JP2017087227A - 鋼材の熱間圧延方法 - Google Patents

鋼材の熱間圧延方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017087227A
JP2017087227A JP2015216597A JP2015216597A JP2017087227A JP 2017087227 A JP2017087227 A JP 2017087227A JP 2015216597 A JP2015216597 A JP 2015216597A JP 2015216597 A JP2015216597 A JP 2015216597A JP 2017087227 A JP2017087227 A JP 2017087227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
thickness
strain
steel
transformation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015216597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6582892B2 (ja
Inventor
貴之 大塚
Takayuki Otsuka
貴之 大塚
大輔 中川
Daisuke Nakagawa
大輔 中川
将宗 八代
Masamune Yashiro
将宗 八代
瀬川 裕司
Yuji Segawa
裕司 瀬川
司 関根
Tsukasa Sekine
司 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2015216597A priority Critical patent/JP6582892B2/ja
Publication of JP2017087227A publication Critical patent/JP2017087227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6582892B2 publication Critical patent/JP6582892B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】高精度な圧延狙い厚設定方法を供する。
【解決手段】鋼材の熱間圧延プロセスにおいて、冷間における製品板厚から仕上げ圧延温度における狙い厚設定の際に、鋳造条件と圧延条件の効果を考慮することによって高精度に変態ひずみと熱ひずみを算出し、冷却後の板厚が高精度に所望の板厚となるようにすることを特徴とする鋼材の熱間圧延方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、鋼材の熱間圧延方法に関し、特に、造船、建築、自動車、産業用機械などに使用する鋼板の熱間圧延方法に関するものである。
熱間圧延ラインでは、冷間値である製品の板厚から圧延時の温度における熱間の狙い厚を設定する。ここで、製品とは冷却後に冷間圧延を行う場合には、熱延鋼板としての厚みを指すこととする。
一般的に熱間状態での鋼材の密度は、冷間状態のそれよりも低いため、この密度変化を考慮し、熱間では製品厚よりも厚めに圧延狙い厚を設定するのが通常である。
熱間圧延ラインにおいて、圧延前に所望の板厚を得るためにパススケジュールを決定する。例えば、特許文献1には、パススケジュール決定の際に温度を考慮することで材質を安定化させることが、また特許文献2には、パススケジュール決定の際に圧延時間を最短にすることで生産量を増大させることが示されており、また特許文献3には、パススケジュール決定の際に平坦度を最適化する手法が示されている。
このようにパススケジュールを設定する際に、種々の要素を考慮する必要があるが、所望の冷間板厚を得るための仕上げ圧延温度における最適な熱間板厚値を算出する方法に関する研究は余りなされてこなかった。
そこで発明者らは鋭意検討した結果、冷間状態での所望の板厚(以下製品厚と呼ぶ)から熱間における圧延狙い厚を算出する際に、最終パス圧延後の背応力と合金の偏析分布に由来するバンド組織とを考慮することで、高精度に製品厚を作り込むことが可能であることを見出した。
ここで、背応力とは、材料を塑性変形させた際に導入される仮想的な応力であり、移動硬化現象を考えた際の降伏曲面の中心部の移動を表す2階のテンソルである。すなわち、背応力が導入されていると、ある方向には塑性変形しやすいが、ある方向には塑性変形しにくいといった異方性を表現できるようになる。この背応力を模式的に示したものが図1である。
また、バンド組織とは、鋳造時に発生する合金成分の偏析を起因とする層状の不均質組織であって、鋳造・圧延を経た材料に特徴的に表れる。この組織は高温(1300℃以上)で長時間(3日程度)保持することによって回避することが可能であるが、通常はコスト増などの影響を考慮し、バンド組織が維持されたまま圧延ラインに送られる。
特開2006−110617号公報 特開2010−240663号公報 特開2007−130667号公報
