JPH08245602A - ジオキソチアゾリジン誘導体及びそれを有効成分とする医薬組成物 - Google Patents

ジオキソチアゾリジン誘導体及びそれを有効成分とする医薬組成物

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JPH08245602A
JPH08245602A JP4802295A JP4802295A JPH08245602A JP H08245602 A JPH08245602 A JP H08245602A JP 4802295 A JP4802295 A JP 4802295A JP 4802295 A JP4802295 A JP 4802295A JP H08245602 A JPH08245602 A JP H08245602A
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JP
Japan
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dioxothiazolidine
methyl
compound
derivative
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JP4802295A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Matsushima
宏明 松島
Shozo Miyaoka
象三 宮岡
Miyoshi Sugizaki
美好 杉崎
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(I)で表されるN−(3−{4−
[(2,4−ジオキソジアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−フェニル
アラニンなどの新規ジオキソチアゾリジン誘導体。 【化1】 式中、Aはカルボニル、スルホニルなど、R1〜R2は、
H、ハロゲノ、低級アルキルなど、m及びnは0〜1を
表す。 【効果】血糖降下作用及びアルドースリダクターゼ阻害
作用を併せ持ち、糖尿病における各種合併症の予防及び
治療的処置のための薬剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血糖降下作用及びアル
ドースリダクターゼ阻害作用を併せ持つ新規なジオキソ
チアゾリジン誘導体及びそれを含有し、糖尿病の治療及
び糖尿病性白内障、網膜症、神経障害、腎障害などの糖
尿病における各種合併症の予防及び治療に有用な医薬組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】糖尿病治療薬としては、
早くからインスリン製剤が知られ、使用されてきた。そ
の後、経口血糖降下剤として種々のビグアナイド系化合
物やスルホニルウレア系化合物が開発され用いられてき
た。しかしながら、これらの化合物には問題がある。即
ち、インスリン製剤は現在のところ注射剤として使用さ
れており、軽減されているとはいえ、その使用時におけ
る不便さは患者にとって大きな負担となっている。ま
た、経口血糖降下剤には、乳酸アシドーシスや重篤な低
血糖といった副作用がみられ、低毒性で有効性の高い糖
尿病治療薬の開発が望まれている。血糖降下剤に関連と
する先行技術としては、USP4572912号、US
P4645617号及びUSP4687777号などが
知られている。
【0003】近年、糖尿病合併症の発症機序として、組
織内ソルビトールの蓄積、増加が注目され、グルコース
などのアルドースを還元してソルビトールに変換する酵
素であるアルドースリダクターゼ(AR)の活性を阻害
する化合物が白内症、網膜症、神経障害、腎障害の治療
に有用であることが文献上示唆されている(ケイ・エッ
チ・ギャバイ、エヌ・スパック、エヌ・ルーら、メタボ
リズム(K.H.Gabbay,N.Spack,N.Loo,et al.,Metabolis
m),28(Suppl.1 );471−476(197
9),デイ・ドボルーニク、エヌ・シマルドーデキュネ
スネ、エム・クラミら、サイエンス(D.Dvornik,N.Sima
rd-Dequesne,M.Krami,et al.,Science)182;114
6−1148(1973)、ジェイ・エッチ・キノシ
タ、デイ・ドボルーニク、エム・クラミら、バイオキミ
カ.バイオフィジカ.アクタ(J.H.Kinoshita,D.Dvorni
k,M.Krami,et al.,Biochem.Biophys.Acta ),158;
472−475(1968)参照)。これらの観点から
アルドースリダクターゼ(AR)阻害剤の開発が進めら
れている。アルドースリダクターゼ(AR)阻害剤に関
連する先行技術としてはUSP4734419号、欧州
特許47107号などが知られている。しかしながら、
AR阻害剤はあくまでも糖尿病合併症の対症治療法剤で
あり、糖尿病そのものに対する治療効果は低いと考えら
ている。したがって、糖尿病、加えては糖尿病合併症の
根本的な治療には血糖降下剤が必要であり、さらにはA
R阻害作用を併せ持つ血糖降下剤の開発が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、AR
阻害作用を併せ持つ血糖降下作用を有する新規医薬を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは、血糖降下作用及びアルドースリダクターゼ阻
害作用を併せ持つ化合物を見出すべく鋭意研究を行った
結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
一般式(I)で表されるジオキソチアゾリジン誘導体及
びその金属塩、付加塩、水和物、溶媒和物、金属塩の水
和物、金属塩の溶媒和物、付加塩の水和物、付加塩の溶
媒和物である。
【0006】
【化2】
【0007】[式(I)中、Aはカルボニル基又はスル
ホニル基を表し、R1はそれぞれ独立に水素あるいはハ
ロゲノ基を表し、R2は水素又は炭素数1乃至8の低級
アルキル基を表し、mとnはそれぞれ0又は1を表
