JP6825411B2 - 絶縁回路基板、絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

絶縁回路基板、絶縁回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、金属基板と絶縁層と回路層とを備えた絶縁回路基板、及び、絶縁回路基板の製造方法に関するものである。
パワーモジュール、LEDモジュール及び熱電モジュールにおいては、絶縁層の一方の面に導電材料からなる回路層を形成した絶縁回路基板に、パワー半導体素子、LED素子及び熱電素子が接合された構造とされている。
上述の絶縁回路基板として、例えば特許文献1に記載された金属ベース回路基板が提案されている。
特許文献1に記載された金属ベース回路基板においては、金属基板上に絶縁樹脂層が形成され、この絶縁樹脂層上に回路パターンを有する回路層が形成されている。ここで、絶縁樹脂層は、熱硬化型樹脂であるエポキシ樹脂で構成されており、回路層は、銅箔で構成されている。
この金属ベース回路基板においては、回路層上に半導体素子が接合され、金属基板の絶縁樹脂層とは反対側の面にヒートシンクが配設されており、半導体素子で発生した熱をヒートシンク側に伝達して放熱する構造とされている。
また、上述の絶縁回路基板として、セラミックス基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して回路層とし、セラミックス基板の他方の面に放熱性に優れた金属板を接合して金属層を形成した構造のものが提供されている。例えば、特許文献2には、セラミックス基板と金属板を、接着剤を介して接合した絶縁回路基板が開示されている。
さらに、回路層に搭載した素子等から発生した熱を効率的に放散させるために、絶縁回路基板の金属層側にヒートシンクを接合したヒートシンク付き絶縁回路基板も提供されている。
特開2015−207666号公報 特開平02−014557号公報
ところで、特許文献1に記載された絶縁回路基板(金属ベース回路基板)においては、絶縁層が樹脂で構成されていることから、絶縁性が不十分となり、絶縁回路基板としての耐電圧性が確保できないおそれがあった。特に、高電圧が負荷される用途においては、耐電圧性に不安があり、適用することが困難であった。
一方、絶縁層をセラミックス基板で構成した絶縁回路基板においては、セラミックス基板と回路層及び金属層を構成する金属との熱膨張係数の差が大きく、接合時に反りが生じるおそれがあった。絶縁回路基板に反りが生じた場合には、ヒートシンクとの間に空隙が生じ、放熱特性が低下してしまう。また、冷熱サイクル負荷時に作用する熱歪によってセラミックス基板に割れが生じるおそれがあった。
なお、特許文献2に記載された絶縁回路基板においては、接着剤層で熱膨張係数の差による熱歪を吸収することによって反りの低減を図っているが、接着剤層が熱抵抗となるため、放熱特性が低下してしまうおそれがあった。また、接着剤層にはボイドが生じやすく、このボイドが起点となって絶縁破壊が起こり、耐電圧性が低下するといった問題があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐電圧性に優れるとともに反りの発生が抑制されており、信頼性に優れた絶縁回路基板、及び、この絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の絶縁回路基板は、金属基板と、前記金属基板に積層された第1絶縁樹脂層と、前記第1絶縁樹脂層に積層されたセラミックス板と、前記セラミックス板に積層された第2絶縁樹脂層と、前記第2絶縁樹脂層に積層された回路層と、を備え、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層は、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂で構成されており、前記セラミックス板の厚さが0.2mm以上1.5mm以下の範囲内とされていることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板によれば、金属基板と回路層との間に、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂からなる第1絶縁樹脂層及び第2絶縁樹脂層とセラミックス板が配設されているので、絶縁性に優れており、高電圧を負荷した場合であっても、耐電圧性が確保され、信頼性に優れている。
また、金属基板とセラミックス板との間に第1絶縁樹脂層が形成され、セラミックス板と回路層との間に第2絶縁樹脂層が形成されているので、金属基板及び回路層を構成する金属とセラミックス板との熱膨張係数の差による熱歪を第1絶縁樹脂層及び第2絶縁樹脂層によって吸収することができ、反りの発生や冷熱サイクル負荷時のセラミックス板の割れの発生を抑制することができる。
さらに、第1絶縁樹脂層及び第2絶縁樹脂層が、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂で構成されているので、熱伝導性を向上させることができ、放熱特性を向上させることができる。
