JPH08250531A - 樹脂封止型半導体装置の製造方法 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置の製造方法

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JPH08250531A
JPH08250531A JP5546395A JP5546395A JPH08250531A JP H08250531 A JPH08250531 A JP H08250531A JP 5546395 A JP5546395 A JP 5546395A JP 5546395 A JP5546395 A JP 5546395A JP H08250531 A JPH08250531 A JP H08250531A
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molding
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放熱用部材を備える樹脂封止型LSIを、低コ
ストで製造する。又、樹脂封止工程でのアイランドシフ
トによるショート不良発生を抑制する。 【構成】成形用下金型8Aのキャビティ底部に、ヒート
シンク5Aを入れ込む逃げ溝12を設け、樹脂圧入前に
ヒートシンク5Aを逃げ溝12にセットする。逃げ溝1
2周辺に水平に張り出す鍔状部分が、注入樹脂の圧力に
より逃げ溝12周辺部に押し付けられて樹脂の漏出を防
ぐので、逃げ溝12のクリアランスは高精度でなくて良
い。外装樹脂層3成形と同時にヒートシン5Aが止着さ
れるので、ヒートシンク5A取り付けのための特別な工
程が不要である。ヒートシンク5Aとアイランド4とが
直接接触する構造とすると、樹脂の圧力でアイランド4
がヒートシンク5Aに圧迫されるので、アイランドシフ
トが起らず、又、熱抵抗が更に小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂封止型半導体装置
の製造方法に関し、特に、ヒートシンクや熱伝導板など
のような熱放散促進、蓄熱防止のための放熱用部材を備
える樹脂封止型半導体装置における、放熱用部材取り付
けの方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に、従来の樹脂封止型LSIの一例
の断面図を示す。図5を参照して、このLSIは以下の
ようにして製造される。先ず、チップ1をリードフレー
ムのアイランド4に、ダイボンド材を用いて搭載する。
次に、ワイヤ2を用いて、チップ表面のボンディング・
パッド(図示せず)とリードフレーム側のリード端子6
とをボンディングする。その後、成形金型を用いたトラ
ンスファモールドによって、樹脂層3で封止し外装を施
す。最後にリード切断、成形を行って、図5に示す樹脂
封止型LSIが完成する。
【0003】以上が、これまで良く用いられてきた一般
的な樹脂封止型LSIであるが、近年、LSIの高機能
化、高密度化に応じて単位体積当りの発熱量が増大する
のに伴って、LSI構成部材や構造を、熱伝導性や熱放
散性の向上、蓄熱防止に適したものにする技術が必要に
なってきている。そのような工夫、対策を施した樹脂封
止型LSIとしては、図6に示すLSIが知られてい
る。この図に示すLSIでは、リード端子6に絶縁性接
着剤11やガラス融着などで固定された高熱伝導性の金
属ブロック(ヒートスプレッダ)10にチップを搭載し
て、低熱抵抗化を図っている。
【0004】上記の、図6に示すLSIは更に、図7に
示すように、ヒートスプレッダ10が樹脂層3から露出
するようにして、より熱放散性を高めることができる。
そのような樹脂封止型LSIは、例えば特開昭59ー2
8364号公報に開示されている。
【0005】熱放散性を良くした樹脂封止型LSIとし
ては、図8に示すような、図5に示すLSIに対してヒ
ートシンク5を、外装樹脂層3表面に取り付けたLSI
が知られている。又、図9に示すような、図7に示すヒ
ートスプレッダ露出構造のLSIに対しヒートシンク5
を、ヒートスプレッダ10の露出表面に取り付けたLS
Iもある。
【0006】更に、熱設計に配慮した樹脂封止型LSI
