロタイター法等を
用いて測定をすることができ、免疫後に2週程度の間隔
で抗体価を測定することにより抗体価の推移を追跡する
ことができる。
後述の実施例においては、マイクロタイター法による
凝集抗体価の推移を追跡し、抗体価が充分に上昇した段
階(320以上)の卵を採取して、本発明の抗体を調製し
た。
凝集抗体価の推移を追跡し、抗体価が充分に上昇した段
階(320以上)の卵を採取して、本発明の抗体を調製し
た。
本発明の抗体は、前記のようにして免疫した鶏の卵黄
等に含まれる免疫グロブリンを抽出し、分離することに
よって得ることができる。
等に含まれる免疫グロブリンを抽出し、分離することに
よって得ることができる。
この抽出、分離方法としては、例えば、デキストラン
硫酸やポリエチレングリコール(PEG),寒天,カラギ
ナン,ファーセレラン,ペクチン,キサンタンガム,ア
ルギン酸,アルギン酸塩,アルギン酸誘導体等を用いて
リポタンパク質を沈澱させ、その上清から分離、精製す
る方法(Journal of Immunological Methods,46,63−6
8,1981/Immunological Communication,9(5),475−49
3,1980/特開昭63−215699号/特開昭64−38098号)や、
プロパノール,クロロホルム等を用いた抽出法など通
常、免疫グロブリンの抽出、分離に用いられる公知の種
々の方法が用いられるが、本願発明の抗体の利用分野を
考慮して、例えば食品分野等での利用の場合は、カラギ
ナン、キサンタンガム、ペクチン等の食品天然添加物と
して認められているものを用いるのが人体への安全性の
見地からは好ましい。
硫酸やポリエチレングリコール(PEG),寒天,カラギ
ナン,ファーセレラン,ペクチン,キサンタンガム,ア
ルギン酸,アルギン酸塩,アルギン酸誘導体等を用いて
リポタンパク質を沈澱させ、その上清から分離、精製す
る方法(Journal of Immunological Methods,46,63−6
8,1981/Immunological Communication,9(5),475−49
3,1980/特開昭63−215699号/特開昭64−38098号)や、
プロパノール,クロロホルム等を用いた抽出法など通
常、免疫グロブリンの抽出、分離に用いられる公知の種
々の方法が用いられるが、本願発明の抗体の利用分野を
考慮して、例えば食品分野等での利用の場合は、カラギ
ナン、キサンタンガム、ペクチン等の食品天然添加物と
して認められているものを用いるのが人体への安全性の
見地からは好ましい。
本発明の抗体は、例えば前記のようにして免疫した鶏
の卵より、卵黄を分離し、卵黄液を粉末化した卵黄粉末
として、また卵黄液をカラギナン等を用いて卵黄リポタ
ンパク質を除去した卵黄水溶性タンパク質を粉末化した
卵黄水溶性タンパク質粉末として、あるいは、卵黄水溶
性タンパク質をイオン交換クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィ
ー、ゲル濾過、硫酸ナトリウム塩析、塩酸アンモニウム
塩析等の公知のタンパク質精製方法により精製された精
製鶏卵抗体として等、各種の形態で調製される。
の卵より、卵黄を分離し、卵黄液を粉末化した卵黄粉末
として、また卵黄液をカラギナン等を用いて卵黄リポタ
ンパク質を除去した卵黄水溶性タンパク質を粉末化した
卵黄水溶性タンパク質粉末として、あるいは、卵黄水溶
性タンパク質をイオン交換クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィ
ー、ゲル濾過、硫酸ナトリウム塩析、塩酸アンモニウム
塩析等の公知のタンパク質精製方法により精製された精
製鶏卵抗体として等、各種の形態で調製される。
このようにして得られた各種調製サンプルの鶏卵抗体
の純度は、粉末重量に対する鶏卵抗体重量で算出する
と、卵黄粉末の形態では、通常鶏卵抗体が1〜2%、卵
黄水溶性タンパク質粉末の形態では、通常8〜12%、精
製鶏卵抗体の形態では通常95%以上である。
の純度は、粉末重量に対する鶏卵抗体重量で算出する
と、卵黄粉末の形態では、通常鶏卵抗体が1〜2%、卵
黄水溶性タンパク質粉末の形態では、通常8〜12%、精
製鶏卵抗体の形態では通常95%以上である。
[作用・効果] 本発明の抗体は、S.mutansに対して免疫活性を有する
が、各種の血清型をこえて広範囲に交差反応性を有する
ことに特徴がある。
が、各種の血清型をこえて広範囲に交差反応性を有する
ことに特徴がある。
即ち、S.mutansには前記の如く、a〜hまでの8種類
の血清型が存在することが知られているが、後述の試験
例で示すように、例えば、S.mutansMT8148(血清型c)
に対する鶏卵抗体は、スクロース非存在下で培養したS.
mutansに対する鶏卵抗体の場合には、スクロース存在下
で培養した各種血清型に対し、主としてa,e,f間でのみ
交差性を示すのに止まるのに対し、本発明の抗体は、b
型を除く全ての血清型に対して強い交差性を示すもので
ある。このことは、本発明の抗体は、非水溶性グルカン
複合物質に対する抗体を多く含んでいることを示してい
る。
の血清型が存在することが知られているが、後述の試験
例で示すように、例えば、S.mutansMT8148(血清型c)
に対する鶏卵抗体は、スクロース非存在下で培養したS.
