JP2018147934A - 絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

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東洋 大橋
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Abstract

【課題】回路パターンを効率良くかつ精度良く形成することでき、絶縁性に優れた絶縁樹脂層を形成することができ、さらに絶縁樹脂層と金属基板及び回路層とが確実に接合された絶縁回路基板を製造可能な絶縁回路基板の製造方法を提供する。【解決手段】金属基板の一方の面に熱硬化型樹脂を含有する樹脂組成物を配置する樹脂組成物配置工程S01と、前記樹脂組成物の上に複数の金属片を配置するとともに前記金属片以外の領域に押圧用治具を配置する金属片及び押圧用治具配設工程S02と、前記金属基板と前記樹脂組成物と前記金属片及び押圧用治具とを積層方向に加圧するとともに加熱して前記樹脂組成物を硬化させる樹脂硬化工程S03と、を備えており、前記押圧用治具は、少なくとも前記樹脂組成物を押圧する押圧面が、前記熱硬化型樹脂とのSP値の差が3以上である樹脂で構成されている。【選択図】図3

Description

この発明は、金属基板と、この金属基板の一方の面に形成された絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層の前記金属基板とは反対側の面に形成された回路パターン状を有する回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法に関するものである。
パワーモジュール、LEDモジュール及び熱電モジュールにおいては、絶縁層の一方の面に導電材料からなる回路層を形成した絶縁回路基板に、パワー半導体素子、LED素子及び熱電素子が接合された構造とされている。
上述の絶縁回路基板として、例えば特許文献1に記載された金属ベース回路基板が提案されている。
特許文献1に記載された金属ベース回路基板においては、金属基板上に絶縁樹脂層が形成され、この絶縁樹脂層上に回路パターンを有する回路層が形成されている。ここで、絶縁樹脂層は、熱硬化型樹脂であるエポキシ樹脂で構成されており、回路層は、銅箔で構成されている。
この金属ベース回路基板においては、回路層上に半導体素子が接合され、金属基板の絶縁樹脂層とは反対側の面にヒートシンクが配設されており、半導体素子で発生した熱をヒートシンク側に伝達して放熱する構造とされている。
ここで、特許文献1に記載された金属ベース回路基板においては、絶縁樹脂層の上に配設された銅箔をエッチング処理することによって回路パターンを形成している。
特開2015−207666号公報
ところで、上述の絶縁回路基板(金属ベース回路基板)において熱抵抗を低下させて放熱特性を向上させるためには、半導体素子が搭載される回路層の厚さを厚くすることが効果的である。
回路層を厚く形成した場合には、回路パターンを形成するためにエッチングを長時間行う必要があった。ここで、エッチングを長時間行うと、回路層の端部にダレが生じ、回路パターンを精度良く形成することができなくなるといった問題があった。さらに、耐電圧性能が低下してしまうおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、回路層を比較的厚く形成した場合であっても回路パターンを効率良くかつ精度良く形成することできるともに絶縁性に優れた絶縁樹脂層を形成することができ、さらに絶縁樹脂層と金属基板及び回路層とが確実に接合された絶縁回路基板を製造可能な絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の絶縁回路基板の製造方法は、金属基板と、この金属基板の一方の面に形成された絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層の前記金属基板とは反対側の面に形成された回路パターン状を有する回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、前記金属基板の一方の面に、熱硬化型樹脂を含有する樹脂組成物を配置する樹脂組成物配置工程と、前記樹脂組成物の上に複数の金属片を回路パターン状に配置するとともに前記金属片以外の領域に押圧用治具を配置する金属片及び押圧用治具配設工程と、前記金属基板と前記樹脂組成物と前記金属片及び押圧用治具とを積層方向に加圧するとともに加熱して、前記樹脂組成物を硬化させて前記絶縁樹脂層を形成するとともに、前記金属基板と前記絶縁樹脂層、前記絶縁樹脂層と前記金属片を接合する樹脂硬化工程と、を備えており、前記押圧用治具は、少なくとも前記樹脂組成物を押圧する