JPH08249764A - ビデオテープレコーダ装置および信号記録・再生方法 - Google Patents

ビデオテープレコーダ装置および信号記録・再生方法

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JPH08249764A
JPH08249764A JP7050801A JP5080195A JPH08249764A JP H08249764 A JPH08249764 A JP H08249764A JP 7050801 A JP7050801 A JP 7050801A JP 5080195 A JP5080195 A JP 5080195A JP H08249764 A JPH08249764 A JP H08249764A
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tape
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Yasuo Sugizaki
靖夫 杉崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上シリンダが回転する形式のVTR装置にお
いて回転ヘッドが確実にビデオテープと接触するビデオ
テープレコーダ装置を提供する。 【構成】 回転ヘッド120〜126は、突き出しHP
がビデオテープ14の厚さの2.5倍以下となるように
上シリンダ12に配設されており、ビデオテープ14に
接触してビデオテープ14に対してビデオ信号の記録・
再生を行う。テープテンション調節器32は、最大エア
フィルムAfがビデオテープ14の厚さの1.5倍とな
るように、ビデオテープ14に対してテープテンション
を与え、最大ヘッドの当り幅HWが記録・再生ヘッドの
トラック幅TW+30μm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープの損傷お
よび記録・再生ヘッドの磨耗を低減したビデオテープレ
コーダ装置および信号記録・再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、ビデオテープレコーダ装置(VT
R装置)の記録・再生ヘッドを搭載したドラム(記録・
再生ドラム)とビデオテープとの間に生じる空気層(エ
アフィルム;Af)を説明する。図4は、従来のVTR
装置の記録・再生ドラム5とビデオテープ14との間に
生じるエアフィルムAfを説明する図であって、(A)
は記録・再生ドラム5の上面図であり、(B)は回転ヘ
ッド520〜526とビデオテープ14とが接触する部
分の断面図である。VTR装置においては、ドラム5に
対してビデオテープが傾斜して走行するヘリカルスキャ
ン方式が用いられ、回転する上シリンダー528とビデ
オテープ14との間には、空気層が生じる。この空気層
をエアフィルムAfと呼ぶ。
【0003】エアフィルムAfは、図4に示す通り、第
2のテープガイド16により導かれたビデオテープ14
が、記録・再生ドラム5の側面に突入する位置a付近で
最大の厚さとなりビデオテープ14が記録・再生ドラム
5の側面を第1のテープガイド10側に送られるにつれ
て小さくなる。以下、エアフィルムAfの厚さと記した
場合、位置aにおける厚さを指す。記録・再生ドラム5
のエアフィルムAfは、上シリンダー528の回転速
度、つまり、記録・再生ドラム5の側面とビデオテープ
14との相対速度が速くなればなるほど厚くなる。
【0004】エアフィルムAfの厚さを決めるもう一つ
の要因に、記録・再生ドラム5の側面においてビデオテ
ープ14が長手方向に受ける張力(テープテンション)
がある。テープテンションを強くすればするほどエアフ
ィルムAfの厚さは薄くなる。テープテンションを強く
すると、ビデオテープ14の損傷と回転ヘッド520〜
526の磨耗とが増えるので、テープテンションは比較
的小さい値、例えば8mm幅のビデオテープの場合には
10g〜20g、1/2インチ幅のビデオテープでは3
0g〜40g程度に設定されることが多い。
【0005】従って、記録・再生ドラム5の回転数およ
び直径とテープテンションとが決まれば必然的に、おお
