JPH0825884B2 - 二本鎖rnaの欠損状態を治療するための医薬 - Google Patents

二本鎖rnaの欠損状態を治療するための医薬

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JPH0825884B2 JP63219654A JP21965488A JPH0825884B2 JP H0825884 B2 JPH0825884 B2 JP H0825884B2 JP 63219654 A JP63219654 A JP 63219654A JP 21965488 A JP21965488 A JP 21965488A JP H0825884 B2 JPH0825884 B2 JP H0825884B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は二本鎖RNA(dsRNA)の不足状態からの回復
のための医薬に関する。
〔従来の技術〕
天然dsRNAにより演じられる宿主防御における多様な
役割が暴露されるとき、ウイルス性疾患、一般的には慢
性金原体感染、癌の診断及び治療のための新規な方法が
出現する。例えば、エイズ(AIDS)(レトロウイルス感
染/癌)の出願は、インターフェロン合成のみならず、
生物活性2−5Aの生産、RNアーゼL活性及び種々の細胞
性免疫機能を含めて本発明者がdsRNAにより触媒される
ことを見出した生物学的過程における徐々に深刻化する
機能障害と関連する。本発明者は生物活性dsRNA又はdsR
NAに依存する酵素の特異的減少が、特定の細胞において
疾患の進行に寄与することを示す。
生物活性dsRNAが関与する経路における欠損状態はま
た死に導く宿主防御系の種々の細胞性病変の核に位置す
る。早い時期に、本発明者は、不適切な細胞内dsRNAレ
ベルの1つの結果(多くの内の)であるHIVに感染したA
RC及びAIDS患者のリンパ球中のRNアーゼLの阻害物質を
検出した。適切な配置の合成dsRNAによる療法はこの阻
害物質を除去し、このことは、現在決定的な医療的介在
を大きく拒み続けている慢性種々のウイルス血症を有す
る患者におけるウイルス濃度の低下及び免疫機能の回復
に関して本発明者が観察した臨床応答の一部を説明する
ことができる。従って、本発明者は今や、種々の病的背
景における種々のdsRNA欠損状態を説明し、定量しそし
て修正することができる統合的な発明を完成した。本発
明者はまた、ある種のdsRNA、例えばミスマッチdsRNAが
正常な細胞過程のために必須の機能を維持するのを助け
る天然dsRNAを実際に代替することを見出している。こ
の様なdsRNA制御の不存在は、それが適当な外来dsRNAに
より修正されなければ、種々の異常の細胞過程を惹起す
ることがある。次に異常な細胞過程が慢性的ウイルス性
感染又は他の細胞内病原体感染、低下した免疫細胞機
能、及び最後には慢性疾患、そしておそらく死そのもの
を導く。
臨床的方策 ウイルス感染はしばしば、免疫機能を直接攻撃するス
トレス及びウイルスと同様に多様な薬物による免疫系の
部分的攪乱に続いて起こる。例えば、AIDS(後天性免疫
不全症候群)はヒト免疫不全ウイルスHIVの感染により
惹起される免疫系の漸進的悪化に続いて起こる(Coffin
等Science Val.232,697頁,1986)。なお、HIVウイルス
については種々の命名者が存在し、LAVはフランス、パ
リ、パスツール研究所において単離されたAIDSウイルス
の名称であり、そしてHTLV−IIIは米国、メリーラン
ド、ベセスダ、National Institate of Healthにおいて
単離されたAIDSウイルスの名称である。最近、HIVがこ
のウイルスの一般的名称として使用されている。この明
細書においては、HIVウイルスと称し、あるいはHIV、HT
LV−III又はLALをこれらを区別することを意図しないで
用いる。さらに、この明細書中に用いるHIVなる語は単
離されているか否かを問わずAIDSを生じさせることに関
連する他のすべてのウイルスを包含する。
HIV感染は進行性の疾患であるが、1つの期から他の
期への移行の速度は色々である。HIVに感染された無症
状の個体はリンパ腺症により特徴付けられる状態(LAS
又は前−ARC)を出現することがある。患者はT4細胞不
足を示すことによりAIDS関連コンプレックス又はARCに
進行し、そして後に抗原に刺激された増殖及びIFN−γ
生産を行うリンパ球の能力の低下を示す。これらの患者
は種々の細胞性免疫機能、例えば遅延皮膚過敏を失い、
そして最後には完全にエネルギーとなる。これらの宿主
防御機構の破壊の証拠、例えば帯状庖疹感染、口内カン
ジダ症(鵞口瘡)、並びに長期熱、寝汗、下痢、及び体
重低下のごとき症状を示す。最後に、これらの患者は深
刻な日和見感染〔例えば、ニューモシスチツ・カリニイ
(Pneumocystis carinii)肺炎〕を経験し、そして次に
成熟したAIDSを有するものとされ、12月以内に約50%が
死ぬ。HIVウイルス感染は、単にdsRNA欠損のレベルが顕
著であるため例示として選択される。多くの他の疾患、
例えば無痛性ウイルス感染が同様の欠損に関連し、そし
て本発明は予想外に広い用途を有するのであろう。
重量なことには、上記の典型的な進行は、HIVに感染
した患者、あるいはエプスタイン・バールすなわちEB感
染、肝炎ウイルス感染、サイトメガロウイルス感染、ヘ
ルペス感染のごとき慢性疾患を有する他の多くの患者の
内で、臨床症候の顕著さを記載するものではない。HIV
感染は種々の異るタイプの細胞(例えば、血液細胞、グ
リア細胞)を出現せしめるのであろう。幾らかの患者は
その最初の症状として神経の機能低下を生じさせる。す
なわち、種々の個体が非常に異る療法的要求を有し、し
かしすべてがおそらくT4細胞からのHIVの根絶を要求す
るのであろう。
ARC患者を含む多くの異るウイルス感染に2つの一般
的な病理学的特徴が存在する。すなわち免疫不足の集合
及びウイルス感染の進行である(Fauci,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,Val83,9278頁、1986)。免疫不足のみを攻撃
し、しかしウイルスの複製の制御することに失敗する医
療的介在は、特にその治療がT4細胞を活性化する場合、
逆効果のようである。例えば、Tacレセプターを有する
T−ヘルパー細胞はリンホカインIL−2に対して応答性
である。AIDS患者においては、IL−2がHIV感受性細胞
の拡大を生じさせ、そして疾患の見かけ上の悪化を惹起
する。
ウイルス感染、例えばHIV感染の直接的攻撃は、特
に、幾らかの患者においてHLV“負荷”を減少せしめそ
して寿命を延長することができるアジドチミジン(AZ
T)と称するウイルス性逆転写酵素阻害物質により証明
される幾らかの成功をもたらす。これらの療法は常に望
ましくない結果をもたらす。少数の患者においては、AZ
Tはまた、T4細胞の一時上昇及び遅延型過敏の出現によ
り測定される場合、細胞性免疫の一次的回復を生じさせ
る(Fischl等、New Eng.J.Med.、1987年7月)。しかし
ながら、逆転写酵素は有意な抗ウイルス効果を生じさせ
るのに必要な投与量においては毒性であり、そしてそれ
故に長時間耐えられない。患者の生活のために投与され
るべき抗ウイルス薬が必要である。
IFNは一般的抗ウイルス化合物として及び抗−AIDS薬
として有効でなく、これはおそらく、IFNが本発明者に
よりここに暴露されるdsRNA関連欠陥に対する対策でな
いからである。確かに、ARC/AIDS患者はIFN経路におけ
る種々の“欠陥”、例えば欠陥のある酸感性IFNの生産
及び医学文献に十分に記載されているIFN−γの適切な
量の生産、を有する。早くから、本発明者は、ARC及びA
IDS患者におけるこれら種々のIFN関連欠陥が全体として
又は部分的に、リンパ球中の正常なRNアーゼL(末端経
路介在物質)の欠損に関連すると結論した。このことは
本発明者の1987年3月3日に出願された米国出願No.02
1,372に記載されている。dsRNA−依存性2−5Aシンセタ
ーゼはARC/AIDS及び他のウイルス性血症を有する個体の
血液リンパ球において上昇するが、本発明者が見出した
ところによれば、同じ血液細胞が低下したレベルの真正
な2−5A及び低いRNアーゼLを示す(下記参照のこ
と)。本発明者は低いRNアーゼL活性と2−5Aの光親和
性レベル化類似体に結合することができる少量のMr80,0
00蛋白質とを関連付けた。本発明者の発見は閉じられた
dsRNA経路並びにRNアーゼLの相対的不存在及び/又は
阻害と一致する。
HIV及び他のウイルスに対する免疫化並びに受働抗−H
IV抗体の使用もまた、それぞれウイルス疾患の予防又は
治療のために考慮されるが、しかしかなりの限界を有す
る。例えば、HIV(及び特にインフルエンザウイルス)
はひそかに容易に細胞に感染することができる。本発明
者はまた、前記の特許出願において、一般にウイルスに
対する、そして特にレトロウイルスに対する抗体形成を
増強するためのdsRNA役割を記載した。本発明者はここ
に、二本鎖RNA(dsRNA)が、HIVのごとき種々の亜急性
/慢性ウイルス感染のウイルス性病変及び免疫性病変の
両者に対して効果的である分子の第一の群を構成するこ
とを主張する、新しい現象を記載する。これらの欠陥
は、慢性ウイルス感染に対する今日利用可能な療法の共
通の限界である体機能への悪影響を伴わないで、レーザ
ーの様な正確さでこれらの欠陥を修正することができ
る。本発明者は次の様に結論する。決定的でなく且つ無
活性なウイルス感染を有する患者はしばしば活発な細胞
内dsRNA依存性経路に特異的な欠陥を有し、これは外か
ら補給されたdsRNAにより少なくとも部分的に逆転され
又は改善され(これは第1図のフローチャートにおいて
グラフ的に説明される)、そして、治療中の又はその前
のこれらの経路をモニターすることにより、個の患者又
は特定の疾患に要求されるdsRNA置換療法の程度に測定
するための新規で効果的な方法を提供する。
宿主の防御に関連する必須の酵素は活性活性の発現の
ためにdsRNAを必要とする。自然の細胞内dsRNAのレベル
