JP2019204869A - 放熱回路基板とその製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来エッチング法では困難であった厚さの銅側に発熱密度の高い半導体素子を実装でき、位置精度の高い放熱面の銅パターンを形成できる、放熱性に優れた放熱回路基板とその製造方法及びそれを用いた半導体装置を提供する。【解決手段】樹脂絶縁層と、その一方の面内に配置され前記樹脂絶縁層より小さな銅パターンAと、他方の面上に配置され前記樹脂絶縁層と同一又はより大きな銅板Bと、を備える放熱回路基板であって、前記銅板Bの厚さは前記銅パターンAの厚さと同一又はより厚く、前記銅板Bが半導体素子を実装する実装面であり、前記銅パターンAが冷却器と熱接触する放熱面である、放熱回路基板。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体素子を搭載する放熱回路基板とその製造方法及び、放熱回路基板にパワー半導体素子などの半導体素子が搭載された半導体装置に関する。
近年、環境対応などを背景に、モータや照明等の制御や電力変換を行うパワー半導体素子の需要が増えている。パワー半導体素子を用いた半導体装置は小型化と高出力化が急速に進んでおり、発熱密度が増大する傾向にあるため、効率的に放熱する設計が必要となっており、そのための放熱性の高い放熱回路基板が求められている。
放熱回路基板にて熱を放熱する経路としては、実装面の銅から背面に該当する放熱側の銅に熱を伝え、冷却する経路が一般的である。具体的には、半導体素子の発生熱を実装面の銅、絶縁層、実装面とは背面に当たる放熱面の銅を通して伝熱し、さらにヒートシンク等の冷却器から熱を放出して素子を冷却する。その際、素子を実装する直下すなわち実装面の銅を厚肉化すると、半導体素子からの放熱経路の面積を広げることができ、好ましい。
放熱回路基板にて熱を放熱する経路としては、実装面の銅から背面に該当する放熱側の銅に熱を伝え、冷却する経路が一般的である。具体的には、半導体素子の発生熱を実装面の銅、絶縁層、実装面とは背面に当たる放熱面の銅を通して伝熱し、さらにヒートシンク等の冷却器から熱を放出して素子を冷却する。その際、素子を実装する直下すなわち実装面の銅を厚肉化すると、半導体素子からの放熱経路の面積を広げることができ、好ましい。
放熱回路基板の製法としては、絶縁層の両面にあらかじめ未加工の銅板を接合させておき、一方の銅板のみをエッチングして放熱面の銅パターンを形成するものがある。しかしながら、エッチングが可能な銅板の厚みには限界があり、放熱回路基板の銅の厚みを選定する上で制約となっている(特許文献1、2)。
また、放熱回路基板でよく使われている基板としてセラミックス基板が挙げられるが、セラミックスと銅との熱膨張係数の違いにより熱膨張ひずみが大きく、実装面の銅ともう一方の放熱面の銅の厚みを揃えた対称構造にする必要があった(特許文献3、4)。
また、エッチング以外の放熱回路基板の製法として、銅板をあらかじめ機械加工し、加工して得られた銅パターンを絶縁層へ貼付けする手法が挙げられる。ただし、貼付け位置にずれが生じると、沿面距離が狭小となって絶縁性を維持できなくなる問題があった。
また、放熱回路基板でよく使われている基板としてセラミックス基板が挙げられるが、セラミックスと銅との熱膨張係数の違いにより熱膨張ひずみが大きく、実装面の銅ともう一方の放熱面の銅の厚みを揃えた対称構造にする必要があった(特許文献3、4)。
また、エッチング以外の放熱回路基板の製法として、銅板をあらかじめ機械加工し、加工して得られた銅パターンを絶縁層へ貼付けする手法が挙げられる。ただし、貼付け位置にずれが生じると、沿面距離が狭小となって絶縁性を維持できなくなる問題があった。
本発明は、発熱密度の高いパワー半導体素子を実装する放熱回路基板において、絶縁層に樹脂を使用し、半導体素子を実装する直下の銅を厚肉化することで、熱を効率的に放熱することのできる放熱回路基板とその製造方法及びそれを用いた半導体装置を提供するものである。本発明により、従来エッチング法では困難であった厚さの銅側に発熱密度の高い半導体素子を実装でき、位置精度の高い放熱面の銅パターンを形成できる。
本発明は、〔1〕樹脂絶縁層と、その一方の面内に配置され前記樹脂絶縁層より小さな銅パターンAと、他方の面上に配置され前記樹脂絶縁層と同一又はより大きな銅板Bと、を備える放熱回路基板であって、前記銅板Bの厚さは前記銅パターンAの厚さと同一又はより厚く、前記銅板Bが半導体素子を実装する実装面であり、前記銅パターンAが冷却器と熱接触する放熱面である、放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔2〕前記樹脂絶縁層の一方の面内に前記放熱面となる複数の銅パターンAが形成され、前記一方の面内における前記銅パターンA以外の非導体部が個片化のための切断部を備える、上記〔1〕に記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔3〕前記放熱面の銅パターンAの厚さが、0.03mm以上、1.0mm以下である、上記〔1〕又は〔2〕記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔4〕前記樹脂絶縁層の厚さが、500μm以下である、上記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔5〕前記樹脂絶縁層の熱伝導率が、10W/(m・K)以上である、上記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔2〕前記樹脂絶縁層の一方の面内に前記放熱面となる複数の銅パターンAが形成され、前記一方の面内における前記銅パターンA以外の非導体部が個片化のための切断部を備える、上記〔1〕に記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔3〕前記放熱面の銅パターンAの厚さが、0.03mm以上、1.0mm以下である、上記〔1〕又は〔2〕記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔4〕前記樹脂絶縁層の厚さが、500μm以下である、上記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板に関する。