よそのエアフィルムAfの厚さを求めることができ、こ
のエアフィルムAfの厚さと、回転ヘッド520〜52
6の磨耗(寿命)とを考慮して、記録・再生ドラム5の
位置aでも確実にビデオテープ14に接触する(当たり
がとれる)回転ヘッド520〜526の記録・再生ドラ
ム5の側面からの突き出し量HP、および、回転ヘッド
520〜526とビデオテープ14が接触する幅(当り
幅)HWを決定することができる。
【0006】記録・再生ドラム5のような、上シリンダ
52のみが回転する形式の記録・再生ドラムにおいて、
回転ドラム5の周速度が10m/sであって、ビデオテ
ープ14の厚さを1とした場合の具体例として、記録・
再生ドラム5の位置aでのエアフィルムAfの厚さは2
以上となり、突き出し量HPの最大値は3以上となり、
当り幅HWは記録・再生ヘッドのトラックの幅TWに5
0μmを加えた長さ(TW+50μm)以上となるのが
一般的である。
【0007】しかしながら、近年、高密度記録用VTR
装置においては、記録・再生ドラムの周速度が20m/
s以上となり、テープテンションを従来のままとした場
合にはエアフィルムAfの厚さが増加してしまう。記録
・再生ドラムの周速度を速くして、突き出し量HPおよ
び当り幅HWを従来のままとした場合には、ビデオテー
プと回転ヘッドとの接触(当たり)が充分でなくなると
いう問題が生じるので、図4に示した記録・再生ドラム
5は、このような用途には使えない。
【0008】従って、ドラムの周速度を速くしてビデオ
テープ14に高密度に記録する用途には、図5に示す記
録・再生ドラム6が用いられる。図5は、従来のVTR
装置の記録・再生ドラム6を示す図であって、(A)は
記録・再生ドラム6を上から見た図であり、(B)は回
転ヘッド620〜626とビデオテープ14とが接触す
る部分の断面図である。記録・再生ドラム6は、記録・
再生ドラム5と異なり、上シリンダ62と下シリンダ6
6とがともに固定されており、中シリンダ64が上シリ
ンダ62と独立して回転し、中シリンダ64とともに回
転ヘッド620〜628が回転するように構成されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術として示し
た記録・再生ドラム5(図4)は、上述のように、その
ままでは記録・再生ドラムの周速度を速くして、高密度
記録するという用途には使えない。一方、従来の技術と
して示した記録・再生ドラム6(図5)は、上シリンダ
62と独立に回転する中シリンダ64が必要となるの
で、記録・再生ドラム5に比べて構造が複雑であり、高
い機械的精度が要求される。また、記録・再生ドラム6
は、記録・再生ドラム5に比べてエアフィルムAfの厚
さが薄くなった分、ビデオテープ14と上シリンダ62
および下シリンダ66との摩擦が増し、ビデオテープ1
4の損傷が増す、あるいは、ビデオテープ14が記録・
再生ドラム6の側面に張りついてしまうという問題を生
じることがある。
【0010】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、中シリンダを有さず、構造が
簡単で機械的精度があまり要求されない記録・再生ドラ
ムの上シリンダが回転ヘッドとともに回転する形式のV
TR装置において記録・再生ドラムの周速度を速くして
高密度記録を行う場合に、記録・再生ドラムの回転ヘッ
ドが確実にビデオテープと接触するビデオテープレコー
ダ装置および信号記録・再生方法を提供することを目的
とする。また、本発明は、記録・再生ドラムの上シリン
ダが回転ヘッドとともに回転する形式のVTR装置にお
いて記録・再生ドラムの周速度を速くして高密度記録を
行う場合に、ビデオテープに与える損傷が少なくて済
み、回転ヘッドの磨耗が少なくて済むビデオテープレコ
ーダ装置および信号記録・再生方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るビデオテープレコーダ装置は、 所定
の速度で回転し、表面にビデオテープを走行させ、記録
・再生ヘッドを搭載した記録・再生ドラムの第1のシリ
ンダと、前記第1のシリンダを回転自在に保持し、前記
