JPH08258830A - 多層容器 - Google Patents

多層容器

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JPH08258830A
JPH08258830A JP6557495A JP6557495A JPH08258830A JP H08258830 A JPH08258830 A JP H08258830A JP 6557495 A JP6557495 A JP 6557495A JP 6557495 A JP6557495 A JP 6557495A JP H08258830 A JPH08258830 A JP H08258830A
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JP
Japan
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container
layer
layer interface
flange
outer peripheral
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Application number
JP6557495A
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English (en)
Inventor
Eitaro Fukutaka
永太郎 福高
Takahiro Kokubo
孝宏 小久保
Noboru Iwato
昇 岩戸
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 層界面の剥離のない多層容器。 【構成】 少なくとも2層の熱可塑性樹脂層からなる多
層シートを熱成形してなるフランジ付き容器において、
(イ)容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器の
フランジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層界面
が、凹凸を有することを特徴とする多層容器、さらに、
少なくとも3層の熱可塑性樹脂層からなる多層シートを
熱成形してなるフランジ付き容器において、前記と同様
の凹凸を有する多層容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂層からな
る多層シートを熱成形してなる多層容器に関するもので
あり、さらに詳細には、層界面の接着性が改良され、層
界面の剥離のない多層容器に関するものである。本発明
の多層容器は、食品用容器、特に味噌容器、ハム容器等
のガスバリアー性を必要とする透明な多層容器として好
適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂層からなる多層容器
は、食品用容器等として多数使用されている。これらの
多層容器は、多層容器を構成する各層界面の接着性を保
持する為に、互いに接着性のよい樹脂を用いるか、接着
性の悪い樹脂間に接着剤層が設けられているのが、一般
的である。又、食品の鮮度・香り保持等の要求が増加
し、容器内容物の酸化劣化を防ぐために酸素に対するバ
リアー層を設けた多層容器が要望されているが、バリア
ー層を設けた多層容器においては、バリアー層樹脂が、
一般的に他樹脂層と接着性が悪いため、バリアー層の外
側に接着剤層を設けることが行われているが、この場
合、接着強度不足や接着剤が樹脂のリサイクルの妨げに
なる欠点がある。
【0003】最近、ポリエチレンンテレフタレートを主
体とする熱可塑性ポリエステル樹脂は、その素材の優れ
た力学的性質、透明性、2次加工性、耐薬品性、保香
性、衛生性等に着目されてシート及び容器等に成形さ
れ、包装材料として広範に利用されている。特に近年、
廃棄物の焼却処理による環境汚染問題から、塩化ビニル
樹脂の代替として注目され、生産量が急速に伸びてい
る。しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂層間にバ
リアー層を設けた3層容器とした場合、容器開口部の層
界面が露出した部分に力が加わった時、剥離のきっかけ
を生じやすいという欠点がある。剥離のきっかけが発生
すると、落下等で衝撃的な力がかかったり、急激な温度
変化に曝されるとさらに剥離が広がる欠点がある。又、
シールフィルムで開口部をシールする容器では、剥離が
広範囲にわたると、フィルムが上手く剥離せず中身が取
り出しがたくなるといった不具合が生じ、また、外観も
悪く、包装体としての商品価値が低下する。そこで、剥
離防止のため、熱可塑性ポリエステル樹脂層とバリアー
層の間に接着剤層を設け、5層構成等とすることが行わ
れるが、この場合、シートのスクラップのリサイクル及
び使用済みの容器のリサイクルができない欠点がある。
【0004】一方、多層シートの熱成形においても、フ
ランジ外周部を薄肉化し、シート溶融状態で薄肉部を特