また、本発明は、〔5〕前記樹脂絶縁層の熱伝導率が、10W/(m・K)以上である、上記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板に関する。
さらに、本発明は、〔6〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板に半導体素子が搭載された半導体装置に関する。
そして、本発明は、〔7〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板の製造方法であって、前記放熱面の銅パターンAをエッチングにより部分的に除去してパターン形成し、前記放熱面のうち前記銅パターンA以外の非導体部を切断して個片化する工程を含む、放熱回路基板の製造方法に関する。
そして、本発明は、〔7〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の放熱回路基板の製造方法であって、前記放熱面の銅パターンAをエッチングにより部分的に除去してパターン形成し、前記放熱面のうち前記銅パターンA以外の非導体部を切断して個片化する工程を含む、放熱回路基板の製造方法に関する。
本発明により、実装面に従来エッチング法では困難であった厚さの銅を有する放熱回路基板を作製することができる。また、放熱面の銅パターンはエッチングで形成することにより、位置精度を低下させずに形成できる。また、樹脂絶縁層に要求される熱伝導率は、実装面側の厚い銅パターンにより低減することができるため、低価格で熱を効率的に放熱する放熱回路基板とその製造方法及びそれを用いた半導体装置を提供することができる。
<放熱回路基板>
以下、本発明の一実施形態の放熱回路基板について説明する。
図1に示すように、本実施形態の放熱回路基板20は、樹脂絶縁層2と、その一方の面内に配置され前記樹脂絶縁層2より小さな銅パターンA1と、他方の面上に配置され前記樹脂絶縁層2と同一又はより大きな銅板B3と、を備える放熱回路基板であって、前記銅板B3の厚さは前記銅パターンA1の厚さと同一又はより厚く、前記銅板B3が半導体素子4を実装する実装面であり、前記銅パターンA1が冷却器と熱接触する放熱面である、放熱回路基板20である。
以下、本発明の一実施形態の放熱回路基板について説明する。
図1に示すように、本実施形態の放熱回路基板20は、樹脂絶縁層2と、その一方の面内に配置され前記樹脂絶縁層2より小さな銅パターンA1と、他方の面上に配置され前記樹脂絶縁層2と同一又はより大きな銅板B3と、を備える放熱回路基板であって、前記銅板B3の厚さは前記銅パターンA1の厚さと同一又はより厚く、前記銅板B3が半導体素子4を実装する実装面であり、前記銅パターンA1が冷却器と熱接触する放熱面である、放熱回路基板20である。
(樹脂絶縁層)
本実施形態の樹脂絶縁層は、樹脂組成物を硬化して形成した樹脂製の絶縁層である。
本実施形態では、熱硬化性の樹脂組成物を用いて形成した樹脂絶縁層を使用している。樹脂絶縁層を形成するために用いる樹脂組成物は、放熱回路基板として用いる絶縁層を形成するための成形性と、放熱回路基板として用いる際の十分な絶縁性、回路を保持する強度、熱を効率的に放出するための熱伝導性を有すればよく、樹脂組成物の種類に特に制限はない。このような樹脂組成物として、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂が挙げられ、それらのエポキシ樹脂やポリイミド樹脂に高熱伝導性を有するフィラーを充填した複合系の材料が挙げられる。高熱伝導性のフィラーとして、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素又は結晶シリカなどが挙げられ、お互いに異なる2種類以上の無機充填材を混合して用いることができる。これらのフィラーは、樹脂組成物全体に対して、40〜97質量%を含有させることができ、高熱伝導性の他に、低熱膨張性、高耐熱性を付与することができる。フィラーの平均粒径は、30μm以下であることが好ましい。
本実施形態の樹脂絶縁層は、樹脂組成物を硬化して形成した樹脂製の絶縁層である。
本実施形態では、熱硬化性の樹脂組成物を用いて形成した樹脂絶縁層を使用している。樹脂絶縁層を形成するために用いる樹脂組成物は、放熱回路基板として用いる絶縁層を形成するための成形性と、放熱回路基板として用いる際の十分な絶縁性、回路を保持する強度、熱を効率的に放出するための熱伝導性を有すればよく、樹脂組成物の種類に特に制限はない。このような樹脂組成物として、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂が挙げられ、それらのエポキシ樹脂やポリイミド樹脂に高熱伝導性を有するフィラーを充填した複合系の材料が挙げられる。高熱伝導性のフィラーとして、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素又は結晶シリカなどが挙げられ、お互いに異なる2種類以上の無機充填材を混合して用いることができる。これらのフィラーは、樹脂組成物全体に対して、40〜97質量%を含有させることができ、高熱伝導性の他に、低熱膨張性、高耐熱性を付与することができる。フィラーの平均粒径は、30μm以下であることが好ましい。
