JPH08157462A - ジオキソチアゾリジン誘導体及びそれを含有する医薬組成物 - Google Patents

ジオキソチアゾリジン誘導体及びそれを含有する医薬組成物

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JPH08157462A
JPH08157462A JP30523994A JP30523994A JPH08157462A JP H08157462 A JPH08157462 A JP H08157462A JP 30523994 A JP30523994 A JP 30523994A JP 30523994 A JP30523994 A JP 30523994A JP H08157462 A JPH08157462 A JP H08157462A
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lower alkyl
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JP30523994A
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Hiroaki Matsushima
宏明 松島
Shozo Miyaoka
象三 宮岡
Miyoshi Sugizaki
美好 杉崎
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(I)で表されるN−(4−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリシンエチルエス
テルなどの新規ジオキソチアゾリジン誘導体。 【化1】 [A及びBはカルボニル、スルホニルなど、R1〜R
4は、H、ハロゲノ、アルコキシ、ニトロ、低級アルキ
ルなど、mは1〜2、nは0〜1を表す。] 【効果】血糖降下作用及びアルドースリダクターゼ阻害
作用を併せ持ち、糖尿病における各種合併症の予防及び
治療的処置のための薬剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血糖降下作用及びアル
ドースリダクターゼ阻害作用を併せ持つ新規なジオキソ
チアゾリジン誘導体、およびそれを含有し、糖尿病の治
療及び糖尿病性白内障、網膜症、神経障害、腎障害など
の糖尿病における各種合併症の予防及び治療に有用な医
薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】糖尿病治療薬としては、
早くからインスリン製剤が知られ、使用されてきた。そ
の後、経口血糖降下剤として種々のビグアナイド系化合
物やスルホニルウレア系化合物が開発され用いられてき
た。しかしながら、これらの化合物には問題がある。即
ち、インスリン製剤は現在のところ注射剤として使用さ
れており、軽減されているとはいえ、その使用時におけ
る不便さは患者にとって大きな負担となっている。ま
た、経口血糖降下剤には、乳酸アシドーシスや重篤な低
血糖といった副作用がみられ、毒性が低く、有効な糖尿
病治療薬の開発が望まれている。血糖降下剤に関連とす
る先行技術としては、USP4572912号、USP
4645617号、及びUSP4687777号などが
知られている。
【0003】近年、糖尿病合併症の発症機序として、組
織内ソルビトールの蓄積、増加が注目され、グルコース
などのアルドースを還元してソルビトールに変換する酵
素であるアルドースリダクターゼ(AR)の活性を阻害
する化合物が白内症、網膜症、神経障害、腎障害の治療
に有用であることが文献上示唆されている(ケイ・エッ
チ・ギャバイ、エヌ・スパック、エヌ・ルーら、メタボ
リズム(K.H.Gabbay,N.Spack,N.Loo,et al.,Metabolis
m),28(Suppl.1 );471−476(197
9),デイ・ドボルーニク、エヌ・シマルドーデキュネ
スネ、エム・クラミら、サイエンス(D.Dvornik,N.Sima
rd-Dequesne,M.Krami,et al.,Science)182;11
46−1148(1973)、ジェイ・エッチ・キノシ
タ、デイ・ドボルーニク、エム・クラミら、バイオキミ
カ.バイオフィジカ.アクタ(J.H.Kinoshita,D.Dvorni
k,M.Krami,et al.,Biochem.Biophys.Acta ),158;
472−475(1968)参照)。これらのことより
アルドースリダクターゼ(AR)阻害剤の開発が進めら
れている。アルドースリダクターゼ(AR)阻害剤に関
連する先行技術としてはUSP4734419号、欧州
特許47107号などが知られている。しかしながら、
AR阻害剤はあくまでも糖尿病合併症の対症治療法剤で
あり、糖尿病そのものの治療効果は低いと考えらてい
る。したがって、糖尿病、加えては糖尿病合併症の根本
的な治療には血糖降下剤が必要であり、さらにはAR阻
害作用を併せ持つ血糖降下剤の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、AR
阻害作用を併せ持つ血糖降下作用を有する新規化合物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは、血糖降下作用及びアルドースリダクターゼ阻
害作用を併せ持つ化合物を見出すべく鋭意研究を継続し
た結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は一般式(I)で表されるジオキソチアゾリジン誘導
体、及びその金属塩、付加塩、水和物、溶媒和物、金属
塩の水和物、金属塩の溶媒和物、付加塩の水和物、付加
塩の溶媒和物である。
【0006】
【化2】
【0007】[式(I)中、Aはカルボニル基、チオカ
ルボニル基又はスルホニル基を表し、Bはカルボニル
基、又はスルホニル基を表し、R4は水素又は炭素数1
乃至8の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそれ
ぞれ独立に水素あるいはハロゲノ基、アルコキシ基、ニ
トロ基あるいは低級アルキル基を表し、mは1又は2を
表し、nは0又は1を表す。]
【0008】また、本発明は下記一般式(I)で表され
るジオキソチアゾリジン誘導体 、及びその金属塩、付
加塩、水和物、溶媒和物、金属塩の水和物、金属塩の溶
媒和物、付加塩の水和物、付加塩の溶媒和物を含有する
医薬組成物である。
【0009】一般式(I)において、低級アルキル基と
しては、炭素数1乃至8の直鎖状、分岐状又は環状のア
ルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピルなどが挙げられ、ハロゲノ基として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、アルコキシ基
としては、上記の低級アルキル基と酸素原子が結合した
ものが挙げられる。また、一般式(I)で表されるジオ
キソチアゾリジン誘導体の好適な塩類としては、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属との塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属との塩、アルミニウム塩、さらにはトリエチルア
ミン、ピリジンなどの有機塩基類との付加塩が挙げられ
る。
【0010】一般式(I)で表される本発明の化合物の
一般的製造法を以下に説明する。 (製造法1)一般式(I)において、Aが、カルボニル
基、チオカルボニル基、又はスルホニル基を表し、B
が、カルボニル基、又はスルホニル基を表し、R4が水
素又は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、R1
2、R3がそれぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキ
シ基、あるいは低級アルキル基を表し、mが1又は2を
表し、nが0又は1である場合の本発明のジオキソチア
ゾリジン誘導体の製造法は以下の通りである。一般式
(II)で表される化合物のニトロ基を還元し、一般式
(III)で表される化合物が得られる。
【0011】
【化3】
【0012】[式(II)中、Aはカルボニル基、チオカ
ルボニル基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数1
乃至8の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそれ
ぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは
低級アルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0又
は1を表す。]
【0013】
【化4】
【0014】[式(III)中、Aはカルボニル基、チオ
カルボニル基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数
1乃至8の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそ
れぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるい
は低級アルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0
又は1を表す。]
【0015】還元反応としては、接触還元、金属および
金属塩による還元が用いられる。接触還元として例え
ば、ラネー・ニッケル、酸化白金、又はパラジウム−炭
素などが挙げられ、金属および金属塩による還元として
例えば、亜鉛、アルミニウム−ニッケル合金、スズ粉
末、又は塩化スズ(II)などが挙げられ、好ましくは、
パラジウム−炭素又は塩化スズ(II)・2水和物であ
る。パラジウム−炭素を用いた反応の場合、溶媒として
は、酢酸エチル、メチルアルコールなどのアルコール
類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸などの
有機酸類又は、これらの混合溶媒が用いられ、パラジウ
ム−炭素の使用量は、特に限定はないが、化合物(II)
1グラム当量に対し、パラジウム−炭素0.1グラム当
量用い、水素圧は1乃至50気圧であるが、好ましくは
1乃至5気圧である。反応温度、反応時間などの反応条
件は特に限定されないが、通常室温で数時間である。ま
た、塩化スズ(II)・2水和物を用いた反応の場合、通
常溶媒としてはエチルアルコールを用い、塩化スズ(I
I)・2水和物の使用量は、化合物(II)1モルに対
し、2乃至5モル用いる。反応温度、反応時間について
は、室温から加熱還流の範囲にて数十分から数時間であ
る。次に一般式(III)で表される化合物と一般式(I
V)で表される化合物とを、塩基性条件下反応させる
と、一般式(V)で表される化合物が得られる。
【0016】
【化5】
