JP2010013381A - 燃焼遅延性の燻煙用線香及びその燃焼遅延化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燻焼時の立消えを生ずることなく、簡単に且つ確実に燃焼速度の制御が行え、着火性、燃焼持続性に優れた燃焼遅延性の燻煙用線香体及びその燃焼遅延化方法を提供する。
【解決手段】燃焼遅延性の燻煙用線香は、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が1〜20質量%の割合で含有されていることにより、その燻焼の際に、その物質の気化潜熱、熱分解潜熱又は熱分解に伴う気化潜熱により燃焼速度を遅くすることができる。また、このような物質の含有割合に応じた燃焼速度に制御することができ、例えば、同一断面積の線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が含まれていない線香の燃焼速度に比べ、57〜92%の範囲にあるように制御できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、簡単に且つ確実に燃焼速度の制御が行えると共に、着火性、燃焼持続性に優れる燃焼遅延性の燻煙用線香及びその燃焼遅延化方法に関する。
周知のように、蚊取線香や仏壇用線香等の燻煙用線香類は、除虫菊抽出粕粉末、木粉末、茶等の茎葉粉末等の助燃剤もしくは支燃剤(燃焼基材)、椨粉、コーンスターチ等の粘結剤、デヒドロ酢酸等の防黴剤、マラカイトグリーン等の色素などを線香基材とし、これに蚊取線香の場合は殺虫剤、仏壇用線香の場合は香料等の有効成分を配合したものに適量の水を加えて練合し、蚊取線香の場合約7時間、仏壇用線香の場合約40〜50分間燻煙するような質量及びサイズの所定の形状に押出打抜成形もしくは押出成形し、乾燥して製造されている。
上記燃焼基材の原料としては、古くは国内で生産されたもので間に合っていたが、徐々にその生産量も少なくなり、最近は殆どの原料が海外から輸入され使用されている。しかし、現在では、海外でも原料不足の声も聞かれ、それに伴ってコストの高騰にもなっている。この様な状況下、自然環境の保護や省資源の見地からも、燻煙用線香の燃焼遅延化を図り、線香原料の使用量を抑えることが切望されている。
従来、燻煙用線香の燃焼速度の遅延化の方策としては、高密度な線香体を作ることにより、基材の表面積を減らして空気(酸素)との接触面積を減らすことにより燃焼速度を抑える方法がある。その手段としては、鉱物粉のような微粉末により空隙を埋める方法(例えば、特許文献1参照)や、使用する基材自体の粒度を微小にして密度を高める方法、製造時に圧縮の力を強くすることなどによる高密度化方法、乾燥を急速に行うことにより物理的に密度を高める方法、基材の澱粉質の糊剤の配合量を多くして基材同士の密着度を強くすることにより密度を高める方法などがある。
しかし、燃焼速度の遅延と燻焼時の立消えは不難一体の関係を有し、燃焼速度を遅くすれば立消えが起こり易く、一方、立消えを防止するには充分な燃焼性を確保することが必要となる。前記したいずれの方法の場合にも、燻焼時に立消えが起こり易く、また、有効成分の揮散率が低下し易い。例えば、吸湿した場合など、必要以上に酸素供給が阻害された場合に、燃焼持続性が悪くなり、立ち消える危険性が高い。また、線香体の密度制御は、練り込み時の水分量、練り込み時間、押出圧、乾燥温度、乾燥方法、乾燥時間などの製造上の制約が大きく、簡単には制御できなかった。また、前記したような遅燃化方法では、その難燃性故に線香体への着火が困難な場合もあった。
燃焼速度を抑える他の手段としては、線香体中に、脱脂米糠を配合する方法(特許文献2参照)、セピオライトを配合する方法(特許文献3参照)、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド、米糠及び水酸化アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を配合する方法(特許文献4参照)が知られている。しかしながら、これらの方法は、基本的に酸素供給量を抑制するという技術思想に基づくものと解され、線香の燻焼機構や線香中の添加成分がどのように燃焼速度の制御に関与しているのかについては言及されていない。
特開昭48−72336号公報(特許請求の範囲) 特開平7−187904号公報(特許請求の範囲) 特開平7−187905号公報(特許請求の範囲) 特開平8−245304号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、線香の燻焼機構に基づいて、燻焼時の立消えを生ずることなく、簡単に且つ確実に燃焼速度の制御が行え、着火性、燃焼持続性に優れた燃焼遅延性の燻煙用線香体及びその燃焼遅延化方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によれば、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が1〜20質量%の割合で含有されていることを特徴とする燃焼遅延性の燻煙用線香が提供される。