殊カッテイ ングすることによりエッジ部にバリア層が露
出しない容器を形成する方法が、特開平5ー50499
に開示されている。この技術は特殊加工を要するためコ
ストアップになり実用的でなく、また表面にポリプロピ
レン等のポリオレフィン樹脂を用いた場合に実用可能な
ものであり、ポリエステル系樹脂には適さない技術であ
る。従って、表面層が熱可塑性ポリエステル樹脂からな
り、かつ、中間層にバリアー層を有し、リサイクル可能
なシートを熱成形して得られる多層容器で、層界面の接
着性、ガスバリアー性、透明性及び強度に優れ、しかも
経済的な方法で製造可能な多層容器が望まれているが、
現在のところ実用的な多層容器は見いだされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、層界
面の接着性が改良された多層容器を提供することであ
る。本発明者らは、少なくとも2層の熱可塑性樹脂層か
らなる多層シートを熱成形してなるフランジ付き容器に
おいて、層界面の接着性の向上を種々検討した結果、
(イ)容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器の
フランジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層界面
に、凹凸を付与することにより層界面の接着性が改良さ
れることを見いだし本発明に到達した。又、本発明者等
は、特に熱可塑性ポリエステル樹脂とバリアー層からな
るバリアー層をもった多層容器において、(イ)容器の
フランジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周
部の層界面及び容器底部接地部の層界面に、凹凸を付与
することにより、容器の層界面の接着性が向上し、使用
済み容器のリサイクルが可能になることを見いだし本発
明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
少なくとも2層の熱可塑性樹脂層からなる多層シートを
熱成形してなるフランジ付き容器において、(イ)容器
のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外
周部の層界面及び容器底部接地部の層界面が、凹凸を有
することを特徴とする多層容器である。本発明の第2の
発明は、少なくとも3層の熱可塑性樹脂層からなり、か
つ、中間層にバリアー層を有する多層シートを熱成形し
てなるフランジ付き容器において、(イ)容器のフラン
ジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周部の層
界面及び容器底部接地部の層界面が、凹凸を有すること
を特徴とする多層容器である。
【0007】本発明の第3の発明は、少なくとも3層の
熱可塑性樹脂層からなり、かつ、表層がエチレンテレフ
タレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエス
テル樹脂を含有し、中間層が下記(a)成分、又は
(a)成分と下記(b)成分からなる樹脂組成物を含有
する多層シートを熱成形してなるフランジ付き容器にお
いて、(イ)容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)
容器のフランジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層
界面が、凹凸を有することを特徴とする多層容器であ
る。 (a)成分:メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂 (b)成分:(a)成分以外の熱可塑性ポリアミド樹脂
【0008】本発明の第4の発明は、少なくとも3層の
熱可塑性樹脂層からなり、表層がエチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエステル樹
脂を含有し、中間層が下記(a)成分90〜50重量%
及び下記(b)成分10〜50重量%からなる樹脂組成
物を、280℃以上320℃未満の温度に加熱する履歴
を与えることによって得られる樹脂組成物を含有する多
層シートを熱成形してなるフランジ付き容器において、
(イ)容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器の
フランジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層界面
が、凹凸を有することを特徴とする多層容器である。 (a)成分:メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂 (b)成分:(a)成分以外の熱可塑性ポリアミド樹脂
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、少なくとも2層の相互に接着性のない熱可塑性樹脂
又は相互に接着性の弱い熱可塑性樹脂層からなる多層シ
ートを熱成形してなるフランジ付き容器において、容器