としては、上記の他に、特開平2ー163954号公報
に開示されたものがある。この公報記載の樹脂封止型L
SIでは、チップで発生した熱を低抵抗で高熱伝導板に
伝えるために、広い面積を持つ高熱伝導板をチップ搭載
用アイランドに極力近付けて配設している。そのため
に、リードフレームの吊りピンに、高熱伝導板位置決め
用の穴を設け、一方、高熱伝導板側に、吊りピン側の位
置決め用穴に嵌め合いとなる突起を設けている。この公
報記載のLSIを製造するには、先ず、チップをアイラ
ンドに固着し、チップ上のボンディング・パッドとリー
ドフレームのインナリードとをワイヤボンディングす
る。次に、上述の高熱伝導板の突起を、アイランドの裏
面側(チップが搭載されていない面の側)から吊りピン
の位置決め用穴に差し込み、高熱伝導板の位置決めと仮
り固定とを行う。その後、一般の樹脂封止型LSIにお
けると同様に、樹脂封止、リード切断、リード成形を行
って、LSIを完成させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した、樹脂封止型
LSIではいずれも、低熱抵抗化、高熱放散化対策を施
す結果、製造コストが増大するという副作用が生じる。
又、構造によっては、樹脂封止工程でアイランドが位置
ずれするという、いわゆるアイランドシフトが起り易
く、その結果、チップが外装樹脂表面に露出したり、ワ
イヤとチップとが接触しショート不良を起すことがあ
る。以下に、その説明を行う。
【0008】先ず、図5や図8に示すLSIのような、
アイランドを用いたものでは樹脂圧入時に、金型のキャ
ビティ内に圧入された溶融樹脂の流れおよび圧力によ
り、アイランド4がアイランドシフトを起し、ワイヤ2
の変形やチップ1との接触が生じ易いことは、従来、良
く知られていることである。
【0009】次に、図6,図7或いは図9に示すLSI
のような、高熱伝導性の金属ブロック10を用いて低熱
抵抗化したLSIでは、高熱伝導性金属ブロック10を
予めリードフレームのインナリード6に固着する工程が
必要となるので、その分、製造コストの上昇が避けられ
ない。
【0010】又、図8や図9に示すLSIのように、ヒ
ートシンク5を取り付けて熱放散性を高めたものでは、
樹脂封止工程後に、ヒートシンク5を封止樹脂3表面に
取り付け(図8の場合)又は、ヒートスプレッダ10の
露出表面に取り付ける(図9の場合)工程が必要となる
ので、やはり、製造コストの上昇が避けられない。
【0011】更に、上記特開平2ー163954号公報
記載のLSIでは、リードフレームの吊りピンに位置決
め用穴を設ける工程や、熱伝導板に突起を設ける工程が
必要で、しかもその加工には高い精度が要求されるの
で、製造コストが上昇する。
【0012】従って本発明は、低熱抵抗化、高熱放散化
効果に優れた樹脂封止型LSIを、構造の簡単な部品を
用い、簡単な工程で製造する方法を提供することを目的
とするものである。
【0013】本発明の更に他の目的は、上述のような低
熱抵抗性、熱放散性が良好で蓄熱防止効果に優れた樹脂
封止型LSIを、樹脂封止工程でのアイランドシフト、
延いてはワイヤとチップとの接触が生じないようにして
製造する方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂封止型半導
体装置の製造方法は、ヒートシンクや熱伝導板などのよ
うな金属製放熱用部材を備える樹脂封止型半導体装置を
製造する方法であって、成形金型のキャビティ内に溶融
樹脂を圧入して外装樹脂層を成形する樹脂封止工程を含
む樹脂封止型半導体装置の製造方法において、前記樹脂
封止工程で、予め前記放熱用部材を成形用下金型のキャ
ビティ底部に配設したのち前記溶融樹脂を圧入すること
により、前記外装樹脂層を成形すると同時に、成形後の
前記外装樹脂層の接着力を用いて前記放熱用部材を前記
外装樹脂層に止着することを特徴とする。
【0015】そして、前記樹脂封止工程で、前記成形用
下金型として、キャビティの底部に掘り込みを施した構
造の金型を用いると共に、前記放熱用部材として、前記
成形用下金型の掘り込み中に嵌入する部分と前記掘り込
みの周辺上に水平方向に張り出す鍔状部分とを備える構
