JP2012512186A - アミドチアゾール誘導体、その製造方法および使用 - Google Patents

アミドチアゾール誘導体、その製造方法および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は糖尿病に関連する医薬の分野に関する。具体的には、本発明は、式(I)で表される構造を有し、アミドチアゾール構造を包含し、糖尿病に対する治療効果を有するジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤、その製造方法および医薬組成物ならびに糖尿病の治療薬の製造へのその使用に関する。
【化1】
Figure 2012512186

式中、R1は水素、ハロゲン、C1〜C5アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C5アルキル基であり、R2はフェニル基、置換フェニル基、2−フラニル基、置換2−フラニル基、2−チエニル基、置換2−チエニル基、2−ピロリル基、または置換2−ピロリル基である。
【選択図】なし

Description

本発明は糖尿病に関連する医薬の分野に関する。具体的には、本発明は、アミドチアゾール構造を包含し、糖尿病に対する治療効果を有するジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤、その製造方法および医薬組成物ならびに糖尿病の治療薬の製造へのその使用に関する。また、本発明は、糖尿病の治療方法にも関するものである。
統計資料によると、現在、全世界には約1.7億人の糖尿病患者がおり、そのうち約90%がII型(非インスリン依存性)糖尿病患者である。現在、臨床応用分野において使用されている糖尿病薬は、主に、メトホルミン、スルホニルウレアおよびインスリンを含む医薬である。近年市販されている医薬には、チアゾリジンジオンおよびα−グルコシダーゼ阻害剤等がある。これらの医薬は優れた治療効果を有するが、長期間服用した場合には、肝臓毒性や体重の増加等の安全上の問題がある。
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)を効果的かつ迅速に分解するが、GLP−1はインスリンの産生および分泌に対する最も有効な刺激剤の1つである。したがって、DPP−IV阻害剤は内在性のGLP−1の効果を増大させることができ、それにより血中インスリンレベルを上昇させることができる(中国特許出願CN200480017355.6参照)。最近、DPP−IV阻害剤が新規な抗糖尿病薬であることが、医学研究により立証された(Deacon C. F., Holst J. J., Dipeptidyl Peptidase IV Inhibitors: A Promising New Therapeutic Approach for the Management of Type 2 Diabetes. The International Journal of Biochemistry & Cell Biology, 2006, 38 (5-6): 831-844)。臨床試験の結果より、このような医薬は、体重増加や低血糖症等の、他の糖尿病薬に典型的に見られる副作用を伴うことなく、糖の減少に対し優れた効果を有することが示された。
中国特許出願CN200480017355.6号明細書
Deacon C. F., Holst J. J., Dipeptidyl Peptidase IV Inhibitors: A Promising New Therapeutic Approach for the Management of Type 2 Diabetes. The International Journal of Biochemistry & Cell Biology, 2006, 38 (5-6): 831-844
特に示さない限り、本明細書において用いられる用語の定義は下記のとおりである。
本明細書において用いられる「ハロゲン」という用語には、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が含まれる。
本明細書において用いられる「置換された」という用語は、一部分の1または複数の水素原子、具体的には5以下の水素原子、より具体的には1、2、または3の水素原子が、それぞれ独立に、対応する数の置換基によって置換されていることを意味する。置換基は、化学的な置換が可能な位置にのみ存在できると認識されるべきであり、当業者は、個々の置換の可能性について容易に(実験的に、または理論的に)決定することができる。
本明細書において用いられる「医薬として許容される担体および賦形剤」という用語は、当業者に周知の物質であり、ペレット剤、錠剤、カプセル等の種々の剤形において充填剤または担体等として用いられているものを意味する。これらの物質は、特定の目的のために適用されることが製薬産業における通常の知識を有する者に認識されており、医薬の非活性成分として用いられる。
本明細書において用いられる「治療上有効量」という用語は、所望の有効な作用を発揮する医薬の量を意味し、医療スタッフにより変更および最終決定されうる。「治療上有効量」の決定に際し顧慮される因子としては、投与経路、製剤の性質、患者の体重、年齢および健康状態ならびに疾病の性質および重篤度等が挙げられる。
現在の糖尿病治療薬の安全上の欠点に対し、従来技術の欠点および短所を克服するため、本発明の1つの目的は、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩を提供することである。この化合物または医薬として許容されるその塩は、新規なアミドチアゾール系DPP-IV阻害剤であり、優れた活性を有し、血漿中のグルコースレベルをきわめて有効に低減させることができ、そのため、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の治療を発展させるための基盤を提供するものである。
本発明の他の目的は、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩を含む医薬組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、糖尿病の治療薬の製造への式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の使用および、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩を使用することにより糖尿病を治療する方法を提供することである。
上述の本発明の目的は、下記の技術的解決手段を用いることにより達成される。
下記式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩。
Figure 2012512186
式(I)において、R1は、水素、ハロゲン、C1〜C5アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C5アルキル基であり、R2は、フェニル基、置換フェニル基、2−フラニル基、置換2−フラニル基、2−チエニル基、置換2−チエニル基、2−ピロリル基、または置換2−ピロリル基である。
