JPH08253487A - ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

ケイ素化合物の製造方法

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JPH08253487A
JPH08253487A JP8621595A JP8621595A JPH08253487A JP H08253487 A JPH08253487 A JP H08253487A JP 8621595 A JP8621595 A JP 8621595A JP 8621595 A JP8621595 A JP 8621595A JP H08253487 A JPH08253487 A JP H08253487A
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ether
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憲彦 坂本
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龍一 勝村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式〔1〕 【化1】 (R1 、R2 :炭素数1〜8のアルキル基、R3 :水素
原子又はメチル基、n:1〜6の整数)で表わされるポ
リアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒とす
る炭素数が2以上のグリニャール試薬とケイ素化合物を
カップリング反応することを特徴とするケイ素化合物の
製造方法。 【効果】本発明の製造方法によれば、反応混合液が均一
な溶液となり、カップリング反応で生ずるハロゲン化マ
グネシウム錯体等の副生物を除去する操作段階を経るこ
となく、そのまま反応混合液から蒸留等による分離・精
製が可能となるので、カップリング反応後の処理を簡易
化できる。また、ポリアルキレングリコ−ルジアルキル
エ−テル溶媒が比較的高沸点であることから、THF等
を溶媒とする場合とは異なり、生成物が低沸点の場合で
も蒸留による精製が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素化合物の工業的
生産に適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グリニャール試薬は、古くはジエチルエ
−テル、ジブチルエ−テル等の鎖状エ−テルを溶媒とし
て、近年ではテトラヒドロフラン(THF)等の環状エ
−テルを溶媒として調製されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えばテトラヒドロフ
ランを溶媒とするグリニャール試薬では、グリニャール
試薬とケイ素化合物とのカップリング反応で副生する塩
化マグネシウム錯体はテトラヒドロフランに溶解され
ず、この錯体が結晶若しくは沈澱として析出してくる。
したがって、析出した錯体を濾過等の方法により除去す
る操作を経なければ、生成物を蒸留等の手段を用いて分
離・精製できない等の不便がある。また、析出した錯体
を水に溶解させて系外に除去する方法もあるが、水で容
易に加水分解するケイ素−ハロゲン結合をもつ生成物の
場合にあっては、この方法を取り得ない。一方、ジエチ
ルエ−テル、THF等の溶媒は比較的低沸点であり、む
しろ高沸点溶媒の方が好ましい化学反応もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、ケ
イ素化合物の工業的な生産方法を鋭意研究したところ、
特定のポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを
溶媒とするグリニャール試薬とケイ素化合物をカップリ
ング反応すれば、副生するハロゲン化マグネシウム錯体
がこの溶媒に溶解して反応混合液が均一な溶液となるこ
とから、その後の処理が簡易になり、また、比較的低沸
点の生成物の場合でも蒸留による精製が容易となること
を見出し、本発明に至った。
【0005】本発明は、一般式〔1〕
【化3】 (式中R1 、R2 は炭素数1〜8のアルキル基で同一で
あっても異なっていてもよく、R3 は水素原子又はメチ
ル基を、nは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒と
する炭素数が2以上のグリニャール試薬と一般式〔2〕
【0006】
【化4】 (式中R4 は炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、mは
0〜3の整数をそれぞれ示す)で表されるケイ素化合物
をカップリング反応することを特徴とするケイ素化合物
の製造方法である。
【0007】さらに、本発明の製造方法では、グリニャ
ール試薬を調製する際やグリニャール試薬を調製した後
に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒
を添加することができる。これらの炭化水素系溶媒をあ
らかじめ加えておけば、アリルクロライド、ベンジルク
