JPH08245303A - 線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット - Google Patents

線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット

Info

Publication number
JPH08245303A
JPH08245303A JP7848395A JP7848395A JPH08245303A JP H08245303 A JPH08245303 A JP H08245303A JP 7848395 A JP7848395 A JP 7848395A JP 7848395 A JP7848395 A JP 7848395A JP H08245303 A JPH08245303 A JP H08245303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
incense
burning
combustion
weight
incense stick
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7848395A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Mizunara
健 水楢
Koji Takei
康治 武井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fumakilla Ltd
Original Assignee
Fumakilla Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fumakilla Ltd filed Critical Fumakilla Ltd
Priority to JP7848395A priority Critical patent/JPH08245303A/ja
Publication of JPH08245303A publication Critical patent/JPH08245303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Fuel Combustion (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来線香に比べ燃焼速度を遅くすることで線
香基剤量を少なくし、従来線香よりも線香重量が少なく
かつ線香サイズが小さいにも拘らず、燃焼(燻煙)時の
立消えを起こすことなく従来線香と同程度以上の燃焼
(燻煙)時間を確保でき、また有効成分の揮散率を向上
できる蚊取線香、仏壇用線香等の燃焼遅延化方法及び線
香ユニットを提供する。 【構成】 線香基剤の燃焼速度が100mm/hr未満
及び燃焼重量が1.6g/hr以下の蚊取線香、仏壇用
線香等の線香1と、該線香を保持する部分が不燃性もし
くは難燃性シート3から形成されている燃焼容器2とか
ら成る線香ユニットを用いる。上記線香を、燃焼容器の
不燃性もしくは難燃性素材と接触させた状態で燃焼させ
る。好適には、上記線香の断面積は3〜18mm2 の範
囲内に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蚊取線香や仏壇用線香
等の線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニッ
トに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、蚊取線香や仏壇用線香等
の線香類は、除虫菊抽出粕粉末、木粉末、茶等の茎葉粉
末等の助燃剤もしくは支燃剤(燃焼基剤)、椨粉、コー
ンスターチ等の粘結剤、デヒドロ酢酸等の防黴剤、マラ
カイトグリーン等の色素などを線香基剤とし、これに蚊
取線香の場合は殺虫剤、仏壇用線香の場合は香料等の有
効成分を配合したものに適量の水を加えて練合し、蚊取
線香の場合約7時間、仏壇用線香の場合約40〜50分
間燻煙するような重量及びサイズの所定の形状に押出打
抜成形もしくは押出成形し、乾燥して製造されている。
上記燃焼基剤の原料としては、古くは国内で生産された
もので間に合っていたが、徐々にその生産量も少なくな
り、最近は殆どの原料が海外から輸入され使用されてい
る。しかし、現在では、海外でも原料不足の声も聞か
れ、それに伴ってコストの高騰にもなっている。この様
な状況下、将来の原料の安定供給を確保する為、また、
自然環境の保護や省資源の見地からも、線香原料の使用
量を抑える方法が切望されている。
【0003】従来、線香の前記原料に代る代替材料とし
ては、例えばコーヒー豆殻の内皮粉末(特公昭60−5
8201号)やトウモロコシの芯の粉末(特公昭61−
11922号)が提案されているが、これらは主として
燃焼時の煙の発生や粘膜刺激、異臭の発生抑制を開発ポ
イントとしているものである。一方、特開昭48−72
336号には線香基剤の一部としてタルク、クレー、珪
藻土、カオリン、ベントナイト、無水珪酸等の鉱物質微
粉末を用いることが提案されている。しかしながら、こ
のような鉱物質微粉末を用いた場合、通常使用される量
の粘結剤を配合して製品硬度を充分なものにすると、鉱
物質微粉末の配合量の増加に伴って得られる製品の燃焼
