JP4446093B2 - 金属−セラミックス複合部材の製造用鋳型および製造装置 - Google Patents

金属−セラミックス複合部材の製造用鋳型および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックスと金属とが互いの界 面での直接の接合力により強固に接合された金属−セラミックス複合部材の、製造用鋳型および製造装置に関するものである。
セラミックスの化学安定性、高融点、絶縁性、高硬度、比較的に高い熱伝導性等の特性と、金属の高強度、高靭性、易加工性、導電性等の特性を生かした金属−セラミックス複合部材は、自動車、電子装置等に広く用いられ、その代表的な例として、自動車ターボチャージャー用のローター、大電力電子素子実装用の金属−セラミックス複合基板及びパッケージが挙げられる。
上記金属−セラミックス複合部材の主な製造方法としては、接着、メッキ、メタライズ、溶射、鋳ぐるみ、ろう接法、DBC法が公知であるが、金属−セラミックス複合基板に関しては、近年コスト上の問題から、アルミナ基板を用いるDBC法や窒化アルミニウム基板を用いる金属活性ろう接合法により、大部分の金属−セラミックス複合基板が製造されている。
しかしながら、従来法においては、金属をアルミナ基板に直接接合する方法としては、銅板を直接接合するDBC法が公知であるが、アルミニウムを直接接合する方法は今まで知られていなかった。
本出願人は先に、セラミックス部材に金属板としてのアルミニウムを直接接合する装置として、特許文献1に「金属−セラミックス複合部材の製造装置」を提案した。
この装置は、セラミックス部材を連続的に供給するための搬送手段と、搬送されたセラミックス部材を予熱する予熱部と、予熱されたセラミックス部材を坩堝内の金属溶湯中を通過させてセラミックス部材の周囲面の少なくとも一部分に金属を接合する接合部と、該接合されたセラミックス部材を徐冷して金属を凝固させ、金属−セラミックス複合部材となる冷却部とを主要部となすものであり、優れた特性を有する金属−セラミックス複合部材を大量に製造することが可能である。
特開平8−198692号公報
ところで、セラミックス部材に薄板状の金属を接合する場合において、最近、この薄板の厚さの均一性を極めて厳しく管理する要請がなされる場合がみられるが、そのような要請に対しては上記装置では必ずしも十分に対応できない場合があった。また、回路面と放熱面との厚さを変えることにより放熱特性を向上させるセラミックス複合基板の開発もなされているが、上記の連続製造装置では接合後の複合基板を真っ直ぐに引き抜くことは高度な技術を必要とした。
すなわち、上記従来の装置は、セラミックス部材を水平方向(横方向)に連続的に供給して坩堝内に通過させる構造である。したがって、板状のセラミックス部材の表裏の2面に金属を接合させる場合、その部材両面に金属溶湯が接触しながら移動して冷却部において接合する。
しかしながら、接合された金属の上下面の厚みが異なるセラミックス複合基板の場合は、先端をピンチロールで水平に引っ張っているにもかかわらず、接合された金属面の厚い方向に曲がる傾向のある場合があることが判明し、このことにより連続的な製造を円滑に行うのに高度な技術を必要とした。
本発明は、上述の背景のもとでなされたものであり、特に優れた接合特性を有する多種多様の金属−セラミックス複合部材を、低コストで製造することを可能にするための製造方法、製造装置、並びに製造用鋳型を提供することを目的とする。
第1の構成に係る製造方法は、鋳型中にセラミックス部材を保持し、該鋳型中に、接合すべき金属の溶湯を前記セラミックス部材の表面に接触するように注入して冷却固化させることにより、セラミックスと金属との互いの界面での直接の接合力によって、セラミックス部材の表面に金属を接合する金属−セラミックス複合部材の製造方法において、鋳型中にセラミックス部材を保持した状態で、鋳型内の雰囲気を置換して酸素濃度を所定値以下にする鋳型雰囲気置換工程と、該工程後に鋳型を予熱する予熱工程と、該工程後に鋳型内の温度を注湯温度に維持し、鋳型内に金属の溶湯を該鋳型内を満たしていくように注湯する注湯工程と、該工程後に鋳型内の温度を金属の溶湯が凝固し始めて接合作用が発揮される接合温度まで下げて、セラミックス部材の表面に金属を接合させる接合工程と、該工程後に鋳型を徐冷する徐冷工程とを備えていることを特徴とする。