ロライド等のハロゲン化物ではグリニャール試薬の収率
が顕著に向上する。また、グリニャール試薬の調製の前
後に炭化水素系溶媒を加えておくと、グリニャール試薬
とケイ素化合物をカップリング反応した後、反応混合液
を蒸留するに際して、常温で固体の生成物の場合は生成
物を炭化水素系溶媒で液状化(溶解)することができ、
蒸留時における生成物の器壁への固化による付着を有効
に防止できる。
【0008】本発明に係るグリニャール試薬は、一般式
〔1〕で表されるポリアルキレングリコ−ルジアルキル
エ−テルを溶媒として調製される。ポリアルキレングリ
コ−ルジアルキルエ−テルを溶媒として用れば、グリニ
ャール試薬と一般式〔2〕のケイ素化合物をカップリン
グ反応した後も、副生する塩化マグネシウム錯体等がポ
リアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルに溶解する
ので均一な溶液状態を保つことができる。
【0009】一般式〔1〕で表されるポリアルキレング
リコ−ルジアルキルエ−テルとしては、例えばジエチレ
ングリコ−ルジエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ル
ジブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルエチルメチル
エ−テル、ジプロピレングリコ−ルジメチルエ−テル、
ジプロピレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジプロピレ
ングリコ−ルジブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−
ルイソプロピルメチルエ−テル、ジプロピレングリコ−
ルイソプロピルエチルエ−テル、トリエチレングリコ−
ルジメチルエ−テル、テトラエチレングリコ−ルジメチ
ルエ−テル、トリプロピレングリコ−ルジメチルエ−テ
ル、ペンタエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ヘキ
サエチレングリコ−ルジメチルエ−テル等を挙げること
ができる。
【0010】なお、テトラヒドロフラン(THF)、ジ
チルエ−テル等の溶媒でグリニャール試薬を調製した後
に、これらの溶媒を本発明に係るポリアルキレングリコ
−ルジアルキルエ−テル溶媒と交換しても、当初からポ
リアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒とす
るグリニャール試薬を用いた場合と同様の効果がある。
【0011】本発明の製造方法で使用する炭素数が2以
上のグリニャール試薬としては、例えば炭素数2〜12
のアルキルマグネシウムハライド、炭素数2〜12のア
ルケニルマグネシウムハライド、炭素数2〜6のアルキ
ニルマグネシウムハライド、炭素数7〜16のアラルキ
ルマグネシウムハライド、炭素数4〜8のシクロアルキ
ルマグネシウムハライド、炭素数6〜10のアリ−ルマ
グネシウムハライド等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。具体例としては、n−プロピルマグ
ネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムブロマ
イド、i−プロピルマグネシウムクロライド、i−プロ
ピルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウム
クロライド、n−ブチルマグネシウムブロマイド、i−
ブチルマグネシウムクロライド、i−ブチルマグネシウ
ムブロマイド、sec−ブチルマグネシウムクロライ
ド、sec−ブチルマグネシウムブロマイド、t−ブチ
ルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムブ
ロマイド、n−アミルマグネシウムクロライド、ヘキシ
ルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロ
ライド、デシルマグネシウムクロライド、ドデシルマグ
ネシウムクロライド、ビニルマグネシウムクロライド、
アリルマグネシウムクロライド、1−プロペニルマグネ
シウムクロライド、1−メチルビニルマグネシウムクロ
ライド、2−ブテニルマグネシウムクロライド、ベンジ
ルマグネシウムクロライド、シクロペンチルマグネシウ
ムクロライド、シクロヘキシルマグネシウムクロライ
ド、シクロオクチルマグネシウムクロライド、2−プロ
ピニルマグネシウムクロライド、エチニルマグネシウム
クロライド、フェニルマグネシウムクロライド、o−ト
リルマグネシウムクロライド、p−トリルマグネシウム
クロライド、4−フルオロフェニルマグネシウムクロラ
イド、キシリルマグネシウムクロライド等がある。
【0012】本発明の製造方法で使用される一般式
〔2〕で表されるケイ素化合物〔R4 m SiX4-m
で、式中のR4 はアルキル基、アルケニル基、アリ−ル
基、アラルキル基等であり、また、Xは、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子である。一般式
