JPH08259342A - セラミックス電子回路基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス電子回路基板の製造方法

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JPH08259342A
JPH08259342A JP8877795A JP8877795A JPH08259342A JP H08259342 A JPH08259342 A JP H08259342A JP 8877795 A JP8877795 A JP 8877795A JP 8877795 A JP8877795 A JP 8877795A JP H08259342 A JPH08259342 A JP H08259342A
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暁山 寧
Choju Nagata
長寿 永田
Masami Sakuraba
正美 桜庭
Toshikazu Tanaka
敏和 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属溶湯を直接セラミックス基板上に凝固さ
せることにより金属とセラミックスとの複合体を形成
し、これを用いて耐ヒートサイクル性に優れたセラミッ
クス電子回路基板を製造する方法の提供。 【構成】 板状のセラミックス部材2を、ヒーター4で
加熱された金属溶湯1を保持しているるつぼ7の一方の
壁に連結した入口側ダイス6Aに導入し、この中を水平
に通過させて金属溶湯1中に導入し、さらに該溶湯中を
通過させてるつぼ7の他方の壁に連結された出口側ダイ
ス6B中に導入しこれらを通過させる間にセラミックス
部材の両面に溶湯から凝固した金属5を平板状に接合さ
せる。該接合金属5の表面を研磨して均質化した後、所
定パターンのレジスト膜を形成し、エッチングにより所
定の回路パターンを形成した後めっき処理してセラミッ
クス電子回路基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強固な金属−セラミッ
クス電子回路基板の製造方法に関するものであり、特に
自動車部品、電子部品で耐ヒートサイクル性の要求され
る電子回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの持つ化学安定性、高融
点、絶縁性、高硬度などの特性と、金属の持つ高強度、
高靭性、易加工性、導電性などの特性とを生かした金属
−セラミックス複合部材は、自動車、電子装置などに広
く使用されている。その代表的な例として、自動車ター
ボチャージャー用のローター、大電力電子素子実装用の
基板およびパッケージなどが挙げられる。
【0003】上記、金属−セラミックス複合部材の製造
方法としては、接着、めっき、メタライズ、溶射、ろう
接、DBC、焼き嵌め、鋳ぐるみなどの各種方法が知ら
れている。このうち接着法は、有機系または無機系接着
剤で金属部材とセラミックス部材を接着する方法であ
り、めっき法はセラミックス部材の表面を活性化した後
めっき液に入れて金属めっきを施す方法であり、メタラ
イズ法は、金属粉末を含むペーストをセラミックス部材
の表面に塗布した後焼結し、金属層を形成する方法であ
り、溶射法は金属(セラミックス)の粉末をセラミック
ス(金属)部材の表面に噴射し、セラミックス(金属)
部材の表面に金属(セラミックス)層を形成する方法で
ある。
【0004】さらに銅とセラミックスの接合方法として
は、一般に直接接合法(DBC)とろう接法が主流とな
っている。前者は酸化物セラミックスと銅との接合のた
めに開発された技術で、酸素を含有する銅板を使って、
不活性雰囲気中で加熱することによって銅とセラミック
スを接合させるものであり、一方、後者は銅とセラミッ
クスとの間に活性金属のろう材を介して接合する方法で
あり、この場合、ろう材として一般にAg−Cu−Ti
系ろう材が使用されている。
【0005】しかしながら上記DBC法では、接合でき
る金属が銅に限られ、且つ接合温度がCu−Oの共晶点
近くの狭い範囲に限られているため、膨れ、未接のよう
な接合欠陥が発生しやすいという問題点がある。一方、
ろう接法の場合は、高価なろう材を使用し、且つ接合を
真空中で行わなければならないため、コストが非常に高
く、応用範囲が限られている。また、ろう材には、一般
に接合する金属と他の金属さらには非金属を添加した共
晶合金が使用され、それ自体は一般に接合する金属より
硬いので、直接接合体に比べて、ろう接体の耐ヒートサ
イクル寿命が短いなどの問題点がある。
【0006】近年、自動車ターボチャージャー用のロー
ターや、大電力電子素子実装用の基板およびパッケージ