第2の構成に係る製造方法は、第1の構成において、前記注湯工程で、前記鋳型として、該鋳型内に金属溶湯を導入する溶湯導入口と、セラミックス部材を保持すると共にセラミックス部材の表面と鋳型内壁との間に所定の空隙を確保する接合部とを有し、かつ溶湯導入口から接合部にいたる経路の途中に金属溶湯表面に形成された酸化被膜を除去する狭隘部を有するものを用いて注湯を行い、前記接合部に、狭隘部によって酸化被膜が除去された後の金属溶湯を供給することを特徴とする。
第3の構成に係る製造方法は、第1または第2の構成に係る前記鋳型雰囲気置換工程にて、酸素濃度を1%以下にすることを特徴とする。
第4の構成に係る製造方法は、第1〜第3のいずれかの構成において、前記注湯工程における注湯温度が700〜800℃であることを特徴とする。
第5の構成に係る製造方法は、第1〜第4のいずれかの構成において、前記接合工程における接合温度が550〜750℃であることを特徴とする。
第6の構成に係る製造方法は、第1〜第5のいずれかの構成において、前記接合工程において鋳型内の温度を接合温度まで下げる操作を、鋳型底部から上部に向けて段階的に温度が下がるように行うことを特徴とする。
第7の構成に係る製造方法は、第1〜第6のいずれかの構成において、前記金属がアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金であることを特徴とする。
第8の構成に係る製造方法は、第1〜第7のいずれかの構成において、前記セラミックス部材がアルミニウムの酸化物、窒化物、炭化物、珪素の酸化物、窒化物、炭化物のいずれかであることを特徴とする。
第9の構成に係る製造装置は、鋳型中にセラミックス部材を保持し、該鋳型中に、接合すべき金属の溶湯を前記セラミックス部材の表面に接触するように注入して冷却固化させることにより、セラミックスと金属との互いの界面での直接の接合力によって、セラミックス部材の表面に金属を接合する金属−セラミックス複合部材の製造装置において、鋳型中にセラミックス部材を保持した状態で鋳型内の雰囲気を置換して酸素濃度を所定値以下にする雰囲気置換手段を有する鋳型雰囲気置換部と、該鋳型雰囲気置換部において鋳型雰囲気置換を行った後の鋳型を予熱する温度制御手段を有する予熱部と、該予熱部で予熱した鋳型内の温度を注湯温度に維持する温度制御手段と鋳型内に金属溶湯を該鋳型内を満たしていくように注湯する注湯手段とを有する注湯部と、該注湯部で注湯された鋳型内の温度を金属溶湯が凝固し始めて接合作用が発揮される接合温度まで下げてセラミックスに金属を接合させる冷却接合部と、前記鋳型を徐冷する徐冷部とを備えることを特徴とする。
第10の構成に係る製造装置は、第9の構成において、前記鋳型雰囲気置換部が鋳型内雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換することを特徴とする。
第11の構成に係る製造装置は、第9のまたは第10の構成において、前記冷却部が、鋳型を側方から加熱する加熱手段と、鋳型を底部から冷却する冷却手段とを有するものであることを特徴とする。
第12の構成に係る製造用鋳型は、鋳型中にセラミックス部材を保持し、該鋳型中に、接合すべき金属の溶湯を前記セラミックス部材の表面に接触するように注入して冷却固化させることにより、セラミックスと金属との互いの界面での直接の接合力によって、セラミックス部材の表面に金属を接合する金属−セラミックス複合部材の製造方法に用いる製造用鋳型において、鋳型内に金属溶湯を導入する溶湯導入口と、前記セラミックス部材を保持すると共に該セラミックス部材の表面と鋳型内壁との間に所定の空隙を確保する接合部と、前記溶湯導入口から接合部に金属溶湯を導く溶湯通路と、該溶湯通路のいずれかの場所に設けられて金属溶湯表面に形成された酸化被膜を除去する狭隘部と、前記接合部に設けられたガス抜き孔とを有し、前記溶湯導入口から鋳型内に金属溶湯を導入して前記接合部に供給するとき、該金属溶湯が該鋳型内を満たしていくように、前記接合部及び溶湯通路を構成したことを特徴とする。
