JPH08245304A - 線 香 - Google Patents

線 香

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JPH08245304A
JPH08245304A JP7848495A JP7848495A JPH08245304A JP H08245304 A JPH08245304 A JP H08245304A JP 7848495 A JP7848495 A JP 7848495A JP 7848495 A JP7848495 A JP 7848495A JP H08245304 A JPH08245304 A JP H08245304A
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Takeshi Mizunara
健 水楢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来線香に比べ燃焼速度を遅くすることで線
香基剤量を少なくし、従来線香よりも線香重量が少なく
かつ線香サイズが小さいにも拘らず、燃焼(燻煙)時の
立消えを起こすことなく従来線香と同程度以上の燃焼
(燻煙)時間を確保でき、また有効成分の揮散率を向上
できる蚊取線香、仏壇用線香等の線香を提供し、もって
原材料の削減による資源の節約及び煙やタール等の発生
量の減少による人の健康に対する安全性の向上を図る。 【構成】 3〜18mm2 の断面積にすると共に、線香
基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド、米糠
及び水酸化アルミニウムからなる群から選ばれた少なく
とも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤の燃焼速度
が100mm/hr未満となるように調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蚊取線香や仏壇用線香
等の線香に関し、さらに詳しくは燃焼遅延化剤を配合し
て燃焼速度を遅くした細くて軽量の線香に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、蚊取線香や仏壇用線香等
の線香類は、除虫菊抽出粕粉末、木粉末、茶等の茎葉粉
末等の助燃剤もしくは支燃剤(燃焼基剤)、椨粉、コー
ンスターチ等の粘結剤、デヒドロ酢酸等の防黴剤、マラ
カイトグリーン等の色素などを線香基剤とし、これに蚊
取線香の場合は殺虫剤、仏壇用線香の場合は香料等の有
効成分を配合したものに適量の水を加えて練合し、蚊取
線香の場合約7時間、仏壇用線香の場合約40〜50分
間燻煙するような重量及びサイズの所定の形状に押出打
抜成形もしくは押出成形し、乾燥して製造されている。
上記燃焼基剤の原料としては、古くは国内で生産された
もので間に合っていたが、徐々にその生産量も少なくな
り、最近は殆どの原料が海外から輸入され使用されてい
る。しかし、現在では、海外でも原料不足の声も聞か
れ、それに伴ってコストの高騰にもなっている。この様
な状況下、将来の原料の安定供給を確保する為、また、
自然環境の保護や省資源の見地からも、線香原料の使用
量を抑えることが切望されている。
【0003】従来、線香の前記原料に代る代替材料とし
ては、例えばコーヒー豆殻の内皮粉末(特公昭60−5
8201号)やトウモロコシの芯の粉末(特公昭61−
11922号)が提案されているが、これらは主として
燃焼時の煙の発生や粘膜刺激、異臭の発生抑制を開発ポ
イントとしているものである。一方、特開昭48−72
336号には線香基剤の一部としてタルク、クレー、珪
藻土、カオリン、ベントナイト、無水珪酸等の鉱物質微
粉末を用いることが提案されている。しかしながら、こ
のような鉱物質微粉末を用いた場合、通常使用される量
の粘結剤を配合して製品硬度を充分なものにすると、鉱
物質微粉末の配合量の増加に伴って得られる製品の燃焼
性が悪くなり、立消えが起こり、一方、燃焼性を良くし
立消えをなくすために粘結剤の配合量を少なくすると、
成形製品の強度が著しく低下し、実用性のないものとな
ってしまう。
【0004】前記した省資源の見地からは、むしろ線香
基剤の燃焼時間を長くすることによって、従来の線香よ