す。]
【0008】また、本発明は下記一般式(I)で表され
るジオキソチアゾリジン誘導体及びその金属塩、付加
塩、水和物、溶媒和物、金属塩の水和物、金属塩の溶媒
和物、付加塩の水和物、付加塩の溶媒和物を含有する医
薬組成物である。
【0009】一般式(I)において、低級アルキル基と
しては、炭素数1乃至8の直鎖状、分岐状又は環状のア
ルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピルなどが挙げられ、ハロゲノ基として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0010】また、一般式(I)で表されるジオキソチ
アゾリジン誘導体の好適な塩類としては、例えば、ナト
リウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、カルシウ
ム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩、アル
ミニウム塩、さらにはトリエチルアミンなどの有機塩基
類との付加塩が挙げられる。
【0011】一般式(I)で表される本発明の化合物の
一般的製造法を以下に説明する。 (製造法1)一般式(I)においてAが、カルボニル基
又はスルホニル基を表し、R1が水素又はハロゲノ基を
表し、R2が水素又は炭素数1乃至8の低級アルキル基
を表し、mが0又は1を表し、nが0である場合の本発
明のジオキソチアゾリジン誘導体の製造法は以下に示す
通りである。一般式(II)で表される化合物と一般式
(III)で表される化合物とを、塩基性条件下で反応さ
せると、一般式(IV)で表される化合物が得られる。
【0012】
【化3】
【0013】[式(II)中、R1は水素又はハロゲノ基
を表し、R2は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表
し、mは0又は1を表す。]
【0014】
【化4】
【0015】[式(III)中、Aはカルボニル基又はス
ルホニル基を表し、Yは塩素、臭素、ヨウ素などハロゲ
ン原子を表す。]
【0016】
【化5】
【0017】[式(IV)中、Aはカルボニル基又はスル
ホニル基を表し、R1は水素又はハロゲノ基を表し、R2
は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、mは0又は
1を表す。]
【0018】この反応に用いる塩基としては、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属
炭酸水素塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジ
ン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリ
ジン化合物などが挙げられるが、好ましくはトリエチル
アミンが用いられる。
【0019】上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、特に
好ましい溶媒としては、塩化メチレンが挙げられる。塩
基及び化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モル
に対し、塩基1乃至2モル、化合物(III)1乃至1.2
モルである。反応温度は、特に限定されないが、通常冷
却下から加温下の範囲で反応が行なわれ、好ましくは、
室温であり、反応時間は数時間である。次に、一般式
(IV)で表される化合物を還元し、一般式(V)で表さ
れる化合物が得られる。
【0020】
【化6】
【0021】[式(V)中、Aはカルボニル基又はスル
ホニル基を表し、R1は水素又はハロゲノ基を表し、R2
は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、mは0又は
1を表す。]
【0022】還元反応としては、接触還元、金属及び金
属塩による還元が用いられる。接触還元に用いられる触
媒として例えば、ラネー・ニッケル、酸化白金又はパラ
ジウム−炭素などが挙げられ、金属及び金属塩による還
元に用いられる還元剤として例えば、亜鉛、アルミニウ
ム−ニッケル合金、スズ粉末、又は塩化スズ(II)など
が挙げられ、好ましくは、パラジウム−炭素又は塩化ス
ズ(II)・2水和物である。パラジウム−炭素を用いた
反応の場合、溶媒としては、酢酸エチル、メチルアルコ
ールなどのアルコール類、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、酢酸などの有機酸類又はこれらの混合溶媒が
用いられ、パラジウム−炭素の使用量は、特に限定はな
いが、化合物(IV)1グラム当量に対し、パラジウム−
炭素0.1グラム当量用い、水素圧は1乃至50気圧で
あるが、好ましくは1乃至5気圧である。反応温度、反
応時間などの反応条件は特に限定されないが、通常室温
で数時間である。また、塩化スズ(II)・2水和物を用
いた反応の場合、通常溶媒としてはエチルアルコールを
用い、塩化スズ(II)・2水和物の使用量は、化合物
(IV)1モルに対し、2乃至5モルである。反応温度、
反応時間については、室温から加熱還流の範囲にて数十
分から数時間である。
【0023】上記一般式(V)で表される化合物は、再
結晶又はカラムクロマトグラフィーで精製の後、メイル
バインアリレーション(Meerwein arylation)反応を行
い、一般式(VI)で表される化合物が得られる。反応は
例えば、WO9218501号、ワイ・カワマツら、ケ
ミカル・アンド・ファーマシューティカル・ビュレタン
(Y.Kawamatsu,et al.,Chem.Pharm.Bull.),30巻,3
580−3600貢,1982年に記載の方法に準じて
行われる。すなわち、メイルバインアリレーション反応
は、通常アセトン、水又はメチルアルコールなどのアル
コール類、好ましくはアセトン又はアセトンと水の混合
溶媒を用い、常法によるジアゾ化後、酸の存在下、アク
リル酸アルキルエステル、次いで触媒量の第一銅塩とし
て例えば、酸化銅(I)、臭化銅(I)などを加えること