【0017】[式(IV)中、Bはカルボニル基、又はス
ルホニル基を表し、Yは塩素、臭素、ヨウ素などハロゲ
ン原子を表す。]
【0018】
【化6】
【0019】[式(V)中、Aはカルボニル基、チオカ
ルボニル基、又はスルホニル基を表し、Bはカルボニル
基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3は、それぞれ独
立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級ア
ルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を
表す。]
【0020】この際の塩基としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素
塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリ
ン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物
などが挙げられるが、好ましくは、トリエチルアミンが
用いられる。上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、特に
好ましい溶媒としては、塩化メチレンが挙げられる。塩
基及び化合物(IV)の使用量は、化合物(III)1モル
に対し、塩基1乃至2モル、化合物(IV)1乃至1.2
モル用いる。反応温度は、特に限定されないが、通常冷
却下から加温下の範囲で反応が行なわれ、好ましくは、
室温であり、反応時間は数時間である。次に、一般式
(V)で表される化合物を、一般式(III)で表される化
合物の合成法と同様にニトロ基の還元を行い、一般式
(VI)で表される化合物が得られる。
【0021】
【化7】
【0022】[式(VI)中、Aはカルボニル基、チオカ
ルボニル基、又はスルホニル基を表し、Bはカルボニル
基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3は、それぞれ独
立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級ア
ルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を
表す。]
【0023】上記一般式(VI)で表される化合物は再結
晶またはカラムクロマトグラフィーで精製後、メイルバ
インアリレーション(Meerwein arylation)反応を行
い、一般式(VII)で表される化合物が得られる。反応
は例えば、WO9218501号、ワイ・カワマツら、
ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ビュレタ
ン(Y.Kawamatsu,et al.,Chem.Pharm.Bull.),30巻,
3580−3600貢,1982年に記載の方法に準じ
て行われる。すなわち、メイルバインアリレーション反
応は、通常アセトン、水又はメチルアルコールなどのア
ルコール類、好ましくはアセトン又はアセトンと水の混
合溶媒を用い、常法によるジアゾ化後、酸の存在下、ア
クリル酸アルキルエステル、次いで触媒量の第一銅塩と
して例えば、酸化銅(I)、臭化銅(I)などを加えるこ
とにより行われる。
【0024】
【化8】
【0025】[式(VII)中、Aはカルボニル基、チオ
カルボニル基、又はスルホニル基を表し、Bはカルボニ
ル基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8
の低級アルキル基を表し、R5はメチル基あるいはエチ
ル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素、ハ
ロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキル基を表
し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表し、Xは塩
素、臭素などのハロゲン原子を表す。]
【0026】次にこの化合物を脱酸剤として例えば、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの存在下、チオ尿素と
反応させ、下記一般式(VIII)で表される化合物を合成
し、さらに、これらの化合物を酸加水分解するかあるい
は必要に応じてさらに塩基性条件下、エステルの加水分
解を行い、Aがカルボニル基、チオカルボニル基、又は
スルホニル基を表し、Bがカルボニル基、又はスルホニ
ル基を表し、R4が水素又は炭素数1乃至8の低級アル
キル基を表し、R1、R2、R3がそれぞれ独立に水素、
ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキル基を
表し、mが1又は2を表し、nが0又は1である場合の
一般式(I)で表されるジオキソチアゾリジン誘導体が
得られる。
【0027】
【化9】
【0028】[式(VIII)中、Aはカルボニル基、チオ
カルボニル基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数
1乃至8の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3は、
それぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、ある
いは低級アルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは
0又は1を表す。]
【0029】また、一般式(I)において、Aがカルボ
ニル基、チオカルボニル基又はスルホニル基を表し、B
がスルホニル基を表し、R4が水素又は炭素数1乃至8
の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3がそれぞれ独
立に水素あるいはハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは
低級アルキル基を表し、mが1又は2を表し、nが0又
は1を表し、Bであるスルホニル基とメチレン鎖の芳香
環上の接合位置関係が、1,4位で表される化合物につ
いては、一般式(VI)で表される化合物と、公知の物質
[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Jo
urnal of Medicinal Chemistry),35巻,1853−
1864貢,1992年]である一般式(IX)とを、塩
基性条件下反応させると一般式(X)で表される化合物
が得られる。
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】[式(X)中、Aはカルボニル基、チオカ
ルボニル基又はスルホニル基を表し、R4は炭素数1乃
至8の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそれぞ
れ独立に水素あるいはハロゲノ基、アルコキシ基、ある
いは低級アルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは
0又は1を表す。]
【0033】この際の塩基としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素
塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリ
ン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物
などが挙げられ、好ましくは、ジイソプロピルエチルア
ミンが用いられる。上記の反応は、通常種々の溶媒、例
えば、塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N
−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセト
ン、ジメチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を
及ぼさない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行わ
れ、好ましくは、塩化メチレンが挙げられる。塩基及び
化合物(IX)の使用量は、化合物(VI)1モルに対し、
塩基1乃至2モル、化合物(IX)1モル用いる。反応温
度は、特に限定されないが、通常冷却下から加温下の範
囲で反応が行なわれ、好ましくは、室温であり、反応時
間は数時間である。
【0034】(製造法2)一般式(I)において、A及
びBがカルボニル基、又はスルホニル基を表し、R4
水素又は炭素数1乃至8の低級アルキル基を表し、
1、R2、R3は少なくとも一つがニトロ基であり、他
者がそれぞれ独立に水素あるいはハロゲノ基、アルコキ
シ基あるいは低級アルキル基を表し、mが1又は2を表
し、nが0又は1である場合の本発明のジオキソチアゾ
リジン誘導体の製造法は以下の通りである。一般式(X
I)で表される化合物と、一般式(XII)で表される化合
物とを、塩基性条件下反応させると、一般式(XIII)で
表される化合物が得られる。この際の塩基としては炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が
挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムが用いられる。
【0035】
【化12】
【0036】[式(XI)中、R1、R2、R3は少なくと
も一つがニトロ基であり、他者はそれぞれ独立に水素あ
るいはハロゲノ基、アルコキシ基あるいは低級アルキル
基を表し、nは0又は1を表す。]
【0037】
【化13】
【0038】[式(XII)中、R4 は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、Qは塩素、臭素、ヨウ素などハ
ロゲン原子を表し、mは1又は2を表す。]
【0039】
【化14】
【0040】[式(XIII)中、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3は、それぞれ独
立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級ア
ルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を
表す。]
【0041】上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われる。好
ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられ
る。塩基及び一般式(XII)で表される化合物の使用量
は、特に限定されないが、一般式(XI)で表される化合
物1モルに対し、塩基2乃至5モル、好ましくは、2.