が低過ぎる場合、これらの酵素は外来dsRNAにより活性
化され得る。dsRNAの多様な作用の一部は、dsRNA−依存
プロテインキナーゼ、dsRNA−依存2−5Aシンセターゼ
及び2−5A−依存RNアーゼLを含む細胞内介在物質の一
群を介して機能する全範囲のIFN、すなわちα、β及び
γ−IFNの合成を誘導するその能力に由来する。Lengyel
(Ann.Rev.Biochem.Vol51,251頁、1982)に総説されて
いるように、これらのdsRNA−依存性酵素はIFNに帰すこ
とができる多くの生物学的活性を行うことができる。例
えば、2−5A−シンセターゼの発現をブロックするアン
チセンスRNAの生産は種々のウイルスによる感染に対す
る動物細胞の十分な感受性を生じさせる(Bendetti等、
Prac.Natl.Acad.Sci.USA Vol.84,658頁、1987)。dsRNA
で活性化されたプロテインキナーゼは蛋白質合成を阻害
するelF2をリン酸化し、これはまたウイルス蛋白質を分
解する蛋白質分解活性を有する。dsRNAにより活性化さ
れた2−5Aシンセターゼは2−5Aを合成し、この2−5A
はRNアーゼLを活性化し、本発明者が示唆する経路は種
々の動物ウイルスの阻害において、及び細胞増殖制御
(これからの逸脱は腫瘍の形成を導くであろう)におい
て必須の役割を演ずる。2′−5′−オリゴアデニル酸
は、ほとんどのdsRNA特徴的な正常な3′,5′ホスホジ
エステル結合が新しい生物学的性質の獲得を伴って新規
なホスホジエステル結合により置き換えられている点に
おいて異常である。
dsRNAの抗ウイルス活性 dsRNAは抗ウイルス状能のよく知られた誘導物質であ
る(Marcus等、Nature,Vol.66,815頁、1977)。同様
に、poly(A):poly(U)はIFNを誘導することなく抗
ウイルス状態を生じさせた。しかしながら、天然dsRNA
制御物質が存在し、そしてそれ故に、実際のdsRNA欠損
状態が病原的エピソード〔ウイルス、真菌、原生動物又
は細菌の侵入等、特に、それらの生活環の値値ある又は
必要な部分として細胞内(ヒト)に存在するもの〕に特
に関連するヒトにおいて共通であることは、本発明者の
この発明の前には知られていなかった。
dsRNAの抗増殖作用 100個以上の新鮮なヒト腫瘍検体の42%が、軟寒天中
での研究において、dsRNAにわずか1回暴露された後
に、腫瘍細胞コロニー形成の50%以上の減少を示すこと
を、本発明者は前から見出している(J.IFN.Res.Vol.6,
373頁、1986)。これらの細胞はdsRNAを欠損している。
本発明者はまた、種々のヒト腫瘍セルラインにおける独
立のIFN及びdsRNA感受性を記載し、そして次のことを見
出した。すなわち、ヌードマウス中で増殖したヒト腫瘍
はdsRNAに感受性であり、dsRNA療法は幾らかの腫瘍(例
えば腎臓腫瘍)に対して有効であり、そして動物は正常
な生活をした(公表されたヨーヨッパ特許出願0,113,16
2を参照のこと)。この明細書において本発明者は、dsR
NAの投与対して二次的な検出可能なIFN又はIL−2の誘
導とは反対に、臨床応答とdsRNA−酵素活性化との間の
強い関連性を報告する。
dsRNAの免疫増強活性 本発明者は早くから、dsRNAがヒト白血病細胞に対す
るヒトナチュラルキラーNK細胞溶解活性を増強すること
を報告している。NKの増強のためのdsRNAの構造的要件
は、2−5Aシンセターゼ活性化及びIFN誘導のために必
要な要件と平行的である。
dsRNAにより介在される遺伝子制御 Sullo等(Cell,Vol.43,793頁、1985)は、fos及びmyc
と称される発癌遺伝子を含有する休止繊維芽細胞中のコ
ンピテンス(competence)遺伝子をdsRNAが誘導するこ
とを証明した。この明細書において使用する場合、“コ
ンピテント遺伝子”とは、増殖、成長等のごとき生活作
用を調節するために必要とされる作用を有する細胞中の
遺伝子を意味する。dsRNAによるIFN−β遺伝子誘導はds
RNAへの細胞の暴露後に除去される制御蛋白質を用いる
(Zinn等、Cell,Vol.45,611頁、1986)。本発明者は、
生物学的活性のためには、外から補充されたdsRNA、例
えば異種性核RNA又はpoly(U)と複合体を形成したmRN
Aが天然の非ウイルス性の細胞内dsRNAを模倣することを
決定した。例えば、本発明者は最近、インビトロブ2−
5Aシンセターゼを活性化することができるHela細胞核中
のIFN−誘導性dsRNAを発見した。動物の進化の環におい
てはるかに遡る細胞性免疫の出現は、細胞分化、特にIF
Nにより促進される細胞分化の実行へのIFN/dsRNA分子の
進化の段階を設けており、本発明者は、dsRNA欠損状態
の本発明者の定義の段階をセットする他の制御蛋白質に
より促進される分化を行うことがdsRNAには可能である
という、さらに一般的な洞察を確立した。
〔発明の具体的な記載〕
本発明者はこの明細書において、HIV等のごとき種々
の亜急性/慢性ウイルス感染のウイルス性病変及び免疫
性病変の両方に対して有効な分子の第一群を二本鎖RNA
(dsRNA)が構成することを主張する新規な現象を記載
する。これらの欠陥は、慢性ウイルス感染に対する現在
利用可能な療法の共通の限界である他の体機能への不都
合な影響を伴わないでレーザーの様な精確さで修正され
得る。本発明者は次の様に結論する。決定的でなくそし
て無活動のウイルス感染を有する患者はしばしば活性な
細胞内dsRNA−依存経路に特異的な欠陥を有し、これは
外部から供給されたdsRNAにより少なくとも部分的には
逆転され又は改善され(これは第1図のフローチャート
においてグラフ的に説明される)、そして治療前又は治
療中にこれらの経路をモニターすることにより、個々の
患者又は特定の疾患に要求されるdsRNA置換療法の程度
を測定するための新規で効率的な方法が得られる。
この発明は、患者のサンプル中のdsRNA欠損状態を決
定し、この欠損を(もし存在するとすれば)定量する方
法を提供し、外来dsRNAを場合によってはリンホカイン
との組み合わせにおいて投与することにより、同定され
たdsRNA欠損を回復するための療活を提供する。典型的
には、dsRNAの欠損状態は免疫系の成分細胞内で、該成
分細胞が増殖又は分化の過程にあるか否かにかかわらず
証明される。dsRNAの欠損は例えば、免疫系の成分細胞
が生物活性RNアーゼLの十分なレベルを維持することが
できないことにより証明される。治療の前、治療中又は
その後における細胞内dsRNA−依存経路のモニターによ
り、臨床医が個体ベースで要求されるdsRNA置換療法の
程度を決定することが可能となる。この明細書におい
て、“介在物質”(mediator)とは、dsRNAの存在によ
り開始される特定の生化学的機能に影響を与える任意の
細胞内成分(例えば、特定のオリゴヌクレオチド、蛋白
質、dsRNAの単独又は組み合わせ)とて作用的に定義さ
れる。この様な生化学的機能は、単一細胞又は全体(生
物体)レベルで宿主防御機構を強化するのに寄与するで
あろう。
この発明の治療法に感染性の状態は、一般に、細胞内
dsRNAレベルの欠陥が健康な個体に比べて正常な限界よ
り低い状態であり、dsRNA欠損は組織病変を生じさせ、
そして/又は細胞内病原体の存在と連係して又はそれと
共存しての異状に低いdsRNAレベルの存在下においてで
ある。さらに特定の状態又は組織医病理及び構成的症状
にはウイルス感染、例えばレトロウイルス感染、例えば
HIV、ヘルペスウイルス群、パラミキンウイルス、ライ
ノウイルス、肝炎、及び慢性疲労症状が含まれる。その
他には、コンピテント細胞が増殖又は分化の過程にある
か否かにかかわらず免疫系の病気及び癌細胞の制御され
ない増殖が含まれる。
“ミスマッチdsRNA"は、相補鎖間の水素結合(塩塩重
層)が相対的に無傷であるもの、すなわち29個の連続す
る塩基中に平均1個未満の塩基対において中断されてい
るものを意味する。ミスマッチは、リボヌクレアーゼに
よる消化に対するdsRNAの弱い点を代表する鎖の内側へ
のふくらみ(in−pouching)〔又は外側へのふくらみ
(out−pouching)〕によるRNA二重螺旋の正常な構造の
中断である。従って、“ミスマッチdsRNA"なる語は理解
されるべきである。
dsRNAは、ラウシル塩基又はグアニジン塩基を例えば
5塩基中1個〜30塩基中1個含有するポリイノシン酸と
ポリシチジル酸との複合体、poly I.poly(C4-29×7U又
はG)であることができる。dsRNAは一般式rIn・r(C
12U)であることができる。dsRNAの他の好ましい例を
後に記載する。
好ましいミスマッチdsRNA、すなわちrIn・r(C12,
U)において、6〜12塩基対の中断されていない一続
きから成る領域、すなわち0.5〜1回転のRNA螺族のは、
リンホカインの放出を惹起するバイオトリッガー(biot
rigger)として、及び天然抗ウイルス経路を構成する酵
素のための必須の細胞内コーファクターとしての役割を
果す。ウラシル残基から成るミスマッチ領域は、dsRNA
の加水分解を促進しそしてこれによって毒性を回避する
ために、ポリピリミジン中に規則定に挿入される。
この発明において使用するのに好ましいミスマッチds
RNAはpoly(Cn,G)(式中nは4〜29の整数である)か
ら選択されたコポリヌクレオチドに基礎を置き、そして
ポリリボシチジル酸(rCn)鎖にそって不対合塩基(ウ
ラシル又はグアジン)を導入してrIn・rCnを変形するこ
とにより形成されるポリリボイノシン酸とポリリボシチ
ジル酸との複合体のミスマッチ類似体である。あるい
は、dsRNAは、ポリリボイノシン酸(rIn)のリボシル主
鎖を例えば2′−0−メチルリボシル残基の含有により
変形することによってpoly(I).poly(C)dsRNAから
誘導することができる。式rIn・rCnで示されるこれらの
ミスマッチ類似体は、その好ましいものは一般式rIn
r(C11-14,U)、及びrIn・r(C29,G)で示され、
Carter及びTs′oの米国特許出願No.4,130,641及びNo.
