JPH08259740A - スチールコードとの接着性を向上させるゴム組成物 - Google Patents

スチールコードとの接着性を向上させるゴム組成物

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JPH08259740A
JPH08259740A JP6054395A JP6054395A JPH08259740A JP H08259740 A JPH08259740 A JP H08259740A JP 6054395 A JP6054395 A JP 6054395A JP 6054395 A JP6054395 A JP 6054395A JP H08259740 A JPH08259740 A JP H08259740A
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rubber
steel cord
rubber composition
cobalt
weight
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JP6054395A
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Shiyuuichi Onoi
秀 一 尾ノ井
Masayasu Morimoto
本 正 泰 森
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スチールコードとの接着性を向上させるゴム組
成物、および当該ゴム組成物とスチールコードとの複合
体を提供することを目的とする。 【構成】硫黄加硫可能なゴム100重量部に対して、有
機酸コバルト塩をコバルト量として0.2〜1.0重量
部と、下記式[1]で表されるジチオリン酸の金属塩
0.5〜3.0重量部とを含むことを特徴とするスチー
ルコードとの接着性を向上させるゴム組成物。(ここ
で、R1 〜R4 は同一であっても、異なっていてもよ
く、アルキル基を表し、Mは金属である。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムと金属材料、特
に、ゴムと黄銅または亜鉛メッキで被覆された金属材料
との接着性に優れたゴム組成物に関する。より詳細に
は、黄銅または亜鉛メッキで被覆されたスチールコード
との接着性に優れたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スチールコードはゴム組成物の補
強材料として使用され、ゴム組成物と種々の方法で接着
されてきた。両者を接着する方法としては、例えば、特
開昭57−70138号公報にスチールコードを黄銅あ
るいは亜鉛メッキなどで被覆し、他方、ゴム組成物には
レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、硫黄、有機酸
コバルト塩などを配合して接着性を向上させる方法が記
載されている。
【0003】一方、硫黄、チウラム系加硫促進剤、およ
び6−R−2,4−ジメルカプトトリアジンを原料ゴム
に配合して接着性を向上させる方法が、特開昭59−2
15340号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
作業方法では、金属材料とゴム組成物との接着性を向上
させようとすると、スコーチタイムが短いといった問題
点や高温多湿の環境下では十分な接着性が得られないと
いう問題点があり、スチールコードとゴム組成物との接
着性を向上させることとこれらからなる複合体の製品寿
命を長くすることとの両立が困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の発明者
らは、上記の問題点を解決すべく、本発明を完成させた
ものである。本発明は、スチールコードとの接着性を向
上させるゴム組成物、および当該ゴム組成物とスチール
コードとの複合体を提供することを目的とする。本発明
は、硫黄加硫可能なゴム100重量部に対して、有機酸
コバルト塩をコバルト量として0.2〜1.0重量部
と、下記式[1]で表されるジチオリン酸の金属塩0.
5〜3.0重量部とを含むスチールコードとの接着性を
向上させるゴム組成物である。
【0006】
【化3】
【0007】ここで、R1 〜R4 は、同一であっても、
異なっていてもよく、アルキル基を表す。Mは金属であ
る。
【0008】また、本発明は、上記ゴム組成物に、さら
に下記式[2]で表されるメルカプトトリアジン0.1
〜5.0重量部を含むことを特徴とするスチールコード