5モル、一般式(XII)で表される化合物1乃至2モ
ル、好ましくは、1モル用いる。反応温度は60℃にて
反応時間は数時間である。次に、一般式(XIII)で表さ
れる化合物と、一般式(XIV)で表される化合物を、縮
合反応させると一般式(XV)で表される化合物が得られ
る。
【0042】
【化15】
【0043】[式(XIV)中、Bはカルボニル基、又は
スルホニル基を表し、Tはt−ブトキシ基又はトリフル
オロアセチル基など保護基を表す。]
【0044】
【化16】
【0045】[式(XV)中、Bはカルボニル基、又はス
ルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の低級アルキ
ル基を表し、R1、R2、R3は少なくとも一つがニトロ
基であり、他者はそれぞれ独立に水素あるいはハロゲノ
基、アルコキシ基あるいは低級アルキル基を表し、Tは
t−ブトキシ基又はトリフルオロアセチル基など保護基
を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。]
【0046】この際の縮合剤としては1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(WSC)、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)、ベンゾトリアゾリル−N−ヒドロキシトリ
スジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物
(BOP)などが挙げられ、好ましくは、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩
酸塩が用いられる。上記の反応は、通常種々の溶媒、例
えば、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチ
ルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさない
慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、好ましく
は、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。縮合
剤及び一般式(XIV)で表される化合物の使用量は、特
に限定されないが、一般式(XIII)で表される化合物1
モルに対し、縮合剤1乃至2モル、好ましくは、1.2
モル、一般式(XIV)で表される化合物1乃至2モル、
好ましくは、1モル用いる。反応温度は室温にて反応時
間は数時間である。次に、一般式(XV)で表される化合
物のアミノ基部分の保護基を酸の存在下、脱保護するこ
とにより、一般式(XVI)で表される化合物が得られ
る。
【0047】
【化17】
【0048】[式(XVI)中、Bはカルボニル基、又は
スルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の低級アル
キル基を表し、R1、R2、R3は少なくとも一つがニト
ロ基であり、他者はそれぞれ独立に水素あるいはハロゲ
ノ基、アルコキシ基あるいは低級アルキル基を表し、m
は1又は2を表し、nは0又は1を表す。]
【0049】さらに、一般式(XVI)で表される化合物
と一般式(XIV)で表される化合物とを、上記一般式(X
V)で表される化合物の合成法と同様に縮合させると、
一般式(XVII)で表される化合物が得られる。
【0050】
【化18】
【0051】[式(XVII)中、A及びBはカルボニル
基、又はスルホニル基を表し、R4 は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1 、R2 、R3 は少なくとも
一つがニトロ基であり、他者はそれぞれ独立に水素ある
いはハロゲノ基、アルコキシ基あるいは低級アルキル基
を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。]
【0052】一般式(XVII)で表される化合物のアミノ
基部分の保護基を酸の存在下、脱保護することにより、
一般式(XVIII)で表される化合物が得られる。
【0053】
【化19】
【0054】[式(XVIII)中、A及びBはカルボニル
基、又はスルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3は少なくとも一
つがニトロ基であり、他者はそれぞれ独立に水素あるい
はハロゲノ基、アルコキシ基あるいは低級アルキル基を
表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。]
【0055】次に、製造法1に記した方法と同様に、メ
イルバインアリレーション(Meerwein arylation)反
応、環化反応、さらに酸加水分解するかあるいは一般式
(X)で表される化合物の合成法と同様な反応を行い、
必要に応じて塩基性条件下、エステルの加水分解を行
い、A及びBがカルボニル基、又はスルホニル基を表
し、R4が水素又は炭素数1乃至8の低級アルキル基を
表し、R1、R2、R3は少なくとも一つがニトロ基であ
り、他者がそれぞれ独立に水素あるいはハロゲノ基、ア
ルコキシ基あるいは低級アルキル基を表し、mが1又は
2を表し、nが0又は1である場合の一般式(I)で表
されるジオキソチアゾリジン誘導体が得られる。
【0056】次に、製造法1で用いた、一般式(II)で
表される化合物の製造法を以下の方法1から方法4に示
す。 (方法1)一般式(II)において、Aがカルボニル基、
あるいはスルホニル基を表し、R4が炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3がそれぞれ独立
に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アル
キル基を表し、mが1又は2を表し、nが0又は1で表
される化合物の合成法は以下の通りである。一般式(X
I)で表され、式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に
水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキ
ル基を表し、nは0又は1を表す化合物と、一般式(I
V)で表される化合物とを、塩基性条件下反応させる
と、一般式(XIX)で表される化合物が得られる。
【0057】
【化20】
【0058】[式(XIX)中、Bはカルボニル基、又は
スルホニル基を表し、R1、R2、R3は、それぞれ独立
に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アル
キル基を表し、nは0又は1を表す。]
【0059】この際の塩基としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素
塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリ
ン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物
などが挙げられ、好ましくは、トリエチルアミンが用い
られる。上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、塩化
メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチ
ルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさない
慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、好ましく
は、塩化メチレンが挙げられる。塩基及び化合物(IV)
の使用量は、化合物(XI)1モルに対し、塩基1乃至2
モル、化合物(IV)1モル用いる。反応温度は、特に限
定されないが、通常冷却下から加温下の範囲で反応が行
なわれ、好ましくは、室温であり、反応時間は数時間で
ある。次に一般式(XIX)で表される化合物と、一般式
(XII)で表される化合物とを、塩基性条件下反応させ
ると一般式(XX)で表される化合物が得られる。
【0060】
【化21】
【0061】[式(XX)中、Aはカルボニル基、又はス
ルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の低級アルキ
ル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素、ハ
ロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキル基を表
し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表す。]
【0062】この際の塩基としては、水素化ナトリウム
などのアルカリ金属水素化物、水素化カルシウムなどの
アルカリ土類金属水素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリ
アルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン、4−
ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物などが挙
げられるが、好ましくは、水素化ナトリウムが用いられ
る。また溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、ピリジ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、ジメチルスルホキシドなどのような反応
に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒
中で行われ、特に好ましい溶媒としては、N,N−ジメ
チルホルムアミドが挙げられる。塩基及び化合物(XI
I)の使用量は、化合物(XIX)1モルに対し、塩基1乃
至2モル、化合物(XII)1乃至1.5モル用いる。反応
温度は、通常冷却下から加温下の範囲で反応が行なわ
れ、例えば塩基として水素化ナトリウムを用いた場合、
反応温度は冷却下乃至室温にて反応時間は数時間であ
る。
【0063】(方法2)一般式(II)において、Aがチ
オカルボニル基を表し、R4が炭素数1乃至8の低級ア
ルキル基を表し、R1、R2、R3がそれぞれ独立に水
素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキル
基を表し、mが1又は2を表し、nが0又は1で表され
る化合物の合成法は以下の通りである。一般式(XX)で
表され、式中、Aはカルボニル基を表し、R4は炭素数
1乃至8の低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそ
れぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるい
は低級アルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0
又は1で表される化合物のカルボニル部分をチオカルボ
ニル化させることにより、一般式(XXI)で表される化
合物が得られる。この際のチオカルボニル化剤として
は、ローソン試薬(Lawasson's Reagent)、五硫化リ