上述の構成によれば、鋳型中にセラミックス部材を保持した状態で鋳型内の雰囲気を置換して酸素濃度を所定値以下にする鋳型雰囲気置換工程を行い、次に鋳型を予熱する予熱工程を行い、次に鋳型内の温度を注湯温度に維持し、鋳型内に金属の溶湯を、セラミックス表面に金属溶湯が接触しつつ一側から他側に向けて移動して順次鋳型内を満たしていくように注湯する注湯工程を行い、次に鋳型内の温度を金属の溶湯が凝固し始めて接合作用が発揮される接合温度まで下げて、セラミックス部材の表面に金属を接合させる接合工程を行い、次に鋳型を徐冷する徐冷工程を行うようにしたことによって、セラミックスと金属との界面での直接の接合力を極めて強固にすることができると共に、例えば、セラミックス基板の両面に、回路面としての金属薄板と放熱面としての金属薄板とを接合する場合のように、両面に互いに厚みの異なる金属薄板を接合する場合にも、鋳型の精度を適切なものにすることによって、容易に高精度で均一な厚さの金属薄板を接合することができる。しかも、予熱工程や注湯工程及び接合工程において、各々適切な温度に設定するようにしているので、セラミックス部材に過大な熱的応力が加わることがなく、したがって熱応力によって破損するおそれもない。
さらに、鋳型として、鋳型内に金属溶湯を導入する溶湯導入口と、セラミックス部材を保持すると共にセラミックス部材の表面と鋳型内壁との間に所定の空隙を確保する接合部とを有し、溶湯導入口から接合部にいたる経路のいずれかの場所に金属溶湯表面に形成された酸化被膜を除去する狭隘部を有するものを用いて注湯工程を行うようにして、接合部には酸化皮膜が除去された純粋な金属溶湯のみが供給されるようにすることによって、より強固な接合力を得ることを可能にしている。
本発明は、金属溶湯をセラミックス表面に接触させても接合力は得られないという従来の常識に対し、特定条件のもとで接触させて固化すると接合力が得られるという本発明者らによる発見に基づくものである。この接合力が得られるメカニズムについては未だ十分に解明されていないが、上記特定の条件は、本発明者らによって試行錯誤的に得られている。
すなわち、接合の際に接合部位及びその周囲の雰囲気の酸素濃度ができるだけ低いほうが強固な接合力を得る上で有利であること、セラミックス表面と金属溶湯とを相対移動させて両者をこするようにして接触させて接合させることが、より強固な接合力を得る上で有利であること、接触させる金属溶湯は酸化被膜が取り除かれていることが、強固な接合力を得る上で有利であること、等である。
本発明で使用する金属としては、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金等を用いることができる。また、本発明で使用するセラミックス部材としては、アルミニウムや珪素の酸化物、窒化物、炭化物等を用いることができる。
これらの組み合わせによれば、例えば、セラミックス基板の両面に回路面たる金属薄板と放熱面たる金属薄板とを接合したパワーモジュール用基板を構成した場合、パワーモジュールの発熱によるアルミニウムとセラミックス基板との熱膨張差は比較的大きいが、アルミニウムの強度が低いため、熱膨脹差による接合劣化が少ないものを得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、セラミックスと金属との界面での直接の接合力を極めて強固にすることができると共に、引け巣等のない複合基板を歩留まりよく製造することができる。従って、例えばセラミックス基板の両面に、回路面としての金属薄板と放熱面としての金属薄板とを接合する場合のように、両面に互いに厚みの異なる金属薄板を接合する場合にも、鋳型の精度を適切なものにすることによって、容易に高精度で均一な厚さの金属薄板を接合することができる。また、予熱工程や注湯工程及び接合工程等の各工程において鋳型を適切な温度に設定することにより、セラミックス部材に過大な熱応力が加わるのを避けることができ、熱応力によって破損するおそれを無くすことができる。また、鋳型の内部に酸化被膜を取り除く狭隘部を設け、酸化皮膜が除去された純粋な金属溶湯のみが接合部に供給されるようにすれば、より強固な接合力を得ることができる。よって、優れた接合特性を有する多種多様の金属−セラミックス複合部材を低コストに製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は金属−セラミックス複合部材の製造装置の構成を示す図、図2〜図6は鋳型の構成図であり、図2は製造用鋳型の斜視図、図3は図2のIII−III矢視方向に見た鋳型の分解平面図、図4は図2R>2のIV−IV矢視図、図5は図2のV−V矢視断面図、図6は図2のVI−VI矢視断面図である。