により行われる。
【0024】
【化7】
【0025】[式(VI)中、Aはカルボニル基又はスル
ホニル基を表し、R1は水素又はハロゲノ基を表し、R2
は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、R3はメチ
ル基あるいはエチル基を表し、mは0又は1を表す。]
【0026】次に、この化合物を脱酸剤として例えば、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの存在下、チオ尿素
と反応させ、下記一般式(VII)で表される化合物を合
成し、さらに、これらの化合物を酸加水分解するかある
いは必要に応じてさらに塩基性条件下、エステルの加水
分解を行い、Aがカルボニル基又はスルホニル基を表
し、R1が水素又はハロゲノ基を表し、R2が水素又は炭
素数1乃至8の低級アルキル基を表し、mが0又は1を
表し、nが0である場合の一般式(I)で表されるジオ
キソチアゾリジン誘導体が得られる。
【0027】
【化8】
【0028】[式(VII)中、Aはカルボニル基又はス
ルホニル基を表し、R1は水素又はハロゲノ基を表し、
2は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、mは0
又は1を表す。]
【0029】また、一般式(I)において、Aがスルホ
ニル基を表し、R1が水素あるいはハロゲノ基を表し、
2が水素又は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表
し、mが0又は1を表し、Aであるスルホニル基とメチ
レン鎖の芳香環上の接合位置関係が、1,4位で表され
る化合物(即ち、一般式(IX)で表される化合物)につ
いては、一般式(V)で表される化合物と、一般式(VII
I)で表される公知の物質[ジャーナル・オブ・メディ
シナル・ケミストリー(Journal of Medisinal Chemist
ry),35巻,1853−1864貢,1992年]と
を、塩基性条件下で反応させることによって得る事がで
きる。
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】[式(IX)中、R1は水素又はハロゲノ基
を表し、R2は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表
し、mは0又は1を表す。]
【0033】この反応に用いる塩基としては、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属
炭酸水素塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジ
ン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリ
ジン化合物などが挙げられるが、好ましくは、ジイソプ
ロピルエチルアミンが用いられる。
【0034】上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、特に
好ましい溶媒としては、塩化メチレンが挙げられる。塩
基及び化合物(VIII)の使用量は、化合物(II)1モル
に対し、塩基1乃至2モル、化合物(VIII)1乃至1.
2モルである。反応温度は、特に限定されないが、通常
冷却下から加温下の範囲で反応が行なわれ、好ましく
は、室温であり、反応時間は数時間である。
【0035】(製造法2)一般式(I)においてAが、
カルボニル基又はスルホニル基を表し、R1が水素又は
ハロゲノ基を表し、R2が水素又は炭素数1乃至8の低
級アルキル基を表し、mが0又は1を表し、nが1であ
る場合の本発明のジオキソチアゾリジン誘導体の製造法
は、以下に示す通りである。一般式(II)で表される化
合物と一般式(X)で表される化合物とを、塩基性条件
下で反応させると、一般式(XI)で表される化合物が得
られる。
【0036】
【化11】
【0037】[式(X)中、Uは塩素、臭素、ヨウ素な
どハロゲン原子を表す。]
【0038】
【化12】
【0039】[式(XI)中、R1は水素又はハロゲノ基
を表し、R2は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表
し、mは0又は1を表す。]
【0040】この反応に用いる塩基としては、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属
炭酸水素塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジ
ン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリ
ジン化合物などが挙げられるが、好ましくはトリエチル
アミンが用いられる。
【0041】上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、特に
好ましい溶媒としては、塩化メチレンが挙げられる。塩
基及び化合物(X)の使用量は、化合物(II)1モルに
対し、塩基1乃至2モル、化合物(X)1乃至1.2モル
である。反応温度は、特に限定されないが、通常冷却下
から加温下の範囲で反応が行なわれ、好ましくは、室温
であり、反応時間は数時間である。次に、一般式(XI)
で表される化合物を一般式(V)で表される化合物の合
成法と同様にニトロ基の還元を行い、一般式(XII)で
表される化合物が得られる。
【0042】
【化13】
【0043】[式(XII)中、R1は水素又はハロゲノ基
を表し、R2は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表
し、mは0又は1を表す。]
【0044】次に、製造法1に記した方法と同様に、一
般式(XII)で表される化合物と一般式(III)で表され
る化合物とを、一般式(IV)で表される化合物の合成法
と同様に塩基性条件下で反応させ、さらに一般式(V)
で表される化合物の合成法と同様にニトロ基の還元を行
い、メイルバインアリレーション反応、環化反応、さら
に酸加水分解するか、あるいは一般式(XII)で表され