好ましくは、R1は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C5アルキル基であり、R2は、フェニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基、シアノ基、ニトロ基のうち1または複数で一置換、二置換または三置換されたフェニル基;2−フラニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−フラニル基;2−チエニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−チエニル基;2−ピロリル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基のうち1または複数で二置換された2−ピロリル基である。
より好ましくは、R1は、水素、塩素、臭素、C1〜C2アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C2アルキル基であり、R2は、フェニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル基、シアノ基、ニトロ基のうち1または複数で一置換、二置換または三置換されたフェニル基;2−フラニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−フラニル基;2−チエニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−チエニル基である。
上述の医薬として許容される塩は、無機酸塩、好ましくは塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩、あるいは有機酸塩、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩またはアミノ酸塩である。
式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の例を下記の表1に示す。
Figure 2012512186
本発明により提供される前記化合物または医薬として許容されるその塩の製造方法は、下記の工程を含んでいる。
Figure 2012512186
1)有機塩基の存在下で、式(II)の化合物を塩化クロロアセチルまたは臭化ブロモアセチルと反応させ、式(III)の化合物を得る工程、
2)有機塩基の存在下で、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させ、式(I)の化合物を得る工程、
3)必要に応じて、式(I)の化合物を有機酸または無機酸(HA)と反応させ、該化合物の医薬として許容される塩を得る工程。
式中、R1およびR2は、上で定義されたとおりである。
上述の式(II)で表される化合物は、通常のHanschの合成法により合成でき、または市販されている。
上述の方法において、有機塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンおよび4−ジメチルアミノピリジンからなる群より選択される1または複数であってよい。
本発明により提供される医薬組成物は、上述の化合物または医薬として許容されるその塩を治療上有効量含有する。医薬組成物が、1または複数の医薬として許容される担体、賦形剤および/または希釈剤を更に含有していてもよい。医薬組成物は、充填剤、粘着剤、崩壊剤、滑沢剤、流動助剤、発泡剤、香味料、保存料およびコーティング剤等からなる群より選択される1または複数の補助剤を更に含有していてもよい。この場合において、充填剤は、ラクトース、スクロース、デキストリン、デンプン、α化デンプン、マンニトール、ソルビトール、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムまたは微結晶セルロースのうち1または複数を含有しており、粘着剤は、スクロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリグリコール、医療用エタノールまたは水のうち1または複数を含有しており、崩壊剤は、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたは発泡性崩壊剤のうち1または複数を含有している。
上述の医薬組成物は、固形経口製剤、液状経口製剤または注射薬であってもよい。具体的には、固形または液状経口製剤は、錠剤、分散錠剤、腸溶性カプセル、咀嚼錠、口腔内崩壊錠、カプセル、顆粒剤または経口液剤であってもよく、注射薬は、液状注射薬、凍結乾燥粉末注射薬、大型輸液剤または小型輸液剤であってもよい。
本発明は、糖尿病、好ましくは非インスリン依存性糖尿病の治療薬の製造への上述の式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の使用を提供する。
本発明は、化合物または医薬として許容されるその塩の治療上有効量を患者に投与する工程を含む糖尿病の治療方法を提供する。式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩は、広範囲の用量で効果を発揮するが、好ましくは、化合物または医薬として許容されるその塩の治療上有効量は、1mg〜1000mg/人/日の範囲内である。上述の化合物または医薬として許容されるその塩は、1度に、あるいは数度に分けて投与することができる。本発明の化合物または医薬として許容されるその塩の実際の投与量は、関連する状態にしたがい医師によって決定されうる。そのような状態としては、患者の生理的状態、投与経路、年齢、体重、医薬に対する個人的な反応、症状の重篤度等が挙げられる。
式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩は、DPP-IVの阻害活性を有し、そのため、糖尿病、好ましくは非インスリン依存性糖尿病の治療薬の製造のための有効成分として用いることができる。本発明の化合物または医薬として許容されるその塩の活性は、血糖降下モデルを用いてin vivoで試験することができる。試験結果は、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩が新規なアミドチアゾール系DPP-IV阻害剤であり、優れた活性を有し、血漿中のグルコースレベルをきわめて有効に低減させることができ、そのため、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の治療を発展させるための基盤を提供するものであることを示す。
以下の実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。以下の実施例は単なる説明のためのものであり、本発明を限定するためのものではないことを表明する必要がある。本発明の教示にしたがって当業者によってなされる種々の改変は、本発明の特許請求の範囲により要求される本発明の保護範囲内である。
実施例1:2−(2−クロロアセチル)アミノ−4−メチルチアゾール(III−1)の製造
1.14gの化合物II−1(10mmol)、1.31gの無水トリエチルアミン(13mmol)および50mLの無水CH2Cl2を100mL丸底フラスコにとり混合物を形成する。混合物を撹拌しながら氷水浴で冷却する。1.24gの塩化クロロアセチル(11mmol)を5mLの無水CH2Cl2に溶解した溶液をゆっくりと滴下し、終了後、反応混合物を1時間室温で撹拌する。反応混合物を50mLのCH2Cl2で希釈し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を無水Na2SO4で乾燥後、ロータリーエバポレータで溶媒を留去する。得られる残渣をカラムクロマトグラフィーで精製すると、化合物III−1の純粋な生成物1.75gが得られ、収率は92%である。生成物は無色結晶で、融点は128〜129℃であり、IR(KBr)のピーク値は、3185、3053、1653、1578および1380cm-1である。化合物II−1およびIII−1は、それぞれ、一般式IIおよびIIIで表される化合物の1つである。