A. Jablonka, K. Harster and K. Schwerdtfeger, Thermomechanical properties of iron and iron-carbon alloys : density and thermal contraction, Steel Research, 62, 1, pp.24-33(1991) J. Miettinen, Calculation of solidification-related thermo physical properties for steels, Metallurgical and Materials Transactions B, 28B, pp.281-297(1997)
本発明は、上記実情に鑑み、背応力とバンド組織が変態ひずみや熱ひずみに与える影響を考慮した鋼材の熱間圧延方法を提供する。
本発明者らは、最終パスの圧延狙い厚計算を行うにあたり、圧延最終パス終了までの凝固プロセスや圧延・加工プロセスが変態ひずみや熱ひずみに与える影響を検討した。
その過程で、圧延プロセスによって導入される背応力と、凝固プロセスおよび圧延プロセスで形成されるバンド組織に着目した。
その結果、背応力の影響で変態ひずみと熱ひずみが大きく変化し、また、バンド組織によっても変態ひずみが大きく変化する現象を見出した。
本発明は、以上のような検討結果を踏まえて、圧延最終パスにおける狙い厚を求める際に、熱間値と冷間値との換算に、背応力とバンド組織の影響を考慮した密度モデルを用いることで、製品厚の精度を大幅に向上させることを可能にしたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)鋼材の熱間圧延における最終圧延パスの圧延狙い厚設定方法において、冷間における製品厚から、鋳造の履歴と加工の履歴を考慮した変態ひずみおよび熱ひずみを用いて圧延狙い厚を設定することを特徴とする鋼材の熱間圧延方法。
(2)(1)に記載の鋼材の熱間圧延方法において、背応力と変態ひずみおよび熱ひずみの関係、並びに、バンド組織と変態ひずみとの関係を鋼種毎に事前に求めておき、この関係を用いて冷間の製品厚から熱間における圧延狙い厚を設定する鋼材の熱間圧延方法。
本発明によれば、高精度な板厚作り込みが可能な圧延狙い厚設定を可能とした鋼材の熱間圧延方法を供することが出来る。
背応力の模式図である。 光学顕微鏡で観察したバンド組織の例である。 変態前の圧下率と変態ひずみを示した例である。 従来の狙い厚設定と本発明の狙い厚設定の比較である。 板厚の作り込み精度の比較図である。
最初に、本発明の鋼材の熱間圧延方法の基本的な構成について説明する。
本発明者らは、圧延ラストパスにおける狙い厚設定方法について検討を重ね、製品厚からラストパス時の温度における熱間厚みを算出する際、高精度に変態ひずみや熱ひずみを予測する必要があることに着目し、変態ひずみや熱ひずみが、圧延中の材料の鋳造条件や圧延条件によって大きく変化することを見出した。
従来から予加工によって変態開始温度が変化したり、転位密度による自由エネルギー状態が変化したり、変態モードが変化したりする現象については多くの研究がなされてきたが、これが背応力と結び付けられ、さらに圧延という加工モードによっても変態ひずみや熱応力にも大きな差が生じる現象については知られてこなかった。
また、バンド組織と異方性の変態膨張に関する研究はあるものの、それが鋳造や圧延条件によってどのように変化し、最終的に変態ひずみに影響を与えるか否かの研究はなされてこなかった。そこで、発明者らは種々の鋳造条件や圧延条件および冷却条件で実験を行い、これらの影響を考察した。
まず、鋳造条件および圧延条件によってバンド組織がどのような影響を受けるかを調査する。
一般に、バンド組織は鋳造時に凝固組織であるデンドライト樹枝間に生じる凝固偏析が圧延後にバンド状に残存する現象であるが、この凝固偏析は、鋳造時の冷却速度との関連性が深い。また、この凝固偏析は圧延によって変形するため、鋳造条件(特に冷却速度)と圧延条件(特に圧下率)によって整理する。
ここで、凝固偏析はソーキングと呼ばれる高温での熱処理によって均一拡散させることが可能である。そこで、圧延によって得られた材料を950℃に加熱し、900℃で圧下を加えた場合と、1300℃に加熱し(ソーキング処理)、900℃に圧下を加えた場合について以下に示す。
図2は引張り強度が600MPaである厚鋼板を(a)950℃まで加熱し900℃で圧延した場合と、(b)1300℃まで加熱し900℃で圧延した場合の、板幅方向に垂直な面におけるミクロ組織を示している。組織撮影には、3%ナイタール腐食液を用いて腐食させ、200倍の光学顕微鏡を利用した。本結果から明らかなように、950℃加熱の場合にはバンド組織が残存しているが、1300℃加熱ではバンド組織が消失し、均一な組織となっていることが分かる。これは、高温下における拡散で合金元素が均一化したためである。
次に、本鋼板を900℃で圧延した後、冷却時の板厚方向のひずみ変化を測定した。ひずみ変化の測定には、レーザ式変位計を用いた。このひずみ測定結果と温度との関係を図3に示す。ただし、図3は全ひずみ量から熱ひずみを除去し、変態ひずみのみを示している。
図3からは、圧下量に従って変態ひずみが増大していることが分かる。これは、圧下によって材料に背応力が導入されたために、相変態で微視的な塑性変形が生じる際、異方性をもった変形を生じるために発生する現象である。