4,024,222中に記載されている。この明細書中に記載さ
れているdsRNAは一般にこの発明に従って使用するのに
適当である。ある場合には、相補的オリゴヌクレオチド
・デュプレックス(螺旋)も置換療法において十分であ
る。
この発明において使用するためのミスマッチdsRNAの
他の例には次のものが含まれる。
poly(I)・poly(C4,U) poly(I)・poly(C7,U) poly(I)・poly(C13,U) poly(I)・poly(C22,U) poly(I)・poly(C20,G) poly(I)・poly(C29,G)及び poly(I)・poly(Cp)23G>P dsRNA−リンホカインの相乗性 dsRNAはその生物学的作用の有意な部分をIFNにより介
在される特定のリンホカイン系を介して生じさせるの
で、本発明者は、これは(1)IFN−欠損細胞においてI
FNを誘導するはずであり、そして(b)関連あるdsRNA
−依存性酵素介在物質を活性化するはずであると判断す
る。細胞性dsRNAは外から適用されたIFNに対して応答し
ない細胞においては非誘導性である。
dsRNAがIFN系を介してのみ機能するのであれば、そし
てdsRNAが細胞中に過剰に依存すれば、IFNのみの過剰が
IFNとdsRNAとの組み合わせと同様に高い生物活性を生じ
させるであろう。しかしながら、本発明者は今やdsRNA
−INF相剰の多くの例及び非相剰の少数の例を見出した
から、前記のことは比較的まれな条件に違いない。例え
ば、本発明者は、ヒト膀胱癌、肺癌及び繊維肉腫の増殖
の阻害においてdsRNAはヒトINF−α,−β、又は−γと
相乗的であることを見出した。本発明者はこれらの結果
を15種類の他のヒトセルラインに拡張し、1つのセルラ
インのみが抗増殖相乗性を示すことに失敗した。類似の
抗腫瘍相乗性がヌードマウスに移植されたヒト腫瘍にお
いて見られることを本発明者は観察し、そして臨床的
に、腎腫瘍及びCMLの両者における抗癌療法としてIFNと
dsRNAとの組み合わせがいずれか一方のみに比べて卓越
することを一貫して観察した。
dsRNA欠損状態 プロトタイプ経路として、2−5Aシンセターゼ/RNア
ーゼL経路は1又は複数のdsRNA、2−5A、リンクした
酵素及び阻害物質を含む。dsRNA−依存性2−5Aシンセ
ターゼの産物である2−5AがRNアーゼL活性のための必
要な因子であるという点において、dsRNAとRNアーゼと
の間に直接の生化学的連絡が存在する。下記の例は、外
から補給されたdsRNAにより回復し得る、dsRNAに介在さ
れる経路の欠損の可能性ある多くの種類の内の少数を例
示しようとするものである。
第1図のフローチャートはまた、宿主の回復を導くds
RNA十分さと、宿過の不健全さを導くdsRNAの欠損との間
の関係を示す。生物活性dsRNAは細胞内で生産され、又
は抗ウイルス状態並びに免疫細胞の分化及び宿主の回復
を導くなんらかの事象により導入される。
2−5Aシンセターゼのインビトロ測定は2−5Aシンセ
ターゼのインビボ活性を反映しないため、この測定の価
値は限定される。従って本発明者は、ミスマッチdsRNA
療法の前後における病原体に感染された患者から、及び
健康な個体の末梢単球細胞(PBMC)からの2−5Aを抽出
しそして定量する方法を開発した。2−5Aの濃度は、po
ly(U)〔32P〕pCpを分解するためにアフィニティー精
製されたRNアーゼLを活性する2−5Aの能力により決定
することができる。
(a)蛋白質mg当り2−5Aに導入されたATP(n mol
e)、poly(I):poly(C)−アガロース測定により決
定。標準偏差9%。ND=決定されず。
(b)n mole/g蛋白質、コアー−セルロース測定(2
回)により決定。標準偏差20% (c)dpm/50μg蛋白質、放射結合測定において決定
(2回)(カラム3)。標準偏差20% (d)rRNA開裂測定において決定(カラム4及び5)、
2回独立して測定。特異的開裂生成物(SCP)の生成を
ゲルの写真のデンシトメーター追跡により決定した。SC
Pの生成を18S及び28S rRNAで除して100を乗じたもの。
−,0;+,10〜30;,31〜63;,64〜85;;86〜100。
方 法 ヘパリン処理した末梢血を10人の健康な個体及び5人
の同性愛の男性患者から得た。これらはLAS,ARC及びAID
Sを有することがCenters for Disease Controlにより決
定された。この研究に関連する患者(患者#1〜5)の
臨床的、ウイルス学的及び免疫学的特徴は、それぞれ患
者10,8,1,7及び2としてLancet,1987年6月6日の論文
において、本発明者によりすでに特徴付けられている。
PBMCはフィコール−ハイパク(Ficoll−Hypaque)上で
単離した。L929及びHL929(L929のRNアーゼL−欠損サ
ブクローン)細胞は単層培養物中に保持した。L929細胞
及びHL929細胞からの細胞質抽出物をグリシン緩衝液中
に調製し、そしてPBMC抽出物をNP40溶解緩衝液中に調製
した。抽出物の蛋白質の濃度を10〜15μg/μとした。
KS=カポシ(Kaposi)肉腫;PCP=ニューモシスチス・カ
ルニー(Pneumocystis carnii)肺炎。
2−5Aシンセターゼ(カラム1)の活性をPBMC抽出物
(50μg蛋白質/測定)中でpoly(I):poly(C)−
アガロースを用いて決定した。2−5AをPBMC抽出物(10
0μg蛋白質)のエタノール可溶性画分(70V/V%エタノ
ール)から単離した。次に、エタノール抽出された2−
5Aを凍結乾燥し、そして水(20μ)に再溶解した。PB
MC抽出物中に存在する細胞内2−5Aの濃度(カラム2)
は、RNアーゼL源としてL929細胞抽出物を用いるコアー
−セルロース測定において、真正な2−5Aから得られた
換算曲線から決定した。この測定における2−5Aによる
RNアーゼLの活性化はpoly(U)〔32P〕pCpの酸可溶性
断片への転換に基づく。対照実験(2−5Aの非存在下)
において、添加された17700dpmのpoly(U)〔32P〕pCp
(1.3μCi/n mle)から6500dpmがガラス繊維フィルター
上に保持された。1×10-10Mの真正な2−5Aの存在下
でpoly(U)〔32P)pCpは0%分触され、>1×10-7
真正な2−5Aの存在下でpoly(U)〔32P〕pCpは100%
分解された。潜在RNアーゼLのレベルは2つの方法、す
なわち(i)20,000dpmのp3A432P〕pCpをPBMC抽出物
(50μg蛋白質/測定)に添加した後の放射能結合測定
(カラム3)、及び(ii)2−5Aの存在下でのリボゾー
ムRNA開裂測定(カラム4)により測定した。L929細胞
から調製された抽出物(150μg蛋白質/測定)をPBMC
抽出物のエタノール可溶性画分5μg及び1×10-8Mのp
3A4の存在下、20μの最終容量中で30℃にて60分間イ
ンキュベートした。全RNAを抽出し、変性し、そして1.8
%アガロースゲル上での電気泳動により分析した。奥化
エチジウム染色されたRNAバンドを紫外線のもとで可視
化た。活性化されたRNアーゼのレベル(カラム5)は添
加された2−5Aの非存在下でのリボゾーム開裂測定によ
り決定した。
PBMC抽出物中の機能的2−5Aの濃度は、健康なヒトに
ついては0.3〜1.1n mole/g蛋白質の範囲で量り、そして
ミスマッチdsRNAによる治療前のウイルス感染患者から
のPBMC抽出物中では検出可能レベル未満〜0.6n mole/g
蛋白質であった(第1表、カラム2)。しかしながら、
ミスマッチdsRNA療法が進行するに従って、2−5Aは10.