押圧面が、前記熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上である樹脂で構成されていることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板の製造方法によれば、前記樹脂組成物の上に複数の金属片を回路パターン状に配置するとともに前記金属片の間の空間に押圧用治具を配置する金属片及び押圧用治具配設工程と、前記金属基板と前記樹脂組成物と前記金属片及び押圧用治具とを積層方向に加圧するとともに加熱して前記樹脂組成物を硬化させる樹脂硬化工程と、を備えているので、金属片及び押圧用治具と前記金属基板とによって前記樹脂組成物を十分に押圧することができ、樹脂組成物を均一に硬化させることが可能となる。よって、絶縁性に優れた絶縁樹脂層を形成できるとともに、金属基板と絶縁樹脂層、及び、絶縁樹脂層と金属片とを確実に接合することができる。
そして、前記押圧用治具の少なくとも前記樹脂組成物を押圧する押圧面が、前記熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上とされた樹脂で構成されているので、前記樹脂組成物を硬化させることによって形成された絶縁樹脂層と前記押圧用治具が密着することを抑制でき、押圧用治具を容易に剥離することができる。
ここで、本発明の絶縁回路基板の製造方法においては、前記樹脂硬化工程では、硬化前の前記樹脂組成物の厚さt0と硬化後の前記絶縁樹脂層の厚さt1との比t1/t0が0.8以下となるように、前記金属基板と前記樹脂組成物と前記金属片及び押圧用治具とを積層方向に加圧することが好ましい。
この場合、前記樹脂組成物を硬化させる際に十分に加圧することができ、前記樹脂組成物を確実に硬化させることができ、形成された絶縁樹脂層の絶縁性を確保することができる。
また、本発明の絶縁回路基板の製造方法においては、前記金属片の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内とされ、前記押圧用治具と前記金属片との厚さの公差が0.03mm以内とされていることが好ましい。
この場合、回路層を形成する前記金属片の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内と比較的厚くされているので、放熱特性に優れた絶縁回路基板を製造することができる。そして、前記押圧用治具と前記金属片との厚さの公差が0.03mm以内とされているので、樹脂硬化工程において、樹脂組成物を均一に押圧することが可能となる。
さらに、本発明の絶縁回路基板の製造方法は、前記押圧用治具は、金属から成る治具本体と、この治具本体の厚さ方向の一端に形成された押圧樹脂層と、を有し、前記押圧樹脂層が、前記熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上である樹脂で構成されていることが好ましい。
この場合、金属から成る治具本体と、この治具本体の厚さ方向の一端に形成された押圧樹脂層と、を有しているので、前記押圧用治具全体が硬くなり、樹脂組成物を十分に押圧することが可能となる。また、治具本体の厚さ方向の一端に形成された押圧樹脂層が、前記熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上である樹脂で構成されているので、前記樹脂硬化工程後に前記押圧用治具を容易に剥離することができる。
本発明によれば、回路層を比較的厚く形成した場合であっても回路パターンを効率良くかつ精度良く形成することできるともに絶縁性に優れた絶縁樹脂層を形成することができ、さらに絶縁樹脂層と金属基板及び回路層とが確実に接合された絶縁回路基板を製造可能な絶縁回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である絶縁回路基板の製造方法によって製造された絶縁回路基板を用いたパワーモジュールの断面説明図である。 図1に示す絶縁回路基板の説明図である。(a)が断面図、(b)が上面図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を示すフロー図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を示す説明図である。 図4に示す絶縁回路基板の製造方法において用いられる押圧用治具の説明図である。(a)が断面図、(b)が上面図である。 実施例において絶縁回路基板の絶縁性を評価する試験装置の概略説明図である。(a)が上面図、(b)が断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施形態である絶縁回路基板の製造方法によって製造された絶縁回路基板10、及び、この絶縁回路基板10を用いたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、絶縁回路基板10と、この絶縁回路基板10の一方側(図1において上側)にはんだ層2を介して接合された半導体素子3と、絶縁回路基板10の他方側(図1において下側)にはんだ層32を介して接合されたヒートシンク31と、を備えている。