の層界面の接着性を向上させるために、(イ)容器のフ
ランジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周部
の層界面及び容器底部接地部の層界面に、凹凸を付与す
ることを特徴としたものである。本発明で用いられる熱
可塑性樹脂は、特に制限はなく、一般的にシート熱成形
が可能なものが使用できる。本発明の熱可塑性樹脂の組
み合わせとしては、相互に接着性のない樹脂の組み合わ
せ又は相互に接着性の弱い樹脂の組み合わせの場合があ
り、各種の組み合わせが可能である。熱可塑性樹脂とし
ては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、耐衝
撃ポリスチレン、スチレンーブタジエンースチレンブロ
ックポリマー等のスチレン系樹脂、さらに、バリアー樹
脂、ナイロン等を用いることもできる。
【0010】本発明の第2の発明は、相互に接着性のな
い樹脂又は相互に接着性の弱い樹脂を用い、少なくとも
3層の熱可塑性樹脂層からなり、かつ、中間層にバリア
ー層を有する多層シートを熱成形してなるフランジ付き
容器において、(イ)容器のフランジ外周部の層界面又
は(ロ)容器のフランジ外周部の層界面及び容器底部接
地部の層界面に、凹凸を付与することにより、容器の層
界面の接着性を向上させたものである。表面層の樹脂と
しては、一般的にシート熱成形が可能な各種の熱可塑性
樹脂が用いら、具体的には、熱可塑性ポリエステル樹
脂、オレフィン系樹脂及びスチレン系樹脂等が用いられ
る。好ましくは熱可塑性ポリエステル樹脂である。又、
バリアー樹脂としては、メタキシリレン基含有ポリアミ
ド樹脂及びエチレンービニルアルコール共重合体等が用
いられ、好ましくはメタキシリレン基含有ポリアミド樹
脂である。
【0011】本発明の第3の発明は、少なくとも3層の
熱可塑性樹脂層からなり、かつ、表層がエチレンテレフ
タレートを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエス
テル樹脂を含有し、中間層が(a)成分(メタキシリレ
ン基含有ポリアミド樹脂)、又は前記(a)成分と
(b)成分((a)成分以外の熱可塑性ポリアミド樹
脂)からなる樹脂組成物を含有する多層シートを熱成形
してなるフランジ付き容器において、(イ)容器のフラ
ンジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周部の
層界面及び容器底部接地部の層界面に、凹凸を付与する
ことにより、容器の層界面の接着性を向上させたもので
ある。
【0012】本発明の第4の発明は、少なくとも3層の
熱可塑性樹脂層からなり、表層がエチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とする熱可塑性ポリエステル樹
脂を含有し、中間層が(a)成分90〜50重量%及び
(b)成分10〜50重量%からなる樹脂組成物を、2
80℃以上320℃未満の温度に加熱する履歴を与える
ことによって得られる樹脂組成物を含有する多層シート
を熱成形してなるフランジ付き容器において、(イ)容
器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ
外周部の層界面及び容器底部接地部の層界面に、凹凸を
付与することにより、容器の層界面の接着性を向上させ
たものである。
【0013】本発明でいう熱可塑性ポリエステル樹脂
は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とす
る熱可塑性ポリエステル樹脂であり、通常酸成分の80
モル%以上、好ましくは、90モル%以上がテレフタル
酸であり、グリコール成分の80モル%、好ましくは9
0モル%以上がエチレングリコールであるポリエステル
を意味し、残部の他の酸性分としてイソフタル酸、オル
トフタル酸、ジフェニルエーテル4,4’−ジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジオン酸、、スルホイソフタル酸、ヘキサヒドロキシ
テレフタル酸、また他のグリコール成分として1,2−
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、1,4−ジシクロヘキサンジメ
タノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、またはオキシ酸としてp−オキシ安息香
酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸等を含有するポリ
エステル樹脂を意味する。また2種以上のポリエステル
のブレンドによりエチレンテレフタレートが上記範囲と
なるブレンド物でも良い。
【0014】本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、固
有粘度の値が0.55以上であるものが用いられ、好ま
しくは0.65〜1.3のものである。固有粘度が0.