0n mole/g蛋白質より高レベルに蓄積した。2−5Aで活
性化された部分精製RNアーゼLがpoly(U)を優先的に
開裂せしめるがしかしpoly(C)を開裂せしめないこと
がすでに報告されている。単離されたヒト2−5Aは、真
正な2−5Aと同様に、poly(U)を特異的に分解する様
にL929細胞から又は健康なヒトのPBMCからのアフィニテ
ィー精製RNアーゼNを活性化することができた(第4表
を参照のこと)。なお、PBMCから2−5Aを抽出するため
にTCAが使用される場合、poly(U)分解(RNアーゼ
L)活性に加えてpoly(C)分解活性が抽出されたこと
が重要である。このTCAで抽出されるpoly(C)分解活
性はプロテアーゼ消化又はさらなるエタノール抽出によ
り除去された。poly(C)分解活性はすべてのヒトから
のPBMCのTCA可溶性画分中に見出されたが、しかし試験
された永久セルライン(すなわち、HeLa L929,HL929)
のいずれかにも見出されなかった。poly(C)分解活性
はPBMCのエタノール可溶性画分のいずれにおいても検出
されなかった。
方 法 健康な個体からのPBMCの抽出物(蛋白質100μg)か
ら又はL929細胞から精製されたRNアーゼLをコアー−セ
ルロース測定条件下で、poly(U)〔32P〕pCp(11000d
pm,0.10μCi/m mole)又はpoly(C)〔32P〕pCp(1240
0spm,0.33pCi/n mole)の存在下で、真正な2−5A(p3A
3,5×10-7M)又は患者#5(ミスマッチdsRNA治療の9
週間目)からのPBMCの抽出物(蛋白質12.5μg)の添加
の後に、インキュベートした。poly(U)〔32P〕pCp及
びpoly(C)〔32P〕pCpは、poly(U)又はpoly(C)
(シグマ)及び〔32P)pCp(アメルシャム)からT4リガ
ーゼ(ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ)により合
成した。対照実験(p3A3の非存在毛)において、3300dp
mのpoly(U)〔32P〕pCp及び11000dpmのpoly(C)〔
32P)pCpがガラス繊維フィルター上に維持され、そして
分解無し(0%)とした。
未処理動物から単離された組織中の2−5Aの存在及び
dsRNAにより処理されたマウスからの組織中の2−5Aの
蓄積についての報告は存在するが、ヒト組織中の2−5A
の蓄積の第一報は存在しない。真正な2−5AがRNアーゼ
Lに結合しそしてこれを活性化してrRNAを高度に特徴的
な開裂生成物(SCP)に分解するようにすることが、よ
く確立される。従って、本発明者は、PBMC抽出物から単
離された2−5Aの活性をrRNA開裂測定において特徴付け
た。RNアーゼLとエタノール抽出2−5Aとにより生ずる
特異的開裂パターンは真正な2−5Aの存在下で得られた
それと同じであった。これらの結果は、ウイルスに感染
した患者へのミスマッチdsRNAのi.v.投与により血液細
胞中の2−5Aが検出可能な濃度より定い濃度から初まっ
て劇的に上昇することを示している。
RNアーゼL活性 HIVに感染した個体におけるRNアーゼL活性の不存在
が確認され、そして拡張された(第1表、カラム3,4,
5)。2−5Aにより活性化されたRNアーゼLのrRNAに対
する開裂特異性に基く鋭敏な方法が、1mlという少量の
末梢血からの単離されたPBMCの抽出物中の活性化RNアー
ゼの測定を可能にした。L929セルラインのRNアーゼL−
欠損サブクローン(HL929)をリボゾーム源として使用
した。HIVに感染された患者のPBMC抽出物は、放射能結
合測定において決定した場合健康な個体のそれよりも5
〜7倍低いレベルの潜在的RNアーゼLを有していた(第
1表、カラム3,240〜280dpm:1350dpm)。類似の観察がW
u等(AIDS Research,Vol12.127−131頁、1986)により
報告された。放射能結合測定の適用は潜在的RNアーゼL
の決定に関して、ミスマッチdsRNAにより治療された患
者において限定される。なぜなら、これらの患者からの
PBMCサンプル中に存在する蓄積された2−5A(第1表、
カラム2)はRNアーゼLへの結合について競争すること
ができるからである。
第一に、活性化されたRNアーゼLのレベルが、外部か
ら添加された2−5Aの存在下PBMC抽出物によるrRNAの特
異的開裂を測定することにより決定された(第1表、カ
ラム5)。この測定を用いて、本発明者は、治療前のHI
V感染患者のPBMC抽出物中でRNアーゼLが活性化されな
かったことを示した(第3図に示すポリアクリルアミド
ゲル)。細胞内2−5AのレベルがこれらのPBMCサンプル
中で低いことを知った場合(第3表、カラム2)、上記
の結果は予想外であった。しかしながら、試験されたす
べての健康な個体からのPBMCの抽出物は、幾らかの健康
な患者における2−5Aが0.3n mole/蛋白質と低くても、
rRNA開裂測定において特異的開裂生成物を生産する活性
化されたRNアーゼLの存在を示した(第3表、カラム
5)。治療前のHIV感染患者からのサンプル中のRNアー
ゼL活性の不存在が、報告されているように(Caylet
等、European J.Bioch.Vol143,165−177頁、1984)2−
5Aの競争阻害物質の蓄積によるものではあり得ないこと
は確かである。RNアーゼL活性は真正な2−5Aの添加に
よって回復することができなかった(第1表、カラム
4)。
次に、潜在的RNアーゼLのレベルが2つの独立した測
定により決定された。潜在的RNアーゼL活性はrRNA特異
的開裂測定において、しかし添加された2−5Aの存在下
で決定された(第3表、カラム4)。ミスマッチ治療の
前に採取されたサンプル中で、試験された5人の患者の
いずれにおいても潜在的RNアーゼ活性は検出されなかっ
た。p3A432P〕pCpによるフォトアフィニテーラベル法
を用いて、HIV感染患者のPBMC中でRNアーゼLが失けて
いるか又は変化しているか否かをさらに決定した。事前
のフォトアフィニティーラベル研究により、p3A
432P〕pCpに対する結合アフィニティー及びNRアーゼ
Lと同様の特異的poly(U)エンドリボヌクレオチド分
解活性を有するMr80,000の蛋白質が同定された。PBMC抽
出物中に存在するRNアーゼLのアフィニティーラベルが
p3A432P〕pCpを用いて決定された。正常個体からのPB
MC抽出物(50μg蛋白質)からのRNアーゼLがARC患者
(ミスマッチdsRNA治療前の患者)又はL929細胞抽出物
(50μg蛋白質)と比較され、真正なp3A4(1×10
-8M)の非存在下又は存在下でのp3A432P〕pCp(30,00
0dpm,3000Ci/m mole)の添加の後にフォトラベルされ
た。正常個体からのPBMC抽出物(100μg蛋白質)から
のRNアーゼLを2−5Aコアー−セルロース上で精製し、
そしてp3A432P〕pCp(30,000dpm;3000Ci/m mole)の
添加後にフォトラベルした。0℃にて90分間のインキュ
ベーションの後、サンプルを氷冷した磁製スポットプレ
ートに移し、そして254nm UVG−11Mineralightランプ
(Ultra−violet Products社製)を2cmの距離(1.0J/
m2)で用いて3分間光分解した。蛋白質マーカー及びMr
80,000RNアーゼLの位置を決定した。
本発明はフォトラベル研究により、p3A432P〕pCpが
健康なヒトからのPBMCの抽出物中のMr80,000の蛋白質に
共有結合的に連結されたことを示された。しかしなが
ら、慢性的的にウイルス感染された患者からのPBMCの抽
出物中では蛋白質はラベルされなかった。同一の実験条
件下で、Mr80,000の蛋白質はL929細胞抽出物中で特異的
に光ラベルされた。p3A432P〕pCpを含有するインキュ
ーベーション混合物へのp3A4(1×10-8M)の添加がフ
ォトラベル化を防止し、そして本発明者に、フォトラベ
ル化がRNアーゼLに対して非常に特異的であるという証
拠を与えた。コアーセルロース法により健康なヒトから
のPBMC抽出物から精製された蛋白質を用いるフォトラベ
ル化研究は、真性な2−4Aの存在下でpoly(U)を分解
するが、しかしpoly(A)、poly(C)及びpoly(G)
のいずれも分解することができないMr80,000の蛋白質へ
の共有結合を示した。合わせ考えれば、これらの結果は
健康な固体のPBMCから精製され、そしてp3A432P〕pCp
によりフォトラベルされた蛋白質を確認する。
ミスマッチdsRNA治療の後4〜17週間で、慢性的に感
染した患者5人すべてからのPBMC抽出物中に活性化され
たRNアーゼLが最初に検出され、ミスマッチ治療の17〜
28週間後、5人すべての患者について活性化されたRNア
ーゼL活性は健全な固体において観察されたRNアーセL
レベルと同等であった(第1表、カラム5)。活性化さ
れたRNアーゼLのレベルは同じサンプルから単離された
機能的2−5Aの濃度との非常に密接な関連性を示した
(第1表、カラム2及び5と比較)。非常に興味あるこ
とは、患者#1は、ミスマッチdsRNA治療を停止した3
週間後である28週間目に、上昇した細胞内2−5Aレベル
及び十分に活性化されたRNアーゼLを維持した(第1
表、カラム2及び5)。
この明細書に記載される実験は、HIVに感染された5
人の患者が血液単核細胞中の共通の分子表現型:低下し
たレベルの2−5A及び検出可能なRNアーゼL活性の不存
在を有することを示している。健康な固体の血液単核球
レベルは、2−5Aレベルが概して高く、そしてRNアーゼ
L活性が容易に検出し得る点において異る表現型を示し
た。後者の表現型は機能的2−5Aシンセターゼ/RNアー