ン、硫化水素などが挙げられるが、好ましくは、ローソ
ン試薬が用いられる。
【0064】
【化22】
【0065】[式(XXI)中、R4は炭素数1乃至8の低
級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に
水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキ
ル基を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表
す。]
【0066】溶媒については、通常種々の溶媒、例え
ば、トルエン、キシレン、ピリジン、ヘキサメチルリン
酸トリアミド(HMPA)などのような反応に悪影響を
及ぼさない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行わ
れ、好ましくは、ヘキサメチルリン酸トリアミドが用い
られる。チオカルボニル化剤として、例えば、ローソン
試薬を用いた場合、一般式(XX)で表される化合物1モ
ルに対して、ローソン試薬0.5乃至1モル、好ましく
は、0.5モルであり、反応温度は、通常室温から加温
下の範囲で反応が行われ、好ましくは、100℃であ
り、反応時間は数時間である。
【0067】(方法3)一般式(II)において、Aがカ
ルボニル基、あるいはスルホニル基を表し、R4が炭素
数1乃至8を有する低級アルキル基を表し、R1、R2
3がそれぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ
基、あるいは低級アルキル基を表し、mが2を表し、n
が0又は1で表される化合物の合成法は以下の通りであ
る。一般式(XI)で表される化合物と一般式(XXII)で
表される化合物とを、塩基性条件下反応させると、一般
式(XXIII)で表される化合物が得られる。この際の塩
基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカ
リ金属炭酸塩が挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムが
用いられる。
【0068】
【化23】
【0069】[式(XXII)中、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表す。]
【0070】
【化24】
【0071】[式(XXIII)中、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立
に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アル
キル基を表し、nは0又は1を表す。]
【0072】上記の反応は、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、好ま
しくは、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
塩基及び一般式(XXII)で表される化合物の使用量は、
特に限定されないが、一般式(XI)で表される化合物1
モルに対し、塩基2乃至5モル、好ましくは、5モル、
一般式(XXII)で表される化合物2乃至4モル、好まし
くは、4モル用いる。反応温度は100℃にて反応時間
は数時間である。次に、一般式(XXIII)で表される化
合物と、一般式(IV)で表される化合物とを塩基性条件
下反応させると一般式(XXIV)で表される化合物が得ら
れる。
【0073】
【化25】
【0074】[式(XXIV)中、Bはカルボニル基、又は
スルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の低級アル
キル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素、
ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキル基を
表し、nは0又は1を表す。]
【0075】この際の塩基としては、水素化ナトリウム
などのアルカリ金属水素化物、水素化カルシウムなどの
アルカリ土類金属水素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリ
アルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン、4−
ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物などが挙
げられ、好ましくは、ジイソプロピルエチルアミンが用
いられる。溶媒については、通常種々の溶媒、例えば、
塩化メチレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジ
メチルスルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさ
ない慣用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、好ま
しくは、塩化メチレンが挙げられる。塩基及び一般式
(IV)で表される化合物の使用量は、一般式(XXIII)
で表される化合物1モルに対し、塩基1乃至2モル、好
ましくは、1.2モル、一般式(IV)で表される化合物
1乃至2モル、好ましくは、1モル用いる。反応温度は
通常冷却下から加温下の範囲で反応が行なわれ、好まし
くは室温であり、反応時間は数時間である。
【0076】(方法4)一般式(II)において、Aがカ
ルボニル基、あるいはスルホニル基を表し、R4が炭素
数1乃至8を有する低級アルキル基を表し、R1、R2
3がそれぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ
基、あるいは低級アルキル基を表し、m、nが1で表さ
れる化合物の合成法は以下の通りである。一般式(XX
V)で表される化合物と一般式(XXVI)[式(XXVI)
中、R4は炭素数1乃至8を有する低級アルキル基を表
す。]で表される化合物とを、塩基性条件下反応させる
と一般式(XXVII)で表される化合物が得られる。
【0077】
【化26】
【0078】[式(XXV)中、R1 、R2 、R3 はそれ
ぞれ独立に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは
低級アルキル基を表し、Uは塩素、臭素、ヨウ素などハ
ロゲン原子を表す。]
【0079】
【化27】
【0080】[式(XXVI)中、R4は炭素数1乃至8を
有する低級アルキル基を表す。]
【0081】
【化28】
【0082】[式(XXVII)中、R4は炭素数1乃至8の
低級アルキル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立
に水素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アル
キル基を表す。]
【0083】この際の塩基としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素
塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリ
ン、4−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物
などが挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムが用いられ
る。溶媒については、通常種々の溶媒、例えば、塩化メ
チレン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチル
スルホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさない慣
用の溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、好ましく
は、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。塩基
及び一般式(XXV)で表される化合物の使用量は、一般
式(XXVI)で表される化合物1モルに対し、塩基1乃至
5モル、好ましくは、4モル、一般式(XXV)で表され
る化合物1乃至2モル、好ましくは、1モル用いる。反
応温度は通常冷却下から加温下の範囲で反応が行なわ
れ、好ましくは室温であり、反応時間は数時間である。
次に、一般式(XXVII)で表される化合物と一般式(I
V)で表される化合物とを、塩基性条件下反応させると
一般式(XXVIII)で表される化合物が得られる。
【0084】
【化29】
【0085】[式(XXVIII)中、Aはカルボニル基、又
はスルホニル基を表し、R4は炭素数1乃至8の低級ア
ルキル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水
素、ハロゲノ基、アルコキシ基、あるいは低級アルキル
基を表す。]
【0086】この際の塩基としては、水素化ナトリウム
などのアルカリ金属水素化物、水素化カルシウムなどの
アルカリ土類金属水素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリ
アルキルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン、4−
ジメチルアミノピリジンなどのピリジン化合物などが挙
げられ、好ましくは、トリエチルアミンが用いられる。
溶媒については、通常種々の溶媒、例えば、塩化メチレ
ン、クロロホルム、ピリジン、N,N−ジメチルホルム
アミド、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルスル
ホキシドなどのような反応に悪影響を及ぼさない慣用の
溶媒又はそれらの混合溶媒中で行われ、好ましくは、塩
化メチレンが挙げられる。塩基及び一般式(IV)で表さ
れる化合物の使用量は、一般式(XXVII)で表される化
合物1モルに対し、塩基1乃至2モル、好ましくは、
1.2モル、一般式(IV)で表される化合物1乃至2モ
ル、好ましくは、1モル用いる。反応温度は通常冷却下
から加温下の範囲で反応が行なわれ、好ましくは室温で
あり、反応時間は数時間である。
【0087】上記の方法で得られる化合物は、公知の分
離精製手段、例えば溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0088】本発明のジオキソチアゾリジン誘導体は優
れた血糖降下作用とAR阻害作用を有しており、糖尿病
合併症の予防ならびに治療において有効である。本発明
のジオキソチアゾリジン誘導体を糖尿病合併症の予防な
らびに治療を目的としてヒトに投与する場合はこれを内
用、外用または局所投与に適した有機または無機の補助
成分と共に固形製剤、半固形製剤または液状製剤とし
て、経口的あるいは非経口的に投与可能である。その投
与形態としては、経口製剤として錠剤、散剤、顆粒剤、
カプセル剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、非経口製剤と
して座剤、注射剤、点滴剤、外用剤などとすることがで
きる。
【0089】投与量は症状の程度、患者の年令、疾病の
進度などによって著しく異なるが、通常一日あたり0.