55未満では、シート成形の際に結晶化による白化を起
こし易く、透明なシートを得ることが困難であり、得ら
れた容器の機械的強度も不十分である。
【0015】また、本発明の(a)成分のメタキシリレ
ン基含有ポリアミド樹脂は、高いガスバリアー性を有す
る樹脂であり、メタキシリレンジアミン又はメタキシリ
レンジアミンと全量の80モル%以下のパラキシリレン
ジアミンを含む混合キシリレンジアミンと、炭素数が6
〜10個のα,ω−脂肪族ジカルボン酸とから生成され
た構成単位を分子内に少なくとも70モル%含有した重
合体である。
【0016】これらの重合体の例としてはポリメタキシ
リレンアジパミド、ポリメタキシリレンセカパミド、ポ
リメタキシリレンスペラミド等のような単独重合体、お
よびメタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合
体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合
体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合
体等のような共重合体、ならびにこれらの単独重合体ま
たは共重合体の成分とヘキサメチレンジアミンのような
脂肪族ジアミン、ピペラジンのような脂環式ジアミン、
パラ−ビス−(2−アミノエチル)ベンゼンのような芳
香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのようなラクタ
ム、γ−アミノヘプタン酸のようなω−アミノカルボン
酸、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノ
カルボン酸等とを共重合した共重合体等が挙げられる。
上記共重合体においてパラキシリレンジアミンは全キシ
リレンジアミンに対して80モル%以下であり、またキ
シリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから生成され
た構成単位は分子鎖中において少なくとも70モル%以
上である。
【0017】メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂は、
相対粘度が1.5以上、好ましくは2.0〜4.0であ
ることが必要である。相対粘度が1.5未満では、非晶
状態では脆いため使用困難である。
【0018】さらに、本発明の(b)成分である(a)
成分以外の熱可塑性ポリアミド樹脂としては、ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン4,6、ナイロン6−6,
6共重合体等の重合体が使用できる。
【0019】本発明の第4の発明では、中間層が(a)
成分90〜50重量%及び(b)成分10〜50重量%
からなる樹脂組成物を、280℃以上320℃未満の温
度に加熱する履歴を与えることによって得られる樹脂組
成物を含有するものであり、中間層の樹脂組成物は、多
層シートを得るまでに280℃以上320℃未満の樹脂
温度の熱履歴を少なくとも1回経ることが必要である。
これにより、アミド交換反応が起こると推定される。こ
の樹脂組成物により、脱偏向光度法による測定法で、1
60℃の定温結晶化にて、1/2結晶化時間が10秒以
上のシートが得られ、それによりガスバリアー性、強度
及び2次加工性に優れた透明性多層シートが得られる。
シートの1/2結晶化時間を10秒以上にすることによ
り、容器成形時間が適度に選択でき、品質の良い製品の
製造が可能になる。
【0020】尚、中間層の樹脂組成物を、280℃以上
320℃未満の樹脂温度に加熱して、少なくとも1回の
熱履歴を与える工程は、シート成形時でもよく、又、シ
ート成形前の混練時に与えることも可能である。シート
成形前に熱履歴を経た樹脂組成物を使用する場合は、シ
ート成形時の温度を280℃未満の温度で行っても透明
なシートを得ることが可能である。樹脂組成物の熱履歴
温度が280℃未満では、バリアー性、強度及び2次加
工性が良くなく、透明性が悪いシートしか得られない。
さらに、このシートを真空成形等の熱成形する際の成形
可能温度幅が極端に狭くなり、安定して容器等の成形が
出来ない等の欠点がある。一方、熱履歴温度が320℃
以上の場合は、樹脂が劣化し力学特性が低下し、加熱に
より変色が進む欠点がある。又、中間層の樹脂組成物の
熱履歴の時間は特に制限がなく、160℃の定温結晶化
における1/2結晶化時間が10秒以上になるものが得
られる条件であればよい。
【0021】本発明に用いられる熱可塑性樹脂またはそ