性が悪くなり、立消えが起こり、一方、燃焼性を良くし
立消えをなくすために粘結剤の配合量を少なくすると、
成形製品の強度が著しく低下し、実用性のないものとな
ってしまう。
【0004】前記した省資源の見地からは、むしろ線香
基剤の燃焼時間を長くすることによって、従来の線香よ
りその重量及びサイズを小さくしても、従来と同じよう
な燃焼時間を確保できるような基剤を開発することが望
まれる。しかし、この場合、線香を燃焼したときに立消
えしないで所定時間燃焼し続けること、及び有効成分の
揮散率が高いことも同時に満足する必要がある。また、
線香を小型軽量化するためには、機械成形適性に優れ強
度が変化しないこと、すなわちある程度の折れ強度を有
することが要求されると共に、前記したように基剤材料
として安定かつ安価に供給できることも要求される。特
開昭48−62946号には、オランダセンニチ又はキ
バナオランダセンニチ類植物の抽出粕粉が線香の燃焼速
度の遅延化に有効であることが教示されている。しかし
ながら、これらは必ずしも上記条件を充分に満たすかど
うか疑問であり、またコスト及び安定供給性の点で問題
がある。
【0005】線香の他の燃焼速度の遅延化の方策として
は、特公昭46−28119号に、殺虫成分を含有する
無機物層を線香基剤表面に添着することで蚊取線香の燃
焼速度を遅らせることが教示されている。しかし、充分
に燃焼時間を延ばすには、多量の無機物を使用するか、
無機物層を厚くする必要があるが、この場合、有効成分
の分解を引き起こす欠点があり、また、無機物層を線香
基剤表面に形成するという複雑な製造工程が必要であ
り、コストアップの要因となる。このことから、安価に
多量に生産する線香には適した製造方法とは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、線香の燃焼速
度を遅延させる為には、粘結剤の配合量を多くして基剤
を固めたり、また、成形時の加圧度を高め基剤を硬くす
ればよい。しかし、いずれの場合も燃焼時に立消えが起
こり、また、有効成分の揮散率が低下してしまう。即
ち、燃焼速度の遅延と燃焼時の立消えは不難一体の関係
を有し、燃焼速度を遅延すれば立消えが起こり易く、一
方、立消えを防止するには充分な燃焼性を確保すること
が必要となる。従来、このような相反する要求を同時に
満たす線香基剤は見い出されていない。この事は、従来
の線香、例えば蚊取線香はその太さが厚さ約3.5mm
×幅約6mm(断面積約21mm2 )、その長さが燃焼
時間7時間で約75cm(重さ約14g)と古くから殆
ど変わっていないことからも明白である。
【0007】従って、本発明の目的は、従来線香に比べ
燃焼速度を遅くすることで線香基剤量を少なくし、従来
線香よりも線香重量が少なくかつ線香サイズが小さいに
も拘らず、燃焼(燻煙)時の立消えを起こすことなく従
来線香と同程度以上の燃焼(燻煙)時間を確保でき、ま
た有効成分の揮散率を向上できる蚊取線香、仏壇用線香
等の線香の燃焼遅延化方法を提供し、もって原材料の削
減による資源の節約及び煙やタール等の発生量の減少に
よる人の健康に対する安全性の向上を図ることにある。
さらに本発明の目的は、このような線香の燃焼遅延化方
法を好適に適用でき、しかも重量及びサイズを軽量小型
化できる線香ユニットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、線香基剤の燃焼速度が100mm
/hr未満及び燃焼重量が1.6g/hr以下の線香
を、燃焼容器の不燃性もしくは難燃性素材と接触させた
状態で燃焼させることを特徴とする蚊取線香、仏壇用線
香等の線香の燃焼遅延化方法が提供される。さらに本発
明によれば、線香基剤の燃焼速度が100mm/hr未
満及び燃焼重量が1.6g/hr以下の蚊取線香、仏壇
用線香等の線香と、該線香を保持する部分が不燃性もし
くは難燃性素材から形成されている燃焼容器とから成る
線香ユニットも提供される。好適な態様においては、上
記線香の断面積は3〜18mm2 の範囲内に設定され、
また、上記燃焼容器の線香を保持する部分は不燃性もし
くは難燃性シートから形成される。
【0009】
【発明の作用及び態様】本発明者らは、線香基剤として
種々の材料について検討した結果、脱脂米糠、セピオラ
イト等の特定の物質が線香の燃焼速度の遅延化に有効で
あり、これらを線香基剤の一部として配合することによ
り、燃焼時の立消えの恐れもなく燃焼時間を長くでき、
従って重量及びサイズを小さくしても従来の線香と同程
度以上の燃焼時間を確保でき、線香原料の使用量を削減
できることを見い出した。また、線香の太さを小さくす
ることによって、有効成分の分解を抑制でき、有効成分
の揮散率を向上できると共に、立消え防止に有効である
ことを見い出した。本発明者らは、これらの知見をさら
に発展させ、例えば、従来線香の50%の原料使用量で
同じような燃焼時間を確保できる線香を目指して検討し
た結果、線香を燃焼容器の不燃性もしくは難燃性素材と
接触させた状態で燃焼させれば、燃焼時の立消えが起こ
り難く、さらに燃焼時間を長くできることを見い出し、
本発明を完成するに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明の基本的な特徴は、線香
基剤の燃焼速度が100mm/hr未満、好ましくは9