01mg/kg乃至200mg/kg、好ましくは0.05mg/kg
乃至50mg/kg、より好ましくは0.1乃至10mg/kgの
割合で、一日一乃至数回に分けて投与することができ
る。
【0090】製剤化にあたっては通常の製剤担体を用
い、当該技術分野における常法によってこれをなすこと
ができる。即ち、経口的固形製剤を製造する場合は、主
薬に賦形剤および必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを加えた後、常法に従
い錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、被覆製剤などとす
る。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白
糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケ
イ素、などが用いられる。結合剤としては、例えばポリ
ビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロ
ース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、
ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルスターチ、
ポリビニルピロリドンなどが用いられる。崩壊剤として
は、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、
炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシ
ウム、デキストリン、ペクチンなどが用いられる。滑沢
剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タル
ク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油など
が用いられる。着色剤としては医薬品への添加が許可さ
れているものが用いられる。矯味剤、矯臭剤としては、
例えばココア末、ハッカ油、ハッカ脳、龍脳、芳香酸、
桂皮末などが用いられる。これらの錠剤、顆粒剤に、糖
衣、ゼラチン衣、その他必要に応じて適宜コーティング
を施すことはなんら差しつかえない。注射剤を調整する
場合には必要に応じて主薬にpH調整剤、緩衝剤、安定化
剤、可溶化剤などを添加し常法により、皮下、筋肉内、
静脈内用注射剤とする。
【0091】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例において化合物の同定は、NMRス
ペクトル(Varian・Unity400NMR、J
EOL・JNM−EX90、HITACHI・R−12
00NMR、JEOL・JNM−PMX60)、IRス
ペクトル(日本分光工業株式会社・IR−810)、M
ASSスペクトル(JEOL・JMS−AX500H)
により行った。
【0092】(実施例1)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリ
シンエチルエステルの合成 N−(4−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロベンジル)グリシンエチルエステル(1.4
0g、3.42mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液に
0℃にて[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−
イル)メチル]ベンゼンスルホニルクロリド(1.15
g、3.76mmol)を加え、室温にて一夜攪拌した。反
応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得られる残渣を、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:メチルアルコール
=100:1)に付し、目的とするN−(4−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリシンエチルエス
テル(無色アモルファス、0.80g、収率34%)を
得た。この化合物(XXIX)の構造式と物性値を以下に示
す。
【0093】
【化30】
【0094】NMR(60MHz,CDCl3,CD3
D,TMS);δ(ppm) 1.27(3H,t,J=
7.0Hz)、3.08〜3.90(2H,m)、4.25
(2H,q,J=7.0Hz)、4.88(2H,s)、
5.28(2H,s)、6.70〜8.30(11H,
m) IR(CHCl3);ν(cm-1) 3350、325
0、1750、1710、1700、1610、131
0、1160
【0095】(実施例2)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリ
シンの合成 実施例1で得られた、N−(4−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスル
ホンアミド}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロベンジル)グリシンエチルエステル(0.76
g、1.12mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)、メ
チルアルコール(6ml)溶液に2N水酸化ナトリウム
(3.5ml)水溶液を加え、室温にて2時間攪拌した。
反応液を氷冷下、2N塩酸にてpHを1とした後、クロ
ロホルム−メチルアルコール(30:1)で抽出し、有
機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を留去して得られる残渣を、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メチルアルコ
ール=100:1)に付し、目的とするN−(4−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリシン(無色アモ
ルファス、0.50g、収率69%)を得た。この化合
物(XXX)の構造式と物性値を以下に示す。
【0096】
【化31】
【0097】NMR(400MHz,CDCl3 ,DM
SO−d6 ,TMS);δ(ppm) 3.20〜3.
37(2H,m)、3.76〜3.92(1H,m,c
is)、3.94〜4.20(1H,m,tran
s)、4.46(1H,s,cis)、4.56(1
H,s,trans)、4.66〜4.87(1H,
m)、7.08〜7.73(11H,m)、9.60〜
9.80(1H,br)、11.30(1H,s) IR(Nujol);ν(cm-1) 3525、320
0、1750、1690、1620、1600、133
0、1150
【0098】(実施例3)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリ
シンエチルエステルの合成 N−(3−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロベンジル)グリシンエチルエステルを用い
て、実施例1と同様の方法により、目的とするN−(3
−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリシンエ
チルエステルを得た。 この化合物(XXXI)の構造式と
物性値を以下に示す。
【0099】
【化32】
【0100】NMR(400MHz,CDCl3,TM
S);δ(ppm) 1.21(3H,t,J=7.8Hz,
cis)、1.27(3H,t,J=7.4Hz,tran
s)、3.11(2H,t,J=3.3,13.7Hz)、
3.43〜3.52(2H,m)、3.75(1H,d,
J=15.2Hz,cis)、3.83(1H,d,J=1
5.2Hz,cis)、3.96(1H,d,J=17.
2Hz,trans)、4.14(2H,q,J=7.4H
z,trans)、4.16(1H,d,J=17.2H
z,trans)、4.19(2H,q,J=7.8H
z,cis)、4.45(2H,s,cis)、4.52
(2H,m)、4.62(1H,d,J=15.0Hz,t
rans)、4.84(1H,d,J=15.0Hz,tr
ans)、6.66〜7.64(22H,m)、10.0
〜10.4(2H,br) IR(CHCl3);ν(cm-1) 3650、334
0、1740、1700、1620、1600、133
0、1160
【0101】(実施例4)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリ
シンの合成 実施例3で得られた、N−(3−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスル
ホンアミド}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロベンジル)グリシンエチルエステルを用いて、実
施例2と同様の方法により、目的とするN−(3−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロベンジル)グリシンを得た。こ
の化合物(XXXII)の構造式と物性値を以下に示す。
【0102】
【化33】
【0103】NMR(400MHz,Acetone−
6,TMS);δ(ppm) 3.23〜3.32(1H,
m)、3.44〜3.53(1H,m)、3.99(1
H,s,cis)、4.15(1H,s,cis)、4.
