JPH107480A - 金属−セラミックス複合基板及びその製造法 - Google Patents

金属−セラミックス複合基板及びその製造法

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JPH107480A
JPH107480A JP26018796A JP26018796A JPH107480A JP H107480 A JPH107480 A JP H107480A JP 26018796 A JP26018796 A JP 26018796A JP 26018796 A JP26018796 A JP 26018796A JP H107480 A JPH107480 A JP H107480A
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ceramic substrate
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Yuji Ogawa
裕司 小川
Masahiro Furo
正博 風呂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の金属−セラミックス複合基板及びその
製造法によって得た金属−セラミックス複合基板はヒー
トサイクル耐量が悪い欠点があった。 【解決手段】 本発明の金属−セラミックス複合基板及
びその製造法においては、溶湯アルミニウムをセラミッ
クス基板上の少なくとも一主面に形成せしめ、上記金属
部分にリンを7%以上含有したニッケル材を積層せしめ
る。更に、これらの複合基板を、加熱炉中で加熱処理す
ると、回路面のしわの発生を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーモジュール
等の大電力電子部品の実装に好適な金属−セラミックス
複合基板及びその製造方法に関し、更に詳しくは特に優
れたヒートサイクル耐量が要求される自動車又は電車用
電子部品の実装に好適な複合基板及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーモジュールのような大電力
電子部品の実装に使用する基板として、セラミックス基
板の表面に銅板を接合して作製された銅張りセラミック
ス複合基板が使用されている。この複合基板は更に、使
用するセラミックス基板の種類やその製造法によって、
銅/アルミナ直接接合基板、銅/窒化アルミニウム直接
接合基板、銅/アルミナろう接基板、及び銅/窒化アル
ミニウムろう接基板等に分けられている。
【0003】このうち、銅/アルミナ直接接合基板は、
特開昭52−37914号公報に開示されるように、酸
素を含有する銅板を使用するか、無酸素銅板を使用して
酸化性雰囲気中で加熱することによって無酸素銅板の表
面に酸化銅を発生させてから、銅板とアルミナ基板を重
ねて不活性雰囲気中で加熱し、銅板とアルミナ基板との
界面に銅とアルミニウムとの複合酸化物を生成させ銅板
とアルミナ基板とを接合するものである。
【0004】一方、銅/窒化アルミニウム直接接合基板
の場合には、予め窒化アルミニウム基板の表面に酸化物
を形成する必要がある。例えば特開平3−93687号
公報に開示するように、予め空気中において、約100
0℃の温度で窒化アルミニウム基板を処理し、表面に酸
化物を生成させてから、この酸化物層を介して上述の方
法により銅板と窒化アルミニウム基板とを接合してい
る。
【0005】また銅/アルミナろう接基板及び銅/窒化
アルミニウムろう接基板は、銅板とセラミックス基板と
の間に低触点のろう材を用いて接合するが、この場合、
使用するろう材に銅の他、融点を下げる為の合金元素及
びセラミックスとの濡れを良くする為の合金元素が添加
され、一例としてAg−Cu−Ti系のような活性金属
ろう材はよく使用されている。
【0006】上述のように銅/セラミックス複合基板は
広く使用されるにもかかわらず、製造中及び実用上幾つ
かの問題点がある。その中で最も重大な問題点は、電子
部品の実装及び使用中にセラミックス基板の内部にクラ
ックが形成し、基板の表裏間が電気的に導通することに
よる故障である。
【0007】これは銅の熱膨張係数がセラミックスの係
数より約一桁大きいことに起因するが、接合の場合、セ
ラミックス基板と銅が1000℃近くまで加熱され、接
合温度から室温に冷却する時に、熱膨張係数の違いによ
り複合基板の内部に多大の熱応力が発生する。