の樹脂組成物中には必要に応じて着色剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、熱酸化防止剤、抗菌剤、滑剤、耐ブロ
ッキング剤、安定剤などの添加剤を適当な割合で含有す
ることができる。
【0022】樹脂組成物を混合する方法は、特に限定さ
れるものではなく、任意の方法で行われる。例えば、ヘ
ンシェルミキサーで予備混合した後、バンバリーミキサ
ー、2軸押出機等で機械的に混練する方法がある。
【0023】本発明の多層シートは、無延伸シート及び
延伸シートとして製造及び使用可能であるが、特に無延
伸シートとして使用できる利点がある。多層シートの厚
みは0.2〜2mmが好ましく、特に好ましくは0.3
〜1.5mmである。シート各層の厚みは特に制限はな
いが、バリアー層及び中間層の厚みは、ガスバリアー性
の観点から10μm〜500μmであり、特に好ましく
は15μm〜150μmである。又、多層容器について
は、多層容器の厚さは0.1〜1.7mmが好ましく、
特に好ましくは0.2〜1.2mmである。多層容器の
バリアー層及び中間層の厚みは、15μm〜150μm
が好ましい。
【0024】本発明の多層容器は、少なくとも2層の熱
可塑性樹脂層からなる多層シートを熱成形してなるフラ
ンジ付き容器であり、このフランジ部は、容器口部に連
続的、又は非連続的に略環状に設置され、容器のシール
等のため平坦な部分を有する部分である。容器底部接地
部とは、平坦面に、容器の口部を上にして置いた場合
に、容器底部の平坦面に接触する部分をいう。又、容器
のフランジ外周部は、フランジ部の外側に連続的、又は
非連続的に略環状に設置された部分をいう。
【0025】本発明のフランジ付き容器においては、
(イ)容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器の
フランジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層界面
に、凹凸を形成するものであり、その形状に特に制限は
ないが、具体的には、多角錐、円柱、半円形等、及びこ
れらを組み合わせた突起物的形状があげられる。突起物
の高さは、一般的に0.1〜2mmが好ましい。本発明
において、容器のフランジ外周部の層界面又は容器底部
接地部の層界面に形成される凹凸は、各部分に、連続し
て帯状に形成されることが好ましいが、層界面の接着性
が悪くならない程度に、凹凸を不連続的に設置すること
も可能である。凹凸部は、各部分の面積全体に対して2
0〜100%の部分に形成されることが好ましく、50
〜100%の部分に形成されることが特に好ましい。
【0026】本発明の多層シートを製造するには、通常
の共押出法、ドライラミネート法、押出ラミネート法な
どの積層法を採用することが出来る。共押出法として
は、通常、複数の押出機とダイスを設置した装置が用い
られるが、マルチマニホールド法、フィードブロック法
等を採用することが一般的である。
【0027】本発明の容器は、本発明の多層シートを用
い通常の熱成形、たとえば、真空成形、圧空成形、真空
圧空成形、プラグアシスト成形、プレス成形等により製
造される。本発明のフランジ付き容器において、(イ)
容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフラン
ジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層界面に、凹凸
を形成する方法は、任意の方法が用いられる。通常、成
形金型の(イ)容器のフランジ外周部又は(ロ)容器の
フランジ外周部及び容器底部接地部を、成形する部分に
突起部を有する金型を用い、熱成形時に凹凸を付与する
方法が行われる。必要があれば、熱成形前後に凹凸を付
与する方法も可能である。通常、所望の多角錐、円柱、
半円形等、及びこれらを組み合わせた突起物を成形金型
に設置する方法が行われる。突起物の高さは、特に制限
ないが、一般的に0.1〜2mmが好ましい。
【0028】本発明の多層容器は、層界面の剥離が実用
上問題にならない多層容器であり、この多層容器は、食
品用容器、特に味噌容器、ハム容器等のガスバリアー性
を必要とする透明な多層容器として好適に用いられる。
さらに、この多層容器は、フランジ外周部に設置された
凹凸のため容器口部が変形しにくくなり、容器底部に凹
凸を有する場合は、摩擦抵抗が増大し滑りにくくなり、
商品を重ねて陳列した際に、横すべりによる落下を防止
できる副次的効果がある。又、この多層容器は、接着層
を用いない為に、容器の使用後にシート製造工程にリサ
イクルすることが可能になる利点がある。
【0029】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。