りその重量及びサイズを小さくしても、従来と同じよう
な燃焼時間を確保できるような基剤を開発することが望
まれる。しかし、この場合、線香を燃焼したときに立消
えしないで所定時間燃焼し続けること、及び有効成分の
揮散率が高いことも同時に満足する必要がある。また、
線香を小型軽量化するためには、機械成形適性に優れ強
度が変化しないこと、すなわちある程度の折れ強度を有
することが要求されると共に、前記したように基剤材料
として安定かつ安価に供給できることも要求される。特
開昭48−62946号には、オランダセンニチ又はキ
バナオランダセンニチ類植物の抽出粕粉が線香の燃焼速
度の遅延化に有効であることが教示されている。しかし
ながら、これらは必ずしも上記条件を充分に満たすかど
うか疑問であり、またコスト及び安定供給性の点で問題
がある。
【0005】線香の他の燃焼速度の遅延化の方策として
は、特公昭46−28119号に、殺虫成分を含有する
無機物層を線香基剤表面に添着することで蚊取線香の燃
焼速度を遅らせることが教示されている。しかし、充分
に燃焼時間を延ばすには、多量の無機物を使用するか、
無機物層を厚くする必要があるが、この場合、有効成分
の分解を引き起こす欠点があり、また、無機物層を線香
基剤表面に形成するという複雑な製造工程が必要であ
り、コストアップの要因となる。このことから、安価に
多量に生産する線香には適した製造方法とは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、線香の燃焼速
度を遅延させる為には、粘結剤の配合量を多くして基剤
を固めたり、また、成形時の加圧度を高め基剤を硬くす
ればよい。しかし、いずれの場合も燃焼時に立消えが起
こり、また、有効成分の揮散率が低下してしまう。即
ち、燃焼速度の遅延と燃焼時の立消えは不難一体の関係
を有し、燃焼速度を遅延すれば立消えが起こり易く、一
方、立消えを防止するには充分な燃焼性を確保すること
が必要となる。従来、このような相反する要求を同時に
満たす線香基剤は見い出されていない。この事は、従来
の線香、例えば蚊取線香はその太さが厚さ約3.5mm
×幅約6mm(断面積約21mm2 )、その長さが燃焼
時間7時間で約75cm(重さ約14g)と古くから殆
ど変わっていないことからも明白である。
【0007】従って、本発明の目的は、従来線香に比べ
燃焼速度を遅くすることで線香基剤量を少なくし、従来
線香よりも線香重量が少なくかつ線香サイズが小さいに
も拘らず、燃焼(燻煙)時の立消えを起こすことなく従
来線香と同程度以上の燃焼(燻煙)時間を確保でき、ま
た有効成分の揮散率を向上できる蚊取線香、仏壇用線香
等の線香を提供し、もって原材料の削減による資源の節
約及び煙やタール等の発生量の減少による人の健康に対
する安全性の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、3〜18mm2 の断面積を有し、
かつ、線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラ
ジド、米糠及び水酸化アルミニウムからなる群から選ば
れた少なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤
の燃焼速度が100mm/hr未満となるように調整し
たことを特徴とする線香が提供される。上記各燃焼遅延
化剤の配合量は、線香全重量に対し、軽質炭酸マグネシ
ウムの場合は5〜45重量%、有機酸ヒドラジドの場合
は5〜50重量%、米糠の場合は7〜50重量%、水酸
化アルミニウムの場合には5〜45重量%の割合が好ま
しい。また、上記燃焼遅延化剤のなかでも軽質炭酸マグ
ネシウム、有機酸ヒドラジド及び米糠が好ましく、これ
らを単独で配合することもでき、また2種以上を組み合
わせて配合することもできる。上記燃焼遅延化剤の複数
種を組み合わせて用いる場合、それらの合計量が線香全
重量の5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0009】
【発明の作用及び態様】本発明者らは、線香の太さを小
さくすることによって、有効成分の分解を抑制でき、有
効成分の揮散率を向上できると共に、立消え防止に有効
であることを見い出した。さらに本発明者らは、このよ