Figure 2012512186
実施例2〜5
下記を除き、手順は実施例1のそれと同様である。
実施例1における化合物II−1を、表2に示した化合物II−2からII−5に置き換え、いくつかの実施例において、実施例1におけるトリエチルアミンを、ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジン等の他の有機塩基に置き換え、残りは実施例1と同様の手順を行い、表2に示した化合物III−2からIII−5を得る。
化合物II−2からII−5およびIII−2からIII−5は、それぞれ、一般式IIおよびIIIで表される2種類の化合物群である。
Figure 2012512186
表2に示した化合物III−2からIII−5の分析データは下記のとおりである。
III−2:2−(2−クロロアセチル)アミノチアゾール:無色結晶、融点167−169℃、IR(KBr)、3187、3031、1654cm-1
III−3:4−ブロモ−2−(2−クロロアセチル)アミノチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3178、3032、1656cm-1
III−4:2−(2−クロロアセチル)アミノ−4−フェニルチアゾール:無色結晶、融点144−145℃、1H NMR(DMSO−d6、400MHz)、7.82−7.85(m、2H)、7.42−7.46(m、2H)、7.34−7.37(m、1H)、7.20(s、1H)、4.22(s、2H)。
III−5:ギ酸2−(2−クロロアセチル)アミノチアゾール−4−メチルエステル:無色結晶、IR(KBr)、3182、3030、1691、1656cm-1
実施例6:4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール(I−1)の製造
Figure 2012512186
1.77gの化合物III−2(10mmol)、1.61gのベンジルアミン(IV−1)(15mmol)および1.01gのトリエチルアミン(10mmol)を100mL丸底フラスコに取り、25mLの無水THFを加え溶解する。得られる反応混合物を一晩室温で撹拌する。反応混合物中の溶媒をロータリーエバポレータで留去すると、化合物I−1の粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィーで精製すると、化合物I−1の純粋な生成物が得られる。生成物は2.22gの無色油状物で、収率は90%である。IR(KBr)のピーク値:3237、3186、3030、1654cm-11H NMR(DMSO−d6、400MHz)、δ7.446−7.454、7.20−7.21(2d、各1H、J=3.2Hzおよび3.6Hz)、7.29−7.35(m、4H)、7.21−7.24(m、1H)、3.73(s、2H)、3.41(s、2H)。
化合物IV−1およびI−1は、それぞれ、一般式IVおよびIで表される2種類の化合物群である。
実施例7〜16
下記を除き、手順は実施例1のそれと同様である。
実施例6における化合物III−2を、表3に示した化合物III−1からIII−5に置き換え(いくつかの実施例においては化合物III−2を用いている)、実施例6におけるIV−1を、表3に示した化合物IV−2からIV−10に置き換えている(いくつかの実施例においては化合物IV−1を用いている)。実施例1におけるトリエチルアミンを、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンまたは4−ジメチルアミノピリジン等の他の有機塩基に置き換え、残りは実施例6と同様の手順を行い、表3に示した化合物I−2からI−11を得る。
化合物IV−2からIV−10および化合物I−2からI−11は、それぞれ、一般式IVおよびIで表される2種類の化合物群である。
Figure 2012512186
表3に示した化合物I−2からI−11の分析データは下記のとおりである。
I−2:4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3233、3185、3030、1657cm-1
I−3:2−{2−[(2−フルオロ−4−メチルベンジル)アミノ]アセチル}アミノ−4−メチルチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3240、3185、3032、1652cm-1
I−4:2−{2−[(2−シアノ−3−ニトロ−4−tert−ブチルベンジル)アミノ]アセチル}アミノ−4−フェニルチアゾール、無色結晶、IR(KBr)、3218、3182、3033、2223、1654cm-1
I−5:ギ酸2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}−アミノチアゾール−4−メチルエステル、無色結晶、IR(KBr)、3237、3183、3030、1694、1655cm-1
I−6:4−メチル−2−{2−[(チエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、無色結晶、1H NMR(CDCl3、400MHz)、δ 7.23−7.24(m、1H)、6.94−6.95(m、2H)、6.518−6.520(d、1H、J=0.8Hz)、4.04(s、2H)、3.52(s、2H)、2.350−2.352(d、3H、J=0.8Hz)。
I−7:4−ブロモ−2−{2−[(3−ブロモチエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3245、3188、3028、1655cm-1
I−8:ギ酸2−{2−[(3−ブロモ−4−メチルチエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール−4−メチルエステル、無色結晶、IR(KBr)、3236、3179、3032、1693、1657cm-1
I−9:2−{2−[(フラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、無色結晶、融点115〜117℃、IR(KBr)、3233、3189、3030、1652cm-1
I−10:4−ブロモ−2−{2−[(3−ニトロフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、無色結晶、IR(KBr)、3231、3177、3018、1658cm-1
I−11:2−{2−[(3−クロロ−5−シアノ−4−メチルフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノ−4−メチルチアゾール、無色結晶、IR(KBr)、3241、3189、3030、2227、1654cm-1
実施例17:2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール 塩酸塩(I−12)の製造
Figure 2012512186
2.47gの化合物I−1(10mmol)を50mL丸底フラスコに取り、20mLの無水エーテルに溶解後、室温で撹拌しながら10%塩酸−エーテル溶液を滴下する。終了後、混合物を30分間室温で撹拌する。ろ過により沈殿を回収後、乾燥すると、化合物I−1の塩酸塩I−12が得られる。生成物は重量2.78gの白色結晶である。収率は98%であり、融点は202〜204℃(分解)である。
