JPH08253490A - Nb、TaおよびTi塩溶液、その製造法およびその使用 - Google Patents

Nb、TaおよびTi塩溶液、その製造法およびその使用

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JPH08253490A
JPH08253490A JP7352934A JP35293495A JPH08253490A JP H08253490 A JPH08253490 A JP H08253490A JP 7352934 A JP7352934 A JP 7352934A JP 35293495 A JP35293495 A JP 35293495A JP H08253490 A JPH08253490 A JP H08253490A
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alkoxide
metal
diol
carboxylate
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JP7352934A
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Karlheinz Reichert
カールハインツ・ライヘルト
Wolfgang Simon
ボルフガング・ジモン
Harald Troeger
ハラルト・トレガー
Gisbert Ebeling
ギスベルト・エベリング
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HC Starck GmbH
Original Assignee
HC Starck GmbH
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C31/00Saturated compounds having hydroxy or O-metal groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C31/18Polyhydroxylic acyclic alcohols
    • C07C31/20Dihydroxylic alcohols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C53/00Saturated compounds having only one carboxyl group bound to an acyclic carbon atom or hydrogen
    • C07C53/126Acids containing more than four carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/003Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table without C-Metal linkages
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/005Compounds of elements of Group 5 of the Periodic Table without metal-carbon linkages

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解抵抗性が高く、長期間貯蔵できるN
b、TaおよびTiを基体とした有機金属化合物。 【解決手段】 一般式:M(OH)x(A)y(B)z
式中 MはTi(IV)、Nb(V)およびTa(V)であ
り、x+y+zは、NbおよびTaに対して5であり、
そしてTiに対しては4であり、Aはジオールおよび/
またグリコールモノエーテルのアルコキシリガンドであ
り、そしてBは炭素鎖長がC6-C19-である脂肪酸のカ
ルボキシレートリガンドである、で表される有機金属化
合物およびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、一般式:M(OH)x(A)y(B)z 式中、Mは、Ti(IV)、Nb(V)およびTa(V)を
意味し、NbおよびTaに対してはx+y+z=5であ
り、そしてTiに対してはx+y+z=4であり、A
は、ジオールおよび/またはグリコールモノエーテルの
アルコキシドリガンドであり、そしてBは、炭素鎖長が
6-C19である脂肪酸のカルボキシレートリガンドであ
る、の新規な有機金属化合物、その製造法およびその使
用に関する。
【0002】金属カルボン酸塩溶液の製造では各種の方
法が公知であり(Ullmann, 第23巻4.9章 Metallsei
fen (金属石鹸)、224頁参照)、そのような金属カ
ルボン酸塩溶液の製造法の一つは、金属酸化物、水酸化
物または炭酸塩と対応する炭素鎖長C6-C19の脂肪酸と
を、鉱油または炭化水素中で反応させることである。ま
た別の製造法は、対応する炭素鎖長C6-C19の脂肪酸の
ナトリウムまたはカリウム石鹸に関係する金属の塩溶液
を加えていわゆる複分解反応を行い熱水相から沈殿を形
成させ、それを第2段階で鉱物油あるいは炭化水素中に
取る方法である。この方法は主にコバルト、鉄およびマ
ンガンの金属に対して使用される。
【0003】しかし、これらの方法は、Nb、Taおよ
びTiのような金属に対してはうまく適用できない。こ
れらの金属に対しては純粋なカルボン酸塩化合物は知ら
れていない。しかし、Mater. Res. Soc. Symp. Proc.
