JPH0471465A - う蝕予防食品及びその製造方法 - Google Patents

う蝕予防食品及びその製造方法

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JPH0471465A
JPH0471465A JP2182944A JP18294490A JPH0471465A JP H0471465 A JPH0471465 A JP H0471465A JP 2182944 A JP2182944 A JP 2182944A JP 18294490 A JP18294490 A JP 18294490A JP H0471465 A JPH0471465 A JP H0471465A
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caries
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igy
water
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Hajime Hatta
一 八田
Masa Kanetake
武祚 金
Shigeo Otake
大竹 繁雄
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Taiyo Kagaku KK
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Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、う蝕誘発菌に特異的結合活性を有する抗体を
含有するう蝕予防食品に関する。
〔従来の技術〕
う蝕の発生において、特にストレフトコッカス・ミュー
タンス(以下、Somutansと略す)の歯面への付
着過程が重要な役割を果たしていることは既に知られて
いる。
即ち、う蝕の発生は歯面にスクロースの存在下、S、 
mutansが付着し、プラークを形成し、ブラーり内
で酸が合成され、これにより歯のエナメル質が溶は出す
ことによると考えられている。
そのためう蝕を防止するには、S、 mutansの歯
面への付着を防止することが重要であり、S、 mut
ansに対する特異的抗体を用いた各種の方法が試みら
れている。
例えば、S、 mutansには血清型がa −hまで
の8種類が知られているが(う蝕と歯周病一研究の進歩
vo1.3: p、69.1985年)、抗原として血
清型aSb、c、dのS、 mutansの菌体を用い
た混合抗原で免疫した牛の母乳から得られた抗体でう蝕
を予防する方法が報告されている (特公昭63−15
247号公報)。
この方法では、乾燥乳自体をガム又はキャンデーの形の
砂糖のない糖剤中に配合するか、又はアイスクリーム又
は他の食品中に免疫グロブリンの相当%、即ち25%又
はそれ以上を配合してアイスクリーム又は他の食品の形
とする、旨の開示がなされている。換言すれば、う蝕予
防食品としては、乾燥乳自体を25%又はそれ以上を配
合してなるものが報告されている。
また血清型cSe、fの3. mutans菌体結合型
グルコシルトランスフェラーゼあるいは、血清型c、e
S fのSomutansの水溶性グルカン合成酵素あ
るいは血清型a、dXgのS、 mutans非水溶性
グルカン合成酵素、あるいは血清型c、e、fのS、 
mutansの菌体表層タンパク質抗原で免疫した鶏が
産生ずる卵より調製した抗体を含むう蝕子防剤(特開平
1−190635号公報、特開平1−233229号公
報、特開平1−242534号公報、特開平1−226
828号公報)等が知られている。
前記4つの公報では、う蝕子防剤として、練り歯磨き、
粉歯磨き、液状歯磨き等の歯磨き類、マウスウォッシュ
、口腔用パスタ、歯肉マツサージクリーム、うがい用錠
剤、トローチ、チューインガム、缶飲料等口腔内商材だ
けではなく、その目的においては種々の食品にも適用さ
れるものである旨、またう蝕子防剤への配合量は、その
投与形態に応じた投与量に従って適宜選択すれば良く、
例えば、103以上の抗体価を有する抗体を0.000
1〜10重量%程度とすることができる旨が開示されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
う蝕誘発菌に特異的結合活性を有する抗体を配合した食
品を調製する場合に重要な問題点として、次の諸点が挙
げられる。
(a)  抗体の効果的配合量 G 抗体の食品化学的安定性 (C)  抗体の安全性 (d)  実際に抗体を配合した食品を用いての1nv
ivoでの効果の確認 即ち、う蝕予防食品を調製するに際しては、まず、抗体
の効果を発現するに充分な量を配合すれば足り、不必要
に多量に配合することは食品自体に対する味覚等の観点
から好ましくない。また、耐熱性や耐pH性等の観点か
ら食品化学的に安定な条件で抗体を配合しなければ、抗
体の活性の失活の問題が生じる。
抗体を食品中に配合するのであるから、配合される抗体
の安全性、例えば毒性やアレルギー性等かないことが保
障されることが必要である。さらに抗体を配合した食品
のin vivoでの有効性が確認されなければ、う蝕
予防食品として適用はできない。
このような観点から、従来のう蝕予防方法あるいは予防
剤をみた場合、前記の特公昭63−1524号公報では
、個々の食品中に配合した具体的な例は何ら開示されて
いないが、抗体を含有する乾燥乳自体が25%以上も必
要とされており、食品への配合量としては実用的ではな
い。また、特開平1190635号公報、特開平1−2
33229号公報、特開平1242534号公報、特開
平1−226828号公報では、う蝕子防剤として具体
的には練り歯磨き、マウスウォッシュについて抗体を配
合した調製例は記載されているが、実際にう蝕予防の効
果があったか否かの実証はない。また具体的に食品に配
合した調製例の記載はないため、どの程度の抗体の量を
どのようにして配合すればう蝕を予防できる食品を調製
できるかも不明であった。
このように、う蝕を防止するには、S、mutansの
ようなう蝕誘発菌の歯面への付着を防止することが重要
であり、その方法として抗体を配合したう蝕子防剤が有
