JP3595366B2 - 線香 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、蚊取線香や仏壇用線香等の線香に関し、さらに詳しくは燃焼遅延化剤を配合して燃焼速度を遅くした細くて軽量の線香に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、蚊取線香や仏壇用線香等の線香類は、除虫菊抽出粕粉末、木粉末、茶等の茎葉粉末等の助燃剤もしくは支燃剤(燃焼基剤)、椨粉、コーンスターチ等の粘結剤、デヒドロ酢酸等の防黴剤、マラカイトグリーン等の色素などを線香基剤とし、これに蚊取線香の場合は殺虫剤、仏壇用線香の場合は香料等の有効成分を配合したものに適量の水を加えて練合し、蚊取線香の場合約7時間、仏壇用線香の場合約40〜50分間燻煙するような重量及びサイズの所定の形状に押出打抜成形もしくは押出成形し、乾燥して製造されている。
上記燃焼基剤の原料としては、古くは国内で生産されたもので間に合っていたが、徐々にその生産量も少なくなり、最近は殆どの原料が海外から輸入され使用されている。しかし、現在では、海外でも原料不足の声も聞かれ、それに伴ってコストの高騰にもなっている。この様な状況下、将来の原料の安定供給を確保する為、また、自然環境の保護や省資源の見地からも、線香原料の使用量を抑えることが切望されている。
【0003】
従来、線香の前記原料に代る代替材料としては、例えばコーヒー豆殻の内皮粉末(特公昭60−58201号)やトウモロコシの芯の粉末(特公昭61−11922号)が提案されているが、これらは主として燃焼時の煙の発生や粘膜刺激、異臭の発生抑制を開発ポイントとしているものである。
一方、特開昭48−72336号には線香基剤の一部としてタルク、クレー、珪藻土、カオリン、ベントナイト、無水珪酸等の鉱物質微粉末を用いることが提案されている。しかしながら、このような鉱物質微粉末を用いた場合、通常使用される量の粘結剤を配合して製品硬度を充分なものにすると、鉱物質微粉末の配合量の増加に伴って得られる製品の燃焼性が悪くなり、立消えが起こり、一方、燃焼性を良くし立消えをなくすために粘結剤の配合量を少なくすると、成形製品の強度が著しく低下し、実用性のないものとなってしまう。
【0004】
前記した省資源の見地からは、むしろ線香基剤の燃焼時間を長くすることによって、従来の線香よりその重量及びサイズを小さくしても、従来と同じような燃焼時間を確保できるような基剤を開発することが望まれる。しかし、この場合、線香を燃焼したときに立消えしないで所定時間燃焼し続けること、及び有効成分の揮散率が高いことも同時に満足する必要がある。また、線香を小型軽量化するためには、機械成形適性に優れ強度が変化しないこと、すなわちある程度の折れ強度を有することが要求されると共に、前記したように基剤材料として安定かつ安価に供給できることも要求される。
特開昭48−62946号には、オランダセンニチ又はキバナオランダセンニチ類植物の抽出粕粉が線香の燃焼速度の遅延化に有効であることが教示されている。しかしながら、これらは必ずしも上記条件を充分に満たすかどうか疑問であり、またコスト及び安定供給性の点で問題がある。
【0005】
線香の他の燃焼速度の遅延化の方策としては、特公昭46−28119号に、殺虫成分を含有する無機物層を線香基剤表面に添着することで蚊取線香の燃焼速度を遅らせることが教示されている。しかし、充分に燃焼時間を延ばすには、多量の無機物を使用するか、無機物層を厚くする必要があるが、この場合、有効成分の分解を引き起こす欠点があり、また、無機物層を線香基剤表面に形成するという複雑な製造工程が必要であり、コストアップの要因となる。このことから、安価に多量に生産する線香には適した製造方法とは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、線香の燃焼速度を遅延させる為には、粘結剤の配合量を多くして基剤を固めたり、また、成形時の加圧度を高め基剤を硬くすればよい。しかし、いずれの場合も燃焼時に立消えが起こり、また、有効成分の揮散率が低下してしまう。即ち、燃焼速度の遅延と燃焼時の立消えは不難一体の関係を有し、燃焼速度を遅延すれば立消えが起こり易く、一方、立消えを防止するには充分な燃焼性を確保することが必要となる。
従来、このような相反する要求を同時に満たす線香基剤は見い出されていない。この事は、従来の線香、例えば蚊取線香はその太さが厚さ約3.5mm×幅約6mm(断面積約21mm2)、その長さが燃焼時間7時間で約75cm(重さ約14g)と古くから殆ど変わっていないことからも明白である。