との接着性を向上させるゴム組成物である。
【0009】
【化4】
【0010】ここで、R5 は、メルカプト基、アニリノ
基、またはジブチルアミノ基を表す。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。ゴム
は、加硫の際に硫黄加硫可能なゴムと、硫黄以外、例え
ば、パーオキサイドなどで加硫されるゴムとに分けら
れ、本発明においては、硫黄加硫可能なゴムを使用す
る。パーオキサイドなどで加硫するゴムを用いると、後
述するスチールコードとの接着性が向上しないためであ
る。本発明で使用する硫黄加硫可能なゴムは、硫黄を用
いて加硫できるゴムであれば特に限定されず、天然ゴム
であっても、合成ゴムであってもよい。また、これらの
混合物であってもよい。具体的には、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)など
を、単独あるいは混合して使用することができる。
【0012】有機酸コバルト塩は、一般的に液相酸化触
媒として使用されるもので、対応する有機酸のアルカリ
セッケン水溶液に酢酸コバルト溶液を加え複分解沈殿さ
せる方法、有機酸と酸化コバルト(II)とを加熱融解
させる方法、あるいは有機酸のベンジン溶液に硫酸コバ
ルトまたは硝酸コバルトの水溶液を加える方法などによ
り得られる。本発明に用いる有機酸コバルト塩として
は、具体的には、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コ
バルト、オクチル酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、
あるいはコバルトボロン錯体などを挙げることができ
る。ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、コバ
ルトボロン錯体などを使用することが高接着性であるこ
とから好ましい。
【0013】有機酸コバルト塩の添加量は、上記硫黄加
硫可能なゴム100重量部に対してコバルト量として
0.2〜1.0重量部とする。添加量が0.2重量部未
満では、ゴム組成物のスチールコードとの接着性が悪化
し、1.0重量部を超えて添加すると、ゴム組成物の耐
老化性が悪化するためである。特に、接着性およびゴム
物性を両立させる観点から、有機酸コバルト塩の添加量
は0.2〜0.6重量部の範囲であることがより好まし
い。
【0014】ジチオリン酸の金属塩は、五硫化二リンP
2 5 などの含硫黄リン化合物から合成されるジチオリ
ン酸と金属塩との化合物であり、本発明で用いられるジ
チオリン酸の金属塩は下記式[1]で表される。
【0015】
【化5】
【0016】ここで、R1 〜R4 は、アルキル基を表
し、同一であっても異なっていてもよく、炭素数は1〜
5が好ましい。特に、R1 〜R4 が、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基であることが、上記硫黄加
硫可能なゴムとの反応性がよく、加硫促進効果が得られ
る点で好ましい。特に、R1 〜R4 がn−ブチル基であ
るジチオリン酸を用いると加硫促進効果が高い。Mは金
属であり、CuまたはZnが特に好ましい。上記硫黄加
硫可能なゴム成分の老化を促進しない点で、Znである
ことがさらに好ましい。
【0017】上記式[1]で表されるジチオリン酸の金
属塩の添加量は、上記硫黄加硫可能なゴム100重量部
に対して0.5〜3.0重量部である。添加量が0.5
重量部未満では、上記硫黄加硫可能なゴムの加硫が進ま
ず、加硫後のゴム組成物を加硫製品として使用すること
ができない。一方、3.0重量部を超えて添加すると上
記ゴム組成物のスチールコードへの接着性が悪化する。
【0018】メルカプトトリアジンは、3個の窒素原子
をヘテロ原子として含む6員環にメルカプト基が結合し
た化合物であり、本発明で用いるメルカプトトリアジン
は、下記式[2]で表される。
【0019】
【化6】
【0020】ここで、R5 はメルカプト基、アニリノ
基、またはジブチルアミノ基を表す。R5 がメルカプト
基であると、特に、ゴム組成物の接着性をさらに高める
効果がある。
【0021】本発明で用いるメルカプトトリアジンは、
シアン化水素と塩酸からつくるグルンドマン−クロイツ
ベルガー法、ホルムアミジンの熱分解または塩基触媒分
解によるグルンドマン法により、あるいは各種ニトリル
からトリアジンを合成し、2,4−ジメルカプト−1,
3,5−トリアジンとし、その後にその6位の水素を、
メルカプト基、アニリノ基、またはジブチルアミノ基で
置換することにより得ることができる。