造の放熱用部材を用いることを特徴とする。
【0016】又は、前記樹脂封止工程では、前記成形用
下金型として、キャビティの底部に枠状の突起部を設け
た構造の金型を用いると共に、前記放熱用部材として、
前記成形用下金型の枠状突起部に囲まれる空間内に嵌入
する部分と前記枠状突起部上に水平方向に張り出す鍔状
部分とを備える構造の放熱用部材を用いる。
【0017】或いは、前記突起部を、前記成形用下金型
に設けるのに替えて、成形品エジェクト用ノックアウト
ピンの放熱用部材に付き当てとなる面上に設けると共
に、前記成形用下金型のキャビティ底部に、前記突起部
付きのノックアウトピンが貫通する開口を設ける。
【0018】更に、前記樹脂封止工程で、前記放熱用部
材として、樹脂封止されるチップ又はリードフレームの
チップ搭載用アイランドの裏面に直接接触する部分を持
つ構造の放熱用部材を用いることを特徴とする。
【0019】そして、前記樹脂封止工程で、予め前記チ
ップ又は前記アイランドの裏面及び前記放熱用部材の表
面の少なくとも一方に高熱伝導性のダイボンド材を塗布
した後、樹脂圧入を行う。
【0020】
【作用】本発明によって製造される樹脂封止型LSI
は、ヒートシンクや熱伝導板などのような、高熱伝導性
の金属ブロックからなる放熱用部材を備えている。本発
明ではその放熱用部材を、樹脂封止の際に、予め成形用
下金型のキャビティ底部にセットしておいてから溶融樹
脂を圧入する。このことにより放熱用部材は、外装樹脂
層成形と同時に、固化した樹脂の接着力により外装樹脂
層に固定される。従って本発明によれば、先ず外装樹脂
層を形成した後、これとは別の工程で放熱用部材を取り
付けるという、放熱用部材取り付けのための特別な製造
工程が不要である。
【0021】本発明では、上記の外装樹脂層成形時の放
熱用部材の同時取り付けを、位置精度良くしかも効率的
に行うために、成形用下金型のキャビティ底部に、放熱
用部材の形状に合せて、放熱用部材がセット可能な逃げ
溝を設けている。一方、放熱用部材には、逃げ溝の内部
に入り込む部分と、逃げ溝の周囲に張り出す鍔状部分と
を設けている。溶融樹脂が注入されると、放熱用部材は
樹脂の流れにより横ずれを起そうとするが、逃げ溝の横
壁がその横ずれを押し留める。又、放熱用部材が注入樹
脂の圧力により逃げ溝の深さ方向に押し付けられるの
で、鍔状部分で逃げ溝に対して蓋をした状態になり、注
入樹脂が逃げ溝内に漏れ出して行くことはない。従っ
て、逃げ溝のクリアランスは特に高精度である必要はな
く、放熱用部材の横ずれを吸収できる程度であれば良
い。このように、本発明では、リードフレームと放熱用
部材とを予め固定して置くという工程が不要である。
又、リードフレームに位置決め用の穴を設け、一方、放
熱部材側にはその位置決め用穴に嵌め合となる突起を設
けるという、精度の要する加工をしかも両方の部品に施
す必要もない。
【0022】上記の放熱用部材の横ずれ防止効果およ
び、注入樹脂の逃げ溝内への漏出防止効果は、下金型の
構造が逃げ溝構造である場合だけに得られるものではな
い。下金型のキャビティ底部に枠状の突起部を設け、そ
の枠状の突起部で囲まれる空間内に鍔付き放熱用部材を
セットしても、同様の効果が得られる。更に、上記の枠
状突起部は、樹脂封止後に成形品をエジェクトするため
のノックアウトピン側に設けても、構わない。
【0023】これまで述べた発明の構成において、放熱
用部材の構造を、成形用金型内にセットされた放熱用部
材の上面と、その上にセットされるチップ又はチップを
搭載したアイランドの裏面とが直接接触するような構造
にすると、溶融樹脂注入の際にチップやアイランドが樹
脂の圧力により放熱用部材に押し付けられるので、チッ
プやアイランドの位置ずれという、いわゆるアイランド
シフトが起らない。従って、ボンディングワイヤとチッ
プとが接触するショート不良がなくなる。しかも、チッ
プやアイランドと放熱用部材との密着性が向上するの
で、熱抵抗が低くなる。
【0024】上記の構成において、予めチップやアイラ
ンドの裏面又は放熱用部材の上面に高熱伝導性のダイボ
ンド材を塗布しておいてから溶融樹脂を圧入すると、チ
ップやアイランドと放熱用部材との間の密着性が更に高