また、前記セラミックス板の厚さが0.2mm以上とされているので、絶縁性を確保することができる。一方、前記セラミックス板の厚さが1.5mm以下とされているので、厚さ方向の熱抵抗が高くなることを抑制できる。
ここで、本発明の絶縁回路基板においては、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層の厚さが20μm以上250μm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層の厚さが20μm以上とされているので、熱歪を確実に吸収することができ、反りの発生及び冷熱サイクル時の割れの発生を抑制することができ、さらに、絶縁性を確保することができる。一方、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層の厚さが250μm以下とされているので、厚さ方向の熱抵抗が高くなることを抑制できる。
さらに、本発明の絶縁回路基板においては、前記回路層の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、回路層の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内と比較的厚くされているので、回路層に搭載された半導体素子等の発熱体からの熱を回路層で拡げることができ、放熱特性に優れている。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、金属基板と、前記金属基板に積層された第1絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に積層されたセラミックス板と、前記セラミックス板に積層された第2絶縁樹脂層と、前記第2絶縁樹脂層に積層された回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、前記金属基板の一方の面に、無機フィラー及び熱硬化型樹脂を含有する第1樹脂組成物を介してセラミックス板を積層し、さらに前記セラミックス板の一方の面に無機フィラー及び熱硬化型樹脂を含有する第2樹脂組成物を介して金属片を配置する積層工程と、積層された前記金属基板、前記第1樹脂組成物、前記セラミックス板、前記第2樹脂組成物、前記金属片を、積層方向に加圧するととともに加熱し、前記第1樹脂組成物及び前記第2樹脂組成物を硬化させて、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層を形成するとともに、前記金属基板と前記第1絶縁樹脂層と前記セラミックス板と前記第2絶縁樹脂層と前記金属片を接合する樹脂硬化工程と、を備えていることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板の製造方法によれば、前記金属基板の一方の面に、無機フィラー及び熱硬化型樹脂を含有する第1樹脂組成物を介してセラミックス板を積層し、さらに前記セラミックス板の一方の面に無機フィラー及び熱硬化型樹脂を含有する第2樹脂組成物を介して金属片を配置し、積層された前記金属基板、前記第1樹脂組成物、前記セラミックス板、前記第2樹脂組成物、前記金属片を、積層方向に加圧するととともに加熱することにより、記第1樹脂組成物及び前記第2樹脂組成物を硬化させて、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層を形成するとともに、前記金属基板と前記第1絶縁樹脂層と前記セラミックス板と前記第2絶縁樹脂層と前記金属片を接合することができる。
よって、耐電圧性に優れるとともに反りの発生が抑制されており、信頼性に優れた絶縁回路基板を製造することが可能となる。
ここで、本発明の絶縁回路基板の製造方法においては、前記樹脂硬化工程では、硬化前の前記第1樹脂組成物の厚さt01と硬化後の前記第1絶縁樹脂層の厚さt11との比t11/t01及び硬化前の前記第2樹脂組成物の厚さt02と硬化後の前記第2絶縁樹脂層の厚さt12との比t12/t02が0.8以下となるように、積層方向へ加圧することが好ましい。
この場合、第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物を硬化させる際に十分に加圧することができ、第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物の厚さ中心まで確実に硬化させることができ、絶縁性に優れた第1絶縁樹脂層及び第2絶縁樹脂層を得ることができる。