用であるという概念は既に知られてはいるものの、具体
的にう蝕予防食品を調製するについて、実用的な調製例
は未だ知られていないのが実情である。
本発明の目的は、まさにこの点にあり、う蝕誘発菌に特
異的結合活性を有する抗体を含有する、う蝕予防効果が
高く、安全性にも優れたう蝕予防食品を提供することに
ある。
本発明の他の目的は、そのようなう蝕予防食品の製造方
法を提供することにある。
[課題を解決するための半没コ 本発明者らは、上記目的を達成すべく種々研究を重ねた
結果、う蝕誘発菌に特異的結合活性を有する抗体を含有
する食品に優れたう蝕予防効果がみられることを見出し
、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、 (1)  う蝕誘発閑に特異的結合活性を有する抗体を
含有するう蝕予防食品、 (2)  S、mutansに特異的に結合活性を有す
る抗体を含有するう蝕予防食品、 (3)抗体が、予め抗原で免疫された鶏が産卵した卵か
ら調製される抗体であることを特徴とするう蝕予防食品
、 (4)抗体が、該抗体の特異的結合活性を酵素免疫測定
法で測定した場合に抗体1μgに対する405nmにお
ける吸光度が0.50以上であることを特徴とするう蝕
予防食品、 (5)抗体の含有量が、少なくとも0.05重量%であ
ろう蝕予防食品、 (6)食品がチョコレート、アイスクリーム、成分調整
牛乳、ヨーグルト、ホイツピングクリーム又は飲料であ
ろう蝕予防食品、及び (7)食品製造工程において、PH3,0以上の条件下
で抗体を少なくとも0.05重量%配合することを特徴
とするう蝕予防食品の製造方法に関するものである。
本発明におけろう蝕誘発菌は、う蝕の発生に関与してい
る菌であれば特に限定されないが、なかでもS、 mu
tansがう蝕の誘発において重要な役割を果lこして
いることは既に知られており、好ましくはS、 mut
ansに特異的結合活性を有する抗体が用いられる。
本発明における抗体を得るための抗原は、う蝕誘発菌と
してS、 mutansを用いる場合、S、 muta
nsには前記の如く血清型がa −hまでの8種類が知
られているが、これらの個々の血清型のS、 muta
nsを単独で用いて調製してもよいし、また各種血清型
を混合して調製してもよい。
また、抗原物質としては、これらの全菌体自体を用いて
もよいし、また、S、 mutansの水溶性又は非水
溶性グルカン合成酵素(グルコシルトランスフェラーゼ
)、また、S、 mutansの菌体表層タンパク質、
あるいは3. mutansが特にスクロース存在下で
合成する非水溶性グルカン複合物質であってもよい。
即ち、抗原物質の調製方法としては、抗原物質として全
菌体自体を用いる場合、通常、S、 mutansをB
旧培地(Brain Heart Infusion)
等の液体培地で37℃、24時間から48時間充分に培
養した後、培養液を加熱処理するか、あるいは、培養液
にホルマリンを加え、菌体の不活化処理を行い、遠心分
離と、生理食塩水による洗浄後、ホモミキサーにより均
質化し、全菌体抗原物質を調製することができる。
抗原物質として、水溶性又は非水溶性グルカン合成酵素
(グルコシルトランスフェラーゼ)を用いる場合は、通
常1.3. mutansをBHI培地等の液体培地で
37℃、24時間から48時間充分に培養した後、菌体
を遠心分離により集め、生理食塩水で菌体を洗浄する。
菌体を、尿素溶液に懸濁攪拌させ、菌体付着型のグルコ
シルトランスフェラーゼを遊離させる。透析により、尿
素を除去した後、硫安塩析(60%飽和)により生じた
塩析物を遠心分離、あるいは濾過により回収し、塩析物
を、リン酸バッファーに溶解後、透析処理し、グルコシ
ルトランスフェラーゼの粗精製物を抗原物質とする。あ
るいは、s0mutans培養液より菌体を遠心分離で
除去した後、その上滑を60%飽和で硫安塩析を行い、
生じた塩析物を遠心分離あるいは濾過により回収し、塩
析物をリン酸バッファーに溶解後、透析処理し、グルコ
シルトランスフェラーゼの粗精製物を抗原物質とするこ
とができる。
また、抗原物質として非水溶性グルカン複合物質を用い
る場合は、通常培地にスクロースを添加しS、 mut
ansを培養するか、あるいは、培地でS、mutan
sを培養した後、遠心分離等により菌体を除去し、その
培養上清にスクロースを添加することにより調製するこ
とができる。
即ち、更に詳しくはスクロースの添加量は、非水溶性グ
ルカンの充分量が産生される程度であれば良く、通常0
.5〜10%であり、3〜7%が特に好ましい。
培養温度は、菌体の増殖が得られ、かつ非水溶性グルカ
ンの産生に適した範囲内であれば良く、通常37℃程度
とするとよい。培養時間は、培養温度、培地の種類等の
培養条件によっても異なるが、非水溶性グルカンの充分
量が産生されるに適した時間を選択して決定すれば良く
、通常24〜72時間程度とすれば良い。
この場合に用いるSlmutansは、いずれの血清型
でもよいが、C型閉又はg型閉あるいは、両者の混合菌
を用いるのが好ましい。C型閉としては、S、muta
nsMT 8148株、lngbritt株、1044
9株、JC−2株等、g型閉としてはS、 mutan
s  M Ta205株、0M265株、6715株等
の公知で容易に入手できる菌を用いることができる。
Somutansの培養後は、培養液を加熱処理するか
、あるいは培養液にホルマリンを加え、菌体の不活化処
理を行い、遠心分離と、生理食塩水による洗浄後、ホモ
ミキサーにより均質化した抗原標品を調製することがで
きる。あるいは、S0mutans培養上清にスクロー
スを添加し、37℃で放置し、培養上清中に含まれる非
水溶性グルカン合成酵素を利用し、スクロースから非水
溶性グルカンを生成させ、生じる不溶物を遠心分離で集
め、生理食塩水で洗浄した後ホモミキサーにより均質化
した抗原標品を調製することができる。調製後は、免疫
まで凍結保存あるいは凍結乾燥して保存すると良い。
以上の操作で得られた抗原標品には、多量の非水溶性グ
ルカンを中心として、グルコシルトランスフェラーゼ、
非水溶性グルカンとグルコシルトランスフェラーゼの結
合物、場合によっては菌体成分等(以下、非水溶性グル
カン複合物質と略す)が含まれている。抗原標品中の非