【0030】実施例1 表層(外層及び内層)を構成する熱可塑性ポリエステル
としてテレフタル酸50モル%、エチレングリコール4
7.5モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール
1.5モル%からなるIV=0.80のポリエチレンテ
レフタレート(以下PETと略す。)を用いた。中間層
を構成するメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂として
ηrel =2.7のポリメタキシリレンアジパミド(以下
MXD6と略す。)及びナイロン6(Nyと略す。)と
してηrel =3.8のものを重量組成比でMXD6:N
y=7:3で使用した。これらの樹脂を用い、多層シー
ト成形設備を使用し、共押出法により2種3層で厚み構
成比が、外層:中間層:内層=2:1:2となる厚さ
0.8mmの多層シートを成形した。なおこのシート成
形時の加工温度(溶融樹脂温度)は、中間層が290
℃、表層が280℃であった。この多層シートを図4に
示す突起部を有する成形金型(フランジ外周部突起部を
形成する部分及び容器底部接地部突起部を形成する部
分:底辺1.5mm角、高さ1.0mmダイヤ模様を設
置)の備えられた真空成形機にて熱成形し多層容器を得
た。得られた多層容器を図1に示す。又、多層容器の平
面図を図2に、X−X’断面図を図3に、フランジ外周
部突起物の拡大図を図7に、容器底部接地部突起物の拡
大図を図8に示す。得られた多層容器の評価結果を表1
に示す。
【0031】実施例2 実施例1において、中間層として、MXD6を用いた以
外は同様に行った。得られた多層容器の評価結果を表1
に示す。
【0032】実施例3 実施例1において、表層(外層及び内層)としてポリプ
ロピレン、中間層として、エチレンービニルアルコール
共重合体を用いた以外は同様に行った。得られた多層容
器の評価結果を表1に示す。
【0033】実施例4 表層(1層のみ)として0.2mm厚さのポリプロピレ
ン、基材層(1層のみ)として0.6mm厚さのスチレ
ンーブタジエンースチレンブロックポリマーの2層から
なる多層シートを成形した。この多層シートをフランジ
外周部突起物のみの備えられた真空成形機にて熱成形し
多層容器を得た。得られた多層容器を図9に示す。得ら
れた多層容器の評価結果を表1に示す。
【0034】比較例1 実施例1と同様な多層シートを用い、図10に示すフラ
ンジ外周部を形成する突起及び容器底部接地部を形成す
る突起が設置されてない成形金型が設けられた真空成形
機にて熱成形し、層界面に全く凹凸を有しない多層容器
を得た。得られた多層容器を図11に示し、多層容器の
評価結果を表1に示す。
【0035】(サンプル作成) ○未処理サンプル 内容積約1,000ccの容器に味噌を1kg充填し、
口部のフランジにシールフィルム(全体厚み200μ
m、PET/紙/アルミ箔/エチレン−酢酸ビニル系シ
ール樹脂=16μm/80μm/60μm/40μm)
をのせ、200℃、1秒間、シール圧力10kg/cm
2 にてヒートシールした後、AーPET製上蓋をかぶせ
た。この味噌充填容器に、予備衝撃処理として、高さ2
0cmより塩ビタイル床面に容器を横向きにし、同じコ
ーナー部から連続して10回落下して未処理サンプルと
した。 ○ヒートサイクルテスト後サンプル 前記未処理サンプルを用い、下記の処理を実施し、ヒー
トサイクルテスト後サンプルとした。 ・上限 40℃×90%RH 3時間保持 ・下限 ー10℃ 3時間保持 ・条件稼働 2時間/回 ・サイクル数 40回 ○落下テスト後サンプル 前記未処理サンプルをヒートサイクル試験後、高さ50
cmより、塩ビタイル床面に横向きで連続10回落下
し、落下テスト後サンプルとした。
【0036】(評価方法) ○開封性 前記、未処理サンプル、ヒートサイクルテスト後サンプ
ル及び落下テスト後サンプルにつき、予備衝撃を加えた
容器コーナー部からシールフィルムを剥がした。表1に
おいて、分母は全試験サンプル個数を示し、分子は、開
封の際にフィルムと容器層が同時に剥がれ味噌が取り出
しにくくなった個数を示す。 ○容器剥離性 開封性の評価をした容器につき、容器フランジ外周部及
び容器底部接地部の剥離状況の観察を行った。表1にお
いて、容器剥離性は、以下の4段階で示した。 1 容器全体に全く剥離なし。 2 フランジ外周部(エッジ部等)に僅かに剥離あり。 3 フランジ部及びフランジ外周部の1/3以上に剥離
あり。 4 フランジ部及びフランジ外周部の1/3以上に剥離
があり、かつ、容器胴体に剥離あり。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、接着層を有しない多層
