JP3972166B2 - ホスホン酸ジエステル誘導体 - Google Patents

ホスホン酸ジエステル誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なホスホン酸ジエステル誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明誘導体は文献未載の新規化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は医薬品として有用な化合物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記一般式(1)で表される新規なホスホン酸ジエステル誘導体が提供される。
【0005】
【化2】
Figure 0003972166
【0006】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「低級」なる語は、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状を意味する。従って、低級アルキル基なる語は、これが単独で用いられる場合及び他の基の一部として用いられる場合のいずれも、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等を包含する。低級アルコキシ基なる語も、同様に単独で用いられる場合及び他の基の一部として用いられる場合の両者において、それぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等を包含する。
【0007】
低級アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、ヘキシルアミノ基等を例示できる。
【0008】
フェニル低級アルキルアミノ基としては、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ、フェニルブチルアミノ基等を例示できる。
【0009】
シクロアルキルアミノ基としては、シクロプルピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロへプチルアミノ、シクロオクチルアミノ基等を例示できる。
【0010】
シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル及びシクロオクチル基が包含される。
【0011】
ハロゲン置換フェニルアミノ基としては、2−,3−又は4−フルオロフェニルアミノ、2−,3−又は4−クロロフェニルアミノ、2−,3−又は4−ブロモフェニルアミノ、2−,3−又は4−ヨードフェニルアミノ、2,3−ジフルオロフェニルアミノ、2,3−ジクロロフェニルアミノ、2,3−ジブロモフェニルアミノ、2,3−ジヨードフェニルアミノ、2,4−ジフルオロフェニルアミノ、2,4−ジクロロフェニルアミノ、2,4−ジブロモフェニルアミノ、2,4−ジヨードフェニルアミノ、3,4−ジフルオロフェニルアミノ、3,4−ジクロロフェニルアミノ、3,4−ジブロモフェニルアミノ、3,4−ジヨードフェニルアミノ、3,4,5−トリフルオロフェニルアミノ、2,4,6−トリクロロフェニルアミノ、2−クロロ−3−ブロモフェニルアミノ、2−フルオロ−3−クロロ−4−ヨードフェニルアミノ等の、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子をフェニル環置換基として有するフェニルアミノ基を例示できる。
【0012】
低級アルコキシフェニルアミノ基としては、メトキシフェニルアミノ、エトキシフェニルアミノ、プロポキシフェニルアミノ、ブトキシフェニルアミノ、ペンチルオキシフェニルアミノ、ヘキシルオキシフェニルアミノ基等を例示できる。
【0013】
本発明に係わるホスホン酸ジエステル誘導体は、血糖降下作用、脂質低下作用等を有し、糖尿病治療剤、高脂質血症治療及び予防剤等として有用であるか、或いはかかる有用性を有する化合物の合成中間体として有用である。
【0014】
之等医薬用途に適した本発明誘導体としては、下記一般式(1')で表わされる化合物を例示することができる。
【0015】
【化3】
Figure 0003972166
〔式中、R2、R3、R4及びAは前記に同じ。R1'はアミノ基、低級アルキルアミノ基又はモルホリノ基を示す。〕
上記一般式(1')で表わされる誘導体中には、R1'がアミノ基で、R2が水素原子で、R3及びR4がそれぞれ低級アルキル基で、Aが硫黄原子であるもの、及びR1'が低級アルキルアミノ基又はモルホリノ基で、R2が水素原子で、R3及びR4がそれぞれ低級アルキル基で、Aが硫黄原子であるものが包含される。
【0016】
医薬用途に最も適した本発明誘導体の具体例としては、例えばジエチル 4−(チオウレイドカルボニル)ベンジルホスホナート及びジエチル 4−(3−メチルウレイン−1−カルボニル)ベンジルホスホナートを挙げることができる。
【0017】
以下、本発明誘導体の製法につき詳述する。本発明誘導体は、例えば下記反応工程式−1〜4に示す各方法に従って製造することができる。
【0018】
【化4】
Figure 0003972166
[式中、R2、R3、R4及びAは前記に同じ。R1aは水素原子、低級アルキル基、フェニル低級アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン置換フェニル基又は低級アルコキシフェニル基を示し、R1bは水素原子を示すか、或いは両者で之等が結合する窒素原子と共にモルホリノ基を示す。]