うに太さを小さくした線香の線香基剤として種々の材料
について検討した結果、軽質炭酸マグネシウム、有機酸
ヒドラジド、米糠、及び水酸化アルミニウムの各材料が
線香の燃焼速度の遅延化に有効であり、これらを線香基
剤の一部として配合することにより、燃焼時の立消えの
恐れもなく燃焼時間を長くでき、従って重量及びサイズ
を小さくしても従来の線香と同程度以上の燃焼時間を確
保でき、線香原料の使用量を削減できることを見い出
し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、
本発明の基本的な特徴は、線香の断面積を3〜18mm
2 にすると共に、線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有
機酸ヒドラジド、米糠及び水酸化アルミニウムからなる
群から選ばれた少なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合し
て線香基剤の燃焼速度を100mm/hr未満となるよ
うに調整したことにあり、それによって、重量及びサイ
ズを小さくした線香において、燃焼速度の遅延化及び立
消え防止という相反する要求を同時に満たし、しかも有
効成分の高い揮散率を確保することを可能とするもので
ある。
【0010】一般に同一の基剤材料を用いた場合、線香
の太さを細くする程燃焼速度は速くなり、仮に断面積を
半分に減少した場合、同じ燃焼時間を確保するためには
長さを約倍にしなければならず、サイズの縮小が重量減
少にはつながらない。また、従来の線香は、燃焼速度が
100〜120mm/hrであり、これ以下の燃焼速度
の線香は燃焼時に立消えを起こすものと考えられてお
り、また実際に従来の線香の太さのものでは立消えを起
こしてしまう。これに対して、本発明は、線香の断面積
を3〜18mm2 にして立消えを起こし難くすると共
に、前記燃焼遅延化剤の配合によって燃焼速度を従来の
線香のそれよりも遅い100mm/hr未満となるよう
に調整し、それによって燃焼時に立消えを生ずることな
く燃焼速度を遅延させ、重量及びサイズを小さくしたに
も拘らず従来の線香と同等以上の燃焼時間を確保でき、
その結果、線香原料の使用料を大巾に削減するものであ
る。
【0011】上記の点についてさらに詳しく説明する
と、本発明者らの研究によると、線香の太さ(断面積)
を小さくすると、線香に含まれる有効成分の揮散率が向
上し、また立消えが起き難くなるなどの効果を示し、こ
のような効果は断面積0.75〜18mm2 の範囲で得
られることが見い出された。しかし、線香の太さを小さ
くしてゆくと燃焼速度が急激に速くなり、長い燃焼時間
を確保するためには線香の長さを非常に長くする必要が
生じ、原料使用量の削減を図ることができない。そこ
で、本発明では、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラ
ジド、米糠、及び/又は水酸化アルミニウム、即ち線香
基剤の燃焼速度を遅延化させる効果を有する材料を配合
して燃焼速度を遅くし、それによって、線香の太さを小
さくすることによる燃焼速度を増大させる効果を減殺
し、燃焼時に立消えを生ずることなく、線香の太さを小
さくしたにも拘らず従来の線香よりも遅い100mm/
hr未満の燃焼速度に調整するものである。但し、線香
の燃焼速度を従来の線香のそれよりも極端に低く設定す
ると、燃焼遅延化剤の配合量が極めて多量になり、燃焼
時に立消えを生じ易くなるので好ましくない。実用性を
考慮すると、燃焼速度は85mm/hr以上となるよう
に調整することが好ましい。また、同様な理由から、線
香の断面積は3〜18mm2 の範囲内に設定する必要が
あり、また有効成分の揮散率等を考慮すると、断面積は
7mm2 以上、16mm2 以下が望ましい。線香の太さ
を極端に小さくしていくと燃焼速度の遅延効果が下が
り、逆に線香の太さを従来線香の太さ(断面積約21m
2 )に近ずけていくと燃焼重量の低減効果が小さくな
る傾向を示す。
【0012】前記したように、線香の太さを小さく(断
面積3〜18mm2 )することにより、立消え抑制の面
で効果的であると共に、有効成分の揮散率が向上する。
すなわち、線香に含有される有効成分は、一般に燃焼部
位の高温度では分解されるが、その近傍の伝熱によって