水溶性グルカンを糖含量として検出したとき、乾物重量
当り通常10〜50%であり(フェノール硫酸法で測定
)、スクロースを添加しない通常の培地で同様の条件に
より培養して得られた抗原標品では、せいぜい3〜5%
であるのと大いに異なる。
抗原物質の調製のためのSomutansの培養に用い
られる培地としては、通常、BHI培地([3rain
Heart Infusion) 、TTY培地(Tr
ypticase、TryptoseSYeast e
xtractの複合培地)等、S。
mutansの増殖に用いられる培地であればよく、好
ましくはBHI培地が用いられる。
次に、本発明における抗体の調製方法について詳述する
本発明における抗体は、前記の各種の抗原物質で動物を
免疫することによって得られる。例えば、牛などの哺乳
動物に免疫し、乳やその抗血清からの調製や、鶏に免疫
し、その卵からの調製などが挙げられるが、量産性、生
産コスト、安全性等の観点から、鶏に免疫するのが特に
好ましい。
免疫される鶏としては、特に制限はないが、抗体の量産
性などの点からは、白色レグホン系、ロードアイランド
レッド系、横斑プリマスロック系、ニューハンプシャー
系等の卵用種を用いるのが特に好ましい。
免疫方法としては、静脈注射、皮下注射、筋肉注射、腹
腔的投与等、鶏などの動物を免疫することのできる方法
であれば特に制限はない。
抗原物質の投与量は所望の抗体価が得られ、かつ鶏など
の動物に対して悪影響を与えない程度の量を適宜選択す
ればよい。
通常、初回免疫後、毎週1回で3〜5回程度くり返し投
与すると、本発明における抗原物質に特異的に反応する
抗体が鶏卵中等に得られる。
その後、抗体価の維持を目的として1〜4月毎に追加免
疫すると良い。
また、必要に応じてFCA (フロイント完全アジュバ
ント)、FIA(フロイント不完全アジュバント)等の
アジュバントを併用して免疫しても良い。
このようにして通常、初回免疫から1力月以上経過する
と、鶏卵中等から十分な抗体価を有する抗体を調製する
ことができる。
鶏卵中等の特異的抗体価は、酵素免疫測定法(ELIS
A)、ラジオイムノアッセイ、マイクロタイター法等を
用いて測定をすることができ、免疫後に2週程度の間隔
で抗体価を測定することにより抗体価の推移を追跡する
ことができる。
本発明における抗体は、前記のようにして免疫した鶏の
卵黄等に含まれる免疫グロブリンを抽出、分離すること
によって得ることができる。
この抽出、分離方法としては、例えば、デキストラン硫
酸やポリエチレングリコール(PEG)。
寒天、カラギナン、ファーセレラン、ペクチン。
キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン
酸誘導体等を用いてリポタンパク質を沈澱させ、その上
清から分離、精製する方法(JournaI  of 
 In+munological  Methods、
  46.63−68.1981  /1mmunol
ogical Communication、 9(5
)、 475−493.1980/  特開昭63−2
15699号/ 特開昭64−38098号)ヤ、プロ
パツール、クロロホルム等を用いた抽出法など通常、免
疫グロブリンの抽出、分離に用いられる公知の種々の方
法が用いられるが、本願発明における抗体の食品分野へ
の利用を考慮して、カラギナン、キサンタンガム、ペク
チン等の食品天然添加物として認められているものを用
いるのが人体への安全性の見地からは好ましい。
本発明における抗体は、例えば前記のようにして免疫し
た鶏の卵より、卵黄を分離し、卵黄液を粉末化した卵黄
粉末として、また卵黄液をカラギナン等を用いて卵黄リ
ポタンパク質を除去した卵黄水溶性タンパク質を粉末化
した卵黄水溶性タンパク質粉末として、あるいは、卵黄
水溶性タンパク質をイオン交換クロマトグラフィー、疎
水性クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフ
ィー、ゲル濾過、硫酸ナトリウム塩析、塩酸アンモニウ
ム塩析等の公知のタンパク質精製方法により精製された
精製鶏卵抗体として等、各種の形態で調製される。
このようにして得られた各種調製サンプルの鶏卵抗体の
純度は、粉末重量に対する鶏卵抗体重量で算出すると、
卵黄粉末の形態では通常鶏卵抗体が1〜2%、卵黄水溶
性タンパク質粉末の形態では通常8〜12%、精製鶏卵
抗体の形態では通常95%以上である。
本発明における抗体は、う蝕誘発菌なかでもS。
mutansに特異的結合活性を有するものであるが、
ここでいう特異的結合活性とは、抗体の菌体に対する特
異的な結合活性をいい、アルカリフォスファターゼを標
識酵素としてp−phenylphosphate−N
a、 6H2[]を基質とした、酵素免疫測定法で測定
した場合、抗体1μgに対する405nmにおける吸光
度が、通常0.50以上のものが用いられる。本発明に
おける抗体は、前記のように卵黄粉末、卵黄水溶性タン
パク質粉末、精製鶏卵抗体等の各種の形態で配合される
ものであるので、ここでいう「抗体1μg」とは、各種
の抗体調製サンプル中の抗体、即ち純品換算での抗体1
μgに対する405nmにおける吸光度を意味するもの
である。
本発明における抗体を食品中に配合し、かつ食品中にお
いても高い活性を保持させるには該抗体の耐熱性、耐p
H性が重要となってくる。本発明における抗体の耐熱性
は、示差熱分析法による熱変性温度で約73.7℃であ
る。
加熱処理による安定性は60〜70℃、30分間の加熱
処理で、あるいは80℃、1分間の加熱処理では活性残
存率はほぼ100%であるが、80℃で1分間以上の加
熱処理により、活性残存率は低下してくる。
本発明における抗体の耐pH性は、pH3以上では、活
性残存率90%以上となり安定であるが、pHが3より
低いと不安定である。
ここで活性残存率とは、アルカリフォスファターゼを標
識酵素として、p−phenylphosphate−
Na26H2Oを基質とした酵素免疫測定法で、固相化
したS、 mutans全菌体に対する抗体の示す結合
活性(405nmにおける吸光度)を測定する時、加熱
処理、あるいはpt+処理の前後における、抗体の菌体
結合活性を百分率で示したものである。
本発明における抗体の安全性は、ラットを用いての28