【0022】上記式[2]で表されるメルカプトトリア
ジンの添加量は、上記硫黄加硫可能なゴム100重量部
に対して0.1〜5.0重量部である。添加量が0.1
重量部未満では、上記ゴム組成物とスチールコードとの
接着性をさらに向上させる効果が発揮されず、5.0重
量部を超えて添加すると、上記ゴム組成物の耐老化性が
悪化するためである。0.5〜3.0重量部の範囲であ
ることが、十分な接着性とゴム物性の両立の観点から特
に好ましい。
【0023】上述の硫黄加硫可能なゴムに、上記の有機
コバルト塩と上記式[1]で表されるジチオリン酸の金
属塩とを所定量添加することにより、本発明のスチール
コードとの接着性を向上させるゴム組成物を得ることが
できる。上記ゴム組成物に、上記式[2]で表されるメ
ルカプトトリアジンを所定量添加すると、より一層スチ
ールコードとの接着性を向上させるゴム組成物とするこ
とができる。
【0024】本発明のスチールコードとの接着性を向上
させるゴム組成物は、上記の各成分の他に;カーボンブ
ラックなどの充填剤;亜鉛華、ステアリン酸などの加硫
促進剤;アミン系、フェノール系あるいはワックス系な
どの老化防止剤;硫黄;植物油系あるいは鉱物油系など
の軟化剤;などの通常用いられる配合剤を含有すること
ができる。
【0025】本発明のスチールコードとの接着性を向上
させるゴム組成物は、以下のようにして製造する。上述
した硫黄加硫可能なゴム100重量部に、有機酸コバル
ト塩をコバルト量として0.2〜1.0重量部、ジチオ
リン酸の金属塩0.5〜3.0重量部、メルカプトトリ
アジン0.1〜5.0重量部、硫黄を所定量配合し、さ
らに上記の充填剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤な
どを適宜選択して所定量添加し、ロールミルあるいはバ
ンバリミキサーなどを用いて、所定の温度で所定の時間
混練し、本発明のスチールコードとの接着性を向上させ
るゴム組成物を得る。
【0026】本発明のスチールコードとの接着性を向上
させるゴム組成物は、以下に説明するスチールコードな
どの金属材料と密着させて、所定の温度で所定の時間硫
黄加硫することにより、ゴムと金属材料との複合体とす
ることができる。
【0027】スチールコードには、黄銅メッキされたも
の、亜鉛メッキされたものなどがあり、様々な用途で補
強材料として用いられている。本発明のスチールコード
との接着性を向上させるゴム組成物と接着するスチール
コードとしては、黄銅メッキされているもの、亜鉛メッ
キされているものをいずれも使用することが可能であ
り、本発明のゴム組成物と接着して複合体とした際のそ
れらの用途に応じて、素線径やコード径などを適宜選択
する。特に、亜鉛メッキされたスチールコードは、黄銅
メッキされたスチールコードに比べ、錆にくく耐久性が
良いため、使用環境の管理が困難で耐久性を要求される
コンベヤベルトなどに好適である。上記スチールコード
との接着性を向上させるゴム組成物を、上記スチールコ
ードと接着すると、ホース、コンベヤベルト、タイヤな
どといった種々の用途に用いることができる。
【0028】上述のようにして得た本発明のスチールコ
ードとの接着性を向上させるゴム組成物を、上記の黄銅
メッキまたは亜鉛メッキされたスチールコードに所定の
厚さで密着させ、所定の温度で所定の時間、一括加硫を
行い、上記スチールコードとの接着性を向上させたゴム
組成物とスチールコードとの複合体とする。上記複合体
は、上述したタイヤ、コンベヤベルト、ホースなどとし
て使用することができる。
【0029】本発明のゴム組成物を黄銅メッキされたス
チールコードと接着し、コンベヤベルトとした例を以下
に示して、具体的に説明する。図1に、コンベヤベルト
用複合体1の斜視図を一例として示す。図1に示したコ
ンベヤベルト用複合体1は、黄銅メッキまたは亜鉛メッ
キされた複数のスチールコード20とこのスチールコー
ドに接着された本発明のゴム組成物からなるクッション
ゴム層10と、上記クッションゴム層10を挟む2つの
カバーゴム層12からなる3層構造を有している。
【0030】上記クッションゴム層10は、上記複数の
スチールコード20とこれを挟む2つのクッションゴム
層用シート10aおよび10bからなる。まず、上述の
ようにして製造した本発明のスチールコードとの接着性
を向上させるゴム組成物を、所定の厚さのクッションゴ
ム層用シート10aおよび10bに成型する。上記クッ
ションゴム層用シート10aおよび10bの厚みは、こ
れらシートの間に上記スチールコード20を挟んだ際
に、上記スチールコード20の表面とこれらシートが上