第1のシリンダと協働して表面に前記ビデオテープを走
行させる前記記録・再生ドラムの第2のシリンダと、前
記第1のシリンダの外面からの突き出し量が前記ビデオ
テープの厚さの2.5倍以下となるように配設され、前
記第1のシリンダと一体に回転してビデオテープに50
nm以下の間隔で実質的に接触し、前記ビデオテープに
対して所定の信号の記録および再生、またはこれらのい
ずれかを行う前記記録・再生ドラムの記録・再生ヘッド
と、前記記録・再生ヘッドと前記ビデオテープとが実質
的に接触する幅を、ほぼ前記記録・再生ヘッドの幅に3
0μmを加えた幅以下とし、前記記録・再生ヘッドと前
記第1のシリンダの外面との間の空気層の厚さを、前記
ビデオテープの厚さのほぼ1.5倍以下とするように前
記ビデオテープに与えるテープテンションを調節するテ
ープテンション調節手段とを有する。
【0012】また、本発明に係る信号記録・再生方法
は、シリンダとともに回転する記録・再生ヘッドとビデ
オテープとが実質的に接触する幅を、ほぼ前記記録・再
生ヘッドの記録トラックの幅に30μmを加えた幅以下
とし、前記記録・再生ヘッドとシリンダの外面との間の
空気層の厚さを、前記ビデオテープの厚さのほぼ1.5
倍以下とするようにテープテンションを与えて前記ビデ
オテープに所定の信号を記録・再生する。
【0013】
【作用】第1のシリンダは、記録・再生ヘッドの回転シ
リンダであって、例えば周速度20m/sで回転し、表
面にビデオテープを走行させる。第2のシリンダは、記
録・再生ヘッドの固定シリンダであって、上記第1のシ
リンダを回転自在に保持し、第1のシリンダと協働して
表面にビデオテープを走行させる。記録・再生ヘッド
は、磨耗を避けるために第1のシリンダの外面からの突
き出し量がビデオテープの厚さの2.5倍以下となるよ
うに配設されており、第1のシリンダと一体に回転して
ビデオテープに50nm以下の間隔で実質的に接触し、
ビデオテープに対して、例えばビデオ信号の高密度記録
・再生を行う。
【0014】テープテンション調節手段は、ビデオテー
プに与えるテープテンションを調節し、記録・再生ヘッ
ドとビデオテープの良好な接触の目安である50nm以
下の間隙を得る手段として、記録・再生ヘッドの幅は記
録・再生ヘッドのトラック幅(TW)に30μmを加え
た幅(TW+30μm)以下とする。このような値にす
る理由は、高密度記録とするために記録波長が短い場合
の記録・再生ヘッドのトラック部とビデオテープとの接
触のみを考慮して記録・再生ヘッドのトラック幅=当り
幅HWとすることもできる。しかし、この場合、ヘッド
の耐磨耗生の面で非常に不利になる。一方、トラック幅
両端を残す場合、ヘッド加工技術として欠損等のため、
最低10μm〜15μm程度必要とされる。この点を考
慮して、30μm(≧(10μm〜15μm)×2)と
いう値としたものである。また、テープテンション調節
手段は、良好な記録・再生特性を得るために、記録・再
生ヘッドと第1のシリンダとの間の空気層(エアフィル
ムAf)の最大の厚さを、ビデオテープの厚さの1.5
倍以下とする。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明に係るテープ走行系1の構成を示す図であって、
(A)はテープ走行系1の上面図であり、(B)は回転
ヘッド120〜126とビデオテープ14とが接触する
部分の断面図である。図1(A),(B)に示すよう
に、テープ走行系1は、記録・再生ヘッドを搭載したド
ラム(記録・再生ドラム)2、第1〜第5のテープガイ
ド10,16,18,30,34、第1および第2の固
定ヘッド20,22、テープテンション調節器32から
構成されており、記録・再生ドラム2は、上シリンダ1
2、回転ヘッド120〜126および下シリンダ26と
から構成され、図1(B)に示すように、下シリンダ2
6にはビデオテープ14を導くリード28が設けられて
いる。テープ走行系1は、VTR装置に用いられ、ビデ
オテープ14に所定のテープテンションを与えて走行さ
せ、ビデオテープ14にビデオ信号および音声信号を記
録する。なお、図1においては、図示の簡略化のため
に、本発明の説明に関係のないVTR装置の各構成要素