シートを熱成形することにより層界面の接着性が改良さ
れ、層界面の剥離が実用上問題のない多層容器が得られ
る。この多層容器は、食品用容器、特に味噌容器、ハム
容器等のガスバリアー性を必要とする透明な多層容器と
して好適に用いられる。又、多層容器は、フランジ外周
部の凹凸のため容器口部が変形しにくくなり、容器底部
に凹凸を有する場合は、摩擦抵抗が増大し滑りにくくな
り、商品を重ねて陳列した際に、横滑りによる落下を防
止できる副次的効果がある。更に、この多層容器は、使
用後にシート製造工程にリサイクルすることが可能であ
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層容器の斜視図である。
【図2】本発明の多層容器の平面図である。
【図3】図2のX−X’の部分断面図である。
【図4】本発明の実施例1の成形金型の部分断面図であ
る。
【図5】図4の成形金型のフランジ外周部突起部の形成
部分の拡大図である。
【図6】図4の成形金型の容器底部接地部突起部の形成
部分の拡大図である。
【図7】本発明の多層容器のフランジ外周部突起部の拡
大概要図である。
【図8】本発明の多層容器の容器底部接地部突起部の拡
大概要図である。
【図9】本発明の実施例9の多層容器の斜視図である。
【図10】本発明の比較例1の成形金型の部分断面図で
ある。
【図11】本発明の比較例1の多層容器の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 多層容器 2 フランジ 3 フランジ外周部 4 底部接地部 5 フランジ外周部の突起部 6 底部接地部の突起部 7 金型の突起部 8 表層 9 中間層 10 容器底部 11 層界面 12 成形金型 13 エッジ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層の熱可塑性樹脂層からな
    る多層シートを熱成形してなるフランジ付き容器におい
    て、(イ)容器のフランジ外周部の層界面又は(ロ)容
    器のフランジ外周部の層界面及び容器底部接地部の層界
    面が、凹凸を有することを特徴とする多層容器。
  2. 【請求項2】 少なくとも3層の熱可塑性樹脂層からな
    り、かつ、中間層にバリアー層を有する多層シートを熱
    成形してなるフランジ付き容器において、(イ)容器の
    フランジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周
    部の層界面及び容器底部接地部の層界面が、凹凸を有す
    ることを特徴とする多層容器。
  3. 【請求項3】 少なくとも3層の熱可塑性樹脂層からな
    り、かつ、表層がエチレンテレフタレートを主たる繰り
    返し単位とする熱可塑性ポリエステル樹脂を含有し、中
    間層が下記(a)成分、又は(a)成分と下記(b)成
    分からなる樹脂組成物を含有する多層シートを熱成形し
    てなるフランジ付き容器において、(イ)容器のフラン
    ジ外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周部の層
    界面及び容器底部接地部の層界面が、凹凸を有すること
    を特徴とする多層容器。 (a)成分:メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂 (b)成分:(a)成分以外の熱可塑性ポリアミド樹脂
  4. 【請求項4】 少なくとも3層の熱可塑性樹脂層からな
    り、表層がエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
    位とする熱可塑性ポリエステル樹脂を含有し、中間層が
    下記(a)成分90〜50重量%及び下記(b)成分1
    0〜50重量%からなる樹脂組成物を、280℃以上3
    20℃未満の温度に加熱する履歴を与えることによって
    得られる樹脂組成物を含有する多層シートを熱成形して
    なるフランジ付き容器において、(イ)容器のフランジ
    外周部の層界面又は(ロ)容器のフランジ外周部の層界
    面及び容器底部接地部の層界面が、凹凸を有することを
    特徴とする多層容器。 (a)成分:メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂 (b)成分:(a)成分以外の熱可塑性ポリアミド樹脂
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