mutansに対する鶏卵抗体の場合には、スクロース存在下
で培養した各種血清型に対し、主としてa,e,f間でのみ
交差性を示すのに止まるのに対し、本発明の抗体は、b
型を除く全ての血清型に対して強い交差性を示すもので
ある。このことは、本発明の抗体は、非水溶性グルカン
複合物質に対する抗体を多く含んでいることを示してい
る。
常にスクロースが存在する口腔内において、各種血清
型のS.mutansは、菌体表面に非水溶性グルカンを生成し
ていると考えられているが、本発明の抗体は口腔内にお
いて、むし歯の原因となり得るS.mutansに対し広範囲に
免疫活性を有しているので、該抗体を口腔内に投与する
ことにより殆んどのS.mutansの口腔内での活動を効率的
に制御し、う蝕を予防することができる。う蝕の原因菌
としては、c/e/f系とa/d/g系の2群に分けられるが、血
清型cと血清型gを用いたラットう蝕感染実験では、後
述の試験例で示すように、現に本発明の抗体は血清型群
をこえて予防効果を発揮している。このような知見は、
従来からの公知の抗体では得られなかったものであり、
本発明において初めて達成された特有な効果である。
型のS.mutansは、菌体表面に非水溶性グルカンを生成し
ていると考えられているが、本発明の抗体は口腔内にお
いて、むし歯の原因となり得るS.mutansに対し広範囲に
免疫活性を有しているので、該抗体を口腔内に投与する
ことにより殆んどのS.mutansの口腔内での活動を効率的
に制御し、う蝕を予防することができる。う蝕の原因菌
としては、c/e/f系とa/d/g系の2群に分けられるが、血
清型cと血清型gを用いたラットう蝕感染実験では、後
述の試験例で示すように、現に本発明の抗体は血清型群
をこえて予防効果を発揮している。このような知見は、
従来からの公知の抗体では得られなかったものであり、
本発明において初めて達成された特有な効果である。
このように、本発明の抗体はポリクローナル抗体では
あるが、その主要成分は非水溶性グルカンに対する抗体
と考えられる。従って、S.mutans菌体を過免疫した時に
得られる抗体が、哺乳類の心筋と交差性を有するという
欠点を、本発明による抗体においては解消できるもので
ある。
あるが、その主要成分は非水溶性グルカンに対する抗体
と考えられる。従って、S.mutans菌体を過免疫した時に
得られる抗体が、哺乳類の心筋と交差性を有するという
欠点を、本発明による抗体においては解消できるもので
ある。
本発明の抗体を有効成分として含有するう蝕予防組成
物としては、その口腔への投与形態に応じて種々の形に
調製される。
物としては、その口腔への投与形態に応じて種々の形に
調製される。
即ち、本発明のう蝕予防組成物としては、練り歯磨
き、粉歯磨き、液状歯磨き等の歯磨き類、マウスウォッ
シュ、口腔内パスタ、歯肉マッサージクリーム、うがい
用錠剤、トローチ、チューインガム、缶飲料等の口腔内
材料だけではなく、チョコレート、あめ、ヨーグルト、
チーズ、アイスクリーム、調製牛乳、ベビーフード等の
食品にも適用されるものである。本発明の抗体のう蝕予
防組成物への配合量は、その投与形態に応じた投与量に
従って適宜選択すれば良く、例えば、凝集抗体価320以
上の抗体価を有する抗体を、鶏卵抗体として通常0.025
〜0.25重量%、好ましくは0.05重量%以上とするのがよ
い。
き、粉歯磨き、液状歯磨き等の歯磨き類、マウスウォッ
シュ、口腔内パスタ、歯肉マッサージクリーム、うがい
用錠剤、トローチ、チューインガム、缶飲料等の口腔内
材料だけではなく、チョコレート、あめ、ヨーグルト、
チーズ、アイスクリーム、調製牛乳、ベビーフード等の
食品にも適用されるものである。本発明の抗体のう蝕予
防組成物への配合量は、その投与形態に応じた投与量に
従って適宜選択すれば良く、例えば、凝集抗体価320以
上の抗体価を有する抗体を、鶏卵抗体として通常0.025
〜0.25重量%、好ましくは0.05重量%以上とするのがよ
い。
尚、本発明のう蝕予防組成物の他の成分としては、使
用目的、使用形態等に応じた適当な成分が用いられる。
例えば、練り歯磨きの場合では、炭酸カルシウム,燐酸
水素カルシウム,ピロリン酸カルシウム,不溶性メタリ
ン酸ソーダ,水化アルミナ,無水ケイ酸等の研磨剤、グ
リセリン,ソルビット,プロピレングリコール等の保湿
剤、ラウリン硫酸ナトリウム,ラウロイルサルコシンナ
トリウム,石鹸末等の発泡剤、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム,カラギーナン等のバインダー、さらに
適当なる香料成分、甘味剤、保存剤及び着色剤等の成分
を水と混合し、常法に従って製造する。又、マウスウォ
ッシュ等の口腔洗浄剤その他においても、製品の性状に
応じた成分が適宜配合される。また、食品の場合は、食
品添加物である調味料、酸味料、甘味料、着色料、着香
料、強化剤、膨張剤、保存剤、酸化防止剤、糊料、安定
剤、乳化剤、チューインガム基礎剤等、及び食品加工用
天然物である調味料、甘味料、酸味料、塩味料、苦味
料、着色料、着香料、香辛料、酸化防止剤、油脂、高級
脂肪酸、樹脂、蝋、増粘剤、結着剤、安定剤、酵素、乳
製品、アミノ酸、栄養強化剤、気泡剤、穀粉、混濁剤、
でんぷん、精製タンパク質、乳化剤、微生物製剤、被覆
剤、賦形剤、倍散剤、等が適宜配合される。尚、本発明