の用途が拡大することによって耐ヒートサイクル性の高
い基板の開発が望まれていたが、上記銅−セラミックス
複合基板では限度があった。
【0007】本発明者らは、上記耐ヒートサイクル性の
優れた金属−セラミックス複合基板として、特願平4−
355211号「セラミックス電子回路基板の製造方
法」や特願平6−96941号「金属−セラミックス複
合部材の製造方法」で、アルミニウム溶湯をセラミック
ス基板上に直接凝固させて、アルミニウム金属板をセラ
ミックスに直接接合した複合部材を開示した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の製
造方法は、いずれもセラミックス部材の表・裏面に溶湯
金属を凝固させて直接接合させて金属−セラミックス複
合部材とする方法を開示するものの、回路基板として直
ちに使用できるものとするためにはさらにエッチング処
理技術や、細かい技術の開発が必要であった。
【0009】本発明は、上記の如くして得た複合部材を
用いて電子回路基板としての製品を得るための製造工程
を確立し、耐ヒートサイクル性に優れたアルミニウム−
セラミックス電子回路基板を製造することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は斯かる課題
を解決するために鋭意研究したところ、回路形成用金属
としてのアルミニウム金属体に回路を形成するためのエ
ッチング液を開発することができ、本発明法を開発する
ことができた。
【0011】すなわち本発明の第1は、セラミックス基
板を金属溶湯に接触させた状態で移動し、溶湯で濡らし
た後冷却することによって該セラミックス基板の表裏両
面に溶湯から凝固した金属板を接合し、金属−セラミッ
クス複合部材と成す接合工程と;次いで上記表裏両面の
金属板を研磨することによって均質化する研磨工程と;
次いで研磨した表面金属板上に感光性樹脂膜を加熱圧着
し、フォトマスクを通して露光した後現像処理すること
により回路パターン形状のレジスト膜を形成し、一方、
研磨した裏面金属板上には表面金属板上と同様の手法で
放熱板形状のレジスト膜を形成するレジスト形成工程
と;次いでエッチング液によってセラミックス基板の片
面上に所望の金属回路パターンを、裏面には金属放熱板
を形成するエッチング工程と;次いで得られた金属回路
パターン並びに放熱板上にめっき処理を施すめっき工程
と;から成ることを特徴とするセラミックス電子回路基
板の製造方法であり、第2は、前記セラミックス基板が
酸化物、窒化物および炭化物からなる群より選ばれたい
ずれか1種のセラミックス基板であり、前記金属はアル
ミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金である
セラミックス電子回路基板の製造方法であり、第3は、
前記レジスト形成工程が、研磨した表面金属板上に液状
のレジストを所望の回路パターン形状に印刷用マスクで
印刷し、これを紫外線で固化することによって所望形状
のレジスト膜を形成し、一方、研磨した裏面金属板上に
は表面金属板上と同様の手法で放熱板形状のレジスト膜
を形成することを特徴とするセラミックス電子回路基板
の製造方法である。
【0012】
【作用】本発明で使用できるセラミックス部材として
は、アルミナのような酸化物セラミックス、窒化アルミ
ニウムのような窒化物セラミックス、炭化ケイ素のよう
な炭化物セラミックスであり、溶湯金属としてはアルミ
ニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金がある。
【0013】本発明では、図1に示す製造装置を用いる
つぼ7内にアルミニウムあるいはアルミニウム合金のい
ずれかを溶解して得た金属溶湯1を満たし、この中を、
所望寸法の基板に分割可能な連続体のセラミックス基板
2を供給側鋳型(入口側ダイス)6Aから連続的に供給
することによって移動させ、該セラミックス部材の表・
裏面に溶湯を付着凝固させて冷却し、直接接合させて金
属−セラミックス複合部材を生成せしめる(接合工
程)。
【0014】次いで得られた金属−セラミックス複合部
材5の表面金属板に感光レジスト膜を圧着し遮光パター
ンマスクを当てて露光し現像処理することにより所望の
回路形状のレジスト膜を形成するとともに、一方、裏面
金属板には、表面と同様に感光レジスト膜の圧着および
遮光パターンマスクを通しての露光とその後の現像処理
によりセラミックス基板の最終製品となる形状の外周よ
りやや小さめの外周を持つ形状で全面を覆うレジスト膜
を形成する(レジスト形成工程)。
【0015】レジスト形成のもうひとつの方法として、
液状のレジストを所望の回路パターンおよび加熱板形状
に印刷用のマスクを使用して印刷し、これに紫外線など