本発明によれば、耐電圧性に優れるとともに反りの発生が抑制されており、信頼性に優れた絶縁回路基板、及び、この絶縁回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態である絶縁回路基板を用いたパワーモジュールの断面説明図である。 図1に示す絶縁回路基板の説明図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を示すフロー図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を示す説明図である。 本発明の他の実施形態である絶縁回路基板の断面説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施形態である絶縁回路基板10、及び、この絶縁回路基板10を用いたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、絶縁回路基板10と、この絶縁回路基板10の一方側(図1において上側)にはんだ層2を介して接合された半導体素子3と、絶縁回路基板10の他方側(図1において下側)にはんだ層32を介して接合されたヒートシンク31と、を備えている。
はんだ層2、32は、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)とされている。
半導体素子3は、半導体を備えた電子部品であり、必要とされる機能に応じて種々の半導体素子が選択される。
ヒートシンク31は、絶縁回路基板10側の熱を放散するためのものである。ヒートシンク31は、熱伝導性が良好な銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等で構成されている。本実施形態においては、無酸素銅からなる放熱板とされている。なお、ヒートシンク31の厚さは、3mm以上10mm以下の範囲内に設定されている。
絶縁回路基板10は、図1及び図2に示すように、金属基板11と、金属基板11の一方の面(図1及び図2において上面)に形成された第1絶縁樹脂層12と、第1絶縁樹脂層12の一方の面(図1及び図2において上面)に積層されたセラミックス層13と、セラミックス層13の一方の面(図1及び図2において上面)に形成された第2絶縁樹脂層14と、この第2絶縁樹脂層14の一方の面(図1及び図2において上面)に積層された回路層15と、を備えている。
ここで、第1絶縁樹脂層12、セラミックス層13、第2絶縁樹脂層14は、回路層15と金属基板11との間の電気的接続を防止する絶縁層となる。
金属基板11は、絶縁回路基板10に搭載された半導体素子3において発生した熱を面方向に拡げることによって、放熱特性を向上させる作用を有する。このため、金属基板11は、熱伝導性に優れた金属、例えば銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。本実施形態では、無酸素銅の圧延板で構成されている。また、金属基板11の厚さは、0.05mm以上3mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.3mmに設定されている。
第1絶縁樹脂層12は、無機フィラーを含有する絶縁性の熱硬化型樹脂で構成されている。ここで、無機フィラーとしては、例えばアルミナ(Al)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)等を用いることができる。また、熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂等を用いることができる。本実施形態では、第1絶縁樹脂層12は、無機フィラーとしてアルミナを含有するエポキシ樹脂で構成されている。
また、第1絶縁樹脂層12の厚さは、20μm以上250μm以下の範囲内とされており、本実施形態では、60μmとされている。
ここで、この第1絶縁樹脂層12単体での耐電圧特性は10kV/mmt以上とされている。また、第1絶縁樹脂層12単体での熱伝導率は5W/(m・K)以上7W/(m・K)以下の範囲内とされている。
セラミックス層13は、絶縁性の高いAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化ケイ素)、Al(アルミナ)等を用いることができる。本実施形態では、セラミックス層13は、AlN(窒化アルミニウム)で構成されている。
また、セラミックス層13の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
第2絶縁樹脂層14は、第1絶縁樹脂層12と同様に、無機フィラーを含有する絶縁性の熱硬化型樹脂で構成されており、本実施形態では、第2絶縁樹脂層14は、無機フィラーとしてアルミナを含有するエポキシ樹脂で構成されている。
また、本実施形態では、第2絶縁樹脂層14は、図1及び図2に示すように、回路パターン状に配設された回路層15の部分にのみ形成されている。さらに、第2絶縁樹脂層14の厚さは、20μm以上250μm以下の範囲内とされており、本実施形態では、60μmとされている。
ここで、この第2絶縁樹脂層14単体での耐電圧特性は10kV/mmt以上とされている。また、第2絶縁樹脂層14単体での熱伝導率は5W/(m・K)以上7W/(m・K)以下の範囲内とされている。
回路層15は、図4に示すように、第2絶縁樹脂層14の一方の面(図4において上面)に、導電性に優れた金属からなる金属片25が接合されることにより形成されている。金属片25としては、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等の圧延板を打抜いたものを用いることができる。本実施形態においては、回路層15を構成する金属片25として、無酸素銅の圧延板を打抜いたものが用いられている。