化合物I−12は、一般式Iで表される化合物の1つであり、化合物I−1の塩酸塩である。
実施例18〜20
下記を除き、手順は実施例17のそれと同様である。
実施例17における化合物I−1を、それぞれ、表4に示した化合物I−2、I−6およびI−10に置き換え、それらに対応する塩酸塩I−13からI−15を得る。
Figure 2012512186
表4に示した化合物I−13からI−15の分析データは下記のとおりである。
I−13:4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩:白色粉末、融点198〜200℃(分解)
I−14:4−メチル−2−{2−[(チエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩:白色粉末、融点181〜183℃(分解)
I−15:4−ブロモ−2−{2−[(3−ニトロフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩、白色粉末、融点210〜203℃(分解)
実施例21
配合量/錠
実施例6で製造したサンプル(I−1) 100mg
微結晶セルロース 80mg
α化デンプン 70mg
ポリビニルピロリドン 6mg
カルボキシメチルデンプンナトリウム塩 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 2mg
活性成分、α化デンプンおよび微結晶セルロースを分級し、十分混合後、ポリビニルピロリドン溶液を加え、混合して軟質材料を製造する。軟質材料を分級し、湿潤顆粒を製造後、50〜60℃で乾燥する。カルボキシメチルデンプンナトリウム塩、ステアリン酸マグネシウムおよびタルク粉末を事前に分級後、前記顆粒と混合し打錠する。
実施例22
配合量/錠
実施例7で製造したサンプル(I−2) 100mg
微結晶セルロース 80mg
α化デンプン 70mg
ポリビニルピロリドン 6mg
カルボキシメチルデンプンナトリウム塩 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 2mg
活性成分、α化デンプンおよび微結晶セルロースを分級し、十分混合後、ポリビニルピロリドン溶液を加え、混合して軟質材料を製造する。軟質材料を分級し、湿潤顆粒を製造後、50〜60℃で乾燥する。カルボキシメチルデンプンナトリウム塩、ステアリン酸マグネシウムおよびタルク粉末を事前に分級後、前記顆粒と混合し打錠する。
実施例23
配合量/カプセル
実施例11で製造したサンプル(I−6) 50mg
微結晶セルロース 30mg
α化デンプン 20mg
ポリビニルピロリドン 3mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 1mg
活性成分、α化デンプンおよび微結晶セルロースを分級し、十分混合後、ポリビニルピロリドン溶液を加え、混合して軟質材料を製造する。軟質材料を分級し、湿潤顆粒を製造後、50〜60℃で乾燥する。ステアリン酸マグネシウムおよびタルク粉末を事前に分級後、前記顆粒と混合しカプセルに封入し、最終生成物を得る。
実施例24
配合量/カプセル
実施例12で製造したサンプル(I−7) 50mg
微結晶セルロース 30mg
α化デンプン 20mg
ポリビニルピロリドン 3mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 1mg
活性成分、α化デンプンおよび微結晶セルロースを分級し、十分混合後、ポリビニルピロリドン溶液を加え、混合して軟質材料を製造する。軟質材料を分級し、湿潤顆粒を製造後、50〜60℃で乾燥する。ステアリン酸マグネシウムおよびタルク粉末を事前に分級後、前記顆粒と混合しカプセルに封入し、最終生成物を得る。
実施例25
配合量/50mL
実施例8で製造したサンプル(I−13) 50mg
クエン酸 100mg
NaOH 適量
(pHを4.0〜5.0に調整するため)
蒸留水 50mL
まず、蒸留水およびクエン酸を蒸留水に加える。撹拌して溶解後、サンプルを加え、わずかに加熱して溶解させる。pH値を4.0〜5.0に調整し、0.2gの活性炭を加える。混合物を室温で20分間撹拌後ろ過する。集中制御方式で濃度を決定したろ液を、5mLアンプルに分注し、高温で30分間殺菌し、注射剤を得る。
実施例26
配合量/50mL
実施例19で製造したサンプル(I−14) 50mg
クエン酸 100mg
NaOH 適量
(pHを4.0〜5.0に調整するため)
蒸留水 50mL
まず、蒸留水およびクエン酸を蒸留水に加える。撹拌して溶解後、サンプルを加え、わずかに加熱して溶解させる。pH値を4.0〜5.0に調整し、0.2gの活性炭を加える。混合物を室温で20分間撹拌後ろ過する。集中制御方式で濃度を決定したろ液を、5mLアンプルに分注し、高温で30分間殺菌し、注射剤を得る。
実施例27
実施例20で製造したサンプル(I−15) 3.0g
ポロキサマー(製品名) 1.0g
水酸化ナトリウム 0.2g
クエン酸 適量
マンニトール 26.0g
ラクトース 23.0g
注射水 100mL
製造工程:活性成分、マンニトール、ラクトース、ポロキサマーを注射水(80mL)と撹拌して溶解後、1mol/Lクエン酸を加え、pHを7.0〜9.0に調整し、次いで、水を追加して100mLにする。0.5gの活性炭を加え、30℃で20分間撹拌する。活性炭を除去し、微細孔ろ過膜を用いて、ろ過および殺菌を行う。ろ液を1mLずつに分注する。2時間予備凍結した後、サンプルを減圧下で12時間凍結乾燥する。サンプルの温度が室温に達するまでに、それらを5時間再乾燥すると、脆い塊状物が得られる。封入すると最終生成物が得られる。
実施例28
顆粒 100包
実施例13で製造したサンプル(I−8) 30.0g
ラクトース 55.0g
マンニトール 14.0g
アスパルテーム 0.05g
エッセンス 0.05g
2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(純水で調製) 適量
製造工程:活性成分および補助剤をそれぞれ100メッシュで分級し、よく混合した。次いで、所定量の補助剤および活性成分を計量し、よく混合する。粘着剤を加えて軟質材料を製造し、14メッシュで分級して顆粒を形成させる。顆粒を12メッシュで分級し、包装のために分包を計量する。
実施例29
1%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いて、濃度5mg/mLのサンプルの懸濁液を調製したが、投与量が0.4mL/体重20gであるため、100mg/kgの用量に相当する。
体重20〜24gの健康なICRマウスは一次標準に適合しており、雌雄同数である。マウスを16時間絶食させ、2g/kgのグルコース−生理食塩水溶液を、投与の2時間後に腹腔注射する(ダイアミクロン投与の1.5時間後にグルコースを注射する。)。マウスの眼窩静脈叢より、毛管を用いて、モデリングの0.5時間、1時間、2時間、3時間および4時間後に、定期的に血液を採取し、遠心分離により血清を分離後、血清中のグルコースの含有量を、グルコースオキシダーゼ法により時間毎に測定する。結果を表5に示す。
Figure 2012512186
結果は、それぞれの投与により、グルコースにより引き起こされるマウスの血糖負荷が大幅に低減されうることを示している。
本発明は糖尿病に関連する医薬の分野に関する。具体的には、本発明は、アミドチアゾール構造を包含し、糖尿病に対する治療効果を有するジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤、その製造方法および医薬組成物ならびに糖尿病の治療薬の製造へのその使用に関する。
