JP2003060129A - 回路基板及び回路基板の部分メッキ方法 - Google Patents
回路基板及び回路基板の部分メッキ方法Info
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Abstract
びメッキの寸法精度が著しく高められた高信頼性の部分
メッキ回路基板を提供する。 【解決手段】セラミックス基板1の一方の面に回路2、
他方の面に放熱板3が接合されてなるものであって、回
路及び放熱板がAl製又はAl合金製であり、Al回路
にNi−Pの部分メッキ4が施され、メッキの密着強度
が50N/cm以上であり、かつ部分メッキの寸法精度
が±0.3mm以下であることを特徴とする回路基板。
セラミックス基板に形成されたAl製又はAl合金製の
金属回路及び/又は金属放熱板に、アルカリ剥離型メッ
キレジストを部分的に塗布した後、Ni−Pメッキを施
し、次いで該メッキレジストをNaCO3、NaOHな
どのアルカリ系の薬液により剥離することを特徴とする
回路基板の部分メッキ方法。
Description
等に使用される回路基板及び回路基板の部分メッキ方法
に関する。
は、アルミナ、ベリリア、窒化ケイ素、窒化アルミニウ
ム等のセラミックス基板の表面に回路、裏面に放熱板が
形成された回路基板が用いられている。このような回路
基板は、樹脂基板又は樹脂基板と金属基板との複合基板
よりも高絶縁性であることが特長である。
金よりもAl又はAl合金とすることの利点は、Cu又
はCu合金では、セラミックス基板や半田との熱膨張差
に起因する熱応力の発生が避けられないので、長期的な
信頼性が不十分であるのに対し、Al又はAl合金は、
熱伝導性や電気伝導性ではCu又はCu合金よりもやや
劣るが、熱応力を受けても容易に塑性変形するので、応
力が緩和され、信頼性が飛躍的に向上するからである。
ス板の間は、一般的に使用されるSn−Pb系の半田
や、Sn−Ag系などのPbフリー半田を用いて接合す
るため、Al表面にはNiメッキを施す必要がある。ま
た、Cu回路基板においても酸化防止、半田との反応に
よる信頼性低下を防ぐため、一般的には、Niメッキが
施される。回路面にSi素子などを半田付けする場合に
は、半田の濡れ性を良好にするため、フラックスが用い
られるが、半田付けの際にワイヤボンディング領域に半
田が飛散する不具合が生じる。従って、ワイヤボンディ
ング領域を確保するため、テープなどによるマスキング
を行う場合があり、コストアップの要因となっている。
そこで、一般的に使用されるSn−Pb半田がAl面に
は濡れない特性を活かして、半田付けする部分のみにメ
ッキを施す部分メッキの手法が開発されている。
を行う場合には、一般的に、メッキを施さない部分にあ
らかじめマスキングをする方法が用いられる。マスキン
グの方法には、テープなどを貼るテープレジストや、印
刷機を用いてメッキレジストを塗布する方法がある。し
かしながら、テープレジストを場合には、テープの端部
が剥がれやすいため、メッキの寸法精度が低下する。同
様に、メッキレジストを用いた場合においても、メッキ
の前処理においてAl表面がエッチングされるため、メ
ッキレジストの端部が剥がれ、メッキの寸法精度が低下
する。そのため、Si素子を半田付けする際に位置ずれ
や、半田同士のくっつきによる半田厚みのばらつきが生
じるなどの問題が発生する。
剥離型の2つがある。溶剤剥離型のメッキレジストを用
いた場合には、メッキの際に一般的にAlとNiメッキ
の密着性が確保されるアルカリ系の前処理を行うことが
できる。しかし、溶剤剥離型のメッキレジストを使用す
る方法は、メッキ後にレジストを剥離する際、トルエン
やトリクレンなどの有機溶媒を使用しなければならない
ため、廃液処理や環境問題の点から使用することは好ま
しくない。一方、廃液処理が容易であるアルカリ剥離型
のメッキレジストの場合には、メッキを施す際の処理液
が酸性系の処理になってしまうため、一般にアルカリ系
のメッキ処理と比較して、Al面とメッキの密着性が低
下する。従って、Si素子などの半田付けの際や、ヒー
トサイクルなどの熱衝撃により生じる熱応力によってメ
ッキの剥離が生じてしまう問題があった。
り、その目的は、廃液処理の容易なアルカリ剥離型のメ
ッキレジストを用いて、Al製又はAl合金製のAl回
路及び/又は放熱板とNi−Pメッキとの密着性を格段
に高め、更にメッキの寸法精度を向上した高信頼性回路
基板を提供することである。
ジストを部分的に塗布した後、Ni−Pメッキを施し、
次いで該メッキレジストをNaCO3、NaOHなどの
アルカリ系の薬液により剥離することによって達成する
ことができる。好適には、メッキレジストを塗布する前
に、メッキレジスト塗布面の酸化膜をあらかじめ除去す