54(1H,s,trans)、4.77(1H,s,
trans)、4.78〜4.84(1H,m)、7.1
5〜7.18(1H,m)、7.22〜7.54(8H,
m)、7.66〜7.78(2H,m)、9.12(1
H,s)、10.50〜10.82(1H,br) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、320
0、3050、1750、1730、1690、163
0、1600、1330、1150 MS(m/e);650(M+)、652(M++2)
【0104】(実施例5)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンエチルエステルの合成 N−(4−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)グリシンエチルエステルを用い
て、実施例1と同様の方法により、目的とするN−(4
−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエ
チルエステルを得た。この化合物(XXXIII)の構造式と
物性値を以下に示す。
【0105】
【化34】
【0106】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 1.30(3H,t,J=7.0Hz)、3.0
6〜3.61(2H,m)、4.21(2H,q,J=
7.0Hz)、4.35〜4.74(3H,m)、6.71〜
7.85(11H,m)、9.50〜9.92(1H,b
r)
【0107】(実施例6)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンの合成 実施例5で得られた、N−(4−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスル
ホンアミド}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロフェニル)グリシンエチルエステルを用いて、実
施例2と同様の方法により、目的とするN−(4−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンを得た。こ
の化合物(XXXIV)の構造式と物性値を以下に示す。
【0108】
【化35】
【0109】NMR(60MHz,CDCl3,DMSO−
6,TMS);δ(ppm) 3.00〜3.75(2H,
m)、4.34(2H,s)、4.62〜5.00(1
H,m)、6.73〜8.27(11H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、320
0、3150、1750、1710、1700、164
0、1310、1160
【0110】(実施例7)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンエチルエステルの合成 N−(3−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)グリシンエチルエステルを用い
て、実施例1と同様の方法により、目的とするN−(3
−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエ
チルエステルを得た。この化合物(XXXV)の構造式と物
性値を以下に示す。
【0111】
【化36】
【0112】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 1.28(3H,t,J=7.0Hz)、2.9
2〜3.75(2H,m)、4.20(2H,q,J=
7.0Hz)、4.32〜4.70(3H,m)、6.78〜
7.83(11H,m)
【0113】(実施例8)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンの合成 実施例7で得られた、N−(3−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスル
ホンアミド}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロフェニル)グリシンエチルエステルを用いて、実
施例2と同様の方法により、目的とするN−(3−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンを得た。こ
の化合物(XXXVI)の構造式と物性値を以下に示す。
【0114】
【化37】
【0115】NMR(400MHz,CDCl3,DMSO
−d6,TMS);δ(ppm) 3.18(1H,dd,
J=9.0,14.0Hz)、3.48(1H,dd,J=
2.0,14.0Hz)、4.50(1H,dd,J=2.
0,9.0Hz)、6.95〜7.70(11H,m)、9.
75(1H,s)、11.68(1H,s) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、320
0、3050、1750、1690、1680、164
0、1320、1155 MS(m/e);636(M+)、638(M++2)
【0116】(実施例9)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−β
−アラニンエチルエステルの合成 N−(3−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)−β−アラニンエチルエステルを
用いて、実施例1と同様の方法により、目的とするN−
(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−
イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)
−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−β−ア
ラニンエチルエステルを得た。この化合物(XXXVII)の
構造式と物性値を以下に示す。
【0117】
【化38】
【0118】NMR(60MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 1.23(3H,t,J=7.5Hz)、2.2
5〜2.85(2H,m)、3.10〜3.55(2H,
m)、3.90〜4.20(4H,m)、4.50〜4.6
0(1H,m)、6.63〜7.57(11H,m)、
9.85(1H,s) IR(CHCl3);ν(cm-1) 3300、317
5、1750、1720、1700、1630、132
0、1160
【0119】(実施例10)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−β
−アラニンの合成 実施例9で得られた、N−(3−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスル
ホンアミド}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロフェニル)−β−アラニンエチルエステルを用い
て、実施例2と同様の方法により、目的とするN−(3
−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イ
ル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}ベンゾイル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−β−アラ
ニンを得た。この化合物(XXXVIII)の構造式と物性値
を以下に示す。
【0120】
【化39】
【0121】NMR(400MHz,DMSO−d6,TM
S);δ(ppm) 2.60〜2.54(2H,m)、3.
20(1H,dd,J=9.2,14.1Hz)、3.45
(1H,dd,J=4.0,14.1Hz)、3.80〜4.
10(2H,br)、4.94(1H,dd,J=4.
0,9.2Hz)、6.80〜7.66(11H,m)、1
0.30(1H,s)、12.00〜12.40(2H,
br) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、315
0、3050、1750、1700、1650、164
0、1330、1160 MS(m/e);650(M+)、652(M++2)
【0122】(実施例11)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}フェニル
チオキソメチル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフ
ェニル)グリシンエチルエステルの合成 (1) N−(4−ニトロフェニルチオキソメチル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエ
チルエステルの合成 N−(4−ニトロベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)グリシンエチルエステル(6.0
0g、14.1mmol)のヘキサメチルリン酸トリアミド
(HMPA,16ml)溶液にローソン試薬(Lawasson's
Reagent,2.90g、7.17mmol)を加え、100℃
にて8時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、エーテルで抽
出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し
て得られる残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)に付し、目的とす
るN−(4−ニトロフェニルチオキソメチル)−N−
(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエチル
エステル(黄色結晶、3.40g、収率55%)を得
た。
【0123】(2) N−(4−アミノフェニルチオキ
ソメチル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニ
ル)グリシンエチルエステルの合成 N−(4−ニトロフェニルチオキソメチル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエチルエス
テル(3.40g、7.71mmol)のエチルアルコール
(10ml)溶液に0℃にて塩化第二スズ・2水和物
(7.00g、31.0mmol)のエチルアルコール(10
ml)溶液を加え、加熱還流にて45分攪拌した。反応液
を氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウムにてpH8とした
後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水に
て洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留
去して得られる残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)に付し、目的
とするN−(4−アミノフェニルチオキソメチル)−N
−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエチ
ルエステル(黄色油状物、3.10g、収率98%)を
得た。
【0124】(3) N−(4−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスル
ホンアミド}フェニルチオキソメチル)−N−(4−ブ
ロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエチルエステル
の合成 N−(4−アミノフェニルチオキソメチル)−N−(4
−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエチルエス
テルを用いて、実施例1の方法により、目的とするN−
(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−
イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}フェニルチオ
キソメチル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニ
ル)グリシンエチルエステルを得た。この化合物(XXXI
X)の構造式と物性値を以下に示す。
【0125】
【化40】
【0126】NMR(400MHz,CDCl3,DMSO
−d6,TMS);δ(ppm) 1.25(3H,t,J
=7.0Hz)、3.20(1H,dd,J=9.2,14.