ここで、圧延によって導入された背応力は、圧延中または圧延後の回復や再結晶などの影響で時間とともに減少する。そこで、成分・温度に応じた回復や再結晶などを考慮し、背応力の変化を考慮する。この減少量の演算方法の限定はしないが、成分系や温度履歴などに応じた式を用いることが好ましい。特に、Microalloyと呼ばれる、NbやTiなどの合金成分に受ける影響は大きいので、これらの影響を考慮することがより好ましい。また、累積圧下の効果も背応力として導入することができる。ここで、背応力は通常2階のテンソルで表わされるが、圧延による背応力の導入を近似的に圧縮成分のみを考慮することで、背応力のスカラーとして取り扱っても精度上大きな影響は無い。圧縮の背応力が進展すると、見かけの板厚方向変態ひずみは大きくなる。ここで、本材料の変態はフェライト・パーライト変態であったが、基本的にベイナイトやマルテンサイトなどの相においても背応力が変態ひずみに同様の影響を与えることが分かった。
次に、熱ひずみについて述べる。熱ひずみは温度に関して線形で与えられるとしてよいが、相変態前後で大きく変わる。成分にもよるが、鋼の場合にはオーステナイト相では2.2×10-5[K-1]程度、フェライト・パーライト相では1.5×10-5[K-1]程度の値を取ることが知られている。
一方で発明者らは、変形による熱ひずみへの影響を考察した。上記と同様の試験結果から、加工後のオーステナイト域、フェライト域それぞれでの線膨張係数を表1に示す。表1の結果からオーステナイト域の線膨張係数は加工の影響を殆ど受けないが、フェライト域の線膨張係数は圧下率と共に上昇する傾向が分かった。この原因は、加工と変態による集合組織形成と関係があると考えられる。
本発明者らは、以上のような検討過程を経て本発明に至ったものであり、以下、本発明で規定する要件や好ましい要件について順次説明する。
まず、熱間圧延時のパススケジュール設定方法について述べる。
パススケジュールは、初期厚(通常スラブ厚)から製品厚(の熱間値)までのパス数、板厚、パス間時間、圧延温度、デスケーリングの可否、幅出し圧延がある場合はターンの有無、板形状、反り等を考慮して作り上げる圧延スケジュールである。
この圧延スケジュールにおいて、ラストパスでの出側板厚は、必ず製品の熱間厚みとなるべきであり、この値は製品の冷間厚みからラストパス圧延温度を元に算出されるものである。
これまで、板厚の冷間値から熱間値を算出する際には、鋼種と温度の依存性のみを考慮するだけで、鋳造条件、圧延条件などの影響を考慮していなかったが、本発明によれば、バンド組織(偏析組織)や背応力によって変態ひずみや熱ひずみが異方性を持つため、上記従来の算出方法では不十分である。すなわち、ベースとなる鋼種と温度に依存する密度式または密度データに加えて、鋳造条件や圧延条件に代表されるプロセス条件に応じた異方性の影響による補正を行う必要がある。
圧延対象となる熱間材料の密度は、対象材料の温度と結晶構造などによって変化する。例えば、鋼材の場合は、熱間ではオーステナイト相であり、冷間ではフェライト・パーライトなどの相となり、結晶構造によって、また温度や合金成分によって密度が変化する。
これらの影響を考慮した密度式が提案されており(非特許文献1および非特許文献2)、鉄鋼材料についてはこれらの値を用いることが出来るが、好ましくは事前に各温度域で鋼種毎に密度を測定しておく。
一方で、本発明によれば、バンド組織(偏析組織)や背応力によって変態ひずみや熱ひずみが異方性を持つため、上記の密度式または密度データでは不十分である。すなわち、ベースとなる密度式または密度データに加えて、鋳造条件や圧延条件に代表されるプロセス条件に応じた異方性の影響による補正を行う。
本補正には、鋼種毎に圧延による背応力の影響や、鋳造・圧延によるバンド組織の影響を事前に実験や数値計算手法を通じて求めておく。好ましくは合金成分の影響を考慮した統一的な補正式を作成する。
本密度式を用いて冷間における板厚測定データを用いて熱間値を算出することが可能となる。
次に、実際のパススケジュール計算時に圧延狙い厚を算出する方法について、厚鋼板の熱間圧延ラインを例に述べる。
圧延パススケジュールは、上記で述べた通り、種々の条件を元に算出されるものである。ここで、ラストパスの狙い厚は製品厚から冷間値を熱間値へ補正することで得られる。
このとき、プロセスコンピュータ(レベル2)において、次圧延材の鋼種や製品厚、圧延指定温度等を上位のビジネスコンピュータ(レベル3)から入力する。次に、製品厚から圧延ラストパスの出側厚(圧延狙い厚)を求める方法について述べる。
ラストパス出側での背応力は、加熱炉出側の状態を0とし、その後の圧延による背応力進展、回復や再結晶による背応力減少を逐次演算する。また、バンド組織予測は連続鋳造時の冷却条件と成分系および加工履歴から計算する。ここで、背応力およびバンド組織予測方法について限定はしないが、例えば背応力の発展式として以下の式を用いることができる。
としても差し支えないが、好ましくは鋼種毎に関係式を予め求めておく。
ここで、通常パススケジュール計算は仕上げ圧延開始時に行われる。一方で、パススケジュール計算の後、仕上げ圧延が開始されると、温度や板厚の値において、実績とスケジュール間の誤差が発生するため、適応制御と呼ばれる各パスにおける修正計算においても、上記の背応力予測およびバンド組織予測を行うことが望ましい。