る化合物と一般式(VIII)で表される化合物とを、一般
式(IV)で表される化合物の合成法と同様に塩基性条件
下で反応させ、必要に応じて塩基性条件下、エステルの
加水分解を行い、Aがカルボニル基、又はスルホニル基
を表し、R1が水素又はハロゲノ基を表し、R2が水素又
は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、mが0又は
1を表し、nが1である場合の一般式(I)で表される
ジオキソチアゾリジン誘導体が得られる。
【0045】上記の方法で得られる化合物は、公知の分
離精製手段、例えば溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0046】本発明のジオキソチアゾリジン誘導体は優
れた血糖降下作用とAR阻害作用を有しており、糖尿病
合併症の予防ならびに治療において有効である。本発明
のジオキソチアゾリジン誘導体を糖尿病合併症の予防な
らびに治療を目的としてヒトに投与する場合はこれを内
用、外用または局所投与に適した有機または無機の補助
成分と共に固形製剤、半固形製剤または液状製剤とし
て、経口的あるいは非経口的に投与可能である。その投
与形態としては、経口製剤として錠剤、散剤、顆粒剤、
カプセル剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、非経口製剤と
して座剤、注射剤、点滴剤、外用剤などとすることがで
きる。
【0047】投与量は症状の程度、患者の年齢、疾病の
進度などによって著しく異なるが、通常一日あたり0.
01mg/kg乃至200mg/kg、このましくは0.05mg/kg
乃至50mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg乃至10mg/
kgの割合で一日一乃至数回に分けて投与することができ
る。
【0048】製剤化にあたっては通常の製剤担体を用
い、当該技術分野における常法によってこれをなすこと
ができる。即ち、経口的固形製剤を製造する場合は、主
薬に賦形剤および必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを加えた後、常法に従
い錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、被覆製剤などとす
る。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白
糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケ
イ素などが用いられる。結合剤としては、例えばポリビ
ニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロー
ス、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼ
ラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルスターチ、ポ
リビニルピロリドンなどが用いられる。崩壊剤として
は、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、
炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシ
ウム、デキストリン、ペクチンなどが用いられる。滑沢
剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タル
ク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油など
が用いられる。着色剤としては医薬品への添加が許可さ
れているものが用いられる。矯味剤、矯臭剤としては、
例えばココア末、ハッカ油、ハッカ脳、龍脳、芳香酸、
桂皮末などが用いられる。これらの錠剤、顆粒剤に糖
衣、ゼラチン衣、その他必要に応じて適宜コーティング
を施すことはなんら差しつかえない。注射剤を調整する
場合には必要に応じて主薬にpH調整剤、緩衝剤、安定
化剤、可溶化剤などを添加し、常法により、皮下、筋肉
内、静脈内用注射剤とする。
【0049】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例において化合物の同定は、NMRス
ペクトル(HITATI・R−1200NMR)、IR
スペクトル(日本分光工業株式会社・IR−810)、
MASSスペクトル(JEOL・JMS−AX500
H)により行った。
【0050】(実施例1)N−{3−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゾイル}−フェニルアラニンの合成 (1)N−(3−ニトロベンゾイル)−フェニルアラニ
ンメチルエステルの合成 フェニルアラニン(5.00g、25.6mmol)の塩化水
素−メチルアルコ−ル(30ml)溶液を加熱還流にて
1.5時間攪拌した。溶媒を留去、乾燥した後に塩化メ
チレン(30ml)を加え、0℃にてトリエチルアミン
(8.90ml、63.9mmol)を加え、さらに、3−ニト
ロベンゾイルクロリド(4.75g、25.6mmol)の塩
化メチレン(25ml)溶液を加え、室温にて一夜攪拌し
た。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチ
ル層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去して得られる残渣をシリカカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)に付し、目的と
するN−(3−ニトロベンゾイル)−フェニルアラニン
メチルエステル(無色晶、7.00g、収率70%)を
得た。
【0051】(2)N−(3−アミノベンゾイル)−フ
ェニルアラニンメチルエステルの合成 N−(3−ニトロベンゾイル)−フェニルアラニンメチ
ルエステル(7.00g、23.3mmol)のメチルアルコ
ール(250ml)溶液に10%パラジウム−炭素(0.