はんだ層2、32は、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)とされている。
半導体素子3は、半導体を備えた電子部品であり、必要とされる機能に応じて種々の半導体素子が選択される。
絶縁回路基板10は、図1及び図2(a)に示すように、金属基板11と、金属基板11の一方の面(図1及び図2(a)において上面)に形成された絶縁樹脂層12と、絶縁樹脂層12の一方の面(図1及び図2(a)において上面)に形成された回路層13と、を備えている。
金属基板11は、絶縁回路基板10に搭載された半導体素子3において発生した熱を面方向に拡げることによって、放熱特性を向上させる作用を有する。このため、金属基板11は、熱伝導性に優れた金属、例えば銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。本実施形態では、無酸素銅の圧延板で構成されている。また、金属基板11の厚さは、0.05mm以上3mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.3mmに設定されている。
絶縁樹脂層12は、回路層13と金属基板11との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性を有する熱硬化型樹脂で構成されている。本実施形態では、絶縁樹脂層12の強度を確保するために、フィラーを含有する熱硬化型樹脂が用いられている。ここで、フィラーとしては、例えばアルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等を用いることができる。また、熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂等を用いることができる。本実施形態では、絶縁樹脂層12は、フィラーとしてアルミナを含有するエポキシ樹脂で構成されている。また、絶縁樹脂層12の厚さは、20μm以上250μm以下の範囲内とされており、本実施形態では、60μmとされている。
回路層13は、図4に示すように、絶縁樹脂層12(樹脂組成物22)の一方の面(図4において上面)に、導電性に優れた金属からなる金属片23が接合されることにより形成されている。金属片23としては、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等の圧延板を打抜いたものを用いることができる。本実施形態においては、回路層13を構成する金属片23として、無酸素銅の圧延板を打抜いたものが用いられている。
この回路層13においては、上述の金属片23がパターン状に配置されることで回路パターンが形成されており、その一方の面(図1において上面)が、半導体素子3が搭載される搭載面とされている。ここで、回路層13(金属片23)の厚さは0.3mm以上3mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.6mmに設定されている。
ヒートシンク31は、絶縁回路基板10側の熱を放散するためのものである。ヒートシンク31は、熱伝導性が良好な銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等で構成されている。本実施形態においては、無酸素銅からなる放熱板とされている。なお、ヒートシンク31の厚さは、3mm以上10mm以下の範囲内に設定されている。
ここで、絶縁回路基板10の金属基板11とヒートシンク31とは、はんだ層32を介して接合されている。
以下に、本実施形態である絶縁回路基板の製造方法について、図3から図5を用いて説明する。
まず、図4で示すように、金属基板11の一方の面(図4において上面)に、フィラーとしてのアルミナと、熱硬化型樹脂としてのエポキシ樹脂と、硬化剤と、を含有する樹脂組成物22からなるシート材を配置する(樹脂組成物配置工程S01)。このとき、樹脂組成物22の厚さt0は、40μm以上500μm以下の範囲内とされている。
次に、上述の樹脂組成物22の一方の面(図4において上面)に、複数の金属片23を回路パターン状に配置するとともに、金属片23以外の領域に押圧用治具40を配設する(金属片及び押圧用治具配設工程S02)。
押圧用治具40は、金属片23と同じ厚さとなるよう設計されており、具体的には、押圧用治具40と金属片23との厚さの公差が0.03mm以内とされている。