加熱されている部位から徐々に揮散されてゆく。従っ
て、線香の断面積が大きいと、加熱部位の中心部に含有
される有効成分が揮散する前にその部位に燃焼が伝播
し、有効成分の分解率が高くなってしまう。これに対し
て、線香の太さを小さくすると、中心部から表面までの
距離が短いため、燃焼部位近傍の加熱部位では、中心部
に含有される有効成分も効率的に揮散される。例えば、
除虫菊抽出粕粉約20〜50重量%、木粉10〜30重
量%、椨粉20〜30重量%を燃焼基剤として、殺虫成
分としてピナミンフォルテを0.3重量%配合し、また
各種燃焼速度を得るために素灰5〜30重量%、α−ス
ターチ1〜10重量%、助燃剤0.5〜5重量%を使用
し、その他マラカイトグリーン、乳化剤等を加え、混合
し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にかけて
製造した蚊取線香によれば、断面積20〜25mm2
殺虫成分の揮散率62±3%であったのに対し、断面積
7.0mm2 では揮散率82.2%が得られ、有効成分
の揮散率が大きく向上した。しかも、本発明のように、
線香の燃焼速度を遅延化することにより、燃焼の伝播が
緩やかになり、有効成分が分解する率もそれだけ低くな
り、有効成分の揮散率が向上する。また、線香の太さを
小さくすることにより、単位燃焼時間当りの燃焼重量も
少なくなり、その結果、粘膜刺激性の煙やタールの発生
量も少なくなり、人の健康に対する安全性の面における
改善効果も得られる。
【0013】なお、本発明は、蚊取線香のみならず仏壇
用線香にも当然に適用することができる。仏壇用線香の
場合、成形時及び製品としての機械的強度の点から断面
積は約3mm2 以上が好ましい。仏壇用線香の場合、む
しろ線香の長さを短くすることによって原料使用量を大
巾に低減できると共に、従来の線香と同等以上の燃焼
(燻煙)時間を確保できる。
【0014】以上のように、本発明においては、線香の
断面積を3〜18mm2 とすると共に、線香基剤の一部
として、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド、米
糠、及び/又は水酸化アルミニウムの燃焼遅延化剤の1
種以上を配合することにより、線香基剤の燃焼速度を1
00mm/hr未満に調整するが、補助的に粘結剤の配
合量を変えることによって調整することができ、また、
他の燃焼遅延化効果のある物質を添加したり、成形時の
加圧力を高めたりして調整することも可能である。しか
しながら、このような補助的な燃焼遅延化手段は燃焼時
の立消えも起こし易くなるので、燃焼速度の僅かな調整
程度に止めることが望ましい。
【0015】燃焼遅延化剤として軽質炭酸マグネシウム
を使用する場合、線香全重量に対し5重量%以上、45
重量%以下(好ましくは10重量%以上、30重量%以
下)の割合で配合することで、燃焼時の立消えの恐れも
なく燃焼速度を遅延させることができ、その時の燃焼速
度は、線香の太さが断面積3〜18mm2 の時、70〜
100mm/hrとなる。炭酸マグネシウムには、比重
の差により軽質炭酸マグネシウムと重質炭酸マグネシウ
ムがあるが、重質炭酸マグネシウムは燃焼速度を遅延す
る効果が少ない。
【0016】燃焼遅延化剤として有機酸ヒドラジドを使
用する場合、線香全重量に対し7重量%以上、50重量
%以下(好ましくは10重量%以上、40重量%以下)
の割合で配合することで、燃焼の立消えの恐れもなく燃
焼速度を遅延させることができ、その時の燃焼速度は、
線香の太さが断面積3〜18mm2 の時、70〜100
mm/hrとなる。有機酸ヒドラジドとしては、アジピ
ン酸ジヒドラジド、カーボジヒドラジド、マロン酸ジヒ
ドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ステアリン酸ヒドラ
ジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラ
ジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を使用できる。
【0017】燃焼遅延化剤として米糠を使用する場合、
線香全重量に対し7重量%以上、50重量%以下(好ま
しくは10重量%以上、45重量%以下)の割合で配合