ゼL経路の予想されたそれと一層よく一致する。正常な
固体において、2−5Aの定常状態のプールは検出可能で
あり、この細胞内2−5Aのかなりの部分がRNアーゼLと
密接に会合するようになり、これによりRNアーゼLを活
性化するのであろう。ここに記載される実験方法におい
て次のことが明確に確立される。すなわち、慢性的にウ
イルス感染されたヒトの血液単核細胞においては、2−
5Aの細胞内レベルは検出限界より低く、そして現在利用
可能な投法により決定する場合活性化されたRNアーゼL
は存在しない。
要約すれば、重要な発見は、2−5Aシンセターゼ/RN
アーゼL経路の欠損はミスマッチdsRNAを用いる治療に
より回復した。RNアーゼLのインビトロ活性はPBMC抽出
物に2−5Aを添加することによっては回復しなかったか
ら、本発明者の結果は2−5Aを伴わないRNアーゼL蛋白
質の正常レベルによっては説明されない。RNアーゼ蛋白
質は存在しないか又は阻害されるはずであり、2−5Aの
フォトアフィニティーラベル化類似体による結合の欠損
により確認される結論である。この明細書に記載する治
療された患者において、PBMC中のHIV−RNAレベルは10〜
20日以内に低下し、そしてHIV−感染PBMCの感染中心の
数(同時培養)はさらに徐々に低下した。ここで決定さ
れた細胞内2−5A及びRNアーゼL活性の上昇はこれらの
患者における感染中心の喪失とより密接に平行する。2
−5Aシンセターゼ/RNアーゼL経路が処置されたHIV感染
患者において、ミスマッチdsRNAによる処置の数週間後
に健康な患者におけるよりも一層活性となる。従って本
発明者の結果は、ある種の慢性ウイルス感染がdsRNA欠
損状態を示し、この状態は生物活性dsRNAの多からの適
用により回復され得る。
次に、この発明をさらに具体的に例により説明する。
これらの例中、特にことわらない限り、すべての部及び
%は重量による。
例1. 協調的IFN及びdsRNA治療 dsRNA欠損状態は、IFNで処理された腫瘍細胞がIFNで
誘導される増殖阻止をほとんど又は全く示されない状態
である。これは、必要であれば下記の種々の生化学的測
定により厳密に確認され得るdsRNA欠損の機能的又は操
作的テストである。多くの場合において、“dsRNA欠
損”の臨床的診断は、本発明者の発明が一層広範囲に実
施されるようになれば、十分なものとなろう。IFNr腫瘍
はIFNリセプターを欠くことがほとんどなく、そして長
いか又は低いレベルの介在物質を含有するであろうこと
が知られるが、しかしいずれの場合にはこれらが外から
供給されたdsRNAに応答することを発明者は見出す。こ
れらの例は臨床的に有意義である。なぜならこれらは特
にインターフェロン、そしてさらに他のリンホカイン、
例えばIL−2、種々のコロニー刺激因子及びTNFの療法
範囲を有意に拡張するからである。慢性骨髄性白血病
(CML)がこの点の例である。約60%のCML患者がIFNの
みに応答し、40%は応答しない。後者は、Rosenblum
等、Cancer Res.Vol.46,4848頁(1986)に記載されてい
るように、血板単核細胞(MNC)中の2−5Aシンセター
ゼの誘導に失敗する。第2図AはIFN耐性の例であり、
この場合、本発明者はミスマッチdsRNA+IFNで処理し、
次に短期間(7日)の後にIFNのみで、そして次にミス
マッチRNAとIFNとの組み合わせにより処理した。この患
者はIFNのみを投与される間2−5Aシンセターゼ活性を
誘導しなかったが、IFNとミスマッチdsRNAとの組み合わ
せによりこの介在物質の活性の実質的な上昇を示した。
2−5Aシンセターゼの誘導には、前の化学療法の中断に
より惹起された血液細胞数の一時的増加の後、数ヶ月続
く完全な血液学的軽快が伴った。RNアーゼLの活性も決
定され、そして正常(第3A図、レーン1)より10〜300
倍高く、正常なRNアーゼLの通常のrRNA開裂生成物を越
えるさらなる分解を代表するインビトロRNA開裂生成物
が得られる。IFN/dsRNA組み合わせによる治療の30日
後、RNAアーゼ活性開裂プロフィールは正常にもどる
(第3図A、レーン2)。なお、この種の応答は常に観
察された。
例2. T4細胞のウイルス感染 他のdsRNA欠損状態は、IFN及びその介在物質がウイル
ス感染により誘導されても、介在物質の活性化のための
阻害dsRNA又は部分的に生物活性なdsRNAを動物ウイルス
自体(又はその複製中間体)が供給する場合である。宿
主中の慢性症状と関連する多くのウイルスがこのカテゴ
リーに属するであろう。T4細胞へのHIVの感染も、第1
図に示すようにこのような状態を構成することができ
る。T4細胞中でのHIVの複製は組織培養においてミスマ
ッチdsRNAにより効果的にブロックされた(本発明者の
ヨーロッパ特許出願No.0,213,921を参照のこと)。これ
らの同じ細胞中でのHIVの複製がIFN−α、−β又は−γ
のみによりあるいは生理的混合物中で中程度でのみ抑制
されるという事実にもかかわらずである。HIV RNAそれ
自体はそれ自体の発現をブロックしないかなりの二次構
造を示すから、異るdsRNAはおそらく異る生物学的応答
を惹起するであろう。HIV mRNAの5′の末端の広範なds
RNA構造の1つの領域はHIVトランスアクト(tat)蛋白
質であると予想されるMr15000のポリペプチド(Muesing
等、Cell,Vol.48,691頁、1987)を結合し、そして本発
明者はミスマッチdsRNAがtat蛋白質に対してHIV RNAと
競争することを示唆する。効果的なHIV感染及び他の慢
性ウイルス血症を支持する性質はARC及びAIDSにおける
第二のdsRNA欠損状態であるかも知れない。
例3. HIV感染細胞 第三のdsRNA欠損状態が、ARC及びAIDSにおけるHIVの
ごとき慢性ウイルス感染を有する血液リンパ中に観察さ
れる。Preble等(J.Infect.Drs.,Vol.152,1985)は、こ
れらの細胞が上昇したレベルのdsRNA依存性2−5Aシン
セターゼを有することを報告しており、本発明者はこれ
を確認した。この結果は、一連の連続するARC及びAIDS
患者に典型的であり、そして宿主の回復におけるdsRNA
の中心的な役割及びdsRNAの欠損状態を適当な外来dsRNA
系で置き換える必要性の観点から本発明の基礎を形成す
るのを助けた。
本発明者はRNアーゼLがARC及びAIDS患者においてし
ばしば涸渇することを報告した(The Lancet,1987年6
月6日)が、しかしながら本発明者はあるケースにおい
てミスマッチdsRNAによる治療の数週間後により正常な
活性にもどり得ることを報告した。第3図B、レーン4
が示唆するように、ARCリンパ球抽出物はある条件下で
正常なRNアーゼLの活性を阻害することができる。トリ
クロル酢酸(TCA)及びエタノール可溶性抽出物は阻害
活性を欠くので、ARC患者のMNC中に観察される移動性阻
害物質は肝炎感染細胞においてWilliams等により記載さ
れたもの(Virology,Vol.151,233頁、1986)ではあり得
ない。さらに、本発明者は今まで研究した健康な固体か
らのMNC抽出物(レーン5)中に阻害物質を見なかっ
た。
ミスマッチdsRNAはこれらの細胞に直接作用するか
ら、これらもまたdsRNA欠損でなければならない。従っ
て、本発明者は、異るdsRNAは異る生物活性を有する(H
IV dsRNAは阻害的であり、他方ミスマッチdsRNAはそう
ではない)ことを示した。ARC及びAIDS患者からのリン
パ球は、必要なdsRNA−依存機能の幾つかのみが行われ
るという意味においてdsRNA−依存性である。少なくと
も1つの機能、すなわち生物活性RNアーゼLの十分なレ
ベル維持は、外来dsRNAが添加されない限り行われな
い。
例4. 慢性疲労症候群 適切な置換療法を必要とするdsRNA欠損の例は慢性疲
労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)であり、こ
れは1千万〜1千200万人の米国人が罹患しており、診
断が困難な多面的な不全であって、極度の疲労、リンパ
腺の肥大及び構成的(constitutional)症状、例えば体
重低下、食欲の減退等により特徴付けられる。幾らかの
CFS患者は神経精神的変化、例えば抑制、記憶喪失及び
類似の障害を生じさせるが、慢性疲労症候群は時として
完全に神経学的な不全、特に抑制から区別することが困
難である。種々の実験室研究が示すところによれば、多
くの異るウイルスが慢性疲労症候群を有する患者におい
て複製することができ、そしてこれらの個体は実際に
“ウイルス排出者”となる。エプスタイン−バールウイ
ルム、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、肝炎ウ
イルス等はしばしばこの様な固体中に存在する。
正常個体及び慢性疲労症候群を有する対象における
2′−5′A分のインビボ濃度、及び生化学的に関連す
る細胞内dsRNAレベルの正確な測定は次の様にして行わ
れる。患者からのサンプル(フィコール・ハイパクによ
り精製された末梢血リンパ球)のエタノール可溶性画分
を、2′−5′Aコアー−セルロース測定(poly U−{
32P}−pCpを用いるアフィニティークロマトグラフィ
ー)においてそれらの2′−5′A含量について分析し
た。この測定においては、poly(U)を加水分解する
2′−5′A−活性化RNアーゼLの能力を用いて機械的
2′−5′Aの濃度を決定する。
発熱がないこと、構成的症状がないこと、皮疹等によ
り証明される、ウイルス感染の最近の病歴を有しない15
人の正状な対象を試験することにより参照値を確立し
た。これらのリンパ球2′−5′Aレベルの濃度は、真