【0008】また、パワーモジュール等の電子部品を実
装するときに、銅・セラミックス複合基板は400℃近
くまで加熱されるため、さらに使用環境や使用中の発熱
により、同複合基板の温度が常に変化し、同複合基板に
変動熱応力が掛けられる。これらの熱応力によってセラ
ミックス基板にクラックが発生する。
【0009】近年、電気自動車の開発により、ヒートサ
イクル耐量の優れた複合基板への要望が特に高まってお
り、例えば電気自動車の様に温度変化が激しく、振動が
大きい使用条件の場合、複合基板のヒートサイクル耐量
が500回以上必要であると言われているが現在使用さ
れている銅・セラミックス複合基板では、このような要
望に対応できない。
【0010】銅と同じような優れた電気と熱伝導性を有
するアルミニウムを導電回路材料として使う構想は以前
からあり、例えば特開昭59−121890号にこのよ
うな構想が記述されている。アルミニウムとセラミック
スとの接合は一般的にろう接法が使用され、特開平3−
125463号、特開平4−12554号及び特開平4
−18746号にろう接法で作製したアルミニウム−セ
ラミックス基板を開示しているが、これによると、作製
したアルミニウム−セラミックス基板のヒートサイクル
耐量は約200回であり、上述のように高いヒートサイ
クル耐量が要求される用途には、依然として充分対応で
きないものであった。
【0011】しかも、この方法の場合、接合は真空中で
行わなければならないし、また非酸化物セラミックスの
場合、あらかじめ予備処理を施し、セラミックスの表面
に酸化物を形成しなければならない、製造コストおよび
熱伝導性の面においても満足できないところがあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウム−セラミ
ックス基板がすぐれたヒートサイクル耐量を持つ一方、
ヒートサイクルの後、Alの表面にしわが発生し、その
上に搭載する電子部品に悪影響を及ぼすおそれがあると
いう問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ために、本発明者らはアルミニウム−セラミックス直接
接合法で作製したAl−セラミックス基板の上の電子部
品搭載部分3にニッケル材4を無電解メッキ法で積層し
た。このように作製した基板のヒートサイクル耐量を調
べたところ、すぐれたヒートサイクル耐量を有すること
が確認され、上述の問題点が解決でき、本発明を提出す
ることができた。
【0014】すなわち本発明において、第1の発明は、
セラミックス基板の少なくとも一主面にアルミニウム材
からなる電気導通及び電子部品搭載のための金属部分を
形成した金属−セラミックス複合基板において、上記金
属部分上にニッケル材を積層して成ることを特徴とする
金属−セラミックス複合基板に関する。
【0015】また、本発明における第2の発明は、セラ
ミックス基板の少なくとも一主面に溶湯アルミニウム材
を接合せしめる第1工程、次いで得られた接合体表面を
エッチング処理することにより所定の回路を形成する第
2工程、次いで得られた回路のうち電子部品搭載のため
の金属部分の一部又は全面にニッケル材を1.0μm以
上積層せしめる第3工程、とから成ることを特徴とする
金属−セラミックス複合基板の製造法に関する。
【0016】上記ニッケル材は、リンを7%以上含有す
るニッケル−リンメッキを積層せしめて得る。
【0017】本発明の第3は、セラミックス基板の少な
くとも一主面に溶湯アルミニウム材を接合せしめる第1
工程、次いで得られた接合体表面をエッチング処理する
ことにより所定の回路を形成する第2工程、次いで得ら
れた回路上の一部又は全面にニッケル材を1.0μm以
上積層せしめる第3工程、次いで得られた上記基板を加
熱炉中で、300℃以上の温度中で加熱する第4工程、
とから成ることを特徴とする金属−セラミックス複合基
板の製造法に関する。
【0018】本発明において使用する基板としては、ア
ルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、
ジルコニア等のセラミックス基板やガラス等であり、こ
の場合、高純度の素材であればなおさらに好ましい。
【0019】また、本発明でベースとして用いる金属は
アルミニウム又はアルミニウム合金であるが、これによ
り導電性が向上し、且つ、軟らかさを得るものである。
この場合、純度が高い程導電性が向上するが、逆に価格
が高くなるため、本発明では99.9%(3N)の純ア
ルミニウムを使用した。