この回路層15においては、上述の金属片25がパターン状に配置されることで回路パターンが形成されており、その一方の面(図1において上面)が、半導体素子3が搭載される搭載面とされている。ここで、回路層15(金属片25)の厚さは0.3mm以上3mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.6mmに設定されている。
以下に、本実施形態である絶縁回路基板の製造方法について、図3及び図4を用いて説明する。
まず、図4で示すように、金属基板11の一方の面(図4において上面)に、フィラーとしてのアルミナと熱硬化型樹脂としてのエポキシ樹脂と硬化剤とを含有する第1樹脂組成物22を介してセラミックス板23を積層する。さらに、このセラミックス板23の一方の面(図4において上面)に、フィラーとしてのアルミナと熱硬化型樹脂としてのエポキシ樹脂と硬化剤とを含有する第2樹脂組成物24を介して金属片25を積層する(積層工程S01)。なお、本実施形態では、第1樹脂組成物22、第2樹脂組成物24は、シート状に形成されている。
ここで、第2樹脂組成物24と金属片25については、金属の圧延板に樹脂シートを積層した状態で打ち抜くことで、回路層15となる金属片25と第2樹脂組成物24との積層体を得て、これをセラミックス板23の一方の面に回路パターン状に配設すればよい。
次に、金属基板11と第1樹脂組成物22とセラミックス板23と第2樹脂組成物24と金属片25とを積層方向に加圧するとともに加熱して、第1樹脂組成物22及び第2樹脂組成物24を硬化させて第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14を形成するとともに、金属基板11と第1絶縁樹脂層12とセラミックス板23と第2絶縁樹脂層14と金属片25を接合する(樹脂硬化工程S02)。
この樹脂硬化工程S02においては、加熱温度が120℃以上180℃以下の範囲内とされ、加熱温度での保持時間が10分以上60分以下の範囲内とされている。また、積層方向の加圧荷重が10kgf/cm以上50kgf/cm以下(0.98MPa以上4.90MPa以下)の範囲内とされている。
ここで、この樹脂硬化工程S02においては、硬化前の第1樹脂組成物22の厚さt01と硬化後の第1絶縁樹脂層12の厚さt11との比t11/t01及び硬化前の第2樹脂組成物24の厚さt02と硬化後の第2絶縁樹脂層14の厚さt12との比t12/t02が 0.8以下となるように、金属基板11と第1樹脂組成物22とセラミックス板23と第2樹脂組成物24と金属片25とを積層方向に加圧することが好ましい。
上述した各工程によって、本実施形態である絶縁回路基板10が製造される。
次に、この絶縁回路基板10の金属基板11の他方の面にヒートシンク31を接合する(ヒートシンク接合工程S03)。本実施形態では、金属基板11とヒートシンク31とを、はんだ材を介して接合している。
そして、絶縁回路基板10の回路層15に半導体素子3を接合する(半導体素子接合工程S04)。本実施形態では、回路層15と半導体素子3とを、はんだ材を介して接合している。
以上の工程により、図1に示すパワーモジュール1が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態である絶縁回路基板10によれば、金属基板11と回路層15との間に、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂からなる第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14とセラミックス層13が配設されているので、絶縁性に優れており、高電圧を負荷した場合であっても耐電圧性が確保されることになり、信頼性に優れている。
また、金属基板11とセラミックス層13との間に第1絶縁樹脂層12が形成され、セラミックス層13と回路層15との間に第2絶縁樹脂層14が形成されているので、金属基板11及び回路層15を構成する金属とセラミックス層13との熱膨張係数の差による熱歪を第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14によって吸収することができ、反りの発生や冷熱サイクル負荷時のセラミックス層13の割れの発生を抑制することができる。