日間亜急性毒性試験で毒性は見出されていないことから
安全である。また、アレルギー試験によりアレルゲン活
性がないことから、安心して食品中に含有させることが
できる。
次に本発明のう蝕予防食品の製造方法について説明する
本発明における抗体を含有するう蝕予防食品は、該抗体
を含有せしめる食品によって該抗体の添加時期、条件は
異なるが、前記の耐熱性、耐pH性の特性を考慮しなが
ら製造する必要がある。即ち、本発明における抗体の添
加後の加熱殺菌処理は60〜70℃では30分で、80
℃では1分以内で行なうことが必要で、殺菌後すみやか
に冷却させる必要がある。また、pHは3以上の条件に
保持することが必要である。
本発明のう蝕予防食品の製造には、このような抗体の食
品化学的安定性を考慮しながら行なうことが必要である
が、製造工程としては、通常、該食品の殺菌工程前に抗
体を配合しホモジナイザーで均質化した後、加熱殺菌処
理を行なう方法と、食品の一般的な加熱殺菌後、冷却し
た後に、抗体を無菌的に配合する方法が挙げられる。
例えば、食品としてアイスクリームに適用される場合は
、通常、アイスクリームミックスへ抗体を0.05重量
%以上配合し、ホモジナイザーによる均質化を行なう。
68℃で30分間あるいは、80℃。
15秒間の加熱殺菌を行なった後、ただちにアイスクリ
ームミックスを、5℃まで冷却し、次いでフリージング
を行い、う蝕予防アイスクリームを製造することができ
る。あるいは、加熱殺菌後のアイスクリームミックスへ
、5℃で抗体を0.05重量%以上、無菌的に配合し、
フリージングを行い、う蝕予防アイスクリームを製造す
ることも可能である。
また、食品として成分調整牛乳に適用される場合は、通
常、市販の牛乳に抗体を、0.05重量%以上溶解し、
ホモジナイザーで均質化を行なう。その後68℃で30
分間あるいは80℃、15秒間の加熱殺菌を行なった後
、ただちに5℃まで冷却し、う蝕予防調整牛乳を製造す
ることができる。あるいは、市販の牛乳へ抗体を0.0
5重量%以上無菌的に配合し、う蝕予防調整牛乳を製造
することも可能である。
また、食品としてヨーグルトに適用される場合は、通常
、ヨーグルトミックスへ抗体を0.05重量%以上配合
し、ホモジナイザーで均質化する。68℃、30分間あ
るいは80℃、 15秒間の加熱殺菌を行い、すみやか
に40℃まで冷却した後、ヨーグルト菌を添加し、40
℃、6時間培養する。その後、5℃まで冷却し、う蝕予
防ヨーグルトを製造することができる。あるいは、市販
のヨーグルトへ抗体を0.05重量%以上、無菌的に配
合し、う蝕予防ヨーグルトを製造することも可能である
本発明のう蝕予防食品中の抗体の含有量は、純品換算で
少なくとも0.05重量%というきわめて微量を含有し
ていればよい。0.05重量%より少ないとう蝕予防効
果が充分発揮されない。一方、少なくとも0.05重量
%含有していれば、効果は充分見られるので、不必要に
多量に含有せしめることは、食品の味覚等への影響上か
えって好ましくないので、そのような影響のない範囲内
で適宜含有することができる。
本発明における食品には、う蝕予防の必要な食品であれ
ば特に限定されないが、例えば、チョコレート、アイス
クリーム、成分調整牛乳、ヨーグルト、ホイツピングク
リーム、飲料、あめ、チーズ、ベビ二フード、フルーツ
ソース、プリン、ムース、ゼリー、クリームパウダー、
及びインスタントまっ茶パウダー等が挙げられる。
本発明のう蝕予防食品には、食品添加物である調味料、
酸味料、甘味料、着色料、着香料、強化剤、膨張剤、保
存剤、酸化防止剤、糊料、安定剤、乳化剤、チューイン
ガム基礎剤等、及び食品加工用天然物である調味料、甘
味料、酸味料、塩味料、苦味料、着色料、着香料、香辛
料、酸化防止剤、油脂、高級脂肪酸、樹脂、蝋、増粘剤
、結着剤、安定剤、酵素、乳製品、アミノ酸、栄養強化
剤、気泡剤、穀粉、混濁剤、でんぷん、精製タンパク質
、乳化剤、微生物製剤、被覆剤、賦形剤、倍散剤、等が
適宜配合される。
また、本発明のう蝕予防食品中の抗体は、該う蝕予防食
品が前記のような抗体の耐熱性条件及び耐pH性の範囲
内において製造されるため、活性の失活が殆どみられな
い。
このようにして得られた本発明のう蝕予防食品は、後述
の試験例で示すようにラットを用いたう蝕感染実験系で
、う蝕の指標となるカリエススコアーを有意に低下させ
る効果、すなわちう蝕予防効果が認められる。
〔以下余白〕
〔実施例〕 実施例1 S0mutans抗原の調製及び産卵鶏への免疫 a)全菌体抗原の調製及び免疫 S、mutans MT8148(血清型C)をプレイ
ンハートインフュージョン(BHI)液体培地で37℃
、24時間静置培養した。培養液へホルマリンを0.5
%(v/v)となるように加え、菌体を不活化した。
遠心分離(10,000g X 10分間)で菌体を集
め、菌体を生理食塩水で3回洗浄し、A660nmにお
ける吸光度(濁度)を8.0となるように調製し、全菌
体抗原とした。
免疫は産卵鶏1羽に対し、全菌体抗原を1−筋注するこ
とにより行なった。免疫は毎週1回、合計4回くり返し
、最終免疫の後2ケ月間にわたり、その鶏卵より卵黄を
集め、鶏卵抗体の調製まで凍結保存した。
b)非水溶性グルカン複合物質抗原の調製及び免疫 Somutans MT8148を5%5ucrose
含有BHI液体培地で37℃、24時間静置培養した。
以後、上記全菌体抗原の調製と同様の操作を行い、A6
60nmにおける吸光度(濁度)8.0の非水溶性グル
カン複合物質抗原を産卵鶏1羽に対し1ml!筋注(毎
週1回、合計4回)することにより免疫した。最終免疫
の後2ケ月間にわたり、その鶏卵より卵黄を集め、鶏卵
抗体の調製まで凍結保存した。
C) グルコシルトランスフェラーゼ抗原の調製及び免
疫。
S、mutans MT8148をBHI液体培地で3
7℃、24時間静置培養した。培養液より遠心分離(1
0,000gX1O分間)で菌体を集め、生理食塩水で
3回洗浄した。菌体を8M尿素溶液に懸濁させ、25℃
、1時間攪拌した。遠心分離で菌体を沈澱除去し、得ら
れた土浦液を10mMgン酸バッファ(pH6,0)に
対し透析した。透析内液を遠心分離し、透析中に生じた
不溶物を除去した。その上清につき60%飽和の硫安塩
析を行い、遠心分離で塩析物を回収した。塩析物を0.