ここで、熱分解域領域は、TG−DTA測定により760mmHg、空気雰囲気にて熱分解させて熱重量分析を行い、重量減少が始まる温度から重量減少が終息するまで温度領域をいう。
好適な態様においては、本発明の燃焼遅延性の燻煙用線香の燃焼速度(1時間当りの燃焼長さ)は、同一断面積の線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が含まれていない線香の燃焼速度に比べ、57〜92%の範囲にある。
前記沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHgで330〜580℃の範囲内にある物質としては、油脂、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体、乾性油もしくは半乾性油、炭素数が19以上の炭化水素、及び粘度が55SUS(37.78℃)以上の流動パラフィンよりなる群から選ばれた少なくとも1種を好適に用いることができる。
さらに本発明によれば、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質を含有させることにより、その燻焼の際に、その物質の気化潜熱、熱分解潜熱又は熱分解に伴う気化潜熱により燃焼速度を遅くすることを特徴とする燻煙用線香の燃焼遅延化方法も提供される。
好適な態様においては、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質を1〜20質量%の割合で含有させることにより、その含有割合に応じた燃焼速度に制御することを特徴としている。
本発明の燻煙用線香の燃焼遅延化方法は、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質を含有させることにより、その燻焼の際に、従来のように酸素供給量を抑制する方法とは異なり、その物質の気化潜熱、熱分解潜熱又は熱分解に伴う気化潜熱により、炭化した基材の発火及び燃焼による熱伝導を遅らせることにより、燃焼速度を遅くすることを特徴としているため、燻焼時の立消えを生ずることなく、簡単に且つ確実に燃焼速度の制御が行える。好適には、このような物質を1〜20質量%の割合で含有させることにより、その含有割合に応じた燃焼速度に制御することができ、例えば、その燃焼速度(1時間当りの燃焼長さ)が、断面4mm×7mmの棒状体において、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が含まれていない線香に比べ、燃焼速度が57〜92%の範囲にあるように制御できる。また、線香の燻焼機構に基づいて燃焼速度の制御を行うものであるため、着火性、燃焼持続性に優れた燃焼遅延性の燻煙用線香体を提供することができる。
前記したように、古くから燻煙用線香の燃焼速度を制御する研究がなされてきたが、簡単に且つ確実にその制御をできる手段はなかった。
燻煙用線香の燃焼は、炭化物の表面燃焼(木炭、コークスなどの燃焼のように、物質の表面だけが赤くなって、順次それが中に移っていく現象)と、その熱による線香基材の炭化が同時に進行して無炎で燃焼する燻焼という現象であり、表面燃焼に関与するのは専ら炭化した線香基材であり、揮散性物質は引火せず外部に流出する。植物由来の粉末基材を基に作られた線香体の炭化に関与する物質は、専ら植物の主要構成物質であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの植物性繊維であり、植物中にも含まれる脂質や精油などの植物繊維以外の物質の多くや、植物繊維の炭化の過程で発生する揮発性ガスやタール分などは、表面燃焼による熱によって気化しもしくは熱分解に伴い気化して外部に流出する(蒸散した気化成分がそれに伴って発生する空気流で冷却・凝固され、小粒子の白煙を発生する現象が観察される)。燻焼現象が継続している間は、流出した気化した揮散性物質が引火性であっても燃焼に関与することはない。