また、本発明は、糖尿病の治療方法にも関するものである。
統計資料によると、現在、全世界には約1.7億人の糖尿病患者がおり、そのうち約90%がII型(非インスリン依存性)糖尿病患者である。現在、臨床応用分野において使用されている糖尿病薬は、主に、メトホルミン、スルホニルウレアおよびインスリンを含む医薬である。近年市販されている医薬には、チアゾリジンジオンおよびα−グルコシダーゼ阻害剤等がある。これらの医薬は優れた治療効果を有するが、長期間服用した場合には、肝臓毒性や体重の増加等の安全上の問題がある。
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)を効果的かつ迅速に分解するが、GLP−1はインスリンの産生および分泌に対する最も有効な刺激剤の1つである。したがって、DPP−IV阻害剤は内在性のGLP−1の効果を増大させることができ、それにより血中インスリンレベルを上昇させることができる(中国特許出願CN200480017355.6参照)。最近、DPP−IV阻害剤が新規な抗糖尿病薬であることが、医学研究により立証された(Deacon C. F., Holst J. J., Dipeptidyl Peptidase IV Inhibitors: A Promising New Therapeutic Approach for the Management of Type 2 Diabetes. The International Journal of Biochemistry & Cell Biology, 2006, 38 (5-6): 831-844)。臨床試験の結果より、このような医薬は、体重増加や低血糖症等の、他の糖尿病薬に典型的に見られる副作用を伴うことなく、糖の減少に対し優れた効果を有することが示された。
中国特許出願CN200480017355.6号明細書
Deacon C. F., Holst J. J., Dipeptidyl Peptidase IV Inhibitors: A Promising New Therapeutic Approach for the Management of Type 2 Diabetes. The International Journal of Biochemistry & Cell Biology, 2006, 38 (5-6): 831-844
特に示さない限り、本明細書において用いられる用語の定義は下記のとおりである。
本明細書において用いられる「医薬として許容される担体および賦形剤」という用語は、当業者に周知の物質であり、ペレット剤、錠剤、カプセル等の種々の剤形において充填剤または担体等として用いられているものを意味する。これらの物質は、特定の目的のために適用されることが製薬産業における通常の知識を有する者に認識されており、医薬の非活性成分として用いられる。
本明細書において用いられる「治療上有効量」という用語は、所望の有効な作用を発揮する医薬の量を意味し、医療スタッフにより変更および最終決定されうる。「治療上有効量」の決定に際し顧慮される因子としては、投与経路、製剤の性質、患者の体重、年齢および健康状態ならびに疾病の性質および重篤度等が挙げられる。
現在の糖尿病治療薬の安全上の欠点に対し、従来技術の欠点および短所を克服するため、本発明の1つの目的は、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩を提供することである。この化合物または医薬として許容されるその塩は、新規なアミドチアゾール系DPP-IV阻害剤であり、優れた活性を有し、血漿中のグルコースレベルをきわめて有効に低減させることができ、そのため、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の治療を発展させるための基盤を提供するものである。
本発明の他の目的は、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩を含む医薬組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、糖尿病の治療薬の製造への式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の使用および、式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩を使用することにより糖尿病を治療する方法を提供することである。
上述の本発明の目的は、下記の技術的解決手段を用いることにより達成される。
下記式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩。
Figure 2012512186
メチル基であり、Rはフェニル基、フッ素およびメチル基の一方または双方で一置換または二置換されたフェニル基または2−チエニル基である
上述の医薬として許容される塩は、無機酸塩、好ましくは塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩、あるいは有機酸塩、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩またはアミノ酸塩である。
式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の例を下記の表1に示す。
Figure 2012512186
本発明により提供される前記化合物または医薬として許容されるその塩の製造方法は、下記の工程を含んでいる。
Figure 2012512186
1)有機塩基の存在下で、式(II)の化合物を塩化クロロアセチルまたは臭化ブロモアセチルと反応させ、式(III)の化合物を得る工程、
2)有機塩基の存在下で、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させ、式(I)の化合物を得る工程、
3)必要に応じて、式(I)の化合物を有機酸または無機酸(HA)と反応させ、該化合物の医薬として許容される塩を得る工程。
式中、RおよびRは、上で定義されたとおりである。
上述の式(II)で表される化合物は、通常のHanschの合成法により合成でき、または市販されている。
上述の方法において、有機塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンおよび4−ジメチルアミノピリジンからなる群より選択される1または複数であってよい。
本発明により提供される医薬組成物は、上述の化合物または医薬として許容されるその塩を治療上有効量含有する。医薬組成物が、1または複数の医薬として許容される担体、賦形剤および/または希釈剤を更に含有していてもよい。医薬組成物は、充填剤、粘着剤、崩壊剤、滑沢剤、流動助剤、発泡剤、香味料、保存料およびコーティング剤等からなる群より選択される1または複数の補助剤を更に含有していてもよい。この場合において、充填剤は、ラクトース、スクロース、デキストリン、デンプン、α化デンプン、マンニトール、ソルビトール、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムまたは微結晶セルロースのうち1または複数を含有しており、粘着剤は、スクロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリグリコール、医療用エタノールまたは水のうち1または複数を含有しており、崩壊剤は、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたは発泡性崩壊剤のうち1または複数を含有している。