60, 35 (1986)によると、式(Ti(OCH32(C9
19COO)2のチタンアルコキシド/カルボキシレート
化合物が知られており、同化合物が上記目的に有用であ
る。
【0004】しかし、このチタン化合物は長期間安定で
はない。同様な型の式:M(OR)x(OOCR)y
で、式中、MがNbおよびTaであり、xは3そしてy
は2である化合物は知られていない。これらのTaある
いはNb化合物は確かに製造できるものの、必要な性
質、例えば加水分解抵抗性、長期安定性、他の金属カル
ボン酸塩溶液との混和性は示さない。さらにこれらアル
コキシド/カルボキシレート化合物の欠点は、加水分解
に対して敏感な性質が残り、また残っているアルコキシ
ド基によって反応性が比較的高く、そのために同混合物
を更に加工あるいは製造している間に問題が起こること
である。
【0005】かくして、本発明の目的はこうした先行技
術の欠点を示さないNb、TaおよびTiを基体とした
有機金属化合物を提供することである。
【0006】発明の要約 今、これらの要求が、 一般式:M(OH)x(A)y(B)z 式中、Mは、Ti(IV)、Nb(V)およびTa(V)で
あり、NbおよびTaに対してはx+y+z=5であ
り、そしてTiに対してはx+y+z=4であり、A
は、ジオールおよび/またはグリコールモノエーテルの
アルコキシドリガンドであり、そしてBは、炭素鎖長が
6-C19である脂肪酸のカルボキシレートリガンドであ
る、の有機金属化合物によって満足されることが発見さ
れた。Aとしては、2-メチル-2,4-ペンタンジオレー
トが好ましく、Bとしては2-エチルヘキサン酸塩が好
ましい。特に好ましい実施態様においては、これらの物
質は炭化水素に溶解する。
【0007】本発明はまた、一般式がTaまたはNbに
対してM(OR)5、そしてTiに対してはM(OR)4
式中、Rは有機基であるである金属アルコキシドを炭化
水素中に溶解し、それとカルボン酸、ジオールおよび/
またはグリコールモノエーテルおよび水と、順次反応さ
せて上述した化合物を生成させ、遊離して来たアルコー
ル:ROHを同時に除去することを特徴とする有機金属
化合物の製造法を提供する。
【0008】好ましい実施態様の詳細な説明 TaまたはNbアルコキシド上のアルコキシド基の中の
2個を、まず炭素鎖長C6-C19のカルボン酸2個で置き
換え、同時に遊離したアルコールを除去し、それから更
に2個のアルコキシド基をジオールまたはグリコールモ
ノエーテルで置き換え、その間同時に遊離したアルコー
ルを除去すると特に良い結果が達成される。こうして得
られたTa/Nb化合物上に残った最後のアルコキシド
基は水で加水分解する。
【0009】Tiアルコキシド上のアルコキシド基の中
の2個を、まず炭素鎖長C6-C19のカルボン酸2個で置
き換え、その間同時にアルコールを除去し、それから更
に1個のアルコキシド基をジオールまたはグリコールモ
ノエーテルで置き換え、その間同時にアルコールを除去
することも有利であることが証明された。この場合もま
た、TaおよびNb化合物の場合と同様に、最後のアル
コキシド基は、水を加えて加水分解する。
【0010】驚くべきことにこの方式で製造された溶液
は加水分解に対して抵抗することが発見された。かくし
て本発明のTaあるいはNb溶液に水を加えて24時間
経過しても加水分解は起こらない。本発明のTiカルボ
キシレート溶液も非常に安定で、水の存在下に100℃
で加熱することさえ可能である。これらの極端な条件で
の挙動から、この化合物は長期間安定であると見なすこ
とができよう。
【0011】本発明で得られる金属塩溶液は更に下記の
方法によって加工するのが有利である。すなわち、 1.溶媒を除去することによって安定なゲルが得られ
る。このゲルは假焼することによって微粒子状の相当す
る金属酸化物に転化することができる。
【0012】2.別の実施態様では、好ましくはアンモ
ニアを加えて金属酸化物水和物を沈殿させ、得られた酸
化物水和物を一旦濾過、乾燥そして假焼して、対応する
酸化物の微粒粉末を得る。
【0013】3.例えば電気用セラミックスとして興味
が持たれている安定な多成分溶液を、本発明によって得
られる金属塩溶液から製造することができる。このよう
にして例えば、本発明によって得られるチタン塩溶液は
直接カルボン酸バリウム溶液と混合することができる。
この混合物は、純粋なカルボン酸塩溶液と同じように更
に加工することができる(上記1および2参照)。電気
セラミックス用チタンを含む他の基本成分、例えばチタ
ン酸鉛、チタン酸鉛ジルコニウム、チタン酸ストロンチ
ウム等もまた、同様な金属カルボン酸混合物を経由して
得ることができる。電気セラミックス用Nbおよび/ま
たはTaを含む基本成分、例えばニオブ酸鉛マグネシウ
ム、ニオブ酸鉛ニッケル、タンタル酸バリウムマグネシ
ウム、およびタンタル酸バリウム亜鉛も、同じ方式で製
造することができる。
【0014】上記1および2に記載した様に加工する
と、非常に均一で反応性の高い中間体がこの多成分溶液
