JPH08260661A - Ａｌｃコーナーパネルの取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取り付け作業性に優れ、ＡＬＣコーナーパネ
ルと一般パネルとの納まりをよくすることのできるＡＬ
Ｃコーナーパネルの取付装置を提供すること。 【構成】 本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装置
は、両端に結合部を有すると共に中央部に嵌入溝１２を
有し、角柱１の半周分を被覆するように断面Ｌ字状に折
曲形成された第一金具１０と、嵌入溝１２に嵌入係合す
る嵌入縁部２１及びＡＬＣコーナーパネル３の当接面に
沿って形成された当接縁部２２を有する枠状の第二金具
２０とを備え、一対の第一金具１０で角柱１側面を被覆
すると共にそれぞれの結合部を接合締結して一対の第一
金具１０を角柱１に固定し、固定された一対の第一金具
１０の嵌入溝１２に第二金具２０の嵌入縁部２１を嵌入
係合すると共に当接縁部２２にＡＬＣコーナーパネル３
の当接面を当接させて第二金具２０及びＡＬＣコーナー
パネル３の両者を固定具４０によって固定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物のコーナー部に角
柱を介して、あるいは独立角柱の全面にＡＬＣコーナー
パネルを取り付ける際に用いられるＡＬＣコーナーパネ
ルの取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のＡＬＣコーナーパネルの取付装置
を用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパネルを取
り付ける場合、図５に示すように、コーナー部に立設さ
れた角形鋼管柱１に一般パネル２及びＡＬＣコーナーパ
ネル３を取り付けるためのＬ型アングル４、４をそれぞ
れ溶接によって取り付ける。この際に用いられるＡＬＣ
コーナーパネル３にはフックボルト５用のボルト孔３Ａ
が複数形成されている。このＡＬＣコーナーパネル３を
Ｌ型アングル４に取り付けるには、ＡＬＣコーナーパネ
ル３のボルト孔３Ａにフックボルト５を挿入し、更にこ
のフックボルト５のフック部をＬ型アングル４に引っ掛
けてこれら両者３、４を係合させた後、ナット６をフッ
クボルト５のネジ部に螺合させ、ナット６を締め付けて
ＡＬＣコーナーパネル３を角形鋼管柱１に固定し、もっ
て建物のコーナー部を形成するようにしていた。尚、図
中７は梁である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のＡＬＣコーナー
パネルの取付装置によってＡＬＣコーナーパネル３を角
形鋼管柱１に取り付けるには、上述のようにＬ型アング
ル４を角形鋼管柱１に溶接しなくてはならず、また、フ
ックボルト５をＬ型アングル４に引っ掛ける作業が難し
く極めて作業性が悪いという課題があった。また、施工
後に地震等で躯体に変形が生じると、ＡＬＣコーナーパ
ネル３が角形鋼管柱１と一体になって動くため、一般パ
ネル２とＡＬＣコーナーパネル３との間に十分なクリア
ランスが必要になり、十分なクリアランスを設けるとＡ
ＬＣコーナーパネル３の納まりが悪くなるという課題が
あった。

【０００４】上述の課題を改善するために、特開平5-52
013 号公報に記載されたＡＬＣコーナーパネルの取付装
置が考えられている。特開平5-52013 号公報に記載され
た取付装置は、図６に示すように、角形鋼管柱１に第一
金具１０及び第二金具２０を介してＡＬＣコーナーパネ
ル３を取り付けるものであるが、第二金具２０の嵌入縁
部２１を第一金物１０の２つの嵌入溝１２，１２に同時
に嵌入させるのが難しかったり、第二金具２０の係合縁
部２２へのＡＬＣコーナーパネル３のネジ止め時に、図
６中破線で示すように、係合縁部２２が撓んでネジ止め
し難いことがあり、作業性をより向上し得るＡＬＣコー
ナーパネルの取付装置が望まれていた。