【0007】
従って、本発明の目的は、従来線香に比べ燃焼速度を遅くすることで線香基剤量を少なくし、従来線香よりも線香重量が少なくかつ線香サイズが小さいにも拘らず、燃焼(燻煙)時の立消えを起こすことなく従来線香と同程度以上の燃焼(燻煙)時間を確保でき、また有効成分の揮散率を向上できる蚊取線香、仏壇用線香等の線香を提供し、もって原材料の削減による資源の節約及び煙やタール等の発生量の減少による人の健康に対する安全性の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば、3〜18mm2の断面積を有し、かつ、線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び糠からなる群から選ばれた少なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤の燃焼速度が100mm/hr未満となるように調整したことを特徴とする線香が提供される。
上記各燃焼遅延化剤の配合量は、線香全重量に対し、軽質炭酸マグネシウムの場合は5〜45重量%、有機酸ヒドラジドの場合は5〜50重量%、米糠の場合は7〜50重量%の割合が好ましい。また、上記燃焼遅延化剤軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び米糠単独で配合することもでき、また2種以上を組み合わせて配合することもできる。上記燃焼遅延化剤の複数種を組み合わせて用いる場合、それらの合計量が線香全重量の5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0009】
【発明の作用及び態様】
本発明者らは、線香の太さを小さくすることによって、有効成分の分解を抑制でき、有効成分の揮散率を向上できると共に、立消え防止に有効であることを見い出した。さらに本発明者らは、このように太さを小さくした線香の線香基剤として種々の材料について検討した結果、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド、米糠の各材料が線香の燃焼速度の遅延化に有効であり、これらを線香基剤の一部として配合することにより、燃焼時の立消えの恐れもなく燃焼時間を長くでき、従って重量及びサイズを小さくしても従来の線香と同程度以上の燃焼時間を確保でき、線香原料の使用量を削減できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の基本的な特徴は、線香の断面積を3〜18mm2にすると共に、線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び糠からなる群から選ばれた少なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤の燃焼速度を100mm/hr未満となるように調整したことにあり、それによって、重量及びサイズを小さくした線香において、燃焼速度の遅延化及び立消え防止という相反する要求を同時に満たし、しかも有効成分の高い揮散率を確保することを可能とするものである。
【0010】
一般に同一の基剤材料を用いた場合、線香の太さを細くする程燃焼速度は速くなり、仮に断面積を半分に減少した場合、同じ燃焼時間を確保するためには長さを約倍にしなければならず、サイズの縮小が重量減少にはつながらない。
また、従来の線香は、燃焼速度が100〜120mm/hrであり、これ以下の燃焼速度の線香は燃焼時に立消えを起こすものと考えられており、また実際に従来の線香の太さのものでは立消えを起こしてしまう。
これに対して、本発明は、線香の断面積を3〜18mm2にして立消えを起こし難くすると共に、前記燃焼遅延化剤の配合によって燃焼速度を従来の線香のそれよりも遅い100mm/hr未満となるように調整し、それによって燃焼時に立消えを生ずることなく燃焼速度を遅延させ、重量及びサイズを小さくしたにも拘らず従来の線香と同等以上の燃焼時間を確保でき、その結果、線香原料の使用料を大巾に削減するものである。
【0011】
上記の点についてさらに詳しく説明すると、本発明者らの研究によると、線香の太さ(断面積)を小さくすると、線香に含まれる有効成分の揮散率が向上し、また立消えが起き難くなるなどの効果を示し、このような効果は断面積0.75〜18mm2の範囲で得られることが見い出された。しかし、線香の太さを小さくしてゆくと燃焼速度が急激に速くなり、長い燃焼時間を確保するためには線香の長さを非常に長くする必要が生じ、原料使用量の削減を図ることができない。