次に変態開始温度について述べる。
変態開始温度は背応力の方向によらず、加工ひずみの導入に応じて高温側に推移する。これは、加工による転位密度の上昇が自由エネルギーの上昇をもたらし、変態を促進させるためである。
加工による変態開始温度の上昇も、図3に示す実験結果から判断することが可能である。ここで、変態開始温度の上昇は転位密度の上昇が起因となっているため、回復や再結晶の影響で転位密度が低下する影響を考慮することが好ましい。
次に熱ひずみについて述べる。
加工履歴によって熱ひずみも影響を受けるため、熱ひずみへの影響も事前に把握しておく必要がある。前掲の表1に熱ひずみの値(線膨張係数)の変化を圧下率毎に整理したものを示す。表1からは、加工(圧下)によってフェライト域の線膨張係数が大きくなっていることが分かる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
質量%で、C:0.1%、Mn:1.2%、Si:1.0%、Al:0.03%、N:0.004%、P:0.001%、S:0.001%、Ti:0.0%、Nb:0.0%、Cr:0.0%、Cu:0.1%、Ni:0.0%、B:0.0%、Mo:0.0%、W:0.0%、及び、V:0.0%を含有する連続鋳造機で鋳造した厚み250mmの鋼片を複数枚用意した。
この鋼片の一部を板厚10mmとなるまで圧延し、常温まで自然放冷して冷却後にミクロ組織撮影用のサンプルを切り出し、3%ナイタール液で腐食させ、200倍の光学顕微鏡撮影を行い、バンド組織を観察した(図2)。この結果から、バンド幅は約40〜50μm程度であり、ほぼ式(3)を満たすことが分かる。
次にこの鋼片から、圧縮試験片サンプルを切り出した。この圧縮試験片を誘導加熱装置を用いて950℃まで10℃/sで加熱し、5分保持後、空冷を行って、長さ測定結果から変態開始温度を測定する。このとき、変態開始温度は約780℃であった。
同様に切り出した圧縮試験片を、950℃まで10℃/sで加熱し、5分保持後、780℃となる5s前に10%、20%および30%の圧縮ひずみを0.2sで加え、その後0.2sで除荷し、無負荷状態での変態ひずみ量を測定した(図3(a))。
次にこの鋼片から、上記同様圧縮試験片サンプルを切り出した。この圧縮試験片を誘導加熱装置を用いて1300℃まで10℃/sで加熱し、5分保持後、空冷を行って、長さ測定結果から変態開始温度を測定する。このとき、変態開始温度は950℃加熱時と同様に約780℃であった。
同様に切り出した圧縮試験片を、1300℃まで10℃/sで加熱し、5分保持後、780℃となる5s前に10%、20%および30%の圧縮ひずみを0.2sで加え、その後0.2sで除荷し、無負荷状態での変態ひずみ量を測定した(図3(b))。
以上の結果から、圧下による変態開始温度への影響は以下のように得られる。
次に、これらの鋼片を加熱炉で1200℃に加熱後、熱間圧延機において9mmとなるまで圧延し、冷却床で900℃から常温まで冷却した。
常温まで冷却された板は、検査ラインに設置されているレーザ板厚計を用いて冷間での板厚を測定した。レーザ板厚計はTOSHIBA製のTOSGAGE−LDを用いた。
従来の方法による変態ひずみおよび熱ひずみと、本発明によるそれらとの比較を図4に示す。
以上で得られたひずみデータ(変態ひずみおよび熱ひずみ)を使用し、同鋼種を40本圧延し、板厚の作り込み精度比較を行った。この結果を図5に示す。本結果より、板厚の誤差平均値が−0.09mmから0.002mmに改善、板厚の誤差率の標準偏差が0.008から0.0012に改善した。
本発明によれば、鋼材の熱間圧延方法において、製品の板厚作り込み精度を向上させる圧延狙い厚設定方法を提供し、製品の品質の最も重要な一つである厚みの精度が向上する。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。

Claims (2)

  1. 鋼材の熱間圧延における最終圧延パスの圧延狙い厚設定方法において、冷間における製品厚から、鋳造の履歴と加工の履歴を考慮した変態ひずみおよび熱ひずみを用いて圧延狙い厚を設定することを特徴とする鋼材の熱間圧延方法。
  2. 請求項1に記載の鋼材の熱間圧延方法において、背応力と変態ひずみおよび熱ひずみの関係、並びに、バンド組織と変態ひずみとの関係を鋼種毎に事前に求めておき、この関係を用いて冷間の製品厚から熱間における圧延狙い厚を設定する鋼材の熱間圧延方法。
JP2015216597A 2015-11-04 2015-11-04 鋼材の熱間圧延方法 Active JP6582892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216597A JP6582892B2 (ja) 2015-11-04 2015-11-04 鋼材の熱間圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015216597A JP6582892B2 (ja) 2015-11-04 2015-11-04 鋼材の熱間圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017087227A true JP2017087227A (ja) 2017-05-25