正な2′−5′A分子を用いて得られた換算曲線を用い
て決定された。正常な個体の参照値は、PBMC細胞g当り
0.3〜1.1n moleの範囲内の2′−5′Aを示す。
この測定法を用いて、慢性疲労症候群の通常の症状を
示す患者を試験し、そして次の結果を得た。
慢性疲労症候群を有する患者はリンパ球蛋白質g当り
一般に0.1n moleより低く、常に02n moleより低い2′
−5′Aを有する。慢性疲労症候群を有するこの様な個
体の決定的治療は、2′−5′Aオリゴヌクレオチドの
細胞内レベルが正常に達し、細胞内dsRNAレベルが正常
に戻り、そして/又は患者の臨床症状が軽減するまで外
来dsRNAを供給することにより与えられる。慢性疲労症
候群及び日和見ウイルスに対する患者の抵抗性は、患者
の細胞内2′−5′Aオリゴヌクレオチドレベルの測定
を続け、そして要求されるように2′−5′Aレベルを
正常値、通常はリンパ球蛋白質g当り0.2m mole過剰の
2′−5′Aを維持することにより保持される。
天然dsRNAは、慢性疲労症候群のごときウイルス疾患
にチャレンジされた場合の宿主防御において役割を演ず
る。生物活性dsRNA、又はdsRNAに依存する酵素、特に特
定の細胞内で末梢血リンパ球中の異状に低いレベルの
2′−5′Aと関連するRNアーゼLのウイルス関連阻害
物質、の特異的減少は疾患の進行に寄与する。dsRNA、
特にミスマッチdsRNAは疾患の進行を逆転せしめる。
慢性疲労症候群を有する患者は、200〜600mg(疾患の
重症度及びウイルス負荷等に依存する)のrI・r(C
11-14,U)を1週間に2回ずつ静脈内注入することによ
り治療され、そして2′−5′Aレベルは臨床的改善と
共に上昇する。投与されたdsRNAの量及び投与の頻度
は、患者の臨床的改善と共に、測定される2′−5′A
レベルによりガイドされる。投与されるdsRNAの量は、
注入点から遠位点において投与の直後において、患者の
全身循環血ml当り0.01〜1,000μgのdsRNAを提供する量
である。
例5. T4細胞集団に対する抗ウイルス効果 外部から投与されたdsRNA、特にミスマッチdsRNAは、
ウイルスのチャレンジに応答するウイルス感染患者の能
力を回復する。ウイルス状態の例示として、最も害の大
きいものの1つとしてHIVを選択した。HIV感染の一次標
的はT4リンパ球であり、ウイルス感染が進行するに従っ
てその集団は劇的に減少する。さらに、T4細胞集団の減
少は歓迎されない量的な疾患パラメーターであり、その
減少は疾患の悪化を反映する。逆に、T4細胞集団の増加
は療法的介在の改善を示す好ましい診断的指標である。
健康な固体の正常なT4細胞集団は血液mm3当り400細胞
である。前−ARC又はARCの範疇に属すると診断された39
人の患者(第4図を参照のこと)を測定し、そして血液
mm3中のT4細胞の絶対数に基いて3つの範疇に分類し
た。(a)300より多数(18患者、データーは示されて
いない)、(b)150〜300(13患者)、及び150未満
(8患者、平均=92)。(b)及び(c)群の患者を、
100〜200mgのrIn・(C12,U)(アンプリゲン)を週2回
3〜16ケ月(平均8.4ケ月)にわたりi.v.注入すること
により治療した。比較のため、未治療のHIV感染患者(1
81)からのT4細胞集団データーを含め(三角印)、この
様な個体におけるT4集団の不可避的な低下を示す。
ベースラインは治療を開始する前のT4リンパ球の最初
の絶対濃度である。第4図に示すように、改善はこのベ
ースラインからの変化の%+,−として示される。患者
を最初に観察し、そしてT4細胞濃度を測定した。患者の
(b)群は第4図中中空円で示され、150〜300細胞/mm3
のT4細胞濃度を有する。これらの患者はまず予防的に10
0mgのアンプリゲン(週2回i.v.投与)が投与され、不
都合な反応について観察され、次に投与量が200mgに増
加され、同じ頻度で投与された。そのT4細胞濃度が150
細胞/mm3未満である患者の第2群には300mgのアンプリ
ゲンが投与された(1週間に2回i.v.投与)。ベースラ
インからの変化の%を黒円を結ぶ線で示す。アブゾルー
トT4リンパ球を有する未治療の患者(181)三角形を結
ぶ線で示されるように急速な低下を続けた。
T4細胞は平均は30患者において4ケ月後に4.3%増加
し、10患者において8ケ月後に8.0%増加し、そして6
患者において12ケ月後に17%に増加した。わずか2人の
患者(平均ベースラインT4=82細胞)が連続的なrIn
(C12,U)治療を受けながらAIDSに発展し、そして2
ケ月間治療を中断した。他の1人のARC患者はカポシ肉
腫になった。
これらのデータが示すところによれば、その絶対T4リ
ンパ球レベルが150細胞/mm3未満である感染固体はT4細
胞の減少速度を下げるためにかなりの量の薬物を必要と
するが、しかしながら、150〜300の範囲の患者は低い投
与レベルにおいて効果的に維持される。これらのデータ
ーはまた、HIV患者の状態の極端な悪化の前に医療を開
始することが重要であることを示している。
これらのデーターはまた、dsRNA欠損の程度(T4細胞
の絶対数により間接的に、しかし正確に評価される)
と、欠損を修正しそして患者を完全な健康に回復せしめ
るために必要な外来dsRNAの量(重く感染していない
か、又は感染していない個体におけるT4細胞数に近い値
へのT4細胞数の回復として)との間の直接的関連を示
す。すなわち、T4欠損が大きくなるに従って、欠損を回
復するのに必要なdsRNAの量が多くなる。
例6. パラミキソウイルス感染におけるdsRNA置換療法 適切な置換(replacement)療法を必要とする一時的d
sRNA欠損の他の例は、小児の免疫系が十分に発達してい
ない場合の小児の発育及び新生児の種々の時期である。
これらの場合において、青年期又は成人の自己限定的感
染であるべき感染から生命を脅かす可能性のある感染が
起こるかもしれない。特定の例は次の通りである。パラ
ミキソウイルス科の構成員、例えば呼吸器シンシチアル
ウイルス(RSV)は、まだ十分に発達していない免疫イ
ントリアシック(intriasic)抗ウイルス防御系を有す
る小児(典型的には生後6〜18ケ月)において急性気管
支梢炎を生じさせる場合がある。この様な場合に、本発
明者は下に、dsRNA〔rIn・r(C12,U)〕を用いる置
換療法が決定的であり、そして、さもなければ致命的で
ある事態を回避せしめることを示す。
この新規な洞察を発展せしめるため、本発明者は標準
的実験室条件下でCCL25と称するヒト羊膜由来のセルラ
インを増殖せしめた。CCL25細胞(アメリカン・タイプ
・カルチュアー・コレクションから得られる)はヒト新
生児気管支梢組織と類似の態様でRSのVの増殖及び複製
を支持する。添付された表は、本発明者が独立してヒト
においてよく耐えられることを示した。dsRNAの量にお
いて本発明者はRSVの増幅を約99%低下せしめることが
できたことを、結論的に示している。
ミスマッチdsRNA〔rI・r(C12,U)〕(一方の鎖の
塩基がイノシンであり、他方の鎖の塩基がシトシンとウ
ラシルを12:1で含む二本鎖RNA)の最高濃度25μg/mlはC
CL25細胞に対して非毒性であった。
(a)24ウエルプレート中4連のウエルのコンフルエン
トCCL25細胞に、上に示された濃度で、dsRNAを含有する
維持培地1.5mlを、RSV−感染細胞をプレートする1時間
前に再供給した。模倣処理細胞にdsRNAを含有しない維
持倍地を再供給した。
(b)懸濁液中4×104個のCCL25細胞を、5×105PFUの
RSVを含有する合計容量1ml中に感染せしめた(MOI=1
2)。細胞の間欠的な再懸濁を伴う37℃での2時間のイ
ンキュベーションの間にウイルスの吸収が生じた。この
期間の終りにおいて、懸濁液を維持倍地中に1/100に稀
釈した。0.5mlのアリコートの感染細胞懸濁液を各実験
ウエル、及び各感染中心一対照ウエルに直接添加した。
すべての培養物を37℃にて5%CO2/95%空気中で72時間
インキュベートし、メタノールで固定し、そしてギーム
ザ(Giemsa)により染色した。プラーク(感染中心)を
顕微鏡により観察した。
moiは、多重度染度、すなわち各標的細胞に感染せし
めるのに用いられるウイルス粒子の概数である。PFUは
プラーク形成ユニット、すなわち細胞毒性(死細胞)を
計数することによって決定されるウイルスユニットの数
である。
RSVにより誘導される感染中心の形成はウイルスの細
胞から細胞への直接的拡散を含むことが確立されるの
で、本発明者は今や、dsRNAの細胞内濃度を単に上昇せ
しめることにより、本発明者は他の体組織に有意な不都
合な効果を伴わないでRSVの細胞から細胞への拡散を効
果的に減少せしめることができることを確立した。
すなわち、他の潜在的に自己限定的な病原体、例えば
RSV(パラミキソウイルス科)、及び鼻/気管/気管支
一木に影響を与える他のRNA生成ウイルス、例えばライ
ノウイルス、又はインフルエンザウイルスが、dsRNA置
換療法機構に効果的に含まれるであろう。病原体の極所
的侵入門、例えば(限定的ではないが)気導は、本質的
に又は一時的に低いdsRNA含量を有するであろう(ここ
でdsRNAは、病原体の複製/組織誘導病理を妨害する免
疫/抗ウイルス防御カスケードを開始する分子のいずれ
かとして機能的に定義される)。
例7. 肝炎の治療 AIDSを伴う患者における肝疾患についての多くの総説
が過去2〜3年間にわたり文献に登場している。繰り返
されるテーマは、針でねらった生検体及び検死の際の検
体の両者における広範な組織学的知見である。下記の研
究において、AIDSの診断のためのU.S.Center of Diseas
e Control、アトランタ、ジョージア、米国の規準が満