そこで、本発明では、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び/又は米糠即ち線香基剤の燃焼速度を遅延化させる効果を有する材料を配合して燃焼速度を遅くし、それによって、線香の太さを小さくすることによる燃焼速度を増大させる効果を減殺し、燃焼時に立消えを生ずることなく、線香の太さを小さくしたにも拘らず従来の線香よりも遅い100mm/hr未満の燃焼速度に調整するものである。但し、線香の燃焼速度を従来の線香のそれよりも極端に低く設定すると、燃焼遅延化剤の配合量が極めて多量になり、燃焼時に立消えを生じ易くなるので好ましくない。実用性を考慮すると、燃焼速度は85mm/hr以上となるように調整することが好ましい。また、同様な理由から、線香の断面積は3〜18mm2の範囲内に設定する必要があり、また有効成分の揮散率等を考慮すると、断面積は7mm2以上、16mm2以下が望ましい。線香の太さを極端に小さくしていくと燃焼速度の遅延効果が下がり、逆に線香の太さを従来線香の太さ(断面積約21mm2)に近ずけていくと燃焼重量の低減効果が小さくなる傾向を示す。
【0012】
前記したように、線香の太さを小さく(断面積3〜18mm2)することにより、立消え抑制の面で効果的であると共に、有効成分の揮散率が向上する。すなわち、線香に含有される有効成分は、一般に燃焼部位の高温度では分解されるが、その近傍の伝熱によって加熱されている部位から徐々に揮散されてゆく。従って、線香の断面積が大きいと、加熱部位の中心部に含有される有効成分が揮散する前にその部位に燃焼が伝播し、有効成分の分解率が高くなってしまう。
これに対して、線香の太さを小さくすると、中心部から表面までの距離が短いため、燃焼部位近傍の加熱部位では、中心部に含有される有効成分も効率的に揮散される。例えば、除虫菊抽出粕粉約20〜50重量%、木粉10〜30重量%、椨粉20〜30重量%を燃焼基剤として、殺虫成分としてピナミンフォルテを0.3重量%配合し、また各種燃焼速度を得るために素灰5〜30重量%、α−スターチ1〜10重量%、助燃剤0.5〜5重量%を使用し、その他マラカイトグリーン、乳化剤等を加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にかけて製造した蚊取線香によれば、断面積20〜25mm2で殺虫成分の揮散率62±3%であったのに対し、断面積7.0mm2では揮散率82.2%が得られ、有効成分の揮散率が大きく向上した。しかも、本発明のように、線香の燃焼速度を遅延化することにより、燃焼の伝播が緩やかになり、有効成分が分解する率もそれだけ低くなり、有効成分の揮散率が向上する。また、線香の太さを小さくすることにより、単位燃焼時間当りの燃焼重量も少なくなり、その結果、粘膜刺激性の煙やタールの発生量も少なくなり、人の健康に対する安全性の面における改善効果も得られる。
【0013】
なお、本発明は、蚊取線香のみならず仏壇用線香にも当然に適用することができる。仏壇用線香の場合、成形時及び製品としての機械的強度の点から断面積は約3mm2以上が好ましい。仏壇用線香の場合、むしろ線香の長さを短くすることによって原料使用量を大巾に低減できると共に、従来の線香と同等以上の燃焼(燻煙)時間を確保できる。
【0014】
以上のように、本発明においては、線香の断面積を3〜18mm2とすると共に、線香基剤の一部として、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び/又は米糠燃焼遅延化剤の1種以上を配合することにより、線香基剤の燃焼速度を100mm/hr未満に調整するが、補助的に粘結剤の配合量を変えることによって調整することができ、また、他の燃焼遅延化効果のある物質を添加したり、成形時の加圧力を高めたりして調整することも可能である。しかしながら、このような補助的な燃焼遅延化手段は燃焼時の立消えも起こし易くなるので、燃焼速度の僅かな調整程度に止めることが望ましい。
【0015】
燃焼遅延化剤として軽質炭酸マグネシウムを使用する場合、線香全重量に対し5重量%以上、45重量%以下(好ましくは10重量%以上、30重量%以下)の割合で配合することで、燃焼時の立消えの恐れもなく燃焼速度を遅延させることができ、その時の燃焼速度は、線香の太さが断面積3〜18mm2の時、70〜100mm/hrとなる。
炭酸マグネシウムには、比重の差により軽質炭酸マグネシウムと重質炭酸マグネシウムがあるが、重質炭酸マグネシウムは燃焼速度を遅延する効果が少ない。