さらに、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14が、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂で構成されているので、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14におけるボイドの発生を抑制でき、ボイド起因による絶縁破壊の発生を抑えることができる。また、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14が無機フィラーを含有しているので、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14の熱伝導性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14の厚さが20μm以上とされているので、熱歪を確実に吸収することができ、反りの発生及び冷熱サイクル時の割れの発生を抑制することができる。さらに、絶縁性を確保することができる。一方、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14の厚さが250μm以下とされているので、厚さ方向の熱抵抗が高くなることを抑制できる。
また、本実施形態では、セラミックス層13の厚さが0.2mm以上とされているので、絶縁性を確保することができる。一方、セラミックス層13の厚さが1.5mm以下とされているので、厚さ方向の熱抵抗が高くなることを抑制できる。
さらに、本実施形態では、回路層15の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内と比較的厚くされているので、回路層15に搭載された半導体素子3で発生した熱を回路層15で拡げることができ、放熱特性に優れている。
また、本実施形態では、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14の耐電圧特性が10kV/mmt以上とされているので、絶縁性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14の熱伝導率が5W/(m・K)以上7W/(m・K)以下の範囲内とされているので、厚さ方向の熱抵抗が高くなることを抑制できる。
本実施形態である絶縁回路基板10の製造方法によれば、金属基板11の一方の面に第1樹脂組成物22を介してセラミックス板23を積層し、さらに、このセラミックス板23の一方の面に第2樹脂組成物24を介して金属片25を積層する積層工程S01と、積層された金属基板11と第1樹脂組成物22とセラミックス板23と第2樹脂組成物24と金属片25とを積層方向に加圧して加熱することにより、第1樹脂組成物22及び第2樹脂組成物24を硬化させて第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14を形成するとともに、金属基板11と第1絶縁樹脂層12とセラミックス板23と第2絶縁樹脂層14と金属片25を接合する樹脂硬化工程S02と、を備えているので、耐電圧性に優れるとともに反りの発生が抑制され、信頼性に優れた絶縁回路基板10を製造することが可能となる。
また、本実施形態においては、樹脂硬化工程S02において、硬化前の第1樹脂組成物22の厚さt01と硬化後の第1絶縁樹脂層12の厚さt11との比t11/t01及び硬化前の第2樹脂組成物24の厚さt02と硬化後の第2絶縁樹脂層14の厚さt12との比t12/t02が 0.8 以下となるように、金属基板11と第1樹脂組成物22とセラミックス板23と第2樹脂組成物24と金属片25とを積層方向に加圧しているので、第1樹脂組成物22及び第2樹脂組成物24を硬化させる際に十分に加圧することができ、第1樹脂組成物22及び第2樹脂組成物24を厚さ方向の中心部分まで確実に硬化させることができ、形成された第1絶縁樹脂層12及び第2絶縁樹脂層14の絶縁性を確保することができる。
さらに、本実施形態においては、回路層15となる金属の圧延板に第2樹脂組成物24からなる樹脂シートを積層した状態で打ち抜くことで、金属片25と第2樹脂組成物24との積層体を得て、これをセラミックス板23の一方の面に回路パターン状に配設しているので、回路層15とセラミックス層13との間に確実に第2絶縁樹脂層14を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、絶縁回路基板の回路層にパワー半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
また、本実施形態においては、第2絶縁樹脂層14を回路層15が配設された部分にのみ形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば図5に示す絶縁回路基板110のように、第2絶縁樹脂層114をセラミックス層13の全面に形成してもよい。
さらに、本実施形態では、絶縁回路基板(金属基板)とヒートシンクとをはんだ層を介して接合したものとして説明したが、これに限定されることはなく、絶縁回路基板(金属基板)とヒートシンクとグリースを介して積層してもよい。
さらに、ヒートシンクの材質や構造は、本実施形態に限定されることなく、適宜設計変更してもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