〔2〕で表されるケイ素化合物としては、例えばテトラ
クロルシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジク
ロルシラン、フェニルトリクロルシラン、ジフェニルジ
クロルシラン、ビニルトリクロルシラン、アリルトリク
ロルシラン、メチルビニルジクロルシラン、ジメチルク
ロルシラン、メチルジクロルシラン等が挙げられる。
【0013】ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−
テルを溶媒とする炭素数が2以上のグリニャール試薬と
一般式〔2〕で表されるケイ素化合物をカップリング反
応することにより、ハロゲン化マグネシウム錯体がこの
溶媒に溶解した均一な反応混合液が得られる。例えば水
で加水分解し易い生成物の場合は、この反応混合液をそ
のまま蒸留することにより、生成物を分離・精製するこ
とができる。一方、水に安定な生成物の場合は、反応混
合液をそのまま蒸留してもよく、また、常法により水を
加えて有機層を抽出後に蒸留等の方法で精製してもよ
い。グリニャール試薬と一般式〔2〕で表されるケイ素
化合物の組み合わせを変化させることにより、種々のケ
イ素化合物を簡易に製造できる。
【0014】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明を説明する
が、生成物等は、NMR及びガスクロマトグラフィ−で
同定し、既知サンプルと同一であることを確認した。
【0015】実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル
98gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、n−プ
ロピルクロライド39.3g(0.5mol)を50〜
60℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終了
後、この温度で2時間攪拌してn−プロピルマグネシウ
ムクロライドのジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル
溶液(グリニャ−ル試薬)を得た。このグリニャ−ル試
薬に、攪拌しながらトリメチルクロルシラン39.1g
(0.36mol)を50〜60℃に保つように1時間
かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した
(フラスコ内は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出
は認められなかった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ
−トを取り除き、蒸留装置を取り付けて蒸留した。蒸留
することによって、86〜89℃/760mmHgの留
分として目的物であるn−プロピルトリメチルシラン3
5.6g(収率85%)を得た。
【0016】実施例2 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びトリエチレングリコ−ルジメチルエ−テ
ル98gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、n−
ブチルクロライド46.2g(0.5mol)を60〜
70℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終了
後、この温度で3時間攪拌してn−ブチルマグネシウム
クロライドのトリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル
溶液(グリニャ−ル試薬)を得た。このグリニャ−ル試
薬に、攪拌しながらジメチルクロルシラン34.1g
(0.36mol)を50〜60℃に保つように1時間
かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した
(フラスコ内は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出
は認められなかった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ
−トを取り除き、蒸留装置を取り付けて減圧蒸留した。
減圧蒸留することによって、73〜80℃/400mm
Hgの留分として目的物であるn−ブチルジメチルシラ
ン36.4g(収率87%)を得た。
【0017】実施例3 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジプロピレングリコ−ルジブチルエ−テ
ル130gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、i
−プロピルクロライド39.3g(0.5mol)を4
0〜50℃に保ちながら3時間かけて滴下した。滴下終
了後、この温度で3時間攪拌してi−プロピルマグネシ
ウムクロライドのジプロピレングリコ−ルジブチルエ−
テル溶液(グリニャ−ル試薬)を得た。このグリニャ−
ル試薬に、攪拌しながらトリメチルクロルシラン39.