足された。広範の肝炎疾患を有することが見出された患
者典型的な症状は全く非特異的であり、そして体重の低
下、熱、リンパ腺症、肝脾種、腹痛を踏む。血清トラン
スアミナーゼは典型的にはほとんどのAIDS患者において
上昇する。不相応に高い上昇したアルカリホスファター
ゼの傾向が存在する。アルカリホスファターゼのこの様
な上昇は肉芽種疾患の組織学的診断と関連する。選択さ
れない患者(すなわち、肝種及び肝機能試験の上昇を有
する患者における生検試験ではなく、偏らない患者選
択)において行われた検死研究は不遍的に広範な肝内病
理を示している。AIDS患者の全検死ケースの約80〜90%
が異状な肝解剖所見を示す。肝障害には血管うっ血、門
脈炎症、脂肪症、病巣壊死、肉芽種、胆汁うっ滞、硬
変、及びリッペル細胞増生(頻度のおよその順序)が含
まれる。興味あることには、検死におけるカポシ肉種の
肝内診断は1つの研究において最も一般的に、特異的肝
内病原(18%)であった(Schneiderman等、Annals Int
ernal Med.,Vol.105,207頁、1987)。
胆のう疾患が最近少数のAIDS患者において記載されて
いる。分離された臨床報告は硬化生胆管炎、肝内破壊胆
道病変、及び良性肝外胆汁閉鎖を記載した。これらのケ
ースにおいて特定の病原体は報告されておらず、サイト
メガロウイルスが、生検に基く組織病理学的知見に対し
て二次的な可能性ある原因として記載されている。良性
の肝外胆汁閉鎖を有するAIDS患者において、共通の症状
は肝臓右上4分の1の痛み及び中程度のビリルビン上昇
である。検死又は腹壁切除術において、線維症に対して
二次的なバター(vater)のアンプライ(ampulai)構造
の診断が行われた。肝外閉鎖の少なくとも2つの例にお
いて、胆のう樹(biliarytree)からクリプトスポリジ
ア(cryptosporidia)が単離された。他の例において、
バーター(vater)のアンプラエ(ampulae)の近傍でサ
イトメガロウイルス封入体が顕著であった。肝内胆管炎
の上記の例において、特定の病原体は知られておらず、
そして特定の病原体はこれらの不全の病原性において偶
然的な役割を有するに過ぎないであろう。
dsRN注入〔rI.r(C12,U)、200mg、週2回、i.v.〕
はまた肝炎Bウイルス(HVB)増殖に伴う基本的な細胞
異状を修正し、そして有意に軽減することを本発明者は
決定した。この洞察は確立するため次の方法を用いた。
HBV−特異的DNAについての血清又は血漿の評価 肝炎Bウイルスの存在を示す、血清又は血漿に関連す
るHBV DNAの存在はスロットブロットハイブリダイゼー
ションにより決定された。血清サンプルをNH4OAcに1M塩
の最終濃度に稀釈した。72−壁のマイクロ濾過装置(Sc
hleicher & Schuell,Keene,N.H.)を用いて、サンプル
を直接、1M NH4OAcに10分間あらかじめ浸漬したニトロ
セルロースフィルターに直接適用した。DNAをその場で
アルカリにより変性し、そして中和した。正常ヒト血清
中の精製HBV DNAの稀釈物を同じ方法において測定し各
スロット−ブロットハイブリダイゼーションを定量し
た。フィルターを加熱し、プレハイブリダイズせしめ、
ハイブリダイズせしめ、そして高ストリンジエンシー条
件下で洗浄し、そして標準的条件下で(Maniatis,T.,Fr
itsch,E.F.及びSambrook,J.,Molecular Cloning:A Labo
ratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold S
pring Harbor,1982)オートラジオグラフ処理した。ハ
イリダイゼーションにおいて使用したHBVプローブDNA
は、EcoRI部位にクローン化したHBV DNA(HBsAG血清型a
dw2)の単一の単位長さのコピーを含有する組換プラス
ミドから得られた。プラスミドをEcoRIで消火し、そし
てHBV DNAを2回、分取用アガロースゲル電気泳動及び
電気溶出により精製した。精製されたHBV DNAを、ラン
ダムプライムレベル化法(Feinberg,A.P.及びVogelstei
n,B.,Analyt.Bioohem.132:6−13,1983)を用いて、32P
−dCTPにより1〜2×109cpm/μgの比活性にラベルし
た。この測定により得られる感度レベルは1pgのHBV DNA
である。この感度レベルにおいて、本発明者は2.9×105
分子のHBV DNAを検出している。
得られたオートラジオグラフを相対強度の程度につい
て評価し、そして観察された強度に従って数値的にラン
ク付けし、そして次の表に報告する。治療の日数を
( )内に示す。
注:T=0(治療前)。+は32Pを含有するウイルスD
NAに5日間暴露したX線フイルムの相対シグナル強度で
ある。+が多くなるに従って(例えば1+対応する3
+)はX線フイルム上のシグナル強度がより高く、そし
てスロット−ブロットがより大きいことを意味し、ウイ
ルスDNAがより多く存在することを示す。ウイルス測定
の感度を増強するため、患者の血清の種々の稀釈物、典
型的には1:40,1:200,1:400、及び1:1500の稀釈物を用い
た。スロットブロットをデンシトメーターで追跡するこ
とにより確認的結果が得られた。この方法はSchleicher
& Schnellにより提供される試薬(物質番号No.370 2/
284)に基いた。Abbott Laboratoriesから入手されるウ
イルス特異抗原分析(ヒト血清又は血漿注の肝炎B表面
抗原の検出のための免疫測定)キット(1985年7月、83
−0804/R12)を用いて補足的結果が得られた。
本発明者の発明が公に知られ、さらに開発され、そし
て他の状態/感染/不全に適用されるに従って、広範な
実験室データに頼ることなく、そしておそらく本発明者
がこの明細書に記載する科学的洞察及び新規さにも頼ら
ないでdsRNA欠損の臨床的診断を行うことが可能とな
る。多くの自明でないdsRNA欠損状態が存在し得る。例
えば、IFNは増殖経路のフィードバック阻害物質として
自然に機能する(Aullo等、Cell,Vol.43,793頁、1985)
ので、そしてdsRNA依存性介在物質がこれらの事象を行
うので、分化を行い、又は発癌/転移の可能性を有する
細胞はdsRNA−依存性であろう。
上記の例から次のことが明らかである。生物的機能
(例えば、外来IFNに対する細胞の応答)又は生化学的
機能(例えば、2−5Aシンセターゼの上昇)又は2′−
5′オリゴアデニレート経路の中間体の存在の相互関連
により、本発明者はdsRNA欠損状態を容易に診断するこ
とができ、そして次記の種々の方法により障害の程度を
定量することができる。
(a)内因性2′,5′オリゴアデニレートの濃度の決
定; (b)高圧液体クロマトグラフィーによる患者のサンプ
ルからの2−5Aの分子サイズ及び2−5A濃度の定量分
析; (c)リボゾームRNA開裂測定による、患者において生
体内で合成された2−5Aの生物学的機能の証明; (d)患者のサンプル中の遊離(非結合)RNアーゼLの
レベルを決定するための、2′,5′−p3A432P〕−
3′−pCpによる結合測定; (e)患者のサンプル中で合成された2−5AによるRNア
ーゼLの活性化の特異性を特徴付けるためのpoly U−〔
32P〕−pCpによるコアー−セルロース測定(アフィニテ
ィークロマトグラフィー); (f)患者のサンプル中で合成された2−5Aにより活性
化されたRNアーゼLのレベルを決定するための、リボゾ
ームRNA開裂測定; (g)患者のサンプル中の活性化されたRNアーゼLのレ
ベルを決定するためのリボソームRNA開裂測定。
これらの方法の幾つかは、本発明者の、1987年8月12
日に出願された“Elaboration of Host Defense Mediat
ors into Biological Fluid"と題する米国出願No.028,8
23号明細書、及び1987年7月17日に出願された“Double
Stranded RNA Correc−tion of Aberrant Metabolic P
athways"と題する米国出願No.074,649号明細書に記載さ
れている。
dsRNA充足状態も存在し得る。例えば、CML及びハーリ
ー(hairy)細胞白血病(HCL)はしばしば唯一の療法と
して与えられたIFNに対して応答性であり、そして天然d
sRNA充足の細胞内状態を反映する。この概念を支持する
ため、本発明者は、IFNで処理されたHela細胞の核にお
けるのと同様の、HCLを有する未治療の患者からの単核
血液細胞の核における2−5Aシンセターゼを活性化する
dsRNAのレベルを見出した。
ミスマッチdsRNA 多くのdsRNAが種々のリンホカイン、例えばIFNを誘導
することができ、そして2−5Aシンセターゼを活性化す
ることができるが、すべてのdsRNAがこれらの性質を有
するわけではない。合成dsRNAの内、poly(I):poly
(C)はINFの卓越した誘導物質であり、そして2−5A
シンセターゼの活性化物質であるが、しかしまた非常に
毒性が高い。poly(I):poly(C12,U)は、“ミスマッ
チdsRNA"、又はアンプリゲン(Ampligen)(HEMリサー
チ社、ロックビル、メリーランド、米国)とも称され、
ポリピリミジン鎖中にラウシル残基を規則的に含有す
る。このミスマッチは生物学的活性を破壊することなく
迅速な生物分解を誘導する。例えば、poly(I):poly
(C12,U)は抗ウイルス、抗腫瘍及び免疫増強活性を示
し、そして非毒性である。
広範囲のウイルス及び癌療法における置換療法剤として
のdsRNA ミスマッチdsRNAは、広範囲の抗ウイル及び免疫増強