上述の医薬組成物は、固形経口製剤、液状経口製剤または注射薬であってもよい。具体的には、固形または液状経口製剤は、錠剤、分散錠剤、腸溶性カプセル、咀嚼錠、口腔内崩壊錠、カプセル、顆粒剤または経口液剤であってもよく、注射薬は、液状注射薬、凍結乾燥粉末注射薬、大型輸液剤または小型輸液剤であってもよい。
本発明は、糖尿病、好ましくは非インスリン依存性糖尿病の治療薬の製造への上述の式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩の使用を提供する。
本発明は、化合物または医薬として許容されるその塩の治療上有効量を患者に投与する工程を含む糖尿病の治療方法を提供する。式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩は、広範囲の用量で効果を発揮するが、好ましくは、化合物または医薬として許容されるその塩の治療上有効量は、1mg〜1000mg/人/日の範囲内である。上述の化合物または医薬として許容されるその塩は、1度に、あるいは数度に分けて投与することができる。本発明の化合物または医薬として許容されるその塩の実際の投与量は、関連する状態にしたがい医師によって決定されうる。そのような状態としては、患者の生理的状態、投与経路、年齢、体重、医薬に対する個人的な反応、疾患の重篤度等が挙げられる。
式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩は、DPP-IVの阻害活性を有し、そのため、糖尿病、好ましくは非インスリン依存性糖尿病の治療薬の製造のための有効成分として用いることができる。本発明の化合物または医薬として許容されるその塩の活性は、血糖降下モデルを用いてin vivoで試験することができる。試験結果は、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩が新規なアミドチアゾール系DPP-IV阻害剤であり、優れた活性を有し、血漿中のグルコースレベルをきわめて有効に低減させることができ、そのため、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病の治療を発展させるための基盤を提供するものであることを示す。
以下の実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。以下の実施例は単なる説明のためのものであり、本発明を限定するためのものではないことを表明する必要がある。本発明の教示にしたがって当業者によってなされる種々の改変は、本発明の特許請求の範囲により要求される本発明の保護範囲内である。
実施例1:2−(2−クロロアセチル)アミノ−4−メチルチアゾール(III−1)の製造
1.14gの化合物II−1(10mmol)、1.31gの無水トリエチルアミン(13mmol)および50mLの無水CHClを100mL丸底フラスコにとり混合物を形成する。混合物を撹拌しながら氷水浴で冷却する。1.24gの塩化クロロアセチル(11mmol)を5mLの無水CHClに溶解した溶液をゆっくりと滴下し、終了後、反応混合物を1時間室温で撹拌する。反応混合物を50mLのCHClで希釈し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を無水NaSOで乾燥後、ロータリーエバポレータで溶媒を留去する。得られる残渣をカラムクロマトグラフィーで精製すると、化合物III−1の純粋な生成物1.75gが得られ、収率は92%である。生成物は無色結晶で、融点は128〜129℃であり、IR(KBr)のピーク値は、3185、3053、1653、1578および1380cm−1である。化合物II−1およびIII−1は、それぞれ、一般式IIおよびIIIで表される化合物の1つである。
Figure 2012512186
実施例2〜5
下記を除き、手順は実施例1のそれと同様である。
実施例1における化合物II−1を、表2に示した化合物II−2からII−5に置き換え、いくつかの実施例において、実施例1におけるトリエチルアミンを、ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジン等の他の有機塩基に置き換え、残りは実施例1と同様の手順を行い、表2に示した化合物III−2からIII−5を得る。
化合物II−2からII−5およびIII−2からIII−5は、それぞれ、一般式IIおよびIIIで表される2種類の化合物群である。
Figure 2012512186
表2に示した化合物III−2からIII−5の分析データは下記のとおりである。
III−2:2−(2−クロロアセチル)アミノチアゾール:無色結晶、融点167−169℃、IR(KBr)、3187、3031、1654cm−1
III−3:4−ブロモ−2−(2−クロロアセチル)アミノチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3178、3032、1656cm−1
III−4:2−(2−クロロアセチル)アミノ−4−フェニルチアゾール:無色結晶、融点144−145℃、H NMR(DMSO−d、400MHz)、7.82−7.85(m、2H)、7.42−7.46(m、2H)、7.34−7.37(m、1H)、7.20(s、1H)、4.22(s、2H)。
III−5:ギ酸2−(2−クロロアセチル)アミノチアゾール−4−メチルエステル:無色結晶、IR(KBr)、3182、3030、1691、1656cm−1
実施例6:4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール(I−1)の製造
Figure 2012512186
1.77gの化合物III−2(10mmol)、1.61gのベンジルアミン(IV−1)(15mmol)および1.01gのトリエチルアミン(10mmol)を100mL丸底フラスコに取り、25mLの無水THFを加え溶解する。得られる反応混合物を一晩室温で撹拌する。反応混合物中の溶媒をロータリーエバポレータで留去すると、化合物I−1の粗生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィーで精製すると、化合物I−1の純粋な生成物が得られる。生成物は2.22gの無色油状物で、収率は90%である。IR(KBr)のピーク値:3237、3186、3030、1654cm−1H NMR(DMSO−d、400MHz)、δ7.446−7.454、7.20−7.21(2d、各1H、J=3.2Hzおよび3.6Hz)、7.29−7.35(m、4H)、7.21−7.24(m、1H)、3.73(s、2H)、3.41(s、2H)。
化合物IV−1およびI−1は、それぞれ、一般式IVおよびIで表される2種類の化合物群である。
実施例7〜16
下記を除き、手順は実施例1のそれと同様である。
実施例6における化合物III−2を、表3に示した化合物III−1からIII−5に置き換え(いくつかの実施例においては化合物III−2を用いている)、実施例6におけるIV−1を、表3に示した化合物IV−2からIV−10に置き換えている(いくつかの実施例においては化合物IV−1を用いている)。実施例1におけるトリエチルアミンを、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンまたは4−ジメチルアミノピリジン等の他の有機塩基に置き換え、残りは実施例6と同様の手順を行い、表3に示した化合物I−2からI−11を得る。