70g)を加え、水素圧5kg/cm2で室温にて一夜攪拌し
た。反応液を自然濾過した後、溶媒を留去して得られる
残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メチルアルコール=50:1)に付し、目的とする
N−(3−アミノベンゾイル)−フェニルアラニンメチ
ルエステル(無色アモルファス、5.62g、収率88
%)を得た。
【0052】(3)N−{3−[(2−ブロモ−2−エ
トキシカルボニル)エチル]ベンゾイル}−フェニルア
ラニンメチルエステルの合成 N−(3−アミノベンゾイル)−フェニルアラニンメチ
ルエステル(5.60g、18.8mmol)のアセトン(3
0ml)溶液を5℃に保ちながら、47%臭化水素酸
(6.51ml、56.3mmol)を加え、さらに、亜硝酸ナ
トリウム(1.42g、20.6mmol)水溶液(7ml)を
滴下した。反応液を0.5時間攪拌した後、アクリル酸
エチル(12.2mmol、112.6mmol)を加え、35℃
に加温した後に酸化第一銅(0.27g、1.89mmol)
を加え、0.5時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸
エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得ら
れる残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=10:1)に付し、目的とするN−
{3−[(2−ブロモ−2−エトキシカルボニル)エチ
ル]ベンゾイル}−フェニルアラニンメチルエステル
(無色アモルファス、4.02g、収率46%)を得
た。
【0053】(4)N−{3−[(2−イミノチアゾリ
ジン−4−オン−5−イル)メチル]ベンゾイル}−フ
ェニルアラニンメチルエステルの合成 N−{3−[(2−ブロモ−2−エトキシカルボニル)
エチル]ベンゾイル}−フェニルアラニンメチルエステ
ル(4.00g、8.65mmol)のエチルアルコール(6
0ml)溶液にチオ尿素(0.725g、9.52mmol)及
び無水酢酸ナトリウム(0.781g、9.52mmol)を
加え、加熱還流にて8時間攪拌した。反応液を水に注
ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
して得られる残渣をシリカカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メチルアルコール=40:1)に付
し、目的とするN−{3−[(2−イミノチアゾリジン
−4−オン−5−イル)メチル]ベンゾイル}−フェニ
ルアラニンメチルエステル(無色アモルファス、3.0
0g、収率84%)を得た。
【0054】(5)N−{3−[(2,4−ジオキソチ
アゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイル}−フェニ
ルアラニンの合成 N−{3−[(2−イミノチアゾリジン−4−オン−5
−イル)メチル]ベンゾイル}−フェニルアラニンメチ
ルエステル(3.00g、7.29mmol)の2N塩酸(2
5ml)を加熱還流にて0.5時間攪拌した。反応液を水
に注ぎ、クロロホルム−メチルアルコール(30:1)
で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られる残渣をシ
リカカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メチル
アルコール=20:1)に付し、目的とするN−{3−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゾイル}−フェニルアラニン(式(XIII)、無
色アモルファス、1.05g、収率36%)を得た。こ
の化合物の構造式と物性値を以下に示す。
【0055】
【化14】
【0056】NMR(60MHz,CDCl3,DMSO−
6,TMS);δ(ppm) 3.00〜3.80(4H,
m)、4.35〜4.65(1H,m)、4.65〜5.1
5(1H,m)、7.05〜7.75(9H,m) IR(KBr);ν(cm-1) 3450、3350、1
770、1700、1650
【0057】(実施例2)N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゾイル}−フェニルアラニンの合成 3−ニトロベンゾイルクロリドの代わりに、4−ニトロ
ベンゾイルクロリドを用いて、実施例1(1)〜(5)
と同様の方法により、目的とするN−{4−[(2,4
−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイ
ル}−フェニルアラニン(式(XIV))を得た。この化
合物の構造式と物性値を以下に示す。
【0058】
【化15】
【0059】NMR(60MHz,CDCl3,DMSO−
6,TMS);δ(ppm) 3.05〜3.80(4H,
m)、4.35〜5.10(2H,m)、6.90〜8.0
0(9H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3350、3150、1
750、1700、1640
【0060】(実施例3)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−フェニルアラニンメチルエステル及びN−(3−
{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)
メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−フェ
ニルアラニンの合成 (1)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリ
ジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベ
ンゾイル)−フェニルアラニンメチルエステルの合成 実施例1(2)で得られた、N−(3−アミノベンゾイ
ル)−フェニルアラニンメチルエステル(1.40g、
4.69mmol)の塩化メチレン溶液(10ml)に0℃に
て[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)
メチル]ベンゼンスルホニルクロリド(1.51g、4.
