JPH08257695A - 鋼の連続鋳造鋳型および連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造鋳型および連続鋳造方法

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JPH08257695A
JPH08257695A JP14694195A JP14694195A JPH08257695A JP H08257695 A JPH08257695 A JP H08257695A JP 14694195 A JP14694195 A JP 14694195A JP 14694195 A JP14694195 A JP 14694195A JP H08257695 A JPH08257695 A JP H08257695A
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width
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slit
continuous casting
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JP14694195A
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Hideyuki Misumi
秀幸 三隅
Takayuki Shiragami
孝幸 白神
Kiyoshi Ochi
清 越智
Toshiya Komori
俊也 小森
Keisuke Okuhara
圭介 奥原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直送圧延を行う上で最も大きな阻害要因にな
っている鋳片表面の縦割れを防止し、生産性や経済性を
損なわないで良鋳片を製造可能な連続鋳造用鋳型を提供
する。 【構成】 連続鋳造用の鋳型表面のメニスカス位置より
も少なくとも20mm以上上部からメニスカス下70m
mまでの範囲に、鋳造幅に対して1/2以上の範囲の幅
中央部に深さ0.1mm以上0.3mm以下で幅0.5
mm以上3.0mm以下の溝を幅とピッチの比が0.4
〜0.6以下に形成した連続鋳造用鋳型を用いて連続鋳
造を行うに当たって、鋳型の熱流束を100〜175w
/m2 hrの範囲に制御し、かつ鋳型振動条件のネガテ
ィブストリップ時間を0.10〜0.20秒の範囲に制
御することを特徴とする鋼の連続鋳造用鋳型および連続
鋳造方法。 【効果】 鋳片表面に発生する表面縦割れを完全に防止
しできることから、直送圧延可能な良鋳片が、経済性を
損なわずに得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の詳細な説明〕 この発明は、鋳片の初期凝固層を健全に生成させ、連続
鋳造時に発生する表面割れ欠陥を効率的且つ経済的に防
止する連続鋳造用鋳型および連続鋳造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造法によって製造される鋳
片には、縦割れ、横割れ等の種々の表面欠陥が発生しや
すく、特に炭素量が0.1〜0.18%含有するいわゆ
る亜包晶域の鋼種にその傾向が強く、これらの鋼種を直
送圧延すると、熱間圧延後の熱延コイルや厚板製品では
ヘゲ疵と称される欠陥が発生し易いことから、製品での
手入れを行って除去したり、あるいは手入れが困難な場
合には、直送圧延には振り当てない等の救済策ないしは
防護策が講じられてきている。
【0003】これ等の割れ欠陥の中、縦割れは鋳型メニ
スカス近傍における初期凝固過程での凝固の不均一に起
因するものであり、特に凝固遅れ部にその後歪が集中す
ることによって発生することが、従来の研究によって明
らかになってきた。
【0004】従って、その防止策としては縦割れのきっ
かけとなる初期凝固シェルの均一化を促進することが第
1であり、第2はそこに集中する歪の緩和を図ることが
重要であることは言うまでもない。
【0005】このような観点から、先ず初期凝固シェル
の均一生成のために、例えば、パウダーの粘度や融点あ
るいは凝固温度を制御し、均一流入性を向上させたり熱
伝導を制御する方法、あるいは鋳型内電磁攪拌を適用す
る方法等によって、初期凝固シェルの均一生成を促進す
るための様々な試みが行われてきている。
【0006】一方、生成した凝固シェルが冷却中に熱収
縮歪や変態歪が発生するがこれ等は、該凝固遅れ部に集
中するために表面割れに至ることから、これら歪の発生
の原因となる該歪の発生を抑制するために、鋳型内での
冷却強度を制御したり、あるいは連鋳機二次冷却帯にお
ける冷却水の散水密度を制御を行って冷却速度を一定値
以下に制御する方法、あるいは歪を拘束しないように、
鋳型潤滑剤として使用されるパウダー物性の制御によっ
て回避する方法等が採用されている。
【0007】また、鋳型に各種の溝(スリットと略す)
を形成し、緩冷却化と共に凝固シェルの均一化を促進し
たり、あるいは該スリットから潤滑剤を供給して鋳型−
シェル間の拘束を解消し、縦割れの発生を防止する技術
が種々報告されている。
【0008】スリットを形成するに当たっては各種の方
法があり、鋳型表面に形成する方法として、例えば、鋳
型のメニスカス近傍に深さ0.5〜1.0mm、幅0.