記スチールコードと接触しない表面との間に片側1〜2
mm程度の余裕22を持つように、使用する上記スチー
ルコード20の直径に応じて調節する。
【0031】上記カバーゴム層12に用いるゴム組成物
は、上記クッションゴム層10に用いる本発明のスチー
ルコードとの接着性を向上させるゴム組成物の硫黄加硫
可能なゴム成分を主として含む。カバーゴム層用組成物
を、混練し、所定の厚さのカバーゴム層用シート12a
および12bを成型する。
【0032】上述のようにして成型した2枚のクッショ
ンゴム層用シート10aおよび10bの間に上記複数の
スチールコード20を挟み、クッションゴム層10を形
成する。さらに、上述のようにして成型したカバーゴム
層用シートを12aおよび12bを、上記クッションゴ
ム層10の両面に密着させて3層とし、この後、所定の
温度で所定の時間、一括加硫してコンベヤベルト用複合
体1とする。上記コンベヤベルト用複合体1同士を所定
数接合して、所望の長さのコンベヤベルトを製造する。
【0033】以下に実施例を示して、本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何等限定
されるものではない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)天然ゴム(NR)としてTTR 20、合
成ゴムとしてSBRであるNIPOL 1502(日本
ゼオン(株)製)、HAF−HSカーボンブラック、亜
鉛華、ステアリン酸、ノンフレックスOD−3(老化防
止剤、精工化学(株)製)、アロマ系オイル、硫黄、ナ
フテン酸コバルト(大日本インキ(株)製)、下記式
[3]で表されるo,o−ジ−n−ブチルジチオリン酸
の亜鉛塩を表1に示す量で配合し、00型バンバリミキ
サーを用いて混練し、実施例1のスチールコードとの接
着性を向上させるゴム組成物を得た。
【0035】
【化7】
【0036】(実施例2)上記式[3]で表されるo,
o−ジ−n−ブチルジチオリン酸の亜鉛塩の添加量が異
なる以外は実施例1と同様にして、実施例2のスチール
コードとの接着性を向上させるゴム組成物を得た。
【0037】(実施例3)下記式[4]で表されるZI
SNET F(2,4,6−トリメルカプト−1,3,
5−トリアジン、三協化成(株)製)を表1に示す量、
さらに、配合する以外は実施例2と同様にして、実施例
3のスチールコードとの接着性を向上させるゴム組成物
を得た。
【0038】
【化8】
【0039】(実施例4)ZISNET F(2,4,
6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、三協化
成(株)製)の配合量が異なる以外は実施例3と同様に
して、実施例4のスチールコードとの接着性を向上させ
るゴム組成物を得た。
【0040】(実施例5)硫黄加硫可能なゴムとしてT
TR 20を単独で使用する以外は、実施例1と同様に
して、実施例5のスチールコードとの接着性を向上させ
るゴム組成物を得た。
【0041】(実施例6)硫黄加硫可能なゴムとしてN
IPOL 1502を単独で使用する以外は、実施例1
と同様にして、実施例6のスチールコードとの接着性を
向上させるゴム組成物を得た。
【0042】(比較例1)上記式[3]で表されるo,
o−ジ−n−ブチルジチオリン酸の亜鉛塩を配合せず、
ノクセラーDM−PO(加硫促進剤、ジベンゾチアジル
ジスルフィド、大内新興化学(株)製)を表1に示す量
配合する以外は実施例1と同様にして、比較例1のゴム
組成物を得た。
【0043】(比較例2)ナフテン酸コバルトを配合し
ない以外は実施例2と同様にして、比較例2のゴム組成
物を得た。
【0044】(比較例3)ナフテン酸コバルトを表1に
示す量配合する以外は実施例2と同様にして、比較例3
のゴム組成物を得た。
【0045】(比較例4)ZISNET Fを表1に示
す量配合する以外は実施例2と同様にして、比較例4の
ゴム組成物を得た。
【0046】(接着性評価) (1)試験片の作製 上述のようにして実施例1〜6のスチールコードとの接
着性を向上させたゴム組成物および比較例1〜4のゴム
組成物を得た。これらと接着するスチールコードとし
て、デシケータ中に保管して防塵防湿処理を施してある
直径4.1mmの亜鉛メッキスチールコードを使用し
た。このスチールコード上に、上記の実施例1〜6およ
び比較例1〜4の各ゴム組成物を15mmの厚さに密着
させて、上記各ゴム組成物とスチールコードとの複合体
とし、150℃で30分間、加圧加硫を行い、試験片を
作製した。これらの試験片を用いて、初期接着性および
耐水接着性を評価した。