0mm/hr以下、55mm/hr以上、燃焼重量が
1.6g/hr以下、好ましくは1.0g/hr以下、
0.6g/hr以上の線香を、燃焼容器の不燃性もしく
は難燃性素材と接触させた状態で燃焼させることにあ
る。従来の線香は、燃焼速度が100〜120mm/h
r、燃焼重量が約1.8〜2.0g/hrであり、これ
以下の燃焼速度、燃焼重量の線香は燃焼時に立消えを起
こすものと考えられており、また実際に従来の線香の太
さのものでは立消えを起こしてしまう。これに対して、
本発明では、燃焼遅延化剤の配合等によって燃焼速度を
従来の線香のそれよりも遅い100mm/hr未満、好
ましくは90mm/hr以下にすると共に、燃焼重量も
従来の線香よりも少ない1.6g/hr以下、好ましく
は1.0g/hr以下とし、従って線香の太さを細くで
き、しかも不燃性もしくは難燃性素材と接触させた状態
で線香を燃焼させるものであり、それによって燃焼時に
立消えを起こすことがなく、重量及びサイズを小さくし
たにも拘らず従来の線香と同等以上の燃焼時間を確保で
き、その結果、線香原料の使用量を大巾に削減できる。
【0011】また、線香の太さを小さく、好ましくは断
面積3〜18mm2 とすることにより、立消え抑制の面
で効果的であると共に、有効成分の揮散率が向上する。
すなわち、線香に含有される有効成分は、一般に燃焼部
位の高温度では分解されるが、その近傍の伝熱によって
加熱されている部位から徐々に揮散されてゆく。従っ
て、線香の断面積が大きいと、加熱部位の中心部に含有
される有効成分が揮散する前にその部位に燃焼が伝播
し、有効成分の分解率が高くなってしまう。これに対し
て、線香の太さを小さくすると、中心部から表面までの
距離が短いため、燃焼部位近傍の加熱部位では、中心部
に含有される有効成分も効率的に揮散される。例えば、
除虫菊抽出粕粉約20〜50重量%、木粉10〜30重
量%、椨粉20〜30重量%を燃焼基剤として、殺虫成
分としてピナミンフォルテを0.3重量%配合し、また
各種燃焼速度を得るために素灰5〜30重量%、α−ス
ターチ1〜10重量%、助燃剤0.5〜5重量%を使用
し、その他マラカイトグリーン、乳化剤等を加え、混合
し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にかけて
製造した蚊取線香によれば、断面積20〜25mm2
殺虫成分の揮散率62±3%であったのに対し、断面積
7.0mm2 では揮散率82.2%が得られ、有効成分
の揮散率が大きく向上した。しかも、本発明のように、
線香の燃焼速度を遅延化することにより、燃焼の伝播が
緩やかになり、有効成分が分解する率もそれだけ低くな
り、有効成分の揮散率が向上する。また、線香の太さを
小さくすることにより、単位燃焼時間当りの燃焼重量も
少なくなり、その結果、粘膜刺激性の煙やタールの発生
量も少なくなり、人の健康に対する安全性の面における
改善効果も得られる。
【0012】線香の燃焼用具としては、例えば、蚊取線
香については、古くから線香立と燃焼皿が使用されてい
る。線香立は、線香の中心穴を利用して線香を水平に保
持固定する非常に簡単な金具であり、その使用に際して
は、灰による汚れを防ぎ、倒れても火災にならないよう
に不燃性の台上に置いて燃焼させる。一方、燃焼皿は開
放された蓋と不燃性シートを敷いた受け皿から成る浅底
の金属性容器であり、その使用に際しては、線香立のよ
うに台は必要なく、そのまま線香を受け皿内に置いて燃
焼させるものである。この燃焼用具による線香の燃焼状
態については、一般に、立消えする線香は、その燃焼速
度が遅く、線香立及び燃焼皿による燃焼用具の違いに関
係なく立消えする。しかし、線香の太さ(断面積)を小
さくし、燃焼速度を遅延させた線香の場合には、燃焼
時、線香立使用で立消えする線香も燃焼皿使用では立消
えしないという燃焼用具の違いによる影響が大きく、従
って、その性質を利用してさらに燃焼速度を遅延できる
ことを見い出した。燃焼容器の不燃性もしくは難燃性シ
ートと接触させた状態で線香を燃焼させた場合、なぜ立
消えを生ずることなく燃焼速度を遅延させる効果が得ら
れるかについては、未だ解明すべき点もあるが、線香と
接触している不燃性もしくは難燃性シートが線香の燃焼
伝播を抑制する因子として働く一方、不燃性もしくは難
燃性シートによる保温効果が立消え防止及び燃焼遅延に
貢献しているものと考えられる。
【0013】また、一般に同一の基剤材料を用いた場
合、線香の太さを細くする程燃焼速度は速くなり、仮に
断面積を半分に減少した場合、同じ燃焼時間を確保する
ためには長さを約倍にしなければならず、サイズの縮小
が重量減少にはつながらない。しかしながら、本発明の
線香の場合、配合する燃焼遅延化剤の量を適宜設定する
ことにより、線香の太さを細くしても燃焼速度が遅延す
るため従来の線香と同じ程度の長さでよく、原料使用量
を大巾に低減することができる。また、前記したよう
に、燃焼容器の不燃性もしくは難燃性シートと接触させ
た状態で線香を燃焼させることにより、立消えを生ずる
ことなくさらに燃焼速度を遅延させることができるた
め、線香の太さをかなり細くでき、また立消え防止の見
地からも線香の太さを細くするのが望ましく、従って原
料使用量を半減することも可能である。さらに、前記し
たように、線香の太さを細くすることによって有効成分