5〜1.0mmのスリットを格子状に形成する方法、あ
るいはセラミック等を用いて熱抵抗比を規制することに
より、不均一凝固を抑制して縦割れを防止しつつ高速鋳
造を実現する技術が特開平1−289542号公報に、
また、メニスカス近傍に深さ0.5〜1.0mm、幅
0.5〜1.0mm、溝の間隔5〜10mmの該スリッ
トを鋳造方向に平行に形成し、特定した鋳型振動条件で
鋳造することにより炭素量が0.10〜0.15%のい
わゆる亜包晶域の鋼種の不均一凝固を解消し縦割れを防
止する技術が特開平2−6037号公報に、さらに該ス
リットから潤滑剤を強制的に供給し潤滑不良を改善する
技術が特開平2−200357号公報に開示されてい
る。
【0009】また、鋳型銅板内にスリットを形成する方
法として、例えば、鋳型表面に該スリットを形成した
後、表面をメッキで覆い空間として抜熱を均一にして縦
割れを防止する技術が特開平2−104445号公報
に、さらに、鋳型肉厚部に大気に開口した通気孔を設
け、この通気孔に空気を流入して冷却能力を調整するこ
とにより、緩冷却化を促進し縦割れの低減を図る技術が
特開平2−197352号公報に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらに開示された方
法を適用した場合、ある程度の改善効果は得られるもの
の、これによって無欠陥鋳片が安定的に供給できるわけ
ではなく、スリットの幅、深さあるいはスリット間隔等
のスリット構造が不適正な場合には、むしろ縦割れを誘
発する原因になっていることや、例えこれらが適正に形
成された場合でも、鋳造条件によっては全く効果が得ら
れないことが、本発明者らが行った鋳造実験の結果によ
り明らかになり、安定的に縦割れ防止可能なスリット構
造の適正化に加えて操業条件の適正化が強く要望されて
いた。
【0011】また、一般的に鋳造中の縦割れ発生推移は
図1に示すように、鋳造初期に最も発生し易く、次いで
浸漬ノズルがパウダーとの反応によって局部溶損するこ
とから、基準メニスカス位置を変更して鋳造作業を継続
した場合、そのメニスカス位置変更部に対応した位置に
発生し易く、それ以外の鋳造中期には縦割れの発生は認
められないことが通例である。
【0012】この現象の原因を解明するために、本発明
者らは縦割れが発生し易い鋳造初期および操業条件を変
更した非定常部位における初期凝固シェルの調査を始
め、鋳造初期に使用するパウダーにトレーサーを添加し
た実験を行い、前記初期凝固シェルの調査に加え鋳型−
シェル間に流入したパウダーを採取し、その実態を調査
・解析したところ、鋳造初期に流入したパウダーの幅方
向の厚みは極めて不均一であるうえに、初期凝固シェル
もそれに対応して不均一生成・成長が起こっており、し
かも、溶融パウダー中および流入パウダー中のトレーサ
ーの残存状況を調査したところ、鋳造機に縦割れが消滅
するまでの間、初期パウダーの影響が残存していること
を解明した。
【0013】かかる実態に鑑み、鋳型構造および操業条
件の適正条件を図り、特に鋳造初期および湯面レベル位
置変更等の操業変動部位における凝固シェルの均一化を
向上せしめて、縦割れを含む鋳片表面欠陥の発生を抑制
可能なスリット構造と操業条件の適正化が強く要望され
ていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる知見に
基づき連続鋳造によって製造する鋳片の初期の凝固均一
性を向上させるとともに、縦割れを防止する優れた手段
を提供するもので、その特徴とするところは、連続鋳造
用鋳型の表面に縦溝を形成するに際して、メニスカス位
置よりも少なくとも20mm以上上部からメニスカス下
70mmまでの範囲に、鋳造幅に対して1/2以上の範
囲の幅中央部に深さ0.1mm以上0.3mm以下で幅
1.0mm以上3.0mm以下の縦溝を下記(1)式を