は省略して示してある。
【0016】テープ走行系1において、ビデオテープ1
4は、1/2インチビデオテープの場合には10μm〜
15μm、8mmビデオテープの場合には7μm〜11
μmの厚さを有し、第5のテープガイド34によりテー
プテンション調節器32に導かれ、テープテンション調
節器32によりテープテンションが調節され、第4のテ
ープガイド30により固定ヘッド20,22に導かれ、
第3および第2のテープガイド18,16により記録・
再生ドラム2に導かれてその側面を走行し、最後に第1
のテープガイド10によりテープ走行系1の外に導かれ
る。
【0017】上シリンダ12は、その表面にビデオテー
プ14を走行させ、回転ヘッド120〜126を保持
し、所定の周速度(上シリンダ12の側面の移動速
度)、例えば20m/sで回転する。下シリンダ26
は、上シリンダ12を回転自在に保持し、リード28に
よりビデオテープ14を導いてその表面にビデオテープ
14を走行させる。上シリンダ12および下シリンダ2
6の半径Rは、1/2インチビデオテープの場合にはR
=40.7mm、8mmビデオテープ場合には20mm
になる。
【0018】回転ヘッド120〜126は、それぞれ先
端部分が上シリンダ12からビデオテープ14の厚さの
2.5倍(ビデオテープ14の厚さが10μmの場合に
は25μm)以下だけ突き出るように、つまり、突き出
し量HPがビデオテープ14の厚さの2.5倍以下とな
るように配設されており、50nm以下の間隔でビデオ
テープ14と実質的に接触し、上シリンダ12と一体に
回転してビデオテープ14に対してヘリカルスキャン方
式によりビデオ信号の記録および再生、またはテープ走
行系1が用いられるVTR装置の用途によっては、これ
らのいずれかを行う。なお、回転ヘッドには記録用と再
生用とがあり、例えば回転ヘッド122,126が記録
用ヘッドである場合には、回転ヘッド120,124は
再生用ヘッドになる。なお、実際には記録用ヘッドの前
に消去用ヘッドが配設されるが、図示の簡略化のために
省略してある。記録用ヘッドと再生用ヘッドのトラック
幅は、例えば20μm〜30μm程度が普通である。固
定ヘッド20,22は、テープ走行系1が用いられるV
TR装置の用途に応じて、ビデオテープ14に対してコ
ントロールトラックと音声信号の記録および再生、また
はこれらのいずれかを行う。
【0019】テープテンション調節器32は、図1
(A)の矢印b,cに示すように、バネ等の弾性部材に
よりビデオテープ14の面に対して垂直方向に移動可能
に配設されており、ビデオテープ14に所定のテープテ
ンションを与える。テープテンション調節器32がビデ
オテープ14に対して与えるテープテンションは、図1
(B)の各数値が下表の通りとなるような強さであり、
実験的に求められたものである。
【0020】
【表1】最大エアフィルムの厚さ(Af):ビデオテー
プ14の厚さの1.5倍 最大ヘッドの当り幅(HW) :記録・再生ヘッドの
トラック幅TW+30μm 但し、最大エアフィルムAfは、図1(A)の位置aに
おけるエアフィルムAfの厚さであり、最大ヘッドの当
り幅HWは、図1(B)に示すように定義される。
【0021】従って、ビデオテープ14の厚さ10μm
の場合、Af=15μmとなり、ビデオテープ14の記
録トラック幅TWが20μmの場合、HW≦50μmと
なる。表1に示した条件を満たすようにビデオテープ1
4にテープテンションを与えることにより、突き出し量
HPがビデオテープ14の幅の2.5倍以下の回転ヘッ
ド120〜126とビデオテープ14とが間隔50nm
以下で接触し、良好な特性でビデオテープ14に対して
ビデオ信号の記録・再生を行えるようになる。実験によ
ると具体的にテープテンションは、1/2インチ用のテ
ープに対しては50g〜70g、8mmビデオ用のテー
プに対しては、現在のドラムの回転数を2倍にした場
合、20g〜30gとなる。但し、テープテンションの
最適値はテープの材質によって異なり、軟質のテープベ
ースを用いたビデオテープに対して程、高いテープテン
ションを加える必要がある。
【0022】このように、本発明に係るテープ走行系1
においては、ビデオテープ14に与えるテープテンショ