【0020】この金属とセラミックス基板との接合は溶
湯接合法で行ない、これにより高い接合強度と未接欠陥
の少ない複合基板が得られる。また、接合雰囲気として
窒素雰囲気下で行なうことができるため、従来法のよう
に真空下で行なう必要がなく製造コストが安くなり、更
に、窒化アルミニウム基板や炭化硅素基板にも、表面改
質することなく直接に接合することができる。
【0021】セラミックス基板の厚さとアルミニウム金
属の厚さとの関係においては、従来の銅張りのセラミッ
クス複合基板に比べ、金属の厚さを更に厚くする一方、
セラミックス基板の厚さを逆に薄くすることができるた
め、金属/セラミックスの厚さの比は従来品より更に大
きくすることができる。この結果、本発明複合基板の放
熱性及び流れる電流の量は増大することが容易に考えら
れる。
【0022】上記溶湯接合法で得られた金属−セラミッ
クス複合基板の一主面にエッチングレジストを加熱圧着
し、遮光、現像処理を行なって所望のパターンを形成し
た後、塩化第2鉄溶液にてエッチングを行なって回路5
を形成する。
【0023】本発明においては得られた回路のうち特に
電子部品搭載部分にアルミニウム材の他にニッケル材を
積層し、ヒートサイクル耐量及び耐熱衝撃特性の優れた
複合基板を得るが、この場合の積層手段としては上記金
属を無電解メッキ法を用いて所定形状に1.0μm以上
積層する。
【0024】なお、この無電解メッキ法は、ニッケル単
味よりリンを少なくとも7%以上含有するニッケル−リ
ンメッキを用いた方が、アルミニウム回路面をより硬化
せしめ、これによってアルミニウムのしわを防止してヒ
ートサイクル耐量の向上に寄与することを確認できた。
【0025】また別な手段として、上記の方法で得られ
た複合基板を加熱炉中で、窒素雰囲気下、300℃以上
の温度で加熱して電子搭載部面を加熱処理した。これに
より上記の方法より更にアルミニウムのしわの発生を防
止することができた他、ヒートサイクル耐量の向上を図
ることができた。
【0026】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明複合基
板(以下、金属−セラミックス直接接合基板とする)に
ついて詳細に説明する。
【0027】(実施例1)
【0028】図3は本発明のアルミニウム−セラミック
ス直接接合基板を製造するための設備の原理図である。
純度99.9%のアルミニウム2をルツボ6にセットし
てから蓋9をしめて、ケース8の内部に窒素ガスを充填
する。ルツボ6をヒーター7で750℃に加熱し、アル
ミニウムを溶化してから、ルツボ6内に設けたガイド一
体型ダイス10の左側入口からセラミックス基板1とし
て36mm×52mm×0.635mmのアルミナ基板
を順番に挿入した。ルツボ6内に入った該アルミナ基板
にアルミニウム溶湯を接触させ、次いで出口側において
凝固させることによって、厚さ0.5mmのアルミニウ
ム板が両面に接合されたアルミニウム−アルミナ直接接
合基板を得た。
【0029】次いで、該複合基板上のアルミニウム部に
エッチングレジストを加熱圧着し、遮光、現像処理を行
なって所望のパターンを形成した後、塩化第2鉄溶液に
てエッチングを行なって回路5を形成した。更に回路表
面をZn置換して無電解ニッケル−リンめっき槽内にて
15分間浸漬して厚さ3μmのリン9%含有するNi層
を積層して目的とする金属−セラミックス直接接合基板
を得た。
【0030】該接合基板のヒートサイクル耐量を調べた
ところ、ヒートサイクル1000回でもクラックの発生
は見られなかった。また、しわの発生は軽度であった。
【0031】(実施例2)
【0032】セラミックス基板としてアルミナに代えて
窒化アルミニウム板(36mm×52mm×0.635
mm)を用いた他は、実施例1と同様の手段でアルミニ
ウム−窒化アルミニウム直接接合基板を得た。
【0033】次いで図1に示すように電子部品搭載部3
より各1mm幅づつ小さく無電解法によって厚さ3μm
のニッケル材4を積層して接合した金属−セラミックス
直接接合基板を得、ヒートサイクル耐量を調べたとこ
ろ、ヒートサイクル3000回でもクラックの発生は見
られなかった。
【0034】(実施例3】
【0035】実施例1で得たアルミニウム−アルミナ直
接接合基板と実施例2で得たアルミニウム−窒化アルミ
ニウム直接接合基板とを、実施例1同様無電解ニッケル
メッキ槽に浸漬して厚さ3μmのリン12%含有するN
i層を積層して目的とする金属−セラミックス直接接合
基板を得た。