満足する条件で付与した鋳型にあり、第二はこの鋳型を
用いて鋳造を行うに際して、鋳型の熱流束を100〜1
75w/m2 hrに制御し、しかも鋳造速度より鋳型振
動時の下降速度が速い時間、いわゆるネガティブストリ
ップ時間tN を0.10〜0.20秒以内になるように
制御して鋼の連続鋳造を行う方法にある。 w/l=0.4〜0.6 ・・・(1) ここで、w=溝の幅(mm) l=溝の間隔(mm)
【0015】
【作用】本発明者らは、上記課題を解決するために各種
形状の異なるスリットを複数個形成し、種々の実験研究
を重ねた。スリットを形成した鋳型について説明する
と、図7はスリット形成鋳型の鳥瞰図であり、1は鋳型
本体を示し、1aは鋳型長辺銅板、1bは鋳型短辺銅
板、2は鋳型内面に設けたスリット、3はメニスカス位
置を示した。図8は鋳型長辺銅板に形成したスリットと
メニスカス位置の関係を示した図である。図9(a)、
(b)は鋳型長辺銅板の内表面に形成したスリット型状
を示した拡大断面であり、(a)はスリット先端が円形
形状、(b)はスリット先端が矩形形状の構造をそれぞ
れ示した。また図9(a)、(b)に溝の幅wと溝の間
隔lも共に示した。
【0016】このような鋳型にパウダーを浮かべた溶鋼
に3秒間浸漬した後引き上げて、鋳型に付着・成長した
凝固シェルの厚みの測定に加えてパウダーの流入状況を
調査し、凝固シェルの均一性を向上させるスリット構造
の検討を行った。この浸漬実験に供した溶鋼成分は、
C:0.15%,Mn:0.60%,Si:0.25
%,P:0.015%,S:0.023%の一般的に縦
割れが発生し易い炭素鋼である。
【0017】
【表1】
【0018】その結果は表1に示すように、スリットの
幅が3mmを越えると、スリット深さに依存せず凝固シ
ェルの均一性は悪化し、また、スリットの深さが0.3
mmを越えると、スリットの幅に依存せず凝固シェルの
均一性が悪化することを知見した。なお、スリットの先
端形状についてもV状、矩形あるいは円形等の各種形状
の影響について調査したが、先端形状の違いは凝固シェ
ルの均一性には余り大きな影響は無いものの、パウダー
充填の安定性からは円形状が優れている知見を得た。
【0019】さらに、凝固遅れが発生した位置には、凝
固過程で生じた微細な内部割れが観察された。この内部
割れは、縦割れの起点となることが従来知見で知られて
いるところである。
【0020】以上示したように浸漬実験から適正なスリ
ットサイズは、幅は1.0mm以上3mm以下で深さは
0.1mm以上0.3mm以下でなければ凝固シェルの
均一性を確保することはできず、時にはスリットを形成
することによってむしろ縦割れを誘起する原因になるこ
とを知見した。
【0021】
【表2】
【0022】この知見を基に、表2に示す各種サイズの
スリットを間隔や幅方向の位置やメニスカスからの位置
等を各種変更して形成した鋳型を製作し、連続鋳造機に
よる鋳造実験を行い、凝固シェルの均一性と縦割れの発
生状況を調査した。この実験に供した溶鋼成分は、C:
0.10〜0.18%,Mn:0.40〜0.80%、
Si:0.08〜0.50%,P:0.010〜0.0
25%,S:0.010〜0.025%の一般に縦割れ
の発生し易い鋼種である。
【0023】その結果の一例は図4〜6に示すように、
図4は溶鋼浸漬実験の結果凝固シェルの均一化に有効で
あった幅1mm、深さ0.2mmのスリットを、5mm
間隔で鋳型の幅中央1000mmの間に形成した場合の
幅方向の縦割れの発生分布を示した。図5は、スリット
を形成しない鋳型を使用した場合(図6)に比し、縦割
れの発生率は明らかに高く、またスリットを形成した全
域で縦割れが発生するとの知見を得た。そこで、この原
因を究明するためさらに検討を進めた結果、表2に併せ
て示すように、スリットのサイズが適正であっても、そ