ンを適正な値とすることにより、従来(10m/s程
度)より速い周速度(例えば上述のように20m/s程
度)で回転する上シリンダ12とビデオテープ14との
間に生じるエアフィルムAfの厚さを適正な値とし、こ
れを積極的に利用してビデオテープ14の損傷、ビデオ
テープ14の上シリンダ12への貼り付き、および、回
転ヘッド120〜126の磨耗を効果的に防止してい
る。しかも、テープテンションを適正な値とすることに
より、回転ヘッド120〜126とビデオテープ14と
の接触を確保し、ビデオ信号の記録・再生特性を良好に
している。
【0023】以下、図2および図3を参照して、本発明
に係るテープ走行系1により、回転ヘッド120〜12
6の磨耗防止の効果およびヘッド摺動ノイズの軽減効果
を説明する。図2は、図1に示した本発明に係るテープ
走行系1における回転ヘッド120〜126の磨耗曲線
と、図4に示した従来の記録・再生ドラムにおける回転
ヘッド520〜526の磨耗曲線を示す図である。図3
は、図1に示した本発明に係るテープ走行系1における
摺動ノイズと、図5に示した従来の記録・再生ドラム6
における摺動ノイズとを示す図である。
【0024】回転ヘッドの磨耗防止効果 図2に示すように、従来技術として示した記録・再生ド
ラム5においては、回転ヘッドの磨耗曲線はテープ走行
時間の最初の方で急に下がっている。一方、本発明に係
るテープ走行系1においては、テープ走行時間の最初の
方においても下がり方が緩やかになっており、記録・再
生ドラム5よりもビデオテープ14と回転ヘッド120
〜126との当たりがとれる限界に達するまでの時間が
伸びている。
【0025】なお、ヘッドとビデオテープとの当り幅H
Wは、広ければ広いほどヘッド磨耗防止の点では有利で
ある。しかし、当り幅HWが広すぎるとビデオテープと
の接触が充分に確保できなくなるのも早くなるので、こ
の点では却って不利になる。従って、これらの平衡を考
えると、当り幅HWの変化が図2に示した磨耗曲線に大
きな変化をもたらすことはない。
【0026】ヘッド摺動ノイズの軽減効果 図4に示すように、従来技術として示した記録・再生ド
ラム6よりも、エアフィルムAfの効果によりテープ走
行系1の方が摺動ノイズ(磁気歪み)の値が小さくな
る。これは、上ドラム回転方式の優位性を示すものであ
る。この摺動ノイズは、ビデオテープが受ける損傷と相
関がある。つまり、摺動ノイズが大きいということはビ
デオテープと回転ヘッドの接触圧が大きいということを
意味し、接触圧が大きければ大きいほどビデオテープが
受ける損傷も大きくなるからである。実験によると、回
転ヘッドの突き出し量HPが小さくなれば小さくなるほ
ど摺動ノイズも低下する。従って、記録・再生ドラム5
よりも突き出し量HPが小さい本発明に係るテープ走行
系1によれば、ヘッド摺動ノイズを軽減するとともに、
ビデオテープに与える損傷も少なくすることができるこ
とが判る。
【0027】以上述べたように、本発明に係るテープ走
行系1によれば、テープテンションを適正な値としてエ
アフィルムAfを積極的に利用することにより、回転ヘ
ッドの磨耗、ビデオテープの損傷およびヘッド摺動ノイ
ズを軽減し、さらに記録・再生ドラムに対するビデオテ
ープの貼り付き等を有効に防止することができる。ま
た、テープ走行系1におけるテープテンションは、従来
の技術として示した記録・再生ドラム5よりも大きくな
るので、ビデオテープ走行の直線性および外乱に対する
安定性が増し、ビデオテープの形状の変化を吸収または
矯正する効果がある。
【0028】以上述べた実施例におけるテープテンショ
ン調節器32の位置は例示であって、テープガイド10
側にテープテンション調節器を設ける、あるいは、テー
プガイド10側とテープガイド30側の両方にテープテ
ンション調節器を設けるといった変形が可能である。ま
た、ビデオテープ14の厚さ等は例示であり、本発明に
係るテープ走行系1は、異なる厚さのビデオテープに対
しても有効である。また、本発明に係るテープ走行系1
は、VTR装置以外にも、例えば計算機のテープ記録装
置等に応用することができる。以上説明した実施例に示
した他、ここで変形例として示したように、種々の構成