【0047】(2)初期接着性 初期接着性は、(1)のように作製した各試験片からス
チールコードを引き抜き、引き抜き力(kg/50m
m)およびゴム被覆率(%)で評価した。引き抜き試験
はDIN22131に準拠した。ゴム被覆率(%)は、
スチールコードの表面積に対する引き抜き後のスチール
コード表面に残存するゴムの被覆面積の割合(%)とし
て算出した。結果を表1に示す。
【0048】(3)耐水接着性 (1)のように密着させて加硫した各試験片のゴム表面
のスチールコードが突出している箇所を蜜ロウでシール
し、温度50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽内で14
日間放置した。その後、各試験片からスチールコードを
引き抜き、引き抜き力(kg/50mm)およびゴム被
覆率(%)で耐水接着性を評価した。引き抜き試験は、
DIN22131に準拠して行った。結果を表1に示
す。
【0049】(老化試験) (4)加圧酸素老化試験 JIS K6301に準拠して行った。試験片は引張試
験等で用いるダンベル状試験片、あるいは厚さ2mm程
度で、適当な大きさの加硫シートを用いる。これらの試
験片を、70℃、純酸素圧21kgf/cm2 中の条件
下に72時間放置して、加圧酸素老化試験を行なった。
試験終了後に各試験片を折り曲げ、クラックが発生する
か否かを指標として評価した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1に示したように、比較例1のゴム組成
物は、初期接着性および耐水接着性のいずれにおいても
ゴム被覆率が大幅に低下した。また、比較例2のゴム組
成物は、初期接着性および耐水接着性のいずれにおいて
も引き抜き力が大幅に低下し、ゴム被覆率は0%であっ
た。比較例3および4のゴム組成物は、引き抜き力やゴ
ム被覆率の低下は認められなかったものの、加圧酸素老
化試験においてクラックの発生が認められた。
【0053】一方、実施例1〜6のスチールコードとの
接着性を向上させたゴム組成物は、初期接着性におい
て、引き抜き力が大きく、ゴム被覆率も90%以上と高
い値を示した。耐水接着性においても引き抜き力の大幅
な低下は見られず、ゴム被覆率も80%以上であった。
また、加圧酸素老化試験においても、クラックの発生は
認められなかった。特に、2,4,6−トリメルカプト
−1,3,5−トリアジンを添加した実施例3および4
のスチールコードとの接着性を向上させたゴム組成物で
は、初期接着性および耐水接着性において、引き抜き力
とゴム被覆率双方が向上し、さらに接着性が向上してい
ることが示された。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、黄銅メッキまたは亜鉛
メッキスチールコードとの接着性を向上させたゴム組成
物、および上記ゴム組成物とこれらスチールコードと密
着させて加硫した複合体が提供される。また、上記複合
体は、コンベヤベルト、タイヤ、ホースなどに使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスチールコードとの接着性を向上さ
せたゴム組成物を使用したコンベヤベルト用複合体1の
断面図である。
【符号の説明】
1 コンベヤベルト用複合体 10 クッションゴム層 12 カバーゴム層 20 スチールコード
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫黄加硫可能なゴム100重量部に対し
    て、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.2〜1.
    0重量部と、下記式[1]で表されるジチオリン酸の金
    属塩0.5〜3.0重量部とを含むことを特徴とするス
    チールコードとの接着性を向上させるゴム組成物。 【化1】 ここで、R1 〜R4 は同一であっても、異なっていても
    よく、アルキル基を表し、Mは金属である。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の組成物に、さらに、下記
    式[2]で表されるメルカプトトリアジン0.1〜5.
    0重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載のスチ
    ールコードとの接着性を向上させるゴム組成物。 【化2】 ここで、R5 は、メルカプト基、アニリノ基、またはジ
    ブチルアミノ基を表す。
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