1g(0.36mol)を50〜60℃に保つように1
時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌
した(フラスコ内は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の
析出は認められなかった)。つぎに、室温まで冷却後、
攪拌しながら40℃以下に保つように水200mlを滴
下した。これを分液した後、有機層を水洗して無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濾過後、蒸留することによっ
て、85〜88℃/760mmHgの留分として目的物
であるi−プロピルトリメチルシラン37.7g(収率
90%)を得た。
【0018】実施例4 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジプロピレングリコ−ルジブチルエ−テル
130g及びトルエン53gを仕込み、窒素雰囲気下で
攪拌しながら、i−プロピルクロライド39.3g
(0.5mol)を40〜50℃に保ちながら3時間か
けて滴下した。滴下終了後、この温度で3時間攪拌して
i−プロピルマグネシウムクロライド溶液(グリニャ−
ル試薬)を得た。このグリニャ−ル試薬に、攪拌しなが
らジメチルジクロルシラン46.5g(0.36mo
l)を50〜60℃に保つように1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内
は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出は認められな
かった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ−トを取り除
き、蒸留装置を取り付けて減圧蒸留した。減圧蒸留する
ことによって、45〜50℃/100mmHgの留分
(84.7g)を得た。分析の結果、目的物であるi−
プロピルジメチルクロルシラン33.4g(収率68
%)とトルエン43gであった。
【0019】実施例5 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル1
30g及びトルエン32gを仕込み、窒素雰囲気下で攪
拌しながら、アリルクロライド38.2g(0.5mo
l)を5〜10℃に保ちながら7時間かけて滴下した。
滴下終了後、この温度で3時間攪拌し、ついで副生した
1,5−ヘキサジエンとトルエンを減圧下(80〜90
℃/100〜500mmHg)で留去してアリルマグネ
シウムクロライド溶液(グリニャ−ル試薬)を得た。こ
のグリニャ−ル試薬に、攪拌しながらトリメチルクロル
シラン30.4g(0.28mol)を50〜60℃に
保つように2時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃
で3時間攪拌した(フラスコ内は、暗赤色透明でMgC
2 の結晶の析出は認められなかった)。つぎに、還流
冷却器及び滴下ロ−トを取り除き、蒸留装置を取り付け
て減圧蒸留した。減圧蒸留することによって、40〜5
0℃/200mmHgの留分として目的物であるアリル
トリメチルシラン28.8g(収率90%)を得た。
【0020】実施例6 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、ジメチルジクロルシラン45.
1g(0.35mol)及びトルエン45gを仕込み、
窒素雰囲気下で攪拌しながら、実施例5と同様にしてア
リルクロライド38.2g(0.5mol)から調製し
たアリルマグネシウムクロライド溶液(グリニャ−ル試
薬)を0〜10℃に保つように3時間かけて滴下した。
滴下終了後、10℃で3時間攪拌した(フラスコ内は、
暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出は認められなかっ
た)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ−トを取り除き、
蒸留装置を取り付けて減圧蒸留した。減圧蒸留すること
によって、46〜52℃/100mmHgの留分(6
1.6g)を得た。分析の結果、目的物であるアリルジ
メチルクロルシラン30.6g(収率65%)とトルエ
ン31gであった。
【0021】実施例7 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロ−ト及びガス吹き
込み装置を備えた500mlのフラスコに、マグネシウ
ム12.2g(0.5mol)及びジプロピレングリコ
−ルi−プロピルエチルエ−テル106gを仕込み、窒
素雰囲気下で攪拌しながら、ビニルクロライド31.3
g(0.5mol)を20〜30℃に保ちながら3時間
かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、この温度で3時間
攪拌してビニルマグネシウムクロライドのジプロピレン
グリコ−ルi−プロピルエチルエ−テル溶液(グリニャ
−ル試薬)を得た。このグリニャ−ル試薬に、攪拌しな
がらジメチルジクロルシラン23.3g(0.18mo
l)を40〜50℃に保つように1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、50℃で3時間攪拌した(フラスコ内
は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出は認められな
かった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ−トを取り除
き、蒸留装置を取り付けて減圧蒸留した。減圧蒸留する
ことによって、45〜50℃/250mmHgの留分と
して目的物であるジビニルジメチルシラン18.4g
(収率91%)を得た。
【0022】実施例8 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジプロピレングリコ−ルジエチルエ−テル
96g及びトルエン10gを仕込み、窒素雰囲気下で攪
拌しながら、n−プロピルクロライド39.3g(0.