【０００５】本発明は、特開平5-52013 号公報に記載さ
れたＡＬＣコーナーパネルの取付装置の改良に関するも
のであり、本発明の目的は、ＡＬＣコーナーパネルの取
り付け作業性に優れ、ＡＬＣコーナーパネルと一般パネ
ルとの納まりをよくするＡＬＣコーナーパネルの取付装
置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、両端に結合部
を有すると共に、中央部に切込み部が押し出されて形成
された嵌入溝を有し、角柱の半周分を被覆するように断
面Ｌ字状に折曲形成された第一金具と、上記第一金具の
上記嵌入溝に嵌入係合する嵌入縁部及びＡＬＣコーナー
パネルの当接面に沿って形成された当接縁部を有する枠
状の第二金具とを備え、一対の上記第一金具で角柱側面
を被覆すると共にそれぞれの上記結合部を接合締結する
ことによって、一対の該第一金具を角柱に固定し、固定
された一対の上記第一金具の上記嵌入溝に上記第二金具
の上記嵌入縁部を嵌入係合すると共に上記第二金具の上
記当接縁部にＡＬＣコーナーパネルの当接面を当接させ
て、上記第二金具及びＡＬＣコーナーパネルの両者を固
定具によって固定することを特徴とするＡＬＣコーナー
パネルの取付装置を提供することにより上記目的を達成
したものである。

【０００７】

【作用】本発明によれば、一対の第一金具で角柱を被覆
した後、各第一金具両端の結合部同士をそれぞれ接合締
結して一対の第一金具を角柱に固定し、然る後、固定さ
れた状態の第一金具の嵌入溝に第二金具の嵌入縁部を嵌
入係合して第二金具を第一金具に固定すれば、後は、こ
の第二金具に固定具によってＡＬＣコーナーパネルを容
易に固定することができる。

【０００８】

【実施例】本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装置の
第一実施例を図面を参照して説明する。尚、従来と同一
または相当部分には同一符号を付して説明する。図１は
本実施例を用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパ
ネルを取り付けた状態を上方から示す断面図、図２は本
実施例を用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパネ
ルを取り付けた状態を示す一部断面斜視図、図３は本実
施例を用いて独立した角形鋼管柱にＡＬＣコーナーパネ
ルを取り付けた状態を上方から示す断面図である。尚、
図２中には、角柱を省略して本実施例の取付装置を見え
易いように示してある

【０００９】本実施例のＡＬＣコーナーパネルの取付装
置は、図１及び図２に示すように、両端に結合部を有す
ると共に、中央部に切込み部が押し出されて形成された
嵌入溝１２を有し、角柱１の半周分を被覆するように断
面Ｌ字状に折曲形成された第一金具１０と、上記第一金
具１０の上記嵌入溝１２に嵌入係合する嵌入縁部２１及
びＡＬＣコーナーパネル３の当接面に沿って形成された
当接縁部２２を有する枠状の第二金具２０とを備えてい
る。

【００１０】上記第一金具１０は、その両端の上記結合
部の一端がボルト孔１１Ａを有する接合縁部１１として
形成され、その他端が蝶番部１３として形成されてお
り、一対の上記第一金具１０，１０それぞれの上記蝶番
部１３，１３が蝶着されると共に、上記ボルト孔１１
Ａ，１１Ａにおいてそれぞれの上記接合縁部１１，１１
が接合締結されるようになしてある。

【００１１】本実施例のＡＬＣコーナーパネルの取付装
置を用いてＡＬＣコーナーパネル３を角柱（角形鋼管
柱）１に取り付けるには、一対の上記第一金具１０，１
０で角柱１側面を被覆すると共にそれぞれの上記接合縁
部１１，１１及び上記蝶番部１３，１３を接合締結する
ことによって一対の該第一金具１０，１０を角柱１に固
定し、固定された一対の上記第一金具１０，１０の上記
嵌入溝１２，１２・・それぞれに上記第二金具２０上記
嵌入縁部２１を嵌入係合すると共に上記当接縁部２２に
ＡＬＣコーナーパネル３の当接面を当接させて、上記第
二金具２０及びＡＬＣコーナーパネル３の両者を固定具
（タッピングビス）４０によって固定する。以下に本実
施例のＡＬＣコーナーパネルの取付装置を更に詳しく説
明する。