から得られ、これは非常に低い温度でも反応することが
できる。そのようにしてして、例えばパイロクロール相
が、沈殿したPMN中間体から300℃という低温で得
られる。500℃で、このパイロクロールは所望のペロ
ブスカイトに変わる。700℃で3時間假焼すると、ペ
ロブスカイト含量は、80%以上になる。假焼温度は、
いかなる性状のペロブスカイトを得るかによって変えら
れる。しかし、本発明の方法を使用して得られる中間体
は反応性が高いので、これらの假焼温度はセラミック工
程の場合よりも明らかに低くできる。假焼は、30分か
ら4時間の範囲で実施するのが特に有利である。
【0015】4.フィルム形成性補助物質を、本発明に
よって得られる同金属塩溶液および多成分溶液に添加す
ることによって安定な溶液を製造することが可能であ
り、この溶液は更に金属を10%以上含むフィルムに加
工することができる。本発明はまたその使用も提供す
る。
【0016】5.上記4で製造した安定な溶液を対応す
る金属酸化物と混合すると、安定な懸濁液が得られ、こ
れは更に金属含量が50%以上のフィルムに加工するこ
とができる。上記4および5で述べたフィルムは、厚さ
が10μm以下の誘電体薄層を製造できるので注目され
る。本発明はこの使用も提供する。
【0017】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。ただ本発明はこれら実施例によって制限されない。
【0018】
【実施例】
比較実施例1例えば塗料工業で使用される金属カルボキシレート溶液
の製造 1モルのPbOまたはZnOまたはMgOまたはE23
(E=稀土類金属)またはZr2(CO3)(OH)22または
Ba(OH)2またはSr(OH)2またはCo(OH)2を2-
エチルヘキサン酸とミネラルスピリットとの混合物に少
しづつ添加し、ゆっくりと100℃に加熱した。反応で
生じた水を、減圧下に反応混合物から除去した。透明な
溶液が得られた。2-エチルヘキサン酸の量は必要に応
じて化学量論量以下に、以上に、あるいは丁度に調整し
た。
【0019】実施例1Nb金属カルボキシレート溶液の製造 1モルのNb(OEt)5を200gのミネラルスピリ
ットで希釈し、撹拌した。得られた混合物を60℃に加
熱し、2モルの2-エチルヘキサン酸を添加した。2モ
ルのエタノールが遊離し、これは減圧下に60℃で蒸留
して除去した。1モルのジオール(例えば2-メチル-
2,4-ペンタンジオール)を第2段階で添加した。そう
して遊離したエタノールも蒸留によって除去した。それ
から1モルの水をゆっくりと導入した。遊離したエタノ
ール(1モル)を蒸留で除去した。得られた混合物は、
ミネラルスピリットを使用してその金属含量を10%に
調整した。
【0020】実施例2Ti金属カルボキシレート溶液の製造 1モルのチタン酸イソプロピルを等量のミネラルスピリ
ットで希釈し、2モルの2-エチルヘキサン酸を撹拌下
にゆっくりと添加した。2モルのイソプロパノールが遊
離し、それを減圧下に60℃で蒸留除去した。0.5モ
ルのジオール(例えば2-メチル-2,4-ペンタンジオー
ル)を第2段階で添加した。イソプロパノールが再び遊
離し、それを溶液から減圧下に除去した。最終段階で、
1モルの水をゆっくりと滴下し、そうして遊離したアル
コールを蒸留によって除去した。得られた混合物は最後
に所望の金属含量に調整した。
【0021】実施例3鉛、マグネシウム、およびニオブカルボキシレートから
なる多成分溶液の製造 155gの、Nb金属含量12%のニオブカルボキシレ
ート溶液(実施例1参照)、260gのPb金属含量2
4%の鉛カルボキシレート溶液、および60gのMg金
属含量4%のマグネシウムカルボキシレート溶液を一緒
に混合した。得られた混合金属溶液は加水分解抵抗性
で、貯蔵の際安定であり、そのPb:Mg:Nbのモル
比は3:1:2であった。
【0022】実施例4鉛、ジルコニウムおよびチタンカルボキシレートからな
る多成分溶液の製造 115gの、Pb金属含量36%の鉛カルボキシレート
溶液、51gの、Zr金属含量18%のジルコニウムカ
ルボキシレート溶液、および60gの、チタン含量が8
%のチタンカルボキシレート溶液(実施例2参照)を一
緒に混合した。得られた混合金属溶液は、加水分解抵抗
性で、貯蔵の際安定であり、そのPb:Zr:Tiのモ
ル比は2:1:1であった。
【0023】実施例5バリウムおよびチタンカルボキシレートからなる多成分
溶液の製造 110gの、Ba金属含量12.5%のバリウムカルボ
キシレート溶液、および60gの、チタン含量が8%の
チタンカルボキシレート溶液(実施例2参照)を一緒に
混合した。得られた混合金属溶液は加水分解抵抗性で、
貯蔵の際安定であり、そのBa:Tiのモル比は1:1
であった。
【0024】実施例6更にグリーンフィルムに加工できる、典型的な研磨組成
物の製造 初めに50gの水を撹拌容器に導入した。60gのニオ
ブ酸鉛マグネシウム(純粋なペロブスカイト相)、0.