の揮散率をさらに向上させることができ、その結果、有
効成分量を少なく配合することも可能となる。この際、
好ましくは線香の太さを断面積3〜18mm2 と小さく
することが、有効成分の揮散率向上及び立消え抑制の点
において効果的である。
【0014】なお、本発明は、蚊取線香のみならず仏壇
用線香にも当然に適用することができる。仏壇用線香の
場合、成形時及び製品としての機械的強度の点から断面
積は約3mm2 以上が好ましい。仏壇用線香の場合、む
しろ線香の長さを短くすることによって原料使用量を大
巾に低減できると共に、従来の線香と同等以上の燃焼
(燻煙)時間を確保できる。
【0015】本発明においては、線香基剤の燃焼速度が
100mm/hr未満、燃焼重量が1.6g/hr以下
の線香を用いるが、線香の燃焼速度及び燃焼重量をこの
ような値に設定するためには、線香基剤の一部として脱
脂米糠、セピオライト、米糠、軽質炭酸マグネシウム、
有機酸ヒドラジド、水酸化アルミニウム等の燃焼遅延化
剤の1種以上を配合したり、粘結剤の配合量を変えるこ
とによって調整することができ、また、他の燃焼遅延化
効果のある物質、例えばリン酸カルシウムを添加した
り、成形時の加圧力を高めたりして調整することも可能
であるが、燃焼遅延化剤の配合が特に効果的である。す
なわち、線香基剤の一部として燃焼遅延化剤を配合する
ことにより、燃焼時の立消えを起こさずに燃焼速度を有
効に遅延化でき、すなわち長時間燃焼状態を維持するこ
とができ、しかも有効成分の揮散率を何ら損なうことは
なく、また機械成形適性が良好で、燃焼によって粘膜刺
激性の煙や異臭の発生もなく、線香の小型軽量化を図る
ことができる。上記燃焼遅延化剤の中でも、特に脱脂米
糠とセピオライトが燃焼の遅延化効果に優れている。
【0016】本発明で用いる脱脂米糠は、玄米を精白し
たときにできる米糠を脱脂処理して得られるもので、米
糠自体は我国において大量に産出されており、安価にか
つ安定的に供給されており、また脱脂米糠も糠油製造の
際に副産物として大量に得られ、安定かつ安価に供給さ
れる。米糠自体にも、線香の基剤として用いた場合には
燃焼速度の遅延化効果が認められるが、脱脂米糠の場合
にはその効果がさらに大きなものとなる。すなわち、断
面積3〜18mm2 の線香に於いて、脱脂米糠を線香全
重量に対し5重量%以上、50重量%以下(好ましくは
10重量%以上、35重量%以下)の割合で配合した線
香を燃焼容器で燃焼した場合、その燃焼速度が55〜8
5mm/hrと従来線香(約100〜120mm/h
r)に比べ、線香の太さが小さいにも拘らず、大きく燃
焼速度を遅延した線香を得ることができた。また、その
燃焼重量が0.25〜1.20g/hrと従来線香(約
1.8〜2.0g/hr)に比べ非常に少なく、線香基
剤量が少ないにも拘らず、燃焼時間の長い線香を得るこ
とができた。
【0017】燃焼遅延化剤として米糠を使用する場合、
線香全重量に対し7重量%以上、50重量%以下(好ま
しくは10重量%以上、45重量%以下)の割合で配合
することで、燃焼時間が長くなり、そして燃焼容器を使
用し燃焼した場合、立消えの恐れが全くなくなり、燃焼
速度を遅延させることができ、その時の燃焼速度は70
〜100mm/hrとなる。また、線香の太さを断面積
3〜16mm2 と小さくすることで、より効果を高め、
その時の燃焼重量は0.30〜1.65g/hrであ
り、従来線香に比べ原料消費量が少なくなる。
【0018】本発明において用いる好適な燃焼遅延化剤
の一つであるセピオライトとは、マグネシウムの含水イ
ノケイ酸塩鉱物であり、Mg82 (Si4113
3H2 Oの組成を有する(化学大辞典5、第369頁参
照、尚、ナギィ及びブラッドリー(Nagy&Brad
ley)らによればMg8 Si1230(OH)1 (OH
24 ・8H2 Oの組成であるとされている)。その分
析値は、産地によって石灰岩、石英、スメクタイト、苦
灰岩、タルク等の種々の不純物を含むのでバラツキがあ
り、SiO2 約35〜62%、MgO約15〜30%、
その他CaO、Al23 、Fe23 、Na2 O、K
2 O等であるが、セピオライト自体は微細繊維状で、繊
維状物が互い違いに積み重ねられてそれらの間に微小の
トンネルを有するような結晶構造を有する。このような
セピオライトは市販されており、容易に入手可能であ
る。例えば、断面積3〜18mm2 の線香に於いて、セ
ピオライトを線香重量に対し、3重量%以上、30重量
%以下(好ましくは5重量%以上、20重量%以下)の
割合で配合した線香を燃焼容器で燃焼した場合、その燃
焼速度は55〜85mm/hrとなり、従来線香に比
べ、線香の太さが小さいにも拘らず、大きく燃焼速度を
遅延した線香を得ることができた。また、その燃焼重量
は0.25〜1.20g/hrとなり、従来線香に比べ
線香基剤量が少ないにも拘らず、燃焼時間の長い線香を
得ることができた。
【0019】このようなセピオライトが、どのような機
構によって線香の燃焼速度の遅延化及び立消え防止とい
う相反する要求を同時に満足させることができるかとい
う点については、未だ理論的に完全に解明されていると
は言い難いが、その主成分であるSiO2 及びMgO自
体には燃焼速度の遅延化効果が期待できないことが確認
されているため、上記のような結晶構造に基づくものと
推測される。すなわち、セピオライト自体及びその結晶