くなるので、熱抵抗をより低くできる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について、図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例に
より製造される樹脂封止型LSIの、樹脂封止工程にお
ける断面図である。図1を参照して、本実施例において
樹脂成形用金型のうちの下金型8Aは、逃げ溝12を設
けた構造となっている。この逃げ溝12は、高熱伝導性
の金属ブロックから成るヒートシンク5Aがセット可能
なようにするためのものである。尚、この逃げ溝12
は、ヒートシンク5Aの横ずれを吸収できる程度の大ま
かなクリアランスを持っていれば良い。
【0026】本実施例では、先ず予め、リードフレーム
15Aのアイランド4にチップ1を固着し、チップ1上
のボンディング・パッド(図示せず)とリードフレーム
のインナリード6とをボンディングワイヤ2で結んでお
く。次にこれとは別に、封止用下金型8Aの逃げ溝12
に、ヒートシンク5Aをセットする。そして、上述のチ
ップ搭載済みのリードフレーム15Aを、下金型8Aに
並べる。その後、封止用上金型7でクランプし、溶融し
た封止用樹脂30をキャビティ16内に圧入する。その
際、ヒートシンク5Aは注入樹脂30の圧力により、下
金型の逃げ溝12に抑え付けられる。従って、樹脂30
の流れによって生じるヒートシンク5Aの横ずれが、逃
げ溝12の横壁により押し留められる。それと同時に、
ヒートシンク5Aで逃げ溝12に蓋をしたような状態に
なるので、樹脂30の逃げ溝12側への漏れの経路が遮
断される。この溶融樹脂圧入、冷却の後、ヒートシンク
付きの成形品をノックアウトピン9を用いて金型7,8
Aから取り出すことになるが、ヒートシンク5Aは固化
した樹脂の接着性により、外装樹脂層内に半分埋め込ま
れた状態でLSI表面に強固に固着された状態を保つ。
【0027】本実施例では、このように、成形用下金型
8Aにヒートシンク取り付け用の逃げ溝12を設けるこ
とにより、樹脂封止の際にその逃げ溝12内にヒートシ
ンク5Aを落し込むというただ一回の操作だけで、ヒー
トシンク5Aを簡単にしかも位置精度よく取り付けるこ
とが可能である。すなわち、図8や図9に示す従来のヒ
ートシンク付きLSIとは違って、樹脂封止後の成形品
に後からヒートシンクを取り付けるという、特別な工程
が不要である。
【0028】又、図9に示すLSIとは違って、予めヒ
ートスプレッダ10を取り付けたリードフレーム15を
用いる必要がない。
【0029】更に、前述の特開平2ー163954号公
報記載のLSIとも異って、熱伝導板を取り付けるため
に、リードフレーム側に位置決め用の穴を設け、又、熱
伝導板側にリードフレーム側の穴と嵌め合いになる突起
を設けるという、特別な加工をする必要が無い。すなわ
ち、本実施例はLSI自体の構造が簡単で、従って、製
造工程も簡単である。しかも、本実施例では成形用下金
型8Aに逃げ溝12を設けるだけであるが、その逃げ溝
12は高精度である必要はなく、ヒートシンク5の横ず
れを防止できる程度のクリアランスを持っていれば良
い。このような金型の製造は、特に困難なことではな
い。
【0030】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図2は、本発明の第2の実施例により製造される
樹脂封止型LSIの、樹脂封止工程における断面図であ
る。図2と図1とを比較すると、本実施例は、ヒートシ
ンク5Bがリードフレーム側のアイランド4に直接接触
し、これを支持するように、ヒートシンク5Bに台座1
7を設けた点が、実施例1とは異なっている。本実施例
においても、下金型8Aの逃げ溝内にヒートシンク5B
をセットし、次いで、チップ搭載済みリードフレーム1
5Aを並べた後、溶融樹脂30を圧入する。アイランド
4はその際、ア注入樹脂30の流れによりシフトしよう
とするが、樹脂の圧力によりヒートシンクの台座17に
押し付けられるので、元のままの位置に留まっている。
【0031】本実施例によれば、このように、樹脂30
圧入によるアイランドシフトを防止できるだけでなく、
アイランド4と台座17とを密着させることができるの
で、チップ1からヒートシンク5B迄の熱伝導性を向上