をあてて固化して、所望形状のレジスト膜を形成しても
よい。
【0016】次いでレジスト膜の上からエッチング処理
して、所望の回路を形成する(エッチング工程)。この
場合、回路端面が、凹凸少なく且つスカート状を呈しな
いものとするために適正なエッチング液として塩化第二
鉄30〜40%、塩酸5〜15%、残部水からなる組成
のエッチング液を用いる。
【0017】次いで、セラミックス部材裏面の金属をエ
ッチング処理して製品基板の外周よりやや小さい外周を
持つ形状の放熱板を形成する。この場合、上下面のエッ
チング処理を上面−下面の順で行ってもよいし、また、
上下面同時の処理でも構わない。
【0018】得られた上記基板の金属表面は酸化によっ
てAl23 の酸化膜を形成し易いため、亜鉛置換処理
を行った後無電解めっき処理を行うとよい(めっき工
程)。
【0019】この場合、亜鉛置換処理工程は一般的な手
順でよく、本発明法においてはクリーニング−エッチン
グ−ジスマット酸洗−ジンケート−酸洗−ジンケート処
理を行い、最後に無電解めっき処理を行って、Al金属
板上にNiめっきを施して目的とするセラミックス電子
回路基板を得た。
【0020】以下、実施例をもって詳細に説明するが、
本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【実施例1】図1に製造装置の断面模式図を示す。アル
ミニウムをるつぼ7の中にセットし、セラミックス部材
2としてのアルミナ板を入口側ダイス6Aの入口から水
平に入れて、その先端がるつぼ7の内壁から少しるつぼ
内部に出るようにセットしてから、窒素ガス(N2 )雰
囲気中においてるつぼをヒーター4により加熱し、アル
ミニウムを溶解して金属溶湯1とする。
【0022】アルミニウムの金属溶湯1は出口側ダイス
6Bの中に入るが、ダイス中を流れる間に先端部分の温
度が融点以下に下がり、その部分が凝固して出口を塞
ぎ、溶湯の流出を防ぐ。
【0023】また、入口側ダイス6Aおよびダイスとる
つぼとの間の隙間の中に溶湯が入らないようにするに
は、そのクリアランスをある寸法以下にしなければなら
ないが、本実施例の場合、そのクリアランスを0.1mm
以下にした。
【0024】アルミニウムを750℃に加熱してアルミ
ニウム溶湯にした後、入口側からアルミナ板を連続的に
供給するとアルミナ板材は、順番に該溶湯中に入り、溶
湯に濡れてから出口側のダイスに入り、最後には、アル
ミナ板材の両表面に厚さ0.5mmのアルミニウム体が接
合した状態で、出口から連続的に押し出され、金属−セ
ラミックス複合部材として回収された(接合工程)。
【0025】上記の場合、押出速度25mm/min、N2
量30L/min の窒素雰囲気下、アルミナ板材がアルミニ
ウム溶湯に濡れるまでに該溶湯中を移動する最短距離D
minは35mmという条件の下で上記複合部材を得たが、
このアルミニウムの組織は緻密で、ピール強度は35kg
/cm をこえていた。
【0026】次いで得られた複合部材の表・裏面アルミ
ニウム金属板表面を交互に研磨機で研磨して、表面を均
一な面にした(研磨工程)。
【0027】次いで表側アルミニウム板に感光レジスト
膜を圧着し、遮光パターンマスクを当てて露光し、さら
に現像処理を行い遮光した部分のレジスト膜を除去し
た。この場合、遮光パターンマスクにはアルミナ基板の
分割溝に対応する部分が遮光されるように形成した遮光
パターンと、製品の回路パターンに対応する非回路パタ
ーン部分が遮光されるように形成した遮光パターンを具
備しているものを用いた(レジスト形成工程)。
【0028】同様に裏側アルミニウム板にも、アルミナ
基板の分割溝と外周より0.5mm幅の周辺部が遮光され
るように形成した遮光パターンを具備している遮光パタ
ーンマスクを当てて、露光した後現像処理した。
【0029】次いで上記露光および現像処理を終えた接
合基板をエッチング処理することによって、レジストが
接合したマスキング部分を残して他部のアルミニウムを
塩化第二鉄−塩酸混合エッチング溶液で溶解することに
よってアルミナ基板の表側には、非回路パターン部分と
分割溝部分に対応するアルミニウムが溶解した(エッチ
ング工程)。
【0030】次いでアルミナ基板上に形成された分割溝
が現われるとともに各単位ユニット内には所望の回路パ
ターンのアルミニウム板が接合された状態となった。
【0031】同様に裏側アルミニウム板をエッチング処
理することによって、セラミック基板外周および分割線
からそれぞれ0.5mm内側に入った外周を持つ四辺形の
放熱板が形成されていた。
【0032】次いで水酸化ナトリウムの水溶液を用いて
レジスト膜を除去した。
【0033】次いで上記基板の表・裏面をクリーニング