においては、歯牙着色除去剤,口臭予防剤,フッ素等の
虫歯予防剤,抗酵素予防剤等の種々の薬効成分を配合す
ることも可能である。
用目的、使用形態等に応じた適当な成分が用いられる。
例えば、練り歯磨きの場合では、炭酸カルシウム,燐酸
水素カルシウム,ピロリン酸カルシウム,不溶性メタリ
ン酸ソーダ,水化アルミナ,無水ケイ酸等の研磨剤、グ
リセリン,ソルビット,プロピレングリコール等の保湿
剤、ラウリン硫酸ナトリウム,ラウロイルサルコシンナ
トリウム,石鹸末等の発泡剤、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム,カラギーナン等のバインダー、さらに
適当なる香料成分、甘味剤、保存剤及び着色剤等の成分
を水と混合し、常法に従って製造する。又、マウスウォ
ッシュ等の口腔洗浄剤その他においても、製品の性状に
応じた成分が適宜配合される。また、食品の場合は、食
品添加物である調味料、酸味料、甘味料、着色料、着香
料、強化剤、膨張剤、保存剤、酸化防止剤、糊料、安定
剤、乳化剤、チューインガム基礎剤等、及び食品加工用
天然物である調味料、甘味料、酸味料、塩味料、苦味
料、着色料、着香料、香辛料、酸化防止剤、油脂、高級
脂肪酸、樹脂、蝋、増粘剤、結着剤、安定剤、酵素、乳
製品、アミノ酸、栄養強化剤、気泡剤、穀粉、混濁剤、
でんぷん、精製タンパク質、乳化剤、微生物製剤、被覆
剤、賦形剤、倍散剤、等が適宜配合される。尚、本発明
においては、歯牙着色除去剤,口臭予防剤,フッ素等の
虫歯予防剤,抗酵素予防剤等の種々の薬効成分を配合す
ることも可能である。
以下、実施例、試験例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものでは
ない。
明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものでは
ない。
実施例1 抗原の調製及び産卵鶏への免疫: (a)抗原の調製 S.mutans MT8148(血清型c)をBHI培地及び5%(w/
v)スクロース添加BHI培地で37℃,48時間静置培養し
た。それぞれの培養液に、0.5%(v/v)となるようホル
マリンを加え、37℃,24時間放置し菌体の不活化処理を
行った。次いで、菌体を3,000×g,10分間の遠心分離で
集め、生理食塩水で3回洗浄した。菌体を生理食塩水に
分散させた後、ホモミキサー(ヒスコトロン)で均質化
し、660nmにおける吸光度を8.0に調製した。
v)スクロース添加BHI培地で37℃,48時間静置培養し
た。それぞれの培養液に、0.5%(v/v)となるようホル
マリンを加え、37℃,24時間放置し菌体の不活化処理を
行った。次いで、菌体を3,000×g,10分間の遠心分離で
集め、生理食塩水で3回洗浄した。菌体を生理食塩水に
分散させた後、ホモミキサー(ヒスコトロン)で均質化
し、660nmにおける吸光度を8.0に調製した。
BHI培地で培養した抗原をS.mutans抗原、スクロース
添加BHI培地で培養した抗原をS.mutans(sucrose)抗原
として免疫まで凍結保存した。
添加BHI培地で培養した抗原をS.mutans(sucrose)抗原
として免疫まで凍結保存した。
S.mutans抗原とS.mutans(sucrose)抗原中の糖含量
をフェノール硫酸法により測定した結果、乾物重量当た
りのグリコース換算で、前者は4.5%、後者は15.3%で
あった。
をフェノール硫酸法により測定した結果、乾物重量当た
りのグリコース換算で、前者は4.5%、後者は15.3%で
あった。
(b)産卵鶏への免疫 産卵鶏(ダイヤクロスB34)をA群、B群の2群に分
けた(各群50羽づつ)。A群にはS.mutans抗原を、B群
にはS.mutans(sucrose)抗原を用い、1羽あたり1mlの
抗原を筋肉注射することにより免疫を行った。免疫は毎
週1回、合計5回くり返した後、抗体価の維持を目的と
して、2ケ月毎に1回の免疫を行った。
けた(各群50羽づつ)。A群にはS.mutans抗原を、B群
にはS.mutans(sucrose)抗原を用い、1羽あたり1mlの
抗原を筋肉注射することにより免疫を行った。免疫は毎
週1回、合計5回くり返した後、抗体価の維持を目的と
して、2ケ月毎に1回の免疫を行った。
実施例2 鶏卵中の特異的抗体価の測定: 鶏卵中の特異的抗体価は、マイクロタイター法による
凝集抗体を測定した。
凝集抗体を測定した。
2週毎に集めた鶏卵より卵黄を分離し、ホモミキサー
を用いて均質化した。卵黄液1gとλ−カラギナン水溶液
(0.1%w/v)9mlを混合し、室温で30分間放置後、1,000
×g,10分間の遠心分離を行い、卵黄リポタンパク質を沈
澱として分離した。上清液を卵黄10倍希釈相当の水溶性
タンパク質画分として、生理的リン酸バッファー,pH7.4
(以下PBSという)で2n倍希釈列を調製し、それぞれの5
0μlと抗原液50μlマイクロプレート中に混合した。3
7℃,2時間インキュベートした後、5℃,24時間後におけ
る凝集の有無を調べた。マイクロタイター法で用いた抗
原液は免疫に用いた抗原を、PBSで8倍希釈(A660nmに
おける吸光度1.0)したものを用いた。
を用いて均質化した。卵黄液1gとλ−カラギナン水溶液
(0.1%w/v)9mlを混合し、室温で30分間放置後、1,000