させることできる。更に、樹脂圧入前に予め、台座17
表面又はアイランド4裏面に熱伝導性の良いダイボンド
材などを塗布しておくと、上記の熱伝導性がより向上す
る。
【0032】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図3は、本発明の第3の実施例により製造される
樹脂封止型LSIの、樹脂封止工程における断面図であ
る。図3と図2とを比較すると、本実施例は、下金型8
Bのキャビティ16の底となる部分に、放熱用熱伝導板
10を支持する凸部18を設けた点が、これまでの実施
例と異っている。凸部18は、熱伝導板10の横ずれを
吸収できる程度の、大まかなクリアランスをもっていれ
ばよい。本実施例においても、これ迄の実施例における
と同じ工程順に従って樹脂封止する。すなわち、下金型
8Bの凸部18上に、熱伝導板10の上部から水平方向
に張り出した鍔状部分を載せ、次いで、チップ搭載済み
リードフレーム15Aを並べた後、溶融樹脂30を圧入
する。その際、熱伝導板10は注入樹脂30に流され横
方向に移動しようとするが、鍔状部分下部の側壁が凸部
18に押し付けられるので、横ずれはクリアランスの範
囲内に留まる。又、熱伝導板10の鍔状部分が注入樹脂
30の圧力により下金型の凸部18に押し付けられるの
で、樹脂30が凸部18で囲まれたエリア内へ漏れだ出
すことはない。ここで、この実施例においては、凸部1
8を下金型8B側に設けたが、この凸部18を、成形品
のエジェクト用ノックアウトピン9側に設けるように変
形することもできる。この場合には、ノックアウトピン
の熱伝導板10底面に付き当てとなる面上に、凸部18
を設ける。一方、下金型はキャビティ底面を平坦にする
と同時に、凸部付きのノックアウトピンが貫通するよう
な開孔部を設ける。
【0033】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図4は、本発明の第4の実施例により製造される
樹脂封止型LSIの、樹脂封止工程における断面図であ
る。図4と図2とを比較すると、本実施例は、ワイヤボ
ンディングによって結線されたリードフレームに替え
て、TAB(Tape Aoutmated Bond
ing:テープ オートメーテッド ボンディング)方
式で結線したリードフレーム15Bを用いている点が、
これまでの実施例と異っている。これまでの実施例はい
ずれも、チップでの発生熱がアイランドを介して間接的
に、ヒートシンク(又は、熱伝導板)に伝えられる構造
であるが、本実施例では、チップ1はヒートシンク5B
に直接、接触する。従って、チップからヒートシンク迄
の熱抵抗が、これまでよりも更に小さくなる。本実施例
も、これ迄の実施例におけると同じ工程順に従って樹脂
封止を行う。すなわち、先ず予め、チップ1を搭載しワ
イヤ2をTAB方式で結線したリードフレーム15Bを
準備しておく。次にこれとは別に、封止用下金型8Aの
逃げ溝12内に台座付きヒートシンク5Bをセットした
後、前述のチップ搭載済みリード15Bを下金型8Aに
並べ、上金型7でクランプする。そして、溶融させた封
止用樹脂30を圧入する。その際、チップ1が樹脂30
の流れによって移動しようとするが、樹脂の圧力により
ヒートシンク5Bに押し付けられ、これによって支持さ
れる状態となる。その結果、チップの位置ずれが防止さ
れると共に、チップ1とヒートシンク5Bとが密着し、
良好な熱伝導性が得られる。更に、チップ1裏面もしく
はヒートシンク5B上面に熱伝導性の良いダイボンド材
を塗布して置くことによって、チップ1からヒートシン
ク5B迄の熱抵抗をより小さくできる。
【0034】尚、これまでの実施例のいずれにおいて
も、ヒートシンクと熱伝導板とを相互に入れ換え、又、
逃げ溝と凸部とを相互に変更可能なことは、明かであろ
う。本発明において、放熱用部材をヒートシンクにする
か又は熱伝導板にするかの選択と、下金型の構造を逃げ
溝構造にするか又は凸部構造にするかの選択とは、一方
の選択によって他方の選択が必ずしも一義的に決るもの
ではなく、互いに独立である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって製