1Hz)、3.53(1H,dd,J=4.2,14.1H
z)、4.23(2H,s)、4.50(2H,q,J=
7.0Hz)、5.35(1H,dd,J=4.2,9.2H
z)、6.85〜7.78(11H,m)、10.00(1
H,s) IR(CHCl3);ν(cm-1) 3370、325
0、1750、1740、1700、1600、132
0、1220、1160
【0127】(実施例12)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゼンスルホンアミド}フェニル
チオキソメチル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフ
ェニル)グリシンの合成 実施例11、反応(3)で得られた、N−(4−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゼンスルホンアミド}フェニルチオキソメチ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンエチルエステルを用いて、実施例2と同様の方法に
より、目的とするN−(4−{4−[(2,4−ジオキ
ソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゼンスルホン
アミド}フェニルチオキソメチル)−N−(4−ブロモ
−2−フルオロフェニル)グリシンを得た。この化合物
(XXXX)の構造式と物性値を以下に示す。
【0128】
【化41】
【0129】NMR(400MHz,Acetone−
6,TMS);δ(ppm) 3.33(1H,dd,J
=9.2,14.1Hz)、3.59(1H,dd,J=4.
2,14.1Hz)、4.74(1H,d,J=16.3H
z)、4.87(1H,dd,J=4.2,9.2Hz)、
5.39(1H,d,J=16.3Hz)、7.00(2
H,d,J=8.4Hz)、7.20(2H,d,J=8.
6Hz)、7.28〜7.41(3H,m)、7.48(2
H,d,J=8.2Hz)、7.65(2H,d,J=8.
2Hz)、9.06(1H,s)、10.66(1H,s) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、317
5、1750、1695、1600、1320、121
0、1150 MS(m/e);652(M+)、654(M++2)
【0130】(実施例13)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエ
チルエステル及びN−(4−{4−[(2,4−ジオキ
ソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイルアミ
ノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフ
ェニル)グリシンの合成 (1) N−[4−(4−ニトロベンゾイルアミノ)ベ
ンゾイル]−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニ
ル)グリシンエチルエステルの合成 N−(4−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)グリシンエチルエステル(2.3
5g、5.95mmol)の塩化メチレン(17ml)溶液に
0℃にてトリエチルアミン(0.99ml、7.10mmol)
を加え、さらに、4−ニトロベンゾイルクロリド(1.
10g、5.93mmol)を加え、室温にて6時間攪拌し
た。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチ
ル層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を留去して得られる残渣を、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)に付し、目的とするN−[4−(4−ニトロベ
ンゾイルアミノ)ベンゾイル]−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)グリシンエチルエステル(無色結
晶、2.89g、収率89%)を得た。
【0131】(2) N−[4−(4−アミノベンゾイ
ルアミノ)ベンゾイル]−N−(4−ブロモ−2−フル
オロフェニル)グリシンエチルエステルの合成 N−[4−(4−ニトロベンゾイルアミノ)ベンゾイ
ル]−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンエチルエステル(2.88g、5.29mmol)のエチ
ルアルコール(15ml)溶液に0℃にて塩化第二スズ・
2水和物(5.73g、25.4mmol)のエチルアルコー
ル(10ml)溶液を加え、加熱還流にて2時間攪拌し
た。反応液を氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウムにてpH
8とした後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和
食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去して得られる残渣を、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メチルアルコール=1
00:1)に付し、目的とするN−[4−(4−アミノ
ベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−N−(4−ブロモ−
2−フルオロフェニル)グリシンエチルエステル(無色
結晶、2.60g、収率96%)を得た。
【0132】(3) N−(4−{4−[(2−ブロモ
−2−エトキシカルボニル)エチル]ベンゾイルアミ
ノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフ
ェニル)グリシンエチルエステルの合成 N−[4−(4−アミノベンゾイルアミノ)ベンゾイ
ル]−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンエチルエステル(2.60g、5.50mmol)のアセ
トン(10ml)、水(2ml)溶液を5℃以下に保ちなが
ら、47%臭化水素酸(2.06ml、17.8mmol)を加
え、さらに、亜硝酸ナトリウム(0.38g、5.51mm
ol)水溶液(5ml)を滴下した。反応液を0.5時間攪
拌した後、アクリル酸エチル(3.29ml、30.4mmo
l)を加え、40℃に加温した後に酸化第一銅(0.07
g、0.49mmol)を加え、0.5時間攪拌した。反応液
を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和
食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去して得られる残渣を、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メチルアルコール=1
00:1)に付し、目的とするN−(4−{4−[(2
−ブロモ−2−エトキシカルボニル)エチル]ベンゾイ
ルアミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フル
オロフェニル)グリシンエチルエステル(無色アモルフ
ァス、3.30g、収率96%)を得た。
【0133】(4) N−(4−{4−[(2−イミノ
チアゾリジン−4−オン−5−イル)メチル]ベンゾイ
ルアミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フル
オロフェニル)グリシンエチルエステルの合成 N−(4−{4−[(2−ブロモ−2−エトキシカルボ
ニル)エチル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−N−
(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエチル
エステル(3.25g、4.79mmol)のエチルアルコー
ル(60ml)溶液にチオ尿素(0.40g、5.25mmo
l)及び無水酢酸ナトリウム(0.43g、5.24mmo
l)を加え、加熱還流にて9時間攪拌した。反応液を水
に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩
水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去して得られる残渣を、シリカカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メチルアルコール=100:
1)に付し、目的とするN−(4−{4−[(2−イミ
ノチアゾリジン−4−オン−5−イル)メチル]ベンゾ
イルアミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロフェニル)グリシンエチルエステル(無色アモル
ファス、2.13g、収率71%)を得た。
【0134】(5) N−(4−{4−[(2,4−ジ
オキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイルア
ミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロ
フェニル)グリシンエチルエステル及びN−(4−{4
−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロ
モ−2−フルオロフェニル)グリシンの合成 N−(4−{4−[(2−イミノチアゾリジン−4−オ
ン−5−イル)メチル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイ
ル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリ
シンエチルエステル(2.10g、3.35mmol)の2N
塩酸(35ml)溶液を加熱還流にて2時間攪拌した。反
応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を
飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得られる残渣を、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:メチルアルコール
=100:1)に付し、N−(4−{4−[(2,4−
ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイル
アミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フルオ
ロフェニル)グリシンエチルエステル(無色アモルファ
ス、0.05g、収率2.4%)及びN−(4−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロ
モ−2−フルオロフェニル)グリシン(無色アモルファ
ス、1.05g、収率52%)を得た。これら化合物(X
XXXI)及び(XXXXII)の構造式と物性値を以下に示す。
【0135】
【化42】
【0136】NMR(60MHz,CDCl3,CD3
D,TMS);δ(ppm) 1.27(3H,t,J=
7.0Hz)、2.90〜3.95(2H,m)、4.20
(2H,q,J=7.0Hz)、4.30〜4.70(3
H,m)、6.93〜8.04(11H,m)
【0137】
【化43】
【0138】NMR(400MHz,CDCl3,DMSO
−d6,TMS);δ(ppm) 3.25(1H,dd,
J=9.0,14.0Hz)、3.50(1H,dd,J=
4.0,14.0Hz)、4.53(1H,dd,J=4.
0,9.0Hz)、7.10〜7.90(11H,m)、9.