本実施形態では、前記樹脂組成物を用いた半硬化状態の接着シートを、一方に銅パターンAの材料となる銅箔又は銅板を、他方に銅板Bを貼り合わせ、真空プレスを用いて加熱加圧して積層体を形成することで、銅板と接合された樹脂絶縁層が得られる。真空プレス条件は、用いる接着シートによって適宜選択できる。
本実施形態の樹脂絶縁層の厚さは、特に制限するものではないが、放熱性の観点から500μm以下が好ましく、放熱回路基板として用いる際の十分な絶縁性と熱伝導性、回路を保持する強度の観点から50μm以上、350μm以下がより好ましく、150μm以上、250μm以下がさらに好ましい。
また、本実施形態の樹脂絶縁層の熱伝導率は、10W/(m・K)以上であることが好ましい。
本実施形態の樹脂絶縁層の厚さは、特に制限するものではないが、放熱性の観点から500μm以下が好ましく、放熱回路基板として用いる際の十分な絶縁性と熱伝導性、回路を保持する強度の観点から50μm以上、350μm以下がより好ましく、150μm以上、250μm以下がさらに好ましい。
また、本実施形態の樹脂絶縁層の熱伝導率は、10W/(m・K)以上であることが好ましい。
(銅パターンA)
本実施形態の銅パターンAは、樹脂絶縁層の一方の面内に形成された銅の導体層であり、冷却器と熱接触する放熱面となる。銅パターンAのパターン形成方法としてエッチングを行うことを特徴とする。
本実施形態では、銅パターンAの材料として銅箔又は銅板を選択でき、厚みが0.2mm未満の場合は電解銅箔、0.2mmを超える場合には圧延銅板が一般的に使用される。圧延銅板の場合は無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
本実施形態では、銅パターンAの形成方法としてエッチングを用いる。真空プレスにて形成した積層体の、銅パターンAを形成する側にパターンエッチングを実施し、銅の残された部位が銅パターンAとなる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅パターンAには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
本実施形態の銅パターンAの厚さは、特に制限するものではないが、銅パターンAの耐擦傷性とエッチングの制約を考慮して0.03mm以上、1.0mm以下が好ましく、放熱回路基板として用いる際の冷却器を保持する強度とエッチングの作業性を考慮して0.07mm以上、0.8mm以下がより好ましく、0.1mm以上、0.6mm以下がさらに好ましい。
本実施形態の銅パターンAは、樹脂絶縁層の一方の面内に形成された銅の導体層であり、冷却器と熱接触する放熱面となる。銅パターンAのパターン形成方法としてエッチングを行うことを特徴とする。
本実施形態では、銅パターンAの材料として銅箔又は銅板を選択でき、厚みが0.2mm未満の場合は電解銅箔、0.2mmを超える場合には圧延銅板が一般的に使用される。圧延銅板の場合は無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
本実施形態では、銅パターンAの形成方法としてエッチングを用いる。真空プレスにて形成した積層体の、銅パターンAを形成する側にパターンエッチングを実施し、銅の残された部位が銅パターンAとなる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅パターンAには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
本実施形態の銅パターンAの厚さは、特に制限するものではないが、銅パターンAの耐擦傷性とエッチングの制約を考慮して0.03mm以上、1.0mm以下が好ましく、放熱回路基板として用いる際の冷却器を保持する強度とエッチングの作業性を考慮して0.07mm以上、0.8mm以下がより好ましく、0.1mm以上、0.6mm以下がさらに好ましい。
(非導体部)
本実施形態の非導体部は、銅パターンAの形成時に、エッチングによって除去された部位である。
本実施形態では、非導体部の形成方法としてエッチングを用いる。前記積層体の銅パターンAを形成する側にパターンエッチングを実施し、銅が除去されて樹脂絶縁層が露出した部位が非導体部となる。
本実施形態では、非導体部の寸法、すなわち樹脂絶縁層の露出部位の距離は放熱回路基板として用いる際の十分な絶縁性を考慮し、適宜設定してよい。
本実施形態の非導体部は、銅パターンAの形成時に、エッチングによって除去された部位である。
本実施形態では、非導体部の形成方法としてエッチングを用いる。前記積層体の銅パターンAを形成する側にパターンエッチングを実施し、銅が除去されて樹脂絶縁層が露出した部位が非導体部となる。
本実施形態では、非導体部の寸法、すなわち樹脂絶縁層の露出部位の距離は放熱回路基板として用いる際の十分な絶縁性を考慮し、適宜設定してよい。
(銅板B)
本実施形態の銅板Bは、樹脂絶縁層の一方の面内に形成された銅パターンAとは他方の面上に形成された、銅の導体層であり、半導体素子を実装する実装面となる。
本実施形態の銅板Bは、材料として圧延銅板を使用することができ、圧延銅板の種類は特に限定しないが、無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