造される樹脂封止型LSIは、ヒートシンクや熱伝導板
などのような、良熱伝導性の金属ブロックからなる放熱
用部材を備えている。本発明ではその放熱用部材を、樹
脂封止の際に、成形用下金型のキャビテエィ内底部に予
めセットしておいてから溶融樹脂を圧入する。このこと
により放熱用部材は、外装樹脂層成形と同時に、固化し
た樹脂の接着力により、外装樹脂層に固定される。従っ
て本発明によれば、先ず外装樹脂層を形成した後で放熱
用部材を取り付けるという、放熱用部材取り付けのため
の特別な工程が不要である。
【0036】本発明では、上記の外装樹脂層成形時の放
熱用部材の同時取り付けを、位置精度良くしかも効率的
に行うために、成形用下金型のキャビティ底部に、放熱
用部材の形状に合せて、放熱用部材がセット可能な逃げ
溝を設けている。一方、放熱用部材には、逃げ溝の内部
に入り込む部分と、逃げ溝の周囲に張り出す鍔状部分と
を設けている。溶融樹脂が注入されると、放熱用部材は
樹脂の流れにより横ずれを起そうとするが、逃げ溝の横
壁がその横ずれを押し留める。又、放熱用部材が注入樹
脂の圧力により逃げ溝の深さ方向に押し付けられるの
で、鍔状部分が逃げ溝に対して蓋をした状態になり、注
入樹脂が逃げ溝内に漏れ出して行くことはない。従っ
て、逃げ溝のクリアランスは特に高精度である必要はな
く、放熱用部材の横ずれを吸収できる程度であれば良
い。このように、本発明では、リードフレームと放熱用
部材とを予め固定して置くという工程が不要である。
又、リードフレームに位置決め用の穴を設け、一方、放
熱部材側にその位置決め用穴に嵌め合となる突起を設け
るという、精度の要する加工をしかも両方の部品に施す
必要もない。
【0037】上記の放熱用部材の横ずれ防止効果およ
び、注入樹脂の逃げ溝内への漏出防止効果は、下金型の
構造が逃げ溝構造である場合だけに得られるものではな
い。下金型のキャビティ底部に枠状の突起部を設け、そ
の枠状の突起部で囲まれる空間内に鍔付き放熱用部材を
セットしても、同様の効果が得られる。更に、上記の枠
状突起部は、樹脂封止後成形品をエジェクトするための
ノックアウトピン側に設けても、構わない。
【0038】これまで述べた発明の構成において、放熱
用部材の構造を、成形用金型内にセットされた放熱用部
材の上面と、その上にセットされたチップ又はチップを
搭載したアイランドの裏面とが直接接触するような構造
にすると、溶融樹脂注入の際に、チップやアイランドが
樹脂の圧力により放熱用部材に押し付けられるので、チ
ップやアイランドの位置ずれという、いわゆるアイラン
ドシフトが起らない。従って、ボンディングワイヤとチ
ップとが接触するような不良がなくなる。しかも、チッ
プやアイランドと放熱用部材との密着性が向上するの
で、熱抵抗が低くなる。
【0039】上記の構成において、チップやアイランド
の裏面又は放熱用部材の上面に予め高熱伝導性のダイボ
ンド材を塗布しておいてから溶融樹脂を圧入すると、チ
ップやアイランドと放熱用部材との間の密着性を更に高
めて、熱抵抗をより低くできる。このような効果は、T
AB方式でボンディングしたリードフレームを用いる
と、チップが放熱用部材に直接接触するので、特に効果
的である。
【0040】本発明によれば、放熱用部材付きの樹脂封
止型LSIを、低コストで製造できる。
【0041】又、樹脂封止工程で生じるチップやアイラ
ンドの位置ずれに起因する、ワイヤとチップとの短絡不
良発生を抑制できるのみならず、放熱性を更に高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の樹脂封止工程におけ
る、樹脂注入前の状態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の樹脂封止工程におけ
る、樹脂注入前の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例の樹脂封止工程におけ
る、樹脂注入前の状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例の樹脂封止工程におけ
る、樹脂注入前の状態を示す断面図である。
【図5】従来の樹脂封止型LSIの一例の断面図であ
る。