【0036】これらの直接接合基板を加熱炉に導入し
て、窒素雰囲気下、400℃の温度中で加熱処理して電
子搭載部分を強化した。
【0037】これらのヒートサイクル耐量を調べたとこ
ろ、共に1000回以上でもクラックの発生はみられな
かった他、回路面上の凹凸が実施例1または実施例2に
よって得られたものより少なく、実装品としては加熱処
理した方が好ましいことが判明した。
【0038】(比較例1)
【0039】比較のため実施例1に示すアルミナ基板を
用いて、厚さ0.3mmの銅板を1063℃で直接接合
して得た複合基板にエッチング処理を施して図1に示す
と同一の電子回路を形成した銅−セラミックス基板を
得、実施例同様ヒートサイクル耐量を調べたところ、ヒ
ートサイクル数十回でクラックが発生した。
【0040】(比較例2)
【0041】比較のため実施例2に示す窒化アルミニウ
ム基板を用いて、厚さ0.3mmの銅板をAg−Cu−
Ti活性金属ろう材を介して780℃で加熱接合して得
た複合基板にエッチング処理を施して図1に示すと同一
の電子回路を形成した銅−セラミックス基板を得、実施
例2と同様ヒートサイクル耐量を調べたところ、ヒート
サイクル数十回でクラックが発生した。
【0042】
【発明の効果】上述のように本発明方法及び装置によっ
て得た金属/セラミックス直接接合基板は、従来の複合
基板では得られなかったヒートサイクル耐量に富み、電
気自動車向けのように大電力パワーモジュール基板とし
て特に好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属/セラミックス直接接合基板
の模式平面図である。
【図2】図1の金属/セラミックス直接基板の側面図で
ある。
【図3】本発明複合基板の製造装置の原理図である。
【符号の説明】
1 セラミックス基板 2 アルミニウム 3 電子部品搭載部 4 ニッケル材 5 回路 6 ルツボ 7 ヒーター 8 ケース 9 蓋 10 ガイド一体型ダイス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板の少なくとも一主面に
    アルミニウム材からなる電気導通及び電子部品搭載のた
    めの金属部分を形成した金属−セラミックス複合基板に
    おいて、上記金属部分上にニッケル材を積層して成るこ
    とを特徴とする金属−セラミックス複合基板。
  2. 【請求項2】 セラミックス基板の少なくとも一主面に
    溶湯アルミニウム材を接合せしめる第1工程、 次いで得られた接合体表面をエッチング処理することに
    より所定の回路を形成する第2工程、 次いで得られた回路上の一部又は全面にニッケル材を
    1.0μm以上積層せしめる第3工程、 とから成ることを特徴とする金属−セラミックス複合基
    板の製造法。
  3. 【請求項3】 上記ニッケル材は、リンを7%以上含有
    するニッケル−リンメッキを積層せしめて得たことを特
    徴とする請求項1記載の金属−セラミックス複合基板。
  4. 【請求項4】 上記ニッケル材は、リンを7%以上含有
    するニッケル−リンメッキを積層せしめて得ることを特
    徴とする請求項2記載の金属−セラミックス複合基板の
    製造法。
  5. 【請求項5】 セラミックス基板の少なくとも一主面に
    溶湯アルミニウム材を接合せしめる第1工程、 次いで得られた接合体表面をエッチング処理することに
    より所定の回路を形成する第2工程、 次いで得られた回路上の一部又は全面にニッケル材を
    1.0μm以上積層せしめる第3工程、 次いで得られた上記基板を加熱炉中で、300℃以上の
    温度中で加熱する第4工程、 とから成ることを特徴とする金属−セラミックス複合基
    板の製造法。
JP26018796A 1996-04-23 1996-09-10 金属−セラミックス複合基板及びその製造法 Pending JPH107480A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005103560A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Dowa Mining Co Ltd アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法
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