反応工程式−1においては、酸塩化物(2)と化合物(3)とを、不活性溶媒中、脱酸剤の存在下に反応させることにより、所望の化合物(1a)を得ることができる。酸塩化物(2)及び化合物(3)はいずれも公知である。
【0019】
上記において不活性溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル等の芳香族乃至脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を例示できる。また、脱酸剤としては、好ましくは例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミン類等を例示できる。
【0020】
上記反応における酸塩化物(2)と化合物(3)との使用割合は、特に限定されず適宜決定できる。通常後者に対して前者をほぼ等モル量〜小過剰量とするのが好適である。また、脱酸剤は、通常酸塩化物(2)に対して、等モル量〜過剰量用いるのが好適である。反応は、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも進行する。通常0℃〜溶媒の還流温度の範囲の温度条件を採用するのがよく、一般には、0.5〜10時間程度で反応は終了する。
【0021】
【化5】
Figure 0003972166
[式中、R3、R4及びXは前記に同じ。Yは基NH4又はアルカリ金属原子を示す。]
上記反応工程式−2においては、酸塩化物(2)と公知のチオシアン酸塩(4)とを不活性溶媒中で反応させて化合物(5)を得、次いで、該化合物(5)に公知の化合物(6)を反応させることにより、所望の本発明化合物(1b)を得ることができる。
【0022】
上記において、チオシアン酸塩(4)としては、好ましくはチオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等を使用することができる。不活性溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル等の芳香族乃至脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を例示できる。
【0023】
酸塩化物(2)に対するチオシアン酸塩(4)の使用割合は、通常等モル量〜過剰量、好ましくは約1〜1.5倍モル量とされるのがよく、反応は、一般に室温〜溶媒の還流温度範囲の温度条件下に、約5分〜1時間を要して実施できる。
【0024】
上記に引き続く化合物(5)と公知化合物(6)との反応は、上記と同様の不活性溶媒中で、化合物(5)に対して等モル量〜過剰量、好ましくは約1〜1.5倍モル量の化合物(6)を用いて、室温下に、約1〜24時間を要して実施できる。
【0025】
【化6】
Figure 0003972166
[式中、R2、R3及びR4は前記に同じ。R1cは低級アルコキシ基を示す。]
反応工程式−3によれば、酸塩化物(2)に公知化合物(7)を不活性溶媒中、脱酸剤の存在下に反応させることにより本発明化合物(1c)を得ることができる。
【0026】
上記において、不活性溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル等の芳香族乃至脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を例示できる。また、脱酸剤としては、好ましくは例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミン類等を例示できる。
【0027】
酸塩化物(2)に対する化合物(7)の使用割合は、特に制限されず、通常後者に対して前者をほぼ等モル量〜少過剰量、好ましくは約1〜1.5倍モル量とされるのがよい。反応は、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも進行する。通常0℃〜溶媒の還流温度範囲の温度条件下に行なわれるのがよく、約1〜24時間で反応は終了する。
【0028】
【化7】
Figure 0003972166
〔式中、R1a、R1b、R1c、R2、R3及びR4は前記に同じ。〕
反応工程式−4によれば、本発明化合物(1c)に公知化合物(8)を適当な不活性溶媒中で触媒の存在下に反応させることにより本発明化合物(1d)を得ることができる。
【0029】
上記において、不活性溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル等の芳香族乃至脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を例示できる。また、触媒としては、通常のもの、例えば好ましくは塩化スズ(IV)、四塩化チタン、塩化アルミニウム等を使用でき、これは通常触媒量で用い得る。
【0030】
本発明化合物(1c)に対する化合物(8)の使用割合は、通常等モル量〜少過剰量、好ましくは約1〜1.2倍モル量の範囲から選ばれるのがよい。反応は、室温〜溶媒の還流温度範囲の温度条件下に、約1〜74時間を要して完結する。
【0031】
上記各反応工程式に示す各工程における目的化合物及び本発明化合物は、通常の単離、精製手段により容易に単離精製できる。その手段としては、例えば吸着クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出、再結晶、蒸留等の方法が例示できる。
【0032】
本発明のホスホン酸ジエステル誘導体は、これを医薬として実用するに当たっては、通常適当な製剤担体を用いて一般的な医薬製剤組成物の形態とされる。該製剤担体としては製剤の使用形態に応じて、通常この分野で使用されている充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤乃至賦形剤を例示でき、之等は得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用される。