次に、金属基板11と樹脂組成物22と金属片23及び押圧用治具40とを積層方向に加圧するとともに加熱して、樹脂組成物22を硬化させて絶縁樹脂層12を形成するとともに、金属基板11と絶縁樹脂層12、絶縁樹脂層12と金属片23を接合する(樹脂硬化工程S03)。
この樹脂硬化工程S03においては、加熱温度が120℃以上180℃以下の範囲内とされ、加熱温度での保持時間が10分以上60分以下の範囲内とされている。また、積層方向の加圧荷重が10kgf/cm以上50kgf/cm以下(0.98MPa以上4.90MPa以下)の範囲内とされている。
ここで、この樹脂硬化工程S03においては、硬化前の樹脂組成物22の厚さt0と硬化後の絶縁樹脂層12の厚さt1との比t1/t0が0.8以下となるように、金属基板11と樹脂組成物22と金属片23及び押圧用治具40とを積層方向に加圧することが好ましい。
そして、金属片及び押圧用治具配設工程S02において用いられる押圧用治具40は、少なくとも樹脂組成物22を押圧する押圧面が、樹脂組成物22に含まれる熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ/Solubility Parameter)の差が3以上である樹脂で構成されている。
本実施形態では、熱硬化型樹脂がエポキシ樹脂(SP値:10.5)で構成されているので、押圧用治具40の押圧面を構成する樹脂のSP値は7.5未満、あるいは、13.5超えとなる。なお、樹脂硬化工程S03における加熱温度が120℃以上180℃以下とされているので、押圧用治具40の押圧面を構成する樹脂は、加熱温度にて軟化しにくい樹脂を用いることが好ましい。
本実施形態では、押圧用治具40の押圧面を構成する樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTEE)(SP値:6.2(cal/cm1/2)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)(SP値:6.5(cal/cm1/2)、ポリエーテルイミド(PEI)(SP値:13.7(cal/cm1/2)などを用いることができる。
さらに、本実施形態で用いられる押圧用治具40は、図5に示すように、金属から成る治具本体41と、治具本体41の厚さ方向の一端に設けられた押圧樹脂層42と、を備えている。そして、押圧樹脂層42が、樹脂組成物22に含まれる熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上の樹脂で構成されている。また、治具本体41は、鉄、又は、ステンレスで構成されている。
ここで、押圧樹脂層42の厚さは0.01mm以上0.1mm以下の範囲内とされていることが好ましい。
なお、本実施形態では、図5(b)に示すように、押圧用治具40は、金属片23が配置される箇所に貫通孔45が形成されており、この貫通孔45に金属片23を配置することで、金属片23の位置決めを行うことが可能とされている。
上述した各工程によって、本実施形態である絶縁回路基板10が製造される。
次に、この絶縁回路基板10の金属基板11の他方の面にヒートシンク31を接合する(ヒートシンク接合工程S04)。本実施形態では、金属基板11とヒートシンク31とを、はんだ材を介して接合している。
そして、絶縁回路基板10の回路層13に半導体素子3を接合する(半導体素子接合工程S05)。本実施形態では、回路層13と半導体素子3とを、はんだ材を介して接合している。
以上の工程により、図1に示すパワーモジュール1が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態である絶縁回路基板10の製造方法によれば、金属基板11の一方の面に配置された樹脂組成物22の上に複数の金属片23を配置するとともに金属片23以外の領域に押圧用治具40を配置し、金属基板11と樹脂組成物22と金属片23及び押圧用治具40を積層方向に加圧して加熱することによって樹脂組成物22を硬化させているので、金属片23及び押圧用治具40と金属基板11とで樹脂組成物22を十分に押圧することができる。これにより、絶縁性に優れた絶縁樹脂層12を形成できるとともに、金属基板11と絶縁樹脂層12、及び、絶縁樹脂層12と金属片23とを確実に接合することができる。
そして、本実施形態では、押圧用治具40の少なくとも樹脂組成物22を押圧する押圧面が、樹脂組成物22に含有される熱硬化型樹脂(エポキシ樹脂)とのSP値の差が3以上とされた樹脂で構成されているので、樹脂組成物22を硬化させた後に、形成された絶縁樹脂層12から押圧用治具40を容易に剥離することができる。