5gのボルキゲン(Borchigen)DFN(Borchers社
(モンハイム)製)、0.5gのアンモニア(25%濃
度)および1gのボルキゲル(Borchigel)L75N(B
orchers社(モンハイム)製)を、ゆっくり撹拌しなが
ら続けて添加した。110gのガラスビーズ(直径2m
m)を加えてから、得られた混合物をビーズミル(1,
800rpm)を用いて約45分間分散させた。得られ
た分散物を、ゆっくり撹拌しながら、Acronal 290
Dポリマー分散物(BASF社製品)であるラッカーに
配合した。ガラスビーズを篩で分けてから、45gの実
施例3で述べた混合物および5gのAtlox 1045A
(ICI製品)を、ラッカー200gに添加した。この
ラッカー混合物をゆっくり撹拌してホモジェナイズし、
3時間熟成すると塗装することができた。
【0025】使用した補助物質に関する情報 Borchigen DFN :芳香族ポリグルコールエーテル Borchigel L75N:疎水化ポリエーテルウレタン共重
合体(水中50%)を基体としたノニオン性増粘剤 Acronal 290 D:アクリル酸ブチル−スチレン共重
合体の分散液(水中50%) Atlox 1045A :ポリオキシエチレンソルビトール
オレエートラウレート。 実施例7ニオブ酸鉛マクネシウムの製造 実施例3から得られたPMNカルボキシレート溶液10
0gを透明になるまで濃縮し、透明なゲルを得た。この
ゲルを800℃で2時間假焼した。この方法で得た粉末
は実質的にペロブスカイトの純粋相からなり、ピロクロ
ール含量は2%以下であった。
【0026】実施例8ニオブ酸鉛マクネシウムの製造 実施例3から得られたPMNカルボキシレート溶液10
0gを、25%濃度のNH4OH約40mlと混合し
た。微粒子の白色沈殿が定量的に生じ、それを濾過分離
した。濾過残渣は105℃で乾燥し、次いで800℃で
2時間假焼した。この方法で得た粉末も、実質的にペロ
ブスカイトの純粋相からなり、ピロクロール含量は2%
以下であった。
【0027】実施例9酸化ニオブの製造 ニオブ含量が10%であるニオブカルボキシレート溶液
(実施例1)100gを透明なゲルになるまで濃縮し
た。このゲルを800℃で分解した。この方法で得た粉
末は酸化ニオブの純粋相からなっていた(T-相)。
【0028】実施例10チタン酸バリウムの製造 実施例5から得られたBa-Tiカルボキシレート溶液
100gを濃縮して、透明なゲルを得た。このゲルを9
00℃で4時間假焼した。X線回折分析で、得られた粉
末はペロブスカイトの純粋相からなっていた。
【0029】実施例11チタン酸バリウムの製造 実施例5から得られたBa-Tiカルボキシレート溶液
100gを、25%濃度のNH4OH溶液約40mlと
混合した。微粒子の白色沈殿が生じ、それを濾過し、そ
してメタノールで洗浄した。この沈殿を105℃で乾燥
し、次いで800℃で4時間假焼した。この方法で得た
粉末も、実質的にペロブスカイトの純粋相からなってい
た。
【0030】実施例12加水分解抵抗性試験(純粋なアルコキシドカルボキシレ
ート溶液またはアルコキシド溶液との比較) 本発明のNbまたはTa化合物のミネラルスピリット溶
液(各々金属含量10%)50gを、5gの水と室温で
撹拌した。24時間撹拌しても、この混合物は濁りも沈
殿も示さなかった。一方、比較に用いたNb(OEt)
5、Nb(OR)3(OOCR)2、Ta(OEt)5およ
びTa(OR)3(00CR)2は直ちに濁りを生じ、水
を加えると沈殿が生成した。
【0031】実施例13加水分解抵抗性試験 本発明のTi化合物のミネラルスピリット溶液50g、
およびTi(OCH32(C919COO)2のミネラル
スピリット溶液50g(それぞれ金属含量5%)とをそ
れぞれ5gの水と混合し、加熱しながら撹拌した。本発
明のTi化合物の場合、100℃以上の温度で、有機溶