【0033】
上記医薬製剤の投与単位形態としては、各種の形態が治療目的に応じて選択できる。その代表的なものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等を例示できる。
【0034】
錠剤の形態に成形するに際しては、上記製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0035】
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0036】
坐剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を使用できる。
【0037】
カプセル剤は常法に従い通常本発明の有効成分化合物を上記で提示した各種の製剤担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
【0038】
本発明薬剤が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調製される場合、之等は殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましく、之等の形態にするに際しては、希釈剤として例えば水、エタノール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。尚、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを本発明薬剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0039】
更に、本発明医薬組成物中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させることもできる。
【0040】
上記医薬製剤の投与方法は特に制限がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直腸内投与される。
【0041】
本発明薬剤中に含有されるべき一般式(1)で表される有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲より適宜選択されるが、通常医薬製剤中に約1〜70重量%程度含有されるものとするのがよい。上記医薬製剤の投与量は、その用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である本発明化合物の量が1日成人体重1kg当り約0.05〜100mg程度とするのがよく、該製剤は1日に1回又は2〜4回に分けて投与することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。尚、各例で得られた化合物は、その構造及び融点を第1表に記載する。そして、油状物については、1H−NMRスペクトルデータを同表に示す。尚、1H−NMRスペクトルは、内部基準としてTMS(テトラメチルシラン)を用いて測定し、測定溶媒としては、重クロロホルムを用いた。
【0043】
【実施例1】
ジエチル 4−(チオウレイドカルボニル)ベンジルホスホナートの合成
4−((ジエトキシホスホリル)メチル)ベンゾイル クロリド145.3g(0.5モル)のジクロロメタン500ml溶液を、0℃に冷却したチオ尿素42.0g(0.55モル)のピリジン500ml溶液中にゆっくりと滴下した。室温で4.5時間攪拌後、反応混合物を減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=1:1で溶出)に付し、得られた粗結晶を塩化メチレン−エタノールより再結晶して、目的化合物の無色結晶35.2gを得た。その構造及び物性を第1表に示す。
【0044】
【実施例2】
ジエチル 4−[3−(3−ブロモフェニル)チオウレイン−1−カルボニル]ベンジルホスホナートの合成
4−((ジエトキシホスホリル)メチル)ベンゾイル クロリド6.4g(22ミリモル)のジクロロメタン25ml溶液に、室温攪拌下に、チオシアン酸アンモニウム1.8g(24ミリモル)のアセトン20ml溶液をゆっくりと滴下し、更に還流下に5分間攪拌した。室温まで冷却後、続いて3−ブロモアニリン3.8g(22ミリモル)のアセトン10ml溶液をゆっくりと滴下し、室温で12時間攪拌した。反応混合物を水200mlに注ぎ込み、クロロホルムで抽出した。
【0045】
クロロホルム層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル=1:1で溶出)に付し、得られた粗結晶を塩化メチレン−n−ヘキサンより再結晶して、目的化合物の無色結晶4.7gを得た。その構造及び物性を第1表に示す。
【0046】
【実施例3】
ジエチル 4−((N−エトキシカルボニル)カルバモイル)ベンジルホスホナートの合成
4−((ジエトキシホスホリル)メチル)ベンゾイル クロリド87.2g(0.3モル)のジクロロメタン300ml溶液に、0℃で攪拌下に、カルバミド酸エチル53.5g(0.6モル)のピリジン300ml溶液をゆっくりと滴下した。室温で16時間攪拌後、2N水酸化ナトリウム水溶液300mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を10%塩酸100mlで2回洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加えて析出した目的化合物の無色結晶35.0gを濾取した。その構造及び物性を第1表に示す。