構造の無数の微小トンネルが燃焼に対するバリヤーとな
って燃焼伝播を抑制すると共に、該微小トンネル内に取
り込まれている空気が他の燃焼性基剤成分の燃焼に寄与
することによって立消えの防止に貢献し、その結果、燃
焼速度の遅延化及び立消え防止という相反する要求を同
時に満足させているものと考えられる。さらに、セピオ
ライトは水で造粒し乾燥すると、単繊維のからまり合い
によって簡単に固結粒子が得られ、この性質によって線
香の成形においてはバインダーとしても働くので、多量
に配合しても製品の機械的強度が損なわれることはな
い。また、セピオライトは、揺変性を有し、安定なウエ
ットボリュームと増粘効果が得られるため、線香押出成
形時の機械成形適性にも優れる。
【0020】燃焼遅延化剤として軽質炭酸マグネシウム
を使用する場合、線香全重量に対し5重量%以上、45
重量%以下(好ましくは10重量%以上、40重量%以
下)の割合で配合することで、燃焼時間が長くなり、そ
して燃焼容器を使用し燃焼した場合、立消えの恐れが全
くなくなり、燃焼速度を遅延させることができ、その時
の燃焼速度は70〜100mm/hrとなる。また、線
香の太さを断面積3〜16mm2 と小さくすることで、
より効果を高め、その時の燃焼重量は0.30〜1.5
5g/hrとなり、従来線香に比べ、原料消費量が非常
に少なくなる。炭酸マグネシウムには、比重の差により
軽質炭酸マグネシウムと重質炭酸マグネシウムがある
が、重質炭酸マグネシウムは燃焼速度を遅延する効果が
少ない。
【0021】燃焼遅延化剤として有機酸ヒドラジドを使
用する場合、線香全重量に対し7重量%以上、50重量
%以下(好ましくは10重量%以上、40重量%以下)
の割合で配合することで、燃焼時間が長くなり、そして
燃焼容器を使用し燃焼した場合、立消えの恐れが全くな
くなり、燃焼速度を遅延させることができ、その時の燃
焼速度は70〜100mm/hrとなる。また、線香の
太さを断面積3〜16mm2 と小さくすることで、より
効果を高め、その時の燃焼重量は0.30〜1.65g
/hrとなり、従来線香に比べ、原料消費量が非常に少
なくなる。有機酸ヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒ
ドラジド、カーボジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、
セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、
イソフタル酸ジヒドラジド等を使用できる。
【0022】燃焼遅延化剤として水酸化アルミニウムを
使用する場合、線香全重量に対し5重量%以上、45重
量%以下(好ましくは10重量%以上、40重量%以
下)の割合で配合することで、燃焼時間が長くなり、そ
して燃焼容器を使用し燃焼した場合、立消えの恐れが全
くなくなり、燃焼速度を遅延させることができ、その時
の燃焼速度は70〜100mm/hrとなる。また、線
香の太さを断面積3〜16mm2 と小さくすることで、
より効果を高め、その時の燃焼重量は0.30〜1.5
5g/hrとなり、従来線香に比べ、原料消費量が非常
に少なくなる。また、水酸化アルミニウムを配合するこ
とにより、添加する色素の色がより一層鮮やかになり、
外観色が鮮やかで明るい線香が得られるという効果もあ
る。
【0023】本発明においては、前記したような燃焼遅
延化剤を配合するだけでなく、粘結剤の配合量を変える
ことによって線香の燃焼速度及び燃焼重量を低く抑える
こともできる。この場合、粘結剤を線香全重量に対し5
重量%以上、25重量%以下(好ましくは5重量%以
上、15重量%以下)の割合で配合することで、燃焼時
間が長くなり、そして燃焼容器を使用し燃焼した場合、
立消えの恐れが全くなくなり、燃焼速度を遅延させ、そ
の時の燃焼速度を70〜100mm/hrの範囲内に調
整できる。また、線香の太さを断面積0.75〜16m
2 と小さくすることで、より効果を高め、その時の燃
焼重量は0.10〜1.65g/hrとなり、従来線香
に比べ、原料消費量が非常に少なくなる。現在、粘結剤
としては、主として椨粉とデンプン等の水溶性高分子粘
結剤が使用されている。本発明においては、粘結剤とし
てコーンスターチ、タピオカデンプン、小麦デンプン、
アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コラーゲン、メ
チルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビ
ニールアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボ
キシメチルデンプン等の水溶性高分子粘性剤を使用する
ことが好ましいが、椨粉と兼用できることは勿論であ
る。
【0024】本発明の線香の基剤としては、除虫菊抽出
粕、木粉、茶等の茎葉粉末等の燃焼基剤、椨粉、コーン
スターチ等の粘結剤、その他セルロース等の増粘剤、リ
ン酸カルシウム等の燃焼遅延化剤等の公知原料を使用す
ることができ、前記した燃焼遅延化剤の添加あるいは粘
結剤の配合量を変えることにより、その燃焼速度が10
0mm/hr未満、その燃焼重量が1.6g/hr以下
の性状を示す線香であれば良い。線香の燃焼基剤として
は、上記除虫菊抽出粕粉、木粉、茶等の茎葉粉末の他