した後、通常の無電解めっき処理を行うために、エッチ
ング−ジスマット酸洗−ジンケート−酸洗−ジンケート
処理を行った。このようにして基板の表面を均一にし
て、無電解めっきを行い、約1〜10μmのNiめっき
を施した(めっき処理工程)。
【0034】得られた処理品を基板の分割線に沿って2
分割し、さらにその囲りのダミー部分を分割除去し最終
製品として26mm×51mm×0.635mmのアルミナ基
板の上下面に、厚さ0.5mmの回路パターンと放熱板と
をそれぞれなすAl金属板を直接接合した電子回路基板
として製品化することができた。
【0035】
【発明の効果】本発明法は、上述のように従来用いられ
ている銅板に代えてアルミニウム金属を直接接合させた
複合基板を用い、特定範囲組成のエッチング液を用いて
エッチング処理することによって断面が略垂直である所
望の回路等を安価に且つ大量に製造可能な製造法であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いた金属−セラミッ
クス複合部材を製造するための装置の模式断面図であ
る。
【図2】本発明に係るアルミニウム/セラミックス直接
接合基板の模式図である。
【符号の説明】
1 金属溶湯 2 セラミックス部材 3 アルミニウム金属 4 ヒーター 5 金属−セラミックス複合部材 6 鋳型(ダイス) 6A 入口側ダイス 6B 出口側ダイス 7 るつぼ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H05K 1/03 630 7511−4E H05K 1/03 630H 3/00 3/00 R B29L 31:34 (72)発明者 田中 敏和 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板を金属溶湯に接触させ
    た状態で移動し、溶湯で濡らした後冷却することによっ
    て該セラミックス基板の表裏両面に溶湯から凝固した金
    属板を接合し、金属−セラミックス複合部材と成す接合
    工程と;次いで上記表裏両面の金属板を研磨することに
    よって均質化する研磨工程と;次いで研磨した表面金属
    板上に感光性樹脂膜を加熱圧着し、フォトマスクを通し
    て露光した後現像処理することにより回路パターン形状
    のレジスト膜を形成し、一方、研磨した裏面金属板上に
    は表面金属板上と同様の手法で放熱板形状のレジスト膜
    を形成するレジスト形成工程と;次いでエッチング液に
    よってセラミックス基板の片面上に所望の金属回路パタ
    ーンを、裏面には金属放熱板を形成するエッチング工程
    と;次いで得られた金属回路パターン並びに放熱板上に
    めっき処理を施すめっき工程と;から成ることを特徴と
    するセラミックス電子回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス基板が酸化物、窒化物
    および炭化物からなる群より選ばれたいずれか1種のセ
    ラミックス基板であり、前記金属はアルミニウムまたは
    アルミニウムを主成分とする合金である請求項1記載の
    セラミックス電子回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト形成工程が、研磨した表面
    金属板上に液状のレジストを所望の回路パターン形状に
    印刷用マスクで印刷し、これを紫外線で固化することに
    よって所望形状のレジスト膜を形成し、一方、研磨した
    裏面金属板上には表面金属板上と同様の手法で放熱板形
    状のレジスト膜を形成することを特徴とする請求項1お
    よび請求項2記載のセラミックス電子回路基板の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003060129A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板及び回路基板の部分メッキ方法
JP2008283210A (ja) * 2008-07-14 2008-11-20 Dowa Holdings Co Ltd 金属セラミックス回路基板の製造方法

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JP2003060129A (ja) * 2001-08-09 2003-02-28 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板及び回路基板の部分メッキ方法
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