本製造装置は、特殊形状の鋳型10を用い、この鋳型10の内部にセラミックス基板K〔図6(b)参照〕を保持して、その周囲に金属溶湯を接触させることにより、金属−セラミックス複合部材を製造するものである。この製造装置は、図1に示すように、鋳型10内の雰囲気を酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気条件に調整する雰囲気置換部(雰囲気置換手段)1と、雰囲気置換部1で雰囲気を置換した後の鋳型10を予熱する予熱部2と、該予熱部2で予熱した鋳型10内の温度を注湯温度に維持し、その状態で鋳型10内に金属溶湯を、セラミックス部材の表面に金属溶湯が接触しつつ一側から他側に向けて移動して順次鋳型内を満たしていくように注湯する注湯部3と、該注湯部3で注湯された鋳型10内の温度を金属溶湯が凝固し始めて接合作用が発揮される接合温度まで下げてセラミックスに金属を接合させる冷却接合部4と、前記鋳型10を徐冷する徐冷部5とから構成されている。
これら雰囲気置換部1、予熱部2、注湯部3、冷却接合部4、徐冷部5は、水平方向に直列に並んでおり、雰囲気置換部1と予熱部2との間、注湯部3と冷却部4の間、冷却部4と徐冷部5との間には、遮蔽用のシャッタ6A、6B、6Cが設けられている。また、予熱部2、注湯部3、冷却部4の側壁には、加熱手段及び温度制御手段としてのヒータ8A、8B、8Cが設けられ、室内に収容した鋳型10の温度を適切に制御できるようになっている。特に、冷却接合部5には、鋳型10を底部から冷却できるよう冷却手段としての水冷ジャケット9が配されている。なお、図1の注湯部3において、鋳型10に取り付けられている符号21で示すものはリニアドモータ、22は黒鉛製ピストンである。これらは、注湯手段に相当する。
次に黒鉛で作製した鋳型10について説明する。図2、図3に示すように、ここで用いる鋳型10は、表側と裏側の鋳型板10A、10Aと中央の鋳型板10Bを3枚合わせにして結合し、一度に4枚の回路基板(金属−セラミックス複合部材)を作れるようにしたものである。図4は表側及び裏側の鋳型板10Aの内壁面の形状、図5は中央鋳型板10Bの両壁面の形状を示している。
これら鋳型板10A、10Bは、所定形状の凹所11A、11B、13A、13B、14A、14Bを有しており、鋳型10として組み合わせられることにより、溶湯導入口としての注入筒固定部11、溶湯導入通路13、接合部14を形成している。溶湯注入筒固定部11は鋳型10の中央部に配置され、その下部より枝分かれするように溶湯導入通路13が水平方向に展開され、各溶湯導入通路13の先端に連通するように各接合部14が設けられている。接合部14としての空間は、中央鋳型板10Bの表裏両面に形成されると共に、溶湯注入筒固定部11を挟んで左右対称に2個形成されている。従って、全部で4個ある。
また、3枚の鋳型板10A、10A、10Bで構成される鋳型10には、溶湯注入筒固定部11と溶湯導入通路13との境界に位置させて両者を連通する狭隘部12が形成され、接合部14に中央領域が重なる形でセラミックス部材固定用凹部16が形成され、接合部14の上部に連通するようにガス抜き孔15が形成されている。セラミックス部材固定用凹部16と接合部14の関係は、図6(b)に示すように、セラミックス部材固定用凹部16にセラミックス部材Kを嵌めた状態で鋳型10を閉じたとき、接合部14の内壁面と、セラミックス部材Kとの間に所定の空隙29を確保できるような関係となっている。
また、狭隘部12は、溶湯注入筒固定部(溶湯導入口に相当)11より注入された金属溶湯表面の酸化被膜を除去する箇所であり、酸化被膜の通過を許さない程度の口径(例えば、1mm以下、好ましくは0.8mm以下)に形成されている。狭隘部12によって酸化被膜が除去された後の金属溶湯は、溶湯導入通路13の垂直な空間に入り、そこから溶湯導入通路13の水平な空間を通って接合部14の底部に導入され、接合部14の底部から上方に向かって移動して行き、その間にセラミックス部材固定用凹部16に保持されたセラミックス部材Kの表面に接触する。従って、金属溶湯は、溶湯注入筒固定部11に注入された後、一旦下方に下がってから、上方に移動しながらセラミックス部材Kに接触して行くように、溶湯の経路が構成されている。