本実施形態では、前記積層体の銅板Bにマスキング、又はエッチングレジストを全面に形成し、エッチングによる除去を防止することで得られる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅板Bには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
本実施形態の銅板Bの大きさは樹脂絶縁層と同一で、かつ樹脂絶縁層と端部を揃えて配置しているが、樹脂絶縁層からはみ出すようにより大きく形成してもよい。
本実施形態の銅板Bの厚さは、特に制限するものではないが、放熱回路基板として用いる際の放熱性と、切断して個片化する際の作業性を考慮して0.5mm以上、5.0mm以下が好ましく、リフローによる実装性の観点から0.5mm以上、3.0mm以下がより好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下がさらに好ましい。
本実施形態の銅板Bは、樹脂絶縁層の一方の面内に形成された銅パターンAとは他方の面上に形成された、銅の導体層であり、半導体素子を実装する実装面となる。
本実施形態の銅板Bは、材料として圧延銅板を使用することができ、圧延銅板の種類は特に限定しないが、無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
本実施形態では、前記積層体の銅板Bにマスキング、又はエッチングレジストを全面に形成し、エッチングによる除去を防止することで得られる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅板Bには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
本実施形態の銅板Bの大きさは樹脂絶縁層と同一で、かつ樹脂絶縁層と端部を揃えて配置しているが、樹脂絶縁層からはみ出すようにより大きく形成してもよい。
本実施形態の銅板Bの厚さは、特に制限するものではないが、放熱回路基板として用いる際の放熱性と、切断して個片化する際の作業性を考慮して0.5mm以上、5.0mm以下が好ましく、リフローによる実装性の観点から0.5mm以上、3.0mm以下がより好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下がさらに好ましい。
(実装面)
本実施形態における実装面は、半導体素子を実装して支持し、かつ半導体素子からの発生熱を吸収する面であり、銅板Bが半導体素子を実装する実装面となる。
実装面となる銅板Bは、前記のように材料として圧延銅板を使用することができ、圧延銅板の種類は特に限定しないが、無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
実装面となる銅板Bの製法は、前記のように前記積層体の銅板Bにマスキング、又はエッチングレジストを全面に形成し、エッチングによる除去を防止することで得られる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅板Bには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
実装面となる銅板Bの厚さは、前記のように特に制限するものではないが、放熱回路基板として用いる際の放熱性と、切断して個片化する際の作業性を考慮して0.5mm以上、5.0mm以下が好ましく、リフローによる実装性の観点から0.5mm以上、3.0mm以下がより好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下がさらに好ましい。
本実施形態における実装面は、半導体素子を実装して支持し、かつ半導体素子からの発生熱を吸収する面であり、銅板Bが半導体素子を実装する実装面となる。
実装面となる銅板Bは、前記のように材料として圧延銅板を使用することができ、圧延銅板の種類は特に限定しないが、無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
実装面となる銅板Bの製法は、前記のように前記積層体の銅板Bにマスキング、又はエッチングレジストを全面に形成し、エッチングによる除去を防止することで得られる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅板Bには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
実装面となる銅板Bの厚さは、前記のように特に制限するものではないが、放熱回路基板として用いる際の放熱性と、切断して個片化する際の作業性を考慮して0.5mm以上、5.0mm以下が好ましく、リフローによる実装性の観点から0.5mm以上、3.0mm以下がより好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下がさらに好ましい。
(放熱面)
本実施形態の放熱面は、冷却器を搭載して熱接触することで、実装面から吸収した半導体素子からの発生熱を、基板外の冷却器へ放出する面であり、銅パターンAが冷却器と熱接触する放熱面となる。
放熱面となる銅パターンAは、前記のように銅箔又は銅板を選択でき、厚みが0.2mm未満の場合は電解銅箔、0.2mmを超える場合には圧延銅板が一般的に使用される。圧延銅板の場合は無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