することで、燃焼時の立消えの恐れもなく燃焼速度を遅
延させることができ、その時の燃焼速度は、線香の太さ
が断面積3〜18mm2 の時、70〜100mm/hr
となる。
【0018】燃焼遅延化剤として水酸化アルミニウムを
使用する場合、線香全重量に対し5重量%以上、45重
量%以下(好ましくは10重量%以上、40重量%以
下)の割合で配合することで、燃焼時の立消えの恐れも
なく燃焼速度を遅延させることができ、その時の燃焼速
度は、線香の太さが断面積3〜18mm2 の時、70〜
100mm/hrとなる。また、水酸化アルミニウムを
配合することにより、添加する色素の色がより一層鮮や
かになり、外観色が鮮やかで明るい線香が得られるとい
う効果もある。
【0019】本発明においては、前記したような燃焼遅
延化剤を配合するだけでなく、粘結剤の配合量を変える
ことによって線香の燃焼速度を補助的に調整することも
できる。この場合、粘結剤を線香全重量に対し5重量%
以上、25重量%以下(好ましくは8重量%以上、20
重量%以下)の割合で配合することが好ましい。現在、
粘結剤としては、主として椨粉とデンプン等の水溶性高
分子粘結剤が使用されている。本発明においては、椨粉
以外にも、粘結剤としてコーンスターチ、タピオカデン
プン、小麦デンプン、アルギン酸ナトリウム、デキスト
リン、コラーゲン、メチルセルロース、カルボキシエチ
ルセルロース、ポリビニールアルコール、ポリアクリル
酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプン等の水溶性高
分子粘性剤を使用することが好ましいが、椨粉と兼用で
きることは勿論である。
【0020】本発明の線香の基剤としては、除虫菊抽出
粕、木粉、茶等の茎葉粉末等の燃焼基剤、椨粉、コーン
スターチ等の粘結剤、その他セルロース等の増粘剤、リ
ン酸カルシウム等の燃焼遅延化剤等の公知原料を使用す
ることができ、前記した燃焼遅延化剤の添加により、そ
の燃焼速度が100mm/hr未満の性状を示す線香で
あれば良い。線香の燃焼基剤としては、上記除虫菊抽出
粕粉、木粉、茶等の茎葉粉末の他に、ココナッツ粉、コ
ーヒー豆殻の内皮粉末、トウモロコシの芯の粉末、カー
ボン等従来公知の各種燃焼基剤もしくは助燃剤を用いる
ことができる。本発明の線香を蚊取線香として用いる場
合には、殺虫有効成分としては従来公知の各種殺虫剤を
用いることができるが、安全性の面からはピナミンフォ
ルテ、エトック(いずれも住友化学工業(株)製の商品
の登録商標)等のピレスロイド系殺虫剤が好ましい。ま
た、本発明の線香には、上記各種成分に加えて、マラカ
イトグリーン等の色素、デヒドロ酢酸等の防カビ剤を配
合することもできる。
【0021】本発明に係る線香は、上記各種成分を水も
しくは温水と練合し、適当な形状に成形することによっ
て得られ、配合する有効成分(殺虫成分又は香料等)に
応じて蚊取線香又は仏壇用線香などとして用いることが
できる。蚊取線香の場合は、一般に殺虫成分を添加した
配合物を水と練合し、シート状に押出成形した後、渦巻
状に打抜き、乾燥することによって製造される。なお、
有効成分は線香成形後にスプレー、塗布、滴下、浸漬等
によって含浸させることもできる。
【0022】本発明の上記各材料を配合した線香の有効
成分への影響については、線香の太さを前記断面積範囲
にすることで、より好ましくは断面積7mm2 に近ずけ
ることで、有効成分の分解が少なくなり、有効成分の揮
散率の低下を抑制できる。しかし、前記燃焼遅延化剤の
配合割合を増加するに従い、断面積が極端に小さくまた
大きくなるに従い、また線香の密度を高く、即ち強固に
するに従い、有効成分の分解が多くなっていく傾向にあ
る。この傾向は特に粘結剤の配合量を多くした場合に大
きい。この様な場合、有効成分を成形後の線香表面にス
プレー、塗布、印刷、滴下、付着等の操作によって処理
することが有効である。
【0023】
【実施例】以下、試験例及び実施例を示して本発明につ
いてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に
限定されるものでないことはもとよりである。なお、以
下の試験例において、燃焼速度及び燃焼重量の測定は以
下のようにして行った。線香を長さ200mmに切り、