液中に濁りや沈殿が生ぜず、水を溜去することができ
た。一方、Ti(OCH32(C919COO)2のミネ
ラルスピリット溶液と水との混合物は70℃以上の温度
でメタノールを放出し、処理の途中で濁りを生じた。
【0032】実施例14Nb金属カルボキシレート溶液の製造 0.5モルのNb(OEt)5を、200gのミネラルス
ピリットで希釈し、撹拌した。得られた混合物を60℃
に加熱して、1モルのネオデカン酸を加えた。1モルの
エタノールが生じ、それを減圧下に60℃で溜去した。
第2段階で、1モルのグリコールモノエーテル(ブチレ
ングリコール)を添加した。遊離したエタノールを溜去
した。それから得られた混合物に0.5モルの水を加え
た。遊離したエタノールをもう1度溜去した。得られた
溶液はミネラルスピリットを使用して金属含量8%に調
整した。
【0033】実施例15Nb金属カルボキシレート溶液の製造 1モルのNb(OEt)5を、200gのミネラルスピ
リットで希釈し、撹拌した。得られた混合物を60℃に
加熱して、2モルのネオデカン酸を加えた。2モルのエ
タノールが生じ、それを減圧下に60℃で溜去した。第
2段階で、1モルのジオール(2-メチルペンタン-2,
4-ジオール)を添加した。遊離したエタノールを溜去
した。それから1モルの水を得られた混合物に加えた。
もう1度、生じたエタノールを溜去した。得られた溶液
はミネラルスピリットを使用して金属含量10%に調整
した。
【0034】実施例16Ta金属カルボキシレート溶液の製造 1モルのTa(OEt)5を、200gのミネラルスピ
リットで希釈し、撹拌した。得られた混合物を60℃に
加熱して、2モルの2-エチルヘキサン酸を加えた。2
モルのエタノールが生じ、それを減圧下に60℃で溜去
した。第2段階で、1モルのジオール(2-メチルペン
タン-2,4-ジオール)を添加した。遊離したエタノー
ルを溜去した。最後に1モルの水を同混合物に加えた。
生じたエタノールをもう1度溜去した。得られた溶液は
ミネラルスピリットを使用して金属含量10%に調整し
た。
【0035】本発明の主なる特徴および態様は以下のよ
うである。
【0036】1.一般式:M(OH)X(A)Y(B)Z
の有機金属化合物において、Mは、Ti(IV)、Nb
(V)およびTa(V)からなる群から選択した金属であ
り、NbおよびTaに対してはx+y+z=5であり、
そしてTiに対してはx+y+z=4であり、Aは、ジ
オールおよび/またはグリコールモノエーテルのアルコ
キシドリガンドであり、そしてBは、炭素鎖長がC6-C
19である脂肪酸のカルボキシレートリガンドである、こ
とを特徴とする有機金属化合物。
【0037】2.Aが2-メチル-2,4-ペンタンジオレ
ートであり、そしてBが2-エチルヘキサン酸塩である
ことを特徴とする第1項記載の有機金属化合物。
【0038】3.有機金属化合物が炭化水素中で溶解形
で存在することを特徴とする第1項または第2項記載の
有機金属化合物。
【0039】4.第1項または第2項記載の有機金属化
合物の製造法において、TaまたはNbに対しては一般
式M(OR)5、そしてTiに対しては一般式M(O
R)4式中、Rは有機基である、の金属アルコキシドを
炭化水素中に溶解し、順次それをカルボン酸、ジオー
ル、グリコールモノエーテルおよび水からなる群から選
択した1種またはそれ以上の試薬と反応させて上述した
化合物を生成させ、遊離して来たアルコール:ROHを
同時に除去することを特徴とする有機金属化合物の製造
法。
【0040】5.TaまたはNbアルコキシド中の2個
のアルコキシド基を、最初に炭素鎖長がC6-C19のカル
ボン酸2個で置換させ、その間遊離して来るアルコール
は同時に除去し、次いでさらに2個のアルコキシド基を
ジオールまたはグリコールモノエーテルで置換させ、遊
離して来るアルコールを同時に除去し、そして最後のア