JP6582892B2 JP6582892B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=58767274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015216597A Active JP6582892B2 (ja) 2015-11-04 2015-11-04 鋼材の熱間圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6582892B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021079426A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 日本製鉄株式会社 薄鋼板の製造方法
JP7460903B2 (ja) 2020-06-11 2024-04-03 日本製鉄株式会社 特殊鋼板の製造方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH042957A (ja) * 1990-04-19 1992-01-07 Nippon Steel Corp 鋼板材質予測装置
JPH044911A (ja) * 1990-04-19 1992-01-09 Nippon Steel Corp 鋼板材質予測方法
JPH04300051A (ja) * 1991-03-28 1992-10-23 Nippon Steel Corp 薄肉鋳片の連続鋳造における縦割れ防止方法
JPH05279737A (ja) * 1991-06-04 1993-10-26 Nippon Steel Corp 鋼板材質予測装置
JPH0824923A (ja) * 1994-07-13 1996-01-30 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱間圧延における板厚管理方法
JPH08257695A (ja) * 1995-01-25 1996-10-08 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造鋳型および連続鋳造方法
JP3224466B2 (ja) * 1994-01-17 2001-10-29 新日本製鐵株式会社 放射線による鋼板の板厚測定方法
JP2002202233A (ja) * 2000-12-27 2002-07-19 Kobe Steel Ltd 鋼材の変態塑性ひずみの推定方法
JP2003194686A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Toyota Motor Corp 応力−ひずみ関係シミュレート方法および除荷過程における降伏点を求める方法
JP2011052320A (ja) * 2009-08-06 2011-03-17 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP2012217994A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Nippon Steel Corp 鋼板の圧延制御方法、装置及びプログラム
US20140290322A1 (en) * 2011-07-20 2014-10-02 Salzgitter Flachstahl Gmbh Method for producing a component by hot forming a pre-product made of steel

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH042957A (ja) * 1990-04-19 1992-01-07 Nippon Steel Corp 鋼板材質予測装置
JPH044911A (ja) * 1990-04-19 1992-01-09 Nippon Steel Corp 鋼板材質予測方法
JPH04300051A (ja) * 1991-03-28 1992-10-23 Nippon Steel Corp 薄肉鋳片の連続鋳造における縦割れ防止方法
JPH05279737A (ja) * 1991-06-04 1993-10-26 Nippon Steel Corp 鋼板材質予測装置
JP3224466B2 (ja) * 1994-01-17 2001-10-29 新日本製鐵株式会社 放射線による鋼板の板厚測定方法
JPH0824923A (ja) * 1994-07-13 1996-01-30 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱間圧延における板厚管理方法
JPH08257695A (ja) * 1995-01-25 1996-10-08 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造鋳型および連続鋳造方法
JP2002202233A (ja) * 2000-12-27 2002-07-19 Kobe Steel Ltd 鋼材の変態塑性ひずみの推定方法