【図6】従来のヒートスプレッダ付き樹脂封止型LSI
の一例の断面図である。
【図7】従来のヒートスプレッダ付き樹脂封止型LSI
の他の例の断面図である。
【図8】従来のヒートシンク付き樹脂封止型LSIの一
例の断面図である。
【図9】従来のヒートシンク付き樹脂封止型LSIの他
の例の断面図である。
【符号の説明】
1 チップ 2 ワイヤ 3 外装樹脂層 4 アイランド 5A,5B ヒートシンク 6 インナリード 7 上金型 8A,8B 下金型 9 ノックアウトピン 10 ヒートスプレッダ 11 接着層 12 逃げ溝 13 TAB 14 ダイボンド材 15A,15B リードフレーム 16 キャビティ 17 台座 18 凸部 30 溶融樹脂

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートシンクや熱伝導板などのような金
    属製放熱用部材を備える樹脂封止型半導体装置を製造す
    る方法であって、成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を
    圧入して外装樹脂層を成形する樹脂封止工程を含む樹脂
    封止型半導体装置の製造方法において、 前記樹脂封止工程で、予め前記放熱用部材を成形用下金
    型のキャビティ底部に配設したのち前記溶融樹脂を圧入
    することにより、前記外装樹脂層を成形すると同時に、
    成形後の前記外装樹脂層の接着力を用いて前記放熱用部
    材を前記外装樹脂層に止着することを特徴とする樹脂半
    導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂封止型半導体装置の
    製造方法において、前記樹脂封止工程では、前記成形用
    下金型として、キャビティの底部に掘り込みを施した構
    造の金型を用いると共に、前記放熱用部材として、前記
    成形用下金型の掘り込み中に嵌入する部分と前記掘り込
    みの周辺上に水平方向に張り出す鍔状部分とを備える構
    造の放熱用部材を用いることを特徴とする樹脂封止型半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂封止型半導体装置の
    製造方法において、前記樹脂封止工程では、前記成形用
    下金型として、キャビティの底部に枠状の突起部を設け
    た構造の金型を用いると共に、前記放熱用部材として、
    前記成形用下金型の枠状突起部に囲まれる空間内に嵌入
    する部分と前記枠状突起部上に水平方向に張り出す鍔状
    部分とを備える構造の放熱用部材を用いることを特徴と
    する樹脂封止型半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の樹脂封止型半導体装置の
    製造方法において、前記突起部を、前記成形用下金型に
    設けるのに替えて、成形品エジェクト用ノックアウトピ
    ンの放熱用部材に付き当てとなる面上に設けると共に、
    前記成形用下金型のキャビティ底部に、前記突起部付き
    のノックアウトピンが貫通する開口を設けたことを特徴
    とする樹脂封止型半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂封止型半導体装置の
    製造方法において、前記樹脂封止工程では、前記放熱用
    部材として、樹脂封止されるチップ又はリードフレーム
    のチップ搭載用アイランドの裏面に直接接触する部分を
    持つ構造の放熱用部材を用いることを特徴とする樹脂封
    止型半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の樹脂封止型半導体装置の
    製造方法において、前記樹脂封止工程では、予め前記チ
    ップ又は前記アイランドの裏面及び前記放熱用部材の表
    面の少なくとも一方に高熱伝導性のダイボンド材を塗布
    した後、樹脂圧入を行うことを特徴とする樹脂封止型半
    導体装置の製造方法。
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