をとることができる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るビデオ
テープレコーダ装置および信号記録・再生方法によれ
ば、構造が簡単で機械的精度を得やすい記録・再生ドラ
ムの上シリンダが回転ヘッドとともに回転する形式のV
TR装置において記録・再生ドラムの周速度を速くして
高密度記録を行う場合に、記録・再生ドラムの回転ヘッ
ドを確実にビデオテープと接触させることができる。ま
た、本発明に係るビデオテープレコーダ装置および信号
記録・再生方法によれば、記録・再生ドラムの上シリン
ダが回転ヘッドとともに回転する形式のVTR装置にお
いて記録・再生ドラムの周速度を速くして高密度記録を
行う場合に、ビデオテープに与える損傷が少なくて済
み、回転ヘッドの磨耗が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテープ走行系の構成を示す図であ
って、(A)はテープ走行系の上面図であり、(B)は
回転ヘッドとビデオテープとが接触する部分の断面図で
ある。
【図2】図1に示した本発明に係るテープ走行系におけ
る回転ヘッドの磨耗曲線と、図5に示した従来の記録・
再生ドラムにおける回転ヘッドの磨耗曲線とを示す図で
ある。
【図3】図1に示した本発明に係るテープ走行系におけ
る摺動ノイズと、図5に示した従来の記録・再生ドラム
における摺動ノイズを示す図である。
【図4】従来のVTR装置の記録・再生ドラムとビデオ
テープとの間に生じるエアフィルムAfを説明する図で
あって、(A)は記録・再生ドラムの上面図であり、
(B)は回転ヘッドとビデオテープとが接触する部分の
断面図である。
【図5】従来のVTR装置の記録・再生ドラムを示す図
であって、(A)は記録・再生ドラムを上から見た図で
あり、(B)は回転ヘッドとビデオテープとが接触する
部分の断面図である。
【符号の説明】
1…テープ走行系、2…記録・再生ドラム、10,1
6,18,30,34…テープガイド、12…上シリン
ダ、120,122,124,126…回転ヘッド、1
4…ビデオテープ、20,22…固定ヘッド、26…下
シリンダ、28…リード、32…テープテンション調節

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の速度で回転し、表面にビデオテープ
    を走行させ、記録・再生ヘッドを搭載した記録・再生ド
    ラムの第1のシリンダと、 前記第1のシリンダを回転自在に保持し、前記第1のシ
    リンダと協働して表面に前記ビデオテープを走行させる
    前記記録・再生ドラムの第2のシリンダと、 前記第1のシリンダの外面からの突き出し量が前記ビデ
    オテープの厚さの2.5倍以下となるように配設され、
    前記第1のシリンダと一体に回転してビデオテープに5
    0nm以下の間隔で実質的に接触し、前記ビデオテープ
    に対して所定の信号の記録および再生、またはこれらの
    いずれかを行う前記記録・再生ドラムの記録・再生ヘッ
    ドと、 前記記録・再生ヘッドと前記ビデオテープとが実質的に
    接触する幅を、ほぼ前記記録・再生ヘッドの幅に30μ
    mを加えた幅以下とし、前記記録・再生ヘッドと前記第
    1のシリンダの外面との間の空気層の厚さを、前記ビデ
    オテープの厚さのほぼ1.5倍以下とするように前記ビ
    デオテープに与えるテープテンションを調節するテープ
    テンション調節手段とを有するビデオテープレコーダ装
    置。
  2. 【請求項2】シリンダとともに回転する記録・再生ヘッ
    ドとビデオテープとが実質的に接触する幅を、ほぼ前記
    記録・再生ヘッドの記録トラックの幅に30μmを加え
    た幅以下とし、前記記録・再生ヘッドとシリンダの外面
    との間の空気層の厚さを、前記ビデオテープの厚さのほ
    ぼ1.5倍以下とするようにテープテンションを与えて
    前記ビデオテープに所定の信号を記録・再生する信号記
    録・再生方法。
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