本発明者らは、このような燻煙用線香の燻焼現象について鋭意研究の結果、炭の常圧での発火温度250〜550℃付近、特に発火し易い350〜550℃付近において、燻焼燃焼には関わらない揮散性物質の潜熱を利用することにより、基材の温度上昇を抑え、炭化した基材の発火及び燃焼による熱伝導を遅らせることにより、燃焼速度の制御が行えることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃、好ましくは340〜550℃の範囲内にある植物繊維以外の物質(以下、燃焼遅延化物質という)が存在することにより、燻焼の際に、その物質の気化潜熱、熱分解潜熱又は熱分解に伴う気化潜熱により、基材の温度上昇は抑えられ、炭化した基材の発火及び燃焼による熱伝導を遅くする、即ち燃焼速度を遅くすることができる。
また、本発明の燻煙用線香の燃焼遅延化方法によれば、線香体中のこのような燃焼遅延化物質の含有割合により燃焼速度を任意に制御することが可能となる。線香体中の燃焼遅延化物質の割合は、線香体の1〜20質量%、好ましくは4〜15質量%とすることが望ましい。線香体中の燃焼遅延化物質の割合が、線香体の総質量に対して1質量%未満では、燃焼遅延化効果がほとんど期待できず、一方、線香体の総質量に対して20質量%より多いと、その潜熱により線香の立ち消えの危険性が高くなる。
前記のような燃焼遅延化物質としては、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質であれば使用できるが、油脂、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体、乾性油もしくは半乾性油、炭素数が19以上の炭化水素、粘度が55SUS(37.78℃)以上の流動パラフィンを好適に使用できる。このような燃焼遅延化物質は、線香基材に添加する場合のほか、このような燃焼遅延化物質を含有する線香基材を用いることによって線香体中に含有されたものであってもよい。例えば、1質量%以上の脂肪酸等を含む基材を用いた場合でも、同様の燃焼遅延化効果が得られる。
油脂としては、例えば大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブ油、やし油、パーム油、米ぬか油、綿実油、ひまわり油、コーン油、べに花油、なたね油などの植物油、肝油、魚油、鯨油、鮫油、牛脂、豚脂、バターなどの動物油等が挙げられる。
脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体としては、例えばラウリン酸、ミルスチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベリクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などの飽和脂肪酸又はそのエステル、パルミトイル酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸、ネルボン酸、エレオステアリン酸などの不飽和高級脂肪酸又はそのエステル等が挙げられる。
乾性油もしくは半乾性油としては、例えばリンシードオイル、ポピーオイル、キリ油、クルミ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ナタネ油など等が挙げられる。
これらの中でも、乾性油は、経時的に化学変化を起こし、より複雑で高次的な構造になり、少量の添加でも燃焼遅延化効果が現れる。また、強度的にも優れた線香が得られるので有利である。
炭素数が19以上の炭化水素としては、沸点が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃、好ましくは340〜550℃の範囲内にある飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素であれば使用できるが、炭素数19〜40のパラフィン系炭化水素が好ましい。
高沸点の物質を気化もしくは分解蒸発させた場合には臭いが発生することが多いが、炭素数が19以上の炭化水素の場合、330℃以上で揮発し、且つ異臭を発生しないので有利である。
参考までに、ノルマルパラフィン系炭化水素の760mmHg、空気雰囲気で測定した沸点と幾つかの炭素数との関係を下記表1に示す。
Figure 2010013381
前記燃焼遅延化物質としては、特に流動パラフィンが好ましい。特に粘度が55SUS(37.78℃)以上の流動パラフィンを用いれば蒸留域が330℃以上であり、且つ、より望ましい蒸留範囲である340℃以上での蒸留分の割合も高く、常温で液状であるため扱い易く、臭いも少なく、炭化水素以外の不純物が充分に除去されたものであれば安全性も高い。特に、蒸留域が常圧760mmHg、空気雰囲気で330℃以上であり、粘度が80SUS(37.78℃)以上の流動パラフィンが好ましい。
参考までに、流動パラフィンの粘度と760mmHg、空気雰囲気で測定した沸点(蒸留域)との関係を下記表2に示す。
Figure 2010013381