その重量(W1 )を測定する。この線香を点火して5分
間程放置した後、その時の重量(W2 )を測定し、直ち
にストップウォッチを用いて時間を測定し始める。引き
続き無風の場所において燃焼させ、丁度1時間経過した
時の線香の残りの重量(W3 )を測定し、下記式により
燃焼速度及び燃焼重量を求めた。 燃焼速度(mm/hr)=200×(W2 −W3 )/W1 燃焼重量(g/hr)=W2 −W3
【0024】試験例1 表1に示すように、除虫菊抽出粕粉、木粉、茶粉、椨粉
の所定量に対して、水酸化アルミニウム又は小麦デンプ
ンの添加量を変化させて加え、混合し、約等量の温水を
加えて練り、これを押出機にかけ、各種大きさの断面積
(Xmm2 )の棒状に押し出し、一定の長さに切断し、
風乾にて乾燥したものを供試線香とした。なお、この時
の有効成分としてはピナミンフォルテを使用した。この
線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度及び燃焼重量
を調べた。その結果を表1に併せて示す。
【表1】
【0025】試験例2 試験例1において、水酸化アルミニウム又は小麦デンプ
ンの代わりに表2に示すように軽質炭酸マグネシウム、
有機酸ヒドラジド、及び米糠をそれぞれ使用し、断面積
14mm2 の大きさの線香を同様に作製し、供試線香と
した。この線香について、燃焼試験を行い、その燃焼速
度及び燃焼重量を調べた。その結果を表2に併せて示
す。
【表2】
【0026】試験例3 除虫菊抽出粕粉35〜45重量%、木粉20〜27重量
%、椨粉20〜30重量%、小麦デンプン6〜10重量
%を配合した線香基剤に、有効成分としてピナミンフォ
ルテを加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、これ
を押出機にかけ、棒状線香を作製した。線香サンプル1
として、市販線香とほぼ同じ大きさ(断面積21mm
2 )の線香を、線香サンプル2として、断面積14mm
2 の線香を製造した。線香サンプル3は、ピナミンフォ
ルテを添加していない以外は線香サンプル2と同じ処方
の乾燥した棒状線香に、ピナミンフォルテ及び樹脂の混
合溶剤を噴射して塗着し、熱乾燥して製造した。この時
の線香サンプルの燃焼速度は、各々約100mm/hr
とした。この線香について、有効成分の揮散率を測定し
た。その結果を表3に示す。
【表3】
【0027】実施例1 市販蚊取線香とほぼ同じ燃焼時間(約7時間/1巻)を
持つ、断面積約14mm2 の大きさの線香を、下記の配
合割合で除虫菊抽出粕粉、木粉、茶粉、椨粉に水酸化ア
ルミニウムを配合した線香基剤に、ピナミンフォルテ、
その他マラカイトグリーン、防黴剤、乳化剤等の所定量
を加えて混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押
出機にて帯状に押し出し成形し、次いで別途製作した金
型を用いて打抜機により渦巻状に打ち抜き、風乾にて乾
燥して製造し、これを供試線香とした(この時のピナミ
ンフォルテの使用量は0.3%市販線香と同量)。 この供試線香の寸法及び重量は表4に、燃焼特性は表5
に示すとおりであった。
【表4】
【0028】
【表5】 この線香一巻を6畳の部屋で使用したところ、燃焼時間
7時間にわたり、蚊に吸血されることなく、また、蚊を
完全に駆除できた。また、この線香について、有効成分
の揮散率を測定したところ、市販線香68%に対して約
67%と燃焼速度を遅延したにも拘らず、ほぼ同等の数
値を得た。さらに、製品の経済効果について、市販線香
の外寸サイズ12cm、重量14gに対して、外寸サイ
ズ9cm、重量7gとサイズが小さくなり、原料の使用
量も大巾に少なくて済んだ。
【0029】実施例2 市販蚊取線香とほぼ同じ外寸サイズ(約12cm/2
巻)を持つ、断面積14mm2 の大きさの線香を、下記
の配合割合で除虫菊抽出粕粉、木粉、茶粉、椨粉にタピ
オカデンプンを配合した線香基剤に、マラカイトグリー
ン、防黴剤等の所定量を加えて混合し、約等量の温水を
加えて練り、これを押出機にて帯状に押し出し成形し、
次いで別途製作した金型を用いて打抜機により渦巻状に
打ち抜き、熱乾燥した後、ピナミンフォルテ及び樹脂を
含有した溶剤を所定量噴射して塗着し、熱乾燥して製造