【0016】
燃焼遅延化剤として有機酸ヒドラジドを使用する場合、線香全重量に対し7重量%以上、50重量%以下(好ましくは10重量%以上、40重量%以下)の割合で配合することで、燃焼の立消えの恐れもなく燃焼速度を遅延させることができ、その時の燃焼速度は、線香の太さが断面積3〜18mm2の時、70〜100mm/hrとなる。
有機酸ヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒドラジド、カーボジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等を使用できる。
【0017】
燃焼遅延化剤として米糠を使用する場合、線香全重量に対し7重量%以上、50重量%以下(好ましくは10重量%以上、45重量%以下)の割合で配合することで、燃焼時の立消えの恐れもなく燃焼速度を遅延させることができ、その時の燃焼速度は、線香の太さが断面積3〜18mm2の時、70〜100mm/hrとなる。
【0018】
本発明の線香においては、必要に応じて、他の燃焼遅延化剤として水酸化アルミニウムを添加することもできる。
また、水酸化アルミニウムを配合することにより、添加する色素の色がより一層鮮やかになり、外観色が鮮やかで明るい線香が得られるという効果もある。
【0019】
本発明においては、前記したような燃焼遅延化剤を配合するだけでなく、粘結剤の配合量を変えることによって線香の燃焼速度を補助的に調整することもできる。この場合、粘結剤を線香全重量に対し5重量%以上、25重量%以下(好ましくは8重量%以上、20重量%以下)の割合で配合することが好ましい。
現在、粘結剤としては、主として椨粉とデンプン等の水溶性高分子粘結剤が使用されている。本発明においては、椨粉以外にも、粘結剤としてコーンスターチ、タピオカデンプン、小麦デンプン、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、コラーゲン、メチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプン等の水溶性高分子粘性剤を使用することが好ましいが、椨粉と兼用できることは勿論である。
【0020】
本発明の線香の基剤としては、除虫菊抽出粕、木粉、茶等の茎葉粉末等の燃焼基剤、椨粉、コーンスターチ等の粘結剤、その他セルロース等の増粘剤、リン酸カルシウム等の燃焼遅延化剤等の公知原料を使用することができ、前記した燃焼遅延化剤の添加により、その燃焼速度が100mm/hr未満の性状を示す線香であれば良い。
線香の燃焼基剤としては、上記除虫菊抽出粕粉、木粉、茶等の茎葉粉末の他に、ココナッツ粉、コーヒー豆殻の内皮粉末、トウモロコシの芯の粉末、カーボン等従来公知の各種燃焼基剤もしくは助燃剤を用いることができる。
本発明の線香を蚊取線香として用いる場合には、殺虫有効成分としては従来公知の各種殺虫剤を用いることができるが、安全性の面からはピナミンフォルテ、エトック(いずれも住友化学工業(株)製の商品の登録商標)等のピレスロイド系殺虫剤が好ましい。
また、本発明の線香には、上記各種成分に加えて、マラカイトグリーン等の色素、デヒドロ酢酸等の防カビ剤を配合することもできる。
【0021】
本発明に係る線香は、上記各種成分を水もしくは温水と練合し、適当な形状に成形することによって得られ、配合する有効成分(殺虫成分又は香料等)に応じて蚊取線香又は仏壇用線香などとして用いることができる。蚊取線香の場合は、一般に殺虫成分を添加した配合物を水と練合し、シート状に押出成形した後、渦巻状に打抜き、乾燥することによって製造される。なお、有効成分は線香成形後にスプレー、塗布、滴下、浸漬等によって含浸させることもできる。
【0022】
本発明の上記各材料を配合した線香の有効成分への影響については、線香の太さを前記断面積範囲にすることで、より好ましくは断面積7mm2に近ずけることで、有効成分の分解が少なくなり、有効成分の揮散率の低下を抑制できる。しかし、前記燃焼遅延化剤の配合割合を増加するに従い、断面積が極端に小さくまた大きくなるに従い、また線香の密度を高く、即ち強固にするに従い、有効成分の分解が多くなっていく傾向にある。この傾向は特に粘結剤の配合量を多くした場合に大きい。この様な場合、有効成分を成形後の線香表面にスプレー、塗布、印刷、滴下、付着等の操作によって処理することが有効である。
【0023】
【実施例】
以下、試験例及び実施例を示して本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