【００１２】第一金具１０は、角形鋼管柱１の半周分を
被覆するように細長形状の金属片が断面Ｌ字状に折曲形
成された取付金具である。また、そのＬ字状の両端にそ
れぞれ結合部が形成されている。一端の結合部が外側へ
４５°折曲形成されて接合縁部１１として形成され、該
接合縁部１１にはボルト孔１１Ａが形成されており、他
端の結合部が蝶番部として形成されている。そして、２
個の第一金具１０で角形鋼管柱１を囲んで被覆した場
合、それらの蝶番部同士は互いに蝶着されて蝶番として
機能するように構成され、それらの接合縁部１１同士は
それぞれのボルト孔１１Ａが一致してボルト３０によっ
て締結できるように構成されている。また、第一金具１
０には後述する第二金具２０の一部が嵌入して挟持され
る嵌入溝１２が形成されている。この嵌入溝１２は、図
２に示すように、第一金具１０の一部に切込みを入れ、
この切込みを押出し折曲することにより形成されてお
り、Ｌ字状の各辺に二個所ずつ設けられている。

【００１３】一方、第二金具２０は、全体として平面形
状が長方形の枠状を呈する金属片からなる取付具で、長
辺に相当する対向する二面のうちの一面が第一金具１０
の嵌入溝１２に嵌入する嵌入縁部２１として形成され、
他面がＡＬＣコーナーパネル３の当接面に当接する当接
縁部２２として形成されている。

【００１４】従って、上記ＡＬＣコーナーパネルの取付
装置を用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパネル
３を取り付けるには、図１に示すように、まず、２個の
第一金具１０の蝶番部１３を蝶着しておき、蝶着された
２個の第一金具１０で角形鋼管柱１を囲むように被覆す
ると共にそれらの接合縁部１１、１１同士をボルト孔１
１Ａ、１１Ａが一致するように互いに面接させた後、そ
れぞれのボルト孔１１Ａ、１１Ａを介してボルト３０に
よってそれぞれの接合縁部１１、１１を締結して両第一
金具１０、１０を角形鋼管柱１に固定する。然る後、角
形鋼管柱１のコーナー部を挟んで２個の第二金具２０を
固定する。この固定に際し、第二金具２０の嵌入縁部２
１を第一金具１０の嵌入溝１２に嵌入させ、嵌入溝１２
によって嵌入縁部２１を挟持させる。次いで、固定され
た２個の第二金具２０の当接縁部２２にＡＬＣコーナー
パネル３の当接面を当接させた状態でＡＬＣコーナーパ
ネル３のビス孔３Ａからタッピングビス４０を挿通し、
ＡＬＣコーナーパネル３を第二金具２０に対してビス止
め固定する。

【００１５】本実施例のＡＬＣコーナーパネルの取付装
置は上述の如く構成されており、本実施例の取付装置に
よれば、上述のように第一金具１０及び第二金具２０を
介してＡＬＣコーナーパネル３を角形鋼管柱１に取り付
けるようになしてあるので、従来のように溶接作業を必
要とせず、フックボルトをＬ型アングルに取り付けるよ
うな面倒な作業をしなくても済ませることができる。ま
た、施工後に地震で躯体が変形することがあっても、第
二金具２０が変形してＡＬＣコーナーパネル３が他の一
般パネル２と一体になって動くことができるため、一般
パネル２の取り付けに免震スライド工法を採用してもＡ
ＬＣコーナーパネル３も一般パネル２に追従し、ＡＬＣ
コーナーパネル３と一般パネル２との間のクリアランス
を小さくすることができる。

【００１６】更に、本実施例の取付装置によれば、１個
所の嵌入溝１２に対して１個の第二金具２０が嵌入する
ような構造としてあるため、第二金具２０を嵌入溝１２
に簡単に嵌入させてＡＬＣコーナーパネル３を角形鋼管
柱１に容易に取り付けることができる。また更に、第二
金具２０を枠状に形成してあるため、ＡＬＣコーナーパ
ネル３の第二金具２０へのビス止め時に第二金具２０が
撓んだり歪んだりすることなくＡＬＣコーナーパネル３
を角形鋼管柱１に容易に取り付けることができる。