に、ココナッツ粉、コーヒー豆殻の内皮粉末、トウモロ
コシの芯の粉末、カーボン等従来公知の各種燃焼基剤も
しくは助燃剤を用いることができる。本発明の線香を蚊
取線香として用いる場合には、殺虫有効成分としては従
来公知の各種殺虫剤を用いることができるが、安全性の
面からはピナミンフォルテ、エトック(いずれも住友化
学工業(株)製の商品の登録商標)等のピレスロイド系
殺虫剤が好ましい。また、本発明の線香には、上記各種
成分に加えて、マラカイトグリーン等の色素、デヒドロ
酢酸等の防カビ剤を配合することもできる。
【0025】本発明に係る線香は、上記各種成分を水も
しくは温水と練合し、適当な形状に成形することによっ
て得られ、配合する有効成分(殺虫成分又は香料等)に
応じて蚊取線香又は仏壇用線香などとして用いることが
できる。蚊取線香の場合は、一般に殺虫成分を添加した
配合物を水と練合し、シート状に押出成形した後、渦巻
状に打抜き、乾燥することによって製造される。なお、
有効成分は線香成形後にスプレー、塗布、滴下、浸漬等
によって含浸させることもできる。
【0026】本発明の線香の太さは、3mm2 以上、1
8mm2 以下、好ましくは7mm2以上、16mm2
下の断面積がより有効である。従来の線香の太さで燃焼
速度を遅延させた場合、燃焼時必ず立消えが起こり、そ
の傾向は線香の太さが大きくなる程激しくなり、その
為、大きく燃焼速度を遅延することは難しい。一方、線
香の太さを小さくした場合、燃焼時の立消えが非常に起
こり難くなり、線香の燃焼を遅延することが可能となっ
た。すなわち、3〜18mm2 の断面積範囲で立消えを
起こすことなく燃焼速度の遅延を行うことができる。ま
た、この場合、線香の太さを極端に小さくしていくと燃
焼速度の遅延効果が下がり、逆に線香の太さを従来線香
の太さ(断面積約21mm2 )に近ずけていくと燃焼重
量の低減効果が小さくなる傾向を示す。従って、特に7
〜16mm2 の断面積範囲で燃焼速度の遅延と燃焼重量
の低減の両効果を充分に高めることができ、有効であ
る。一方、本発明の上記各材料を配合した線香の有効成
分への影響については、線香の太さを前記断面積範囲に
することで、より好ましくは断面積7mm2 に近ずける
ことで、有効成分の分解が少なくなり、有効成分の揮散
率の低下を抑制できる。しかし、前記燃焼遅延化剤や粘
結剤の配合割合を増加するに従い、断面積が極端に小さ
くまた大きくなるに従い、また線香の密度を高く、即ち
強固にするに従い、有効成分の分解が多くなっていく傾
向にある。この傾向は特に粘結剤を使用した場合に大き
い。この様な場合、有効成分を成形後の線香表面にスプ
レー、塗布、印刷、滴下、付着等の操作によって処理す
ることが有効である。
【0027】本発明の線香ユニットは、前記のようにし
て得られる線香と、該線香を保持する部分が不燃性もし
くは難燃性素材から形成されている燃焼容器とからな
る。図1は、所謂燃焼皿型式の燃焼容器の基本的な形態
を示しており、金属製の皿状の容器2内に配設された不
燃性もしくは難燃性シート3の上に線香1を載置して燃
焼させる。なお、容器2には安全のために開孔を有する
蓋が被冠されるが、図示は省略する。一方、図2は、上
部に開口部4を有する金属製容器2a内に配設された両
側の不燃性もしくは難燃性シート3aの間に線香1aを
挾持して燃焼させる型式の線香ユニットを示している。
なお、本例の場合、金属製容器2aの両側壁部に複数の
開孔5が形成され、線香の燃焼に充分な空気が供給でき
るようにされており、また不燃性もしくは難燃性シート
3aも充分な通気度を有するように構成する。また、容
器2aの形状は、略太鼓状、円筒形状、角筒形状等、使
用する線香形状に合わせて形成することができる。上記
不燃性もしくは難燃性シートの素材としては、ガラスウ
ール、石綿等、鉱物質繊維を用いることができる。
【0028】
【実施例】以下、試験例及び実施例を示して本発明につ
いてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に
限定されるものでないことはもとよりである。なお、以
下の試験例及び実施例において、燃焼速度及び燃焼重量
の測定は以下のようにして行った。線香を長さ200m
mに切り、その重量(W1 )を測定する。この線香を点
火して5分間程放置した後、その時の重量(W2 )を測
定し、直ちにストップウォッチを用いて時間を測定し始
める。引き続き無風の場所において燃焼させ、丁度1時
間経過した時の線香の残りの重量(W3 )を測定し、下
記式により燃焼速度及び燃焼重量を求めた。 燃焼速度(mm/hr)=200×(W2 −W3 )/W
1 燃焼重量(g/hr)=W2 −W3
【0029】試験例1 除虫菊抽出粕粉末30〜50重量%、木粉10〜30重
量%、椨粉20〜40重量%、澱粉1〜5重量%を配合
した燃焼基剤に、殺虫成分としてピナミンフォルテを
0.3重量%、その他マラカイトグリーン、乳化剤など
を加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、押出機に
よって帯状に押出成形し、次いで打抜機により渦巻状に
打抜き、風乾にて乾燥したものを供試線香(厚さ3.5
mm、幅6mm)とした。この線香について、燃焼試験
を行い、燃焼速度が現行線香約100mm/hrより遅