ることである。
下のとおりである。 (請求項1) セラミックス基板の一方の面に回路、他
方の面に放熱板が接合されてなるものであって、回路及
び放熱板がAl製又はAl合金製であり、Al回路にN
i−Pの部分メッキが施され、メッキの密着強度が50
N/cm以上であり、かつ部分メッキの寸法精度が±
0.3mm以下であることを特徴とする回路基板。 (請求項2) セラミックス基板に形成されたAl製又
はAl合金製の金属回路及び/又は金属放熱板に、アル
カリ剥離型メッキレジストを部分的に塗布した後、Ni
−Pメッキを施し、次いで該メッキレジストをNaCO
3、NaOHなどのアルカリ系の薬液により剥離するこ
とを特徴とする回路基板の部分メッキ方法。 (請求項3) アルカリ剥離型メッキレジストが塗布さ
れる面が、あらかじめ酸化膜除去処理が行われているこ
とを特徴とする請求項2記載の回路基板の部分メッキ方
法。
説明する。
リ剥離型のメッキレジスト塗布してからNi−Pメッキ
を施して、Al製又はAl合金製のAl回路及び/又は
放熱板(以下、これらを「Al回路等」ともいう。)
と、Ni−Pメッキとの密着性を高め、かつメッキの寸
法精度を向上させたことである。好ましくは、メッキレ
ジストを塗布する前に、メッキレジスト塗布面の酸化膜
をあらかじめ除去したことである。
iと半田中のSnとの反応性を向上させるために、純度
の高い電気Niメッキを用いていた。しかしながらこの
方法は、金属回路及び金属放熱板に電極を付けなければ
ならないため、ファインパターンに用いることはでき
ず、また取り扱いが煩雑なため、高コストであるという
問題があった。
ーンに適用可能な、無電解Ni−Pメッキを用いる場合
が多い。一般にAlの無電解Ni−Pメッキの方法とし
ては、Zn置換の手法を用いたジンケート処理によって
行われる。ジンケート処理としては、アルカリ系の処理
液を用いる場合と、酸性系の処理液を用いる2種類があ
る。
このジンケート処理におけるZnの置換面積に影響さ
れ、置換面積が大きいほど、メッキの密着性は高くな
る。このZnの置換面積を大きくとるためには、ジンケ
ート処理前に行うAl回路等の表面のエッチング処理に
おいて、表面酸化膜を除去する必要がある。酸性系のエ
ッチング処理液を用いた場合、Al回路等との反応性が
低いため、Al回路等の表面の酸化膜を十分に除去する
ことができず、その後のジンケート処理において、Zn
の置換面積を大きくとることができない。その結果、メ
ッキの密着性が損なわれ、Si素子などの半田付けの際
や、ヒートサイクルなどの熱衝撃により生じる熱応力に
よってメッキの剥離が生じてしまう。そこで、本発明で
は、Al回路等の面に部分メッキを施すに際し、Al回
路等とNi−Pメッキとの密着性を確保するため、溶剤
剥離型のメッキレジストを用い、アルカリ系の薬液によ
り剥離処理される。Al回路等とメッキの密着力として
は、50N/cmが好ましく、さらに好ましくは60N
/cmである。
には、メッキ後に行うメッキレジスト剥離の際に、トル
エンやトリクレンといった有機溶剤を使用しなければな
らず、廃液処理や環境の問題点からコスト高となり、本
発明の目的を達成することができない。
来、アルカリ系、酸性系のメッキ前処理に関わらず、A
l回路等の表面の酸化膜がエッチングされる。この場
合、メッキレジスト端部とAl回路等の界面においてA
lがエッチングされるので、メッキレジストとAl回路
等との密着性が損なわれ、メッキレジストが剥がれ、メ
ッキの寸法精度が低下する。メッキの寸法精度が低下す
ると、部分メッキ部同士の距離が十分に取れないため、
半田付け時に半田がブリッジを起こし、片方へ流れ込む
ことによる半田厚みのばらつきが生じるようになる。こ
の半田厚みのばらつきは、モジュールにおける信頼性
(熱抵抗、半田クラックなど)に大きな影響を及ぼす。
従って、この対策としては、回路基板を十分大きくし、
メッキレジストが多少剥がれても、十分なマスキング長
さを確保する方法があるが、回路基板自体が大きくなっ
てコスト高になる。
ストを塗布する前にAl回路等の表面の酸化物を除去し
たことであり、酸性系の処理液を用いたNi−Pメッキ
においてもAl回路等とメッキの密着性を格段に高め、
アルカリ剥離型のメッキレジストの使用を可能としたこ
とである。更に、メッキレジスト塗布後の、Al回路等
の表面の酸化物除去を省略することで、メッキレジスト
の剥離を抑制し、メッキの寸法精度を向上させたことで
ある。メッキの寸法精度としては、±0.3mm以下が
好ましく、さらに好ましくは、±0.2mm以下であ
る。
ては、窒化アルミニウム又は窒化ケイ素であり、高信頼
性および高絶縁性を得ることができる。また、セラミッ
クス基板の厚みは、通常0.635mmであるが、0.