また、本発明の燃焼遅延性の線香体には、引火性物質が添加されていてもよい。物理的に燃焼速度を遅くした場合、燃焼速度の遅くなる割合が大きくなることにより着火性が悪くなるが、線香中に引火性物質が添加されていれば着火が容易になり、且つ、その引火性物質により燃焼速度も制御できる両面性の効果が期待できる。
本発明の燃焼遅延性の燻煙用線香は、前記したように、線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が含有されていることを特徴としているが、線香の配合成分、配合割合等の処方は従来の線香と同様でよく、特定のものに限定されるものではない。また、燃焼速度を調整するために、補助的に粘結剤の配合量を変えたり、また、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド、米糠、脱脂米糠、セピオライト、水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム等の他の燃焼遅延化効果のある物質を添加したり、成形時の加圧力を高めたりして調整することも可能である。しかしながら、このような補助的な燃焼遅延化手段は燃焼時の立消えも起こし易くなるので、燃焼速度の僅かな調整程度に止めることが望ましい。
燻煙用線香の燃焼基材としては、除虫菊抽出粕粉、木粉、茶等の茎葉粉末、ココナッツ粉、コーヒー豆殻の内皮粉末、トウモロコシの芯の粉末、カーボン等、従来公知の各種燃焼基材もしくは助燃剤を用いることができる。
また、粘結剤としては、主として椨粉とデンプン等の水溶性高分子粘結剤が使用されている。本発明においては、椨粉以外にも、粘結剤もしくは増粘剤としてコーンスターチ、タピオカデンプン、小麦デンプン、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コラーゲン、メチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプン等の水溶性高分子粘性剤を使用することができ、椨粉と兼用できることは勿論である。本発明においては、前記したような燃焼遅延化物質を配合するだけでなく、粘結剤の配合量を変えることによって線香の燃焼速度を補助的に調整することもできる。この場合、粘結剤を線香全質量に対し5質量%以上、70質量%以下(好ましくは8質量%以上、40質量%以下)の割合で配合することが好ましい。
さらに、得られる製品硬度を充分なものにするために、線香基材の一部としてタルク、クレー、珪藻土、カオリン、ベントナイト、無水珪酸等の鉱物質微粉末を用いることができる。しかしながら、このような鉱物質微粉末を多量に配合した場合、線香の燃焼性が悪くなり、立消えが起こり易くなるので、線香全質量に対し1質量%以上、15質量%以下、好ましくは10質量%以下の割合で配合することが好ましい。
また、本発明の燻煙用線香には、上記各種成分に加えて、立消え防止のために硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩を配合することもできる。また、マラカイトグリーン等の色素、デヒドロ酢酸等の防カビ剤を配合することもできる。
本発明の燻煙用線香を蚊取線香として用いる場合には、殺虫有効成分としては従来公知の各種殺虫剤を用いることができるが、安全性の面からはdl・d-T80-アレスリン、d・d-T80-プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、EZ-エンペントリン、プロフルトリン等の比較的蒸気圧の高いピレスロイド系殺虫剤が好ましい。蚊取線香の場合、その断面積は約1mm以上、好ましくは約3mm以上、18mm以下が適当である。なお、本発明は、蚊取線香のみならず仏壇用線香にも当然に適用することができる。仏壇用線香の場合、成形時及び製品としての機械的強度の点から断面積は約3mm以上が好ましい。仏壇用線香の場合、むしろ線香の長さを短くすることによって原料使用量を大巾に低減できると共に、従来の線香と同等以上の燻焼(燻煙)時間を確保できる。
本発明に係る燻煙用線香は、上記各種成分を水もしくは温水と練合し、適当な形状に成形することによって得られ、配合する有効成分(殺虫成分又は香料等)に応じて蚊取線香又は仏壇用線香などとして用いることができる。蚊取線香の場合は、一般に殺虫成分を添加した配合物を水と練合し、シート状に押出成形した後、渦巻状に打抜き、乾燥することによって製造される。なお、有効成分は線香成形後にスプレー、塗布、滴下、浸漬等によって含浸させることもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
なお、以下の実施例及び比較例において、燃焼速度の測定は以下のようにして行った。