の間隔やスリットを形成する幅方向および鋳造方向の位
置を特定しなければ、縦割れを防止するには至らないこ
とを知見した。
【0024】つまり、凝固シェルの均一化に有効なスリ
ット幅や深さであっても、スリットの間隔が広すぎた場
合(スリット幅=1mm、深さ=0.2mm、スリット
幅/スリット間隔=0.2の例)には、図3に示すよう
に、鋳片表面近傍の凝固組織から求めた冷却速度の幅方
向のばらつき、すなわち凝固シェルの均一性は劣りスリ
ット相当位置で大きな凝固遅れが発生する。一方、この
値が適正な場合(同0.5の例)には、図3に示すよう
に極めて良好な均一性が得られるとともに、表2および
図4に示すように縦割れの発生も抑制することが可能な
ことを見いだした。
【0025】すなわち、スリット幅や深さのみならず、
スリット幅/スリット間隔が適正でなければ、むしろ縦
割れを誘発するうえ、これらの条件が充分満足した場合
でも幅方向の形成する位置によっては、縦割れ防止効果
のないことを知見した。
【0026】さらに、鋳型の幅方向の形成位置について
検討した結果は、表2に併記するように鋳型全幅に形成
することが望ましいが、鋳型幅の中央部に少なくとも鋳
型幅の半分以上に亘って形成すれば、鋳型全幅に形成し
た場合と同等の効果が得られることを解明した。このこ
とは、加工費用の軽減にも繋がり経済的効果は計り知れ
ないものがある。
【0027】一方、鋳造方向におけるスリットの形成位
置についても、その検討を同一スリットを用いメニスカ
ス位置を種々変更した実験を進めた結果、縦割れ発生の
原因となる凝固シェルの変形に起因する縦割れの原因と
なる内部割れは、鋳造速度にも依るが一般的に用いられ
ている1〜2m/分程度の速度では、メニスカスから引
き抜き方向に70mmまでの間に起こることから、この
間におけるシェルの均一化を向上させ局部的変形を防止
することが必要なことを知見した。
【0028】これに加え、鋳型潤滑剤として使用される
パウダーの溶融厚みも、スリットがメニスカス上部まで
存在すると鋳型による過冷却が抑制され、幅方向に均一
になりしかも厚くなるために未溶融パウダーの流入が防
止できるとともに、流入したパウダーの厚みもより一層
均一になることを知見した。この鋳造方向の位置に関し
ては、湯面変動やノズル溶損に伴う湯面レベルの変更を
行う場合には、これらを考慮して加減する必要があるこ
とは言うまでもない。
【0029】そこで本発明者らは、このようなスリット
を形成した鋳型を用いてオシレーションや鋳型冷却水量
あるいはパウダー物性等の操業条件を種々変更した鋳造
を行ったところ、鋳型冷却条件やオシレーション条件に
よって縦割れ改善効果が異なり、特に鋳型の熱流束とオ
シレーション条件によってスリットの効果が消長すると
いう知見が得られた。
【0030】つまり、適正なスリットを形成した鋳型を
使用して鋳造しても、図11に示すように鋳型の熱流束
が175w/m2 hrよりも過大な場合にも、また10
0w/m2 hrよりも過少な場合にも縦割れが発生する
のみならず、時にはブレークアウトを引き起こすとの知
見を得たのである。
【0031】この原因について調査・解析したところ鋳
型熱流束が過大な場合には、パウダーの溶融厚みが減少
し、特に鋳造初期の鋳型/凝固シェル間から採取した流
入パウダー中には未溶融あるいは焼結状のパウダーが混
在しており、また鋳片の初期凝固組織は極めて不均一で
あることを解明した。このように未溶融パウダーの流入
により凝固シェルの不均一を誘発するのみならず、潤滑
も阻害されるために縦割れを誘発するばかりでなく、時
にはブレークアウト(×印)も誘発することを見出した
ものである。
【0032】一方、鋳型熱流束が過少な場合には、過大
な場合に比べて溶融は促進されるものの、鋳型の冷却不
足のために凝固シェルの強度が弱く、溶鋼静圧に負けて
鋳型/凝固シェル間のギャップが閉ざされるためにパウ