15M NaClを含むリン酸バッフγ−,pH7,2
(以下PBSという)に溶解し同PBSに対して透析し
た。透析中生じた不溶物は遠心分離で除去し、その上清
をグルコシルトランスフェラーゼ抗原液とした。
この抗原液のタンパク質濃度はlowry法で4.0m
g/rnf!であった。
免疫はグルコシルトランスフェラーゼ抗原液と等量のフ
ロイントコンプリードアシュバンドで乳化し、産卵81
羽に対し抗原タンパク質量として2mgの割合で筋注し
た。免疫は、毎週1回、合計4回くり返し、最終免疫の
後2ケ月間にわたり、その鶏卵より卵黄を集め、鶏卵抗
体の精製まで凍結保存した。
実施例2  鶏卵抗体の調製 実施例1で得られたそれぞれのS、 mutans抗原
の卵黄を解凍後、等量の水を加え、ホモミキサーで均質
化し、卵黄2倍希釈液を調製した。この2倍希釈卵黄液
を63℃、3分間の条件で殺菌した。この液に2倍量の
λ−カラギナン水溶液(1,5mg/rnl)を加え混
合した。次いで、生じたλ−カラギナンー卵黄すポタン
パク質凝集体を遠心分離で除去した。上滑をアトバンチ
ツク東洋、Nα2フイルターペーパーで濾過した後、ろ
液(卵黄水溶性タンパク質画分)を分画分子量3万の限
外濾過膜を用い10倍濃縮した。濃縮液をスプレードラ
イ (入口温度145℃、出口温度85℃)し、それぞ
れのS。
mutans抗原に対する卵黄水溶性タンパク質を得た
尚、市販の鶏卵より同様の方法で無免疫(コントロール
)卵黄水溶性タンパク質粉末を得た。
実施例3  鶏卵抗体純品の調製 実施例2で得られた非水溶性グルカン複合物質抗原に対
する卵黄水溶性タンパク質画分に10mM濃度となるよ
うリン酸ニナトリウムを溶解し、3N塩酸を滴下し、p
H8,0とした。
予め、10mMのリン酸バッファーpH8,0で平衡化
した陰イオン交換体(DB八へ−セファセル:ファルマ
シア社製)カラムへ、pH8,0に調整した卵黄水溶性
タンパク質溶液をアプライし、非吸着成分を平衡化バッ
ファーで洗浄した後、100mM’Jン酸バッファー、
pH8,0で吸着成分を溶出した。溶出液に対し、最終
濃度15%(w/v)となるように、硫酸す) IJウ
ム(無水)を添加し、室温で30分間攪拌した後、遠心
分離で塩析物を回収した。塩析物を10mM ’Jン酸
バッファーpH8,0に溶解し同様の塩析操作をさらに
2回くり返した。
最終的に得られた塩析物を10mM リン酸バッファー
pi(a、oに溶解し、同バッファーに対し充分透析し
た透析内液を凍結乾煙することにより、鶏卵抗体の純品
を得た。得られた鶏卵抗体純品はゲルろ過で単一ピーク
であり、また、SO3−電気泳動(2−メルカプトエタ
ノール存在下)による純度検定においても鶏卵抗体のl
及びL鎖の2本のバンドのみが検出された。
試験例1  鶏卵抗体(以下1gYという)の定量実施
例2で調製した卵黄水溶性タンパク質粉末中のIgYを
酵素免疫測定法(以下BLISAという)を用い定量し
た。BLISAで用いた免疫試薬及びバッファーを以下
に示す。
・コーティングバッファー NazCOs 1.59g 、 NaHCOa 2.9
3g、 NaN30.2g。
11!脱イオン水、pH9,6 −PBS −Tween NaJPo、11.70g、  KH2PO45,’O
g、 NaC12,34g。
NaN30.2g、 Tween200.5g、  1
 jl!脱イオン水、pH7,2 ・基質バッファー ジェタノールアミン97mf、 MgC1z・6■20
0、1g、  NaN30.2g、I R脱イオン水、
pH9,8・IgY純品 卵黄より精製、純度はファルマシアPPLC5uper
ose 12HRゲル濾過カラム分析で単一ピーク、2
−メルカプトエタノール存在下、SO8〜O8法動でH
鎮、L鎮の2本のバンドのみを検出。
・IgYに対するウサギ抗血清 ウサギにIgY純品を免疫し、常法により調製。
・抗1gYウサギIgG−アルカリフォスファターゼコ
ンジュゲート(ザイメット社製) IgYに対するウサギ抗血清をコーティングバッファー
で1000倍希釈し、その100μlをBLISA p
iate(ヌンク社96ウエルプレート)の各ウェルへ
添加した。5℃で1夜放置後、PBS−Tweenで各
ウェルを洗浄し、BLISAplateのコーティング
操作を行なった。
IgYを含むサンプルはPBS−Tweenで希釈し、
100μβ/ウエルで添加した。尚、ブランクとしてP
BS−Tween 1001−11! /ウェルを添加
した。BLISAplateを室温2時間放置した後、
PBS−Tweenで洗浄した。
次に、抗1gYウサギIgG−了ルカリフォスファター
ゼコンジュゲートをPBS−Tweenで2000倍希
釈し、100μm2 /ウェルを添加した。BLISA
 plateを室温2時間放置した後、PBS−Twe
enで洗浄した。
基質バッフ7−ヘp−phenylphosphate
−Na26H20を0.1%(W/V)となるように溶
解し、100μβ/ウエルで添加した。室温で30分間
酵素反応を行なった後、2M NaOH溶液を50μI
!/ウエル添加し、酵素反応を停止させた。各ウェルの