×g,10分間の遠心分離を行い、卵黄リポタンパク質を沈
澱として分離した。上清液を卵黄10倍希釈相当の水溶性
タンパク質画分として、生理的リン酸バッファー,pH7.4
(以下PBSという)で2n倍希釈列を調製し、それぞれの5
0μlと抗原液50μlマイクロプレート中に混合した。3
7℃,2時間インキュベートした後、5℃,24時間後におけ
る凝集の有無を調べた。マイクロタイター法で用いた抗
原液は免疫に用いた抗原を、PBSで8倍希釈(A660nmに
おける吸光度1.0)したものを用いた。
凝集抗体価は、凝集の見られるサンプルの最大希釈倍
率の逆数で示した。
率の逆数で示した。
表1に、鶏卵中特異的抗体価の推移を示す。
実施例3 鶏卵抗体の調製: (a)卵黄粉末の調製 凝集抗体価で320以上に上昇したA群及びB群の鶏卵
より、卵黄を分離し、ホモミキサーで均質化した。それ
ぞれの卵黄液を63℃,3分間の条件で殺菌を行った後、ス
プレードライヤーでそれぞれの卵黄粉末を調製した。
より、卵黄を分離し、ホモミキサーで均質化した。それ
ぞれの卵黄液を63℃,3分間の条件で殺菌を行った後、ス
プレードライヤーでそれぞれの卵黄粉末を調製した。
スプレードライヤーの条件は、送風温度145℃,排風
温度85℃で行った。A群より得られた卵黄粉末を抗S.mu
tans卵黄粉末、B群より得られた卵黄粉末を抗S.mutans
(sucrose)卵黄粉末とした。
温度85℃で行った。A群より得られた卵黄粉末を抗S.mu
tans卵黄粉末、B群より得られた卵黄粉末を抗S.mutans
(sucrose)卵黄粉末とした。
(b)卵黄水溶性タンパク質粉末の調製 凝集抗体価で320以上に上昇したA群及びB群の鶏卵
より卵黄を分離し、ホモミキサーで均質化した。それぞ
れの卵黄液を63℃,3分間の条件で殺菌した。この卵黄液
に5倍量のλ−カラギナン水溶液を混合した(λ−カラ
ギナン最終濃度0.1%w/v)。この液を室温で30分間放置
した後、遠心分離(10,000×g,10分間)で卵黄リポタン
パク質を、沈澱として分離した。上清をろ紙(アドバン
ティック東洋.No.2ペーパーフィルター)で濾過した。
濾液(卵黄水溶性タンパク質画分)を分画分子量30,000
の限外濾過膜を用い、10倍に濃縮した後、凍結乾燥し、
卵黄水溶性タンパク質粉末を得た。A群より抗S.mutans
卵黄水溶性タンパク質粉末が、B群より抗S.mutans(su
crose)卵黄水溶性タンパク質粉末が得られた。
より卵黄を分離し、ホモミキサーで均質化した。それぞ
れの卵黄液を63℃,3分間の条件で殺菌した。この卵黄液
に5倍量のλ−カラギナン水溶液を混合した(λ−カラ
ギナン最終濃度0.1%w/v)。この液を室温で30分間放置
した後、遠心分離(10,000×g,10分間)で卵黄リポタン
パク質を、沈澱として分離した。上清をろ紙(アドバン
ティック東洋.No.2ペーパーフィルター)で濾過した。
濾液(卵黄水溶性タンパク質画分)を分画分子量30,000
の限外濾過膜を用い、10倍に濃縮した後、凍結乾燥し、
卵黄水溶性タンパク質粉末を得た。A群より抗S.mutans
卵黄水溶性タンパク質粉末が、B群より抗S.mutans(su
crose)卵黄水溶性タンパク質粉末が得られた。
また、市販の鶏卵についても同様の操作で、コントロ
ール卵黄水溶性タンパク質粉末を得た。
ール卵黄水溶性タンパク質粉末を得た。
(c)精製鶏卵抗体の調製 卵黄水溶性タンパク質粉末の調製工程で得られる、卵
黄水溶性タンパク質画分へ10mM濃度となる様、リン酸2
ナトリウムを溶解し、3N塩酸を滴下しpH8.0とした。
黄水溶性タンパク質画分へ10mM濃度となる様、リン酸2
ナトリウムを溶解し、3N塩酸を滴下しpH8.0とした。
あらかじめ10mMのリン酸バッファー(以下PBという)
pH8.0で平衡化した陰イオン交換体(DEAE−セファセ
ル:ファルマシア社製)カラムへ、pH8.0に調製され
た、卵黄水溶性タンパク質溶液をアプライし、非吸着成
分を、平衡化バッファーで洗浄した後、100mMPB pH8.0
で吸着成分を溶出した。溶出液に対し、最終濃度15%
(w/v)となるよう、硫酸ナトリウムを加え、室温で30
分間撹拌した後、10,000×g,10分間の遠心分離で塩析物
を集めた。塩析物を10mM PB pH8.0に溶解し、同様の塩
析操作をさらに2回くり返した。最終的に得られた塩析
物を10mM PB pH8.0に溶解し、10mM PB pH8.0に対し充分
透析後、凍結乾燥することにより、精製鶏卵抗体を得
た。得られた精製鶏卵抗体は、ゲル濾過でシングルピー
クであり、また、SDS−電気泳動による純度検定におい
ても精製鶏卵抗体のH鎖、L鎖の2本のバンドのみが検
出された。
pH8.0で平衡化した陰イオン交換体(DEAE−セファセ
ル:ファルマシア社製)カラムへ、pH8.0に調製され
た、卵黄水溶性タンパク質溶液をアプライし、非吸着成
分を、平衡化バッファーで洗浄した後、100mMPB pH8.0
で吸着成分を溶出した。溶出液に対し、最終濃度15%
(w/v)となるよう、硫酸ナトリウムを加え、室温で30
分間撹拌した後、10,000×g,10分間の遠心分離で塩析物
を集めた。塩析物を10mM PB pH8.0に溶解し、同様の塩
析操作をさらに2回くり返した。最終的に得られた塩析