92mmol)を加え、さらに、ジイソプロピルエチルアミ
ン(1.03ml、5.90mmol)を加え、室温にて一夜攪
拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸
エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を留去して得られる残渣を、シリカカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メチルアルコ
ール=100:1)に付し、目的とするN−(3−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−フェニル
アラニンメチルエステル(式(XV)、無色アモルファ
ス、0.92g、収率35%)を得た。
【0061】(2)N−(3−{4−[(2,4−ジオ
キソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホ
ンアミド}ベンゾイル)−フェニルアラニンの合成 N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−フェニルアラニンメチルエステル(0.92g、
1.62mmol)のメチルアルコール(6ml)溶液に2N
水酸化ナトリウム(2.5ml)水溶液を加え、室温にて
2時間、さらに加熱還流にて0.5時間攪拌した。反応
液を氷冷下、2N塩酸にてpHを1とした後、酢酸エチ
ルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られる
残渣を、シリカカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メチルアルコール=100:1)に付し、目的とす
るN−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン
−5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾ
イル)−フェニルアラニン(式(XVI)、無色アモルフ
ァス、0.44g、収率49%)を得た。これら化合物
の構造式と物性値を以下に示す。
【0062】
【化16】
【0063】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 2.80〜3.40(4H,m)、3.75
(3H,s)、4.30〜4.65(1H,m)、4.80
〜5.20(1H,m)、6.90〜7.70(13H,
m)
【0064】
【化17】
【0065】NMR(60MHz,CD3OD,CDC
3,TMS);δ(ppm) 3.05〜3.87(4H,
m)、4.35〜4.62(1H,m)、4.71〜5.0
8(1H,m)、7.05〜7.75(13H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3530、3350、3
160、1750、1690、1640、1330、1
160
【0066】(実施例4)N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホニル}−フェニルアラニン
メチルエステル及びN−{4−[(2,4−ジオキソチ
アゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホニル}
−フェニルアラニンの合成 フェニルアラニンメチルエステル・塩酸塩を用いて、実
施例3(1)〜(2)と同様の方法により、目的とする
N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホニル}−フェニルアラニン
メチルエステル(式(XVII))及びN−{4−[(2,
4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼ
ンスルホニル}−フェニルアラニン(式(XVIII))を
得た。これら化合物の構造式と物性値を以下に示す。
【0067】
【化18】
【0068】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 2.80〜3.75(4H,m)、3.50
(3H,m)、4.35〜4.65(1H,m)、5.15
〜5.50(1H,m)、6.85〜7.75(9H,m)
【0069】
【化19】
【0070】NMR(60MHz,CD3OD,CDC
3,TMS);δ(ppm) 2.88〜3.73(4H,
m)、4.31〜4.62(1H,m)、6.95〜7.7
5(9H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、3200、1
750、1690、1330、1150
【0071】(実施例5)N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホニル}−(4−フルオロフ
ェニル)アラニンメチルエステル及びN−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホニル}−(4−フルオロフェニル)
アラニンの合成 4−フルオロフェニルアラニンメチルエステル・塩酸塩
を用いて、実施例3(1)〜(2)と同様の方法によ
り、目的とするN−{4−[(2,4−ジオキソチアゾ
リジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホニル}−
(4−フルオロフェニル)アラニンメチルエステル(式
(XIX))及びN−{4−[(2,4−ジオキソチアゾ
リジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホニル}−
(4−フルオロフェニル)アラニン(式(XX))を得
た。これら化合物の構造式と物性値を以下に示す。
【0072】
【化20】
【0073】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 2.63〜3.80(4H,m)、3.50
(3H,s)、4.35〜4.70(1H,m)、5.35
〜5.70(1H,m)、6.60〜7.85(8H,m)
【0074】
【化21】
【0075】NMR(60MHz,CD3OD,CDC
3,TMS);δ(ppm) 2.75〜3.55(4H,
m)、4.30〜4.70(1H,m)、5.20〜5.3
5(1H,,m)、6.60〜7.80(8H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、3200、1
750、1690、1330、1155
【0076】(実施例6)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−(4−フルオロフェニル)アラニンメチルエステ
ル及びN−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリ
ジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベ
ンゾイル)−(4−フルオロフェニル)アラニンの合成 (1)N−(3−ニトロベンゾイル)−(4−フルオロ
フェニル)アラニンメチルエステルの合成 4−フルオロフェニルアラニン(2.99g、16.4mm
ol)の塩化水素−メチルアルコ−ル(30ml)溶液を加
熱還流にて1時間攪拌した。溶媒を留去、乾燥した後に
N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)を加え、0℃
にてトリエチルアミン(5.70ml、40.9mmol)を加
え、さらに、3−ニトロベンゾイルクロリド(3.00
g、16.2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1
0ml)溶液を加え、室温にて4時間攪拌した。反応液を
水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を1N塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得ら