なお、以下の試験例において、燃焼速度及び燃焼重量の測定は以下のようにして行った。
線香を長さ200mmに切り、その重量(W1)を測定する。この線香を点火して5分間程放置した後、その時の重量(W2)を測定し、直ちにストップウォッチを用いて時間を測定し始める。引き続き無風の場所において燃焼させ、丁度1時間経過した時の線香の残りの重量(W3)を測定し、下記式により燃焼速度及び燃焼重量を求めた。
燃焼速度(mm/hr)=200×(W2−W3)/W1
燃焼重量(g/hr)=W2−W3
【0024】
試験例1
表1に示すように、除虫菊抽出粕粉、木粉、茶粉、椨粉の所定量に対して、軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド又は米糠をそれぞれ添加量を変化させて加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にかけ断面積(X)が14mm 2 の棒状に押し出し、一定の長さに切断し、風乾にて乾燥したものを供試線香とした。なお、この時の有効成分としてはピナミンフォルテを使用した。
この線香について、燃焼試験を行い、燃焼速度及び燃焼重量を調べた。その結果を表1に併せて示す。
【表
Figure 0003595366
0025
試験例
除虫菊抽出粕粉35〜45重量%、木粉20〜27重量%、椨粉20〜30重量%、小麦デンプン6〜10重量%を配合した線香基剤に、有効成分としてピナミンフォルテを加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機にかけ、棒状線香を作製した。線香サンプル1として、市販線香とほぼ同じ大きさ(断面積21mm2)の線香を、線香サンプル2として、断面積14mm2の線香を製造した。線香サンプル3は、ピナミンフォルテを添加していない以外は線香サンプル2と同じ処方の乾燥した棒状線香に、ピナミンフォルテ及び樹脂の混合溶剤を噴射して塗着し、熱乾燥して製造した。この時の線香サンプルの燃焼速度は、各々約100mm/hrとした。
この線香について、有効成分の揮散率を測定した。その結果を表に示す。
【表
Figure 0003595366
0026
【発明の効果】
以上のように、本発明の線香は、3〜18mm2の断面積にすると共に、線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び糠からなる群から選ばれた少なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤の燃焼速度が100mm/hr未満となるように調整したものであるため、従来の線香よりその太さが細小であるにも拘らず、燃焼時に立消えを起こすことなく燃焼時間を従来の線香と同程度かそれ以上にすることができ、従って、従来の線香と同じような燃焼時間の場合には線香重量及び線香サイズを小さくできる。その結果、使用原料が減少し、コストダウンを図れると共に、資源の節約にも寄与することができる。
また、本発明のように線香の燃焼速度を遅延化することにより、燃焼の伝播が緩やかになり、有効成分が分解する率もそれだけ低くなり、有効成分の揮散率が向上する。また、線香の太さを小さくすることにより、有効成分の揮散率がさらに向上すると共に、単位燃焼時間当りの燃焼重量も少なくなり、その結果、粘膜刺激性の煙やタールの発生量も少なくなり、人の健康に対する安全性の面における改善効果も得られる。

Claims (6)

  1. 3〜18mm2の断面積を有し、かつ、線香基剤に軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び糠からなる群から選ばれた少なくとも1種の燃焼遅延化剤を配合して線香基剤の燃焼速度が100mm/hr未満となるように調整したことを特徴とする線香。
  2. 燃焼遅延化剤が軽質炭酸マグネシウムであり、線香全重量の5〜45重量%配合されている請求項1に記載の線香。
  3. 燃焼遅延化剤が有機酸ヒドラジドであり、線香全重量の5〜50重量%配合されている請求項1に記載の線香。
  4. 燃焼遅延化剤が米糠であり、線香全重量の7〜50重量%配合されている請求項1に記載の線香。
  5. 燃焼遅延化剤が軽質炭酸マグネシウム、有機酸ヒドラジド及び米糠から選ばれた2種又は3種である請求項1に記載の線香。
  6. 燃焼遅延化剤の配合量が全体として線香全重量の5〜50重量%である請求項1又はに記載の線香。
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