放熱面となる銅パターンAの形成方法として、前記のようにエッチングを用いる。真空プレスにて形成した積層体の、銅パターンAを形成する側にパターンエッチングを実施し、銅の残された部位が銅パターンAとなる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅パターンAには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
放熱面となる銅パターンAの厚さは、前記のように特に制限するものではないが、銅パターンAの耐擦傷性とエッチングの制約を考慮して0.03mm以上、1.0mm以下が好ましく、放熱回路基板として用いる際の冷却器を保持する強度とエッチングの作業性を考慮して0.07mm以上、0.8mm以下がより好ましく、0.1mm以上、0.6mm以下がさらに好ましい。
本実施形態の放熱面は、冷却器を搭載して熱接触することで、実装面から吸収した半導体素子からの発生熱を、基板外の冷却器へ放出する面であり、銅パターンAが冷却器と熱接触する放熱面となる。
放熱面となる銅パターンAは、前記のように銅箔又は銅板を選択でき、厚みが0.2mm未満の場合は電解銅箔、0.2mmを超える場合には圧延銅板が一般的に使用される。圧延銅板の場合は無酸素銅(記号:C1020)、タフピッチ銅(記号:C1100)が多く使用される。
放熱面となる銅パターンAの形成方法として、前記のようにエッチングを用いる。真空プレスにて形成した積層体の、銅パターンAを形成する側にパターンエッチングを実施し、銅の残された部位が銅パターンAとなる。樹脂絶縁層との密着性を高めるために、銅パターンAには積層体の形成前に、機械的又は化学的な粗化処理を施すことが望ましい。
放熱面となる銅パターンAの厚さは、前記のように特に制限するものではないが、銅パターンAの耐擦傷性とエッチングの制約を考慮して0.03mm以上、1.0mm以下が好ましく、放熱回路基板として用いる際の冷却器を保持する強度とエッチングの作業性を考慮して0.07mm以上、0.8mm以下がより好ましく、0.1mm以上、0.6mm以下がさらに好ましい。
(製造方法)
以下、放熱回路基板及び放熱回路基板を用いた半導体装置の概略製造方法について説明する。
(工程A)
銅パターンAとなる材料と樹脂絶縁層となる接着シート、銅板Bをそれぞれ重ねた状態で真空プレスを用いて加熱加圧し、冷却して積層体を形成する。
(工程B)
銅パターンAの材料となる銅箔又は銅板を、エッチングにより部分的に除去して銅パターンAを形成する。積層体の両面にエッチングレジストをラミネートし、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を行い、銅パターンAを形成する。エッチングレジストとしては、アルカリ水溶液または有機溶剤で現像可能な感光性樹脂からなるフォトレジストフィルムが使用できる。また、エッチング液の種類は特に限定しないが、塩化第二鉄水溶液が多く使用される。なお、銅板Bはエッチングレジスト形成の代替として、耐酸性のマスキングテープを全面に貼付し、エッチングを行ってもよい。また、銅パターンA形成後に、仕様に応じて銅露出部位に表面処理(ニッケルめっき、金めっき等)を施してもよい。
効率よく製造するためパターンAは、複数の銅パターンが形成されたマスクフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を行い、銅パターンAを複数形成することが好ましい。
以下、放熱回路基板及び放熱回路基板を用いた半導体装置の概略製造方法について説明する。
(工程A)
銅パターンAとなる材料と樹脂絶縁層となる接着シート、銅板Bをそれぞれ重ねた状態で真空プレスを用いて加熱加圧し、冷却して積層体を形成する。
(工程B)
銅パターンAの材料となる銅箔又は銅板を、エッチングにより部分的に除去して銅パターンAを形成する。積層体の両面にエッチングレジストをラミネートし、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を行い、銅パターンAを形成する。エッチングレジストとしては、アルカリ水溶液または有機溶剤で現像可能な感光性樹脂からなるフォトレジストフィルムが使用できる。また、エッチング液の種類は特に限定しないが、塩化第二鉄水溶液が多く使用される。なお、銅板Bはエッチングレジスト形成の代替として、耐酸性のマスキングテープを全面に貼付し、エッチングを行ってもよい。また、銅パターンA形成後に、仕様に応じて銅露出部位に表面処理(ニッケルめっき、金めっき等)を施してもよい。
効率よく製造するためパターンAは、複数の銅パターンが形成されたマスクフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を行い、銅パターンAを複数形成することが好ましい。
(工程C)
銅パターンAの非導体部を切断し個片化することで、放熱回路基板を得る。つまり、銅パターンA以外の非導体部が個片化するための切断部(図示しない。)を備えることで、この切断部を切断することにより、銅パターンAにダメージを与えることなく、また、切断時の負荷を低減しつつ、個片化した放熱回路基板を得ることができる。切断方法は仕様に応じてルータ加工やダイシング、V溝加工等の各種加工方法を用いることができる。
(工程D)
実装面の所定位置にある素子搭載部に、液状又はフィルム状の接着剤、若しくははんだを用いて半導体素子を接合し、半導体装置を得る。半導体素子の電極と外部とを電気的に接続するために、ワイヤーボンディング等による配線や端子接続を行うことができる。さらに、実装面の所定位置に、液状又はフィルム状の接着剤、若しくははんだを用いてプリント回路基板若しくはリードフレームを接合し、配線の中継をしてもよい。また、半導体素子を周囲環境から保護するために、少なくとも実装面を熱硬化性樹脂で封止してもよい。