れる残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1)に付し、目的とするN−(3
−ニトロベンゾイル)−(4−フルオロフェニル)アラ
ニンメチルエステル(無色アモルファス、1.51g、
収率27%)を得た。
【0077】(2)N−(3−アミノベンゾイル)−
(4−フルオロフェニル)アラニンメチルエステルの合
N−(3−ニトロベンゾイル)−(4−フルオロフェニ
ル)アラニンメチルエステル(1.50g、4.33mmo
l)のエチルアルコール(14ml)溶液に0℃にて塩化
第二ズズ・2水和物(3.93g、17.4mmol)のエチ
ルアルコール(10ml)溶液を加え、加熱還流にて1時
間攪拌した。反応液を氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム
にてpH8とした後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を留去して得られる残渣をシリカカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付
し、目的とするN−(3−アミノベンゾイル)−(4−
フルオロフェニル)アラニンメチルエステル(無色アモ
ルファス、1.00g、収率73%)を得た。
【0078】(3)N−(3−{4−[(2,4−ジオ
キソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホ
ンアミド}ベンゾイル)−(4−フルオロフェニル)ア
ラニンメチルエステル及びN−(3−{4−[(2,4
−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼン
スルホンアミド}ベンゾイル)−(4−フルオロフェニ
ル)アラニンの合成 N−(3−アミノベンゾイル)−(4−フルオロフェニ
ル)アラニンメチルエステルを用いて、実施例3(1)
〜(2)と同様の方法により、目的とするN−(3−
{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)
メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−(4
−フルオロフェニル)アラニンメチルエステル(式(XX
I))及びN−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾ
リジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}
ベンゾイル)−(4−フルオロフェニル)アラニン(式
(XXII))を得た。これら化合物の構造式と物性値を以
下に示す。
【0079】
【化22】
【0080】NMR(60MHz,CD3OD,CDC
3,TMS);δ(ppm) 3.05〜3.40(4H,
m)、3.78(3H,m)、4.45〜4.58(1H,
m)、4.80〜5.10(1H,m)、6.90〜7.7
0(12H,m)
【0081】
【化23】
【0082】NMR(60MHz,DMSO−d6,CDC
3,TMS);δ(ppm) 2.80〜3.70(4H,
m)、4.50〜4.90(2H,m)、6.70〜8.2
0(12H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3560、3350、3
170、1750、1695、1650、1330、1
160 MS(m/e);572(M+
【0083】(実施例7)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−2−フェニルグリシンメチルエステル及びN−
(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−
イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)
−2−フェニルグリシンの合成 2−フェニルグリシンを用いて、実施例6(1)〜
(3)と同様の方法により、目的とするN−(3−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−2−フェ
ニルグリシンメチルエステル(式(XXIII))及びN−
(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−
イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)
−2−フェニルグリシン(式(XXIV))を得た。これら
化合物の構造式と物性値を以下に示す。
【0084】
【化24】
【0085】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 2.90〜3.40(2H,m)、3.70
(3H,s)、4.20〜4.55(1H,m)、5.50
〜5.85(1H,m)、6.70〜7.80(13H,
m)
【0086】
【化25】
【0087】NMR(60MHz,DMSO−d6,CDC
3,TMS);δ(ppm) 2.80〜3.40(2H,
m)、4.15〜4.70(1H,m)、5.35〜5.6
5(1H,m)、6.80〜8.10(13H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3550、3250、1
750、1690、1650、1330、1160
【0088】(実施例8)N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゾイル}−2−フェニルグリシンの合
2−フェニルグリシン及び4−ニトロベンゾイルクロリ
ドを用いて、実施例1と同様の方法により、目的とする
N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゾイル}−2−フェニルグリシン(式
(XXV))を得た。この化合物の構造式と物性値を以下
に示す。
【0089】
【化26】
【0090】NMR(60MHz,Acetone−d6,CDC
3,TMS);δ(ppm) 2.75〜3.75(2H,
m)、4.40〜4.75(1H,m)、5.50〜5.8
0(1H,m)、7.10〜8.05(9H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3550、3350、3
175、1750、1690、1650
【0091】(実施例9)N−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホニル}−2−フェニルグリ
シンメチルエステル及びN−{4−[(2,4−ジオキ
ソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホニ
ル}−2−フェニルグリシンの合成 2−フェニルグリシンを用いて、実施例3(1)〜
(2)と同様の方法により、目的とするN−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホニル}−2−フェニルグリシンメチ
ルエステル(式(XXVI))及びN−{4−[(2,4−
ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンス
ルホニル}−2−フェニルグリシン(式(XXVII))を
得た。これら化合物の構造式と物性値を以下に示す。
【0092】
【化27】
【0093】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 2.70〜3.70(2H,m)、3.65
(3H,s)、4.20〜4.60(1H,m)、4.70
〜5.00(1H,m)、5.80〜6.20(1H,
m)、7.10〜8.05(9H,m)
【0094】
【化28】
【0095】NMR(60MHz,DMSO−d6,CDC
3,TMS);δ(ppm) 3.000〜3.70(2
H,m)、4.20〜4.60(1H,m)、4.70〜5.