く燃える線香を求めた。その結果、燃焼皿を使用して燃
焼させた場合、90〜97mm/hrの燃焼速度を示す
線香では立消えを生ずることがなく燃焼した。しかし、
この線香を線香立を使用して燃焼させた場合、燃焼速度
90〜94mm/hrの線香で約71%、燃焼速度95
〜97mm/hrの線香で約36%の立消えが起こり、
燃焼速度が遅い線香には燃焼皿を使用すると有効である
ことが明らかにされた。
【0030】試験例2 表1に示すように、除虫菊抽出粕粉、木粉、茶粉、椨粉
の所定量に対して、脱脂米糠又はセピオライトの添加量
を変化させて加え、混合し、約等量の温水を加えて練
り、これを押出機にかけ、各種大きさの断面積(Xmm
2 )の棒状に押し出し、一定の長さに切断し、風乾にて
乾燥したものを供試線香とした。なお、この時の有効成
分としてはピナミンフォルテを使用した。この線香につ
いて、燃焼皿を使用して燃焼させ、燃焼速度及び燃焼重
量を調べた。その結果を表1に併せて示す。
【表1】
【0031】試験例3 表2に示すように、除虫菊抽出粕粉、木粉、椨粉の所定
量に対して、水酸化アルミニウムの添加量を変化させて
加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出
機にかけ、大きさとして断面積14mm2 の棒状に押し
出し、一定の長さに切断し、風乾したものを供試線香と
した。なお、この時の有効成分としてはピナミンフォル
テを使用した。また、水酸化アルミニウム以外にも、軽
質炭酸マグネシウム、アジピン酸ジヒドラジド、小麦デ
ンプン又は米糠を添加した線香についても同様に試験を
行った。この線香について、燃焼皿を使用して燃焼し、
燃焼重量を調べた。その結果を表2に併せて示す。
【表2】
【0032】実施例1 試験例2(表1)中の供試線香No.3の処方を用いて
燃焼基剤とし、これにピナミンフォルテその他マラカイ
トグリーン、防黴剤、乳化剤等の所定量を加えて混合
し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にて帯状
に押し出し成形し、次いで別途製作した金型を用い打抜
機により渦巻状に打ち抜き、風乾にて乾燥して供試線香
を得た(この時のピナミンフォルテの使用量は0.3%
市販線香と同量)。この供試線香の寸法及び重量は表3
に示すとおりであった。
【表3】
【0033】得られた供試線香について燃焼速度及び燃
焼重量を測定したところ、下記表4に示す結果が得られ
た。なお、比較のために市販線香についての結果も併せ
て示す。
【表4】
【0034】実施例2 実施例1と同一の処方及び方法により帯状に押し出し成
形し、別途製作した三ッ巴の金型を用いて打抜機により
渦巻状に打ち抜き、風乾にて乾燥して供試線香を得た。
この供試線香の寸法及び重量は表5に、また燃焼速度及
び燃焼重量は表6に示すとおりであった。
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】実施例3 実施例1と同一の処方及び方法により、市販線香(12
cm)とほぼ同じ外寸サイズになるように別途金型を製
作して、打抜機により渦巻状に打ち抜き、風乾にて乾燥
して供試線香を得た。この供試線香の寸法及び重量は表
7に、また燃焼速度及び燃焼重量は表8に示すとおりで
あった。
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】実施例4 実施例1と同じ燃焼基剤及び断面積の線香について、ピ
ナミンフォルテに代えて微香性消臭剤を使用する以外は
上記と同様に製造した。この線香について、タバコ等の
臭いのある8畳の部屋で燃焼皿を用いて使用したとこ
ろ、燃焼時間7時間の間、ほのかな香りをただよわせな
がら、不快な臭いをマスキングした。また、この線香に
ついて、燃焼皿への汚れの付着量を測定したところ、市
販線香の約30%少ない付着数値を示した。
【0039】実施例5 表9に示すような処方で杉葉粉末、白樺樹皮粉末、椨粉
末、茶粉末にセピオライトを3〜20重量%配合した燃
焼基剤に香料、色素、防黴剤の所定量を加えて混合し、
約等量の温水を加えて練り、押出機にかけ、断面積10
mm2 の棒状に押し出し、熱乾燥して製造し、これを供
試線香とした。この線香について、燃焼皿で燃焼させた
ところ、下記表9に示すように0.6〜1.1g/hr
の燃焼重量を得た。
【表9】
【0040】実施例6 表10に示すような処方で除虫菊抽出粕粉末、木粉末、
茶粉末、素灰粉末、椨粉末に脱脂米糠及びセピオライト
の混合物を5〜20重量%配合した燃焼基剤に、エトッ
ク(殺虫剤)、分解防止剤、香料、防黴剤、乳化剤の所
定量を加えて混合し、約等量の温水を加えて練り、押出
機にかけ、断面積16mm2 の棒状に押し出し、熱乾燥
して製造し、これを供試線香とした。この線香につい
て、燃焼皿で燃焼させたところ、下記表10に示すよう
に1.0〜1.5g/hrの燃焼重量を得た。
【表10】
【0041】実施例7 表11に示すような処方で除虫菊抽出粕粉末、木粉末、
ココナッツ粉末、椨粉末にタピオカデンプンを5〜15
重量%配合した燃焼基剤に香料、防黴剤の所定量を加え
て混合し、約等量の温水を加えて練り、押出機にかけ、
断面積7mm2の棒状に押し出し、熱乾燥して製造し、
これを供試線香とした。この線香について、燃焼皿で燃
焼させたところ、下記表11に示すように0.4〜0.