物を10mM PB pH8.0に溶解し、10mM PB pH8.0に対し充分
透析後、凍結乾燥することにより、精製鶏卵抗体を得
た。得られた精製鶏卵抗体は、ゲル濾過でシングルピー
クであり、また、SDS−電気泳動による純度検定におい
ても精製鶏卵抗体のH鎖、L鎖の2本のバンドのみが検
出された。
A群の鶏卵より抗S.mutans精製鶏卵抗体が、またB群
の鶏卵より抗S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗体が得ら
れ、市販の鶏卵より同様にコントロール精製鶏卵抗体が
得られた。
の鶏卵より抗S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗体が得ら
れ、市販の鶏卵より同様にコントロール精製鶏卵抗体が
得られた。
実施例4 各種調製サンプルの純度及び凝集抗体価: (a)各種調製サンプルの純度 ニワトリ血清イムノグロブリンGに対するウサギ抗血
清を5%(v/v)加えた寒天プレートを用い、一元ゲル
内拡散法(SRID法)で各サンプル中の鶏卵抗体量を求め
た。鶏卵抗体の定量には、ニワトリ血清イムノグロブリ
ンG(カッペル社製)を標準タンパク質として用いた。
調製サンプル中の鶏卵抗体の純度は、粉末重量に対する
鶏卵抗体重量で算出した。尚、コントロール卵黄粉末と
しては、市販の卵黄粉末(カナダ.ブルックサイド社製
Lot 090689)を用いた。
清を5%(v/v)加えた寒天プレートを用い、一元ゲル
内拡散法(SRID法)で各サンプル中の鶏卵抗体量を求め
た。鶏卵抗体の定量には、ニワトリ血清イムノグロブリ
ンG(カッペル社製)を標準タンパク質として用いた。
調製サンプル中の鶏卵抗体の純度は、粉末重量に対する
鶏卵抗体重量で算出した。尚、コントロール卵黄粉末と
しては、市販の卵黄粉末(カナダ.ブルックサイド社製
Lot 090689)を用いた。
(b)各種調製サンプルの凝集抗体価 各卵黄粉末、卵黄水溶性タンパク質粉末を、それぞれ
50mg/mlとなる様に、PBS(pH7.4)に溶解した後、ろ紙
(アドバンティック東洋.No.2)で濾過した。濾液につ
いて実施例2の方法に従い、S.mutans抗原及びS.mutans
(sucrose)抗原に対する凝集抗体価を求めた。凝集抗
体価は卵黄液(固形分500mg/ml)と比較できるように、
それぞれ10倍した。精製鶏卵抗体の場合は、5mg/mlとな
る様、PBS(pH7.4)に溶解し、同様に凝集抗体価を求め
た。凝集抗体価は卵黄液(固形分500mg/ml)と比較でき
るように、それぞれ100倍した。
50mg/mlとなる様に、PBS(pH7.4)に溶解した後、ろ紙
(アドバンティック東洋.No.2)で濾過した。濾液につ
いて実施例2の方法に従い、S.mutans抗原及びS.mutans
(sucrose)抗原に対する凝集抗体価を求めた。凝集抗
体価は卵黄液(固形分500mg/ml)と比較できるように、
それぞれ10倍した。精製鶏卵抗体の場合は、5mg/mlとな
る様、PBS(pH7.4)に溶解し、同様に凝集抗体価を求め
た。凝集抗体価は卵黄液(固形分500mg/ml)と比較でき
るように、それぞれ100倍した。
それぞれのサンプルの鶏卵抗体純度及び凝集抗体価を
表2に示す。
表2に示す。
試験例1 精製鶏卵抗体調製サンプルのS.mutans各血清型に対する
交差性試験: S.mutans E49(血清型a)、FAI(b)、MT8148
(c)、MT4502(d)、MT4245(e)、MT4251(f)、
MT4532(g)、及びMFe28(h)をBHI培地及び5%スク
ロース添加BHI培地で培養した。それぞれの菌体をELISA
コーティングバッファー(50mM炭酸バッファーpH9.6)
で3回洗浄した後、菌体を同バッファーに分散させ、ホ
モミキサー(ヒスコトロン)で均質化し、660nmにおけ
る吸光度を1.0に調製した。これを100μl/ウエルで96穴
ELISAプレートに入れ、ELISAプレートをそれぞれの菌体
でコーティングした。
交差性試験: S.mutans E49(血清型a)、FAI(b)、MT8148
(c)、MT4502(d)、MT4245(e)、MT4251(f)、
MT4532(g)、及びMFe28(h)をBHI培地及び5%スク
ロース添加BHI培地で培養した。それぞれの菌体をELISA
コーティングバッファー(50mM炭酸バッファーpH9.6)
で3回洗浄した後、菌体を同バッファーに分散させ、ホ
モミキサー(ヒスコトロン)で均質化し、660nmにおけ
る吸光度を1.0に調製した。これを100μl/ウエルで96穴
ELISAプレートに入れ、ELISAプレートをそれぞれの菌体
でコーティングした。
実施例3で調製した、抗S.mutans精製鶏卵抗体及び抗
S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗体を0.05%(w/v)ツゥ
ィーン20を含むPBS(以下PBS−Tweenという)に溶解
し、各菌体コーティングプレートへ1ウエル当り、500n
g添加した。ウエルをPBS−Tweenで充分洗浄した後、2
次抗体としてアルカリフォスファターゼ結合抗ニワトリ
血清1gGウサギ1gGを用い、p−nitrophenyl phosphate
を基質として各コーティング菌体に結合した鶏卵抗体を
発色させ、405nmにおける吸光度を測定した。その他、