00(1H,m)、6.80〜7.70(9H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、3200、1
750、1690、1330、1150
【0096】(試験例)次に、本発明のジオキソチアゾ
リジン誘導体の有効性を示す薬理試験の結果について説
明する。なお、ここに例示しない本発明のジオキソチア
ゾリジン誘導体についても同様の効果が認められた。
【0097】(1)血糖降下作用 実験には、13〜20週齢のKK/Ta Jcl雄性マ
ウスを1群4〜5匹として用いた。試験開始3日前に眼
窩静脈叢よりヘパリン採血(30μl)し、グルコース
オキシダーゼ法にて血糖値を求めた。血糖値が350〜
400mg/dl以上の個体を選び、各群の平均血糖値が等
しくなるように群分けした。各マウスは個別ケージに入
れ、本発明のジオキソチアゾリジン誘導体を100mg/k
gの用量で1日2回経口投与した。4日目投与3時間後
に採血を行い、溶媒対照群の血糖値を100として、こ
れに対する血糖降下率(下記数1に示す)を求めた。結
果を表1に示す。
【0098】
【数1】
【0099】(2)アルドースリダクターゼ阻害活性
(ARI活性) 5週齢のWistar系雄性ラットをエーテル麻酔下に
致死し、直ちに水晶体を摘出した。水晶体からハイマン
(Hayman)らの方法[ジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー(J.Biol.Chem.),240,877−88
2(1965)]に準じアルドースリダクターゼを調整
した。アルドースリダクターゼ活性の測定はデュフラン
(Dufrane)らの方法[バイオケミカル メディシン(Bio
chem.Med.),32,99−105(1984)]により
行った。即ち100mM硫酸リチウム、0.03mMNAD
PH(還元型ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチ
ドホスフェート)及び基質として0.1mM DL−グリ
セロアルデヒドを含むように調整した135mMナトリウ
ム−カリウム−リン酸緩衝液(pH7.0)400μlに
上記アルドースリダクターゼ50μlおよび各種濃度の
本発明のジオキソチアゾリジン誘導体(エタノールに溶
解)50μlを加え、30℃にて30分間反応させた。
【0100】次に、0.5N塩酸0.15mlを加えて反応
を停止させ、10mMイミダゾールを含む6N水酸化ナト
リウム0.5mlを添加することにより、前記反応によっ
て生じたNADP(ニコチンアミド アデニン ジヌク
レオチド ホスフェート)を蛍光物質に変換して、60
分後にその蛍光強度を測定した。蛍光強度は、室温でM
TP−100Fコロナマイクロプレートリーダ(コロナ
電気株式会社)を用いて励起波長360nm,蛍光波長4
60nmの条件で測定した。また本発明のジオキソチアゾ
リジン誘導体を加える代わりにエタノールを加える以外
は上記と同様に反応させて測定した蛍光強度をコントロ
ール値とした。本発明のジオキソチアゾリジン誘導体の
アルドースリダクターゼ阻害活性は蛍光強度の減少より
アルドースリダクターゼ活性を50%阻害するのに必要
な濃度(50%阻害濃度;IC50)として求めた。結果
を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】(急性毒性)ICR系雄性マウス(5週
令)を用いて、経口投与による急性毒性試験を行った。
本発明のジオキソチアゾリジン誘導体LD50値はいずれ
も300mg/kg以上であり、高い安全性が確認された。
【0103】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表される新規ジ
オキソチアゾリジン誘導体は、血糖降下作用及びアルド
ースリダクターゼ阻害作用を併せ持ち、これを含有する
医薬組成物は、例えば、白内障、神経症、網膜症、腎障
害などの糖尿病における各種合併症の予防及び治療的処
置のための薬剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/425 AED A61K 31/425 AED

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表されるジオキソチアゾリ
    ジン誘導体。 【化1】 [式(I)中、Aはカルボニル基又はスルホニル基を表
    し、R1は水素あるいはハロゲノ基を表し、R2は水素又
    は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、mとnはそ
    れぞれ0又は1を表す。]
  2. 【請求項2】請求項1記載のジオキソチアゾリジン誘導
    体を含有する医薬組成物。
JP4802295A 1995-03-08 1995-03-08 ジオキソチアゾリジン誘導体及びそれを有効成分とする医薬組成物 Pending JPH08245602A (ja)

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JP4802295A JPH08245602A (ja) 1995-03-08 1995-03-08 ジオキソチアゾリジン誘導体及びそれを有効成分とする医薬組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001068136A1 (fr) * 2000-03-17 2001-09-20 Ajinomoto Co., Inc. Medicaments permettant de traiter les complications du diabete et des neuropathies et utilisation de ces medicaments

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