6g/hrの燃焼重量を得た。
【表11】
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の線香の燃焼遅延
化方法及び線香ユニットは、線香基剤の燃焼速度が10
0mm/hr未満、燃焼重量が1.6g/hr以下の線
香を、燃焼容器の不燃性もしくは難燃性素材と接触させ
た状態で燃焼させるものであるため、従来の線香よりそ
の太さが細小であるにも拘らず、燃焼時に立消えを起こ
すことなく燃焼時間を従来の線香と同程度かそれ以上に
することができ、従って、従来の線香と同じような燃焼
時間の場合には線香重量及び線香サイズを小さくでき
る。その結果、使用原料が減少し、コストダウンを図れ
ると共に、資源の節約にも寄与することができる。ま
た、本発明のように線香の燃焼速度を遅延化することに
より、燃焼の伝播が緩やかになり、有効成分が分解する
率もそれだけ低くなり、有効成分の揮散率が向上する。
また、線香の太さを小さくすることにより、有効成分の
揮散率がさらに向上すると共に、単位燃焼時間当りの燃
焼重量も少なくなり、その結果、粘膜刺激性の煙やター
ルの発生量も少なくなり、人の健康に対する安全性の面
における改善効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線香ユニットの一例の概略構成を示す
断面図である。
【図2】本発明の線香ユニットの他の例の概略構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1,1a 線香、2,2a 金属製容器、3,3a 不
燃性もしくは難燃性シート、4 開口部、5 開孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線香基剤の燃焼速度が100mm/hr
    未満及び燃焼重量が1.6g/hr以下の線香を、燃焼
    容器の不燃性もしくは難燃性素材と接触させた状態で燃
    焼させることを特徴とする線香の燃焼遅延化方法。
  2. 【請求項2】 前記線香の断面積が3〜18mm2 であ
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 線香基剤の燃焼速度が100mm/hr
    未満及び燃焼重量が1.6g/hr以下の線香と、該線
    香を保持する部分が不燃性もしくは難燃性素材から形成
    されている燃焼容器とから成る線香ユニット。
  4. 【請求項4】 前記線香の断面積が3〜18mm2 であ
    る請求項3に記載の線香ユニット。
  5. 【請求項5】 前記線香を保持する部分が不燃性もしく
    は難燃性シートから形成されている請求項3又は4に記
    載の線香ユニット。
JP7848395A 1995-03-10 1995-03-10 線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット Pending JPH08245303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7848395A JPH08245303A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7848395A JPH08245303A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08245303A true JPH08245303A (ja) 1996-09-24

Family

ID=13663246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7848395A Pending JPH08245303A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08245303A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109463378A (zh) * 2018-12-28 2019-03-15 朱虹斐 驱蚊贴
JP2019104720A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 アース製薬株式会社 板状線香

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019104720A (ja) * 2017-12-08 2019-06-27 アース製薬株式会社 板状線香
CN109463378A (zh) * 2018-12-28 2019-03-15 朱虹斐 驱蚊贴
CN109463378B (zh) * 2018-12-28 2021-11-30 朱虹斐 驱蚊贴

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW200806853A (en) Flame retardant cigarette wrapping paper
US20050164141A1 (en) Scented candle wick
JP2014210713A (ja) 燻煙剤組成物および燻煙装置
JPH08245303A (ja) 線香の燃焼遅延化方法及びそれに用いる線香ユニット
JP3595366B2 (ja) 線香
JP2780959B2 (ja) お香及びその製造方法
JP2010280577A (ja) 燻煙剤組成物及び燻煙装置
JP3317771B2 (ja) 線 香
JP5887395B2 (ja) 浴室用防カビ燻煙剤組成物および浴室用防カビ燻煙装置
JP2000230181A (ja) 固形燃料
JPH10179112A (ja) 非燃焼型エアゾール発生物品用熱源組成物
JP3256770B2 (ja) 少煙線香
JP2015091876A (ja) 浴室用防カビ燻煙装置
JP2014210712A (ja) 燻煙剤組成物および燻煙装置
JP4237319B2 (ja) 線香
TWI808528B (zh) 持續性滅蚊線香
JP5700480B2 (ja) 間接加熱用燻煙剤組成物および間接加熱方式の燻煙装置
JP2007070331A (ja) ネギを含有する線香
TW200906345A (en) Flame prolonging incense
JP3317770B2 (ja) 線 香
JP3082001B2 (ja) 蚊取線香基材及び蚊取線香
KR19990031900A (ko) 바이오 세라믹 원적외선 숯의 제조방법
JP2901595B2 (ja) 香および類似物
JP2559671B2 (ja) 焼香組成物
JP2002209990A (ja) 消臭香

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Effective date: 20040809

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040831