半導体装置によっては、工程Dで、複数の半導体素子を搭載し接合してから、工程Cの非導体部を切断し個片化することもできる。
銅パターンAの非導体部を切断し個片化することで、放熱回路基板を得る。つまり、銅パターンA以外の非導体部が個片化するための切断部(図示しない。)を備えることで、この切断部を切断することにより、銅パターンAにダメージを与えることなく、また、切断時の負荷を低減しつつ、個片化した放熱回路基板を得ることができる。切断方法は仕様に応じてルータ加工やダイシング、V溝加工等の各種加工方法を用いることができる。
(工程D)
実装面の所定位置にある素子搭載部に、液状又はフィルム状の接着剤、若しくははんだを用いて半導体素子を接合し、半導体装置を得る。半導体素子の電極と外部とを電気的に接続するために、ワイヤーボンディング等による配線や端子接続を行うことができる。さらに、実装面の所定位置に、液状又はフィルム状の接着剤、若しくははんだを用いてプリント回路基板若しくはリードフレームを接合し、配線の中継をしてもよい。また、半導体素子を周囲環境から保護するために、少なくとも実装面を熱硬化性樹脂で封止してもよい。
半導体装置によっては、工程Dで、複数の半導体素子を搭載し接合してから、工程Cの非導体部を切断し個片化することもできる。
(作用効果)
本実施形態の放熱回路基板の製造方法は、絶縁層に樹脂(樹脂絶縁層)を用いることで、実装面(銅板B)ともう一方の放熱面(銅パターンA)の銅の厚みがそれぞれ異なる非対称構造とすることができる。
したがって、実装面の銅は厚肉化して放熱性を高めつつ、放熱面はエッチングによるパターン加工が可能な厚みに抑えることが可能となり、実装面に従来セラミックス基板では困難であった厚さの銅を有する放熱回路基板を作製することができる。また、放熱面の銅パターンはエッチングで形成することにより、位置精度を低下させずに形成できる。
また、樹脂絶縁層に要求される熱伝導率は、実装面側の厚い銅板により低減することができるのと、セラミックス基板では一般的な単品製造に対し、本製造方法は多面付けで製造し、複数枚の放熱回路基板を一括して製造することが容易にできることから、生産性を向上させて低価格で熱を効率的に放熱する放熱回路基板と、それを用いた半導体装置を製造することができる。
本実施形態の放熱回路基板の製造方法は、絶縁層に樹脂(樹脂絶縁層)を用いることで、実装面(銅板B)ともう一方の放熱面(銅パターンA)の銅の厚みがそれぞれ異なる非対称構造とすることができる。
したがって、実装面の銅は厚肉化して放熱性を高めつつ、放熱面はエッチングによるパターン加工が可能な厚みに抑えることが可能となり、実装面に従来セラミックス基板では困難であった厚さの銅を有する放熱回路基板を作製することができる。また、放熱面の銅パターンはエッチングで形成することにより、位置精度を低下させずに形成できる。
また、樹脂絶縁層に要求される熱伝導率は、実装面側の厚い銅板により低減することができるのと、セラミックス基板では一般的な単品製造に対し、本製造方法は多面付けで製造し、複数枚の放熱回路基板を一括して製造することが容易にできることから、生産性を向上させて低価格で熱を効率的に放熱する放熱回路基板と、それを用いた半導体装置を製造することができる。
以下に、本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
(工程A)
まず、樹脂絶縁層の一方に銅パターンAを形成するための銅板を、他方に銅板Bを張り合わせた積層体を形成する。図2(a)に示すように、樹脂絶縁層 2となる寸法120×140mm、厚さ220μmの接着シート 6(日立化成株式会社製、製品名:高熱伝導絶縁接着シートHT−1500S)に、接着シートと同じ寸法で厚さ0.5mm(5)及び2.0mm(5’)の銅板(記号:C−1020P−1/2H)をそれぞれ配置する。なお、銅板にはあらかじめ密着性向上を目的に、化学粗化液による表面処理を施している。さらに、その両サイドを当て銅箔とクッションボード、ステンレス製の金属板(鏡板)で挟み込み、これを真空プレスの熱板間に挿入し、真空中で190℃、10MPa、120分の条件で加熱加圧し、冷却後取り出して図2(b)の積層体を作製した。
<実施例1>
(工程A)
まず、樹脂絶縁層の一方に銅パターンAを形成するための銅板を、他方に銅板Bを張り合わせた積層体を形成する。図2(a)に示すように、樹脂絶縁層 2となる寸法120×140mm、厚さ220μmの接着シート 6(日立化成株式会社製、製品名:高熱伝導絶縁接着シートHT−1500S)に、接着シートと同じ寸法で厚さ0.5mm(5)及び2.0mm(5’)の銅板(記号:C−1020P−1/2H)をそれぞれ配置する。なお、銅板にはあらかじめ密着性向上を目的に、化学粗化液による表面処理を施している。さらに、その両サイドを当て銅箔とクッションボード、ステンレス製の金属板(鏡板)で挟み込み、これを真空プレスの熱板間に挿入し、真空中で190℃、10MPa、120分の条件で加熱加圧し、冷却後取り出して図2(b)の積層体を作製した。
(工程B)
次に、以下のようにして銅パターンAを形成する。
両面にフォトレジストフィルム 7をラミネートし(図2(c))、銅パターンAを形成する銅板5側は所定のパターンを露光させ、銅板Bを形成する銅板5’側は全面を露光させる。その後、現像を行ってエッチングレジストパターンを形成する(図2(d))。これを塩化第二鉄によるエッチング装置でエッチングを行い(図2(e))、レジストを剥離して図2(f)の積層体を作製した。本実施形態ではさらに、銅パターンA及び銅板Bの銅露出部位に、表面処理(無電解ニッケルめっき、膜厚:5μm)を施した。
次に、以下のようにして銅パターンAを形成する。