し、これを供試線香とした。 この供試線香の寸法及び重量は表6に、燃焼特性は表7
に示すとおりであった。
【表6】
【0030】
【表7】 この線香一巻を屋外の犬小屋周辺で使用したところ、1
1時間と非常に長い間燃焼し、その間、蚊にさされるこ
とがなかった。さらに、製品の経済効果について、市販
動物用線香の外寸サイズ14〜15cm、燃焼時間9〜
10時間に対して、サイズが小さいにも拘らず、燃焼時
間も長かった。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の線香は、3〜1
8mm2 の断面積にすると共に、線香基剤に軽質炭酸マ
グネシウム、有機酸ヒドラジド、米糠及び水酸化アルミ
ニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の燃焼遅
延化剤を配合して線香基剤の燃焼速度が100mm/h
r未満となるように調整したものであるため、従来の線
香よりその太さが細小であるにも拘らず、燃焼時に立消
えを起こすことなく燃焼時間を従来の線香と同程度かそ
れ以上にすることができ、従って、従来の線香と同じよ
うな燃焼時間の場合には線香重量及び線香サイズを小さ
くできる。その結果、使用原料が減少し、コストダウン
を図れると共に、資源の節約にも寄与することができ
る。また、本発明のように線香の燃焼速度を遅延化する
ことにより、燃焼の伝播が緩やかになり、有効成分が分
解する率もそれだけ低くなり、有効成分の揮散率が向上
する。また、線香の太さを小さくすることにより、有効
成分の揮散率がさらに向上すると共に、単位燃焼時間当
りの燃焼重量も少なくなり、その結果、粘膜刺激性の煙
やタールの発生量も少なくなり、人の健康に対する安全
性の面における改善効果も得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜18mm2 の断面積を有し、かつ、
    線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド、
    米糠及び水酸化アルミニウムからなる群から選ばれた少
    なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤の燃焼
    速度が100mm/hr未満となるように調整したこと
    を特徴とする線香。
  2. 【請求項2】 燃焼遅延化剤が軽質炭酸マグネシウムで
    あり、線香全重量の5〜45重量%配合されている請求
    項1に記載の線香。
  3. 【請求項3】 燃焼遅延化剤が有機酸ヒドラジドであ
    り、線香全重量の5〜50重量%配合されている請求項
    1に記載の線香。
  4. 【請求項4】 燃焼遅延化剤が米糠であり、線香全重量
    の7〜50重量%配合されている請求項1に記載の線
    香。
  5. 【請求項5】 燃焼遅延化剤が水酸化アルミニウムであ
    り、線香全重量の5〜45重量%配合されている請求項
    1に記載の線香。
  6. 【請求項6】 燃焼遅延化剤が軽質炭酸マグネシウム、
    有機酸ヒドラジド及び米糠から選ばれた2種又は3種で
    ある請求項1に記載の線香。
  7. 【請求項7】 燃焼遅延化剤の配合量が全体として線香
    全重量の5〜50重量%である請求項1又は6に記載の
    線香。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002370959A (ja) * 2001-06-15 2002-12-24 Awaji Baikundo Kk 線 香
JP2010013381A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Fumakilla Ltd 燃焼遅延性の燻煙用線香及びその燃焼遅延化方法
JP2013056937A (ja) * 2012-12-10 2013-03-28 Fumakilla Ltd 燃焼遅延性の燻煙用線香
JP2019104720A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 アース製薬株式会社 板状線香

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