65(1H,s)、11.70(1H,s) IR(Nujol);ν(cm-1) 3500、332
5、3175、1750、1690、1680、166
0、1640 MS(m/e);600(M+)、602(M++2)
【0139】(実施例14)N−(3−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−
N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)グリシンエ
チルエステル及びN−(3−{4−[(2,4−ジオキ
ソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイルアミ
ノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフ
ェニル)グリシンの合成 N−(3−アミノベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2
−フルオロフェニル)グリシンエチルエステルを用い
て、実施例13、(1)〜(5)と同様の方法により、
目的とするN−(3−{4−[(2,4−ジオキソチア
ゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾイルアミノ}ベン
ゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)
グリシンエチルエステル及びN−(3−{4−[(2,
4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]ベンゾ
イルアミノ}ベンゾイル)−N−(4−ブロモ−2−フ
ルオロフェニル)グリシンを得た。これら化合物(XXXX
III)及び(XXXXIV)の構造式と物性値を以下に示す。
【0140】
【化44】
【0141】NMR(90MHz,CDCl3,TMS);
δ(ppm) 1.23(3H,t,J=7.0Hz)、3.0
0〜3.70(2H,m)、4.18(2H,q,J=
7.0Hz)、4.31〜4.65(3H,m)、6.83〜
8.55(11H,m)、9.43(1H,s)
【0142】
【化45】
【0143】NMR(400MHz,CDCl3,DMSO
−d6,TMS);δ(ppm) 3.23(1H,dd,
J=9.0,14.0Hz)、3.52(1H,dd,J=
2.0,14.0Hz)、4.55(1H,dd,J=2.
0,9.0Hz)、6.90〜8.05(11H,m)、9.
80(1H,s)、11.63〜12.00(1H,b
r) IR(Nujol);ν(cm-1) 3525、310
0、1740、1690、1680、1650、160
【0144】(実施例15)N−(4−{4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−
5−イル)メチル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−
N−フェニルグリシンの合成 N−(4−アミノベンゾイル)−N−フェニルグリシン
エチルエステルを用いて、実施例13、(1)〜(5)
と同様の方法により、目的とするN−(4−{4−
[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチ
ル]ベンゾイルアミノ}ベンゾイル)−N−フェニルグ
リシンを得た。この化合物(XXXXV)の構造式と物性値
を以下に示す。
【0145】
【化46】
【0146】NMR(60MHz,CDCl3,DMSO−
6,TMS);δ(ppm) 2.62〜3.62(2H,
m)、4.49(2H,s)、4.49〜4.69(1
H,m)、6.85〜7.90(13H,m) IR(Nujol);ν(cm-1) 3600、347
0、3150、1740、1695、1680、165
0、1610
【0147】(試験例)次に、本発明のジオキソチアゾ
リジン誘導体の有効性を示す薬理試験の結果について説
明する。なお、ここに例示しない本発明のジオキソチア
ゾリジン誘導体についても同様の効果が認められた。
【0148】(1)血糖降下作用 実験には、13〜20週齢のKK/Ta Jcl雄性マ
ウスを1群4〜5匹として用いた。試験開始3日前に眼
窩静脈叢よりヘパリン採血(30μl)し、グルコース
オキシダーゼ法にて血糖値を求めた。血糖値が350〜
400mg/dl以上の個体を選び、各群の平均血糖値が等
しくなるように群分けした。各マウスは個別ケージに入
れ、本発明のジオキソチアゾリジン誘導体を100mg/k
gの用量で1日2回経口投与した。4日目投与3時間後
に採血を行い、溶媒対照群の血糖値を100として、こ
れに対する血糖降下率(下記数1に示す)を求めた。結
果を表1に示す。
【0149】
【数1】
【0150】(2)アルドースリダクターゼ阻害活性
(ARI活性) 5週齢のWistar系雄性ラットをエーテル麻酔下に
致死し、直ちに水晶体を摘出した。水晶体からハイマン
(Hayman)らの方法[ジャーナル オブ バイオロジカ
ル ケミストリ−(J.Biol.Chem.),240,877−
882(1965)]に準じアルドースリダクターゼを
調整した。アルドースリダクターゼ活性の測定はデュフ
ラン(Dufrane)らの方法[バイオケミカル メディシ
ン(Biochem.Med.),32,99−105(198
4)]により行った。即ち100mM硫酸リチウム、0.
03mMNADPH(還元型ニコチンアミド アデニン
ジヌクレオチド ホスフェート)及び基質として0.1m
M DL−グリセロアルデヒドを含むように調整した1
35mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH7.
0)400μlに上記アルドースリダクターゼ50μl
および各種濃度の本発明のジオキソチアゾリジン誘導体
(エタノールに溶解)50μlを加え、30℃にて30
分間反応させた。
【0151】次に、0.5N塩酸0.15mlを加えて反応
を停止させ、10mMイミダゾールを含む6N水酸化ナト
リウム0.5mlを添加することにより、前記反応によっ
て生じたNADP(ニコチンアミド アデニン ジヌク
レオチド ホスフェート)を蛍光物質に変換して、60
分後にその蛍光強度を測定した。蛍光強度は、室温でM
TP−100Fコロナマイクロプレートリーダ(コロナ
電気株式会社)をもちいて励起波長360nm,蛍光波長
460nmの条件で測定した。また検体を加える代わりに
エタノールを加える以外は上記と同様に反応させて測定
した蛍光強度をコントロール値とした。検体のアルドー
スリダクターゼ阻害活性は蛍光強度の減少よりアルドー
スリダクターゼ活性を50%阻害するのに必要な濃度
(50%阻害濃度;IC50)として求めた。結果を表1
に示す。
【0152】
【表1】
【0153】(急性毒性)ICR系雄性マウス(5週
令)を用いて、経口投与による急性毒性試験を行った。
本発明のジオキソチアゾリジン誘導体LD50値はいずれ
も300mg/kg以上であり、高い安全性が確認された。
【0154】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表される新規ジ
オキソチアゾリジン誘導体は、血糖降下作用及びアルド
ースリダクターゼ阻害作用を併せ持ち、これを含有する
医薬組成物は、例えば、白内障、神経症、網膜症、腎障
害などの糖尿病における各種合併症の予防及び治療的処
置のための薬剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/425 AED

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表されるジオキソチアゾリ
    ジン誘導体。 【化1】 [式(I)中、Aはカルボニル基、チオカルボニル基又
    はスルホニル基を表し、Bはカルボニル基、又はスルホ
    ニル基を表し、R4は水素又は炭素数1乃至8の低級ア
    ルキル基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素
    あるいはハロゲノ基、アルコキシ基、ニトロ基あるいは
    低級アルキル基を表し、mは1又は2を表し、nは0又
    は1を表す。]
  2. 【請求項2】請求項1記載のジオキソチアゾリジン誘導
    体を含有する医薬組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997032863A1 (fr) * 1996-03-08 1997-09-12 Torii Pharmaceutical Co., Ltd. Derives de thiazolidine-2,4-dione
WO2001068136A1 (fr) * 2000-03-17 2001-09-20 Ajinomoto Co., Inc. Medicaments permettant de traiter les complications du diabete et des neuropathies et utilisation de ces medicaments

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KR100873585B1 (ko) * 2000-03-17 2008-12-11 아지노모토 가부시키가이샤 당뇨병성 합병증용 약제

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