【００１７】また、上記ＡＬＣコーナーパネルの取付装
置を用いて図３に示すような独立した角形鋼管柱１の周
囲にＡＬＣコーナーパネル３を取り付ける場合にも上記
実施例に準じて取付作業をすることができ、上記実施例
と同様の作用効果を期することができる。

【００１８】尚、本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付
装置は、上記実施例に何等制限されるものではない。例
えば、上記実施例においては、第一金具１０の一端に接
合縁部１１、他端に蝶番部１３を形成して、第一金具１
０の角形鋼管柱１への固定を行い易くしたが、図４に示
す本発明の第２実施例のように、第一金具１０の両端に
接合縁部１１を設けてもよい。また、ＡＬＣコーナーパ
ネル３の角形鋼管柱１への取付手順は、上述のような手
順で行われるのが好ましいが、第一金具１０を角形鋼管
柱１に取り付け且つ第二金具２０をＡＬＣコーナーパネ
ル３に取り付け、その後にＡＬＣコーナーパネル３を角
形鋼管柱１に第一金具１０及び第二金具２０を介して取
り付けても構わない。その他の点に関しても、本発明の
趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。

【００１９】

【発明の効果】本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装
置は、ＡＬＣコーナーパネルの取り付け作業性に優れ、
ＡＬＣコーナーパネルと一般パネルとの納まりをよくす
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装置の第
一実施例を用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパ
ネルを取り付けた状態を上方から示す断面図である。

【図２】本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装置の第
一実施例を用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパ
ネルを取り付けた状態を示す一部断面斜視図である。

【図３】本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装置の第
一実施例を用いて独立した角形鋼管柱にＡＬＣコーナー
パネルを取り付けた状態を上方から示す断面図である。

【図４】本発明のＡＬＣコーナーパネルの取付装置の第
二実施例を用いた図３相当図である。

【図５】従来のＡＬＣコーナーパネルの取付装置を用い
て建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパネルを取り付け
た状態を上方から示す断面図である。

【図６】従来の別のＡＬＣコーナーパネルの取付装置を
用いて建物のコーナー部にＡＬＣコーナーパネルを取り
付けた状態を上方から示す断面図である。

【符号の説明】

１ 角形鋼管柱（角柱） ３ ＡＬＣコーナーパネル １０ 第一金具 １１ 接合縁部（結合部） １１Ａ ボルト孔 １２ 嵌入溝 １３ 蝶番部（結合部） ２０ 第二金具 ２１ 嵌入縁部 ２２ 当接縁部 ３０ ボルト ４０ タッピングビス（固定具）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に結合部を有すると共に、中央部に
   切込み部が押し出されて形成された嵌入溝を有し、角柱
   の半周分を被覆するように断面Ｌ字状に折曲形成された
   第一金具と、 上記第一金具の上記嵌入溝に嵌入係合する嵌入縁部及び
   ＡＬＣコーナーパネルの当接面に沿って形成された当接
   縁部を有する枠状の第二金具とを備え、 一対の上記第一金具で角柱側面を被覆すると共にそれぞ
   れの上記結合部を接合締結することによって、一対の該
   第一金具を角柱に固定し、固定された一対の上記第一金
   具の上記嵌入溝に上記第二金具の上記嵌入縁部を嵌入係
   合すると共に上記第二金具の上記当接縁部にＡＬＣコー
   ナーパネルの当接面を当接させて、上記第二金具及びＡ
   ＬＣコーナーパネルの両者を固定具によって固定するこ
   とを特徴とするＡＬＣコーナーパネルの取付装置。
2. 【請求項２】 一対の上記第一金具は、それらの両端の
   上記結合部の一端がボルト孔を有する接合縁部として形
   成され、それらの他端が蝶番部として形成されており、
   それぞれの上記蝶番部が蝶着されると共に、上記ボルト
   孔においてそれぞれの上記接合縁部が接合締結されるよ
   うになしてある、請求項１に記載のＡＬＣコーナーパネ
   ルの取付装置。
3. 【請求項３】 一対の上記第一金具は、それらの両端の
   上記結合部が何れもボルト孔を有する接合縁部として形
   成されており、上記ボルト孔においてそれぞれの上記接
   合縁部が接合締結されるようになしてある、請求項１に
   記載のＡＬＣコーナーパネルの取付装置。