3〜0.5mm程度の薄物でも良い。しかし、高電圧下
での絶縁耐圧を著しく高めたいときは、1〜3mmの厚
物を用いることが好ましい。
の材質は、Al又はAl合金(以下、両者を「Al等」
という。)であり、Cuと比較して降伏応力が小さく、
塑性変形に富み、ヒートサイクルなどの熱応力負荷時に
おいて、セラミックス基板にかかる熱応力を大幅に低減
できるものである。従って、セラミックス基板に発生す
るクラックを抑制することが可能となり、高い信頼性が
得られる。
える影響は大きい。回路のビッカース硬度が250MP
a以下が好ましく、それよりも大きいと、熱応力による
塑性変形が不均一となり、部分的な変形が大きくなっ
て、メッキやボンディングワイヤの剥離が生じる恐れが
ある。硬度は、小さい程好ましいが、あまり軟らかいと
傷つきやすいので、好ましくは180〜220MPaで
ある。一方、放熱板のビッカース硬度は、300〜46
0MPaが好ましく、460MPa超であると塑性変形
が困難になって、セラミックス基板、半田共にクラック
が発生しやすくなる。また、300MPa未満では塑性
変形が容易となるので、繰り返しの熱履歴を受けると大
きな変形が生じ、これまた半田クラックが発生しやすく
なる。特に好ましい放熱板のビッカース硬度は350〜
430MPaである。
硬度であり、接合前のAl等の硬度とは異なる。Al等
は、通常、接合材を用い、500〜640℃で加熱して
セラミックス基板と接合されるため、熱処理を受けて微
構造が変化し、また接合材が拡散してAl等純度も低下
する。さらには、接合後に熱処理をすることも行われて
おり、それによってAl等特性が変化する。これらの理
由から、接合前のAl等の硬度を厳格に規定してもあま
り意味がない。
る方法と熱処理条件で調節する方法がある。材料につい
ては、接合後のAl等は高純度ほど軟らかくなるため、
純度を選択すればよい。通常、純Alとして市販されて
いるものは、通常99.0〜99.999%でかなり幅
があり、硬度に大きな差がある。すなわち、99.5%
以下のAlは接合後のビッカース硬度を250MPa以
下とするのは困難であり、99.9%以上のAlは接合
後に300MPa以上とするのは難しい。従って、本発
明においては、回路にはAl合金でも可能であるが、高
純度のAl材を、また放熱板には比較的低純度のAl等
を使用することが好ましい。Al合金の一例を挙げれ
ば、AA記号で3003を始めとするAl−Mn系合金
や、5052を始めとするAl−Mg系合金などであ
る。
0.4〜0.5mmであることが好ましい。一方、放熱
板の厚みは、半田付け時の反りを生じさせないように決
定する。具体的には、0.1〜0.4mmであることが
好ましい。
する。
させるには、それらのパターンを接合するか、Al等の
板を接合してからエッチングするか、又はその両方を併
用する。いずれにしてもセラミックス基板と回路及び放
熱板とを接合する必要がある。接合方法には、溶湯法の
ように接合材を使用しない方法もあるが、本発明ではA
l−Cu−Mg系合金箔を用いて接合することが好まし
い。接合材は、これに限るものではなく、Al−Si
系、Al−Ge系、あるいはこれらにMgを加えた系も
使用することができる。
50μmが一般的である。厚みが10μm未満では、接
合が困難となり、50μm超であると、合金成分がAl
等に拡散し硬い部分が多くなるので、熱履歴を受けた際
に信頼性が低下する原因となる。好ましい接合材の厚み
は、15〜35μmである。接合材は、セラミックス基
板側、Al等側のどちらに配置しても良い。
に上記合金箔を介してAl等の板、パターン又はその両
方を配置し、それをセラミックス基板と垂直方向に1〜
10MPa、特に4〜8MPa(単位はあっているか)
の圧力をかけることが好ましい。加圧は、積層体に重し
を載せる、治具等を用いて機械的に挟み込む等によって
行うことができる。
温度は、580〜645℃にて行い、窒素の雰囲気下も
しくは真空中で行われる。ついで、接合体は必要に応じ
てエッチングされる。
レジストを塗布する前に、Al回路等の表面処理を行う
ことが好ましい。表面処理は、Al表面の酸化膜を除去
することであり、これによって、その後に行う酸性系の
ジンケート処理において、Znの置換面積を大きくし、
AlとNi−Pメッキとの密着性を高めることができ