ルコキシド基を水で加水分解することを特徴とする第4
項記載の製造法。
【0041】6.Tiアルコキシド中の2個のアルコキ
シド基を、最初に炭素鎖長がC6-C19のカルボン酸2個
で置換させ、その間遊離して来るアルコールは同時に除
去し、次いでさらに1個のアルコキシド基をジオールま
たはグリコールモノエーテルで置換させ、遊離して来る
アルコールを同時に除去し、そして最後のアルコキシド
基を水で加水分解することを特徴とする第4項記載の製
造法。
【0042】7.金属含量10%以上のフィルムを製造
するために、該有機金属化合物またはこれら化合物を含
む多成分系に、さらにフィルム形成用補助物質を添加す
る第6項記載の製造法。
【0043】8.該有機金属化合物またはこれら化合物
を含む多成分系に、更に同種金属の酸化物を加えた金属
含量50%以上の安定な分散物からフィルムを製造する
ために、フィルム形成用補助物質を添加する第6項記載
の製造法。
【0044】9.金属含量10%以上のフィルムを製造
するために、該有機金属化合物またはこれら化合物を含
む多成分系に、さらにフィルム形成用補助物質を添加す
る第1項記載の製造法。
【0045】10.該有機金属化合物またはこれら化合
物を含む多成分系に、更に同種金属の酸化物を加えた金
属含量50%以上の安定な分散物からフィルムを製造す
るために、フィルム形成用補助物質を添加する第1項記
載の製造法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/41 9450−4H C07C 51/41 53/126 9450−4H 53/126 C07F 9/00 9450−4H C07F 9/00 Z // C07C 29/68 C07C 29/68 (72)発明者 カールハインツ・ライヘルト ドイツ38315ホルンブルク・ツイーゼルバ ツハシユトラーセ30 (72)発明者 ボルフガング・ジモン ドイツ38640ゴスラー・ブライヘベーク40 (72)発明者 ハラルト・トレガー ドイツ38642ゴスラー・ジートラーシユト ラーセ1アー (72)発明者 ギスベルト・エベリング ドイツ38644ハーネンクレー・ヒンデンブ ルクプラツツ5

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:M(OH)X(A)Y(B)Z
    有機金属化合物において、Mは、Ti(IV)、Nb
    (V)およびTa(V)からなる群から選択した金属であ
    り、NbおよびTaに対してはx+y+z=5であり、
    そしてTiに対してはx+y+z=4であり、Aは、ジ
    オールおよび/またはグリコールモノエーテルのアルコ
    キシドリガンドであり、そしてBは、炭素鎖長がC6-C
    19である脂肪酸のカルボキシレートリガンドである、こ
    とを特徴とする有機金属化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機金属化合物の製造法
    において、TaまたはNbに対しては一般式M(OR)
    5、そしてTiに対しては一般式M(OR)4式中、Rは
    有機基である、の金属アルコキシドを炭化水素中に溶解
    し、それをカルボン酸、ジオール、グリコールモノエー
    テルおよび水からなる群から選択した1種またはそれ以
    上の試薬と順次反応させて上述した化合物を生成させ、
    遊離して来たアルコール:ROHを同時に除去すること
    を特徴とする有機金属化合物の製造法。
JP7352934A 1995-01-03 1995-12-29 Nb、TaおよびTi塩溶液、その製造法およびその使用 Pending JPH08253490A (ja)

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