ダーの流入が阻害され、潤滑不足が生じるために縦割れ
やブレークアウト(×印)が起こることも知見した。
【0033】しかしながら、図11中において○印で示
すように鋳型の熱流束が適正な条件であるにも係わら
ず、縦割れが発生している原因について、さらに詳細な
調査・解析を進めたところ鋳型の振動条件が関与してい
るとの知見が得られた。
【0034】つまり、オシレーション条件として鋳造速
度よりも鋳型の下降速度が大きい、いわゆるネガティブ
ストリップ時間tN が0.1より速くなると、溶融パウ
ダーの流入が追いつかず、また0.2秒よりも遅くなる
と流入量が多くなる結果、溶融速度が追いつかなくなる
ためにかえって不均一流入が起こり、共に凝固シェルの
不均一が生じることから、縦割れを有効に防止できなく
なることを見出した。従って、潤滑不良が生じることか
ら縦割れのみならず時にはブレークアウトに至ることを
知見した。
【0035】以上述べたように連続鋳造時の鋳型の熱流
束および鋳型振動条件の適正化を行わないと、スリット
形状の適正化だけでは初期凝固の均一化は計れず、縦割
れも防止できないことの知見を得た。本発明は、以上の
知見に基づいてなされたものである。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。なお、連続鋳造鋳片の製造方法は以下の通りで
ある。 連続鋳造鋳片寸法:厚み200/300mm×幅1
300/2000mm 鋳造速度 :1.0m/min〜2.0m/
min 連鋳機の型式 :単円弧型および垂直・曲げ型連
続鋳造機(垂直・曲げ型連鋳機の垂直部は2.5m) 鋳型振動条件 :サイクル=130〜200c/
m、ストローク=4〜10mm 鋳型の熱流束 :90〜200w/m2 hr 使用パウダー :表4
【0037】
【表4】
【0038】表5〜9に示すスリット形成条件および鋳
造条件で、下記に示す鋳造条件で鋳造を行った鋳片表面
の縦割れの発生状況および鋳片表面の手入れ状況を、表
5〜9に併せて示す。この実験に供した溶鋼成分は、
C:0.10〜0.18%,Mn:0.4〜1.6%,
Si:0.08〜0.50%,P:0.002〜0.0
25%,S:0.001〜0.020%を基本成分と
し、一般的に用いられる程度の微量Nb,Cu,Crお
よびTi等の合金が必要に応じて添加された、縦割れの
発生し易い鋼種である。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】表5〜9中、No.1〜No.63が本発
明例であり、No.64〜No.78が比較例であって
No.64はスリットを形成しなかった場合、No.6
5およびNo.66はスリット幅、No.67および6
8はスリットの深さ、No.69とNo.70は幅と間
隔に比(ピッチ)、No.71とNo.72は幅方向の
スリット位置、No.73とNo.74はスリットの鋳
造方向のメニスカスからの位置、No.75とNo.7
6は鋳型の熱流束、さらにNo.77とNo.78はネ
ガティブストリップ時間tN が夫々条件を満足しなかっ
た例である。
【0045】この表から分かるように、本発明によって
製造した連続鋳造鋳片には、縦割れの発生は実質的に皆
無であり、熱間圧延後の製品にも全く表面欠陥が発生せ
ず、本発明を適用することにより極めて効率よく縦割れ
を防止することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は前述の作用・実施例で紹介した
通り、炭素量が0.1〜0.18%のいわゆる中炭素鋼
を連続鋳造により鋳造して鋳片を製造するに際して、鋳
片表面に発生する表面縦割れを確実に抑制して、良鋳片
を製造することが出来るために高速化、無手入れ化を可