る。表面処理液としては、アルカリ系のエッチング液が
好ましい。酸性系のエッチング液では、Alとの反応性
が低いために、十分に酸化膜を除去することができな
い。
のメッキレジストを塗布する。メッキレジストの膜厚
は、20〜40μmが好ましい。膜厚が20μm未満の
場合には、メッキ処理の工程で、レジストの剥離が生じ
る。膜厚が40μmを超えた場合には、メッキレジスト
の直線性が損なわれる。
メッキの前処理はすべて酸性系の処理液を用いる。メッ
キの厚みは2〜7μmが好ましい。2μm未満では、N
iの十分な結晶性が得られないため、半田濡れ性が低下
する。7μmを超える場合には、Niメッキ膜の応力が
大きくなり、回路基板の信頼性を損なう。より好ましく
は4〜6μmである。
ルカリ系の薬液を用いる必要がある。薬液としては、ト
ルエン、トリクレンなどの有機溶媒と比較して、廃液処
理が安価にできるNaCO3、NaOHなどが用いられ
る。
本発明を説明する。
品で、いずれも大きさ2インチ角で、レーザーフラッシ
ュ法による熱伝導率が窒化アルミニウム175W/m
K、窒化ケイ素72W/mK、3点曲げ強度は窒化アル
ミニウムが420MPa、窒化ケイ素が780MPaで
ある。Al板は、回路形成用及び放熱板用のそれぞれに
ついて、表1に示す各厚みのものを用いた。
Al板と接合材を重ね、カーボン板をねじ込んで基板に
押しつけできる治具を用い、セラミックス基板に対して
垂直方向に均等に加圧した。接合は、真空又は窒素雰囲
気下、温度550〜635℃で加圧をしながら行った。
印刷してFeCl3 液でエッチングした。回路面、放熱
面のパターンは、正方形(コーナーRは2mm)で、セラ
ミックス基板中央部に形成(沿面距離1mm)させた。
次いで、エッチングレジストを剥離した。
アルカリ系エッチング剤(上村工業社製商品名「AZ−
102」)を用いて、Al表面の酸化物除去を行った
(実施例1〜4、比較例4)。エッチング剤は、炭酸
塩、NaOHを主成分とするアルカリ系のエッチング液
を使用した。
メッキレジスト(太陽インキ社製商品名「MA−83
0」)を塗布した。比較例4では、市販の溶剤剥離型レ
ジストを塗布した。
前処理を行ってから無電解Ni−Pメッキを5μm施し
た後、NaCO3溶液又はアンモニア水を用いてメッキ
レジストの剥離を行い、図1に示される回路基板を作製
した。
てメッキの寸法を測定し、メッキの寸法精度をメッキ端
部における最大長さLHと最小長さLLによって評価した
(寸法精度=±max(LH,LL))。測定方法を図2
に、測定結果を表1に示す。
ッキ面に半田付けした後、銅板の端を引っ張り、メッキ
が剥離したときの引っ張り荷重から算出した。それらの
結果を表1に示す。
は、いずれもメッキの寸法精度及び密着強度が高く、半
田付け時やヒートサイクル後のメッキの剥離は生じなか
った。これに対して、比較例では、メッキの密着強度が
小さいか(比較例1〜3)、メッキの寸法精度が低い
(比較例4)ものであったので、半田付け時やヒートサ
イクル後にメッキの剥離が生じる恐れが大であり、高信
頼性回路基板としては、不十分なものであった。
−Pメッキとの密着性及びメッキの寸法精度が著しく高
められた高信頼性の部分メッキ回路基板が提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 セラミックス基板の一方の面に回路、他
方の面に放熱板が接合されてなるものであって、回路及
び放熱板がAl製又はAl合金製であり、Al回路にN
i−Pの部分メッキが施され、メッキの密着強度が50
N/cm以上であり、かつ部分メッキの寸法精度が±
0.3mm以下であることを特徴とする回路基板。 - 【請求項2】 セラミックス基板に形成されたAl製又
はAl合金製の金属回路及び/又は金属放熱板に、アル
カリ剥離型メッキレジストを部分的に塗布した後、Ni
−Pメッキを施し、次いで該メッキレジストをNaCO
3、NaOHなどのアルカリ系の薬液により剥離するこ
とを特徴とする回路基板の部分メッキ方法。 - 【請求項3】 アルカリ剥離型メッキレジストが塗布さ
れる面が、あらかじめ酸化膜除去処理が行われているこ
とを特徴とする請求項2記載の回路基板の部分メッキ方
法。
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