なお、鋳型板10A、10A、10Bの外周部には、互いに結合する際に嵌合して鋳型板10A、10A、10B相互を位置決めする凹凸部19A、19Bが設けられている。
次に上記の鋳型10及び製造装置を用いて目的の複合部材を作る方法について説明する。ここでは、まずセラミックス部材Kとして、62mm×112mm×0.635mmのアルミナセラミックス基板を4枚用意し、これら基板Kを、図3に示すように、表裏の鋳型板10A、10Bのセラミックス部材固定用凹部16に嵌めて、表裏の鋳型板10A、10Aを中央鋳型板10Bと合体することにより、一体化した鋳型10を作る。次いで、この鋳型10を雰囲気置換部1に設置し、雰囲気置換部1の炉内に窒素ガスを流入させることにより、鋳型10内の酸素濃度を1%以下、好ましくは0〜500ppmとする(雰囲気置換工程)。
次いで、鋳型10を予熱部2に移動させ、この予熱部2内のヒータ8Aにより鋳型10を室温から800℃まで1時間で昇温する(予熱工程)。この場合、鋳型10内のセラミックス部材Kが割れないように昇温しなければならない。
次いで、予熱した鋳型10を注入部3に移動させ、鋳型10の上部の溶湯注入筒固定部11に黒鉛製ピストン22及びリニアドモータ11をセットする。そして、アルミニウム溶湯(金属溶湯)を鋳型10に注入した状態で、リニアドモータ21で黒鉛製ピストン22を加圧することにより、アルミニウム溶湯を鋳型10内に押し込み(押し込み力は70kgMAX)、狭隘部12を通過させることにより、アルミニウムの表面酸化漠を破った後の純枠なアルミニウム溶湯のみを狭隘部12より下の溶湯導入通路13に供給する。アルミニウム溶湯がセラミック基板上を1000mm/min以下の速度で移動するよう鋳型1内にアルミニウム溶湯を注入するのがよい。
このように、溶湯導入通路13にアルミニウム溶湯を押し込んで行くと、アルミニウム溶湯は、溶湯導入通路13から接合部14の底部に導入され、セラミックス部材箇定用凹部16に固定されたセラミックス基板の両面を挟むように上って行き、接合部14の上端(溶湯溜め部)に到達する(注湯工程)。このうちの一部がガス抜き孔15から抜け出たところで、リニアドモータ21の作動を止める。
この注湯工程の際に、注湯部3の炉内温度を、ヒータ8Bで700〜850℃に調整しておく。これは、アルミニウムの融点が660℃であることから、700℃以下では湯流れ性が悪くなり、逆に850℃以上だと鋳型離形材と反応して鋳型離れが悪くなるからである。
上記の注湯工程を完了したら、鋳型10を冷却接合部4に移動させ、冷却接合部4において、両壁のヒータ8Cで加熱しながら、下部の水冷ジヤケット9で冷却し、鋳型10の下部から高さ方向に1cm当たり3〜5℃の温度勾配をかけながら、600℃まで、30分かけて徐冷し、アルミニウムをセラミックス基板に接合させる(接合工程)。
次に鋳型10を徐冷部5に取り出して室温温度近くまで徐令(徐冷工程)した後、鋳型10を外に出し、鋳型10から4枚のアルミニウム−アルミナセラミックス複合部材を取り出して作業を完了する。
このようにして得られたアルミニウム−アルミナセラミックス複合部材は、アルミニウム表面に引け巣等の無い均一な面を示していた。
なお、セラミックス部材として、窒化アルミニウム部材や窒化珪素部材を用いて同様の処理を行った場合も、同様に引け巣等の無い均一な面を示す複合部材が得られた。
本発明の金属ーセラミックス複合部材の製造装置の主要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の金属ーセラミックス複合部材の製造装置に用いる鋳型の概略斜視図である。 図2のIIIーIII矢視方向からみた鋳型の分解平面図である。 図2のIVーIV矢視図である。 図2のVーV矢視図である。 (a)は図2のVIaーVIa矢視断面図、(b)は図2のVIbーVIb矢視断面図である。
符号の説明
1 雰囲気置換部
2 予熱部
3 注入部
4 冷却部