本実施形態では、押圧用治具40は、図5に示すように、金属からなる治具本体41と、この治具本体41の厚さ方向の一端に形成された押圧樹脂層42と、を有し、この押圧樹脂層42が、樹脂組成物22に含有される熱硬化型樹脂(エポキシ樹脂)とのSP値の差が3以上の樹脂で構成されているので、形成された絶縁樹脂層12から押圧用治具40を容易に剥離することができる。
また、金属からなる治具本体41を有しているので、押圧用治具40全体が硬くなり、樹脂組成物22を十分に押圧することができ、絶縁性に優れた絶縁樹脂層12を形成できるとともに、金属基板11と絶縁樹脂層12、及び、絶縁樹脂層12と金属片23とを確実に接合することができる。
また、本実施形態においては、樹脂硬化工程S03では、硬化前の樹脂組成物22の厚さt0と硬化後の絶縁樹脂層12の厚さt1との比t1/t0が0.8以下となるように、金属基板11と樹脂組成物22と金属片23及び押圧用治具40を積層方向に加圧しているので、樹脂組成物22の厚さ中心まで確実に硬化させることができ、形成された絶縁樹脂層12の絶縁性を確保することができる。また、金属基板11と樹脂組成物22、樹脂組成物22と金属片23とを強く接触させることができ、金属基板11と絶縁樹脂層12、絶縁樹脂層12と金属片23を確実に接合することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、押圧用治具40と金属片23との厚さの公差が0.03mm以内とされているので、樹脂硬化工程S03において、樹脂組成物22を均一に押圧することが可能となる。
また、回路層13となる金属片23の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内とされているので、放熱特性に優れた絶縁回路基板10を製造することができる。また、金属片23を回路パターン状に配設することにより回路層13を形成しているので、エッチングを行うことなく比較的厚い回路層13を形成することができ、回路層13の端部にダレが生じることがなく、回路パターンを精度良く形成することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、絶縁回路基板の回路層にパワー半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
また、本実施形態では、絶縁回路基板(金属基板)とヒートシンクとをはんだ層を介して接合したものとして説明したが、これに限定されることはなく、絶縁回路基板(金属基板)とヒートシンクとグリースを介して積層してもよい。
さらに、ヒートシンクの材質や構造は、本実施形態に限定されることなく、適宜設計変更してもよい。
また、本実施形態においては、押圧用治具として、金属から成る治具本体と、押圧樹脂層とを、備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、押圧用治具全体が樹脂で構成されたものであってもよい。
さらに、本実施形態では、押圧用治具が金属片を配置可能な貫通孔を有するものとして説明したが、これに限定されることはなく、分割された押圧用治具が金属片以外の領域に配置されたものであってもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
表1に示す金属基板(50mm×60mm)を準備し、この金属基板の一方の面に表1に示す樹脂組成物のシート材を配置した。樹脂組成物の厚さを表3に示す。
この樹脂組成物の一方の面に表1に示す金属片(20mm×20mm)をパターン状に配置した。ここで、金属片同士の間隔を4mmとした。
また、樹脂組成物の一方の面のうち金属片が配置されていない領域に、表2に示す押圧用治具を配置した。
そして、表2に示す条件で金属基板、樹脂組成物、金属片及び押圧用治具を積層方向に加圧するとともに加熱し、樹脂組成物を硬化させて絶縁樹脂層を形成するとともに、金属基板と絶縁樹脂層、絶縁樹脂層と金属片を接合して絶縁回路基板を製造した。
ここで、絶縁樹脂層を形成した後の押圧用治具の剥離状態を評価した、また、得られた絶縁回路基板の絶縁性、押圧冶具の剥離状態、金属基板と絶縁樹脂層、及び、絶縁樹脂層と金属片の接合状態を、以下のように評価した。
(絶縁回路基板の絶縁性)
図6に示すように、金属片を接合することで形成された回路層13の回路パターンを短絡させるようにCu板50を設置し、その上に回路層側電極51を接触させ、金属基板11に金属基板側電極52を接触させ部分放電を評価した。測定装置としてフジクラ・ダイヤケーブル製部分放電試験機A006を使用し、5秒間で0.5kV昇圧し、その電圧で30秒保持、を繰り返し、電流値が0.005Aを超えた電圧値を測定した。
(押圧冶具の剥離状態)
接合後に押圧冶具表面にエポキシ樹脂が付着していなければ「良好」とした。
(接合状態の評価)