405nmにおける吸光度をプレートリーダーを用いて
測定した。
各サンプルにつき3ウエルを用い、得られた吸光度の平
均値より、ブランクの吸光度平均値を引き口しISA 
valueとして表しtこ。
IgY純品を用いた検量線を第1図に示す。縦軸は、B
LISA valueの対数値、横軸はIgY量の対数
値である。検量線はIgY O,15μg〜4.5ng
の範囲内で直線関係が得られた。尚、IgY純品の重量
はIgY溶液の示す280nmにおける吸光度よりE 
A?ona=14.8を用いて求めた。
実施例2で得られた各卵黄水溶性タンパク質粉末の[g
Y含量を測定した結果を表1に示す。
表1 卵黄水溶性タンパク質粉末中のIgY含量及び純
度 (a)  全菌体抗原での免疫  0.10   10
ら)非水溶性グルカン複  0.11   11合物質
抗原での免疫 l)卵黄水溶性タンパク質粉末l rng中に含まれる
IgY含量 試験例2   IgYのS、 mutans特異的結合
活性の測定 IgYのS、 mutans特異的結合活性の測定は、
菌体を固定化したBLISA plate(ヌンクBL
ISA 96ウエルプレート)を用い、BLISAによ
り行なった(K、 M。
Co5t、 J、Immunoassay、 5: 2
3.1985)。
S、mutans MT8148を5%スクロースを含
むプレインハートインフュージョン液体培地で37℃、
24時間静置培養した。菌体を遠心分離で集め、BLI
S八コーテコ−ティングバッファー洗浄した後、コーテ
ィングバッファーで菌体を懸濁状態にして660nm1
.l:J6ける吸光度(濁度)を1.0に調整した。
これを200μm2 /ウェルで添加し、BLISA 
plateを5℃、1夜放置後、PBS−Tweenで
各ウェルを洗浄した。
サンプルはPBS−Tweenで希釈し、100μIl
 /ウェルでウェルあたりIgY純品換算で2μg、1
μg、0.5μg及び0.25μg入るよう添加した。
ブランクとしてはPBS−Tweenを100μm /
ウェルで添加した。BLISA plateを室温、2
時間放置し、PBS−Tweenで各ウェルを洗浄した
抗[gYウサギIgG−アルカリフォスファターゼコン
ジュゲートをPBS−Tweenで2000倍希釈し、
100μl/ウエルで添加した。BLISA plat
eを室温2時間放置した後、PBS−Tweenで各ウ
ェルを洗浄した。
基質バッフ7−ヘp−phenylphosphate
−Na26H20を0.1%(w/v)となるように溶
解し、100μf/ウエルを添加し、室温で30分間酵
素反応を行なった後、2M NaOH溶液を50μIl
/ウエル添加することにより、酵素反応を停止させた。
各ウェルの405nmにおける吸光度をプレートリーダ
ーで測定した。各サンプルあたり3ウエルを用い、得ら
れた吸光度の平均値より、ブランクの吸光度平均値を引
いた値(BLISA value)を求めた。
実施例2で得られた各サンプルのIgY量とELISA
 valueの関係を第2図に示す。各サンプルともウ
ェルあたり0〜1Mg1gY(純品換算値)でBLIS
八νaへueとの間に直線関係が得られた。
この図より、ウェルあたり1Mg1gY(純品換算値)
の時に示すELISA valueを各サンプルの示す
S、 mutans特異的結合活性として表2にまとめ
た。
(a)  全菌体抗原での免疫     0.52ら)
非水溶性グルカン複     0.59合物質抗原での
免疫 (C)  グルコシルトランスフ     0.56エ
ラーゼ抗原での免疫 試験例3   [gYの熱変性温度 IgYの熱変性温度を示差熱分析法で測定した。
実施例3で得られた鶏卵抗体(IgY)純品を50mg
/−の濃度となるよう10mMリン酸バッファーpH7
,2に溶解し、示差熱分析計によりその熱変性温度を測
定した。結果を第3図に示す。IgYの熱変性温度は7
3.7℃であった。
試験例4  IgYの熱安定性試験 実施例3で得られたIgY純品を10mMリン酸バッフ
ァーpH7,2に100μg/mfとなるように溶解し
た。このIgY溶液を60℃、70℃、80℃でそれぞ
れ15秒、30秒、1分、3分、5分、10分、15分
、30分間加熱処理し、ただちに氷冷した。それぞれの
加熱処理サンプルを試験例2に示した方法に従い、S、
 mutans菌体に結合するIgY活性をBLIS八
vaへueとして測定した。
尚、コントロールとして加熱処理を行なっていないIg
Y溶液の示すB1、ISA valueを同時に求め、
これを100%として、各加熱処理サンプル中のIgY
活性を百分率で算出し、活性残存率とした。
この結果、60. TO℃加熱処理条件では30分間加
熱しても、活性残存率はほぼ100%であった。80℃
の加熱条件では1分処理までは、活性残存率はほぼ10
0%であったが、5分処理で23%、10分処理で0%
となった。
試験例5   IgYのpH安定性試験実施例3で得ら
れたIgY純品を脱イオン水に100μg/mI!、と
なるように溶解した。このIgY溶液にINの塩酸又は
水酸化す) IJウム溶液を注意深く加え、pHを2.