薬であるため、ARC治療を含む慢性ウイルス感染治療の
ために特に適し、そして高投与量においても長期毒性を
実質上有しない。200〜250mgのpoly(I):poly(C12,
U)により週2回静脈内投与された45人の患者について
の本発明者のデーターは、有意な副作用を伴わない、改
善された性能を伴うT及びB細胞免疫の持続的な増強及
びウイルス(HIV,CMV及びヘルペス)濃度の急速な低下
を示す。多くの患者において、臨床応答は約18ケ月間に
わたり続き、又はdsRNA療法(100〜400mg、週2回)を
続ける限り続く。幾つかのケースにおいてはさらに多く
の投与量及びさらに頻繁な投与が必要である。AIDS患者
におけるウイルス感染及び免疫障害は患者ごとに異り、
そして単一の薬物がすべての可能性ある臨床問題を解決
することは期待できない。しかしながら、dsRNAは種々
の治療法において中心的役割を演ずるであろう。例え
ば、ミスマッチdsRNAはT4細胞のHIV感染のブロックにお
いてAZTとの相乗性を示し(本発明者の係属中の米国特
許出願No.028,823)、ミスマッチdsRNAと非常に低投与
量のAZTが、ARCを含む感染の初期において重量な組み合
わせである。dsRNA及びIL−2の両者はT細胞、NK細胞
及びLAK細胞の活性を増強し、そしてそれ故にさらに、
組み合わせた場合、本発明者は2種類の生物学的物質が
付加的な毒性を伴わないで療法的相乗作用を演じたこと
を示した。さらに、IFNがB細胞及び単球の分化を増強
する限り、ある種のリンホカインが、HIVが対する特異
的中和抗体を促進しそして単球殺作用を増強するdsRNA
の能力を増加することを、本発明者は明らかにする。同
様に、レチノイドがT4細胞の数を増加し、そしてIFNに
よるT細胞及びB細胞の両方の分化を促進するので、ds
RNAとレチノイドとの組み合わせもARC及びAIDSにおいて
追加の利点を提供するであろう。dsRNA及び胸腺ペプチ
ドの組み合わせもまた、特に非常に低いT4細胞数を有す
る患者において特に、T4細胞回復効果を有するであろ
う。最後に、dsRNAが、IFN α又はIL−2のいずれかの
添加により増強され得るカポシ肉腫細胞に対する直接的
抗増殖活性を示す事実は、進行した疾患における新しい
制癌療法を示唆する。AIDSにおける血液細胞パラメータ
ーの調節が増加したCNSの問題を明らかにするであろ
う。この目的のため、ミスマッチdsRNAはネズミの血液
脳関門を脳実質細胞中のオリゴ2′5′アデニレートシ
ンセターゼを活性化するのに十分な量で通過し、従っ
て、dsRNAと血液脳関門を通過するリンホカインのでと
き他の薬物との組み合わせがウイルス関連痴呆において
有用であろう。リンホカインは、インターフェロン、好
ましくはインターフェロン−α、インターロイキン、特
にインターロイキン−2(IL−2)及び組織インターロ
イキン−2(rIL−2)、並びに腫瘍壊死因子(TNF)を
包含するものと理解される。さらに、リンホカインへの
暴露に応答して動物中で形成されるリンホカイン−活性
化キラー(LAK)細胞も含まれる。
リンホカインとしてインターフェロン(α)が使用さ
れる場合、患者の体液当り0.01〜100,000IRUの量で使用
される。リンホカインがIL−2、特にrIL−2である場
合、投与される量は患者の体重kg当り約102IL−2ユニ
ット〜患者における許容されない毒性レベルに近い値
(これは106IL−2ユニットと高い)までの範囲にわた
る。しかしながら、最も効果的な、毒性応答を管理し得
る値は体重kg当り約103〜約104IL−2ユニットである。
dsRNAの通常の投与量は、患者の体液ml当り0.1〜1,00
0μgである。ここで体液なる語は、生物体を循環しそ
して組織を満たしている血清、塩類、ビタミン等の溶液
を意味する。両薬物(dsRNA及びリンホカイン)が投与
される場合、これらは混合物として、別々にしかし同様
に、又は逐次に投与され得る。
dsRNA及びリンホカインの“組み合わせ”投与は、両
薬物を療法混合物として一緒に投与する方法、二種類の
薬物を別々にしかし同時に投与する方法を包含する。
第1図は、宿主の病的状態を導く典型的なdsRNA欠損
及び宿主の回復を導くdsRNAの充足を示すフローチャー
トである。生物活性dsRNAが細胞内で生産され又はある
種のウイルス(例えば、EMC)により導入され、そして
リンホカインの生産及び介在物質の活性化を含む一連の
酵素的事象を開始し、これが抗ウイルス状態並びに免疫
細胞の分化及び宿主の回復を導く。種々のウイルス(例
えばHIV)又は腫瘍細胞により導入されるdsRNAは阻害物
質として作用することによりこの経路を破壊することが
できる。生理的事象はdsRNA生産を制限し、又は異常なd
sRNAの生産を惹起することができる。このような異状は
慢性感染及び宿主の病的状態を導く。HIV及び他の慢性
感染において、免疫機能低下はまた、RNアーゼLの阻害
物質からも生じ(他の経路として示される)、これは適
切に構成された外来dsRNAの供給により克服される。
第2図A及びBは、MNC又はCML患者におけるミスマッ
チdsRNAによる2′5′オリゴアデニレートシンセター
ゼの誘導を示す。CML患者をIFNのみにより7日間治療し
(第2図A)、そしてミスマッチdsRNA及びIFNにより治
療した(第2図B)。治療の前又は治療中の時点で、シ
ンセターゼ活性をフィコールで精製されたMNCにおいて
測定した。
第3図Aは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動プレー
トの写真であり、トラックの番号及び各トラックのバン
ド又はゾーンを示す。CML患者のMNC中の新しい開裂生成
物と関連するRNアーゼLの活性の上昇がこのプレート上
に示される。rRNAを供給するがしかしRNアーゼLを供給
しないハンガリアンL929細胞はブタペスト条約に基き、
アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクションにATCC
No.CRL9659として寄託されており、L929細胞はCCL1とし
て寄託されており、CML患者からのMNCはKarik,Ludwing
及びSilverman等に従って調製され、そしてMNCからのRN
アーゼLは、1987年7月17日に出願された本発明者の米
国特許出願No.079,649に記載されているようにして測定
した。
第3図Bもまた、ポリアクリルアミドゲル電気泳動プ
レートの写真であり、rRNA開裂測定により決定する場
合、ARC患者のPBMC抽出物中のRNアーゼL阻害因子の存
在を示す。L929細胞RNアーゼL及びrRNAの両者を提供す
る)抽出物及びMNCはKariko,Ludwig及びSliverman等の
方法により調製した。
レーン1:18μのL929細胞抽出物(全蛋白質15μg)
をMNC溶解のために使用されるNP40緩衝液40μ+水5.5
μの存在下でインキュベートした。
レーン2:レーン1と同じであるが、水の代りに5.5μ
の5×10-8Mの真正なp3AB3をインキュベーションに加
えた。
レーン4:18μのL929細胞抽出物をAC患者からのMNC
抽出物4μ(全蛋白質100μg)及び5.5μの水と共
にインキュベートした。
レーン5:18μのL929細胞抽出物を健康な個体からの
MNC抽出物4μ(全蛋白質100μg)及び5.5μの水
と共にインキュベートした。28S及び18S rRNA、並びに
正常なレベルの2′5′A活性化RNアーゼL特異的開裂
生成物を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、宿主の病的状態への経路及び宿主の回復への
経路を示すフローチャートである。 第2図において、Aは示された量のINN療法の開始の前
後の日数とシンセターゼ活性との関係を示すグラフであ
り、Bは治療の120日後のミスマッチdsRNAの量及び白血
球数を比較するグラフである。 第3図は、各トラックの種々のゾーン及びバンドを示す
ポリアクリルアミドゲル電気泳動プレートの写真であ
る。 第4図は、血液mm3当りのT4リンパ球の絶対数を、ベー
スラインからの変化の%として、治療後の経過月に関し
て比較するグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】肝炎感染、パラミキソウイルス感染及び慢
    性疲労症候群から成る群から選択された二本鎖RNA(dsR
    NA)欠損疾患の治療のためのdsRNAを含んで成る医薬組
    成物。
  2. 【請求項2】dsRNAがミスマッチRNAである、請求項1に
    記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】dsRNAがrIn・r(C11-14,U)である請求
    項2に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】前記dsRNAがポリアデニル酸とポリウリジ
    ル酸との複合体である請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】dsRNAがミスマッチであり、そして5個中
    の1個〜30個中の1個のウラシル又はグアニジン塩基を
    含有するポリイソシアネート及びポリシチジネートの複
    合体である、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】患者の体液ml当り1〜1000マイクログラム
    のレベルをもたらす量のミスマッチ二本鎖RNAを含有す
    る、請求項1に記載の医薬組成物。
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