能とするものであり、得られる経済的効果は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造方法によって製造された連続鋳造鋳片
の、鋳造方向の縦割れが連々鋳の鍋毎に発生状況が変化
することを説明する図
【図2】凝固組織から求めた初期凝固層の冷却速度の幅
方向分布を説明するためのもので本発明例を示した図
【図3】凝固組織から求めた初期凝固層の冷却速度の幅
方向分布を説明するためのもので従来例を示した図
【図4】鋳片表面の幅方向の縦割れ発生分布を説明する
ためのもので本発明例を示した図
【図5】鋳片表面の幅方向の縦割れ発生分布を説明する
ためのもので従来好適とされたスリットを形成した鋳型
を用いた場合の結果を示す図
【図6】鋳片表面の幅方向の縦割れ発生分布を説明する
ためのものでスリットの無い鋳型を用いた結果を示す図
【図7】スリットを形成した本発明鋳型を説明する鳥瞰
【図8】鋳型長辺銅板に形成したスリットとメニスカス
位置の関係を説明する平面図
【図9】(a)鋳型長辺銅板の表面に形成したスリット
先端が円形形状である拡大一部断面図、(b)鋳型長辺
銅板の表面に形成したスリット先端が矩形形状である拡
大一部断面図
【図10】縦割れやブレークアウトに及ぼすネガティブ
ストリップ時間の影響を説明する図
【図11】縦割れやブレークアウトに及ぼす鋳型の熱流
束の影響を説明する図
【符号の説明】
1 鋳型 1a 鋳型長辺銅板 1b 鋳型短辺銅板 2 スリット 3 メニスカス位置
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森 俊也 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 奥原 圭介 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造用鋳型の表面に縦溝を形成する
    に際して、メニスカス位置よりも少なくとも20mm以
    上上部からメニスカス下70mmまでの範囲に、鋳造幅
    に対して1/2以上の範囲の幅中央部に深さ0.1mm
    以上0.3mm以下で幅1.0mm以上3.0mm以下
    の縦溝を下記(1)式を満足する条件で形成することを
    特徴とする鋼の連続鋳造用鋳型。 w/l=0.4〜0.6 ・・・(1) ここで、w=溝の幅(mm) l=溝の間隔(mm)
  2. 【請求項2】 連続鋳造法において縦溝を有した鋳型を
    用いて鋳片を製造するに際して、鋳型表面のメニスカス
    位置よりも少なくとも20mm以上上部からメニスカス
    下70mmまでの範囲に、鋳造幅に対して1/2以上の
    範囲の幅中央部に深さ0.1mm以上0.3mm以下
    で、幅1.0mm以上3.0mm以下の縦溝を請求項1
    の(1)式を満足する条件で形成し、鋳型の熱流束を1
    00〜175w/m2 hrに制御し、かつネガティブス
    トリップ時間tN を0.10〜0.20秒以内になるよ
    うに制御することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
JP14694195A 1995-01-25 1995-05-23 鋼の連続鋳造鋳型および連続鋳造方法 Withdrawn JPH08257695A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009248178A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造鋳型の振動方法及び鋼の連続鋳造方法
JP2017087227A (ja) * 2015-11-04 2017-05-25 新日鐵住金株式会社 鋼材の熱間圧延方法

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