本発明例においては、表1及び表2に示す金属基板(40mm×40mm)、第1樹脂組成物、セラミックス板(40mm×40mm)、第2樹脂組成物、金属片(25mm×25mm)を準備し、これらを積層した。そして、表3に示す条件で、積層方向に加圧して加熱し、第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物を硬化させて第1絶縁樹脂層及び第2絶縁樹脂層を形成するとともに、金属基板、第1絶縁樹脂層、セラミック層、第2絶縁樹脂層、回路層を備えた絶縁回路基板を製造した。
なお、従来例1においては、セラミックス板を用いなかった。従来例2においては、エポキシ系接着剤で金属基板とセラミック板、及び、金属片とセラミックス板を接着した。
そして、得られた絶縁回路基板の耐電圧性及び熱伝導率を以下のように評価した。
(耐電圧性)
絶縁回路基板を絶縁油(3M社製フロリナートFC−770)に浸漬し、金属基板及び回路層にプローブ(真鍮製φ20mm)の電極を配設した。そして、5秒間で0.5kV昇圧し、その後、30秒保持するサイクルを繰り返し、絶縁破壊を起こす電圧を測定し、その電圧値を絶縁耐圧値(kV)とした。評価結果を表3に示す。
(熱伝導率)
NETZSCH社製LFA477を用い、絶縁回路基板の積層方向の熱伝導率を測定した。得られた絶縁回路基板の中央部を縦10mm×横10mmで切り出し、測定試料とした。評価結果を表3に示す。
Figure 0006825411
Figure 0006825411
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セラミックス板を用いなかった従来例1では、耐電圧性が低かった。また、セラミックス板を用い、金属基体及び金属片をエポキシ系接着剤で接着した従来例2では、耐電圧性は向上するものの、熱伝導率が低くなった。
一方、セラミックス板を用い、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂からなる第1絶縁樹脂層及び第2絶縁樹脂層を有する本発明例では、耐電圧性及び熱伝導率の高い絶縁回路基板が得られることがわかった。
1 パワーモジュール
3 半導体素子
10、110 絶縁回路基板
11 金属基板
12 第1絶縁樹脂層
13 セラミックス層
14、114 第2絶縁樹脂層
15 回路層
22 第1樹脂組成物
23 セラミックス板
24 第2樹脂組成物
25 金属片
S01 積層工程
S02 樹脂硬化工程

Claims (5)

  1. 金属基板と、前記金属基板に積層された第1絶縁樹脂層と、前記第1絶縁樹脂層に積層されたセラミックス板と、前記セラミックス板に積層された第2絶縁樹脂層と、前記第2絶縁樹脂層に積層された回路層と、を備え、
    前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層は、無機フィラーを含有する熱硬化型樹脂で構成されており、
    前記セラミックス板の厚さが0.2mm以上1.5mm以下の範囲内とされていることを特徴とする絶縁回路基板。
  2. 前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層の厚さが20μm以上250μm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板。
  3. 前記回路層の厚さが0.3mm以上3mm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁回路基板。
  4. 金属基板と、前記金属基板に積層された第1絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に積層されたセラミックス板と、前記セラミックス板に積層された第2絶縁樹脂層と、前記第2絶縁樹脂層に積層された回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記金属基板の一方の面に、無機フィラー及び熱硬化型樹脂を含有する第1樹脂組成物を介してセラミックス板を積層し、さらに前記セラミックス板の一方の面に無機フィラー及び熱硬化型樹脂を含有する第2樹脂組成物を介して金属片を配置する積層工程と、
    積層された前記金属基板、前記第1樹脂組成物、前記セラミックス板、前記第2樹脂組成物、前記金属片を、積層方向に加圧するととともに加熱し、前記第1樹脂組成物及び前記第2樹脂組成物を硬化させて、前記第1絶縁樹脂層及び前記第2絶縁樹脂層を形成するとともに、前記金属基板と前記第1絶縁樹脂層と前記セラミックス板と前記第2絶縁樹脂層と前記金属片を接合する樹脂硬化工程と、
    を備えていることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  5. 前記樹脂硬化工程では、硬化前の前記第1樹脂組成物の厚さt01と硬化後の前記第1絶縁樹脂層の厚さt11との比t11/t01及び硬化前の前記第2樹脂組成物の厚さt02と硬化後の前記第2絶縁樹脂層の厚さt12との比t12/t02が0.8以下となるように、積層方向へ加圧することを特徴とする請求項4に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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