両面にフォトレジストフィルム 7をラミネートし(図2(c))、銅パターンAを形成する銅板5側は所定のパターンを露光させ、銅板Bを形成する銅板5’側は全面を露光させる。その後、現像を行ってエッチングレジストパターンを形成する(図2(d))。これを塩化第二鉄によるエッチング装置でエッチングを行い(図2(e))、レジストを剥離して図2(f)の積層体を作製した。本実施形態ではさらに、銅パターンA及び銅板Bの銅露出部位に、表面処理(無電解ニッケルめっき、膜厚:5μm)を施した。
(工程C)
次に、銅パターンAの非導体部を切断して個片化する。ルータ加工機で非導体部の所定の位置を切断し、図2(g)の状態のものを作製して、絶縁樹脂層および銅板Bの寸法が縦30mm×横30mm、銅パターンAの寸法が縦24mm×横24mmの放熱回路基板を得た。ルータ加工条件は、切断面にバリの発生しない仕上がりとなる条件を選定した。
次に、銅パターンAの非導体部を切断して個片化する。ルータ加工機で非導体部の所定の位置を切断し、図2(g)の状態のものを作製して、絶縁樹脂層および銅板Bの寸法が縦30mm×横30mm、銅パターンAの寸法が縦24mm×横24mmの放熱回路基板を得た。ルータ加工条件は、切断面にバリの発生しない仕上がりとなる条件を選定した。
(工程D)
銅板B(実装面)の所定の位置に、シート状の鉛フリーはんだ(千住金属工業株式会社製、製品名:M705)と、半導体素子4としてIGBTチップ(ABB社製、製品名:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ 5SMX 86H1280、Insulated Gate Bipolar Transistor)を1個配置し、雰囲気制御圧着装置(アユミ工業株式会社製)を用いてギ酸還元雰囲気下220℃で接合し、図2(h)の半導体装置を得た。
銅板B(実装面)の所定の位置に、シート状の鉛フリーはんだ(千住金属工業株式会社製、製品名:M705)と、半導体素子4としてIGBTチップ(ABB社製、製品名:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ 5SMX 86H1280、Insulated Gate Bipolar Transistor)を1個配置し、雰囲気制御圧着装置(アユミ工業株式会社製)を用いてギ酸還元雰囲気下220℃で接合し、図2(h)の半導体装置を得た。
(評価A)
25℃の冷却水を流したアルミニウム製水冷台上に、垂直配向放熱シート(日立化成株式会社製、TC−001、熱伝導率90W/m・K)、および黒体スプレー(オムロン株式会社製、ES1−S、放射率0.94)で黒体化した半導体装置を設置し放熱評価系とした。半導体装置のIGBT素子上のゲート電極とエミッタ電極、及び銅板Bをコレクタ電極としてそれぞれにプローブを設置し、コレクタ電極およびエミッタ電極を外部直流電源装置、ゲート電極およびエミッタ電極を定電流回路、エミッタ電極を接地にそれぞれ電気的に接続した。半導体装置に1Aの電流が流れるように定電流回路を設定し、半導体装置が活性領域で動作する電圧をコレクタ電極に印加することで、IGBT素子の損失による発熱量=印加電圧になるよう放熱評価系を構成した。コレクタ電極には100Vを印加し、100Wの発熱量で半導体素子を駆動させた。電圧印加後30秒の定常状態の素子の最高温度をサーモグラフィ(株式会社アピステ製、FSV−1200)で測定した。
25℃の冷却水を流したアルミニウム製水冷台上に、垂直配向放熱シート(日立化成株式会社製、TC−001、熱伝導率90W/m・K)、および黒体スプレー(オムロン株式会社製、ES1−S、放射率0.94)で黒体化した半導体装置を設置し放熱評価系とした。半導体装置のIGBT素子上のゲート電極とエミッタ電極、及び銅板Bをコレクタ電極としてそれぞれにプローブを設置し、コレクタ電極およびエミッタ電極を外部直流電源装置、ゲート電極およびエミッタ電極を定電流回路、エミッタ電極を接地にそれぞれ電気的に接続した。半導体装置に1Aの電流が流れるように定電流回路を設定し、半導体装置が活性領域で動作する電圧をコレクタ電極に印加することで、IGBT素子の損失による発熱量=印加電圧になるよう放熱評価系を構成した。コレクタ電極には100Vを印加し、100Wの発熱量で半導体素子を駆動させた。電圧印加後30秒の定常状態の素子の最高温度をサーモグラフィ(株式会社アピステ製、FSV−1200)で測定した。
(評価B)
評価Aと同様にし、電圧印加30秒後の素子温度が80℃になるように印加電圧を調整した。
評価Aと同様にし、電圧印加30秒後の素子温度が80℃になるように印加電圧を調整した。
<実施例2>
実施例1と同一材料を使用し、同一製法で銅パターンA(放熱面)と銅板B(実装面)の銅の厚みをそれぞれ同じにした放熱回路基板を作製した。寸法が縦120mm×余横140mm、厚さ220μmの接着シート 6に、接着シートと同じ寸法で厚さ1mmの銅板(記号:C−1020P−1/2H)を両面にそれぞれ配置する。これを実施例と同じ製法で図3(a)に示す積層体を形成し、さらにエッチングでパターンを形成(図3(b))、個片化を行って図3(c)の状態の放熱回路基板を得た。
以降、実施例1と同様にして図3(d)に示す半導体装置を作製し、半導体素子を駆動させて素子温度の測定を行った。
実施例1と同一材料を使用し、同一製法で銅パターンA(放熱面)と銅板B(実装面)の銅の厚みをそれぞれ同じにした放熱回路基板を作製した。寸法が縦120mm×余横140mm、厚さ220μmの接着シート 6に、接着シートと同じ寸法で厚さ1mmの銅板(記号:C−1020P−1/2H)を両面にそれぞれ配置する。これを実施例と同じ製法で図3(a)に示す積層体を形成し、さらにエッチングでパターンを形成(図3(b))、個片化を行って図3(c)の状態の放熱回路基板を得た。