より詳細なエンザイムイムノアッセイの方法について
は、K.M.Gostらの方法に準じた(J.Immunoassay 6:23、
1985)。
S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗体を0.05%(w/v)ツゥ
ィーン20を含むPBS(以下PBS−Tweenという)に溶解
し、各菌体コーティングプレートへ1ウエル当り、500n
g添加した。ウエルをPBS−Tweenで充分洗浄した後、2
次抗体としてアルカリフォスファターゼ結合抗ニワトリ
血清1gGウサギ1gGを用い、p−nitrophenyl phosphate
を基質として各コーティング菌体に結合した鶏卵抗体を
発色させ、405nmにおける吸光度を測定した。その他、
より詳細なエンザイムイムノアッセイの方法について
は、K.M.Gostらの方法に準じた(J.Immunoassay 6:23、
1985)。
本試験に用いた鶏卵抗体の抗原であるS.mutansMT8148
(血清型c)の5%スクロース添加BHI培養菌に対する
発色度(A405nm)を100%として、S.mutans各血清型に
対する発色度を百分率で表わし、表3に示した。
(血清型c)の5%スクロース添加BHI培養菌に対する
発色度(A405nm)を100%として、S.mutans各血清型に
対する発色度を百分率で表わし、表3に示した。
この結果、抗S.mutans精製鶏卵抗体は、スクロース存
在下で培養した各種血清型に対し、主としてc,e,f間で
のみ交差性を示すのに対し、抗S.mutans(sucrose)精
製鶏卵抗体は、b型を除く全ての血清型に対して強い交
差性を示した。
在下で培養した各種血清型に対し、主としてc,e,f間で
のみ交差性を示すのに対し、抗S.mutans(sucrose)精
製鶏卵抗体は、b型を除く全ての血清型に対して強い交
差性を示した。
尚、各血清型のS.mutans菌は大阪大学菌学部・浜田教
授より分与していただいた。
授より分与していただいた。
試験例2 ラットう蝕感染実験(1): JCL.Spraque−Dawleyラットを各群7匹、A〜G群に
分けた。ラットのう蝕発生飼料はスクロース36%,コー
ンスターチ20%を含むダイエット2000(P.H.Keyes,Arch
s oral Biol.,9:377−400、1964)を基本飼料とした。
実施例3で調製した抗S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗
体をダイエット2000基本飼料へ添加し、A〜F群のラッ
トへ与えた。その添加量は、A群0%、B群0.01%、C
群0.025%、D群0.05%、E群、0.1%、F群0.25%と
し、ダイエット2000中のコーンスターチと置きかえた。
尚、G群はコントロール精製鶏卵抗体0.25%添加した飼
料を用いた。
分けた。ラットのう蝕発生飼料はスクロース36%,コー
ンスターチ20%を含むダイエット2000(P.H.Keyes,Arch
s oral Biol.,9:377−400、1964)を基本飼料とした。
実施例3で調製した抗S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗
体をダイエット2000基本飼料へ添加し、A〜F群のラッ
トへ与えた。その添加量は、A群0%、B群0.01%、C
群0.025%、D群0.05%、E群、0.1%、F群0.25%と
し、ダイエット2000中のコーンスターチと置きかえた。
尚、G群はコントロール精製鶏卵抗体0.25%添加した飼
料を用いた。
ラットは生後17日目より3日間、ampicillin、carben
icillinとchloramphenicolを与え、口腔内細菌叢の抑制
を行った。生後20日目より実験を開始し、以後、56日間
各群ラットに上記飼料及び蒸留水を自由摂取させた。感
染は、ストレプトマイシン耐性のS.mutansMT8148(血清
型c)を18時間培養し、その100倍濃縮液を各群ラッチ
口腔に移植することにより行った。
icillinとchloramphenicolを与え、口腔内細菌叢の抑制
を行った。生後20日目より実験を開始し、以後、56日間
各群ラットに上記飼料及び蒸留水を自由摂取させた。感
染は、ストレプトマイシン耐性のS.mutansMT8148(血清
型c)を18時間培養し、その100倍濃縮液を各群ラッチ
口腔に移植することにより行った。
試験開始より4日間、毎日感染させ、5日目にストレ
プトマイシン(200μg/ml)加MS平板培地で移植菌の定
着を確認した。未定着ラットは定着するまで感染をくり
返した。実験開始より56日目にラットを屠殺し、無菌的
に下顎をとり出した。下顎を50mMトリスー塩酸バッファ
ー(pH7.2)中で超音波処理し、歯面の付着細菌をバッ
ファー中に集め、これをストレプトマイシン(500μg/m
l)加MS平板培地で培養し、歯面付着S.mutans菌数を調
べた。また、下顎のカリエススコアーをKeyesらの方法
により算出した(P.H.Keyes、J.Dent.Res.,37:1088−10
99、1958)。結果を表4にまとめる。
プトマイシン(200μg/ml)加MS平板培地で移植菌の定
着を確認した。未定着ラットは定着するまで感染をくり