化合物IV−2からIV−10および化合物I−2からI−11は、それぞれ、一般式IVおよびIで表される2種類の化合物群である。
Figure 2012512186
表3に示した化合物I−2からI−11の分析データは下記のとおりである。
I−2:4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3233、3185、3030、1657cm−1
I−3:2−{2−[(2−フルオロ−4−メチルベンジル)アミノ]アセチル}アミノ−4−メチルチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3240、3185、3032、1652cm−1
(I−4)2−{2−[(2−シアノ−3−ニトロ−4−tert−ブチルベンジル)アミノ]アセチル}アミノ−4−フェニルチアゾール、無色結晶、IR(KBr)、3218、3182、3033、2223、1654cm−1
(I−5)ギ酸2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}−アミノチアゾール−4−メチルエステル、無色結晶、IR(KBr)、3237、3183、3030、1694、1655cm−1
(I−6)4−メチル−2−{2−[(チエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、無色結晶、H NMR(CDCl、400MHz)、δ 7.23−7.24(m、1H)、6.94−6.95(m、2H)、6.518−6.520(d、1H、J=0.8Hz)、4.04(s、2H)、3.52(s、2H)、2.350−2.352(d、3H、J=0.8Hz)。
I−7:4−ブロモ−2−{2−[(3−ブロモチエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール:無色結晶、IR(KBr)、3245、3188、3028、1655cm−1
I−8:ギ酸2−{2−[(3−ブロモ−4−メチルチエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール−4−メチルエステル、無色結晶、IR(KBr)、3236、3179、3032、1693、1657cm−1
I−9:2−{2−[(フラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、無色結晶、融点115〜117℃、IR(KBr)、3233、3189、3030、1652cm−1
I−10:4−ブロモ−2−{2−[(3−ニトロフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、無色結晶、IR(KBr)、3231、3177、3018、1658cm−1
I−11:2−{2−[(3−クロロ−5−シアノ−4−メチルフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノ−4−メチルチアゾール、無色結晶、IR(KBr)、3241、3189、3030、2227、1654cm−1
実施例17:2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール 塩酸塩(I−12)の製造
Figure 2012512186
2.47gの化合物I−1(10mmol)を50mL丸底フラスコに取り、20mLの無水エーテルに溶解後、室温で撹拌しながら10%塩酸−エーテル溶液を滴下する。終了後、混合物を30分間室温で撹拌する。ろ過により沈殿を回収後、乾燥すると、化合物I−1の塩酸塩I−12が得られる。生成物は重量2.78gの白色結晶である。収率は98%であり、融点は202〜204℃(分解)である。
化合物I−12は、一般式Iで表される化合物の1つであり、化合物I−1の塩酸塩である。
実施例18〜20
下記を除き、手順は実施例17のそれと同様である。
実施例17における化合物I−1を、それぞれ、表4に示した化合物I−2、I−6およびI−10に置き換え、それらに対応する塩酸塩I−13からI−15を得る。
Figure 2012512186
表4に示した化合物I−13からI−15の分析データは下記のとおりである。
I−13:4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩:白色粉末、融点198〜200℃(分解)
I−14:4−メチル−2−{2−[(チエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩:白色粉末、融点181〜183℃(分解)
I−15:4−ブロモ−2−{2−[(3−ニトロフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩、白色粉末、融点210〜203℃(分解)
実施例21
配合量/カプセル
実施例11で製造したサンプル(I−6) 50mg
微結晶セルロース 30mg
α化デンプン 20mg
ポリビニルピロリドン 3mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
タルク粉末 1mg
活性成分、α化デンプンおよび微結晶セルロースを分級し、十分混合後、ポリビニルピロリドン溶液を加え、混合して軟質材料を製造する。軟質材料を分級し、湿潤顆粒を製造後、50〜60℃で乾燥する。ステアリン酸マグネシウムおよびタルク粉末を事前に分級後、前記顆粒と混合しカプセルに封入し、最終生成物を得る。
実施例22
配合量/50mL
実施例19で製造したサンプル(I−14) 50mg
クエン酸 100mg
NaOH 適量
(pHを4.0〜5.0に調整するため)
蒸留水 50mL
まず、蒸留水およびクエン酸を蒸留水に加える。撹拌して溶解後、サンプルを加え、わずかに加熱して溶解させる。pH値を4.0〜5.0に調整し、0.2gの活性炭を加える。混合物を室温で20分間撹拌後ろ過する。集中制御方式で濃度を決定したろ液を、5mLアンプルに分注し、高温で30分間殺菌し、注射剤を得る。
実施例23
1%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いて、濃度5mg/mLのサンプルの懸濁液を調製したが、投与量が0.4mL/体重20gであるため、100mg/kgの用量に相当する。
体重20〜24gの健康なICRマウスは一次標準に適合しており、雌雄同数である。マウスを16時間絶食させ、2g/kgのグルコース−生理食塩水溶液を、投与の2時間後に腹腔注射する(ダイアミクロン投与の1.5時間後にグルコースを注射する。)。マウスの眼窩静脈叢より、毛管を用いて、モデリングの0.5時間、1時間、2時間、3時間および4時間後に、定期的に血液を採取し、遠心分離により血清を分離後、血清中のグルコースの含有量を、グルコースオキシダーゼ法により時間毎に測定する。結果を表5に示す。
Figure 2012512186
結果は、それぞれの投与により、グルコースにより引き起こされるマウスの血糖負荷が大幅に低減されうることを示している。

Claims (14)

  1. 下記式(I)で表される化合物または医薬として許容されるその塩。
    Figure 2012512186
    式中、R1は水素、ハロゲン、C1〜C5アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C5アルキル基であり、
    2はフェニル基、置換フェニル基、2−フラニル基、置換2−フラニル基、2−チエニル基、置換2−チエニル基、2−ピロリル基、または置換2−ピロリル基である。