3.4.5.6.7.8.9.10及び11となるよう
に調整した。それぞれのIgY溶液を37℃で2時間イ
ンキュベートした後、試験例2に示す方法に従い、S、
 mutans菌体に結合するIgY活性をIELIS
A valueとして測定した。pH1,0で処理した
IgY溶液の示すBLISA valueを100%と
してそれぞれのpH処理、サンプル中のIgY活性を百
分率で算出し、活性残存率とした。
結果を第4図に示す。第4図よりpi(2処理で活性残
存率27%、pH3以上では活性残存率90%以上であ
った。
試験例6   IgYの経口投与による28日間亜急性
毒性試験 IgYとしては実施例2で調製した非水溶性グルカン複
合物質抗原に対する卵黄水溶性タンパク質粉末(IgY
純度11.0%)を用いた。これを15mg/kg又は
75mg/kgの投与量で、5praque−Daiv
 Iey系ラットに6週齢時から、毎日1回、28日間
連続強制経口投与し、注射用蒸留水を投与した対照ラッ
トと比較しつつ、そのラットに及ぼす影響を試験した。
本試験は昭和59年2月15日付薬審第118号「医薬
品のための毒性試験法ガイドライン」に従って実施した
その結果、試験期間を通じ、体重及び摂取量はIgY投
与による影響が認められなかった。IgY投与に起因す
る臨床症状は観察されなかった。尿検査、血清学的検査
及び血液生化学的検査により 1gy投与の影響に帰せ
られる所見は認められなかった。病理解剖学的検査によ
り投与期間終了時の計画殺ラットには、IgY投与の影
響に帰せられる異常1ま翳忍められなかった。
以上の結果から、IgYはラットに対して15又は?5
mg/kgを28日間連続強制経口投与しても毒性を発
現しないことが判明した。
試験例7   IgYのアレルギー試験IgYとしては
実施例2で調製した非水溶性グルカン複合物質抗原に対
する卵黄水溶性タンパク質粉末(I gY純度11.0
%)を用いた。ファルマシア・ラストRIAキットによ
り、卵黄アレルゲンディスクで陽性血清25検体を用い
てIgYのアレルギー性を調べた。
濾紙ディスクをCNBrで活性化し、このディスクへ卵
黄水溶性タンパク質を化学的に結合させた(以後、[g
Yディスクという)。卵黄アレルゲンディスクの代わり
に調製したIgYディスクを用い、上記陽性血清を調べ
たところ、IgYディスクに対し、陽性と判定される血
清はなかった。
この結果により、卵黄水溶性タンパク質にはアレルゲン
活性がないことが示された。
実施例4 う蝕予防チョコレートの試作S、 muta
ns特異的結合活性を有するIgYを純品換算でO〜0
.2%配合したチョコレートを試作した。IgYとして
は実施例2で調製した全菌体抗原卵黄水溶性タンパク質
粉末(IgY純度10%)を用いた。以下に処方(重量
%)とチョコレート中に含まれるIgY(純品換算値)
含量を示す。
カカオマス  15.0% 15.0% 15.0% 
15.0%カカオ脂   21.0% 21.0% 2
1.0% 21.0%粉糖     44.0% 44
.0% 44.0% 44.0%レシチン    0.
5%  0.5%  0.5%  0.5%全脂粉乳 
  17,5% 18.5% 19.0% 19.5%
チョコレート試作は常法に従い、まずカカオマス、カカ
オ脂、粉糖、レシチン、全脂粉乳をミキサーで混合し、
リファイニング及びコーチング終了後、テンバリング工
程において、チョコレート品温約40℃で卵黄水溶性タ
ンパク質粉末を添加し均質化した。その後、型流し・冷
却工程を経て、板チョコレートを試作した。
試験例8 う蝕予防チョコレート中1gYのS、 mu
tans特異的結合活性の測定 実施例4で得られたう蝕予防チョコレート中のIgYの
S、 mutans特異的結合活性を試験例2に示す方
法に従いBLIS八vaへueとして測定した。
サンプルの調製方法は各処方の板チョコレートをそれぞ
れ10gとり、PBS−Tweenを加え、100iと
した。これを50℃、10分間加温することによりチョ
コレートを完全溶解した。このチョコレート溶液1mf
に対してクロロホルム2−を加え、均質攪拌後、遠心分
離10.000x g 、 10分間行った。最下層の
クロロホルム画分を注意深くアスピレータ−で吸引除去
し、さらにクロロホルム2rn1.を加え、同様に遠心
操作を行った後、上澄液をサンプルとして得た。
尚、コントロールとしてチョコレートへ添加シた全菌体
抗原免疫卵黄水溶性タンパク質粉末を0゜2g秤取り、
TBS−Tweenを加え100−とした。以下、同様
の方法でサンプルを調製した。コントロールを示すBL
ISA valueを100%として、各チョコレート
中のBLISA valueを百分率で示し、IgY活
性残存率とした。
結果を表3に示す。表3より卵黄水溶性タンパク質粉末
をチョコレートへ配合しても、そのS0mutans特
異的結合活性はほとんど失活することなく、約90%の
活性残存率でチョコレート中へ配合できることが示され
た。
表3  チョコレート中のIgYの活性残存率う蝕予防
チョコレート処方(1)    88%〃(2)   
 90% ”       (3)    93%試験例9 う蝕
予防チョコレートのラットう蝕予防効果 実施例4で試作したう蝕予防チョコレートを用い、ラッ
トう蝕感染実験系で、そのう蝕予防効果を調べた。
JCL、 Spraque−Dawleyラットを各群
7匹、A〜D群に分けた。ラットのう蝕発生飼料は5u
crose56%を含むダイエツト2000 (P、H
lにeyes、 Archs 。
ral Biol、、 9: 377−400.196
4)を基本飼料とし、その中の5ucrose 50%
に代替して各処方のチョコレートを配合した。即ち、チ
ョコレートを50%配合したラットう数発生飼料中の5
ucrose含量は28%である。またそれぞれのラッ
トう数発生飼料中に含まれるIgY純品換算含量は処方
(1)のチョコレートを配合したものでO,1%、処方
(2)0.05%、処方(3) 0.025%及び処方
(4)0%となる。
ラットは生後17日目より3日間、ampicilli
n。
carbencillinとCh loramphen
 ico lを与え、口腔内細菌叢の抑制を行なった。
生後20日目より実験を開始し、以後、56日日間群ラ
ットに上記飼料及び蒸留水を自由摂取させた。感染はス
トレプトマイシン耐性のS、mutans M7814
Bを18時間培養し、その100倍濃縮液を各群ラット
ロ腔内に移植することにより行なった。試験開始より4
日間、毎日感染させ、5日目にストレプトマイシン(2
00μg/rd)加MS平板培地で移植菌の定着を確認
した。
未定着ラットは定着するまで感染をくり返した。
実験開始より56日目にラットを層殺し、無菌的に下顎
をとり出し、そのカリエススコアーをKeyesらの方
法により算出した(P、H,Keyes、 J、Den
t。
Res、、 37: 1088−1099.1958)
。結果を表4にまとめた。
この結果、S1mutans特異的結合活性0.5O以
上を有する卵黄水溶性タンパク質粉末をチョコレートに
0.05重量%以上配合することによりラットの感染う
蝕を統計学的有意差(危険率1%)を以て予防できるこ
とが確認された。
表4 う蝕予防チョコレートのラットう蝕予防効果A群
  処方(1)  0.1  % 56.7±3.1”
(63%’)  300.7gB群  処方(2)  
0.05% 64.9±2.2” (73%>  30
9.5gC群  処方(3)  0.025% 75.