JP2003194686A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Toyota Motor Corp 応力−ひずみ関係シミュレート方法および除荷過程における降伏点を求める方法
JP2011052320A (ja) * 2009-08-06 2011-03-17 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP2012217994A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Nippon Steel Corp 鋼板の圧延制御方法、装置及びプログラム
US20140290322A1 (en) * 2011-07-20 2014-10-02 Salzgitter Flachstahl Gmbh Method for producing a component by hot forming a pre-product made of steel

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021079426A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 日本製鉄株式会社 薄鋼板の製造方法
JP7348511B2 (ja) 2019-11-22 2023-09-21 日本製鉄株式会社 薄鋼板の製造方法
JP7460903B2 (ja) 2020-06-11 2024-04-03 日本製鉄株式会社 特殊鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6582892B2 (ja) 2019-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6019117B2 (ja) 高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP6082451B2 (ja) 熱間プレス用鋼板およびその製造方法
CN110088326A (zh) 热轧扁钢产品及其生产方法
Das et al. Continuously cooled ultrafine bainitic steel with excellent strength–elongation combination
JP2017511752A (ja) 最適化された、組織シミュレータ、組織モニタ及び/又は組織モデルを用いて金属の鋼合金及び/又は鉄合金を熱間圧延機及び厚板圧延機において製造するのため方法
JP6103047B2 (ja) 表層細粒化熱間剪断加工方法および表層細粒化熱間剪断加工部品
JPWO2016190397A1 (ja) 鋼板及びその製造方法
JP6068146B2 (ja) 設定値計算装置、設定値計算方法、及び設定値計算プログラム
JP6582892B2 (ja) 鋼材の熱間圧延方法
WO2016148045A1 (ja) 熱間プレス用鋼板およびその製造方法
JP6519012B2 (ja) 冷間成形性と熱処理後靭性に優れた低炭素鋼板及び製造方法
EA039568B1 (ru) Способ производства проката из стали
Ben Fredj et al. Influence of initial microstructure and grain size on transformation of bainite to austenite in large size forgings
JP6870399B2 (ja) 鋼板の製造方法および熱処理設備
JP5212126B2 (ja) 深絞り性に優れた冷延鋼板およびその製造方法
JP6641898B2 (ja) 放射線厚み測定装置及びその校正方法
JP5776846B2 (ja) マルエージング鋼コイルの製造方法
RU2516213C1 (ru) Способ получения металлоизделия с заданным структурным состоянием
Javaheri et al. On the Role of Nb on the Texture and Microstructure of a Novel As-Rolled Medium Carbon Wear Resistant Slurry Pipeline Steel
JP2008297583A (ja) 表面硬度の上限規定が設けられている厚鋼板の製造方法および製造設備
JP2015193027A (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP2016160501A (ja) 加工性に優れた熱延鋼板とその製造方法
JP2018034169A (ja) 鋼板の形状矯正方法および形状矯正装置
JP7140274B2 (ja) 鋼軸部品
JP2011031259A (ja) 連続鋳造機内の二次冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190819

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6582892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151