  2. 式(I)において、
    1が水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C5アルキル基であり、
    2が、フェニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基、シアノ基、ニトロ基のうち1または複数で一置換、二置換または三置換されたフェニル基;2−フラニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−フラニル基;2−チエニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−チエニル基;2−ピロリル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C5アルキル基のうち1または複数で二置換された2−ピロリル基、である請求項1記載の化合物または医薬として許容されるその塩。
  3. 式(I)において、
    1が水素、塩素、臭素、C1〜C2アルキル基、COOR3またはフェニル基であり、R3はC1〜C2アルキル基であり、
    2が、フェニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル基、シアノ基、ニトロ基のうち1または複数で一置換、二置換または三置換されたフェニル基;2−フラニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−フラニル基;2−チエニル基、または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル基のうち1または複数で一置換または二置換された2−チエニル基、である請求項1または2記載の化合物または医薬として許容されるその塩。
  4. 前記医薬として許容される塩が、無機酸塩、好ましくは塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩、あるいは有機酸塩、好ましくはギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩またはアミノ酸塩である請求項1から3のいずれか1項記載の化合物または医薬として許容されるその塩。
  5. 前記化合物または医薬として許容されるその塩が、
    (I−1)2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、
    (I−2)4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、
    (I−3)2−{2−[(2−フルオロ−4−メチルベンジル)アミノ]アセチル}アミノ−4−メチルチアゾール、
    (I−4)2−{2−[(2−シアノ−3−ニトロ−4−tert−ブチルベンジル)アミノ]アセチル}アミノ−4−フェニルチアゾール、
    (I−5)ギ酸2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}−アミノチアゾール−4−メチルエステル、
    (I−6)4−メチル−2−{2−[(チエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、
    (I−7)4−ブロモ−2−{2−[(3−ブロモチエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、
    (I−8)ギ酸2−{2−[(3−ブロモ−4−メチルチエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール−4−メチルエステル、
    (I−9)2−{2−[(フラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、
    (I−10)4−ブロモ−2−{2−[(3−ニトロフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール、
    (I−11)2−{2−[(3−クロロ−5−シアノ−4−メチルフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノ−4−メチルチアゾール、
    (I−12)2−{2−[(ベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩、
    (I−13)4−ブロモ−2−{2−[(2−クロロベンジル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩、
    (I−14)4−メチル−2−{2−[(チエニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩、または
    (I−15)4−ブロモ−2−{2−[(3−ニトロフラニル−2−メチル)アミノ]アセチル}アミノチアゾール塩酸塩、である請求項1から4のいずれか1項記載の化合物または医薬として許容されるその塩。
  6. 下記の工程を含む、請求項1から5のいずれか1項記載の化合物または医薬として許容されるその塩の製造方法。
    Figure 2012512186
    1)有機塩基の存在下で、式(II)の化合物を塩化クロロアセチルまたは臭化ブロモアセチルと反応させ、式(III)の化合物を得る工程、
    2)有機塩基の存在下で、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させ、式(I)の化合物を得る工程、
    3)必要に応じて、式(I)の化合物を有機酸または無機酸と反応させ、該化合物の医薬として許容される塩を得る工程。
    式中、R1およびR2は、請求項1から5のいずれか1項において定義されるとおりである。
  7. 前記有機塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンおよび4−ジメチルアミノピリジンからなる群より選択される1または複数である請求項6記載の方法。
  8. 請求項1から5のいずれか1項記載の化合物または医薬として許容されるその塩を治療上有効量含有する医薬組成物。
  9. 前記医薬組成物が、1または複数の医薬として許容される担体、賦形剤および/または希釈剤を更に含有する請求項8記載の医薬組成物。
  10. 前記医薬組成物が、充填剤、粘着剤、崩壊剤、滑沢剤、流動助剤、発泡剤、香味料、保存料およびコーティング剤からなる群より選択される1または複数の補助剤を更に含有する請求項8または9記載の医薬組成物。
  11. 前記医薬組成物が固形経口製剤、液状経口製剤または注射薬である請求項8から10のいずれか1項記載の医薬組成物。
  12. 前記固形または液状経口製剤が、錠剤、分散錠剤、腸溶性カプセル、咀嚼錠、口腔内崩壊錠、カプセル、顆粒剤または経口液剤であり、前記注射薬が、液状注射薬、凍結乾燥粉末注射薬、大型輸液剤または小型輸液剤である請求項11記載の医薬組成物。
  13. 糖尿病、好ましくは非インスリン依存性糖尿病の治療薬の製造への請求項1から5のいずれか1項記載の化合物または医薬として許容されるその塩の使用。
  14. 請求項1から5のいずれか1項記載の化合物または医薬として許容されるその塩の治療上有効量、好ましくは1mg〜1000mg/人/日を患者に投与する工程を含む糖尿病の治療方法。
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