絶縁回路基板に対し、絶縁樹脂層と回路層(金属片)の接合界面及び絶縁樹脂層と金属基板の接合界面を超音波探傷装置(株式会社日立パワーソリューションズ製FineSAT200)を用いて評価し、以下の式から接合率を算出した。
ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち、絶縁樹脂層と回路層(金属片)の接合界面では回路層(金属片)の合計面積、絶縁樹脂層と金属基板の接合界面では金属基板の面積とした。
(接合率)={(初期接合面積)−(剥離面積)}/(初期接合面積)
超音波探傷像を二値化処理した画像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。
接合率が95%以上であった場合を「剥離なし」と評価した。
Figure 2018147934
Figure 2018147934
Figure 2018147934
絶縁樹脂層となる樹脂組成物に含まれる熱硬化型樹脂のSP値と押圧用治具の押圧面を構成する樹脂のSP値との差が1.1と小さい比較例においては、樹脂組成物と押圧用治具の押圧面とが密着してしまい、絶縁樹脂層を形成することができなかった。
これに対して、絶縁樹脂層となる樹脂組成物に含まれる熱硬化型樹脂のSP値と押圧用治具の押圧面を構成する樹脂のSP値との差が3.0以上とされた本発明例1〜10においては、いずれも樹脂組成物と押圧用治具の押圧面とが密着することなく、絶縁樹脂層を良好に形成することができた。
また、形成された絶縁樹脂層の絶縁性も高く、金属基板と絶縁樹脂層、及び、絶縁樹脂層と金属片(回路層)において剥離も確認されなかった。
以上のことから、本発明例によれば、回路パターンを効率良くかつ精度良く形成することでき、絶縁性に優れた絶縁樹脂層を形成することができ、さらに絶縁樹脂層と金属基板及び回路層とが確実に接合された絶縁回路基板を製造可能な絶縁回路基板の製造方法を提供可能であることが確認された。
1 パワーモジュール
3 半導体素子
10 絶縁回路基板
11 金属基板
12 絶縁樹脂層
13 回路層
22 樹脂組成物
23 金属片
40 押圧用治具
41 治具本体
42 押圧樹脂層
S01 樹脂組成物配置工程
S02 金属片及び押圧用治具配設工程
S03 樹脂硬化工程

Claims (4)

  1. 金属基板と、この金属基板の一方の面に形成された絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層の前記金属基板とは反対側の面に形成された回路パターン状を有する回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記金属基板の一方の面に、熱硬化型樹脂を含有する樹脂組成物を配置する樹脂組成物配置工程と、
    前記樹脂組成物の上に複数の金属片を回路パターン状に配置するとともに前記金属片以外の領域に押圧用治具を配置する金属片及び押圧用治具配設工程と、
    前記金属基板と前記樹脂組成物と前記金属片及び押圧用治具とを積層方向に加圧するとともに加熱して、前記樹脂組成物を硬化させて前記絶縁樹脂層を形成するとともに、前記金属基板と前記絶縁樹脂層、前記絶縁樹脂層と前記金属片を接合する樹脂硬化工程と、
    を備えており、
    前記押圧用治具は、少なくとも前記樹脂組成物を押圧する押圧面が、前記熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上である樹脂で構成されていることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  2. 前記樹脂硬化工程では、硬化前の前記樹脂組成物の厚さt0と硬化後の前記絶縁樹脂層の厚さt1との比t1/t0が0.8以下となるように、前記金属基板と前記樹脂組成物と前記金属片及び押圧用治具とを積層方向に加圧することを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板の製造方法。
  3. 前記金属片の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内とされ、前記押圧用治具と前記金属片との厚さの公差が0.03mm以内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁回路基板の製造方法。
  4. 前記押圧用治具は、金属から成る治具本体と、この治具本体の厚さ方向の一端に形成された押圧樹脂層と、を有し、前記押圧樹脂層が、前記熱硬化型樹脂とのSP値(溶解性パラメータ)の差が3以上である樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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