以降、実施例1と同様にして図3(d)に示す半導体装置を作製し、半導体素子を駆動させて素子温度の測定を行った。
<比較例1>
実施例1と同一材料を使用し、同一製法で実装面の銅の厚みを、放熱面の銅よりも薄くした場合の放熱回路基板を作製した。寸法が縦120mm×横140mm、厚さ220μmの接着シート 6に、接着シートと同じ寸法で厚さ2mm及び0.5mmの銅板(記号:C−1020P−1/2H)をそれぞれ配置する。これを実施例と同じ製法で図4(a)に示す積層体を形成し、さらにエッチングでパターンを形成(図4(b))、個片化を行って、パターン形成した銅板を実装面、図4(c)の状態の放熱回路基板を得た。
以降、実施例1と同様にして図4(d)に示す半導体装置を作製し、半導体素子を駆動させて素子温度の測定を行った。
実施例1と同一材料を使用し、同一製法で実装面の銅の厚みを、放熱面の銅よりも薄くした場合の放熱回路基板を作製した。寸法が縦120mm×横140mm、厚さ220μmの接着シート 6に、接着シートと同じ寸法で厚さ2mm及び0.5mmの銅板(記号:C−1020P−1/2H)をそれぞれ配置する。これを実施例と同じ製法で図4(a)に示す積層体を形成し、さらにエッチングでパターンを形成(図4(b))、個片化を行って、パターン形成した銅板を実装面、図4(c)の状態の放熱回路基板を得た。
以降、実施例1と同様にして図4(d)に示す半導体装置を作製し、半導体素子を駆動させて素子温度の測定を行った。
実施例1、実施例2及び比較例3の銅パターンA、銅板Bの厚さと、評価A、評価Bで測定した評価結果をまとめて表1に示した。
半導体素子の実装面側である銅板Bの厚みが厚いと放熱効果に優れる。そして、評価Bの素子の表面温度を80℃と一定にした場合、コレクタ電極に加える電圧を高くすることができ、より大きな電力を取り扱う事ができる。
1…銅パターンA(放熱面)
2…樹脂絶縁層
3…銅板B(実装面)
4…半導体素子
5、5’…銅箔又は銅板
6…接着シート
7…フォトレジストフィルム
8…エッチングレジストパターン
9…銅板(放熱面)
10…銅パターン(実装面)
20…放熱回路基板
2…樹脂絶縁層
3…銅板B(実装面)
4…半導体素子
5、5’…銅箔又は銅板
6…接着シート
7…フォトレジストフィルム
8…エッチングレジストパターン
9…銅板(放熱面)
10…銅パターン(実装面)
20…放熱回路基板
Claims (7)
- 樹脂絶縁層と、その一方の面内に配置され前記樹脂絶縁層より小さな銅パターンAと、他方の面上に配置され前記樹脂絶縁層と同一又はより大きな銅板Bと、を備える放熱回路基板であって、前記銅板Bの厚さは前記銅パターンAの厚さと同一又はより厚く、前記銅板Bが半導体素子を実装する実装面であり、前記銅パターンAが冷却器と熱接触する放熱面である、放熱回路基板。
- 前記樹脂絶縁層の一方の面内に前記放熱面となる複数の銅パターンAが形成され、前記一方の面内における前記銅パターンA以外の非導体部が個片化のための切断部を備える、請求項1に記載の放熱回路基板。
- 前記放熱面の銅パターンAの厚さが、0.03mm以上、1.0mm以下である、請求項1又は請求項2に記載の放熱回路基板。
- 前記樹脂絶縁層の厚さが、500μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の放熱回路基板。
- 前記樹脂絶縁層の熱伝導率が、10W/(m・K)以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の放熱回路基板。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の放熱回路基板に半導体素子が搭載された半導体装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の放熱回路基板の製造方法であって、前記放熱面の銅パターンAをエッチングにより部分的に除去してパターン形成し、前記放熱面のうち前記銅パターンA以外の非導体部を切断して個片化する工程を含む、放熱回路基板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2018098666A JP2019204869A (ja) | 2018-05-23 | 2018-05-23 | 放熱回路基板とその製造方法及び半導体装置 |
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CN114126187A (zh) * | 2020-08-26 | 2022-03-01 | 宏恒胜电子科技(淮安)有限公司 | 具有内埋散热结构的线路板及其制作方法 |
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2018
- 2018-05-23 JP JP2018098666A patent/JP2019204869A/ja active Pending
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CN114126187A (zh) * | 2020-08-26 | 2022-03-01 | 宏恒胜电子科技(淮安)有限公司 | 具有内埋散热结构的线路板及其制作方法 |
CN114126187B (zh) * | 2020-08-26 | 2024-05-10 | 宏恒胜电子科技(淮安)有限公司 | 具有内埋散热结构的线路板及其制作方法 |
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