5 徐冷部
8A,8B,8C ヒータ(加熱手段、温度制御手段)
9 水冷ジャケット(冷却手段)
10 鋳型
11 溶湯導入口
12 狭隘部
13 金属溶湯通路
14 接合部
15 ガス抜き孔
K セラミックス部材

Claims (6)

  1. 鋳型中にセラミックス部材を保持し、該鋳型中に、接合すべき金属の溶湯を前記セラミックス部材の表面に接触するように注入して冷却固化させることにより、セラミックスと金属との互いの界面での直接の接合力によって、セラミックス部材の表面に金属を接合する金属−セラミックス複合部材の製造方法に用いる製造用鋳型において、
    該鋳型内に金属溶湯を導入する溶湯導入口と、前記セラミックス部材を保持すると共に該セラミックス部材の表面と鋳型内壁との間に所定の空隙を確保する接合部と、前記接合部の上端に設けられた溶湯溜め部と、ガス抜き孔とを有し、
    該金属溶湯を、前記溶湯導入口から一旦下方に下げ、上方に移動させながら前記セラミックス部材に接触して行くように、接合部に導く溶湯通路と、
    該溶湯通路のいずれかの場所に設けられて金属溶湯表面に形成された酸化被膜を除去する狭隘部とを有し、
    当該狭隘部の口径が1mm以下であることを特徴とする金属−セラミックス複合部材の製造用鋳型。
  2. 前記接合部が複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属−セラミックス複合部材の製造用鋳型。
  3. 前記鋳型は、表側と裏側の鋳型板と中央の鋳型板とを合わせにして結合したものであって、
    前記複数の接合部は、前記中央の鋳型板の表裏両面に形成され、
    前記溶湯導入口から接合部に金属溶湯を導く溶湯通路に設けられた、溶湯注入筒固定部を挟んで左右対称に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の金属−セラミックス複合部材の製造用鋳型。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鋳型中にセラミックス部材を保持し、該鋳型中に、接合すべき金属の溶湯を前記セラミックス部材の表面に接触するように注入して冷却固化させることにより、セラミックスと金属との互いの界面での直接の接合力によって、セラミックス部材の表面に金属を接合する金属−セラミックス複合部材の製造装置において、
    前記鋳型中にセラミックス部材を保持した状態で前記鋳型内の雰囲気を置換して酸素濃度を所定値以下にする雰囲気置換手段を有する鋳型雰囲気置換部と、該鋳型雰囲気置換部
    において鋳型雰囲気置換を行った後の鋳型を予熱する温度制御手段を有する予熱部と、該予熱部で予熱した鋳型内の温度を注湯温度に維持する温度制御手段と、該鋳型内に前記金属溶湯を該鋳型内を満たしていくように注湯する注湯手段とを有する注湯部と、該注湯部で注湯された鋳型内の温度を前記金属溶湯が凝固し始めて接合作用が発揮される接合温度まで下げて前記セラミックスに金属を接合させる冷却接合部と、前記鋳型を徐冷する徐冷部とを備え、
    前記冷却部が、前記鋳型を側方から加熱する加熱手段と、前記鋳型を底部から冷却する冷却手段とを有し、
    該鋳型内に前記金属溶湯を、該鋳型内の下部より満たしていくように注湯する注湯手段とを有する注湯部を備えており、
    前記金属−セラミックス複合部材の製造用鋳型を、まず、鋳型雰囲気置換部に設置し、以後、順次、予熱部、注湯部、冷却接合部、徐冷部と移動させながら、当該各部において所定の工程を実施し、金属−セラミックス複合部材を製造することを特徴とする金属−セラミックス複合部材の製造装置。
  5. 前記注湯手段は、前記金属の溶湯を該鋳型内の下部より満たしていくように注湯しながらセラミックス部材に接触させる際、前記溶湯がセラミックス部材上を1000mm/min以下の速度で移動させることを特徴とする請求項4に記載の金属−セラミックス複合部材の製造装置
  6. 前記鋳型雰囲気置換部が、前記鋳型内雰囲気を不活性ガス雰囲気に置換することを特徴とする請求項4または5に記載の金属−セラミックス複合部材の製造装置。
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