5mol)を40〜50℃に保ちながら3時間かけて滴
下した。滴下終了後、この温度で3時間攪拌してn−プ
ロピルマグネシウムクロライド溶液(グリニャ−ル試
薬)を得た。つぎに、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴
下ロ−ト及びガス吹き込み装置を備えた500mlのフ
ラスコに、ジプロピレングリコ−ルジエチルエ−テル2
0g及びトルエン30gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌
しながら、アセチレン26.0g(1.0mol)を2
0〜30℃を保つように吹き込みつつ、先程調製したn
−プロピルマグネシウムクロライド溶液(グリニャ−ル
試薬)を滴下ロ−トから2時間かけて滴下した。吹き込
み終了後、この温度で1時間攪拌してエチニルマグネシ
ウムクロライド溶液を得た。このエチニルマグネシウム
クロライド溶液(グリニャ−ル試薬)に、攪拌しながら
トリメチルクロルシラン39.1g(0.36mol)
を40〜50℃に保つように1時間かけて滴下した。滴
下終了後、50℃で3時間攪拌した(フラスコ内は、暗
赤色透明でMgCl2 の結晶の析出は認められなかっ
た)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ−トを取り除き、
蒸留装置を取り付けて蒸留した。蒸留することによっ
て、49〜53℃の留分として目的物であるエチニルト
リメチルシラン28.6g(収率81%)を得た。
【0023】実施例9 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル
112gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、クロ
ルベンゼン56.3g(0.5mol)を60〜70℃
に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、この
温度で2時間攪拌してフェニルマグネシウムクロライド
のジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル溶液(グリニ
ャ−ル試薬)を得た。このグリニャ−ル試薬に、攪拌し
ながらジメチルクロルシラン34.1g(0.36mo
l)を50〜60℃に保つように1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内
は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出は認められな
かった)。つぎに、室温まで冷却後、攪拌しながら40
℃以下に保つように水200mlを滴下した。これを分
液した後、有機層を水洗して無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。濾過後、減圧蒸留することによって、50〜55
℃/10mmHgの留分として目的物であるフェニルジ
メチルシラン43.2g(収率88%)を得た。
【0024】実施例10 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル
112gを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、シク
ロヘキシルクロライド59.3g(0.5mol)を6
0〜70℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終
了後、この温度で2時間攪拌してシクロヘキシルマグネ
シウムクロライドのジエチレングリコ−ルジブチルエ−
テル溶液(グリニャ−ル試薬)を得た。このグリニャ−
ル試薬に、攪拌しながらジメチルクロルシラン34.1
g(0.36mol)を50〜60℃に保つように1時
間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌し
た(フラスコ内は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析
出は認められなかった)。つぎに、室温まで冷却後、攪
拌しながら40℃以下に保つように水200mlを滴下
した。これを分液した後、有機層を水洗して無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。濾過後、減圧蒸留することによっ
て、50〜55℃/10mmHgの留分として目的物で
あるシクロヘキシルジメチルシラン46.6g(収率9
1%)を得た。
【0025】
【発明の効果】実施例1〜10の記載から明らかなよう
に、特定のポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テ
ルを溶媒とする炭素数が2以上のグリニャール試薬とケ
イ素化合物をカップリング反応すれば、反応混合液が均
一な溶液となり、塩化マグネシウム錯体等の副生物を除
去する操作段階を経ることなく、そのまま反応混合液か
ら蒸留等による分離・精製が可能となるので、カップリ
ング反応後の処理を簡易化できる。また、ポリアルキレ
ングリコ−ルジアルキルエ−テル溶媒が比較的高沸点で
あることから、THF、ジエチルエ−テル等を溶媒とす
る場合とは異なり、低沸点の生成物の場合でも蒸留によ
る精製が容易となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔1〕 【化1】 (式中R1 、R2 は炭素数1〜8のアルキル基で同一で
    あっても異なっていてもよく、R3 は水素原子又はメチ
    ル基を、nは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
    ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒と
    する炭素数が2以上のグリニャール試薬と一般式〔2〕 【化2】 (式中R4 は炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、mは
    0〜3の整数をそれぞれ示す)で表されるケイ素化合物
    をカップリング反応することを特徴とするケイ素化合物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製造方法であって、グリニ
    ャール試薬を調製する際に若しくはグリニャール試薬を
    調製した後に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘ
    プタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、
    n−ドデカン、ベンゼン、トルエン又はキシレンである
    炭化水素系溶媒を添加するケイ素化合物の製造方法。
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