断面4mm×7mmの棒状の線香の先端に点火して5分間程放置した後、直ちにストップウォッチを用いて時間を測定し始める。引き続き無風の場所において燃焼させ、測定開始から丁度1時間経過した時の線香の燃焼した長さを測定し、燃焼速度(1時間当りの燃焼長さ)を求めた。
実施例1〜5及び比較例1〜9
植物混合粉(木粉、除虫菊粉、除虫菊抽出粕粉、茶粉など)、糊剤(椨粉、α‐スターチなど)、鉱物粉(タルクなど)、硝酸塩(硝酸カリウム、硝酸ナトリウムなど)及び種々の炭素数のノルマルパラフィン系炭化水素を表3及び表4に示す配合割合で混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にかけて棒状に押し出し、一定の長さに切断し、風乾後、60℃にて12時間乾燥した断面4mm×7mmの棒状の線香を供試線香とした。また、ノルマルパラフィン系炭化水素を含有しない以外は、実施例1〜5と同様にして作製した線香を対照とした。
これらの線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度を調べた。その結果を表3及び表4に併せて示す。
Figure 2010013381
Figure 2010013381
実施例6〜8及び比較例10
ノルマルパラフィン系炭化水素に代えて表5に示す種々の粘度を有する流動パラフィンを用いた以外は、実施例1〜5と同様にして線香を作製した。
これらの線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度を調べた。その結果を、表5に併せて示す。
Figure 2010013381
実施例9〜16
ノルマルパラフィン系炭化水素に代えて表6に示す種々の配合比率で350SUS(37.78℃)及び553SUS(37.68℃)の粘度を有する流動パラフィンを用いた以外は、実施例1〜5と同様にして線香を作製した。
これらの線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度を調べた。その結果を、表6に併せて示す。
Figure 2010013381
実施例17、18及び比較例11
ノルマルパラフィン系炭化水素に代えて表7に示すポリエチレンパウダー、ステアリン酸ブチル、又は安息香酸ベンジルを用いた以外は、実施例1〜5と同様にして線香を作製した。
これらの線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度を調べた。その結果を、表7に併せて示す。
Figure 2010013381
実施例19〜23
ノルマルパラフィン系炭化水素に代えて表8に示す種々の配合比率でキャノーラ油を用いた以外は、実施例1〜5と同様にして線香を作製した。
これらの線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度を調べた。その結果を、表8に併せて示す。
Figure 2010013381
実施例24〜29
ノルマルパラフィン系炭化水素に代えて表9に示す種々の配合比率でリンシード油又はポピー油を用いた以外は、実施例1〜5と同様にして線香を作製した。
これらの線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度を調べた。その結果を、表9に併せて示す。
Figure 2010013381

Claims (4)

  1. 線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が1〜20質量%の割合で含有されていることを特徴とする燃焼遅延性の燻煙用線香。
  2. 燃焼速度が、同一断面積の線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質が含まれていない線香の燃焼速度に比べ、57〜92%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の燃焼遅延性の燻煙用線香。
  3. 線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質を含有させることにより、その燻焼の際に、その物質の気化潜熱、熱分解潜熱又は熱分解に伴う気化潜熱により燃焼速度を遅くすることを特徴とする燻煙用線香の燃焼遅延化方法。
  4. 線香体中に、沸点又は熱分解域の全域若しくは一部領域が760mmHg、空気雰囲気で330〜580℃の範囲内にある植物繊維以外の物質を1〜20質量%の割合で含有させることにより、その含有割合に応じた燃焼速度に制御することを特徴とする請求項3に記載の燻煙用線香の燃焼遅延化方法。
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