1±2.7 (84%)  296.6g実施例5  
つ蝕予防アイスクリームの試作S、 mutans特異
的結合活性を有するIgYを純品換算で0.055重量
%配合したアイスクリームを試作した。IgYとしては
実施例2で調製した非水溶性グルカン複合物質抗原卵黄
水溶性タンパク質粉末(IgY純度11%)を用いた。
以下に処方(重量%)を示す。
処方: 無塩バター         7.0%全脂練乳   
      10.0%牛乳           3
4.5%脱脂粉乳          0.5%グラニ
ユー糖       4.0% 75%ブリックス水あめ   14.0%乳化安定剤 
        0.5%卵黄水溶性タンパク質粉末 
 0.5%水                26,
0%ワニラエッセンス      適量 まず、無塩バター、全脂練乳、牛乳、脱脂粉乳、グラニ
ユー糖、水あめ(75%ブリックス)、乳化安定剤、卵
黄水溶性タンパク質粉末及び水を混合し、70℃、10
分間加温溶解し、次いでホモジナイザー後、80℃、1
5秒間の殺菌を行なった。殺菌後ただちに5℃まで冷却
し、ワニラエッセンスを加え、再度アイスクリームミッ
クスを均質化した。ついでエージング後フリージングを
行い、アイスクリームを作製した。このアイスクリーム
10gをPBS−Tweenに溶解し100 rrIf
!とじたあとは、試験例8に示した方法に従い、IgY
の活性残存率を測定した。その結果、95%の活性残存
率でS、 mutans特異的結合活性を有するIgY
をアイスクリームに配合できたことが判明した。
実施例6  う蝕予防調整牛乳の試作 S0mutans特異的結合活性を有5るIgYを純品
換算で0.055重量%配合した調整牛乳を試作した。
市販の牛乳10kgに対し実施例2で調製したグルコシ
ルトランスフェラーゼ抗原卵黄水溶性タンパク質粉末(
IgY純度11%)50gを混合溶解し、68℃まで加
温し、ホモジナイザー処理を行なった後、直ちに68℃
、30分間の殺菌処理を行なった。殺菌後直ちに5℃ま
で冷却し、う蝕予防調整牛乳を作製した。
この調整牛乳10gにPBS−TIIleenを加え、
100−とした。その後、試験例8に示した方法に従い
、IgY活性の残存率を測定した結果、98%の活性残
存率であった。
実施例7  う蝕予防ヨーグルトの試作S、 muta
ns特異的結合活性を有するIgYを純品換算で0.0
55重量%配合したヨーグルトを試作した。
IgYとして実施例2で調製した非水溶性グルカン複合
物質抗原免疫卵黄水溶性タンパク質粉末(Igy純度1
1%)を用いた。
以下に処方を示す。
処方: 牛乳 脱脂粉乳 75%ブリックス水あめ グラニユー糖 ゼラチン 卵黄水溶性タンパク質粉末 水 30  % 7  % 15  % 1.5% 0.5% 0.5% 45.5% 各処方成分を加温溶解し、70℃、 30分間の加熱 殺菌を行なった。直ちにミックスを40℃まで冷却し、
ミックス100重量部に対しヨーグルト菌(ヨーグルト
)10重量部を混合し、40℃、6時間培養した。その
後冷却し、冷蔵した。このヨーグルトLogをはかり、
PBS−Tweenに溶解し100 ifとした。
その後、試験例8の方法に従いIgYの活性残存率を測
定した結果、92%の活性残存率であった。
〔発明の効果〕
本発明のう蝕予防食品は、S、 mutans特異的結
合活性を有する抗体が配合されており、かつ抗体の食品
化学的安定性を満足する条件下で製造されるため、該食
品中の抗体の活性残存率が高いことに特徴がある。
また、抗体の配合量はう蝕予防効果を得るのに少なくと
も必要な量であり、きわめて微量であるため該食品自体
の味覚等に何等影響を与えるものではない点にも特徴が
ある。
さらに、本発明により実際に動物を用いた1nνivo
でのう蝕予防効果が実証されたう蝕予防食品を得ること
ができた。
しかも、本発明における抗体は、毒性やアレルギー性等
がないことから、安全性が高く安心して食品中に配合す
ることができる。
このようなう蝕予防食品は、本発明により初めて達成さ
れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はIgY純品を用いた検量線を示した図であり、
縦軸はBLIS八vaへueの対数値を横軸はIgY量
の対数値を示す。 第2図は各種の卵黄水溶性タンパク質粉末IgY量とB
LISA valueの関係を示した図である。 第3図はIgYの示差熱分析結果を示した図である。 第4図はIgYのpH安定性試験結果を示した図である

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)う蝕誘発菌特異的結合活性を有する抗体を含有す
    るう蝕予防食品。
  2. (2)ストレフトコッカス・ミュータンスに特異的結合
    活性を有する抗体を含有するう蝕予防食品。
  3. (3)請求項(1)又は(2)記載の抗体が、予め抗原
    で免疫された鶏が産卵した卵から調製される抗体である
    ことを特徴とする請求項(1)又は(2)記載のう蝕予
    防食品。
  4. (4)請求項(1)、(2)又は(3)記載の抗体が、
    該抗体の特異的結合活性を酵素免疫測定法で測定した場
    合に抗体1μgに対する405nmにおける吸光度が0
    .50以上であることを特徴とする請求項(1)、(2
    )又は(3)記載のう蝕予防食品。
  5. (5)抗体の含有量が、少なくとも0.05重量%であ
    る請求項(1)、(2)、(3)又は(4)記載のう蝕
    予防食品。
  6. (6)食品がチョコレート、アイスクリーム、成分調整
    牛乳、ヨーグルト、ホイッピングクリーム又は飲料であ
    る請求項(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記
    載のう蝕予防食品。
  7. (7)食品製造工程において、pH3.0以上の条件下
    で請求項(1)、(2)、(3)又は(4)記載の抗体
    を少なくとも0.05重量%配合することを特徴とする
    請求項(1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(
    6)記載のう蝕予防食品の製造方法。
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