【0047】
【実施例4】
ジエチル 4−(3−フェネチルウレイレン−1−カルボニル)ベンジルホスホナートの合成
実施例3で得られた化合物5.2g(15ミリモル)とフェネチルアミン1.82g(15ミリモル)のベンゼン30ml溶液に、触媒量の塩化スズ(IV)を加えて80℃で76時間攪拌した。反応混合物に水50mlを加えて減圧下に濃縮し、析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=20:1で溶出)に付し、得られた結晶をクロロホルム−n−ヘキサンより再結晶して、目的化合物の無色結晶2.2gを得た。その構造及び物性を第1表に示す。
【0048】
【実施例5〜8】
実施例1と同様にして、第1表に記載の各実施例No.の化合物を製造した。その構造及び物性を第1表に示す。
【0049】
【実施例9及び10】
実施例2と同様にして、第1表に記載の各実施例No.の化合物を製造した。その構造及び物性を第1表に示す。
【0050】
【実施例11〜16】
実施例3と同様にして、第1表に記載の画実施例No.の化合物を製造した。その構造及び物性を第1表に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003972166
【0052】
【表2】
Figure 0003972166
【0053】
【表3】
Figure 0003972166
【0054】
【表4】
Figure 0003972166
次に、本発明化合物を用いた製剤例及び薬理試験例を挙げる。
【0055】
【製剤例1】
錠剤の調製
有効成分として、実施例1で得られた化合物を用い、1錠当りその250mgを含有する錠剤(1000錠)を、次の処方により調製した。
【0056】
Figure 0003972166
即ち、上記処方に従い、実施例1で得た化合物、乳糖、コーンスターチ及びカルボキシメチルセルロースカルシウムを充分に混合し、メチルセルロース水溶液を用いて顆粒化し、24メッシュの篩を通し、ステアリン酸マグネシウムと混合して錠剤にプレス成形した。
【0057】
【製剤例2】
カプセルの調製
有効成分として、実施例6で得られた化合物を用い、1カプセル当りその250mgを含有する硬質ゼラチンカプセル(1000個)を、次の処方により調製した。
【0058】
Figure 0003972166
即ち、上記処方に従い、各成分を細かく粉末にし、均一な混合物となるように混和した後、所望の寸法を有する経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプセルを得た。
【0059】
【薬理試験例1】
ラットにおける本発明化合物の血糖降下作用を以下の通り試験した。
【0060】
即ち、6週齢ウィスター系雄性ラットの1群5匹(試験群)に、デキサメタゾン(デカドロンS注射液;萬有製薬社製)0.5mg/kgを1日1回4日間腹腔内投与し、その投与直後に供試化合物100mg/kgを5%アラビアゴム溶液に溶解して毎日経口投与した。4日目のデキサメタゾン投与の4時間後に断頭採血し、遠心分離(3000rpm、4℃、15分した後、得られた血清中のグルコース量をグルコースcIIテストワコー(和光純薬工業社製)を用いて測定した。ラットは自由摂餌させ、採血の24時間前より絶食させた。
【0061】
尚、対照群として供試化合物の代わりに5%アラビアゴム溶液を投与した群と、通常群として自由摂餌のみを行わせた群とを設け、同様に血清中のグルコース量を測定し、各群の値(平均値)より、血中グルコース低下率を下式により求めた。
血中グルコース低下率(%)=〔(対照群値)−(試験群値)〕/〔(対照群値)−(通常群値)〕×100
得られた結果を下記第2表に示す。
【0062】
【表5】
Figure 0003972166
上記表より、本発明に係わるホスホン酸ジエステル誘導体はいずれも血中グルコース低下作用を有しており、血糖降下剤として有用であることが判る。

Claims (3)

  1. 一般式
    Figure 0003972166
    [式中、R1は低級アルコキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、フェニル低級アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、ハロゲン置換フェニルアミノ基、低級アルコキシフェニルアミノ基又はモルホリノ基を示す。R2は水素原子又は低級アルキル基を示す。またR1及びR2は結合して基−NH(CH22−を示してもよい。R3及びR4はそれぞれ低級アルキル基を示し、Aは酸素原子又は硫黄原子を示す。]
    で表わされるホスホン酸ジエステル誘導体。
  2. 1がアミノ基、低級アルキルアミノ基、フェニル低級アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、ハロゲン置換フェニルアミノ基、低級アルコキシフェニルアミノ基又はモルホリノ基を示すか、R2と結合して基−NH(CH22−を示すものである請求項1に記載のホスホン酸ジエステル誘導体。
  3. ジエチル 4−(チオウレイドカルボニル)ベンジルホスホナート及びジエチル 4−(3−メチルウレイン−1−カルボニル)ベンジルホスホナートである請求項1に記載のホスホン酸ジエステル誘導体。
JP2000017319A 2000-01-26 2000-01-26 ホスホン酸ジエステル誘導体 Expired - Fee Related JP3972166B2 (ja)

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