返した。実験開始より56日目にラットを屠殺し、無菌的
に下顎をとり出した。下顎を50mMトリスー塩酸バッファ
ー(pH7.2)中で超音波処理し、歯面の付着細菌をバッ
ファー中に集め、これをストレプトマイシン(500μg/m
l)加MS平板培地で培養し、歯面付着S.mutans菌数を調
べた。また、下顎のカリエススコアーをKeyesらの方法
により算出した(P.H.Keyes、J.Dent.Res.,37:1088−10
99、1958)。結果を表4にまとめる。
この結果、抗S.mutans(sucrose)精製鶏卵抗体を、
ラットう蝕発生飼料へ0.025%(w/w)以上添加すること
によりう蝕の予防が可能であることが判明した。尚、コ
ントロール精製鶏卵抗体には、う蝕予防効果が見られな
かった。歯面への付着S.mutans菌数についても、抗S.mu
tans(sucrose)精製鶏卵抗体0.025%以上の添加で急激
に減少することにより、抗S.mutans(sucrose)精製鶏
卵抗体はS.mutans菌の歯面への定着を阻害し、結果的に
カリエススコアーの減少すなわち、う蝕の予防効果を有
する。
ラットう蝕発生飼料へ0.025%(w/w)以上添加すること
によりう蝕の予防が可能であることが判明した。尚、コ
ントロール精製鶏卵抗体には、う蝕予防効果が見られな
かった。歯面への付着S.mutans菌数についても、抗S.mu
tans(sucrose)精製鶏卵抗体0.025%以上の添加で急激
に減少することにより、抗S.mutans(sucrose)精製鶏
卵抗体はS.mutans菌の歯面への定着を阻害し、結果的に
カリエススコアーの減少すなわち、う蝕の予防効果を有
する。
試験例3 ラットう蝕感染実験(2): 試験例2で得られた、う蝕の予防に必要な、抗S.muta
ns(sucrose)精製鶏卵抗体の添加量を基準にして表2
中の鶏卵抗体調製サンプルにつき、そのラットう蝕予防
効果を調べた。
ns(sucrose)精製鶏卵抗体の添加量を基準にして表2
中の鶏卵抗体調製サンプルにつき、そのラットう蝕予防
効果を調べた。
尚、表3よりスクロース存在下培養したS.mutans菌で
免疫した鶏の卵より得られる鶏卵抗体は、スクロース存
在下でのS.mutans各血清型に対し、幅広い交差性を示す
ことから、本試験においては、ラットへの感染菌として
S.mutansMT8148(血清型c)及びS.mutans6715(現在は
S.sobrinus6715と呼ばれている。血清型g)を用い、血
清型の異なるそれぞれの感染菌に対する、ラットう蝕予
防効果を調べた。感染実験操作は、試験例2に記載の方
法に従い、本実験では、カリエススコアーのみを比較し
た。
免疫した鶏の卵より得られる鶏卵抗体は、スクロース存
在下でのS.mutans各血清型に対し、幅広い交差性を示す
ことから、本試験においては、ラットへの感染菌として
S.mutansMT8148(血清型c)及びS.mutans6715(現在は
S.sobrinus6715と呼ばれている。血清型g)を用い、血
清型の異なるそれぞれの感染菌に対する、ラットう蝕予
防効果を調べた。感染実験操作は、試験例2に記載の方
法に従い、本実験では、カリエススコアーのみを比較し
た。
表5に、用いた鶏卵抗体、そのラットう蝕発生飼料へ
の添加量及びS.mutans(血清型c及びg)で感染実験を
行った時のそれぞれに対するカリエススコアーを示す。
の添加量及びS.mutans(血清型c及びg)で感染実験を
行った時のそれぞれに対するカリエススコアーを示す。
本試験結果より、スクロース存在下で培養したS.muta
nsMT8148(血清型c)を抗原として産卵鶏を免疫し、そ
の鶏卵より調製される鶏卵抗体を用いると、in vivoの
ラットう蝕発生テストにおいても同じ血清型cのS.muta
nsによるう蝕のみならず、血清型gのS.mutansによるう
蝕をも予防できることが示された。う蝕の発生菌として
は、血清型c/e/f系とa/d/g系の2群に大別される。口腔
内においては、これらS.mutans菌はスクロースを利用
し、その菌体表面に非水溶性グルカンを合成していると
考えられる。おそらく、これらの合成する非水溶性グル
カンの免疫原性は同じである為、非水溶性グルカンに対
する鶏卵抗体を多量に含む、本発明の鶏卵抗体は血清型
をこえて、う蝕発生を予防すると考えられる。
nsMT8148(血清型c)を抗原として産卵鶏を免疫し、そ
の鶏卵より調製される鶏卵抗体を用いると、in vivoの
ラットう蝕発生テストにおいても同じ血清型cのS.muta
nsによるう蝕のみならず、血清型gのS.mutansによるう
蝕をも予防できることが示された。う蝕の発生菌として
は、血清型c/e/f系とa/d/g系の2群に大別される。口腔
内においては、これらS.mutans菌はスクロースを利用
し、その菌体表面に非水溶性グルカンを合成していると
考えられる。おそらく、これらの合成する非水溶性グル
カンの免疫原性は同じである為、非水溶性グルカンに対
する鶏卵抗体を多量に含む、本発明の鶏卵抗体は血清型
をこえて、う蝕発生を予防すると考えられる。
実施例5 う蝕予防組成物の調製: 下記の組成よりなるう蝕予防組成物を、70℃以上をこ
える過度の加熱あるいは酵素分解による抗体の失活がお
こらぬよう、本発明の抗体の添加時期を考慮し、通常の
製造方法により調製する。
える過度の加熱あるいは酵素分解による抗体の失活がお
こらぬよう、本発明の抗体の添加時期を考慮し、通常の
製造方法により調製する。
(1)う蝕予防チョコレートの処方例 (2)う蝕予防アイスクリームの処方例 (3)う蝕予防ヨーグルトの処方例 (4)う蝕予防調製牛乳の処方例
Claims (7)
- 【請求項1】血清型がa,c,d,e,f,g及びhのストレプト
コッカス・ミュータンスに対して、交差反応性を有する
ことを特徴とする抗体。 - 【請求項2】予め抗原で免疫された鶏が産生した卵から
調製される請求項(1)記載の抗体。 - 【請求項3】抗原がストレプトコッカス・ミュータンス
をスクロースの存在下で培養することにより得られる非
水溶性グルカン複合物質を、主要抗原物質として含有す
るものである請求項(1)又は(2)記載の抗体。 - 【請求項4】抗原がストレプトコッカス・ミュータンス
の培養上清にスクロースを添加し、得られる非水溶性グ
ルカン複合物質を主要抗原物質として含有するものであ
る請求項(1)又は(2)記載の抗体。 - 【請求項5】非水溶性グルカン複合物質が、糖含量とし
て検出されるとき、乾物重量当り10%以上である請求項
(3)又は(4)記載の抗体。 - 【請求項6】請求項(1)、(2)、(3)、(4)又
は(5)記載の抗体を有効成分として含有するう蝕予防
組成物。 - 【請求項7】抗体の含有量が、0.025重量%以上である
請求項(6)記載のう蝕予防組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2083085A JPH0826079B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 抗体及びそれを有効成分とするう蝕予防組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2083085A JPH0826079B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 抗体及びそれを有効成分とするう蝕予防組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03279398A JPH03279398A (ja) | 1991-12-10 |
JPH0826079B2 true JPH0826079B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=13792345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2083085A Expired - Fee Related JPH0826079B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | 抗体及びそれを有効成分とするう蝕予防組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826079B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020056612A (ko) * | 2000-12-29 | 2002-07-10 | 이남형 | 스트랩토코커스 뮤탄스, 스트랩토코커스 상기스,액티노마이세스 이스라엘리에 대한 특수 면역단백질을함유한 계란생산방법, 상기 생산방법으로 생산된 계란 및난황, 그리고 항 구강질환 특수 면역단백질 및 그면역단백질을 함유한 아이스크림 |
JP2007082469A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | En Otsuka Pharmaceutical Co Ltd | 口腔ケア用飲食品 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61112028A (ja) * | 1984-11-06 | 1986-05-30 | Lion Corp | う蝕予防剤 |
JPH01250067A (ja) * | 1988-03-30 | 1989-10-05 | Lion Corp | ストレプトコッカス・・ミユータンスの検出方法 |
-
1990
- 1990-03-29 JP JP2083085A patent/JPH0826079B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
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JPS61112028A (ja) * | 1984-11-06 | 1986-05-30 | Lion Corp | う蝕予防剤 |
JPH01250067A (ja) * | 1988-03-30 | 1989-10-05 | Lion Corp | ストレプトコッカス・・ミユータンスの検出方法 |
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---|---|
JPH03279398A (ja) | 1991-12-10 |
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